特許第6083841号(P6083841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6083841手本データ生成プログラム及び手本データ生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6083841
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】手本データ生成プログラム及び手本データ生成装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 11/00 20060101AFI20170213BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   G09B11/00
   G09B5/02
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-103018(P2016-103018)
(22)【出願日】2016年5月24日
【審査請求日】2016年5月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512167378
【氏名又は名称】木本 実
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木本 実
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−222846(JP,A)
【文献】 特開平05−113747(JP,A)
【文献】 特開平10−063174(JP,A)
【文献】 特開2005−049387(JP,A)
【文献】 特開平07−114334(JP,A)
【文献】 特開平07−160190(JP,A)
【文献】 特開2004−170736(JP,A)
【文献】 浦正広、外4名,"運筆リズムにより短時間での上達を支援するペン習字アプリ",「電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 Vol.113 No.109」,日本,一般社団法人 電子情報通信学会,2013年 6月18日,第113巻,第109号,p.23-28
【文献】 yosh_s,"『美文字』お手本をなぞるタイプのシンプルお習字ツール",みんなのアプリナビ@DIME,日本,株式会社小学館,2013年 2月 4日,[2016年7月11日検索],URL,http://www.appdime.jp/2013/02/04/p-42474
【文献】 小松佳那,"毛筆フォントで書道の手本を簡単作成「お手本アトリエ」",窓の杜,日本,株式会社インプレス,2011年12月 9日,[2016年7月11日検索],URL,http://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/okiniiri/497028.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/02,11/00,11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字練習のための手本データを生成する手本データ生成プログラムであって、
コンピュータを、
ユーザからの手本文字の手書き入力を受け付ける入力手段と、
前記手書き入力に基づいて前記手本文字を表す手本文字画像を生成する手本文字画像生成手段と、
前記手本文字画像において、前記手本文字を構成する画毎に、所定の幅をもって画に沿って伸長する画素群の座標で定義される判定領域であって、文字練習の際に入力される練習文字の手書き入力座標が前記判定領域が示す座標内であるか否かにより前記練習文字の良否を判定するための判定領域を設定する判定領域設定手段と、
前記手本文字画像、及び、各画に対応する複数の前記判定領域を示す判定領域情報を含んで構成される手本データを生成する手本データ生成手段と、
として機能させることを特徴とする手本データ生成プログラム。
【請求項2】
前記幅は、前記ユーザによって設定される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の手本データ生成プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、さらに、
前記手本文字の各画の入力順を取得する筆順取得手段、
として機能させ、
前記判定領域設定手段は、前記入力順に基づいて、前記複数の判定領域の順序付けを行う、
ことを特徴とする、請求項1に記載の手本データ生成プログラム。
【請求項4】
前記判定領域は、入力された画の進行方向に基づいて順序付けられた複数の区画を含む、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の手本データ生成プログラム。
【請求項5】
文字練習のための手本データを生成する手本データ生成装置であって、
ユーザからの手本文字の手書き入力を受け付ける入力手段と、
前記手書き入力に基づいて前記手本文字を表す手本文字画像を生成する手本文字画像生成手段と、
前記手本文字画像において、前記手本文字を構成する画毎に、所定の幅をもって画に沿って伸長する画素群の座標で定義される判定領域であって、文字練習の際に入力される練習文字の手書き入力座標が前記判定領域が示す座標内であるか否かにより前記練習文字の良否を判定するための判定領域を設定する判定領域設定手段と、
前記手本文字画像、及び、各画に対応する複数の前記判定領域を示す判定領域情報を含んで構成される手本データを生成する手本データ生成手段と、
を備えることを特徴とする手本データ生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手本データ生成プログラム及び手本データ生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文字の練習(学習)を支援するためのソフトウェア(プログラム)が知られている。例えば、特許文献1には、コンピュータの表示部に表示された手本文字をタッチ及びドラッグなどしてなぞることで文字を練習するシステムが開示されている。特許文献1のシステムにおいては、練習者が入力した(なぞった)練習文字と手本文字とを比較して、練習文字の良否を判定する処理が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−49308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の文字練習支援プログラムにおいては、手本文字を示す手本データは予め用意されていた。例えば、当該プログラムをコンピュータにインストールしたときに手本データ群も同時にインストールされていた。そして、練習者は、予め用意された手本データの中から練習したい文字に対応する手本データを選択して文字の練習を行っていた。
【0005】
手本データを先生や親などの指導者ユーザが自ら作成することが望まれている。例えば、親が書いた文字がそのまま手本文字として利用できれば、子供が親の書いた文字をなぞって文字の練習を行うことになり、子供に感動や喜びを与え、ひいては文字の練習効果が高まることが期待できる。また、練習文字がそのような手本文字からずれた場合にNG判定されるならば、それにより得られるゲーム的感覚も相俟って、さらに文字の練習効果が高まることが期待できる。さらに、指導者ユーザが、手本文字を生徒の前で書いて見せながら手本データを作成するならば、練習者に文字の書き方を好適に伝えながら手本データを作成することができる。
【0006】
本発明の目的は、練習文字の良否を判定可能な手本データを指導者ユーザが作成できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、文字練習のための手本データを生成する手本データ生成プログラムであって、コンピュータを、ユーザからの手本文字の手書き入力を受け付ける入力手段と、前記手書き入力に基づいて前記手本文字を表す手本文字画像を生成する手本文字画像生成手段と、前記手本文字画像において、前記手本文字を構成する画毎に、所定の幅をもって画に沿って伸長する画素群の座標で定義される判定領域であって、文字練習の際に入力される練習文字の手書き入力座標が前記判定領域が示す座標内であるか否かにより前記練習文字の良否を判定するための判定領域を設定する判定領域設定手段と、前記手本文字画像、及び、各画に対応する複数の前記判定領域を示す判定領域情報を含んで構成される手本データを生成する手本データ生成手段と、として機能させることを特徴とする。
【0008】
望ましくは、前記幅は、前記ユーザによって設定される、ことを特徴とする。
望ましくは、前記コンピュータを、さらに、前記手本文字の各画の入力順を取得する筆順取得手段、として機能させ、前記判定領域設定手段は、前記入力順に基づいて、前記複数の判定領域の順序付けを行う、ことを特徴とする。
【0009】
望ましくは、前記判定領域は、入力された画の進行方向に基づいて順序付けられた複数の区画を含む、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、文字練習のための手本データを生成する手本データ生成装置であって、ユーザからの手本文字の手書き入力を受け付ける入力手段と、前記手書き入力に基づいて前記手本文字を表す手本文字画像を生成する手本文字画像生成手段と、前記手本文字画像において、前記手本文字を構成する画毎に、所定の幅をもって画に沿って伸長する画素群の座標で定義される判定領域であって、文字練習の際に入力される練習文字の手書き入力座標が前記判定領域が示す座標内であるか否かにより前記練習文字の良否を判定するための判定領域を設定する判定領域設定手段と、前記手本文字画像、及び、各画に対応する複数の前記判定領域を示す判定領域情報を含んで構成される手本データを生成する手本データ生成手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、練習文字の良否を判定可能な手本データを指導者ユーザが作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係るタブレット端末の構成概略図である。
図2】手本データ作成モードにおける表示画面の例を示す図である。
図3】指導者ユーザが入力した画に設定された判定領域を示す図である。
図4】区画に対応する座標群を示す図である。
図5】手本文字が入力された状態を示す図である。
図6】文字練習モードにおける表示画面の例を示す図である。
図7】一緒に練習モードにおける表示画面の例を示す図である。
図8】本実施形態に係るタブレット端末における手本データ作成処理の流れを示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係るタブレット端末における文字練習処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<手本データ生成装置の構成概要>
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る手本データ生成装置としてのタブレット端末10の構成概略図である。タブレット端末10はコンピュータであり、記憶部12、表示部14、入力部16、記憶媒体読取部18、及び制御部20を含み、これらがバス22により接続されている。
【0014】
記憶部12は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などから構成される。記憶部12には、タブレット端末10の各部を動作させるためのプログラム、手本データ生成プログラムとしても機能する文字練習支援プログラム(アプリケーション)、あるいはタブレット端末10の処理により得られた各種データなどが記憶される。
【0015】
表示手段としての表示部14は、例えば液晶表示パネルなどから構成される。表示部14には、タブレット端末10の処理内容などが表示される。特に表示部14には、文字練習支援プログラムのインターフェイス画面、あるいはユーザから手書き入力された文字が表示される。
【0016】
入力手段としての入力部16は、タブレット端末10を利用するユーザからの指示を入力するために用いられる。本実施形態では、入力部16はタッチパネルで構成されている。当該タッチパネルにおいては、ユーザの指のタッチ(指を表示部14へ接触させること)、ドラッグ(指を表示部14へ接触させたまま移動させること)、デタッチ(指を表示部14から離すこと)を検出可能となっている。これにより、入力部16がユーザからの文字の手書き入力を受け付け可能となっている。
【0017】
記憶媒体読取部18は、例えばメモリカードリーダ、USB(Universal Serial Bus)リーダ、あるいは光ディスク読取装置などから構成される。記憶媒体読取部18は、メモリカード、USB、あるいは光ディスクなどに非一時的に記憶された、文字練習支援プログラムを読み取ることができる。これにより、文字練習支援プログラムがタブレット端末10において実行されるようにしてもよい。
【0018】
制御部20は、例えばマイクロコントローラやCPUなどで構成される。制御部20は、記憶部12に記憶されたプログラムに従って、タブレット端末10の各部を制御する。また、制御部20は、記憶部12に記憶された、あるいは記憶媒体読取部18が読み取った文字練習支援プログラムに従って、手本文字画像生成手段としての文字画像生成部20a、文字練習支援プログラムに関する画面を表示部14に表示させる表示制御部20b、判定領域設定手段としての判定領域設定部20c、筆順取得手段としての筆順取得部20d、手本データ生成手段としての手本データ生成部20e、及び、練習者により入力された練習文字の良否を判定する判定部20fとして機能する。
【0019】
本実施形態に係る文字練習支援プログラムは、手本生成モード、文字練習モード、及びこれら2つのモードを組み合わせた一緒に練習モードの3つのモードで実行可能となっている。手本データ生成モードによれば、ユーザ、特に指導者ユーザが、文字練習の手本となる手本文字を手書き入力し、当該手本文字に関する手本データを生成することができる。文字練習モードにおいては、ユーザ、特に練習者ユーザが、手本データ生成モードで生成された手本データ(あるいは予め用意された手本データ)に従って練習文字を入力することで、文字を練習することができる。一緒に練習モードは、モード切替を行う必要なく、指導者ユーザが作成した手本データに基づいて練習者が文字練習を行えるモードである。
【0020】
文字画像生成部20aは、ユーザからの文字の手書き入力に基づいて文字画像を生成する。具体的には、文字練習支援プログラムが手本生成モードあるいは一緒に練習モードで実行中に、指導者ユーザからの手書き入力に基づいて、手本文字を表す手本文字画像を生成する。また、文字練習支援プログラムが文字練習モードあるいは一緒に練習モードで実行中に、練習者ユーザからの手書き入力に基づいて、練習文字を表す練習文字画像を生成する。
【0021】
表示制御部20bは、表示部14へ各種画面を表示させる制御を行う。
【0022】
判定領域設定部20cは、文字練習支援プログラムが手本生成モードあるいは一緒に練習モードで実行中に文字画像生成部20aが生成した手本文字画像において、手本文字を構成する画に沿った画素群である判定領域を設定する。当該判定領域は、当該手本文字に関する手本データを用いて文字練習を行う際に、当該手本文字と練習文字とのずれを判定するために用いられるものである。判定領域設定部20cは、手本文字を構成する画毎に判定領域を設定する。
【0023】
筆順取得部20dは、ユーザから入力された文字の筆順(入力順)を取得する。具体的には、入力部16がユーザの指のタッチを検出後に指のデタッチを検出した場合に1つの画の入力が終えたと判定する。そして、そのあとに再度指のタッチを検出した場合に、それにより入力される画が次の画であると判定する。
【0024】
手本データ生成部20eは、文字練習支援プログラムが手本生成モードあるいは一緒に練習モードで実行中に、文字画像生成部20aにより生成された手本文字画像、及び、判定領域設定部20cにより生成された各画に対応する判定領域を示す判定領域情報を含む手本データを生成する。生成された手本データは、記憶部12に記憶される。
【0025】
判定部20fは、文字練習支援プログラムが文字練習モードあるいは一緒に練習モードで実行中に、練習者ユーザにより入力された練習文字の良否判定を行う。具体的には、判定部20fは、手本データが有する判定領域情報と、練習者ユーザにより入力された練習文字の各画(例えば各画の経路)との比較に基づいて練習文字の良否判定を行う。
【0026】
以下、文字練習支援プログラムが有する手本データ生成モード、文字練習モード、及び一緒に練習モードを説明すると共に、文字練習支援プログラムにより制御部20が発揮する各機能の詳細について説明する。
【0027】
<手本作成モード>
図2は、手本作成モードに入った場合に表示部14に表示される手本作成モード画面を示す図である。手本作成モード画面は、手本文字入力領域30、手本データ作成ボタン32、及びモード切替ボタン34を含んで構成される。手本文字入力領域30には、入力する手本文字の位置の指標となる十字形ガイド線30aを有していてもよい。指導者ユーザは、手本文字入力領域30に手書きで手本文字を書き、その後、手本データ作成ボタン32を押すことで手本データを生成することができる。また、モード切替ボタン34は、手本作成モード、文字練習モード、一緒に練習モードとの間で、文字練習支援プログラムのモードをトグル切替するためのボタンである。なお、文字練習支援プログラムを立ち上げたときのモード(初期モード)が、いずれのモードであるかは、ユーザが適宜設定することができる。
【0028】
図3は、手本文字を構成する1つの画が指導者ユーザによって入力された様子を示す図である。図3に示された画は、「右」という漢字の1画目である。当該画が入力される、つまり、手本文字入力領域30内の画の始点において指がタッチされ、そこから指がドラッグされ、画の終点において指がデタッチされると、文字画像生成部20aにより画の経路に沿って画の画像40が表示される。なお、図3における画の画像40は、便宜上白抜きとなっているが、実際には着色されていてよい。
【0029】
以下、判定領域設定部20cによる判定領域の設定方法について説明する。まず、指導者ユーザが手本文字入力領域30内の画の始点において指をタッチすると、判定領域設定部20cは、指とタッチパネルとの接触領域である複数の画素から構成されるタッチ領域を検出する。そして、検出したタッチ領域の中心画素42を特定し、その座標を取得する。タッチ領域の中心画素42の特定方法としては既知の技術を採用することができる。図3において、始点におけるタッチ領域に対応する中心画素42が符号42aで示されている。なお、判定領域設定部20cにより取得される座標は、手本文字入力領域30の所定位置を原点とした場合の座標である。本実施形態では、手本文字入力領域30の左上の点30b(図2参照)が原点となっている。
【0030】
判定領域設定部20cは、始点におけるタッチ領域の中心画素42aの座標を取得すると、中心画素42aを含む画素群からなる区画44を定義する。なお、区画44は区画44を構成する画素群に対応する座標群で定義される。本実施形態では、区画44は、中心画素42を中心とした略円形の領域であるが、区画44の形状としてはこれに限られない。なお、区画44の面積は、指導者ユーザによって設定可能とするようにしてもよい。後述のように、区画44の面積に応じて判定領域の面積が変更するから、区画44の面積を小さくすることによって判定領域の面積を小さくし、すなわち文字練習時における手本文字と練習文字とのずれをより敏感に検出することができる。つまり、区画44の面積を小さくすることで文字練習の難易度が向上し、一方において区画44の面積を大きくすることで文字練習の難易度を低下させることができる。
【0031】
図3には、始点におけるタッチ領域の中心画素42aに対応する区画44として破線で示された始点区画44aが示されている。図3においては、区画44は円形で示されているが、実際には図4に示される通り、区画44は中心画素42を中心とした集合形態において略円形の複数の画素である。望ましくは、判定領域設定部20cは、始点区画44aを構成する画素群の座標群を記憶する。また、望ましくは、始点区画44aに対応する座標群には、始点に対応する区画であることを示す「始点」の情報が付加される。
【0032】
続いて、指導者ユーザが始点から指をドラッグすると、指のドラッグに伴いタッチ領域の中心画素42が移動する。中心画素42の移動に伴って、区画44は、その形状を保ち、且つ、区画44の中心画素42の座標が中心画素42であることを維持しながら移動する。判定領域設定部20cは、区画44を構成する画素群が通過した座標を逐次取得する。なお、図3において、指のドラッグに伴って移動する中心画素42の移動軌跡46が一点鎖線により示されている。
【0033】
そして、指導者ユーザが画の終点まで指を移動させ指をデタッチすると、判定領域設定部20cは、終点におけるタッチ領域(つまりデタッチ直前のタッチ領域)の中心画素42の座標を取得する。図3の例では、当該中心画素42が符号42bで示されている。望ましくは、判定領域設定部20cは、中心画素42bを中心とする終点区画44bを構成する画素群の座標群を記憶する。また、望ましくは、終点区画44bに対応する座標群には、終点に対応する区画であることを示す「終点」の情報が付加される。
【0034】
判定領域設定部20cは、ユーザの指のドラッグに伴って、区画44が始点区画44aから終点区画44bまで移動する間に区画44が通過した領域(画素群)を当該画の判定領域48として設定し記憶する。判定領域48は、それを構成する画素群に対応する座標群で定義される。
【0035】
上述の通り、望ましくは、判定領域48内には複数の区画44(始点区画44a及び終点区画44b)が設定される。そして、始点区画44aには始点区画であることを示す情報が付加され、終点区画44bには終点区画であることを示す情報が付加されている。これらの情報は、区画44の順序(1番目が始点区画、2番目が終点区画)を意味するものでもある。始点区画44a及び終点区画44bを定義することで、判定領域48には、画の進行方向(始点区画44aから終点区画44bへ向かう方向)を示す情報が付加されることになる。
【0036】
望ましくは、判定領域設定部20cは、判定領域48内において、始点区画44aと終点区画44bとの間にさらに区画44を定義してもよい。例えば、図3の例においては、始点区画44aと終点区画44bとの間に、中間区画44c、44d、及び44eが定義されている。中心画素42aが始点から終点まで移動する間に、移動軌跡46上において所定の間隔で中心画素42c、42d、及び42eが取得され、中心画素42c、42d、及び42eを中心とする中間区画44c、44d、及び44eを構成するそれぞれの画素群の座標群が記憶される。
【0037】
判定領域設定部20cは、各中間区画に対応する画素群に対して、画の進行方向(運筆方向)に基づく順序を示す順序情報を付加する。例えば、始点区画44aに最も近い中間区画44cに対応する画素群には「中間1」の順序情報を付し、次の中間区画44dに対応する画素群には「中間2」の順序情報を付し、終点区画44bに最も近い中間区画44eに対応する画素群には「中間3」の順序情報を付す。これにより、判定領域48内において、複数の区画44により画の進行方向が細かく定義される。具体的には、画の進行方向は「始点(始点区画44a)→中間1(中間区画44c)→中間2(中間区画44d)→中間3(中間区画44e)→終点(終点区画44b)」となる。以上のように、判定領域設定部20cは、画の進行方向に基づいて、判定領域48内の各区画44を順序付ける処理を行う。
【0038】
以上のようにして、「右」という漢字の1画目に対応する判定領域48が設定される。望ましくは、判定領域48内において複数の区画44が定義される。また、望ましくは、判定領域設定部20cは、筆順取得部20dが取得した筆順に基づいて、判定領域48に対して、手本文字の画数を示す画数情報を付加する。例えば、図3の例においては、判定領域48は1画目に対応するものであるから、判定領域48に対して「1画目」の情報が付加される。このようにして、判定領域設定部20cは、手本文字を構成する各画に対応する複数の判定領域を順序付ける処理を行う。
【0039】
以上の処理と同様の処理を行うことによって、2画目以降の画に対する判定領域48が設定される。
【0040】
図5には、手本文字を構成する全ての画の入力が終了し、すなわち全ての画に対応する複数の判定領域48が設定された状態の画面が示されている。図5に示される通り、手本文字入力領域30内には、文字画像生成部20aにより生成された手本文字画像50が表示されている。
【0041】
望ましくは、表示制御部20bが、設定された各判定領域48が有する画数情報に基づいて、各画の筆順を示す筆順方向表示アイコン52を表示するようにしてもよい。筆順方向表示アイコン52が表示される位置は、例えば、各判定領域48が有する始点区画の近傍とすることができる。
【0042】
また、表示制御部20bが、設定された各判定領域48が有する複数の区画44に付加された順序情報に基づいて、各画の進行方向(運筆方向)を示す運筆方向表示アイコン54を表示するようにしてもよい。筆順方向表示アイコン52同様に、運筆方向表示アイコン54が表示される位置は、例えば、各判定領域48が有する始点区画の近傍とすることができる。運筆方向表示アイコン54が指し示す方向は、例えば、始点区画の中心画素42から、始点区画に最も近い中間区画の中心画素42へ向かう方向とすることができる。
【0043】
また、図5において不図示であるが、設定された判定領域48が表示されるようにしてもよい。
【0044】
手本文字を構成する全ての画が入力された後に、指導者ユーザにより手本データ作成ボタン32が押されると、手本データ生成部20eは、文字画像生成部20aが生成した手本文字画像50、及び判定領域設定部20cにより設定された手本文字の各画に対応する複数の判定領域48を示す判定領域情報を含む手本データを生成する。
【0045】
<文字練習モード>
図6は、文字練習モード時に表示部14に表示される文字練習モード画面を示す図である。文字練習モード画面は、モード切替ボタン34の他、手本文字入力領域30と同形状の練習文字入力領域60、手本データ読み出しボタン62、筆順表示ボタン64、及び運筆方向表示ボタン66を含んで構成される。練習文字入力領域60には、手本文字入力領域30同様、入力する練習文字の位置の指標となる十字形ガイド線60aを有していてもよい。
【0046】
練習者ユーザ、あるいは指導者ユーザにより手本データ読み出しボタン62が押下されると、記憶部12に記憶された手本データの一覧が表示される。当該一覧の中から手本データが選択されると、表示制御部20bは、当該手本データに含まれる手本文字画像68を練習文字入力領域60に表示させる。手本文字画像68は、薄い色彩又は色調で表示される。また、手本文字画像68は、各画が異なる色で表示されてもよい。
【0047】
手本文字画像68が表示された後に、筆順表示ボタン64が押されると、表示制御部20bは、手本文字入力領域30内において表示された場合と同様の処理によって、練習文字入力領域60内において各画の筆順を示す筆順表示アイコン70を表示させる。また、運筆方向表示ボタン66が押されると、表示制御部20bは、手本文字入力領域30内において表示された場合と同様の処理によって、練習文字入力領域60内において各画の運筆方向を示す運筆方向表示アイコン72を表示させる。
【0048】
練習者ユーザは、表示された手本文字画像68をなぞるようにして、練習文字を構成する各画の入力を行う。練習者ユーザが練習文字を構成する画を入力すると、文字画像生成部20aは、練習文字の各画の画像74を生成し、それが表示制御部20bにより練習文字入力領域60に表示される。なお、練習文字は手本文字画像68よりも濃い色彩又は色調で表示される。また、練習文字は、手本文字画像68に応じて、各画が異なる色で表示されてもよい。
【0049】
以下、判定部20fの処理内容について説明する。まず、練習者ユーザが練習文字入力領域60内の1画目の始点において指をタッチすると、判定部20fは、指とタッチパネルとの接触領域である複数の画素から構成されるタッチ領域を検出する。そして、検出したタッチ領域の中心画素を特定し、その座標を取得する。なお、判定部20fにより取得される座標は、手本文字入力領域30における原点と同じ位置(練習文字入力領域60の左上の点60b)を原点とした場合の座標である。
【0050】
望ましくは、判定部20fは、始点におけるタッチ領域の中心画素の座標を取得すると、当該座標が、1画目の判定領域48内に定義された始点区画(図3の例では始点区画44a)内の座標であるか否かを判定する。そうでない場合は、判定部20fはNG判定を行い、表示制御部20bは、NGである旨を示す表示を表示部14に表示させる。始点におけるタッチ領域の中心画素42の座標が始点区画内である場合、判定処理が続行される。
【0051】
続いて、練習者ユーザが始点から指をドラッグすると、指のドラッグに伴いタッチ領域の中心画素が移動する。判定部20fは、当該中心画素の座標が変更される度に、変更後の座標が1画目の判定領域48内であるか否かを判定する。変更後の座標が判定領域48外であると判定された場合はNG判定を行う。
【0052】
望ましくは、練習者ユーザが指をデタッチすると、判定部20fは、指がデタッチされた直前のタッチ領域の中心画素42の座標が1画目の判定領域48内に定義された終点区画(図3の例では終点区画44b)内の座標であるか否かを判定する。そうでない場合は、判定部20fはNG判定を行う。指がデタッチされた直前のタッチ領域の中心画素42の座標が終点区画44b内である場合、1画目の入力はOKであるから、判定部20fは、引き続き2画目について上述と同様の処理を行う。
【0053】
また、判定領域48内において、1又は複数の中間区画が設定されている場合、判定部20fは、タッチ領域の中心画素42が中間区画を順番通りに通過するか否かを判定する。例えば、図3に示すように、中間区画44c〜44eが設定されている場合、始点におけるタッチ領域の中心画素42の座標が始点区画44a内であることを判定した後、タッチ領域の中心画素42が「中間1」の順序情報が付された中間区画44cを通過するか(中間区画44cに入った後そこから出たか)否かを判定する。次いで、タッチ領域の中心画素42が、「中間2」の順序情報が付された中間区画44dを通過したか否か、さらに「中間3」の順序情報が付された中間区画44eを通過したか否かを判定する。タッチ領域の中心画素42が中間区画44c〜eを順番通り通過しない場合(途中で画の運筆方向とは逆方向に戻ったような場合)には、判定部20fはNG判定を行う。
【0054】
練習者ユーザが入力した練習文字の各画について上述の処理を行い、全ての画についてNG判定でない場合は、判定部20fは入力された練習文字についてOK判定を行い、表示制御部20bは、OKである旨を示す表示を表示部14に表示させる。
【0055】
<一緒に練習モード>
図7は、一緒に練習モード時に表示部14に表示される一緒に練習モード画面を示す図である。一緒に練習モードは、上述の手本作成モードと文字練習モードが組み合わさったモードであり、指導者ユーザと練習者ユーザとが一緒に使用するモードである。一緒に練習モード画面は、並べられて表示される手本文字入力領域30及び練習文字入力領域60、さらに、上述の手本データ作成ボタン32、モード切替ボタン34、筆順表示ボタン64、及び運筆方向表示ボタン66を含んで構成される。
【0056】
一緒に練習モードにおいては、指導者ユーザが手本文字入力領域30において手本文字を入力すると、練習文字入力領域60において手本文字画像68が表示される。好適には、手本文字の各画の入力に応じて、手本文字画像68の各画が順次表示される。
【0057】
指導者ユーザによる手本文字の入力に応じて、手本作成モードの場合と同様の処理によって、判定領域設定部20cにより各画に対応する判定領域48が設定され、手本データ生成部20eにより手本データが生成される。一緒に練習モードにおいては、生成された手本データは直ちに練習文字入力領域60に反映されるため、練習者ユーザは手本データを読み込む必要がない。ただし、一緒に練習モードにおいて生成した手本データを後に文字練習モードで使用したい場合に備え、一緒に練習モードにおいても手本データ作成ボタン32が用意されている。
【0058】
指導者ユーザが手本文字を入力し終えると、練習者ユーザは、練習文字入力領域60に練習文字の入力を開始する。以後、文字練習モードと同様に、判定部20fは、入力された練習文字の良否判定を行う。
【0059】
<実施形態の効果>
本実施形態に係る文字練習支援プログラムによれば、指導者ユーザが入力した手本文字に基づいて手本データを生成することができ、練習者ユーザはそのように生成された手本データに基づいて文字を練習することができる。これにより、例えば指導者ユーザが親であり、練習者ユーザが子供である場合には、親が入力した手本文字をなぞって文字を練習することができ、子供に喜びや感動を与え、これにより学習効果が向上することが期待される。さらに、指導者ユーザが生成した手本データは、練習文字の良否判定が可能となっているから、練習者ユーザは、入力した練習文字が手本文字からずれたことを明確に把握できるし、NG判定にならないように楽しみながら(一種のゲーム感覚を得ながら)文字を練習することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る文字練習支援プログラムによれば、手本文字としてはいかなる文字でも入力することが可能であるから、一般の文字練習支援プログラムにおいて手本データとして用意されていない文字、例えば知名度が低い言語の文字に関する手本文字も作成することができ、練習者ユーザは、そのような文字についても練習を行うことができる。
【0061】
さらに、一緒に練習モードによれば、練習者ユーザは、指導者ユーザが手本文字を入力する様子を見ながら文字の書き方を学習することができる。さらに、指導者ユーザがまさに今入力した文字と全く同じ文字を手本文字とすることができ、特に子供にとっては、たった今作成された手本文字をなぞることで、より大きな喜びや感動を得ることができ、それにより学習効果がより向上することが期待される。
【0062】
<処理の流れ>
以下、図8に示すフローチャートに従って、タブレット端末10における手本データ作成処理の流れを説明する。
【0063】
ユーザにより手本作成モードあるいは一緒に練習モードが選択されると、ステップS10において、判定領域設定部20cは、変数nを1に設定する。当該変数nは手本文字の画数を示す変数である。
【0064】
ステップS12において、判定領域設定部20cは、手本文字入力領域30へのユーザのタッチを検出したか否かを判定する。タッチを検出した場合はステップS14に進み、検出していない場合は再度ステップS12で判定を行う。つまり、ユーザから手本文字入力領域30へタッチされるまで待機する。
【0065】
ステップS14において、ユーザによる指のドラッグに応じて、文字画像生成部20aが当該画の画像を生成し、表示制御部20bは、手本文字入力領域30内に当該画の画像を表示させる。さらに、当該描画処理と並行して、判定領域設定部20cは、タッチ領域の中心画素42を中心に定義された区画44の移動経路を取得する。
【0066】
ステップS16において、判定領域設定部20cは、ユーザが手本文字入力領域30からデタッチしたか否かを判定する。デタッチが検出されるまでは、ステップS14の描画処理及び区画44の移動経路の取得処理を継続する。デタッチが検出されるとステップS18に進む。
【0067】
ステップS18において、判定領域設定部20cは、区画44のが通過した領域を当該画の判定領域48として設定する。上述のように、判定領域48には、始点区画、終点区画、さらに、1又は複数の中間区画が設定される。
【0068】
ステップS20において、判定領域設定部20cは、筆順取得部20dが取得した筆順に基づいて、ステップS18で設定された判定領域48に当該画の画数nを示す画数情報を付加する。
【0069】
ステップS22において、手本データ生成部20eは、ユーザにより手本データ作成ボタン32が押されたか否かを判定する。手本データ作成ボタン32が押されていない場合、引き続き手本文字の次の画の入力に備えるため、ステップS24で変数nを1インクリメントし、再度ステップS12で手本文字入力領域30へのユーザへのタッチを待つ。再度のステップS12でユーザのタッチを検出すると、次の画についてのステップS14〜ステップS20までの処理を行う。
【0070】
ステップS22において手本データ作成ボタン32が押されたと判定された場合、手本データ生成部20eは、文字画像生成部20aにより生成された手本文字画像、及び各画について設定された複数の判定領域48を示す判定領域情報を含む手本データを生成する。手本データ生成部20eは、生成した手本データを記憶部12へ記憶させる。
【0071】
次に、図9に示すフローチャートに従って、タブレット端末10における文字練習処理の流れを説明する。
【0072】
ステップS30において、制御部20はユーザにより選択された手本データを読み込む。手本データが読み込まれると、表示制御部20bは、当該手本データに含まれる手本文字画像68を練習文字入力領域60に表示させる。
【0073】
ステップS32において、判定部20fは、変数nを1に設定する。当該変数nは練習文字の画数を示す変数である。
【0074】
ステップS34において、判定部20fは、練習文字入力領域60へのユーザのタッチを検出したか否かを判定する。タッチを検出した場合はステップS36に進み、検出していない場合は再度ステップS34で判定を行う。つまり、ユーザから練習文字入力領域60へタッチされるまで待機する。
【0075】
ステップS36において、判定部20fは、変数mを1に設定する。当該変数mは判定領域48内に設定された複数の区画44の順序を示す変数である。
【0076】
ステップS38において、判定部20fは、タッチ領域の中心画素がn画目の判定領域48内のm番目の区画44を通過したか否かを判定する。n=1、m=1の場合は、タッチ領域の中心画素が1画目の判定領域48の1番目の区画44、つまり始点区画を通過したか否か(始点区画の場合は初めにタッチされたタッチ領域の中心画素が始点区画内であり、且つそこから出たか否か)を判定する。
【0077】
ステップS38で「いいえ」の場合、例えばタッチ領域の中心画素の座標が始点区間外であった場合は、ステップS40に進み、判定部20fはNG判定を行う。表示制御部20bは、それに応じて入力された練習文字がNG判定であることを示す表示を行う。
【0078】
ステップS38で「はい」の場合、ステップS42に進み、ステップS42において、判定部20fは、ユーザが指をドラッグすることでタッチ領域の中心画素の座標が変化する度に、当該中心画素の座標がn画目の判定領域48から外れたか否かを判定する。外れた場合はステップS40に進み、そうでない場合はステップS44に進む。
【0079】
ステップS44において、判定部20fは、ユーザが練習文字入力領域60からデタッチしたか否かを判定する。デタッチが検出されるまでは、ステップS46において変数mが1インクリメントされつつ、ステップS38からステップS42の処理が繰り返される。例えば、図3に示された判定領域48に対する入力の場合、m=2の場合、再度のステップS38において、判定部20fは、タッチ領域の中心画素が判定領域48の2番目の区画44、つまり中間区画44cを通過したか否かを判定する。同様に、m=3の場合、再度のステップS38において、判定部20fは、タッチ領域の中心画素が判定領域48の3番目の区画44、つまり中間区画44dを通過したか否かを判定する。
【0080】
ステップS44においてデタッチが検出されるとステップS48に進む。
【0081】
ステップS48において、判定部20fは、デタッチ直前におけるタッチ領域の中心画素がn画目の判定領域48の終点区画内であるか否かを判定する。当該中心画素が終点区画内でない場合(例えば当該画を書ききらずにデタッチした場合)はステップS40に進み、終点区画内である場合はステップS50に進む。
【0082】
ステップS50において、判定部20fは、練習文字の全ての画の入力が完了したか否かを判定する。具体的には、判定部20fは、手本データに基づいて手本文字の画数を参照し、手本文字の最後の画数に対応するステップS34〜ステップS48までの処理が終了したか否かを判定する。練習文字の全ての画の入力が終わっていない場合、ステップS52において変数nを1インクリメントし、次の画についてのステップS34〜ステップS48までの処理を実行する。
【0083】
ステップS50において練習文字の全ての画の入力が終わったと判定された場合、ステップS54において、判定部20fはOK判定を行い、表示制御部20bは、入力された練習文字がOK判定であることを示す表示を行う。
【0084】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0085】
例えば、上記実施形態においては、文字練習支援プログラムを実行するコンピュータとしてタブレット端末10が利用されていたが、当該コンピュータはパーソナルコンピュータであってもよい。この場合は、入力部16として、手書きパッドなどが用いられるのが好適である。
【0086】
また、上記実施形態においては、文字練習支援プログラムは、手本作成モード、文字練習モード、及び一緒に練習モードを有していたが、各モードを別々のプログラム(アプリケーション)としてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 タブレット端末、12 記憶部、14 表示部、16 入力部、18 記憶媒体読取部、20 制御部、20a 文字画像生成部、20b 表示制御部、20c 判定領域設定部、20d 筆順取得部、20e 手本データ生成部、20f 判定部。
【要約】
【課題】練習文字の良否を判定可能な手本データを指導者ユーザが作成できるようにする。
【解決手段】ユーザにより表示部14に表示された手本画像入力領域30において、指導者ユーザにより手本文字が手書き入力されると、文字画像生成部20aは手本文字を示す手本文字画像を生成する。また、判定領域設定部20cは、手本文字を構成する各毎に、画に沿った画素群である判定領域48を設定する。当該判定領域48は、文字練習の際に練習者ユーザから入力される練習文字と手本文字とのずれを判定するための領域である。手本データ生成部20eは、手本文字画像と、手本文字の各画に対応する複数の判定領域48を示す判定領域情報とを含む手本データを生成する。
【選択図】図8
図1
図3
図4
図8
図9
図2
図5
図6
図7