特許第6083900号(P6083900)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6083900
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】ビナフタレン化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 41/16 20060101AFI20170213BHJP
   C07C 43/23 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   C07C41/16
   C07C43/23 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-109435(P2013-109435)
(22)【出願日】2013年5月24日
(65)【公開番号】特開2014-227387(P2014-227387A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000216243
【氏名又は名称】田岡化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松浦 隆
(72)【発明者】
【氏名】河村 実央
(72)【発明者】
【氏名】平林 俊一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 克宏
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−184623(JP,A)
【文献】 特開2011−153248(JP,A)
【文献】 特開2011−099001(JP,A)
【文献】 特開2010−189534(JP,A)
【文献】 特開2010−018753(JP,A)
【文献】 特開2002−308812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 41/00
C07C 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレンカーボネートから2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを製造する方法において、1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレンカーボネートの使用量が1,1’−ビ−2−ナフトール/エチレンカーボネート=1/2.0〜1/2.4(モル比)であり、且つ1,1’−ビ−2−ナフトールに対して0.6〜3.0重量倍の非反応性有機溶媒の共存下で反応することを特徴とする2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの製造方法。
【請求項2】
反応温度が150℃以下であることを特徴とする請求項1記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの製造方法。
【請求項3】
非反応性有機溶媒が芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズや光学フィルムに代表される光学部材を構成する樹脂(光学樹脂)を形成するモノマーとして好適なビナフタレン化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学部材として、小型化、軽量化が可能で、加工性、生産性に優れる点から樹脂材料が広く用いられており、また、近年の技術の高度化にともない、光学特性に優れた樹脂材料が求められている。2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを原料モノマーとする、ビナフタレン骨格を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタンやエポキシ等の樹脂材料は、高屈折率性と低複屈折率性とを両立させる上でとりわけ有利であることから、光学レンズやシートなどの新規な光学材料として注目されており、活発な研究開発が行われている。また、光学樹脂の特性は樹脂を形成するモノマーの品質に大きく依存することから、光学樹脂用モノマーとして好適な2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを得るための製造法の開発が求められている。
【0003】
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの合成方法としては、例えば、特許文献1には、1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレングリコールモノトシレートを反応させる方法が開示されている。特許文献2には、ビナフトール類とアルキレンオキサイド、ハロゲノアルカノール、またはアルキレンカーボネートとを反応させる方法が開示されており、具体的には、1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレンカーボネートから当該目的物を得る方法として1,1’−ビ−2−ナフトールに対して2.4モル倍量のエチレンカーボネートを用い水酸化カリウム触媒下170℃で反応する方法が開示されている。また、特許文献3には1,1’−ビ−2−ナフトールに対して3モル倍量のエチレンカーボネートを用い炭酸カリウム触媒存在下110℃で反応する方法が開示されている。これら開示される方法では収率や純度が不十分であったり、得られた2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンが着色しており、そのまま光学樹脂用モノマーとして使用するには問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−200301号公報
【特許文献2】特開2011−153248号公報
【特許文献3】特開2010−18753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光学樹脂を形成するモノマーとして好適な2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレンカーボネートの使用量および非反応性有機溶媒の使用量を最適化することにより、色相が良好で高純度の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを容易に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、以下を含む。
【0008】
[1] 1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレンカーボネートから2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを製造する方法において、1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレンカーボネートの使用量が1,1’−ビ−2−ナフトール/エチレンカーボネート=1/1.9〜1/2.4(モル比)であり、且つ1,1’−ビ−2−ナフトールに対して0.1〜4重量倍の非反応性有機溶媒の共存下で反応する事を特徴とする2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの製造方法。
【0009】
[2] 反応温度が150℃以下である事を特徴とする[1]記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの製造方法。
[3] 非反応性有機溶媒が芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種である事を特徴とする[1]または[2]記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光学樹脂用のモノマーとして好適な、高純度で着色の少ない2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを工業的に、容易にかつ収率良く製造可能である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明においては、1,1’−ビ−2−ナフトールと所定量のエチレンカーボネートとを所定量の非反応性溶媒共存下に反応させて2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを得る。本発明において、1,1’−ビ−2−ナフトールは光学異性体が存在しこれら異性体は特に限定されるものではないが、ラセミ体である(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトールが好ましく用いられる。目的とする2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは1,1’−ビ−2−ナフトール1モルとエチレンカーボネート2モルが反応した化合物であるが、この他に副反応物として1,1’−ビ−2−ナフトール1モルとエチレンカーボネート1モルが反応した化合物(以下1モル付加体と記載する場合がある)、1,1’−ビ−2−ナフトール1モルとエチレンカーボネート3モルが反応した化合物(以下3モル付加体と記載する場合がある)、1,1’−ビ−2−ナフトール類1モルとエチレンカーボネート4モル以上が反応した化合物(以下4モル以上付加体と記載する場合がある)、目的物が炭酸エステル結合で2モル以上重合した化合物(以下重合体と記載する場合がある)などが生成する。
【0012】
本発明における1,1’−ビ−2−ナフトールとエチレンカーボネートの使用量は1,1’−ビ−2−ナフトール/エチレンカーボネート(モル比)=1/1.9〜1/2.4、好ましくは1/2.0 〜1/2.4、更に好ましくは1/2.0〜1/2.3である。エチレンカーボネートの使用量が1/1.9より少ないと、攪拌困難となり反応が進行しないか反応が著しく遅延する。反応が進行した場合においても未反応1,1’−ビ−2−ナフトールや1モル付加体などの副反応物が多く、収率や純度が低下し好ましくない。エチレンカーボネートの使用量が1/2.4より多いと3モル付加体、4モル以上付加体や重合体などの副反応物の増加により、収率や純度が低下し好ましくない。また、エチレンカーボネートの使用量が1/1.9〜1/2.4であっても所定量の非反応性溶媒が共存しない場合、攪拌困難となり反応が進行しないか、反応が著しく遅延する場合があり好ましくない。この場合、反応を進行させるには温度を高くするか、所定量以上の多量の溶媒で希釈し、反応系内を溶解または攪拌可能なスラリー状態とする必要がある。しかしながら反応温度が高いと多量体などの副反応物の増加により、収率や純度が低下したり、着色により色相が悪化する。所定量以上の多量の溶媒で希釈した場合、反応が遅延すると共に副反応物が増加し好ましくない、また、経済的に不利である。
【0013】
本発明において、反応時に共存させる非反応性有機溶媒の使用量は1,1’−ビ−2−ナフトールに対して0.1〜4重量倍、好ましくは0.5〜2重量倍である。溶媒の使用量が0.1重量倍より少ないと1,1’−ビ−2−ナフトールが攪拌困難となり好ましくない。溶媒の使用量が4重量倍より多いと反応時間の遅延や容積効率が低下するなど、生産効率が悪化し経済的に不利である。また、長期の加熱操作は副反応物の増加や着色原因となり好ましくない。溶媒の多い状態で反応を速く進めるには触媒量を増やすことが考えられるが、触媒量の増加は4モル以上付加体や重合体などの副反応物の増加による収率、純度の低下や着色原因となり好ましくない。本発明においては、前記所定量のエチレンカーボネートと所定量の非反応性有機溶媒を用いて反応を行うことにより融点が高く、エチレンカーボネートや有機溶媒への溶解度が低い1,1’−ビ−2−ナフトールを溶液または攪拌可能なスラリー状態で最も効率よく反応を行うことができ、高収率でかつ高純度な2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを得ることができる。
【0014】
本発明における非反応性有機溶媒とは、反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではなく、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素などが挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素であり、特にトルエン、キシレンが好ましい。
【0015】
本発明において、1,1’−ビ−2−ナフトールと所定量のエチレンカーボネートとを所定量の非反応性有機溶媒の共存下に反応させる方法は、特に限定されるものではないが、通常、1,1’−ビ−2−ナフトール、エチレンカーボネート、溶媒および触媒を反応容器に仕込み、空気中又は窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下、加熱攪拌することにより行うことができる。反応は液体クロマトグラフィーなどの分析手段で追跡することができる。
【0016】
反応温度は特に限定されるものではないが、通常、150℃以下、好ましくは140〜40℃、更に好ましくは130〜70℃、特に120〜90℃である。反応温度が高すぎると副反応物の増加による収率低下や色相悪化の原因となる。反応温度が低すぎると反応が速やかに進行しない場合がある。
【0017】
本発明に用いられる触媒は、アルカリ触媒、酸触媒のいずれであってもよいが、反応の進行が速く、不純物が少なくなる点からアルカリ触媒が好ましい。アルカリ触媒としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。中でも水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムが好ましい。酸触媒を使用する場合も特に限定されるものではなく、硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。触媒の使用量は特に限定されるものではないが、通常、1,1’−ビ−2−ナフトール1モルに対して0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.2モルである。触媒量が少ないと反応が進行しないか、反応が遅延し好ましくない。触媒量が多いと多量体などの副反応物の増加による収率や純度の低下、着色原因となり好ましくない。
【0018】
反応終了後、適宜の後処理操作を施して、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを結晶として単離することができる。上記の処理操作としては、例えば、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの有機層(有機溶媒)への抽出、アルカリによる有機層の洗浄、有機層の濃縮、晶析、濾過、乾燥等を挙げることができるが、これらの操作のうち1以上の操作を省略してもよいし、他の操作を付加してもよい。また必要に応じて、単離された結晶を精製してもよい。精製方法としては、再晶析(再結晶)や活性炭等の吸着剤を用いた不純物除去処理を挙げることができる。
【0019】
光学材料の色相は、通常、イエローインデックス(YI)値で表すことができる。YI値はその数値が高いほど黄色度が増し着色していることを表す。YI値の下限は通常0程度である。2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンのYI値は後述する実施例の欄で記載された方法で測定する事ができる。光学材料として用いるには、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンのYI値は、好ましくは5以下であり、低い方がより好ましい。
【実施例】
【0020】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の各測定値は、次の方法、測定条件に従った。
例中、特に断らないかぎり%はHPLCにおける溶媒を除き補正した面積百分率値である。分析条件は以下の通りである。
<HPLC測定条件>
装置 :島津 LC−2010A
カラム:SUMIPAX ODS A−211(5μm、4.6mmφ×250mm)
移動相:純水/アセトニトリル(アセトニトリル30%→100%)
流量:1.0ml/min、カラム温度:40℃、検出波長:UV 254nm
〈色相(YI(D1925)値)測定条件〉
装置:色差計(日本電色工業社製,SE6000)
試料:5質量%γ−ブチロラクトン溶液
使用セル:光路長10mm 石英セル
【0022】
(実施例1)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート22.5g(0.256mol)、炭酸カリウム1.6gおよびトルエン32gを仕込み、110℃まで昇温しスラリー状態とした後、110℃で10時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン416gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率83.3%、HPLC純度99.7%、YI値:2.8)。
【0023】
(実施例2)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート20.6g(0.234mol)、炭酸カリウム1.6gおよびトルエン32gを仕込み、110℃まで昇温しスラリー状態とした後、110℃で15時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン416gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率77.4%、HPLC純度99.6%、YI値:3.3)。
【0024】
(実施例3)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート22.5g(0.256mol)、炭酸カリウム1.6gおよびキシレン19gを仕込み、110℃まで昇温しスラリー状態とした後、120℃で10時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にキシレン429gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率81.7%、HPLC純度99.7%、YI値:3.5)。
【0025】
(実施例4)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート22.5g(0.256mol)、炭酸カリウム1.6gおよびトルエン64gを仕込み、90℃まで昇温しスラリー状態とした後、90℃で13時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン384gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率80.2%、HPLC純度99.4%、YI値:3.0)。
【0026】
(実施例5)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート23.6g(0.268mol)、炭酸カリウム1.6gおよびトルエン96gを仕込み、130℃まで昇温した後、130℃で16時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン352gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率79.1%、HPLC純度99.0%、YI値:4.0)。
【0027】
(実施例6)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート22.5g(0.256mol)、炭酸カリウム2.8gおよびトルエン32gを仕込み、110℃まで昇温した後、110℃で8時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン416gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率82.4%、HPLC純度99.4%、YI値:3.6)。
【0028】
(比較例1)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート20.6g(0.234mol)、炭酸カリウム1.6gおよびトルエン320gを仕込み、110℃まで昇温した後、110℃で24時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン128gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率69.5%、HPLC純度85.4%、YI値:6.2)。
【0029】
(比較例2)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート20.6g(0.234mol)、炭酸カリウム1.6g仕込み、110℃まで昇温したが攪拌が困難で反応は進行しなかった。
【0030】
(比較例3)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート23.6g(0.268mol)、炭酸カリウム1.6gを仕込み、170℃まで昇温した後、170℃で5時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン448gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率68.3%、HPLC純度88.5%、YI値:12.2)。
【0031】
(比較例4)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート39.3g(0.448mol)、炭酸カリウム1.6gおよびトルエン32gを仕込み、110℃まで昇温した後、110℃で10時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン352gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率48.2%、HPLC純度78.1%、YI値:4.5)。
【0032】
(比較例5)
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール32.0g(0.112mol)、エチレンカーボネート29.5g(0.335mol)、炭酸カリウム1.6gおよびトルエン192gを仕込み、110℃まで昇温した後、110℃で5時間反応した。HPLCで確認した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールの残存量は0.1%以下であった。この反応混合液にトルエン256gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相を10%水酸化ナトリウム水溶液48gで洗浄し、次いで洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の白色結晶を得た(収率70.4%、HPLC純度87.9%、YI値:9.0)。