【実施例】
【0012】
以下に、本発明のネジ供給カートリッジを公知のネジ類供給装置1に適用した実施例を、図に基づいて詳しく説明する。
先ず、本実施例のネジ供給カートリッジ3を使用したネジ類供給装置1を説明するが、このネジ類供給装置1は公知の装置で、例えば、本発明者らにより提案されている特開2010-208852号公報に示されるようなネジ類供給装置1でもよく、これを
図1に示して説明する。
【0013】
図1において、ネジ類供給装置1の大部分を占めるネジ類Sの収納部12は蓋部121で覆われ、側面部13にある汲上機構14により収納部12の底部にあるネジ類Sを上方のスクレーパに汲み上げる。この汲上機構14によって収納部12の内部にあるスクレーパから搬送機構15(案内レール部材)上にネジ類Sを誘導し、誘導されたネジ類Sを慣性力付与機構を備えた案内レール部材15によって移動させ、更に、案内レール部材15のネジSを刷毛回動機構16によって整列させて、搬送機構15の外部も排出部17に順次排出している。
この排出部17は、ネジSが自重で滑り落ちてネジ排出口172に案内されるように、斜行案内部171が設けられ、セットされた(ネジ供給)カートリッジ3の挿入口315に接続するように設けられている。
図1,2ではカートリッジ(カセット)ステーション2に1個のカートリッジ3がセットされている状態が図示されているが、通常は一対の2個のカートリッジ3がセットされるようになっており、一方のカートリッジ3のネジの挿入が完了すると、すぐに隣り合うカートリッジ3をネジ排出口172に移動してセットし、新たなカートリッジ3にネジSを挿入する作業を開始する。
【0014】
なお、排出部17では作動回数を計数して、予め設定した所定回数に達すると、ネジSの供給を停止する計数装置及びこれに連動するストッパーを設けた機構を設置してもよい。こうすれば、この予め設定した所定回数を必要とするネジ締め箇所に対応して過不足が無いようにし、作業員がネジSの締め忘れも無いように注意喚起することができる。
【0015】
次に、カートリッジステーション2の詳細を説明するが、カートリッジステーション2及びセットされた(ネジ供給)カートリッジ(カートリッジボックス)3のネジSの挿入口315とは、前記排出部17のネジ排出口172に接続するように配置されている。
カートリッジステーション2の基礎枠である固定部21と、その上面の移動する移動ベース部22から構成され、この移動ベース部22は、ネジSに排出方向と直交する方向に交互にスライド駆動機構24で移動する構成で、左右に移動する移動ベース部22の前面部221のネジ排出口172に接する位置に、前述したようにカートリッジ(ボックス)3を置き、このカートリッジ3にネジSを挿入口315に整列しつつ排出されるネジSを詰め込み、所定本数のネジSの詰め込みを完了したカートリッジ3を、使用者(作業者)はカートリッジステーション2の移動ベース部22から取り出し、このカートリッジ3をネジ締め作業する場所に移動させる。
【0016】
ここで、このネジSの収納が完了したカートリッジ3を取り出し移行を完了させると、他方のカートリッジ3のネジSの挿入口315を前記ネジ排出口172に接するようにスライド駆動機構24で左右に移動してセットし、次のネジSのカートリッジ3へ詰め込みを開始し、更に、次の新たな空のカートリッジ3にネジSの収納作業を行うか、開始したカートリッジ3の横に並べてセットし、次のカートリッジ3へのネジS類の収納作業に備える。
前記移動ベース部22にはカートリッジ3をセットするための対向の係止機能を有する嵌合レール部222が設けられ、カートリッジ3の底部317を嵌合レール部222に嵌合してカートリッジ3が外れないように固定するとともに、カートリッジ3に設けられた後述する所定の爪解除レバー323を押圧する押圧片223が設けられ、カートリッジ3を固定するとともに爪解除レバー323を押圧する(
図10(a)(b)参照)。
【0017】
次に、カートリッジ3の構成を、主に
図3乃至
図11に沿って、更に詳しく説明する。
[カートリッジ3]
カートリッジ3の外観は、
図3,4の左右からの斜視図に示されるように、断面矩形で長尺のネジSの収納部31と、相互に開閉する一対の爪部32とから構成される。
【0018】
[爪部32]
主に、爪部32を
図5から
図8で説明すると、
図5、
図7に示すように、爪部32はカートリッジ3の収納部31の前端部314の位置に開口する挿入口315の上流に設けられ、この対向する一対の爪部32の対向位置には爪321が設けられ、この爪321は回動軸322を中心してネジSのネジ部S1を挟むように或いは解放するように回動して、爪321と回動軸322の反対側には爪解除レバー323が設けられている。
解除レバー323の末端近傍にはコイルバネ324が設けられて常に外側に働いており、通常は爪部32は閉じているが、カートリッジステーション(ネジ取り出し装置)2等にセットしたときは(
図1、
図2を参照)、爪解除レバー323が押圧片223によって内側に押され、爪部32は互いに外側に開き、ネジの頭部S2が通過できる状態になる。
すなわち、一対の対向する爪部32は、ネジ供給カートリッジ3の両側面部に突出する進退可能な爪解除レバー323が設けられ、ネジSを通過させるときは該爪解除レバー323を押し圧して側面部を平らにしたときは開くような構成になっている。
【0019】
このように、爪部32は爪321は常にコイルバネ324によって閉まるように作用し、この一対の対向する爪部32が閉まった状態では、爪部上面部325はすり鉢状形状部326を形成する。これは後述するように、すり鉢状形状部326にネジS及びネジSの頭部S2が案内され、爪部32の爪321でネジSを挟んで保持したときも、このネジSの頭部S2にネジ締め具A(ボックス、ドライバービット)に嵌合し下方に押し圧することによっても、ネジSの頭部S2がすり鉢状形状部326の斜面を滑り落ちることよって、すり鉢状形状部326を外側に押し広げて、ネジSを爪部32の下側に移動させ、ネジ締め具Aに稼働に支障が状態にしてネジSを所定のネジ孔S3に締め付ける。
勿論、前記のコイルバネ324の反発力は、通常は爪部32を閉めた状態に維持するとともに、ドライバーによってネジSの頭部S2が押し圧された場合には爪部32は開く程度の力に設定する必要がある。
【0020】
[収納部]
ネジ供給カートリッジ3内のネジSの収納部31は2本のレール311を設けられ、レール311の間の溝312にネジのネジ部S1を挿入し頭部S2を前記レール311に吊してネジSを整列しつつ収納するようにし、収納部12の後端部316側(適所)には頭部S2の上部にはレールカバー313を設けて、整列したネジSがレール311から脱落しないようにしている。
また、レール311及び収納部31は、長手方向に延びて使用者にとって把持部を形成するとともに、爪部32の爪上面部325とは所定の170度から120度の範囲の角度を有して、ネジSのネジ孔S3への締め付け作業で把持しやすいようにしている。
なお、通常はネジSの挿入口315の前面は、爪部32が閉じているので、移動中に収納部31に収納されているネジが挿入口315から滑り落ちることがなく、また、
図8に示すように、ネジ供給カートリッジ3及び収納部31における爪部32の反対側の後端部316は背面板3161によって密閉し、ネジ供給カートリッジ3の移動中にネジ供給カートリッジ3からネジSが滑り落ちることが
ないようにしている。
【0021】
[ネジ切り出し機構]
爪部32へのネジSの供給は、1本ずつ供給される必要がある。
そこで、ネジ供給のカートリッジ3内のネジの収納部31の前端部314側には収納されているネジSを1本ずつ切り出して供給するネジ切り出し機構33が設けられている。
このネジ切り出し機構33は、ネジ取り出しレバー331とネジストッパ336とから構成されており、
図9(a)〜(c)に示すように、ネジ取り出しレバー331は先端に斜行部332を有する押出爪333が設けられている。この押出爪333は回動軸334を中心として回動し、この反対側には通常は押出爪333がコイルバネ335によって、溝312に突き出ないように押し出されている。
押出爪333の下流には、ネジストッパ336がレール311に突出するように設けられ、このネジストッパ336は回動軸337を中心に回動し、ネジストッパ336とは反対側にはバネにより外側に突出するネジストッパー解除レバー338が設けられ、ネジ取出しレバー331を収納部12側に押すと、押出爪333の斜行部332によって1本のネジSが前方の前端部314側に押され、更に、このネジSはネジストッパ336のバネ力に抗してネジストッパ336を押しのけ、この1本のネジSが前端部314から爪部32の上面に飛び出す。
なお、このネジストッパ336はバネによりレール311の溝312に突出するように設けられているが、カートリッジステーション(ネジ取り出し装置)2等にセットした場合は、ネジストッパー解除レバー338が押圧片224(
図1、2参照)によって内側に押されて、ネジストッパ336はレール311の壁面内に後退し、ネジSのネジ部S1が通過できる状態になる。
【0022】
以上のような構成であるのが、ここで、改めて実施例のカートリッジ3の作動を
図10を参照して時系列で説明する。
図10(a)は、カートリッジ3がカートリッジステーション2のセットされた状態の平面図であるが、
図1、
図2に示されるように、移動ベース部22にはカートリッジ3の収納部31の底面部316が嵌合する一対の嵌合レール部222が2本設けられ、この対向する嵌合レール部222の所定位置にはカートリッジ3の爪解除レバー323を押圧する押圧片223が設けられ、更にカートリッジ3を嵌合する嵌合片23が設けられている。そして、カートリッジ3がカートリッジステーション2にセットされているときは、常に押圧片223で爪解除レバー323が押圧され、対向する一対の爪部32は開口し、排出部17の斜行案内部171で案内されるネジSは、何の障害もなくネジ排出口172に接続する挿入口315から収納部31に導かれる。
また、ネジストッパー解除レバー338に対向する押圧片224も前記嵌合レール部222の所定位置に設けられており、カートリッジ3のセット状態ではネジストッパ336のネジストッパー解除レバー338も同様に押圧片224により押圧され、ネジストッパ336はレール311の溝312から後退しているので、ネジSは何の障害もなく挿入口315から更に収納部31の奥に案内される。
【0023】
図10(b)は、カートリッジ3がカートリッジステーション2のセットされた状態で、
図10(a)の状態が維持されネジSの挿入が続き、所定数のネジSが収納部31に挿入される。
所定数のネジSが収納部31に挿入されると、カートリッジステーション2からかカートリッジ3を取り外し、
図10(c)の状態に移行する。
図10(c)では、カートリッジ3はカートリッジステーション2から離れ、押圧片223、224から解放されるので、爪解除レバー323及びネジストッパー解除レバー338はバネにより外側に突出した位置になり、一対の対向する爪部32は閉じ、ネジストッパ336はレール311の溝312に突出し、ネジSの移動を阻止する。そして、ネジSが収納されたカートリッジ3を、使用者(作業者)は
図10(c)の状態のままネジSを締める場所に移動する。
【0024】
図10(d)から
図10(f)は、移動先のネジ孔にネジを回して挿入するネジ締め作業でのカートリッジ3の動作である。これは、
図11(a)(c)に対応しており、
図11を合わせて参照して説明する。
図10(d)、
図11(a)は、ネジ孔S3のあるネジ締め箇所の付近で、使用者(作業者)がネジ取り出しレバー331を指等で押し圧すると、収納部31の前端部314に近い先頭のネジSが、ネジ取出しレバー331の押出爪333の斜行部332がレール311の溝312に突出し、この突出する斜行部332に沿ってネジSが前方に押され、更に、ネジストッパ336のバネ力にも抗してネジストッパ336を押しのけ、この先頭の1本のネジSが前端部314から爪部上面部325に滑り落ち、対向する前記爪部でコイルバネ(バネ)324によって、ネジSのネジ部S1を挟んだ状態で維持される。
【0025】
次の
図10(e)、
図11(b)の状態では、先頭のネジSは爪部32の爪部上面部325に位置し、ネジ取り出しレバー331から指を離すと、押出爪333がレール311の溝312から後退し、収納部31の次のネジSがネジストッパ336まで進行して、次のネジSの供給のために待機する。
図10(f)、
図11(c)は、ネジ孔においてネジ締め具Aであるボックスをネジ頭部S2に嵌合して下に押した状態の図であり、この場合に、爪部32は常に比較的弱い力のコイルバネ324によって互いに閉まるように作用しており、この一対の対向する爪部32が閉まった爪上面部325ですり鉢状形状部326を形成しているので、対向する爪321でネジ部S1を挟み、すり鉢状形状部326へネジSの頭部S2が案内されている。
この状態で、ネジSの頭部S2にネジ締め具A(ボックス、ドライバービット)に嵌合し下方に押し圧すると、これらはすり鉢状形状部326の斜面を滑り落ち、この結果、ネジSの頭部S2及びネジ締め具Aによってすり鉢状形状部326を両側に押し広げられる。
なお、コイルバネ324の反発力は、対向する爪部32で挟んだネジが上部から押されたときに、ネジSがすり鉢状形状部326の斜面に滑り落ちる際の力で開く程度のバネ力に設定する必要がある。
こうして、爪部32を押し広げて、ネジS及びネジ締め具Aの先端部A1が下方に移動し、ネジ及びネジ締め具Aの回転に支障がなくなった状態でネジSを所定のネジ孔に締め付け、ネジS締め付け作業は完了する。
【0026】
本発明のネジ供給カートリッジ3の実施例は以上のような構成であるので、ネジ類供給装置1にネジ供給カートリッジ3をセットし、ネジ供給カートリッジ3の挿入口315の爪部32を開いて所定数のネジSを挿入口315から挿入でき、ネジSを締めるときはネジ締め位置に移動して、ネジSを爪部32の爪部上面部325に自動的に案内して、その位置でネジ締め具A(ボックス、ドライバービット)でそのまま締めることができる。
また、常に爪部32がコイルバネ324によって閉まるように作用しているので、カートリッジステーション2から(ネジ供給)カートリッジ3を取り出し、移動中にネジSがネジ供給カートリッジの挿入口315から滑り落ちるようなこともない。更に、ネジ供給カートリッジの収納部31のネジSは、自重により2本のレール311上に整列し、ネジSを供給するときは自動的に爪部の上面に滑り込むようになる。
また、ネジSは挿入口315から挿入され供給されるだけなのでネジ供給カートリッジの反対側を密閉することができ、移動中にネジ供給カートリッジ3からネジSが滑り落ちることがない。
ネジ供給カートリッジ3の両側面部に突出する進退可能な爪解除レバー323を設け、爪解除レバー323を押し圧してカートリッジ3の側面部を平らにしたときに開くようにしたので、ネジ類供給装置1のネジ排出口172に前記爪解除レバー323を押圧すれば、特にカートリッジステーション2に押圧片223を設けておけば、自動的にネジ供給カートリッジ3の挿入口315の直前の爪部32を開いて所定数のネジSを挿入口315から挿入できる。また、爪解除レバー323の上流にネジSを1本ずつ取り出すネジ切り出し機構33を設けたので、一度に多数のネジが供給されることがなく、整然と順序よくネジ締め作業を行うことができる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、前述した実施例に限定されないことは勿論である。