(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中央領域における高さが最大の凸部と前記サイド領域における高さが最大の凸部とが、それぞれ、前記複合シートの第1方向に間欠的に複数形成されており、前記中央領域における高さが最大の凸部と前記サイド領域における高さが最大の凸部とが、該第1方向において互いに異なる位置に形成されている、請求項1に記載の吸収性物品。
前記複合シートは、前記中央領域に、中央連続凸部が、それぞれ第2方向に延びて第1方向に多列に形成され、前記サイド領域に、サイド連続凸部が、それぞれ第2方向に延びて第1方向に多列に形成されており、前記中央連続凸部と前記サイド連続凸部が第1方向に交互に配置されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
前記中央領域と前記サイド領域との境界部に、前記中央連続凸部と前記サイド連続凸部の両方が存在する境界領域を有しており、該境界領域には、該中央連続凸部と該サイド連続凸部とが第1方向に交互に配置されている、請求項3に記載の吸収性物品。
前記中央領域における前記接合部は、それぞれ複数の接合部が間隔を開けて直線状に直列してなる複数の格子形成第1接合部列と、それぞれ複数の接合部3が間隔を開けて直線状に直列してなる複数の格子形成第2接合部列とからなる格子状の配置パターンで形成されており、その格子の目に相当する箇所のそれぞれに、前記凸部が形成されている、請求項1又は5に記載の吸収性物品。
前記吸収体は、吸収性コア及び該吸収性コアを包むコアラップシートから構成されており、該吸収性コアは、吸収性物品の股下部における両側それぞれに、該吸収性コアの形成材料が配されていない、平面視凹状の切欠部又は貫通部を有しており、前記複合シートの前記サイド領域が、凹状の切欠部又は貫通部の全体又は一部と重なっている、請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
前記吸収性物品の長手方向の両側部に、内側縁部に弾性部材が固定された立体ギャザー形成用のシートが配されており、該シートにおける内側縁部が、前記サイド領域上に固定されている、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1及び
図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ100(以下、単におむつ100ともいう)の基本的な構造が示されている。
おむつ100は、
図1及び
図2に示すように、液透過性の表面シート12、液不透過性の裏面シート13、及び両シート12,13間に配置された吸収体14を具備する。裏面シート13に関し、液不透過性とは、液難透過性も含む概念であり、裏面シート13が液を全く通さない場合の他、撥水性のシート等からなる場合等も含まれる。
【0012】
おむつ100は、着用時に着用者の前後方向と一致する方向である物品長手方向Xaと、おむつ100を、
図1に示すように平面状に広げた状態において、物品長手方向Xaと直交する物品幅方向Yaとを有している。また、おむつ100は、物品長手方向Xaに、着用時に着用者の腹側に配される腹側部A、着用時に着用者の背側に配される背側部B、及び腹側部Aと背側部Bとの間に位置する股下部Cに有している。おむつ100は、展開型の使い捨ておむつであり、背側部Bの両側縁部にファスニングテープ17が設けられており、腹側部Aの外表面に、そのファスニングテープ17を止着するランディングゾーン18が設けられている。
【0013】
おむつ100における吸収体14は、吸収性コア14aと該吸収性コア14aを包むコアラップシート14bとを備えている。吸収性コア14aは、例えばパルプ繊維等の吸液性繊維の積繊体や、吸液性繊維と吸水性ポリマーとの混合積繊体から構成することができる。吸液性繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等のセルロース系の親水性繊維が挙げられる。セルロース系の親水性繊維以外に、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂からなる繊維を界面活性剤等により親水化したものを用いることもできる。コアラップシート14bとしては、例えば、ティッシュペーパーや透水性の不織布が用いられる。コアラップシート14bは、1枚で吸収性コア14aの全体を包んでいても良いし、2枚以上を組み合わせて吸収性コア14aを包んでいても良い。裏面シート13としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等が用いられる。
【0014】
おむつ100における物品長手方向Xaの両側には、弾性部材15aを有する立体ギャザー形成用のシート15が配されており、その弾性部材15aの収縮により、着用状態における股下部Cに、着用者の肌側に向かって起立する立体ギャザーが形成される。また、股下部Cにおける脚周りに配される部位には、レッグ部弾性部材16が伸長状態で配されており、その収縮により、着用状態における股下部Cに着用者の脚周りへのフィット性を向上させるレッグギャザーが形成される。
【0015】
第1実施形態の使い捨ておむつ100における表面シート12は、
図3に示す複合シート10から構成されている。
複合シート10は、
図3に示すように、おむつ100の長手方向(物品長手方向)Xaに沿う第1方向Xと、おむつ100の幅方向(物品幅方向)Yaに沿う第2方向Yとを有している。また、複合シート10は、
図3に示すように、凸部40〜42が相互に異なるパターンで形成された中央領域M及び該中央領域Mの両側に位置する一対のサイド領域S,Sを有している。中央領域Mは、おむつ100の幅方向(物品幅方向)Yaの中央部に位置し、一対のサイド領域S,Sは、中央領域Mの第2方向Yに沿う両側縁の外方に形成されている。相互に異なるパターンで形成された凸部を有する中央領域M及びその両側のサイド領域S,Sは、おむつ100の長手方向Xaにおいて、少なくとも股下部Cに形成されていることが好ましく、股下部Cから腹側部A及び背側部Bの何れか一方若しくは双方に亘って形成されていること、又は吸収体4の全長に亘っていることが好ましく、更におむつ100の全長に亘っていることが好ましい。
【0016】
図4には、複合シート10の中央領域Mの一部を拡大して示す斜視図が示されており、
図5には、複合シート10のサイド領域Sの一部を拡大して示す斜視図が示されている。サイド領域Sは、おむつ100の長手方向Xaに沿う中央線(図示せず)に対して左右対称の位置に形成されており、各サイド領域Sそれぞれに、
図5に示すパターンで凹凸が形成されている。
【0017】
図4及び
図5に示すように、複合シート10は、中央領域M及びサイド領域Sの何れにおいても、積層された第1シート1及び第2シート2がエンボス加工により部分的に接合されて複数の接合部が形成されており、第1シート1が、該接合部以外の部位において第2シート2から離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する凸部を形成している。複合シート10は、中央領域M及びサイド領域Sの何れにおいても、第2シート2側の面がほぼ平坦であり、第1シート1側に起伏の大きな凹凸が形成されている。
【0018】
第1シート1及び第2シート2は、シート材料から構成されている。シート材料としては、例えば不織布、織布及び編み地などの繊維シートや、フィルムなどを用いることができ、肌触り等の観点から繊維シートを用いることが好ましく、特に不織布を用いることが好ましい。第1シート1と第2シート2を構成するシート材料の種類は同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。
【0019】
第1シート1及び第2シート2を構成するシート材料として不織布を用いる場合の不織布としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布などが挙げられる。これらの不織布を2種以上組み合わせた積層体や、これらの不織布とフィルム等とを組み合わせた積層体を用いることもできる。これらのなかでも、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布を用いることが好ましい。第1シート1及び第2シート2を構成するシート材料として用いる不織布の坪量は、好ましくは10g/m
2以上、より好ましくは15g/
m
2以上であり、また好ましくは40g/m
2以下、より好ましくは35g/m
2以下であ
る。不織布の坪量は10g/m
2以上40g/m
2以下であることが好ましく、15g/m
2以上35g/m
2以下であることが更に好ましい。
【0020】
不織布を構成する繊維としては、各種の熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上のブレンド物として用いることができる。また、芯鞘型やサイド・バイ・サイド型などの複合繊維の形態で用いることができる。
【0021】
〔複合シート10の中央領域Mの構成〕
図6及び
図7には、
図3に示す複合シート10の中央領域Mの拡大平面図が示されている。
図8は、
図6及び
図7に示す中央領域の一部を拡大して示す拡大平面図である。
図9(a)及び
図9(b)は、
図8のVIa−VIa線断面図、及び
図8のVIb−VIb線断面図である。
図3、
図4及び
図6に示されるとおり、複合シート10の中央領域Mには、前述した凸部40が、複合シート10の面内方向に分散した状態に形成されている。凸部40は、千鳥状に配置されている。より詳細には、凸部40は、
図6に示すように、複数の凸部40が一定の間隔で第1方向Xに沿って直列した第1方向凸部列4Xと、複数の凸部40が一定の間隔で第2方向Yに沿って直列した第2方向凸部列4Yと、複数の凸部40が一定の間隔で、第1方向X及び第2方向Yの両方向に対して傾斜した第3方向に沿って直列した第3方向凸部列4XYとを有するように配置されている。また、第1方向Xにおいて隣り合う第2方向凸部列4Yどうしは、凸部40の配置位置が、第2方向Yに半ピッチずれており、第2方向Yにおいて隣り合う第1方向凸部列4Xどうしは、凸部40の配置位置が、第1方向Xに半ピッチずれている。
【0022】
また、複合シート10の中央領域Mに形成された各凸部40は、
図8、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、裏面側に中空部41Vを有し該凸部40の頂部40tを形成する高凸部41’と、該高凸部41’の周囲に、該高凸部41’と連結した状態に形成されている4つの低凸部42とから構成されている。本明細書において、高凸部41’と該高凸部41’の周囲に形成された低凸部42’に関し、連結した状態とは、隣り合う高凸部41’と低凸部42’が、接合部3によって隔てられずに、連続して接合部3の第1シート1側の表面よりも隆起していることをいう。
複合シート10の平面視において、各凸部40は、中央部の高凸部41’部分から四方に低凸部42が延出した形状を有し、略十字状をなしている。換言すれば、複合シート10の平面視において、各凸部40は、該凸部の周方向において隣り合う低凸部42’間に、高凸部41’側に向かって凹んだ窪み部45を有している。
【0023】
複合シート10には、積層された第1シート1及び第2シート2が部分的に接合されて形成された接合部3として、第1接合部31、第2接合部32及び第3接合部33が形成されている。これらの接合部31〜33においては、第1シート1と第2シート2とが一体的に加圧され、両シートは何れも他の部分に比して高密度化しており、好ましくは、一方又は両方のシートの構成樹脂の溶融及びその後の固化により両シート間が熱融着している。
【0024】
また、複合シート10の中央領域Mにおける接合部3は、
図7に示すように、それぞれ複数の接合部3が間隔を開けて直線状に直列してなる複数本の格子形成第1接合部列LR1と、それぞれ複数の接合部3が間隔を開けて直線状に直列してなる複数本の格子形成第2接合部列LR2とからなる格子状の配置パターンで形成されており、その格子の目に相当する箇所のそれぞれに、前述した形態の凸部40が形成されている。複合シート10の中央領域Mにおいて、格子形成第1接合部列LR1と格子形成第2接合部列LR2とは、それぞれの列中一つ置きの接合部に置いて互いに交差しており、凸部40が形成されている格子の目は、それぞれ8個の接合部3によって周囲を囲まれている。
【0025】
また、複合シート10の中央領域Mにおける接合部3は、
図7に示すように、第1方向X及び第2方向Yに対して傾斜した斜め格子状に配置されている。即ち、格子形成第1接合部列LR1と格子形成第2接合部列LR2は、何れも、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに対して傾斜している。格子形成第1接合部列LR1と格子形成第2接合部列LR2とのなす角度θ(
図7参照)は、好ましくは30°以上165°以下、より好ましくは45°以上150°以下、更に好ましくは90°超120°以下である。
【0026】
複合シート10の中央領域Mにおける、第1接合部31、第2接合部32及び第3接合部33は、
図6及び
図8に示すように、第2方向Yにおける配置位置が異なっている。第1接合部31〜第3接合部33は、同形同大である。ここで同形同大とは、形が同じで大きさの違いが面積にして±20%以内であることをいう。第1接合部31〜第3接合部33はいずれも平面視形状が矩形であり、その矩形の各辺は第1方向X又は第2方向Yと一致している。
【0027】
第1接合部31は、その複数が、第2方向Yに沿って一定のピッチで一列に配置されて第1接合部列R1を形成している。第2接合部32も、その複数が、第2方向Yに沿って一定のピッチで一列に配置されて第2接合部列R2を形成している。第3接合部33も、その複数が、第2方向Yに沿って一定のピッチで一列に配置されて第3接合部列R3を形成している。
第1接合部列R1と第3接合部列R3は、一定の間隔を開けて第1方向Xに多列に形成されており、第1接合部列R1の第2方向Yの接合部間のピッチ(中心点間距離)と、第3接合部列R3の第2方向Yの接合部間のピッチ(中心点間距離)とは同一である。また、第2方向Yにおける配置位置は、第2方向Yにおいて隣り合う第1接合部31間の中央部に第3接合部33が位置し、第2方向Yにおいて隣り合う第3接合部33間の中央部に第1接合部31が位置するように配置されている。第2接合部列R2は、第1接合部列R1と第3接合部列R3との間の中央部に形成されており、第1接合部列R1との間及び第3接合部列R3との間にそれぞれに間隔を有している。第2接合部列R2は、接合部間のピッチ(中心点間距離)が、第1及び第3接合部列R1,R3における接合部間のピッチ(中心点間距離)の半分であり、第2方向Yに沿って視たときに、第2接合部32の配置位置は、第1接合部31の配置位置と第3接合部33の配置位置との中央部である。
【0028】
第1〜第3接合部31〜33がこのような態様で形成されていること、及び複合シート10の製造時に、第1〜第3接合部31〜33に囲まれている部分に相当する部分を、裏面側から押圧したり、表面側から吸引したりすること等によって、複合シート10の中央領域Mには、特殊な形態の凸部40が多数形成されている。
凸部40について更に説明すると、
図8に示すように、第1接合部列R1中において隣り合う2個の第1接合部31、その第1接合部列R1の両側に位置する2つの第2接合部列R2の計4個の第2接合部32及び更にその外側に位置する2つの第3接合部列R3の2個の第3接合部33からなる合計8個の接合部によって囲まれている。凸部40の高凸部41’は、平面視において、4個の第2接合部32に囲まれており、円形又は楕円形状であり、その4個の第2接合部32に囲まれた領域の中央部に凸部40の頂部40tを形成している。第1方向Xにおいて相対向する2つの第2接合部32間には、第1低凸部42aが位置しており、第2方向Yにおいて相対向する2つの第2接合部32間には、第2低凸部42bが位置している。また、4個の第2接合部32は、それぞれ、前述した4つの窪み部45に一部が入り込んだ状態となっている。凸部40と隣接する他の凸部40との間は、凸部40を囲む8個の接合部3と、それらの接合部3間に位置する第3凸部43とからなる環状凹部によって隔てられている。第3凸部43は文字どおり「凸部」ではあるが、第3凸部43は、凸部40を構成する高凸部41’及び低凸部42の何れよりも相対的に高さが低いことから、これらの凸部から見て相対的に凹部となる。
【0029】
なお、
図6に示す凸部40を含む第2方向凸部列4Yに隣接する第2方向凸部列4Yの凸部40については、第1接合部及び第1接合部列と、第3接合部及び第3接合部列とが逆になる。即ち、その第2方向凸部列4Y中の凸部40については、第3接合部列R3中において隣り合う2個の第3接合部33、その第3接合部列の両側に位置する2つの第2接合部列R2の計4個の第2接合部32及び更にその外側に位置する2つの第1接合部列R1の2個の第1接合部31からなる合計8個の接合部によって囲まれている。
【0030】
〔複合シート10のサイド領域Sの構成〕
図3に示される通り、複合シート10の一対のサイド領域S,Sには、第1シート2が、接合部以外の部位において第2シートから離れる方向に突出して形成された凸部が、中央領域Mにおける同凸部とは異なるパターンで形成されている。凸部のパターンが異なるという表現には、凸部の配置のみが異なる場合と、凸部の形態が異なる場合と、それらの両方が異なる場合の何れもが含まれる。凸部の配置が異なる態様には、凸部間の距離が異なる場合も含まれる。また凸部の形態が異なる態様には、凸部の平面視形状が異なる場合も含まれる。
本実施形態の複合シート10においては、中央領域Mと一対のサイド領域S,Sとで、凸部の配置及び形態が異なっている。
【0031】
図10には、
図3に示す複合シート10のサイド領域Sの拡大平面図が示されている。
図11及び
図12はそれぞれ、
図10におけるIII−III線断面図、IV−IV線断面図である。
これらの図に示されるとおり、複合シート10のサイド領域Sには、これを構成する第1シート1に、高さが互いに異なる3種類の凸部である第1凸部41、第2凸部42及び第3凸部43が形成されている。これら3種類の凸部は、その高さが異なる点において各々区別される。具体的には、第2凸部42は第1凸部41よりも高さが同等または低くなっており、かつ第3凸部43は第2凸部42よりも高さが低くなっている。つまり、第1凸部41の高さをH
1、第2凸部42の高さをH
2、第3凸部43の高さをH
3としたとき、これらはH
1≧H
2>H
3の関係を満たす。各凸部41,42,43はそれぞれ複数個形成されている。サイド領域Sにおける第1凸部41及び第2凸部42は、何れも平面視での形状が略円形になっている。円形の直径は、第1凸部41の方が第2凸部42よりも大きくなっている。第1凸部41及び第2凸部42は、第1方向X及び第2方向Yの何れの方向での断面においても頂部を有する形状をしている。一方、第3凸部43は、その平面視での形状が、第1方向Xに沿って長い略矩形をしている。第3凸部43は、その上面が概ね平坦になっている。
【0032】
図13(a)及び
図13(b)は、
図9の要部を抜き出して示す平面図である。これらの図から明らかなとおり、複合シート10のサイド領域Sは、1つ以上の第1凸部41と1つ以上の第2凸部42とが連結して環状連結凸部44を形成している。環状連結凸部44は平面視して略円環状をしている。環状連結凸部44は、6個の第1凸部41と2個の第2凸部42とが連結して形成されている。詳細には、複合シート10の平面視において、第1方向Xに沿って距離をおいて配置された2個の第2凸部42a,42bの中心どうしを結ぶ中心線CLを挟んで線対称の位置に、第1方向Xに沿って配置された3個の第1凸部41a,41b,41cからなる第1凸部群41Aが一対位置している。第1凸部群41Aを構成する3個の第1凸部41a,41b,41cは、第1方向Xに沿って連結している。また第1凸部群41Aを構成する3個の第1凸部41a,41b,41cのうち、第1方向Xに沿う端部に位置する第1凸部41a,41cは、その中心の位置が、第2方向Yに沿って見たとき同位置にある。そして、第1方向Xに沿う2番目に位置する第1凸部41bは、他の第1凸部41a,41cよりも、第2方向Yに沿った外方に偏倚している。一対の第1凸部群41Aにおいては、各第1凸部群41Aのうち、第1方向Xに沿う一方の端部側に位置する第1凸部41a,41aが、2つの第2凸部42a,42bのうち、第1方向Xに沿う一方の端部側に位置する第2凸部42aと連結している。また、一対の第1凸部群41Aにおいては、各第1凸部群41Aのうち、第1方向Xに沿う他方の端部側に位置する第1凸部41c,41cが、2つの第2凸部42a,42bのうち、第1方向Xに沿う他方の端部側に位置する第2凸部42bと連結している。これによって、計6個の第1凸部41a,41b,41cと、計2個の第2凸部42a,42bとの合計8個の凸部によって、1個の環状連結凸部44が形成されている。
【0033】
複合シート10を平面視したとき、環状連結凸部44は、第1方向Xに沿って一定の距離を隔てて直線的に列状に配置されて、環状連結凸部列を構成している。この環状連結凸部列は、第2方向Yに一定の距離を隔てて多列に配置されている。1個の環状連結凸部列に着目したとき、それに隣接する環状連結凸部列との間では、環状連結凸部44の配置が半ピッチずれている。また、1個の環状連結凸部列を構成する複数個の環状連結凸部44のうちの1個に着目したとき、該環状連結凸部44を構成する凸部と、それの前後で隣接する環状連結凸部を構成する凸部とが一部重複している。例えば
図14(a)に示すとおり、1個の環状連結凸部44Aと、それに第1方向Xに沿って隣接する別の環状連結凸部44Bとに着目すると、環状連結凸部44Aの2個の第1凸部41c,41c及び1個の第2凸部42bが、環状連結凸部44Bの2個の第1凸部41a,41a及び1個の第2凸部42aと重複している。また、
図14(b)に示すとおり、1個の環状連結凸部列45Aと、それと隣接する環状連結凸部列45Bとに着目したとき、環状連結凸部列45Aを構成する1個の環状連結凸部44Aの第1凸部41b,41cが、環状連結凸部列45Bを構成する1個の環状連結凸部44Bの第1凸部41a,41bと重複している。
【0034】
図13(a)及び
図13(b)に示すとおり、環状連結凸部44の環内にはその略中央に、中央凸部46が形成されている。中央凸部46は、1個の環状連結凸部44の環内に1個形成されている。中央凸部46は、他の凸部と同様に、第1シート1が第2シートから離れる方向に突出して形成されており、離間して形成されていることが好ましい。中央凸部46は平面視での形状が略円形になっている。円形の直径は、第2凸部42と略一致している。また、
図12に示すとおり、中央凸部46の高さH
4は、第2凸部43の高さH
2と概ね同じになっている。中央凸部46の高さH
4は、第3凸部の高さH
3よりも高くなっている。中央凸部46は、第1方向X及び第2方向Yの何れの方向での断面においても頂部を有する形状をしている。
【0035】
環状連結凸部44と、その環内に位置する中央凸部46とは、
図13(a)及び
図13(b)に示すとおり、環状凹部47によって隔てられている。環状凹部47は、接合部及び第3凸部43とから構成されている。具体的には、平面視して第1方向Xに沿って縦長の矩形の第1接合部31と、平面視して略正方形の第2接合部32とから接合部が構成されており、これらの接合部31,32と2個の第3凸部43とから環状凹部47が構成されている。なお、第3凸部43は文字どおり「凸部」ではあるが、該第3凸部43は、環状連結凸部44を構成する第1凸部41及び第2凸部42よりも相対的に高さが低く、かつ中央凸部46よりも相対的に高さが低いことから、これらの凸部から見て相対的に凹部となる。
【0036】
環状凹部47は、2個の第1接合部31及び4個の第2接合部32並びに2個の第3凸部43とで構成されている。詳細には、
図13(b)に示すとおり、複合シート10の平面視において、第1方向Xに沿って距離をおいて配置された2個の第3凸部43の中心どうしを結ぶ中心線CLを挟んで線対称の位置に、第1方向Xに沿って第2接合部32、第1接合部31及び第2接合部32がこの順で配置された接合部群33が一対位置している。接合部群33を構成する3個の接合部31,32のうち、第1方向Xに沿う端部に位置する第2接合部32は、その中心の位置が、第2方向Yに沿って見たとき同位置にある。そして、第1方向Xに沿う2番目に位置する第1接合部31は、2個の第2接合部32よりも、第2方向Yに沿った外方に偏倚している。
【0037】
中央凸部46は、
図10に示すとおり、その複数個が、複合シート10の面内における一方向である第1方向Xに沿って一定の距離を隔てて直線的に列状に配置されて、中央凸部列を構成している。この中央凸部列は、第2方向Yに一定の距離を隔てて多列に配置されている。1個の中央凸部列に着目したとき、それに隣接する中央凸部列との間では、中央凸部46の配置が半ピッチずれている。同様に
図10に示すとおり、第2凸部42はその複数個が、複合シート10の面内における一方向である第1方向Xに沿って一定の距離を隔てて直線的に列状に配置されて、第2凸部列を構成している。この第2凸部列は、第2方向Yに一定の距離を隔てて多列に配置されている。1個の第2凸部列に着目したとき、それに隣接する第2凸部列との間では、第2凸部42の配置が半ピッチずれている。
【0038】
サイド領域Sの上述した第2凸部列と中央凸部列とは、複合シート10の平面視において、同位置に配置されている。詳細には、
図10に示すとおり、第2凸部42と中央凸部46とが、複合シート10の面内における一方向である第1方向Xに沿って交互に、かつ直線状に配置されている。更に、第2凸部42及び中央凸部46に加えて第3凸部43にも着目すると、これら3種類の凸部は、第2凸部42と第3凸部43と中央凸部46と第3凸部43とがこの順で、複合シート10の面内における一方向である第1方向Xに沿って規則的に、かつ直線状に配置されている。
【0039】
一方、第1方向Xと直交する第2方向Yに関しては、
図10に示すとおり、第2方向Yに沿って延びる直線L上に位置する第1接合部31、中央凸部46、第1接合部31、第1凸部41,第2凸部42,第1凸部41を一周期として、この周期が第2方向Yに沿って繰り返されている。
【0040】
中央領域Mの接合部3(第1〜第3接合部)及びサイド領域Sにおける第1接合部31及び第2接合部32は、種々の手段で形成することができる。第1シート1及び第2シート2が熱融着可能な材料から構成されている場合には、熱、超音波、高周波による融着などを用いることができる。第1シート1及び第2シート2の材質にかかわらず、接着剤による接着を用いることもできる。熱、超音波、高周波による融着を採用して両シート1,2を接合して接合部を形成すると、該接合部は、該接合部以外の部位に比べて圧密化される。シート1,2が繊維シートからなる場合には、圧密化によって繊維間距離が短くなるか、又は繊維形態が失われてフィルム化が生じる。後述する複合シート10の製造方法においては、熱融着によって両シート1,2を接合して融着部からなる接合部を形成している。
【0041】
第1実施形態のおむつ100においては、以上の構成を有する複合シート10を、
図3に示すように、その中央領域Mが、おむつの幅方向Yaの中央部に位置し、一対のサイド領域S,Sが、中央領域Mの両側それぞれに位置するように吸収体14上に配して、液透過性の表面シート12として用いている。
【0042】
また、おむつ100における複合シート10は、前述したように、中央領域Mと一対のサイド領域S,Sとに異なるパターンで接合部が形成されていることによって、サイド領域Sにおける接合部31,32の面積率が、中央領域Mにおける接合部3の面積率よりも高くなっている。
そのため、本実施形態のおむつ100によれば、表面シートの中央領域Mとサイド領域S,Sの境界に折れ曲がりが生じ易く、おむつの着用時に、おむつが舟形の形状に変形し易く、結果として優れた漏れ防止性能が得られる。また、その優れた漏れ防止性能を、中央領域Mとサイド領域Sに形成する凸部の形成パターンを異ならせて実現しているので、おむつ100を、包装袋に圧縮充填された状態で保管しても、漏れ防止性能の低下が生じ難い。
これに対して、単に中央領域Mの凸部よりもサイド領域Sの凸部の高さを高くする工夫のみをもって、横漏れ防止性を向上させた場合には、包装袋に圧縮充填された状態で保管すると、サイド領域の凸部が潰れて、漏れ防止性能の低下が生じ易くなる。ここでいう保管には、製造工場内の保管、流通段階における保管(店舗の陳列状態も含む)、一般消費者の家庭内の保管等が含まれる。
【0043】
舟形の形状への変形性を向上させる観点から、サイド領域Sにおける接合部の面積率Es(%)と中央領域Mにおける接合部の面積率Em(%)との差(Es−Em,パーセントポイント)は、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である。また、サイド領域Sにおける接合部の面積率Esは、前記面積率Emより大きいことを前提として、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上であり、また好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下であり、また好ましくは5%以上50%以下、更に好ましくは10%以上30%以下である。また、中央領域Mにおける接合部Emは、前記面積率Esより小さいことを前提として、好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下であり、また好ましくは3%以上、更に好ましくは5%以上であり、また好ましくは3%以上30%以下、更に好ましくは5%以上20%以下である。
【0044】
(接合部の面積率の算出方法)
第1方向X及び第2方向Yに沿って、接合部及び凸部の配置が規則的に繰り返される1周期分の領域内における接合部の面積率を算出した。接合部の面積の測定方法は、複合シート10を第2シート2側からマイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察し、画像解析装置を用いて、上記1周期分の領域の面積(cm
2)、及び接合部の面積(cm
2)を測定し、[(接合部の面積)/(1周期分の面積)]×100で表す。
【0045】
舟形の形状への変形性を向上させる観点から、複合シート10は、サイド領域Sにおける曲げ剛性が、中央領域Mにおける曲げ剛性よりも高いことが好ましい。曲げ剛性は、JIS P8126に従って測定される。具体的な方法は下記の通りである。
【0046】
(曲げ剛性の測定方法)
複合シート10から第1方向Xに沿って30mm、第2方向Yに沿って110mmを切り出し試験片とし、第1シート側が外側になるように高さ30mmの円筒状にし、重なり幅10mmで上端と下端とを超音波シールで止めて測定サンプルとした。圧縮試験機を用いて、測定上端周囲を筒方向に、圧縮速度10mm/minで圧縮した時に示す最大荷重を読み取った。5サンプルの平均値を曲げ剛性値とした。
【0047】
サイド領域Sにおける曲げ剛性は、中央領域Mにおける曲げ剛性に対する比が、好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上である。また、サイド領域Sにおける曲げ剛性は、中央領域Mの曲げ剛性よりも大きいことを前提として、好ましくは10cN以上、更に好ましくは15cN以上であり、また好ましくは50cN以下、更に好ましくは40cN以下であり、また好ましくは10cN以上50cN以下、更に好ましくは15cN以上40cN以下である。また、中央領域Sにおける曲げ剛性は、サイド領域Sにおける曲げ剛性よりも低いことを前提として、好ましくは40cN以下、更に好ましくは30cN以下であり、また好ましくは5cN以上、更に好ましくは10cN以上であり、また好ましくは5cN以上40cN以下、更に好ましくは10cN以上30cN以下である。
【0048】
また、第1実施形態のおむつ100においては、中央領域Mの凸部40及びサイド領域Sの凸部41〜43,46は、何れも、第1シート1を第2シート2から離れるように変形させて形成されているため、中央領域M及びサイド領域Sにおける風合い(肌触り)にも優れている。
【0049】
包装袋に圧縮充填された状態で保管した後においても良好な効果が得られるようにする観点から、中央領域Mの凸部40とサイド領域Sの凸部41〜43,46は、高さが最大の凸部どうしの高さが同じであることが好ましく、前述した複合シート10においては、中央領域Mの凸部40の高さH1と、サイド領域Sの高さが最大の第1凸部41の高さH1とが同じであることが好ましい。ここでいう高さが同じという表現には、完全に同じ場合の他、実質的に同じ場合、例えば一方の凸部の高さが他方の凸部の高さの90%以上110%以下の場合も含まれる。
【0050】
また、第1実施形態のおむつ100においては、サイド領域Sに形成された第1接合部31は、第1方向Xの長さが第2方向Yの長さよりも長く、その第1方向Xの長さが、中央領域Mに形成された接合部3のいずれの接合部31〜33の第1方向Xの長さよりも長くなっている。
サイド領域Sに、このような縦長の接合部31を形成することにより、おむつ100が、中央領域Mとサイド領域Sとの境界付近で折れ曲がり易くなり、大腿部によっておむつの股下部等が幅方向Yaに圧縮された際に、おむつが舟形の形状を維持しながら柔軟に圧縮されるようになり、それによって、着用時に、軟便や尿等の漏れが一層生じ難いものとなっている。斯かる効果は、
図24に示す複合シート10Aのように、サイド領域Sに形成された全ての接合部(接合部31)の第1方向Xの長さが、中央領域Mに形成されたいずれの接合部31〜33の第1方向Xの長さよりも長い場合も同様に奏される。
【0051】
サイド領域Sに形成された接合部のうち、第1方向Xの長さが、中央領域Mに形成された何れの接合部よりも長い縦長接合部(第1接合部31)の長さは、中央領域Mに形成された第1方向Xの長さが最大の接合部(接合部31〜33)における第1方向の長さの、好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは5倍以下、更に好ましくは3.5倍以下であり、また、好ましくは1.2倍以上5倍以下、更に好ましくは1.5倍以上3.5倍以下である。
【0052】
また、第1実施形態のおむつ100においては、前述したとおり、中央領域Mには、凸部40が千鳥状に配置されており、サイド領域Sには、6個の第1凸部41と2個の第2凸部42が環状に連結した環状連結凸部44が千鳥状に配置されている。サイド領域Sについては、中央凸部46も千鳥状に配置されている。
中央領域Mに凸部40が千鳥状に配置され、サイド領域Sにも、凸部41,42が環状に連結した環状連結凸部44が千鳥状に配置されていることによって、おむつ100が、一層着用者の股間に沿った舟形の形状に変形し易くなり、前後及び側方からの軟便や尿の漏れ防止性が一層向上する。斯かる効果は、
図24に示す複合シート10Aのように、中央領域Mに凸部40が千鳥状に配置され、サイド領域Sにも凸部41が千鳥状に配置されている場合も同様に奏される。
【0053】
また、第1実施形態のおむつ100においては、吸収体14が、吸収性コア14a及び該吸収性コア14aを包むコアラップシートから構成されているが、その吸収性コア14aは、
図1に示すように、おむつの股下部Cにおける両側それぞれに、該吸収性コア14aの形成材料が配されていない平面視凹状の切欠部14c,14cを有している。そして、前述した複合シート10の左右のサイド領域S,Sが、
図3に示すように、左右の切欠部14c,14cとそれぞれ重なっている。切欠部14cと重なる部分が、サイド領域Sと重なっていることで、おむつ100の切欠部14cの内側縁より外方に位置する部分が着用者の肌側に向かって立ち上がり、着用者の股間部に一層フィットする舟形形状に変形し易くなる。これにより、漏れ防止性が一層向上する。なお、サイド領域Sは、切欠部14cの少なくとも一部と重なっていることが好ましく、切欠部14cの全域と重なっていることが一層好ましい。
【0054】
切欠部14cは、その深さd1(
図1参照)が、好ましくは2mm以上、より好ましくは8mm以上であり、また、好ましくは50mm以下、より好ましくは35mm以下であり、また好ましくは2mm以上50mm以下、より好ましくは8mm以上35mm以下である。切欠部14cの深さd1は、おむつの幅方向に沿って測定する。
【0055】
吸収性コア14aの両側部に切欠部4c,14cを形成するのに代えて、吸収性コア14aの長手方向中央線(図示せず)を挟む両側それぞれに、吸収性コア14aの側縁から離間した貫通部を設け、該貫通部に、複合シート10のサイド領域Sを重ねて配置することも好ましい。
貫通部と重なる部分が、サイド領域Sと重なっていることで、おむつ100の貫通部の内側縁より外方に位置する部分が着用者の肌側に向かって立ち上がり、着用者の股間部に一層フィットする舟形形状に変形し易くなる。サイド領域Sは、貫通部の少なくとも一部と重なっていることが好ましく、貫通部の全域と重なっていることが一層好ましい。
【0056】
また、第1実施形態のおむつ100においては、長手方向の両側部に、内側縁部に弾性部材15aが固定された立体ギャザー形成用のシート15が配されており、
図1に示すように、そのシート15における内側縁部が、複合シート10のサイド領域S上に固定されている。
斯かる構成により、おむつ100が長手方向に湾曲し、舟形の形状を一層形成し易くなる。前記シート15の内側縁部における、サイド領域Sに固定された部分には、弾性部材15aが存在していなくても良い。
【0057】
前述した一又は二以上の効果が一層確実に奏されるようにする観点から、複合シート10の中央領域Mは、以下の構成を有することが好ましい。
格子形成第1接合部列LR1及び格子形成第2接合部列LR2は、接合部列内の接合部3の配置ピッチ(中心点間距離)P1が、隣り合う接合部の最短距離LLの、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは10倍以下、より好ましくは5倍以下であり、また、好ましくは1.1倍以上10倍以下、より好ましくは1.5倍以上5倍以下である。また、隣り合う格子形成第1接合部列LR1どうしの中心線間距離及び隣り合う格子形成第2接合部列LR2どうしの中心線間距離は、それぞれ、好ましくは2mm以上、更に好ましくは3mm以上であり、また、好ましくは30mm以下、更に好ましくは20mm以下であり、また好ましくは2mm以上30mm以下、更に好ましくは3mm以上20mm以下である。
【0058】
中央領域Mに形成された凸部40は、前述したように、中央部の高凸部41’部分から四方に低凸部42’が延出した形状を有していることが好ましい。
中央領域Mに形成された凸部40が、このような形態のものであると、着用中に、その長手方向に沿う断面が円弧状となるように長手方向に曲げられても、凸部40は、高凸部41’から物品長手方向Xaに相当する第1方向Xに延在する低凸部42bが優先的に潰れ、高凸部41’が潰れにくい。同様に、おむつ100が、着用中に、その幅方向に沿う断面が円弧状となるように幅方向に曲げられても、複合シート10からなる表面シート12の凸部40は、高凸部41’から物品幅方向Ybに相当する第2方向Yに延在する低凸部42aが優先的に潰れ、高凸部41’が潰れにくい。このような作用により、中央領域Mに良好な肌触りが得られ、蒸れ防止性も向上する。
【0059】
また、本実施形態における複合シート10は、凸部40を構成する4つの低凸部42として、高凸部41’からシートの面内方向の一方向に延出する一対の第1低凸部42aと、高凸部41’からシートの面内方向における前記一方向に直交する方向に延出する他の一対の第2低凸部42bとを有しており、第1低凸部42aは、第2低凸部42bよりも、高凸部41’から最外端までの延出長さL4が長い。高凸部41’からの延出長さL4が異なる低凸部42を形成することで、表面シート12に、相対的に曲がり易い方向と相対的に曲がりにくい方向とを設けることができ、例えば、着用中に吸収性物品や表面シートに曲がりや屈曲が生じ易い方向に、表面シート12の曲がり易い方向を一致させることで、柔軟に折れ曲がって良好なフィット性等を示しながら、凹凸の凸部が潰れにくく凹凸形状による諸効果が安定して発現される、使い捨ておむつ等が得られる。
【0060】
第1低凸部42aの前記延出長さL4は、第1低凸部42aの延出方向(第2方向Y)と直交する方向(第1方向X)に延びる接合部列における第1低凸部42aを挟んで隣り合う2つの接合部32の中心間を結ぶ直線L3x線上の中点から、第1低凸部42aの延出方向先端部に最寄りの接合部31の縁部までの長さL4aである。第1低凸部42aを挟んで隣り合う前記2つの接合部32は、第1低凸部42aと高凸部41との境界部に形成される窪みK〔
図9(a)参照〕部分を挟んで隣り合う接合部であっても良い。
第2低凸部42bの前記延出長さL4は、第2低凸部42bの延出方向(第1方向X)と直交する方向(第2方向Y)に延びる接合部列における、第2低凸部42bを挟んで隣り合う2つの接合部32の中心間を結ぶ直線L3y線上の中点から、第2低凸部42bの延出方向先部に最寄りの接合部33の縁部までの長さL4bである。第2低凸部42bを挟んで隣り合う前記2つの接合部32は、第2低凸部42bと高凸部41との境界部に形成される窪みK〔
図9(b)参照〕部分を挟んで隣り合う接合部であっても良い。
【0061】
また、第1実施形態の複合シート100の中央領域Mにおいては、延出長さが相対的に長い一対の第1低凸部42aが、高凸部41’から、物品幅方向Yaに相当する第2方向Yに延出し、延出長さが相対的に短い一対の第2低凸部42bが、高凸部41’から、物品長手方向Xaに相当する第1方向Xに延出している。これは、着用中に曲げが発生し易い方向と、表面シート12の曲げ易い方向とが一致していることを意味する。これにより、柔軟に折れ曲がって良好なフィット性等を示しながら、凹凸の凸部が潰れにくく凹凸形状による諸効果が安定して発現される。
高凸部41’は、低凸部42との境界部に、
図9(a)又は
図9(b)に示すような、凸部40の内部方向に向かって窪んだ窪みKを有することが好ましい。
また、低凸部42’の高さH2は、高凸部41’の高さH1の、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、具体的には、好ましくは30%以上80%以下、より好ましくは40%以上70%以下である。
低凸部42’の高さH2は、デジタルマイクロスコープ(キーエンス製)を用いて断面を観察し、低凸部を挟む接合部32の中心間を結ぶ接合部列の直線L3x線上および直線L3y線上の中点の位置において、第2シート2の下面から第1シート1の上面までの最短距離を高さとする。
【0062】
また、高凸部41’の高さH1は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であり、また好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下であり、具体的には、好ましくは0.5mm以上5mm以下、より好ましくは1mm以上4mm以下である。また、低凸部42の高さH2は、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.4mm以上であり、また好ましくは3mm以下、より好ましくは2.5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.2mm以上3mm以下、より好ましくは0.4mm以上2.5mm以下である。
【0063】
また、高凸部41’を挟んで相対向する窪み部45どうし間の距離L5は、凸部40の第1方向Xの長さLx及び第2方向Yの長さLyのうちの短い方の長さに対して、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、また好ましくは180%以下、より好ましくは110%以下であり、具体的には、好ましくは50%以上180%以下、より好ましくは60%以上110%以下である。凸部40の第1方向Xの長さLx及び第2方向Yの長さLyは、それぞれ、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは30mm以下、より好ましくは15mm以下であり、具体的には、好ましくは1mm以上30mm以下、より好ましくは1.5mm以上15mm以下である。
【0064】
また、接合部3(第1〜第3接合部)の第1方向Xに沿う長さは0.1mm以上、特に0.5mm以上であることが好ましく、5mm以下、特に3mm以下であることが好ましく、より具体的には、0.1mm以上5mm以下、特に0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。
第1方向において隣り合う接合部列(第1〜第3接合部列)間の距離は、0.2mm以上、特に0.8mm以上であることが好ましく、10mm以下、特に5mm以下であることが好ましく、より具体的には、0.2mm以上10mm以下、特に0.8mm以上5mm以下であることが好ましい。
【0065】
また、接合部(第1〜第3接合部)の第2方向Yに沿う長さは0.1mm以上、特に0.5mm以上であることが好ましく、5mm以下、特に3mm以下であることが好ましく、より具体的には、0.1mm以上5mm以下、特に0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。
第2方向において隣り合う接合部列(第1〜第3接合部列)間の距離は、0.2mm以上、特に0.8mm以上であることが好ましく、10mm以下、特に5mm以下であることが好ましく、より具体的には、0.2mm以上10mm以下、特に0.8mm以上5mm以下であることが好ましい。
【0066】
前述した一又は二以上の効果が一層確実に奏されるようにする観点から、複合シート10のサイド領域Sは、以下の構成を有することが好ましい。
【0067】
第1凸部41の高さH
1は、0.5mm以上、特に1mm以上であることが好ましく、5mm以下、特に4mm以下であることが好ましい。例えば第1凸部41の高さH
1は0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上4mm以下であることが更に好ましい。第2凸部42の高さH
2は、第1凸部41の高さH
1と同等または低いことを条件として、0.3mm以上、特に0.6mm以上であることが好ましく、4mm以下、特に3mm以下であることが好ましい。例えば第2凸部42の高さH
2は0.3mm以上4mm以下であることが好ましく、0.6mm以上3mm以下であることが更に好ましい。第3凸部43の高さH
3は、第2凸部42の高さH
2よりも低いことを条件として、0.2mm以上、特に0.4mm以上であることが好ましく、3mm以下、特に2.5mm以下であることが好ましい。例えば第3凸部43の高さH
3は0.2mm以上3mm以下であることが好ましく、0.4mm以上2.5mm以下であることが更に好ましい。中央凸部46の高さH
4は、0.3mm以上、特に0.6mm以上であることが好ましく、4mm以下、特に3mm以下であることが好ましい。例えば中央凸部46の高さH
4は0.3mm以上4mm以下であることが好ましく、0.6mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
【0068】
各凸部41,42,43,46の高さH
1,H
2,H
3,H
4は、
図3及び
図4に示すとおり、第2シート2の下面から、第1シート1の上面までの距離と定義される。また高さH
1,H
2,H
3,H
4は、以下のようにして測定する。
〔凸部の高さの測定方法〕
サンプルを、鋭利なカミソリで切断し、その切断端面を観察して、第2シート2の下面と各凸部頂部の上面との間の最短距離を計測する。得られた値を各凸部の高さとする。肉眼にて測定し難い場合には、切断されたサンプルの断面を、例えば、マイクロスコープ(KEYENCE社製VHX−1000)を用いて20〜100倍の倍率で観察して測定してもよい。また、例えば、パッケージに圧縮充填された状態のおむつサンプルを測定する場合には、おむつから表面シートをはがし取り1日以上放置したサンプルについて、上記と同様に計測して得られた値とする。各凸部の高さは、無荷重下で測定する。
【0069】
各凸部41,42,43,46の高さを上述のとおりに設定する理由と同様の理由により、平面視での第1凸部41の直径は、1mm以上、特に2mm以上であることが好ましく、20mm以下、特に10mm以下であることが好ましい。例えば第1凸部41の直径は1mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることが更に好ましい。第2凸部42の直径は、0.5mm以上、特に1mm以上であることが好ましく、15mm以下、特に5mm以下であることが好ましい。例えば第2凸部42の直径は0.5mm以上15mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることが更に好ましい。第3凸部43の直径は、0.2mm以上、特に0.5mm以上であることが好ましく、10mm以下、特に3mm以下であることが好ましい。例えば第3凸部43の直径は0.2mm以上10mm以下であることが好ましく、0.5mm以上3mm以下であることが更に好ましい。中央凸部46の直径は、0.5mm以上、特に1mm以上であることが好ましく、15mm以下、特に5mm以下であることが好ましい。例えば中央凸部46の直径は0.5mm以上15mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることが更に好ましい。
【0070】
各凸部の直径を上述のとおりに設定する理由と同様の理由により、平面視での第1接合部31の第1方向Xに沿う長さは0.5mm以上、特に1mm以上であることが好ましく、10mm以下、特に5mm以下であることが好ましい。例えば第1接合部31の第1方向Xに沿う長さは0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることが更に好ましい。一方、第1接合部31の第2方向Yに沿う長さは0.1mm以上、特に0.5mm以上であることが好ましく、5mm以下、特に3mm以下であることが好ましい。例えば第1接合部31の第2方向Yに沿う長さは0.1mm以上5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
【0071】
第2接合部32に関しては、その一辺の長さは0.1mm以上、特に0.5mm以上であることが好ましく、5mm以下、特に3mm以下であることが好ましい。例えば第2接合部32の一辺の長さは0.1mm以上5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
【0072】
次に、前述した構成の複合シート10の好適な製造方法について
図15ないし
図23を参照しながら説明する。複合シート10の製造方法は、
図15に示すとおり、周面が凹凸形状となっている第1ロール111と、第1ロールの凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2ロール112とを互いに反対方向に回転させながら、両ロール111,112の噛み合い部に第1シート1を供給して、第1シート1を凹凸賦形する賦形工程を有している。また複合シート10の製造方法は、賦形工程の後、第1シート1を第1ロール111の周面部に沿わせてそのまま保持して噛み合い部分から移動させた後、第2シート2を第1シート1に重ね合わせるように供給して両シート1,2を、第1ロール111における凸部と第1ヒートロール113及び第2ヒートロール114との間で加熱下に挟圧して部分的に接合する接合工程を有している。
【0073】
図15に示すとおり、第1ロール111の周面に対して、第2ロール112、第1ヒートロール113及び第2ヒートロール114は対向配置されている。第2ロール112、第1ヒートロール113及び第2ヒートロール114は、第1ロール111の回転方向Rの上流側から下流側に向かって、その順に配置されている。周面が凹凸形状となっている第1ロール111及び第2ロール112の詳細は後述する。第1ヒートロール113及び第2ヒートロール114は、それぞれ周面に凹凸を有していないフラットなアンビルロールである。
【0074】
先ず、第1シート1の原反ロール(図示せず)から第1シート1を繰り出す。また、これとは別に、第2シート2の原反ロール(図示せず)から第2シート2を繰り出す。そして
図15に示すとおり、繰り出された第1シート1を、第1ロール111と第2ロール112との噛み合い部に噛み込ませて第1シート1を凹凸賦形する。このとき、第1ロール111をその周面からロール内部に向けて吸引して、第1シート1の凹凸賦形を促進させる。第1ロール111における吸引の機構については後述する。
【0075】
次いで
図15に示すとおり、第1シート1を第1ロール111の周面に引き続き吸引して賦形状態を保持したまま、第2シート2を重ね合わせ、その重ね合わせたものを、第1ロール111と周面平滑な第1ヒートロール113との間で挟圧する。このとき、第1ロール111と第1ヒートロール113の両方又は第1ヒートロール113のみを所定温度に加熱しておく。これによって、第1ロール111における凸部上に、つまり後述する各歯車(
図16参照)の歯の歯先面上に位置する第1シート1と第2シート2とを熱融着によって接合して接合部31〜33を形成する。
【0076】
次いで、熱融着によって接合された第1シート1及び第2シート2の重ね合わせ体を、第1ロール111の周面に引き続き吸引保持した状態下で移動させ、該重ね合わせ体を、第1ロール111と周面平滑な第2ヒートロール114との間で挟圧する。このとき、第1ロール111と第2ヒートロール114の両方又は第2ヒートロール114のみを所定温度に加熱しておく。これによって、第1ロール111における凸部上に、つまり各歯車の歯の上に位置する接合部31〜33において、第1シート1及び第2シート2を構成していた材料、例えば熱可塑性樹脂が溶融し、接合部31〜33が更に強固に形成される。このようにして、目的とする複合シート10が連続的に製造される。
【0077】
前述した複合シート10の製造には、第1ロール111及び第2ロール112として、軸長方向の中央部に、複合シート10に上述した中央領域Mを形成する中央領域形成部を有し、該軸長方向の中央部を挟む両側に、複合シート10に上述したサイド領域S,Sを形成するサイド領域形成部を備えたものを用いる。
【0078】
図16には、
図15に示す第1ロール111における中央領域形成部を分解した状態の斜視図が示されている。
図17には、
図15に示す第1ロール111におけるサイド領域形成部を分解した状態の斜視図が示されている。第1ロール111は、第1歯車121及び第2歯車122並びにスペーサ123を複数枚組み合わせ、これらを軸芯124に同心状に取り付けてロール状に集積したものである。第1ロール111は、中央領域形成部とサイド領域形成部とで、第1歯車121と第2歯車122の歯のピッチや、歯車121,122及びスペーサ123の配置の順序等が異なっている。中央領域形成部及びサイド領域形成部の何れにおいても、2種類の歯車121,122及びスペーサ123はそれらの軸心が開口しており、その開口に回転軸(図示せず)が挿入される。2種類の歯車121,122及びスペーサ123にはそれぞれ切り欠き部(図示せず)が形成されており、該切り欠き部にキー(図示せず)が挿入される。これによって2種類の歯車121,122及びスペーサ123の空回りが防止される。
【0079】
スペーサ123は、中心から放射状に延びる多数の突起であるビーム125を有する形状となっている。スペーサ123における各ビーム125は、その長さが何れも同じになっている。各ビーム125の先端を結ぶことで仮想的に形成される円の直径を便宜的に歯先円直径と定義すると、該歯先円直径は、第1及び第2歯車121,122の歯底円直径よりも小さくなっている。
【0080】
各歯車121,122には、回転軸(図示せず)が挿入される中心の開口を取り囲むように複数の開口部126,127が形成されている。各開口部126,127は同径であり、歯車の中心からそれぞれ等距離の位置に形成されている。隣り合う開口部126,127と歯車の中心とがなす角度はいずれも概ね等しくなっている。各歯車121,122における開口部126,127の個数は、上述したスペーサ123におけるビーム125の数と同数になっている。そして、各歯車121,122及びスペーサ123を組み付ける場合には、各開口部126,127が、スペーサ123における隣り合うビーム125間にそれぞれ位置するように、各歯車121,122及びスペーサ123を配置する。つまり、開口部126,127を、隣り合う2つのビーム125とスペーサ123の中心部とで構成される略V字形の領域内に位置させる。なお
図16では、前記の略V字形の領域内に開口部126,127の全域が包含されているが、これに代えて、略V字形の領域内に開口部126,127の一部のみが包含されてもよい。この略V字形の部位は、周面が凹凸形状になっている第1ロール111における凹部に相当する。一方、凹凸形状の凸部は、各歯車121,122の歯先及び歯底に相当する。
【0081】
以上のとおりに各歯車121,122及びスペーサ123を組み付けると、第1歯車121の開口部126と第2歯車122の開口部127が、第1ロール111の軸芯方向に連なって、該軸芯方向に延びる複数の吸引路(図示せず)が第1ロール111の内部に形成される。この吸引路を、ロール111外に設置された吸引装置に接続し、該吸引装置を作動させることで、第1ロール111をその周面に形成された凹部から内部に向けて吸引することが可能になる。
【0082】
図18には、第1ロール111の中央領域形成部における周面を平面に展開した状態が示されている。同図中、矢印Uで示す方向が第1ロール111の回転方向であり、矢印Vで示す方向が第1ロール111の軸芯方向である。また、同図中、細かいドットで示した矩形の領域が、各歯車121,122の歯先面を示している。同図に示すとおり、第1ロール111の中央領域形成部は、第1歯車121、スペーサ123、第2歯車122、スペーサ123、第1歯車121、スペーサ123、第2歯車122及びスペーサ123の8個の部材がこの順で集積されて1周期T
1をなし、この周期T
1が繰り返されてなる集積構造を有している。
【0083】
図18において、細かいドットで示した歯先面は、目的とする複合シート10における接合部31〜33の形成予定位置である。具体的には、第1歯車121の歯121aの歯先面は、第1接合部31又は第3接合部33の形成予定位置である。また、第2歯車122の歯122aの歯先面は、第2接合部32の形成予定位置である。各歯車121,122及びスペーサ123は、先に述べた
図4に示すような接合部31〜33の配置パターンが得られるように適切に配置される。
【0084】
更に
図18において、第1ロール凹部領域140Aは、目的とする複合シート10における凸部40の形成予定位置であり、第1ロール第3凹部領域143Aは、目的とする複合シート10における第3凸部43の形成予定位置である。
【0085】
図19には、第1ロール111の中央領域形成部と噛み合い関係になっている第2ロール112の周面を平面に展開した状態が示されている。同図中、矢印Uで示す方向が第2ロール112の回転方向であり、矢印Vで示す方向が第2ロール112の軸芯方向である。
図19に示すように、第2ロール112の中央領域形成部は、第3歯車131及び第4歯車132からなる集積体から構成されている。同図中、粗いドットで示した矩形の領域が、歯車131,132の歯先面を示している。第2ロール112は吸引機構を有していなくてもよい。したがって、第1ロール111の第1歯車121及び第2歯車122に形成されている開口部126,127を、第2ロール112の歯車に形成することは不要である。
【0086】
図19に示すとおり、第2ロール112の中央領域形成部は、第3歯車131、第4歯車132、第3歯車131、第4歯車132の4個の部材がこの順で集積されて1周期T
2をなし、この周期T
2が繰り返されてなる集積構造を有している。
【0087】
図19において、第3歯車131の歯131a及びその両側に隣接する2つの第4歯車132の歯132aによって第2ロール凸部140Bが形成される。第1ロール111と第2ロール112とが噛み合った状態においては、第2ロール凸部140Bは、第1ロール凹部領域140Aと嵌まり合う。
【0088】
図20には、第1ロール111の周面に、第2ロール112の凸部が噛み合った状態を平面に展開した状態が示されている。同図中、細かいドットで示した矩形の領域が、第1ロール111における歯車121,122の歯先面を示している。また、粗いドットで示した矩形の領域が、第2ロール112における歯車131,132の歯先面を示している。同図から明らかなとおり、第1ロール凹部領域140Aには、第2ロール凸部140Bが入り込んでいる。これとは対照的に、第1ロール第3凹部143Aには、第2ロール112の凸部は入り込んでいない。
【0089】
図21には、第1ロール111のサイド領域形成部における周面を平面に展開した状態が示されている。同図中、矢印Uで示す方向が第1ロール111の回転方向であり、矢印Vで示す方向が第1ロール111の軸芯方向である。また、同図中、細かいドットで示した矩形の領域が、各歯車121,122の歯先面を示している。同図に示すとおり、第1ロール111のサイド領域形成部は、第1歯車121、スペーサ123、第1歯車121、第2歯車122、スペーサ123、第2歯車122、第1歯車121、スペーサ123、第1歯車121、第2歯車122、スペーサ123及び第2歯車122の12個の部材がこの順で集積されて1周期T
1をなし、この周期T
1が繰り返されてなる集積構造を有している。
【0090】
図21において、細かいドットで示した歯先面は、目的とする複合シート10におけるサイド領域Sの接合部31,32の形成予定位置である。具体的には、第1歯車121の歯121aの歯先面は、第2接合部32の形成予定位置である。また、第2歯車122の歯122aの歯先面は、第1接合部31の形成予定位置である。各歯車121,122及びスペーサ123は、先に述べた
図2に示すような接合部31,32の配置パターンが得られるように適切に配置される。
【0091】
更に
図21において、第1歯車121の4つの歯121a及び第2歯車122の2つの歯122aで囲まれた第1ロール中央凹部領域146Aは、目的とする複合シート10における中央凸部46の形成予定位置である。また、1個の歯122aと、V方向に距離を隔ててU方向に沿って配置されている2個の歯121aとで囲まれた第1ロール第1凹部領域141Aは、目的とする複合シート10のサイド領域Sにおける第1凸部41の形成予定位置である。更に、4個の歯121aで囲まれた第1ロール第2凹部領域142Aは、目的とする複合シート10のサイド領域Sにおける第2凸部42の形成予定位置である。また更に、スペーサ123を挟んでV方向に距離を隔てて配置されている2個の歯121a間の第1ロール第3凹部領域143Aは、目的とする複合シート10のサイド領域Sにおける第3凸部43の形成予定位置である。
【0092】
図22には、第1ロール111のサイド領域形成部と噛み合い関係になっている第2ロール112の周面を平面に展開した状態が示されている。同図中、矢印Uで示す方向が第2ロール112の回転方向であり、矢印Vで示す方向が第2ロール112の軸芯方向である。また、同図中、粗いドットで示した矩形の領域が、歯車124,122の歯先面を示している。
【0093】
図22に示すとおり、第2ロール112のサイド領域形成部は、第3歯車124、スペーサ123、第2歯車122、第2歯車122、スペーサ123、第3歯車124、スペーサ123、第2歯車122、第2歯車122、スペーサ123の10個の部材がこの順で集積されて1周期T
2をなし、この周期T
2が繰り返されてなる集積構造を有している。周期T
2をなす10個の部材の厚みの合計は、第1ロール111において周期T
1をなす12個の部材の厚みの合計と同じになっている。
【0094】
図22において、第3歯車124の歯124aによって第2ロール中央凸部146B及び第2ロール第2凸部142Bが形成される。第2ロール中央凸部146Bと第2ロール第2凸部142Bとは、U方向に沿って交互に位置している。また、第2歯車122の歯122aによって第2ロール第1凸部141Bが形成される。第1ロール111と第2ロール112とが噛み合った状態においては、第2ロール第1凸部141Bは、第1ロール第1凹部領域141Aと嵌まり合う。また、第2ロール第2凸部142Bは、第1ロール第2凹部領域142Aと嵌まり合う。更に、第2ロール中央凸部146Bは、第1ロール中央凹部領域146Aと嵌まり合う。
【0095】
図23には、第1ロール111のサイド領域形成部の周面に、第2ロール112の凸部が噛み合った状態を平面に展開した状態が示されている。同図中、細かいドットで示した矩形の領域が、第1ロール111における歯車121,122の歯先面を示している。また、粗いドットで示した矩形の領域が、第2ロール112における歯車124,122の歯先面を示している。同図から明らかなとおり、第1ロール第1凹部領域141Aには、第2ロール第1凸部41Bが入り込んでいる。第1ロール第2凹部領域142Aには、第2ロール第2凸部142Bが入り込んでいる。更に、第1ロール中央凹部領域146Aには、第2ロール中央凸部146Bが入り込んでいる。これらとは対照的に、第1ロール第3凹部143Aには、第2ロール112の凸部は入り込んでいない。
【0096】
そして、第1ロール111及び第2ロール112は、中央領域形成部においては、第1ロール凹部領域140Aに第2ロール凸部140Bが入り込むことで、第1シート1(図示せず)が第1ロール111内に押し込まれて凸部40に対応する立体賦形が行われる。
また、第1ロール111及び第2ロール112は、サイド領域形成部においては、第1ロール第1凹部領域141Aに、第2ロール第1凸部141Bが入り込むことで、第1シート1(図示せず)が第1ロール111内に押し込まれて第1凸部41に対応する立体賦形が行われる。また、第1ロール第2凹部領域142Aに、第2ロール第2凸部142Bが入り込むことで、第1シート1(図示せず)が第1ロール111内に押し込まれて第2凸部42に対応する立体賦形が行われる。また、第1ロール中央凹部領域146Aに、第2ロール中央凸部146Bが入り込むことで、第1シート1(図示せず)が第1ロール111内に押し込まれて、中央凸部46に対応する立体賦形が行われる。なお、第1ロール第3凹部領域143Aにおいては、該第3凹部領域143Aから第1ロール111の内部に向けての吸引によって、第1シート1(図示せず)が該第3凹部領域143A内に吸引されて立体賦形が行われる。
その後、立体賦形が行われた第1シート1に対して第2シート2が貼り合わされることで、目的とする複合シート10が得られる。
【0097】
以上のようにして得られた複合シート10は、おむつ100の製造ラインに導入され、公知の方法により、使い捨ておむつ100の表面シート12とされる。
【0098】
次に、第2実施形態の使い捨ておむつについて説明する。第2実施形態の使い捨ておむつにおいて表面シートを構成する複合シート10Aは、第1実施形態で用いた複合シート10と中央領域Mの構成が同じである一方、サイド領域S,Sの構成が相違している。
第2実施形態については、前述した第1実施形態との相違点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点については、第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0099】
第2実施形態で表面シートとして用いた複合シート10Aには、積層された第1シート1及び第2シート2が部分的に接合されて形成された接合部として、
図27に示すように、第1方向Xに沿う長さL3が第2方向Yに沿う長さL1より長い縦長の形状の縦長接合部31が形成されている。縦長接合部31はいずれも矩形をしており、その矩形の各辺は第1方向X又は第2方向Yと一致している。複合シート10Aにおいては、全ての接合部が、縦長接合部31である。また複合シート10Aには、
図26に示すように、縦長接合部31が第2方向Yに沿って2種類の間隔L2,L4で規則的に配置された第2方向接合部列Rが、第1方向Xに亘って複数列形成されている。より詳細には、第2方向接合部列Rは、第2方向Yにおける縦長接合部31どうし間の間隔として、第1の間隔L2と、第1の間隔L2よりも広い第2の間隔L4とを有しており、第2方向接合部列R中の複数の縦長接合部31は、これら2種類の間隔を第2方向Yに交互に有するように第2方向Yに間欠配置されている。
【0100】
個々の第2方向接合部列Rを構成する縦長接合部31は、第1方向Xにおける長さ及び配置位置が一致しており、第1方向Xにおいて隣り合う第2方向接合部列R間には一定の幅Wの隙間が形成されている。また、第1方向Xに複数列形成されている第2方向接合部列Rは、一列置きに、第2方向Yにおける縦長接合部31の配置位置が一致しており、隣り合う第2方向接合部列Rどうしは、第2方向Yにおける縦長接合部31の配置位置が相互に異なる。詳細には、
図27に示すように、第2方向接合部列Rとして、第2方向における縦長接合部31の配置位置が相互に異なる第2方向第1接合部列R1と第2方向第2接合部列R2とが、第1方向Xに交互に形成されており、第2方向Yにおける縦長接合部31の配置位置に関しては、第2方向第1接合部列R1及び第2方向第2接合部列R2は、いずれか一方の接合部列R1(R2)における第2の間隔L4で隣り合う縦長接合部31どうし間に、他方の接合部列R2(R1)における第1の間隔L2で隣り合う一対の縦長接合部31が位置している。
【0101】
そして、
図27に示すように、第2方向接合部列R中において隣り合う2つの縦長接合部31,31を含む合計6個の接合部31に囲まれた領域内に凸部41が形成されている。複合シート10Aのサイド領域Sにおける合計6個の接合部31は、何れも縦長接合部31であり、詳細には、
図27に示すように、第2方向第1接合部列R1を構成する2個の縦長接合部31並びに第1方向Xにおいて、その第2方向第1接合部列R1に隣り合う2つの第2方向第2接合部列R2,R2を構成する4個の縦長接合部31の合計6個の縦長接合部31によって囲まれている。また、複合シート10Aのサイド領域Sにおいては、個々の第2方向接合部列Rに、第2方向Yに第1の間隔L2で近接配置された一対の縦長接合部31からなる縦長接合部対30が、第2方向Yに第1の間隔L2の2倍以上の間隔L4で間欠配置されており、凸部41は、第2方向Yにおいて隣り合う縦長接合部対30,30どうし間に形成されている。本実施形態における縦長接合部対30は、第2方向接合部列R中において最も狭い間隔L2で隣り合う一対の縦長接合部31からなる。
【0102】
図25及び
図26に示されるとおり、複合シート10Aのサイド領域Sには、凸部41が、複合シート10Aの面内方向に分散した状態に形成されている。凸部41は、千鳥状に配置されている。より詳細には、凸部41は、
図26に示すように、複数の凸部41が一定の間隔で第1方向Xに沿って直列した第1方向凸部列4Xと、複数の凸部41が一定の間隔で第2方向Yに沿って直列した第2方向凸部列4Yと、複数の凸部41が一定の間隔で、第1方向X及び第2方向Yの両方向に対して傾斜した第3方向に沿って直列した第3方向凸部列4XYとを有するように配置されている。また、第1方向Xにおいて隣り合う第2方向凸部列4Yどうしは、凸部41の配置位置が、第2方向Yに半ピッチずれており、第2方向Yにおいて隣り合う第1方向凸部列4Xどうしは、凸部41の配置位置が、第1方向Xに半ピッチずれている。ここでいう半ピッチは、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれにおいて隣り合う凸部41どうしの中心間距離である。
【0103】
複合シート10Aのサイド領域Sに形成された各凸部41は、
図26、
図28(a)及び
図28(b)に示すように、平面視において、円形又は楕円形状であり、裏面側に中空部41Vを有している。凸部41は、6個の縦長接合部31に囲まれた領域の中央部に頂部を形成している。
また複合シート10Aのサイド領域Sには、
図27に示すように、第2方向凸部列Rにおける狭い間隔L2で隣り合う縦長接合部31,31間に、凸部41よりも高さの低い第2凸部42が形成されており、第1方向Xにおいて隣り合う第2方向凸部列Rの最も近い接合部31間に、凸部41よりも高さの低い第3凸部43が形成されている。凸部41と隣接する他の凸部41との間は、凸部41を囲む6個の接合部と、それらの接合部間に位置する第2凸部42及び凸部43とからなる環状凹部によって隔てられている。第2凸部42及び第3凸部43は文字どおり「凸部」ではあるが、第2凸部42及び第3凸部43は、何れも凸部41よりも相対的に高さが低いことから、これらの凸部41から見て相対的に凹部となる。
【0104】
図29は、複合シート10Aの製造に用いる第1ロール及び第2ロールのサイド領域形成部の
図23に相当する図である。複合シート10Aの製造に用いる第1ロール及び第2ロールのサイド領域形成部においては、第1ロール凹部領域141Aに第2ロール凸部141Bが入り込むことで、第1シート1(図示せず)が第1ロール111内に押し込まれて凸部41に対応する立体賦形が行われる。他方、第1ロール第2凹部領域142A及び第1ロール第3凹部領域143Aにおいては、第2凹部領域142A及び第3凹部領域143Aから第1ロール111の内部に向けての吸引によって、第1シート1(図示せず)が該第2凹部領域142A及び第3凹部領域143A内に吸引されて、第2凸部42及び第3凸部43に対応する立体賦形が行われる。その後、立体賦形が行われた第1シート1に対して第2シート2が貼り合わされることで、目的とする複合シート10Aが得られる。
【0105】
複合シート10Aにおいても、中央領域Mと一対のサイド領域S,Sとに異なるパターンで接合部が形成されていることによって、サイド領域Sにおける接合部31の面積率が、中央領域Mにおける接合部3の面積率よりも高くなっている。
そのため、複合シート10Aを表面シートとして用いた第2実施形態のおむつによっても、第1実施形態のおむつ100と同様の効果が得られる。
複合シート10Aに関し、サイド領域Sにおける接合部の面積率Es(%)と中央領域Mにおける接合部の面積率Em(%)との差(Es−Em,パーセントポイント)、中央領域Mにおける接合部の面積率Em、サイド領域Sにおける接合部の面積率Es、サイド領域Sや中央領域Mの曲げ剛性、縦長接合部であるサイド領域Sの接合部31と、中央領域Mにおける接合部3との第1方向Xの長さの比等に関し、好ましい範囲は、第1実施形態の複合シート10と同様である。
【0106】
次に、第3実施形態の使い捨ておむつについて説明する。第3実施形態の使い捨ておむつにおいて表面シートを構成する複合シート10Bにおいても、
図30に示すように、中央領域Mにおける凸部の形状及び配置パターンが、サイド領域S,Sにおける凸部の形状及び配置パターンと相違している。
第3実施形態については、前述した第1実施形態との相違点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点については、第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0107】
図31に示すように、複合シート10Bの中央領域Mには、前述した複合シート10の中央領域Mと同様に、積層された第1シート1及び第2シート2が部分的に接合されて複数の接合部34が形成されており、また、その第1シート1が、該接合部34以外の部位において第2シート2から離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する複数の凸部40Cを形成している。複合シート10Bの中央領域Mにおいては、接合部34が、複数の接合部34が第1方向Xに沿って一定のピッチで一列に配置されている複数の格子形成第1接合部列と、複数の接合部34が第2方向Yに沿って一定のピッチで一列に配置されている複数の格子形成第2接合部列とからなる格子状の配置パターンで形成されており、8個の接合部34に周囲を囲まれた格子の目に相当する箇所それぞれに、平面視形状が略十字状の凸部40Cが形成されている。凸部40Cは、前述した複合シート10の凸部40と同様に、裏面側に中空部を有し該凸部40Cの頂部を形成する高凸部41’と、該高凸部41’の周囲に、該高凸部41’と連結した状態に形成されている4つの低凸部42’とから構成されている。
図30に示す複合シート10Bは、例えば、上述した使い捨ておむつ100の表面シートとして、第1方向Xを物品長手方向Xaに一致させて用いた場合には、高凸部41’の周囲の4つの低凸部42’は、物品長手方向Xa及び物品幅方向Yaのそれぞれに対して斜めの方向に延出したものとなる。
【0108】
図32に示すように、複合シート10Bのサイド領域Sには、積層された第1シート1及び第2シート2が部分的に接合されて形成された接合部として、第1方向Xに長い形状の縦長長方形状の第1接合部31と、第2方向Yの長さは第1接合部31と同じであるが、第1方向Xの長さが第1接合部よりも短い正方形状の第2の接合部32とが形成されている。複合シート10Bのサイド領域Sには、第1シート2が第2シート2から離れる方向に突出して形成された凸部として、第2方向Yに連続して延びる中央連続凸部40が、第1方向Xに一定の距離を隔てて複数本形成されている。中央連続凸部40のそれぞれは、第2方向Yに交互に配置された第1凸部41と第2凸部42とが互いに連結されて形成されている。中央連続凸部40を構成する第1凸部41及び第2凸部42は、それぞれの裏側に中空部を有し、第1凸部41の裏面の中空部と第2凸部42の裏面の中空部とが連続して、中央連続凸部40の裏側に、第2方向Yに沿って連続して延びる連続中空部が形成されている。複合シート10Bのサイド領域Sには、第2方向Yに延在し、第2方向に連続して接合部を有しない非エンボス領域Nと、第2方向に延在し、接合部が規則的なパターンで形成されたエンボス領域Eとが、第1方向Xに交互に形成されている。エンボス領域Eには、2個の第1接合部31と4個の第2の接合部32とに囲まれた状態に、エンボス領域内凸部46’が形成されている。
【0109】
複合シート10Bにおいても、中央領域Mと一対のサイド領域S,Sとに異なるパターンで接合部が形成されていることによって、サイド領域Sにおける接合部31,32の面積率が、中央領域Mにおける接合部34の面積率よりも高くなっている。
そのため、複合シート10Bを表面シートとして用いた第3実施形態のおむつによっても、第1実施形態のおむつ100と同様の効果が得られる。
複合シート10B及び後述する複合シート10Cに関し、サイド領域Sにおける接合部の面積率Es(%)と中央領域Mにおける接合部の面積率Em(%)との差(Es−Em,パーセントポイント)、中央領域Mにおける接合部の面積率Em、サイド領域Sにおける接合部の面積率Es、サイド領域Sや中央領域Mの曲げ剛性、縦長接合部であるサイド領域Sの接合部31と、中央領域Mにおける接合部3との第1方向Xの長さの比等に関し、好ましい範囲は、第1実施形態の複合シート10と同様である。
【0110】
次に、第4実施形態の使い捨ておむつについて説明する。第4実施形態の使い捨ておむつにおいて表面シートを構成する複合シート10Cにおいても、
図33に示すように、中央領域Mにおける凸部の形状及び配置パターンが、サイド領域S,Sにおける凸部の形状及び配置パターンと相違している。
第4実施形態については、前述した第1実施形態との相違点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点については、第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0111】
図34には、
図33に示す複合シート10Cの中央領域Mとサイド領域Sとの境界部付近の拡大平面図が示されている。
図35(a)〜
図35(c)には、中央領域Mにおける複合シート10Cの断面図である、
図34のVa−Va線断面図、Vb−Vb線断面図及びVc−Vc線断面図が示されている。
図33〜
図35に示される通り、複合シート10Cの中央領域Mには、積層された第1シート1及び第2シート2が部分的に接合された複数の接合部331,332が形成されている。また、第1シート1は、それらの接合部以外の部位において第2シート2から離れる方向に突出しており、それによって、着用者の肌側に向かって突出する凸部として、中央連続凸部40Mと、第3凸部343と、第4凸部344とが形成されている。
中央連続凸部40Mは、それぞれ第2方向Yに延びており、第1方向Xに間隔を開けて複数本形成されている。第3凸部343は、第1方向X及び第2方向Yに間隔を開けて散点状に形成されている。第4凸部344は、中央連続凸部40Mと第3凸部343との間に形成されている。
【0112】
図34及び
図35(a)に示すように、個々の中央連続凸部40Mは、第2方向Yに交互に配置された第1凸部341と第2凸部342とが互いに連結されて形成されている。中央連続凸部40Mを構成する第1凸部341及び第2凸部342は、それぞれの裏側に中空部を有している。中央連続凸部40Mは、第1凸部341の裏面の中空部と第2凸部342の裏面の中空部とが連続して、中央連続凸部40Mの裏側に、第2方向Yに沿って連続して延びる連続中空部40Vが形成されていることが好ましい。第3凸部343も、その裏側に中空部43Vが形成されていることが好ましい。
中央連続凸部40Mを構成する第1凸部341と第2凸部342は、何れも平面視での形状が楕円形状であるが、第1凸部341は、楕円の長軸が第1方向Xと一致し、第2凸部342は楕円の長軸が第2方向Yと一致している。また、第1凸部341、第2凸部342及び第3凸部343は、それぞれ、第1方向Xに沿う断面が、頂部を有する形状であることが好ましく、第1方向X及び第2方向Yの何れの断面においても頂部を有する形状であることが更に好ましい。第4凸部344は、上面が略平坦であるが、第4凸部344を挟む2つの第2接合部332それぞれの上面より突出している。
【0113】
複合シート10Cの中央領域Mには、第1方向Xに所定の間隔、好ましくは一定の間隔で配置された第1接合部331と、第1接合部331よりも狭い間隔で第1方向Xに間隔を開けて配置された第2接合部332とが形成されている。第1接合部331及び第2接合部332は、第2方向Yに多列に形成されており、
図34に示すように、複合シート10Cの中央領域Mには、第1接合部331が第1方向Xに沿って直列した縦方向第1接合部列R3xと、第1接合部331が第2方向Yに沿って直列した横方向第1接合部列R3yとが、それぞれ複数列形成されており、また第2接合部332が第1方向Xに沿って直列した縦方向第2接合部列R4xと、第2接合部332が第2方向Yに沿って直列した横方向第2接合部列R4yとが、それぞれ複数列形成されている。
【0114】
複合シート10Cの中央領域Mには、隣り合う2列の横方向第2接合部列R4y間に、横方向第1接合部列R3yが介在しているエンボス領域Eと、隣り合う横方向第2接合部列R4yどうし間の領域であって、接合部331,332を含まない領域である非エンボス領域Nとが、第1方向Xに交互に形成されており、個々の中央連続凸部40Mは、第2方向Yに延びる第1方向中央部が、非エンボス領域Nの第1方向中央部に位置するように形成されている。第1接合部331及び第2接合部332においては、第1シート1と第2シート2とがエンボス加工により一体的に加圧されており、両シートは何れも他の部分に比して高密度化しており、好ましくは、一方又は両方のシートの構成樹脂の溶融及びその後の固化により両シート間が熱融着している。
【0115】
中央連続凸部40Mは、第2方向Yに連続して延びるとともに、第2方向Yに規則的に幅が括れた部分をしている。詳細には、
図34に示すように、非エンボス領域Nを挟んで対向する一対の第1接合部331どうし間に、中央連続凸部40Mの第1凸部341が形成され、非エンボス領域Nを挟んで対向する二対の第2接合部332からなる合計四個の第2接合部332に囲まれた領域に、中央連続凸部40Mの第2凸部42が形成されており、第1方向Xに沿う方向の長さに関し、第1凸部341の長さL41よりも第2凸部342の長さL42が短くなっている。中央連続凸部40Mは、その第2凸部342からなる部分が、第1凸部341からなる部分に比して幅(第1方向Xの長さ)の狭い括れ部分となっている。
【0116】
図34に示す複合シート10Cの中央領域Mにおいては、第2方向Yにおいて隣り合う縦方向第1接合部列R3xどうし間に、2列の縦方向第2接合部列R4xが存在するが、第2方向Yに、縦方向第1接合部列R3xと縦方向第2接合部列R4xとを1列ずつ交互に配しても良い。その場合も含めて、第1方向Xにおける第1接合部331の長さは、第1方向Xにおける第2接合部332の長さと同一又はそれより長いことが好ましく、また、第2方向Yにおける第1接合部331の長さは、第2方向Yにおける第2接合部332の長さと同一又はそれより長いことが好ましい。
【0117】
図33、
図34及び
図36に示される通り、複合シート10Cのサイド領域Sには、積層された第1シート1及び第2シート2が部分的に接合された複数の接合部231,232が形成されている。また、第1シート1は、それらの接合部以外の部位において第2シート2から離れる方向に突出しており、それによって、着用者の肌側に向かって突出する凸部として、サイド連続凸部40Sと、第3凸部243と、第4凸部244と、第5凸部245が形成されている。サイド連続凸部40Sは、それぞれ第2方向Yに延びており、第1方向Xに間隔を開けて複数本形成されている。第3凸部243は、第1方向X及び第2方向Yに間隔を開けて散点状に形成されている。第4凸部244は、サイド連続凸部40Sと第3凸部243との間に形成されており、第5凸部245は、第2方向Yにおいて隣り合う第1接合部231どうし間に形成されている。
【0118】
図34及び
図36(a)に示すように、個々のサイド連続凸部40Sは、第2方向Yに交互に配置された第1凸部241と第2凸部242とが互いに連結されて形成されている。サイド連続凸部40Sを構成する第1凸部241及び第2凸部242は、それぞれの裏側に中空部を有している。サイド連続凸部40Sは、第1凸部241の裏面の中空部と第2凸部242の裏面の中空部とが連続して、サイド連続凸部40Sの裏側に、第2方向Yに沿って連続して延びる連続中空部40Vが形成されていることが好ましい。第3凸部243も、その裏側に中空部43Vが形成されていることが好ましい
サイド連続凸部40Sを構成する第1凸部241と第2凸部242は、何れも平面視での形状が楕円形状であるが、第1凸部241及び第2凸部242は、何れも、楕円の長軸が第1方向Xと一致している。サイド連続凸部40Sの第1〜第3凸部241〜243は、それぞれ、平面視形状が円形状でも良い。また、第1凸部241、第2凸部242及び第3凸部243は、それぞれ、第1方向Xに沿う断面が、頂部を有する形状であることが好ましく、第1方向X及び第2方向Yの何れの断面においても頂部を有する形状であることが更に好ましい。第4凸部244は、その上面が、第4凸部244を挟む2つの第2接合部232それぞれの上面より突出しており、第5凸部245は、その上面が、第5凸部245を挟む2つの第1接合部231それぞれの上面より突出している。
【0119】
複合シート10Cのサイド領域Sにも、第1方向Xに所定の間隔、好ましくは一定の間隔で配置された第1接合部231と、第1接合部231よりも狭い間隔で第1方向Xに間隔を開けて配置された第2接合部232とが形成されている。また、
図34に示すように、複合シート10Cのサイド領域Sには、第1接合部231が第1方向Xに沿って直列した縦方向第1接合部列R5xと、第1接合部231が第2方向Yに沿って直列した横方向第1接合部列R65yとが、それぞれ複数列形成されており、また第2接合部232が第1方向Xに沿って直列した縦方向第2接合部列R6xと、第2接合部332が第2方向Yに沿って直列した横方向第2接合部列R6yとが、それぞれ複数列形成されている。
【0120】
複合シート10Cのサイド領域Sにも、隣り合う2列の横方向第2接合部列R6y間に、横方向第1接合部列R5yが介在しているサイドエンボス領域SEと、隣り合う横方向第2接合部列R6yどうし間の領域であって、接合部231,232を含まない領域であるサイド非エンボス領域SNとが、第1方向Xに交互に形成されており、個々のサイド連続凸部40Sは、第2方向Yに延びる第1方向中央部が、サイド非エンボス領域SNの第1方向中央部に位置するように形成されている。第1接合部231及び第2接合部232においては、第1シート1と第2シート2とがエンボス加工により一体的に加圧されており、両シートは何れも他の部分に比して高密度化しており、好ましくは、一方又は両方のシートの構成樹脂の溶融及びその後の固化により両シート間が熱融着している。
【0121】
中央連続凸部40Mと同様に、サイド連続凸部40Sも、
図34に示すように、第2方向Yに連続して延びるとともに、第2方向Yに規則的に幅が括れた部分をしている。第1方向Xにおける第1接合部231の長さは、第1方向Xにおける第2接合部232の長さと同一又はそれより長いことが好ましく、また、第2方向Yにおける第1接合部231の長さは、第2方向Yにおける第2接合部232の長さと同一又はそれより長いことが好ましい。
【0122】
複合シート10Cの中央領域Mにおいては、第4凸部344は、第1凸部341、第2凸部342及び第3凸部343の何れよりも高さが低くなっている。
また、第1凸部341の高さをH1、第2凸部342の高さをH2、第3凸部343の高さをH3、第4凸部344の高さをH4としたとき、これらは下記(1)〜(3)の関係を満たしている。
(1)H1≧H3
(2)H3≧H2
(3)H2>H4
【0123】
複合シート10Cのサイド領域Sにおいては、第4凸部244及び第5凸部45は、第1凸部241、第2凸部242及び第3凸部243の何れよりも高さが低くなっている。また、第1凸部241の高さをH1、第2凸部242の高さをH2、第3凸部243の高さをH3、第4凸部244の高さをH4、第5凸部245の高さをH5としたとき、これらは下記(1)〜(3)の関係を満たしている。
(1)H1≧H3
(2)H3≧H2
(3)H2>H4かつH2>H5
【0124】
複合シート10Cにおいても、中央領域Mと一対のサイド領域S,Sとに異なるパターンで接合部が形成されていることによって、サイド領域Sにおける接合部231,232の面積率が、中央領域Mにおける接合部331,332の面積率よりも高くなっている。
そのため、複合シート10Bを表面シートとして用いた第3実施形態のおむつによっても、第1実施形態のおむつ100と同様の効果が得られる。
【0125】
また、複合シート10Cにおいては、
図33及び
図34に示すように、中央領域Mにおける高さが最大の凸部である第1凸部341と、サイド領域Sにおける高さが最大の凸部である第1凸部241は、それぞれ、複合シート10Cの物品長手方向に沿う第1方向Xに間欠的に形成されており、第1凸部341と第1凸部241とが、前記第1方向Xにおいて互いに異なる位置に形成されている。
より詳細には、複合シート10Cにおいては、中央領域Mの第1凸部341の、第1方向Xにおけるピッチ(中心線Cm間距離に同じ,
図33参照)と、サイド領域Sの第1凸部241の、第1方向Xにおけるピッチ(中心線Cs間距離に同じ,
図33参照)とが同一であり、中央領域Mの第1凸部341とサイド領域Sの第1凸部241とは、第1方向Xに交互に形成されている。したがって、全ての中央領域Mの第1凸部341は、サイド領域Sの第1凸部241と第1方向Xの位置が異なっている。中央領域Mにおける高さが最大の凸部(第1凸部341)及びサイド領域Sにおける高さが最大の凸部(第1凸部241)は、それぞれ、第1方向Xに一定のピッチ(中心間距離)で形成されていることが好ましい。
【0126】
中央領域Mとサイド領域Sとで、高さが最大の凸部の位置を異ならせることにより、高さが最大の凸部どうしが重ならないため、複合シート10Cにおける中央領域Mとサイド領域Sの凸部形成パターンの境界部付近で、複合シート10Cを含む吸収性物品が折れ曲がり易くなる。それにより、吸収性物品が一層スムーズに舟形の形状に変形し易く、漏れ防止性能等が向上する。
斯かる効果をより確実に得る観点から、中央領域Mにおける高さが最大の凸部と、サイド領域Sにおける高さが最大の凸部とが、第1方向Xに1個ずつ交互に配置されていることが好ましいが、中央領域Mにおいて第1方向に互いに隣り合う2つの高さ最大の凸部間に、サイド領域Sにおいて第1方向に隣り合う2個の複数の高さ最大の凸部が介在するパターンや、サイド領域Sにおいて第1方向に隣り合う2つの高さ最大の凸部間に、中央領域Mにおいて第1方向に隣り合う2個の高さ最大の凸部が介在するパターン等で、両領域M,Sに高さが最大の凸部が形成されていても良い。また、股下部Cにおいては、中央領域Mとサイド領域Sとで高さが最大の凸部の第1方向Xの位置を異ならせる一方、腹側部A及び背側部Cの何れか一方又は双方においては、中央領域Mとサイド領域Sとで、高さが最大の凸部の第1方向Xの位置を一致させる等の変形を加えた実施も可能である。
前述した第3実施形態における複合シート10Bにおいても、中央領域Mとサイド領域Sとで、高さが最大の凸部の位置が異なっている。
【0127】
また複合シート10Cにおいては、中央領域Mに、前述した中央連続凸部40Mが、それぞれ第2方向Yに延びて第1方向Xに多列に形成され、サイド領域Sに、前述したサイド連続凸部40Sが、それぞれ第2方向Yに延びて第1方向Xに多列に形成されており、中央連続凸部40Mとサイド連続凸部40Sが第1方向Xに交互に配置されている。
これにより、中央領域Mの中央連続凸部40Mとサイド領域Sのサイド連続凸部40Sとが重ならないので、複合シート10Cにおける中央領域Mとサイド領域Sの凸部形成パターンの境界部付近で、複合シート10Cを含む吸収性物品が折れ曲がり、吸収体等の側部が立ちあがり易くなる。それにより、一層安定した舟形の形状を形成することができ、着用中における漏れ防止性能等が一層向上する。
【0128】
また複合シート10Cは、
図33に示すように、中央領域Mとサイド領域Sとの境界部に、中央領域Mの中央連続凸部40Mとサイド領域Sのサイド連続凸部40Sの両方が存在する境界領域Kを有しており、境界領域Kには、中央連続凸部40Mと該サイド連続凸部40Sとが第1方向Xに交互に配置されている。より具体的には、境界領域Kにおいては、第1方向Xにおいて隣り合う中央連続凸部40Mどうし間にサイド連続凸部40Sが入り込んでおり、第1方向Xにおいて隣り合うサイド連続凸部40Sどうし間に中央連続凸部40Mが入り込んでいる。また、境界領域Kの第1方向Xに存在する、中央連続凸部40Mの第2方向Yの一端とサイド連続凸部40Sの第2方向Yの一端とを交互に結ぶとジグザグ形状となる。
中央領域Mとサイド領域Sとの境界部に、中央連続凸部40Mとサイド連続凸部40Sとが第2方向Yに重複して延在する境界領域Kを備えることにより、複合シート10Cは、境界領域Kにおいて折れ曲がり易い上に、境界領域Kにおいても凸形状を維持することができるので、折れ曲がり線に沿う液拡散を抑制することができ、着用中における漏れ防止性能が一層向上する。
【0129】
複合シート10Cは、
図37に示すように、歯先面が組み合わされる第1ロールと第2ロールとを用いる以外は、上述した複合シート10の製造方法と同様にして製造することができる。
図37において、細かいドットで示した歯先面が、目的とする複合シート10Cにおける中央領域又はサイド領域の接合部の形成予定位置である。
【0130】
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつは、
図38に示す使い捨ておむつ100Aのように、背側部Bの少なくとも幅方向中央部に、複数本の弾性部材19が配された弾性部材配置領域BMを備えることが好ましい。
図38に示す使い捨ておむつ100Aにおけるファスニングテープ17は、テープ基材17aと、該テープ基材17aに接合されて止着部17cを形成する機械的面ファスナーのオス部材とからなり、ランディングゾーン18は、裏面シート13に、機械的面ファスナーのメス部材や係合性に富む不織布を接合して形成されている。ファスニングテープ17のテープ基材17aの一部は、裏面シート13と立体ギャザー形成用のシート15との間に挟まれた状態に固定された固定部17bを形成している。左右のファスニングテープ17,17間には、おむつ100Aを幅方向Yaに収縮させる複数本の糸状又は紐状の弾性部材19が、おむつ100Aの長手方向Xaに間隔をおいて複数本配置されている。その複数本の弾性部材19は、2枚の不織布又は2つ折りされた不織布間に固定された構成の弾性シート19sとして配置されており、その弾性シート19sの端部又は該弾性シート19sに含まれる各弾性部材19の端部は、固定部17bと重なっていることが好ましい。また、弾性部材19は、物品長手方向Xaに一定の間隔で配置されていることが好ましい。なお、ファスニングテープ17の止着部17cは、テープ基材17aに粘着剤を塗布して形成された粘着部等であっても良い。テープ基材17aとしては、不織布等の各種公知の素材が用いられる。
【0131】
図38に示す使い捨ておむつ100Aの表面シート12は、前述した複合シート10Cのように、複合シートの中央領域Mに、中央連続凸部40Mが、それぞれ第2方向Yに延び且つ第1方向Xに間隔を開けて複数本形成されている複合シート10Xからなる。
その複合シート10Xは、弾性部材配置領域BMに、前述した第2方向Yに連続して延びる中央連続凸部40Mがそれぞれ第2方向Yに延びて複数本形成されていることが好ましく、
図39に示すように、中央連続凸部40Mの幅をP1、弾性部材19の間隔をP2、中央連続凸部40Mの中央部どうし間の間隔をP3としたときに、P1<P2<P3の関係を満たすことが更に好ましい。中央連続凸部40Mの幅P1は、第1方向Xに沿う方向の幅であり、
図39に示すように、中央連続凸部40Mを挟んで相対向する一対の接合部として、一対の接合部間の間隔が相対的に狭い接合部332と、一対の接合部間の間隔が相対的に広い接合部331とを有する場合、一対の接合部間の間隔が最も狭い接合部332どうし間の距離を、中央連続凸部40Mの幅P1とする。また、弾性部材配置領域BMは、複合シートの中央領域Mより幅方向において広くなされていることが好ましい。なお、
図39には、表面シート12を構成する複合シートが複合シート10Cの場合が示されているが、中央領域Mに中央連続凸部を有する他の構成の複合シートを表面シート12に用いた場合も同様である。
【0132】
複数本の弾性部材19は、おむつを幅方向に収縮させて背側部Bにおけるフィット性を向上させるものであるが、複数本の弾性部材19が配された弾性部材配置領域BMに重ねて配置される、表面シート12を構成する複合シート10Xの中央連続凸部40M及び弾性部材19が上記の関係を満たしていると、弾性部材19により、おむつ100の背側部B、特に吸収体14より背側端部側に延出した部分が、物品幅方向Yaに沿う第2方向Yに収縮した状態においても中央連続凸部40Mの形状が維持されやすい。これにより、背側部Bにおける蒸れ防止効果が高まり、背側部B側からの液漏れ防止効果も高まる。
また、前述した中央連続凸部40Mが、第2方向Yに規則的に幅が括れた部分を有することによって、中央連続凸部40Mの収縮が、規則的なものとなり、背側部Bにおける蒸れ防止効果が高まる。また中央連続凸部40M内に繊維密度の粗密勾配ができ、液吸収性能や漏れ防止効果も向上する。
【0133】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、吸収性物品の表面シートとして、前述した複合シート10、10A〜10Cのうちの1のシートにおける中央領域Mの構成を、他のシートにおける中央領域Mの構成としても良いし、前述した複合シート10、10A〜10Cのうちの1のシートにおけるサイド領域Sの構成を、他のシートにおけるサイド領域Sの構成としても良い。例えば、中央領域Mの構成が複合シート10と同様であり且つサイド領域Sの構成が複合シート10Bと同様である複合シートや、中央領域Mの構成が複合シート10Bと同様であり且つサイド領域Sの構成が複合シート10又は複合シート10Aと同様である複合シート等を用いることもできる。
【0134】
また、吸収性物品をその長手方向である物品長手方向に収縮させる弾性部材として、立体ギャザーを形成する弾性部材15a及びレッグギャザーを形成する弾性部材16の何れか一方のみが配されていても良い。また、立体ギャザーを形成する弾性部材15a及びレッグギャザーを形成する弾性部材16は、それぞれ、それぞれ吸収性物品の左右両側に1本ずつのみ配されていても良いし複数本ずつ配されていても良い。また、吸収性物品をその長手方向である物品長手方向に収縮させる弾性部材が配されていなくても良い。
【0135】
また、本発明の吸収性物品は、展開型の使い捨ておむつに代えて、パンツ型の使い捨ておむつであっても良く、また、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー等であっても良い。
【0136】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
複合シートからなる表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備する吸収性物品であって、
前記複合シートは、物品長手方向に沿う第1方向及び物品幅方向に沿う第2方向を有するとともに、積層された第1シート及び第2シートが部分的に接合されて複数の接合部が形成され、第1シートが、前記接合部以外の部位において第2シートから離れる方向に突出して、着用者の肌側に向かって突出する凸部を形成しており、
前記複合シートは、前記凸部が相互に異なるパターンで形成された中央領域及び該中央領域の両側に位置する一対のサイド領域を有しており、
前記サイド領域における前記接合部の面積率が、前記中央領域における前記接合部の面積率よりも高い、吸収性物品。
【0137】
<2>
サイド領域における接合部の面積率Es(%)と中央領域における接合部の面積率Em(%)との差(Es−Em,パーセントポイント)が、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
サイド領域における接合部の面積率Esは、前記面積率Emより大きいことを前提として、好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上であり、また好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下である、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
中央領域における接合部Emは、前記面積率Esより小さいことを前提として、好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下であり、また好ましくは3%以上、更に好ましくは5%以上である、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記中央領域と前記サイド領域は、高さが最大の凸部の高さが同じである、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0138】
<6>
前記サイド領域に形成された前記接合部は、全部又は一部が、前記中央領域に形成された前記接合部のいずれよりも物品長手方向の長さが長い縦長接合部である、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記サイド領域に形成された接合部のうち、第1方向Xの長さが、前記中央領域に形成された何れの接合部よりも長い縦長接合部の長さは、中央領域Mに形成された第1方向Xの長さが最大の接合部3おける第1方向の長さの、好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは5倍以下、更に好ましくは3.5倍以下である、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
<8>
前記中央領域に前記凸部が千鳥状に配置されており、前記サイド領域に、前記凸部、又は前記凸部が環状に連結した環状連結凸部が千鳥状に配置されている、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記中央領域における前記接合部は、それぞれ複数の接合部が間隔を開けて直線状に直列してなる複数の格子形成第1接合部列と、それぞれ複数の接合部が間隔を開けて直線状に直列してなる複数の格子形成第2接合部列とからなる格子状の配置パターンで形成されており、その格子の目に相当する箇所のそれぞれに、前記凸部が形成されている、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記中央領域に形成された各凸部は、裏面側に中空部を有し該凸部の頂部を形成する高凸部と、該高凸部の周囲に、該高凸部と連結した状態に形成されている4つの低凸部とから構成されている、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0139】
<11>
前記吸収体は、吸収性コア及び該吸収性コアを包むコアラップシートから構成されており、該吸収性コアは、吸収性物品の股下部における両側それぞれに、該吸収性コアの形成材料が配されていない、平面視凹状の切欠部又は貫通部を有しており、前記複合シートの前記サイド領域が、凹状の切欠部又は貫通部の全体又は一部と重なっている、前記<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記吸収性物品の長手方向の両側部に、内側縁部に前記弾性部材が固定された立体ギャザー形成用のシートが配されており、該シートにおける内側縁部が、前記サイド領域上に固定されている、前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>
相互に異なる凸部を有する中央領域及びその両側のサイド領域は、物品長手方向において、少なくとも股下部に形成されている、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>
相互に異なる凸部を有する中央領域及びその両側のサイド領域は、物品長手方向において、前記吸収体の全長に亘っている、前記<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>
前記中央領域及び前記サイド領域の何れにおいても、第2シート側の面がほぼ平坦である、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0140】
<16>
第1シート及び第2シートは不織布である、前記<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記不織布の坪量は、好ましくは10g/m
2以上、より好ましくは15g/m
2以上であり、また好ましくは40g/m
2以下、より好ましくは35g/m
2以下である、前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
積層された第1シート及び第2シートが部分的に接合されて形成された接合部は、第1シートと第2シートとが一体的に加圧され、両シートは何れも他の部分に比して高密度化している、前記<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>
凸部が形成されている格子の目は、それぞれ8個の接合部3によって周囲を囲まれている、前記<1>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>
格子形成第1接合部列LR1と格子形成第2接合部列LR2とのなす角度θ(
図7参照)は、好ましくは30°以上165°以下、より好ましくは45°以上150°以下、更に好ましくは90°超120°以下である、前記<1>〜<19>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0141】
<21>
第1接合部列R1中において隣り合う2個の第1接合部31、その第1接合部列R1の両側に位置する2つの第2接合部列R2の計4個の第2接合部32及び更にその外側に位置する2つの第3接合部列R3の2個の第3接合部33からなる合計8個の接合部によって囲まれている、前記<1>〜<20>の何れか1に記載の吸収性物品。
<22>
前記中央領域に形成された凸部は、高凸部とその周囲に結合した複数の低凸部とを有し、該凸部の高凸部は、複合シートの平面視において、4個の第2接合部に囲まれており、円形又は楕円形状であり、その4個の第2接合部に囲まれた領域の中央部に該凸部の頂部を形成している、前記<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>
前記中央領域に形成された凸部は、高凸部の周囲に一対の第1低凸部と一対の第2低凸部とが結合した傾向を有し、第1方向Xにおいて相対向する2つの第2接合部間に、第1低凸部が位置しており、第2方向Yにおいて相対向する2つの第2接合部間に、第2低凸部が位置している、前記<1>〜<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記複合シートは、前記中央領域と一対の前記サイド領域とで、凸部の配置及び形態が異なっている、前記<1>〜<23>の何れか1に記載の吸収性物品。
<25>
複合シートのサイド領域には、これを構成する第1シートに、高さが互いに異なる3種類の凸部である第1凸部、第2凸部及び第3凸部が形成されている、前記<1>〜<23>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0142】
<26>
前記サイド領域に、第1凸部、第2凸部及び第3凸部が形成されており、第1凸部の高さをH
1、第2凸部の高さをH
2、第3凸部の高さをH
3としたとき、これらはH
1≧H
2>H
3の関係を満たす、前記<1>〜<25>の何れか1に記載の吸収性物品。
<27>
第1凸部の高さH
1、第2凸部の高さH
2、及び第3凸部の高さH
3が、H
1>H
2>H
3の関係を満たす、前記<26>に記載の吸収性物品。
<28>
第1凸部及び第2凸部は、何れも平面視での形状が略円形になっており、円形の直径は、第1凸部の方が第2凸部よりも大きくなっている、前記<25>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
<29>
第1凸部及び第2凸部は、第1方向X及び第2方向Yの何れの方向での断面においても頂部を有する形状をしており、第3凸部43は、その平面視での形状が、第1方向Xに沿って長い略矩形をしている、前記<25>〜<28>の何れか1に記載の吸収性物品。
<30>
前記サイド領域に、1つ以上の第1凸部と1つ以上の第2凸部とが連結した環状連結凸部が形成されている、前記<1>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0143】
<31>
前記環状連結凸部は、前記複合シートの平面視において、第1方向に沿って距離をおいて配置された2個の第2凸部の中心どうしを結ぶ中心線を挟んで線対称の位置に、第1方向Xに沿って配置された3個の第1凸部からなる第1凸部群が一対位置しており、
第1凸部群を構成する3個の第1凸部は、第1方向Xに沿って連結している、前記<30>に記載の吸収性物品。
<32>
環状連結凸部の環内にはその略中央に、前記中央凸部が形成されている、前記<30>又は<31>に記載の吸収性物品。
<33>
前記中央凸部の高さH
4は、第2凸部の高さH
2と概ね同じであり、中央凸部の高さH
4は、第3凸部の高さH
3よりも高い、前記<29>〜<32>の何れか1に記載の吸収性物品。
<34>
第2凸部と第3凸部と中央凸部と第3凸部とがこの順で、複合シートの面内における一方向である第1方向Xに沿って規則的に、かつ直線状に配置されている、前記<29>〜<33>の何れか1に記載の吸収性物品。
<35>
前記複合シートは、前記サイド領域における曲げ剛性が、前記中央領域における曲げ剛性よりも高い、前記<1>〜<34>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0144】
<36>
前記サイド領域における曲げ剛性は、前記中央領域における曲げ剛性に対する比が、好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上である、前記<35>に記載の吸収性物品。
<37>
前記サイド領域における曲げ剛性は、前記中央領域Mの曲げ剛性よりも大きいことを前提として、好ましくは10cN以上、更に好ましくは15cN以上であり、また好ましくは50cN以下、更に好ましくは40cN以下である、前記<35>又は<36>の何れか1に記載の吸収性物品。
<38>
前記中央領域Sにおける曲げ剛性は、前記サイド領域における曲げ剛性よりも低いことを前提として、好ましくは40cN以下、更に好ましくは30cN以下であり、また好ましくは5cN以上、更に好ましくは10cN以上である、前記<35>〜<37>の何れか1に記載の吸収性物品。
<39>
格子形成第1接合部列LR1及び格子形成第2接合部列LR2は、接合部列内の接合部の配置ピッチ(中心点間距離)P1が、隣り合う接合部の最短距離LLの、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは10倍以下、より好ましくは5倍以下である、前記<9>〜<38>の何れか1に記載の吸収性物品。
<40>
前記中央領域に形成された凸部は、中央部の高凸部部分から四方に低凸部が延出した形状を有している、前記<1>〜<39>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0145】
<41>
前記複合シートは、前記凸部を構成する4つの低凸部として、高凸部からシートの面内方向の一方向に延出する一対の第1低凸部と、該高凸部からシートの面内方向における前記一方向に直交する方向に延出する他の一対の第2低凸部とを有しており、第1低凸部は、第2低凸部よりも、高凸部から最外端までの延出長さL4が長い、前記<40>に記載の吸収性物品。
<42>
前記高凸部は、前記低凸部との境界部に、前記凸部の内部方向に向かって窪んだ窪みを有する、前記<40>又は<41>に記載の吸収性物品。
<43>
前記中央領域における高さが最大の凸部と前記サイド領域における高さが最大の凸部とが、それぞれ、前記複合シートの第1方向に間欠的に複数形成されており、前記中央領域における高さが最大の凸部と前記サイド領域における高さが最大の凸部とが、該第1方向において互いにおいて異なる位置に形成されている、前記<1>〜<42>の何れか1に記載の吸収性物品。
<44>
前記複合シートは、前記中央領域Mに、中央連続凸部が、それぞれ第2方向Yに延びて第1方向Xに多列に形成され、前記サイド領域に、サイド連続凸部が、それぞれ第2方向Yに延びて第1方向Xに多列に形成されており、前記中央連続凸部と前記サイド連続凸部が第1方向Xに交互に配置されている、前記<1>〜<43>の何れか1に記載の吸収性物品。
<45>
前記中央領域と前記サイド領域との境界部に、前記中央連続凸部と前記サイド連続凸部の両方が存在する境界領域を有しており、該境界領域には、該中央連続凸部と該サイド連続凸部とが第1方向Xに交互に配置されている、前記<1>〜<44>の何れか1に記載の吸収性物品。
<46>
着用時に着用者の腹側に配される腹側部、着用時に着用者の背側に配される背側部、及び腹側部と背側部との間に位置する股下部を有する使い捨ておむつであり、
前記背側部の少なくとも幅方向中央部に、前記使い捨ておむつを幅方向に収縮させる複数本の弾性部材が前記使い捨ておむつの長手方向に間隔をおいて複数本配置されており、
前記複合シートの前記中央領域に、中央連続凸部が、それぞれ第2方向に延び且つ第1方向に間隔を開けて複数本形成されており、
前記複数本の弾性部材が配された弾性部材配置領域に、前記中央連続凸部がそれぞれ第2方向に延びて複数本形成されており、
前記中央連続凸部の幅をP1、前記弾性部材の間隔をP2、前記中央連続凸部の中央部どうし間の間隔をP3としたときに、P1<P2<P3の関係を満たす、前記<1>〜<45>の何れか1に記載の吸収性物品。