特許第6083926号(P6083926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オリンピアの特許一覧

<>
  • 特許6083926-遊技機 図000002
  • 特許6083926-遊技機 図000003
  • 特許6083926-遊技機 図000004
  • 特許6083926-遊技機 図000005
  • 特許6083926-遊技機 図000006
  • 特許6083926-遊技機 図000007
  • 特許6083926-遊技機 図000008
  • 特許6083926-遊技機 図000009
  • 特許6083926-遊技機 図000010
  • 特許6083926-遊技機 図000011
  • 特許6083926-遊技機 図000012
  • 特許6083926-遊技機 図000013
  • 特許6083926-遊技機 図000014
  • 特許6083926-遊技機 図000015
  • 特許6083926-遊技機 図000016
  • 特許6083926-遊技機 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6083926
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20170213BHJP
【FI】
   A63F5/04 516F
   A63F5/04 516E
【請求項の数】1
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2011-247605(P2011-247605)
(22)【出願日】2011年11月11日
(65)【公開番号】特開2013-102863(P2013-102863A)
(43)【公開日】2013年5月30日
【審査請求日】2014年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100086726
【弁理士】
【氏名又は名称】森 浩之
(72)【発明者】
【氏名】雪江 武史
【審査官】 岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−122260(JP,A)
【文献】 特開2010−142608(JP,A)
【文献】 特開2011−045453(JP,A)
【文献】 特開2010−246858(JP,A)
【文献】 特開2009−095611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄が配列されているリールと、
前記リールの回転及び停止制御を行うリール制御手段と、
前記リールを回転させる操作を契機として、遊技上の所定の利益を遊技者に対して付与可能な特別役及び前記特別役とは異なる遊技態様をなす遊技を遊技者に対して提供可能な特定役を含む複数種類の役のうち、いずれかの役の当否を抽選する内部抽選手段と、
前記内部抽選手段の抽選により当選した前記特別役に対応する前記図柄の組合せが、前記リール制御手段により所定の表示位置に停止表示された前記リールにおける図柄の組合せと一致して、前記特別役が入賞したことに基づいて、予め複数種類設定された遊技状態のうち複数回の遊技に亘って、通常状態よりも大きな遊技上の利益を付与可能な特別遊技状態に設定するように制御し得る遊技状態制御手段とを備え、
前記リールの回転から停止に基づく遊技上の処理が行われるまでを1遊技とする遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、前記特定役の当選確率が各々異なる抽選状態が定められた複数の特定役抽選状態から1の特定役抽選状態を設定可能とし、少なくとも、複数回に亘って行われ得る前記特別遊技状態の直前の遊技状態において、所定の契機に基づいて、設定中の前記特定抽選状態から異なる特定抽選状態に設定可能であって、前記遊技状態を前記特別遊技状態に設定する際、前記特別遊技状態の直前の遊技状態における前記特定役抽選状態の設定状態を維持し、かつ、前記特別遊技状態における前記特定役の当選に基づいて前記特別遊技状態を終了可能とし、
前記内部抽選手段は、前記特別遊技状態において、設定された前記特定役抽選状態に基づいて前記特定役を抽選し得ることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一つとして、外周面に複数の図柄が配列された複数のリールを備えた回胴式遊技機であるスロットマシンが知られている。この種の遊技機は、メダル等の遊技媒体に対して所定の遊技価値を付与し、これらの遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者が遊技媒体を投入し、リールを回転させる操作を行うと、リールが回転するとともに、内部抽選で役の当否が決定される。リールを停止させる操作を行うことにより、リールに表示された図柄の組合せが、内部抽選の結果に基づいて決定された入賞形態を示す図柄の組合せで停止した場合に、役が入賞したと判定して、遊技媒体の払い出しなどの所定の処理を行うものである。
【0003】
この種の遊技機においては、内部抽選で当否が決定される役として、当選することにより遊技者にとって有利な遊技状態である所謂ボーナス状態へ移行可能な特別役が設定されている(例えば、特許文献1)。また、この種の遊技機においては、特別役の当選確率は遊技機の出玉率の設定値に基づいて決定されており、一旦設定が行われると、設定を変更するまで、特別役の当選確率は変化せず、出玉率の変化がないため、特に出玉率が低く設定されている遊技機においては、遊技者に興味を持って持続して遊技を行わせることが難しいのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−105623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、出玉率の設定値を変更することなく、出玉率の変化に富んだ遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)複数の図柄が配列されているリールと、前記リールの回転及び停止制御を行うリール制御手段と、前記リールを回転させる操作を契機として、遊技上の所定の利益を遊技者に対して付与可能な特別役及び前記特別役とは異なる遊技態様をなす遊技を遊技者に対して提供可能な特定役を含む複数種類の役のうち、いずれかの役の当否を抽選する内部抽選手段と、前記内部抽選手段の抽選により当選した前記特別役に対応する前記図柄の組合せが、前記リール制御手段により所定の表示位置に停止表示された前記リールにおける図柄の組合せと一致して、前記特別役が入賞したことに基づいて、予め複数種類設定された遊技状態のうち複数回の遊技に亘って、通常状態よりも大きな遊技上の利益を付与可能な特別遊技状態に設定するように制御し得る遊技状態制御手段とを備え、前記リールの回転から停止に基づく遊技上の処理が行われるまでを1遊技とする遊技機において、前記遊技状態制御手段は、前記特定役の当選確率が各々異なる抽選状態が定められた複数の特定役抽選状態から1の特定役抽選状態を設定可能とし、少なくとも、複数回に亘って行われ得る前記特別遊技状態の直前の遊技状態において、所定の契機に基づいて、設定中の前記特定抽選状態から異なる特定抽選状態に設定可能であって、前記遊技状態を前記特別遊技状態に設定する際、前記特別遊技状態の直前の遊技状態における前記特定役抽選状態の設定状態を維持し、かつ、前記特別遊技状態における前記特定役の当選に基づいて前記特別遊技状態を終了可能とし、前記内部抽選手段は、前記特別遊技状態において、設定された前記特定役抽選状態に基づいて前記特定役を抽選し得る。
【0007】
この構成によれば、遊技状態制御手段は、特定役の当選を契機として、特別遊技状態を終了させる。また、特別遊技状態において、特定役の当選確率が各々異なる抽選状態のうち、いずれか1つの抽選状態を選択することにより、特定役の当選確率を変化させることができる。即ち、特定役の抽選状態により特定役の当選確率が変化させることによって、特定役が当選しないで特別遊技状態が継続したり、特定役が当選して特別遊技状態が継続しなかったりする確率が変化して特別遊技状態の期間の長さが変化することにより、遊技者に付与可能な遊技上の利益(例えば、出玉率)を変化させることができる。
【発明の効果】
【0010】
遊技機において、出玉率の設定値を変更することなく、特別遊技状態における出玉率を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る遊技機の正面図である。
図2】同じく、前扉を開け、かつメイン基板を遊技機から外した状態の斜視図である。
図3】同じく、遊技機のリールの図柄配列を示す図である。
図4】同じく、遊技機における各構成要件の関係を示すブロック図である。
図5】同じく、遊技機の入賞役と図柄組合せと配当の関係を示す図である。
図6】同じく、遊技機のSB抽選テーブルを示す図である。
図7】同じく、遊技機の各内部抽選テーブルを示す図である。
図8】同じく、遊技機の各内部抽選テーブルを示す図である。
図9】同じく、遊技機における遊技状態とSB抽選状態との関係を示すマトリックス図である。
図10】同じく、遊技機におけるSB及びCBBに係る性能一覧図である。
図11】同じく、遊技機におけるSB及びCBBに係る制御手法を説明するための図である。
図12】同じく、遊技機における遊技状態及びSB抽選状態に係る制御処理を説明するためのフローチャートである。
図13】同じく、遊技機における遊技状態及びSB抽選状態に係る制御処理を説明するためのフローチャートである。
図14】同じく、遊技機における遊技状態及びSB抽選状態に係る制御処理を説明するためのフローチャートである。
図15】同じく、遊技機における遊技状態及びSB抽選状態に係る制御処理を説明するためのフローチャートである。
図16】第1変形例の遊技機における遊技状態とSB抽選状態との関係を示すマトリックス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本実施形態は例示であって、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を不当に制限するものではない。
【0013】
本実施形態の遊技機は、スロットマシンと呼ばれるものであって、遊技媒体としてメダルを使用する種類の遊技機である。
なお、以下の説明において、遊技機は、遊技者が相対する側を「正面」とし、正面と反対側の面を「裏面」とし、正面から望んで右側を「右」とし、同じく左側を「左」とする。また、遊技機を構成する各構成部材は、遊技機に取り付けられた状態を基準とし、方向の定義は遊技機と同様である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の遊技機であるスロットマシンSは、前面に設けられた開口部1aを有する筐体1と、筐体1に対して筐体1の開口部1aを開閉可能に取り付けられた前扉2と、前扉2の前面上部に設けられ、筐体1内に収容されているリール3を前方から視認可能とするための表示窓4と、前扉2における表示窓4の上方に設けられ複数種類の映像または画像を表示可能な液晶表示部5と、前扉2の上下の両隅付近に設けられた複数種類の音声が出力されるスピーカ6と、前扉2の上部周囲縁に沿って設けられ点灯または点滅可能なアーチランプ7とを備えている。
【0014】
リール3は、左リール3a、中リール3b、及び右リール3cから構成され、各リール3a〜3cは円筒状をなし、外周面を前後方向へ向けて、左リール3aは左側に位置し、中リール3bは真ん中に位置し、右リール3cは右側に位置するように左右方向へ並列されている。図3に示すように、リール3a〜3cの外周面は、周方向に等間隔で21の領域(以下、コマという。)に区分されており、予め定められた複数種類の図柄のいずれかを、その区分されたコマに表示することによって、各リール3a〜3cに複数の図柄が配列されるようになっている。ここでいう図柄には、識別可能な情報として、絵柄だけでなく数字や記号も含まれる。
【0015】
表示窓4からは、リール3a〜3cの外周面に配列された図柄のうち、連続して配列されている3つの図柄が、上段図柄、中段図柄、及び下段図柄として視認可能となっている。従って、表示窓4からは、縦3列、横3行に配列された9図柄が視認可能となっている。なお、リール3に配列されている図柄には、後述するボーナスに係る図柄であるボーナス図柄として「7図柄(SV)」、「BAR図柄(BAR)」、「Challenge図柄(CHL)」が、後述するリプレイに係る図柄であるリプレイ図柄として「リプレイ図柄(RP)」が、後述する小役に係る図柄である小役図柄として「チェリー(CR)図柄」、「スイカ図柄(WM)」、「ベル図柄(BL)」等が設定されている。
【0016】
また、表示窓4によって遊技機に設けられたリール3a〜3cの図柄の組合せ(以下、図柄組合せという。)を視認可能とする表示領域4aには、表示位置として、リール3a〜3cの上段図柄、中段図柄、下段図柄の表示位置に対応するように、上段、中段、下段の各領域が設定されている。さらに、この表示領域4aの上段、中段、下段の各領域には、それぞれ水平方向に横断するように設けたラインが3本と、下段から上段へ向く右上がり斜め方向、及び上段から下段へ向く右下がり斜め方向にそれぞれ設けられたラインが2本の合計5本のラインから構成される有効ラインL1〜L5が設定されている。有効ラインL1〜L5は、リール3a〜3cにおける図柄の表示位置の組合せによって、役の入賞が決定する基準となる表示位置(所定の表示位置)を示すものである。
【0017】
前扉2の表示窓4の下方には、遊技情報表示部8が設けられており、LED、7セグメントディスプレイ等によって、メダルに係る情報や遊技の状態に係る情報等の遊技情報を表示する。遊技情報表示部8の下方には、メダルをスロットマシンSに投入可能とするためのメダル投入口9と、予めメダル投入口9に投入されて遊技機に一時的に貯留(以下、クレジットという)されたメダル(以下、クレジットメダルという)から遊技を行うためのメダルを1枚ずつメダルが投入された状態(以下、投入状態という。)に設定するための1ベットボタン10と、同じく、クレジットメダル3枚(最大賭数)を、1回の操作で投入状態に設定するためのMAXベットボタン11と、リール3a〜3cの回転を始動させるためのスタートレバー12と、前扉2の前面に左右方向に並列し、左側に位置する左ストップボタン13a、真ん中に位置する中ストップボタン13b、及び右側に位置する右ストップボタン13cからなるストップボタン13とが設けられている。なお、ストップボタン13a〜13cは、リール3a〜3cが回転中のときに、左ストップボタン13aを操作すると左リール3aが停止し、中ストップボタン13bを操作すると中リール3bが停止し、右ストップボタン13cを操作すると右リール3cが停止するようにリール3a〜3cと対応づけられている。
【0018】
さらに、前扉2の前面におけるストップボタン13a〜13cの下方には、スロットマシンSの機種名等を表示するための表示パネル14が設けられ、表示パネル14の下方には、スロットマシンSの遊技の際にメダル払出口15から払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受皿16が設けられている。
【0019】
図2に示すように、筐体1の内部には、表示窓4から視認可能なリール3a〜3c、リール3a〜3cを回転制御及び停止制御するステッピングモータ(図示省略。以下同じ)を含むリール制御装置(図示省略。以下同じ)等から構成されるリールユニット310や、リールユニット310の下方に設けられておりメダルを払い出す払出処理を行うホッパーユニット320等が収容されている。
ホッパーユニット320の左側には、遊技機に対して外部からの電力を供給可能な電源ユニット50が設けられている。電源ユニット50には、スロットマシンSの電源をON/OFFするための電源スイッチ(図示省略)やメダルの出玉率を調整するための「設定値」を6段階に変更するための設定変更スイッチ(図示省略)等が設けられている。
【0020】
さらに、筐体1の内部におけるリールユニット310の上方には、スロットマシンS全体を統括して制御するメイン基板100が設けられている。また、前扉2の裏面側上部には、メイン基板100から送信される信号を受けて、遊技の状況に合わせた表示演出や音響演出等を行わせるための制御を行うサブ基板400が設けられている。なお、遊技機の制御手段として、メイン基板100とサブ基板400とを分けずに、1つの制御手段を構成するものとしてもよい。
【0021】
次に、本実施形態の遊技機における遊技の概要について説明する。
遊技者がメダルをメダル投入口9に3枚投入するか、メダルがクレジットされた状態で、1ベットボタン10またはMAXベットボタン11を押下操作して、遊技可能な規定投入数(以下、規定数という。)である3枚のメダルを投入状態に設定することによって、遊技機をリール3が回転始動可能な遊技準備状態とする。そして、遊技者によるスタートレバー12の押下操作に基づいて、メイン基板100は、リール制御装置を介して、リール3a〜3cを回転制御するとともに、役の当選に係る抽選(以下、内部抽選という。)を実行することによって遊技を開始させる。
【0022】
次いで、遊技者が任意のタイミングでストップボタン13a〜13cを押下操作すると、内部抽選の結果に応じた停止位置で、回転駆動中のリール3は停止させられる。そして、有効ラインL1〜L5上のいずれかに停止表示された図柄組合せが、予め定められた役の入賞形態を示す図柄組合せと一致した場合には、当該図柄組合せに対応する役が入賞したものとして、ホッパーユニット320が、役毎に予め定められた配当情報(図5参照)をもとにメダルをメダル払出口15からメダル受皿16へ払い出す等の遊技上の所定の処理を実行する。
なお、遊技準備状態において、スタートレバー12の押下操作から所定の遊技上の処理を実行するまでを1回の遊技(以下、1遊技という。)とする。
【0023】
本実施形態の遊技機では、上述の通り、1遊技に必要なメダルの規定数は3枚とされており、規定数のメダルが投入状態に設定されることに基づいて、全ての有効ラインL1〜L5が、入賞基準のラインとして有効化される。なお、規定数を3枚のみに限定せず、複数パターン設定してもよく、このように規定数を複数パターン設定した場合には、規定数に対応して有効となる有効ラインの数を異ならせるようにしてもよい。具体的には、メダルが1枚投入された場合には、有効ラインL1のみが有効となり、2枚投入された場合には、有効ラインL1〜L3が有効となり、3枚投入された場合には、有効ラインL1〜L5が有効になるように設定してもよい。なお、以下の説明において、全ての有効ラインL1〜L5は有効化されているものとする。
【0024】
次に、図4を参照しながら本実施形態の遊技機の制御について説明する。
本実施形態の遊技機は、電源ユニット50からの電力の供給を受けて作動可能な状態となり、メイン基板100及びサブ基板400によって制御される。
メイン基板100は、メダルがメダル投入口9から投入されることに基づいて作動するメダル投入スイッチ210、操作手段である1ベットボタン10及びMAXベットボタン11の操作に基づいて作動するベットスイッチ220、スタートレバー12の操作に基づいて作動するスタートスイッチ230、ストップボタン13a〜13cの操作に基づいて作動するストップスイッチ240等からの各入力信号を受信して、メイン基板100に設けられている遊技制御装置110が遊技を実行するための各種の演算処理を行うとともに、演算処理の結果に基づいて出力手段であるリールユニット310やホッパーユニット320等の出力動作の制御を行う。
【0025】
また、サブ基板400は、メイン基板100からの信号を受信して、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算処理を行い、演算処理の結果に基づいて、演出手段である液晶表示部5を含む表示装置510、スピーカ6を含む音響装置520、アーチランプ7等を含む照明装置530等に対する演出制御を行う。
なお、メイン基板100及びサブ基板400の機能は、ROMに予め記憶されている所定のプログラム等からなるソフトウエアによる情報処理が、CPUやROMやRAM等のハードウエア資源を用いて具体的に実現されることによって達成される。
【0026】
メイン基板100は、遊技の主たる制御を行う遊技制御装置110と、遊技の主たる制御を行うためのデータが格納されているメインメモリ170とを設けている。
【0027】
遊技制御装置110は、乱数発生手段115、抽選テーブル選択手段120、内部抽選手段125、当選(役)フラグ設定手段130、リール制御手段135、入賞判定手段140、払出制御手段145、遊技状態制御手段150、SB抽選手段155、SB抽選状態管理手段160等を有する。
【0028】
また、メインメモリ170は、後述する内部抽選手段125が行う内部抽選時に参照されるテーブルである内部抽選テーブルを記憶している内部抽選テーブル記憶手段175、同じく、後述するリール制御手段135が行うリール3の停止制御の際に参照されるテーブルである停止制御テーブルを記憶している停止制御テーブル記憶手段180、同じく、後述する入賞判定手段140が行う入賞判定の際に参照されるテーブルである入賞判定テーブル記憶手段185、同じく後述するSB抽選手段155が行うSB抽選状態抽選の際に参照されるテーブルであるSB抽選テーブル記憶手段190等を記憶している。
【0029】
乱数発生手段115は、抽選用(内部抽選用及び後述するSB抽選用共通)の乱数値を発生させる手段であり、乱数値は、例えば、インクリメントカウンタのカウント値に基づいて発生させることができる。なお、インクリメントカウンタとは、所定の範囲を循環するように数値を数えあげる数値数え上げ手段のことである。ここでいう乱数値には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得のタイミング等が不規則であるために、遊技上実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。即ち、厳密に乱数値を発生させる必要はなく、ソフトウエアによる乱数生成式の計算によって求められた疑似乱数値を発生させてもよい。
【0030】
抽選テーブル選択手段120は、メインメモリ170の内部抽選テーブル記憶手段175に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのから、遊技状態に合わせて内部抽選を行うために参照する内部抽選テーブルを選択する。
本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、ボーナス状態等が設定されており、メインメモリ170の内部抽選テーブル記憶手段175には、各遊技状態における内部抽選のための複数種類の内部抽選テーブルが記憶されている(図7及び図8参照)。各遊技状態において選択される内部抽選テーブルには、リプレイ、小役(チェリー役、スイカ役、ベル役等)、ボーナス、及びこれらの役に当選しない不当選(以下、ハズレという。)等の情報が格納された領域に対して、乱数発生手段115により発生させられた乱数値に対応するように、0〜65535の整数値である内部抽選値が設定されている。
【0031】
ここでリプレイとは、図5に示すように、上述の「リプレイ図柄(RP)」の図柄組合せ「RP・RP・RP」が、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示されてリプレイが入賞した場合に、次回の遊技において、メダルの投入、及びベットボタンの押下操作によりメダルを投入状態に設定をすることなく、遊技が可能となるリプレイ作動状態に設定するものである。即ち、リプレイが入賞した場合には、リプレイ作動状態となって、次回の遊技に必要なメダル枚数に対応する有効ラインを有効化した状態で、次回の遊技の開始操作を待機するようになっている。
【0032】
小役とは、上述の「チェリー(CR)図柄」、「スイカ図柄(WM)」、「ベル図柄(BL)」等の予め定められた各小役図柄の組合せが、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示されて小役が入賞した場合に、予め定められた枚数のメダルの払い出し(配当)を行う役である。本実施形態の遊技機では、図5に示すように、チェリー役(図柄組合せ「CR・ANY・ANY」(「ANY」には、リール3に配列されているいずれの図柄が表示されてもよい。))、スイカ役(図柄組合せ「WM・WM・WM」)、ベル役(図柄組合せ「BL・BL・BL」)等が小役として設定されている。また、小役の配当として、チェリー役は2枚、スイカ役は5枚、ベル役は10枚のメダルが各小役の入賞時に払い出されるように対応付けられている。
【0033】
ボーナスとは、上述の「7図柄(SV)」、「BAR図柄(BAR)」、「Challenge図柄(CHL)」等の予め定められた各ボーナス図柄の組合せが、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示されてボーナスが入賞した場合に、遊技状態を、通常状態から通常状態よりも多くのメダルの獲得が期待できる遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)(以下、ボーナス状態という。)に移行させることができる役(役物及び役物連続作動装置)のことである。
【0034】
また、ボーナスには、有利遊技が複数回の遊技に亘って行われるボーナスとして、第1種ビッグボーナス(以下、RBBという。)、レギュラーボーナス(以下、RBという。)及び2種ビッグボーナス(以下、CBBという。)があり、一方、1回の遊技で終了するボーナスとしてシングルボーナス(以下、SBという。)及びチャレンジボーナス(以下、CBという)がある。
【0035】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスには、他のボーナス遊技状態を終了させるボーナスと、他のボーナスによって終了させられるボーナスが設定されており、他のボーナス遊技状態を終了させるボーナス(特定役)にはSBとRBが設定されている。一方、他のボーナスによって終了させられるボーナス(特別役)にはCBBが設定されている。CBについては、いずれのボーナスにも属さないように設定されている。なお、後述するように他のボーナスを終了させるSBにおいては、SBの当選確率が変化するように設定されている。
【0036】
なお、他のボーナスによってボーナス遊技状態を終了させられるボーナスは、RBBまたはRBでもよい。また、他のボーナス遊技状態を終了させるボーナスは、SBのみとしてもよく、RBB、CBB、またはCBとしてもよい。
【0037】
SB(普通役物)は、遊技状態を、シングルボーナス遊技状態(以下、SB遊技状態という。)に移行させるための役である。SBに対応した図柄組合せ「RP・RP・BL」が、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示され、SBが入賞したときに、遊技状態をSB遊技状態に移行させる。SB遊技状態では、小役の当選確率を上昇させることが可能である。後述の当選(役)フラグ設定手段130によって当選の際に設定されるSBフラグは、次回以降の遊技に持ち越しはできず、1遊技のみ有効である。即ち、SB遊技状態は1遊技で終了する。
【0038】
なお、本実施形態の遊技機では、SB遊技状態において、小役の当選確率の上昇率はごく僅か(例えば、1%)に設定されており、通常状態の当選確率とほぼ変わらないようにしてある。即ち、本実施形態におけるSBは、メダルを獲得するための遊技状態に移行させるためではなく、後述のように、CBB遊技状態を終了させるために設定されている。
【0039】
RB(第1種特別役物)は、遊技状態をレギュラーボーナス遊技状態(以下、RB遊技状態という。)に移行させるための役であり、RB遊技状態の遊技では、所定の小役の当選確率を上昇させる。RBは2種類設定され、通常遊技からRBの入賞に基づいてRB遊技状態に移行させるもの(通常RBという)と、RBB中に常にRB遊技状態となるもの(RBB中RBという)とがある。
通常RBは、通常遊技においてRBが当選して、RBに対応する図柄組合せ「BAR・BAR・BAR」が、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示され、RBが入賞したときに、遊技状態をRB遊技状態に移行させるものである。
一方、RBB中のRBは、RBB中にRBに対応する図柄組合せ「BAR・BAR・BAR」を表示させることなくRB遊技に移行する可能とするものであって、後述するRBB遊技状態の開始を契機にRB遊技状態に移行し、所定の条件が満たされるまで、RB遊技状態を連続して作動するものである。
【0040】
通常RB及びRBB中RBにおけるRB遊技状態は、遊技の回数が所定回数(例えば、12回)を超えたとき、または、いずれかの役が所定回数(例えば、8回)入賞したときに終了する。さらに、RBB中RBについては、上記の2つの条件の他にRBB遊技の終了条件を満たしたときに終了する。
後述の当選(役)フラグ設定手段130によって当選の際に設定されるRBフラグは、RBが当選した遊技の次回の遊技からRBが入賞するまで持ち越しが可能である。即ち、入賞するまでRBフラグが設定された遊技状態(ボーナス成立状態)を維持する。
【0041】
RBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)は、遊技状態を第1種ビッグボーナス遊技状態(以下、RBB遊技状態という。)に移行させるための役である。RBBに対応する図柄組合せ「SV・SV・SV」が、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示され、RBBが入賞したときに、遊技状態をRBB遊技状態に移行させる。RBB遊技状態では、RBをRBB遊技状態の終了条件が成立するまで、連続作動が可能なように制御される。また、RBB遊技状態は、払い出したメダルの枚数が、所定枚数(例えば、300枚など)に達したときに終了する。
後述の当選(役)フラグ設定手段130によって当選の際に設定されるRBBフラグは、RBBが当選した遊技の次回の遊技からRBBが入賞するまで持ち越しが可能である。即ち、入賞するまでRBBフラグが設定された遊技状態(ボーナス成立状態)を維持する。
【0042】
なお、RBB遊技状態には、上述のようにRB遊技状態が連続作動するようなものに限定されず、RBが高確率で当選するRB高確率当選状態、及びRBが入賞することにより移行するRB遊技状態の2つの遊技状態からなるものでもよい。この場合、遊技状態がRB高確率当選状態からRB遊技状態へ移行したときには、RB遊技状態での遊技が所定回数行われるか、または、いずれかの役が所定回数入賞することを契機に、RB遊技状態からRB高確率当選状態へ再び戻る。
【0043】
CB(第2種特別役物)は、遊技状態をチャレンジボーナス遊技状態(以下、CB遊技状態という。)に移行させるための役である。CBに対応する図柄「CHL・RP・BL」が、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示され、CBが入賞したときに、遊技状態をCB遊技状態に移行させる。遊技状態がCB遊技状態となったときには、リール制御手段135により、左リール3aを後述する特殊制御状態に制御され、中リール3b及び右リール3cを後述する通常制御状態に制御される遊技が行われる。また、CB遊技状態においては、後述の当選(役)フラグ設定手段130によって、全ての小役のフラグが、内部抽選の結果に係わらず、当選した状態に設定されることにより、小役の入賞確率を上昇させるような制御が行われ、これらの小役に対応した図柄組合せを、有効ラインL1〜L5上のいずれかに揃えることができる。
後述の当選(役)フラグ設定手段130によって、当選の際に設定されるCBフラグは、次回以降の遊技に持ち越しはできず、1遊技のみ有効である。即ち、CB遊技状態は1遊技で終了する。
なお、CB遊技状態では、1個以上のリール3を特殊制御状態に制御すればよく、リール3a〜3cの何れを特殊制御状態に制御するようにしてもよい。
【0044】
CBB(第2種特別役物に係る役物連続作動装置)は、遊技状態を第2種ビッグボーナス遊技状態(以下、CBB遊技状態という。)に移行させるための役である。CBBに対応する図柄組合せ「CHL・CHL・CHL」が、有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示され、CBBが入賞したときに、遊技状態をCBB遊技状態に移行させる。CBB遊技状態では、CB遊技状態がCBB遊技状態の終了条件が成立するまで、連続作動が可能なように制御する。また、CBB遊技状態は、CBB遊技状態で払い出したメダルの枚数が、所定枚数(例えば、140枚)に達したとき、または、いずれかの役が所定回数(例えば、20回)入賞したとき、または、上述したSBやRBが内部抽選により当選したときに終了する(図10参照)。以下の説明においては、所定枚数を超えるメダルが払い出されるまで、CBB遊技状態の遊技が継続したことをCBB遊技状態の完走という。
【0045】
本実施形態の遊技機では、CBB遊技状態の際のCB遊技状態において、ストップボタン13を左から中、右(右、中)の順で押下操作(順押し(挾み押し))すると、必ずベル役が入賞するように設定されている。なお、ストップボタン13を右から中、左(左、中)の順で押下操作(逆押し(逆挾み押し))または、中から右、左(左、右)の順で押下操作(中押し)すると、ベル以外の役が入賞するように設定されている。
後述の当選(役)フラグ設定手段130によって当選の際に設定されるCBBフラグは、CBBが当選した遊技の次回の遊技からCBBが入賞するまで持ち越しが可能である。即ち、入賞するまでCBBフラグが設定された遊技状態(ボーナス成立状態)を維持する。
【0046】
なお、CBB遊技状態には、上述のようにCB遊技状態が連続作動するようなものに限定されず、CBが高確率で当選するCB高確率当選状態、及びCBが入賞することにより移行するCB遊技状態の2つの遊技状態からなるものでもよい。この場合、遊技状態がCB高確率当選状態からCB遊技状態へ移行したときには、CB遊技状態での遊技が1回行われると、CB遊技状態からCB高確率当選状態へ再び戻る。
【0047】
内部抽選手段125は、スタートスイッチ230からの入力信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段115から生成された抽選用の乱数値を取得し、取得した乱数値と、メインメモリ170の内部抽選テーブル記憶手段175に記憶されている内部抽選テーブルのうちから、抽選テーブル選択手段120によって選択された内部抽選テーブルに付された内部抽選値とを照らし合わせて、内部抽選値が設定された領域に対応する役、即ち当選役を決定する内部抽選処理を行う。
【0048】
当選(役)フラグ設定手段130は、内部抽選手段125による内部抽選の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する当選(役)フラグを、非当選状態から当選状態に設定する当選(役)フラグ設定処理を行う。内部抽選の結果、ハズレの場合は、全ての当選(役)フラグを非当選状態のまま維持させる。また、2種類以上の役が重複当選した場合には、重複当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する当選(役)フラグが当選状態に設定される。当選(役)フラグの設定情報は、メインメモリ170のフラグ記憶手段(図示省略)に記憶される。
【0049】
当選(役)フラグ設定手段130は、遊技状態が上述のCBB遊技状態である場合には、遊技毎に実行される内部抽選手段125による内部抽選の結果に係わらず、遊技上設定されている全ての小役に対応付けられている全てのフラグを当選状態に設定する特別フラグ設定処理を行う。
【0050】
リール制御手段135は、遊技者がスタートレバー12の押下操作により作動するスタートスイッチ230からの入力信号に基づいて、リール3a〜3cを、各リール3a〜3cに対応するリールユニット310の複数のステッピングモータにより回転駆動させるリール回転処理を行い、ステッピングモータにより回転駆動されているリール3a〜3cを当選(役)フラグの設定状態(内部抽選状態)に応じて停止させるリール停止処理を行う。
【0051】
具体的には、リール制御手段135は、遊技者がストップボタン13a〜13cを押下操作することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からの入力信号に基づいて、リールユニット310の各ステッピングモータへの駆動パルスの供給を停止することにより、リール3a〜3cを停止させるリール停止処理を行う。
【0052】
即ち、リール制御手段135は、各ストップボタン13a〜13cが押下操作される毎に、リール3a〜3cのうち押下操作されたストップボタン13a〜13cに対応するリール3a〜3cの停止位置を決定して、決定された停止位置でリール3a〜3cを停止させる制御を行う。
【0053】
本実施形態の遊技機では、リール制御手段135は、ストップボタン13が押下操作された時点から190ms以内に、押下操作されたストップボタン13に対応する回転中のリール3を停止させる通常停止処理を行うようになっている。また、リール3の回転速度は80rpmであり、上述したようにリール3の外周面は21コマに区分されている。従って、回転中のリール3の停止位置は、ストップボタン13が押下操作された時点からリール3が停止するまでに許容されるコマ数として、0コマ〜4コマの範囲で引き込み範囲(最大5コマ)が決定される。
【0054】
そして、リール制御手段135は、押下操作が行われたストップボタン13に対応する回転駆動中のリール3の外周面において、内部抽選で当選した役に対応する図柄がストップボタン13に対する押下操作が行われた時点で、有効ラインL1〜L5上の有効位置を基準とするリール3の引き込み範囲内に位置する場合に、当選した役に対応する図柄を有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示するように、押下操作が行われたストップボタン13に対応する回転中のリール3を停止させる引き込み処理を行っている。ここで有効位置とは、表示窓4の表示領域における有効化された有効ラインL1〜L5上にある表示位置のことである。なお、内部抽選で当選しなかった役については、有効ラインL1〜L5上のいずれにもそれらの役に対応する図柄組合せを表示することがないように停止制御する蹴り飛ばし処理を行って入賞を回避している。
【0055】
なお、引き込み範囲を超えてリール3a〜3cに配列されている図柄(例えば、左リール3aのチェリー図柄)については、遊技者がリール3aを停止させた場合、遊技者の停止操作をした時点において、当該チェリー図柄がリール3aの引き込み範囲外に位置しているのであれば、有効ラインL1〜L5上に図柄を引き込むリール制御は行われない。
【0056】
さらに、リール制御手段135は、遊技状態がCB遊技状態においては、上述し
たように、左リール3aを左リール3aに対応するストップボタン13aの押下操作が行われた時点から、75ms以内に停止するように特殊停止処理を行っている。即ち、左リール3aは、引き込み範囲が0コマ〜1コマ以内(最大2コマ)に制御される。一方、中リール3b及び右リール3cついては、中リール3b及び右リール3cに対応する中ストップボタン13b及び右ストップボタン13cの押下操作が行われた時点から、190ms以内に停止するように通常制御状態に設定してある。即ち、中リール3b及び右リール3cは、引き込み範囲が0コマ〜4コマ以内(最大5コマ)に制御される。
【0057】
入賞判定手段140は、リール3a〜3cの各図柄の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かの入賞判定処理を行う。具体的には、メインメモリ170の入賞判定テーブル記憶手段185に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、リール3a〜3cの全てが停止した時点での有効ラインL1〜L5上のいずれかに表示される図柄組合せが、入賞判定テーブルに予め格納された役の入賞形態であるか否かを判定する。
【0058】
払出制御手段145は、入賞判定手段140の入賞判定処理の結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、小役毎に設定されている配当(払出数)に基づいて、メダルをホッパーユニット320に払い出させるように、また、クレジットメダルとして仮想的に払い出すよう払出制御処理を実行する。
【0059】
遊技状態制御手段150は、所定の移行(設定)条件の成立に基づいて、内部抽選の態様が互いに異なる複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理、即ち、複数の遊技状態のうち1つの遊技状態を設定する遊技状態移行(設定)処理を行う。なお、上述したように遊技状態には、通常状態、ボーナス成立状態、及びボーナス状態があって、各遊技状態の移行(設定)条件は、一つであってもよいし、複数であってもよい。複数の条件が定められている場合には、予め定められた複数の条件のうちの一つの条件が成立したこと、または複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、現状の遊技状態から別の遊技状態へ移行させることができる。
【0060】
本実施形態の遊技機では、上述の遊技状態の他に、SBの抽選状態(以下、SB抽選状態という。)として、少なくとも、複数設定されているSB抽選状態のうち、相対的にSBの当選確率が低く設定されているSB低確率状態と、同じく、相対的にSBの当選確率が高く設定されているSB高確率状態(以下、SB集中状態ともいう。)とが設定されている。SB抽選状態は、通常状態及びボーナス状態の各遊技状態と並行して設定され得る抽選状態である。なお、SB抽選状態は、SB高確率状態及びSB低確率状態のみに限らず、これらのSB抽選状態に加えて、互いに確率状態が異なるSB抽選状態を複数設定してもよい。
【0061】
遊技状態である通常状態は、遊技の初期に設定される状態であって、通常状態では、所定の条件に基づいて、SB高確率状態(以下、通常時SB高確率状態という。)または、SB低確率状態(以下、通常時SB低確率状態という。)が設定される。
【0062】
同じく、遊技状態であるボーナス成立状態は、ボーナスが当選して当該ボーナスが入賞するまでの間の遊技状態であって、当選(役)フラグを当選したときから入賞するまで維持されるボーナスであるRBB、RB、CBBにおいて設定される遊技状態である。ボーナス成立状態では、SB高確率状態、及びSB低確率状態は設定されない。
なお、上述したように、CB及びSBは当選の際に設定される抽選フラグは次回以降の遊技に持ち越すことができないことから、「CB(SB)の当選〜ボーナス成立状態〜入賞またはハズレ」までが1遊技内に行われることになる。即ち、実際上、CB及びSBは、ボーナス成立状態が設定されないまま遊技が終了する。
【0063】
同じく、遊技状態であるボーナス状態は、小役の入賞率が他の遊技状態よりも上昇するように制御されており、ボーナスが入賞してからボーナスが終了するまでの間の遊技状態である。特に、RBB、RB、CBBのボーナス状態では、小役が当選する有利遊技が複数回の遊技に亘って行われるようになっているため通常状態やボーナス成立状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。ボーナス状態のうち、CB遊技状態、SB遊技状態、CBB遊技状態においては、SB高確率状態(以下、順にCB時SB高確率状態、SB時SB高確率状態、CBB時SB高確率状態という。)と、SB低確率状態(以下、順にCB時SB低確率状態、SB時SB低確率状態、CBB時SB低確率状態という。)が設定される。
なお、CB遊技状態、SB遊技状態、CBB遊技状態では、SB抽選状態は各ボーナスの当選直前の状態をそのまま引き継いだり、CBBの当選を契機に行われる後述するSB抽選状態抽選の結果に基づいて設定されるSB抽選状態を引き継いだりする。
【0064】
このように、SB抽選状態が設定される遊技状態は、通常状態、CB遊技状態、SB遊技状態、及びCBB遊技状態があって、SB高確率状態とSB低確率状態が各状態において設定されている。
【0065】
SB抽選手段155は、メインメモリ170のSB抽選テーブル記憶手段190に記憶されたSB抽選テーブル(図6参照)を参照し、SB抽選状態をSB高確率状態に設定し、また、SB抽選状態をSB低確率状態に設定するための抽選であるSB抽選状態抽選を行う。ここでSB抽選テーブルには、図6に示すように、乱数発生手段115により発生させられた乱数値に対応するように、0〜65535の整数値であるSB抽選値が、SB抽選テーブルにおいて複数に区分された領域に格納されたSB集中、SB集中終了、またはいずれにも当選しないハズレのそれぞれに対応するように設定されている。
【0066】
SB抽選手段155は、スタートスイッチ230からの入力信号に基づいて、乱数発生手段115により生成された抽選用の乱数値を取得し、取得した乱数値と、SB抽選テーブルの各対象領域に設定されたSB抽選値とを照らし合わせて、SB抽選値が設定された領域に対応するSB集中、SB集中終了またはハズレかを決定するSB抽選状態抽選を行う。
【0067】
SB抽選状態管理手段160は、SB抽選手段155によるSB抽選状態抽選に基づいて、SB抽選状態を、SB低確率状態またはSB高確率状態のいずれかに設定するSB抽選状態設定処理を実行する。具体的には、SB抽選状態抽選によりSB集中に当選したことに基づいて、SB抽選状態をSB高確率状態に設定し、また、SB抽選状態抽選によりSB集中終了に当選したことに基づいて、SB抽選状態をSB低確率状態に設定する。ただし、SB高確率状態においてSB集中に当選したり、SB低確率状態においてSB集中終了に当選した場合は、SB抽選状態は変化しない。
【0068】
さらに、SB抽選手段155によるSB抽選状態抽選の結果に係わらず、RBB、CBBまたはRBのボーナス状態が終了したことに基づいて、RBB、CBBまたはRBボーナス状態時のSB抽選状態がSB高確率状態の場合には、SB抽選状態をSB低確率状態に設定する(当選前のSB抽選状態がSB低確率状態の場合には、SB低確率状態を維持する。)。
【0069】
なお、RBB、CBBまたはRBの終了に基づいて、SB抽選状態をSB高確率状態に設定(当選前のSB抽選状態がSB高確率状態の場合には、SB高確率状態を維持)するように予め設定してもよい。また、RBB、CBBまたはRBの各ボーナスによって異なる確率で、SB抽選状態をSB高確率状態へ移行させたり、SB低確率状態へ移行させたり、ボーナス状態時のSB抽選状態を維持させたりしてもよい。
因みに、SB抽選状態管理手段160の機能を、遊技状態制御手段150に持たせることが可能である。
【0070】
次に、遊技状態及びSB抽選状態に基づいて選択される内部抽選テーブルについて説明する。抽選テーブル選択手段120は、図7及び図8で示すような内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルIのうちいずれかの内部抽選テーブルを選択する。なお、図9は、SB抽選状態が設定される遊技状態と、各状態において選択される内部抽選テーブルを示す。
【0071】
通常時SB低確率状態、及びCB時SB低確率状態では、抽選テーブル選択手段120は、全てのボーナスが内部抽選の対象として設定され、かつ、SB当選確率が内部抽選テーブルBと比較すると低く設定されている内部抽選テーブルAを選択し(図9参照)、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルAを参照して内部抽選を行う。
なお、通常時SB低確率状態またはCB時SB低確率状態に対して、それぞれに専用の内部抽選テーブルを設けて、それぞれが別の内部抽選テーブルを参照するようにしてもよい。
【0072】
通常時SB高確率状態、及びCB時SB高確率状態では、抽選テーブル選択手段120は、全てのボーナスが内部抽選の対象として設定され、かつ、SB当選確率が内部抽選テーブルAと比較すると高く設定されている内部抽選テーブルBを選択し(図9参照)、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルBを参照して内部抽選を行う。
なお、通常時SB高確率状態またはCB時SB高確率状態において、それぞれに専用の内部抽選テーブルを設けて、それぞれが別の内部抽選テーブルを参照するようにしてもよい。
【0073】
SB時SB低確率状態では、抽選テーブル選択手段120は、内部抽選テーブルAと比較してベル役の当選確率が高く設定され、かつハズレの確率が低く設定されており、それ以外の役等の当選確率が内部抽選テーブルAと同等に設定されている内部抽選テーブルCを選択し(図9参照)、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルCを参照して内部抽選を行う。
【0074】
SB時SB高確率状態では、抽選テーブル選択手段120は、内部抽選テーブルBと比較してベル役の当選確率が高く設定され、かつハズレの確率が低く設定されており、それ以外の役等の当選確率が内部抽選テーブルBと同等に設定されている内部抽選テーブルDを選択し(図9参照)、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルDを参照して内部抽選を行う。
【0075】
RBB遊技状態では、抽選テーブル選択手段120は、リプレイ、及び全てのボーナスが内部抽選の対象から除外され、かつ、ベル役の当選確率が通常状態(内部抽選テーブルA、または内部抽選テーブルB)よりも高く設定された内部抽選テーブルEを選択し、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルEを参照して内部抽選を行う。内部抽選テーブルEは、その他の小役(チェリー役及びスイカ役)の当選確率を通常状態(内部抽選テーブルAまたは内部抽選テーブルB)と同等に設定されており、ハズレの確率は通常状態よりも相対的に低く設定されている。
【0076】
RB遊技状態では、抽選テーブル選択手段120は、役等の当選確率が内部抽選テーブルEと同等に設定された内部抽選テーブルFを選択し、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルFを参照して内部抽選を行う。
【0077】
CBB時SB低確率状態では、抽選テーブル選択手段120は、リプレイとCBB及びRBBが内部抽選の対象から除外され、かつ、ハズレの確率が他の抽選テーブルよりも高く設定された内部抽選テーブルGを選択し(図9参照)、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルGを参照して内部抽選を行う。
【0078】
CBB時SB高確率状態では、抽選テーブル選択手段120は、内部抽選テーブルGよりもSBの確率が高く設定され、かつハズレの確率が低く設定ており、それ以外の役等の当選確率が内部抽選テーブルGと同等に設定された内部抽選テーブルHを選択し(図9参照)、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルHを参照して内部抽選を行う。
【0079】
RBB、CBB、及びRBにおけるボーナス成立状態(以下、RBB成立状態、CBB成立状態、RB成立状態とそれぞれいう。)では、抽選テーブル選択手段120は、RBB、CBB、RB及びSBが抽選対象から除外された内部抽選テーブルIを選択し、内部抽選手段125は、この内部抽選テーブルIを参照して内部抽選を行う。ボーナス成立状態においては、ボーナス当選前のSB抽選状態が維持される。
【0080】
上述のように、本実施形態の遊技機においては、抽選テーブル選択手段120により、遊技状態及びSB抽選状態に基づいて、SB当選確率等が異なる内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルIの間で、内部抽選において参照する内部抽選テーブルを選択することによって、SBの当選確率を上昇させたり、下降させたりする制御を行わせるようになっている。即ち、CBB遊技状態の終了条件であるSBの当選確率を変化させることが可能となり、SBの当選確率によって、遊技者が遊技可能なCBB遊技状態の回数が変化し、それに伴って、獲得可能なメダルの枚数(出玉率)が変化する。
【0081】
次に、SB低確率状態におけるCBB遊技状態(CBB時SB低確率状態)について説明する。なお、図10に示すように、CBB遊技状態では、1遊技に必要なメダルの数(規定数)が3枚であり、1遊技におけるメダルの払出数が10枚(順押しによるベル役のみの当選を想定。なお、これにより最大限にメダルを獲得することができる。)であるため、1遊技あたりのメダルの純増枚数は7枚である。また、CBB遊技は最大で20回行うことができ、CBB遊技完走時の(最大)純増枚数は140枚である。払出数が190枚を越えた場合、CBB遊技状態は終了する。払出数が190枚を越える前に、SBまたはRBに当選した場合であっても、CBB遊技状態は終了する。
【0082】
さらに、CBB遊技状態において、SB抽選状態による比較をすると、CBB遊技状態でかつSB低確率状態(SBの当選確率が1/30)の場合には、CBBの遊技完走確率は52.51%、平均遊技数は14.77回、平均獲得枚数は103.40枚である。一方、CBB遊技状態で、かつSB高確率状態(SBの当選確率が1/3)の場合には、遊技完走確率は0.05%、平均遊技数は約3.00回、平均獲得枚数は20.99枚である。
【0083】
このように、CBB時SB低確率状態の場合には、相対的に多くのメダルを獲得することが可能となり、CBB時SB高確率状態の場合には、相対的に少ないメダルしか獲得できない場合が多い。即ち、CBB遊技状態でのメダルの獲得枚数は、SB抽選状態に影響を受けており、CBB遊技状態において、SB高確率状態またはSB低確率状態のいずれかの状態に設定されるかによって、獲得可能なメダルの枚数(出玉率)を変化する。
【0084】
次に、サブ基板400について説明する。図4に示すように、サブ基板400は、演出制御装置410と、サブメモリ420等を有し、メイン基板100からの信号を受信して、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算処理を行うとともに、演出手段に対して演算処理の結果に基づく演出に係る制御を実行する。
【0085】
演出制御装置410は、サブメモリ420に格納されている演出データ記憶手段(図示省略)に記憶されている演出データに基づいて、演出手段である液晶表示部5等を有する表示装置510を介して行う表示演出、スピーカ6等を有する音響装置520を介して行う音響演出、またはアーチランプ7等を有する照明装置530を介して行う照明演出等の演出実行処理を行う。例えば、メダル投入口9からのメダルの投入、1ベットボタン10、MAXベットボタン11、スタートレバー12、ストップボタン13a〜13cの押下操作や、役の当選時の当該役が当選したことの報知として、また、役の入賞時の払い出しに合わせて、さらには、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて各種演出を行う制御を実行することによって遊技の補助をしたり、遊技を盛り上げたりする。
【0086】
次に、本実施形態の遊技機の制御手法について説明する。なお、以下の説明においては、本発明の要部となるCBB及びSBに係る制御手法について具体的に説明する。
【0087】
本実施形態の遊技機では、図11に示すように、遊技状態が通常状態において、SB抽選手段155によりSB抽選状態抽選が行われる。初期状態(初めての遊技機の電源投入時や設定変更時、RAMクリア時など)では、初期化処理として、SB抽選状態管理手段160によりSB低確率状態に設定され、抽選テーブル選択手段120により内部抽選テーブルAが選択される(図9参照)。
【0088】
所定の契機に基づいて、SB抽選手段155がSB抽選状態抽選を行い、SB抽選状態抽選の結果、SB集中に当選した場合には、SB抽選状態管理手段160は、SB抽選状態をSB低確率状態からSB高確率状態へ移行させる。抽選テーブル選択手段120はSB抽選状態を参照して、内部抽選テーブルBを選択する(図9参照)。また、SB抽選状態がSB高確率状態に設定されている状態において、SB抽選状態抽選の結果、SB集中終了に当選した場合には、SB抽選状態管理手段160は、SB抽選状態をSB高確率状態からSB低確率状態へ移行させる。
【0089】
また、遊技状態が通常状態において、内部抽選手段125による内部抽選の結果、CBBに当選した場合には、CBB当選前のSB抽選状態を維持したままで、遊技状態制御手段150は通常状態からCBB成立状態へ移行する。CBB成立状態においては、抽選テーブル選択手段120は、ボーナス(RBB、CBB、RB及びSB)が抽選対象とされない内部抽選テーブルI選択する。そして、CBBが入賞すると、遊技状態は、CBB成立状態時のSB抽選状態を維持したままで、遊技状態制御手段150はCBB成立状態からCBB遊技状態へ移行する。抽選テーブル選択手段120は、現状の遊技状態及びSB抽選状態を参照して、SB抽選状態がSB低確率状態(CBB時SB低確率状態)の場合は内部抽選テーブルGを選択し(図9参照)、SB高確率状態(CBB時SB高確率状態)の場合は内部抽選テーブルHを選択する(図9参照)。CBB遊技状態は、メダルの規定枚数の払い出しが行われるか、SBまたはRBが当選したことにより終了する。即ち、CBB遊技状態においては、当選確率が変動するSBの当選がメダルの獲得枚数に影響を及ぼし、CBB遊技状態でSB(RB)が当選しなければ、規定枚数の上限までメダルを獲得して、CBB遊技を完走することができる。
【0090】
次に、図12図15に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態の遊技機の1遊技における制御処理について説明する。
【0091】
なお、本実施形態の遊技機では、初期状態として、遊技状態は通常状態に設定され、かつSB抽選状態はSB低確率状態に設定されるとともに、抽選テーブルは内部抽選テーブルAが設定される。
【0092】
図12に示すように、遊技機にメダルが投入されて、メダル投入状態となり(ステップS105でYES)、スタートレバー12の押下操作に基づいてスタートスイッチ230が作動する(ステップS110でYES)。スタートスイッチ230の作動に伴って、リール制御手段135はリール3a〜3cが回転始動するように制御し(ステップS115)、内部抽選手段125は乱数発生手段115の乱数値に基づいて内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う(ステップS120)。
【0093】
内部抽選の結果、CBBに当選した(ステップS130でYES)場合は、CBB当選前のSB抽選状態を維持したままで、遊技状態制御手段150は遊技状態をCBB成立状態へ移行し(ステップS135)、抽選テーブル選択手段120は、遊技状態に基づいて、内部抽選テーブルIを選択する(ステップS140)。
【0094】
また、内部抽選の結果、CBBに当選せず(ステップS130でNO)、RBBに当選した(ステップS150でYES)場合は、RBB当選前のSB抽選状態を維持したままで、遊技状態制御手段150は遊技状態をRBB成立状態に移行し(ステップS155)、抽選テーブル選択手段120は、遊技状態に基づいて、内部抽選テーブルIを選択する(ステップS140)。
【0095】
また、内部抽選の結果、RBBに当選せず(ステップS150でNO)、RBに当選した(ステップS160でYES)場合は、RB当選前のSB抽選状態を維持したままで、遊技状態制御手段150は遊技状態をRB成立状態に移行し(ステップS165)、抽選テーブル選択手段120は、遊技状態に基づいて、内部抽選テーブルIを選択する(ステップS140)。
【0096】
また、内部抽選の結果、RBに当選せず(ステップS160でNO)、図13に示すように、SBに当選した(ステップS170でYES)場合は、SB抽選手段155は、乱数発生手段115の乱数値に基づいてSB抽選テーブルを参照してSB抽選状態抽選を行う(ステップS175)。抽選の結果、SB集中に当選した(ステップS180でYES)場合には、SB抽選状態管理手段160は、SB抽選状態をSB高確率状態へ移行する(ステップS183)。また、SB抽選状態抽選(ステップS175)の結果、SB集中に当選せず(ステップS180でNO)に、SB集中終了に当選するか、ハズレの場合には、SB抽選状態はSB低確率状態が維持される。
【0097】
また、内部抽選の結果、SBに当選せず(ステップS170でNO)、CB、小役またはリプレイに当選する(ステップS185でYES)と、SB抽選手段155は、乱数発生手段115の乱数値に基づいてSB抽選テーブルを参照してSB抽選状態抽選を行う(ステップS200)。抽選の結果、SB集中に当選した(ステップS205でYES)場合は、SB抽選状態管理手段160は、SB抽選状態をSB高確率状態へ移行する(ステップS207)。また、SB抽選状態抽選(ステップS205)の結果、SB集中に当選せず(ステップS205でNO)に、SB集中終了に当選するか、ハズレの場合は、SB抽選状態はSB低確率状態が維持される。
【0098】
また、内部抽選の結果、CB、小役またはリプレイに当選しない(ステップS185でNO)とハズレが決定し、SB抽選状態はSB低確率状態が維持される。
【0099】
そして、図12に示すように、ステップS130、150、160でYESの場合には、内部抽選テーブルIを選択し、ストップボタン13a〜13cの押下操作に基づいてストップスイッチ240が作動する(ステップS145)。また、ステップS170、185でYES、またはステップS185でNOの場合には、内部抽選テーブルIを選択することなく、ストップボタン13a〜13cの押下操作に基づいてストップスイッチ240が作動する(ステップS145)。
その後、図14に示すように、リール制御手段135によりリールが停止制御され(ステップS215)、全リール3a〜3cが停止した場合には(ステップS220でYES)、入賞判定手段140は役の入賞判定を行う(ステップS225)。入賞判定の結果、CBBに入賞したと判定された(ステップS230でYES)場合、遊技状態制御手段150は、CBB成立状態からCBB遊技状態へ移行し(ステップS235)、抽選テーブル選択手段120は、CBB遊技状態及び現状のSB抽選状態に基づいて内部抽選テーブルを選択する。抽選テーブル選択手段120は、現状のSB抽選状態がSB高確率状態(ステップS245でYES)の場合には、遊技状態及びSB抽選状態に基づいて、内部抽選テーブルHを選択した(ステップS250)状態で1遊技が終了する。また、現状のSB抽選状態がSB高確率状態ではなく(ステップS245でNO)、SB低確率状態の場合には、抽選テーブル選択手段120は、遊技状態及びSB抽選状態に基づいて、内部抽選テーブルGを選択した(ステップS255)状態で1遊技が終了する。
【0100】
また、入賞判定の結果、CBBに非入賞と判定され(ステップS230でNO)、RBBに入賞したと判定された(ステップS260でYES)場合、遊技状態制御手段150は、RBB成立状態からRBB遊技状態へ移行し(ステップS265)、抽選テーブル選択手段120は、内部抽選テーブルEを選択した(ステップS270)状態で1遊技が終了する。
【0101】
また、入賞判定の結果、RBBに非入賞と判定され(ステップS260でNO)、RBに入賞したと判定された(ステップS275でYES)場合、遊技状態制御手段150は、RB成立状態からRB遊技状態へ移行し(ステップS280)、抽選テーブル選択手段120は、内部抽選テーブルFを選択した(ステップS285)状態で1遊技が終了する。
【0102】
また、入賞判定の結果、RBに非入賞と判定され(ステップS275でNO)、図15に示すように、SBに入賞したと判定された(ステップS290でYES)場合、遊技状態制御手段150は、通常状態からSB遊技状態へ移行し(ステップS295)、抽選テーブル選択手段120は、SB遊技状態及び現状のSB抽選状態に基づいて内部抽選テーブルを選択する。抽選テーブル選択手段120は、現状SB抽選状態がSB高確率状態(ステップS297でYES)の場合には、遊技状態及びSB抽選状態に基づいて、内部抽選テーブルDを選択する(ステップS298)。また、現状のSB抽選状態がSB高確率状態ではなく(ステップS297でNO)、SB低確率状態の場合には、抽選テーブル選択手段120は、遊技状態及びSB抽選状態に基づいて、内部抽選テーブルCを選択した(ステップS299)状態で1遊技が終了する。
【0103】
また、入賞判定の結果、SBに非入賞と判定され(ステップS290でNO)、CBに入賞したと判定された(ステップS300でYES)場合、遊技状態制御手段150は、通常状態からCB遊技状態へ移行し(ステップS305)、抽選テーブル選択手段120は、CB遊技状態及び現状のSB抽選状態に基づいて内部抽選テーブルを選択する。抽選テーブル選択手段120は、現状のSB抽選状態がSB高確率状態(ステップS307でYES)の場合には、遊技状態及びSB抽選状態に基づいて、内部抽選テーブルBを選択する(ステップS308)。また、現状のSB抽選状態がSB高確率状態ではなく(ステップS307でNO)、SB低確率状態の場合には、内部抽選テーブルAを選択した(ステップS309)状態で1遊技が終了する。
【0104】
また、入賞判定の結果、CBに非入賞と判定され(ステップS300でNO)、小役またはリプレイに入賞したと判定された(ステップS310でYES)場合、払い出し等の処理が行われ(ステップS315)、抽選テーブル選択手段120は、遊技状態(通常状態)及び現状のSB抽選状態に基づいて内部抽選テーブルを選択する(ステップS318又はS319)。
【0105】
抽選テーブル選択手段120は、現状のSB抽選状態がSB高確率状態(ステップS317でYES)の場合には、遊技状態に応じた内部抽選テーブルを選択する(ステップS318)。具体的には、抽選テーブル選択手段120は、通常状態のときは内部抽選テーブルB、SB遊技状態のときは内部抽選テーブルD、RBB遊技状態のときは内部抽選テーブルE、RB遊技状態のときは内部抽選テーブルF、CBB状態のときは内部抽選テーブルH、RBB、CBB、及びRBにおけるボーナス成立状態のときは内部抽選テーブルIをそれぞれ選択する処理を行う。このようにいずれかの内部抽選テーブルを選択した状態で1遊技が終了する。
【0106】
また、抽選テーブル選択手段120は、現状のSB抽選状態がSB高確率状態ではなく(ステップS317でNO)、SB低確率状態の場合には、遊技状態に応じた内部抽選テーブルを選択する(ステップS319)。具体的には、抽選テーブル選択手段120は、通常状態のときは内部抽選テーブルA、SB遊技状態のときは内部抽選テーブルC、RBB遊技状態のときは内部抽選テーブルE、RB遊技状態のときは内部抽選テーブルF、CBB状態のときは内部抽選テーブルG、RBB、CBB、及びRBにおけるボーナス成立状態のときには内部抽選テーブルIをそれぞれ選択する処理を行う。このようにいずれかの内部抽選テーブルを選択した状態で1遊技が終了する。
【0107】
また、入賞判定の結果、小役またはリプレイに非入賞と判定された(ステップS310でNO)場合は、当選役を入賞させることができなかったものとして、遊技状態に応じた内部抽選テーブル(例えば、内部抽選テーブルAを選択した(ステップS319)状態で1遊技が終了する。
なお、ステップS307,310、317でそれぞれNOの場合に内部抽選テーブルAを選択する処理を行うが、既に内部抽選テーブルAを選択している場合には、改めて、内部抽選テーブルAを選択する処理を行わなくてもよい。
【0108】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような変形や変更を施すことが可能である。なお、上述の本発明の一実施形態、及び下記変形例におけるそれぞれの構成要件及び遊技上の条件等を組み合わせることが可能である。
(第1変形例)
リプレイの当選確率が互いに異なる遊技状態であるRT(リプレイタイム)状態と、互いに確率が異なる複数のSB抽選状態と設定し、遊技において互いに連動するように設定してもよい。
例えば、遊技状態において、非RT状態である通常状態とRT1状態とRT2状態というように複数のRTを設定し、それらに対応するように、SB高確率状態、SB中確率状態及びSB低確率状態を設定する。
具体的には、図16に示すように通常状態はリプレイ確率が1/7.3、RT1はリプレイ確率が1/3.1、RT2は、リプレイ確率が1/1.7というように段階的にリプレイ確率が異なるように設定する。さらに、通常状態にはSB当選確率が1/3に設定されたSB高確率状態が、RT1にはSB当選確率が1/7に設定されたSB中確率状態が、RT2にはSB当選確率が1/10に設定されたSB低確率状態がそれぞれ対応付けるように設定する。
そして、CBB遊技状態終了後にはRT2へ移行し、RT2で所定回数(例えば5回)遊技が行われると、通常状態へ移行し、RT2または通常状態において所定の小役(例えば、チェリー役)に当選、かつ当該小役に対応する図柄組合せが表示されて入賞することによってRT1へ移行るように制御する。
【0109】
これにより、CBB遊技状態終了後の5回の遊技区間は、リプレイ確率が高く出玉率が高い状態であるとともに、CBBに当選、入賞してもCBB遊技状態が終了させられる可能性が低い状態であるため、出玉を減らさずに、より多い獲得枚数を得ることができるCBBに当選するチャンス区間として設定することができる。
即ち、RTとSB抽選状態を連動させることによって、互いの最も有利な状態同士を連動させることができ、遊技者に対する利益を相乗的に提供することが可能となる。
【0110】
(第2変形例)
当選または入賞により他のボーナスを終了させる役としてリプレイを設定する。この場合、CBB遊技状態を終了させるタイミングを変動させるために、リプレイの当選確率を変動させるべく、リプレイの当選確率が互いに異なるRTを複数設定する。なお、RTは以下の5つのうち1つの条件を満たすと、開始または終了する。1.RBまたはRBBが当選したとき。2.RBまたはRBBに対応する図柄が有効ライン上に表示され、入賞したとき。3.RB遊技状態またはRBB遊技状態が終了したとき。4.通常状態において特定の図柄組合せが表示されたとき。5,上記3及び4のいずれかでリプレイの確率が変動した場合に、所定回数の遊技が終了したとき。
なお、CBBは上述の通りRTの開始または終了契機に係わることはない。ここでリプレイの当選確率を、例えば、通常状態はリプレイ確率が1/7.3、RTは、リプレイ確率が1/1.7というように設定する。
例えば、上記第1変形例において上記3の契機によりRT2が開始し、上記5の条件でRT2の所定回数(例えば、30回)の遊技が終了するとRT2が終了するように設定されている場合、その30回の遊技区間は、リプレイ確率が高く出玉率が高い状態であるとともに、CBBに当選、入賞してもCBB遊技状態が終了させられる可能性が高い状態であるため、出玉を減らすことはないが、CBB遊技状態により獲得するメダル数は比較的少なくなるように設定される。
【0111】
さらに、以下のように、構成要件の変更や遊技における所定の条件の変更を施すことも可能である。
(i)CBB成立状態、及びCBB遊技状態において、SB抽選手段155は、SBの抽選状態をSB高確率状態又はSB低確率状態に移行(維持)することを決定するためのSB抽選状態抽選を行う
(ii)他のボーナスによって終了させられる遊技状態として、特別有利遊技(所謂、AT遊技等)を設定する。ここでAT遊技は、遊技者が、演出手段による所定の遊技操作を促す補助演出に従って、遊技操作を行うことによって、所定の遊技上の利益を得ることができる有利遊技のことである。このAT遊技を終了させるボーナスとしてSB及び/またはRB等を設定する。
(iii)SB抽選手段155は、内部抽選において、役(例えば、役が重複当選。)に基づいて、SB抽選状態抽選を行う。例えば、「スイカ役」と「チェリー役」の重複当選や、「スイカ役」と「SB集中」の重複当選や、「チェリー役」と「SB集中」の重複当選または入賞を契機として、SB抽選状態抽選を行う。ここでいう重複当選は、内部抽選テーブルにおいて、役同士が重複して当選するように内部抽選用の乱数に対応して設定されている役のことである。
(iv)内部抽選において、RBB、RBまたはCBBの当選または入賞に基づいて、SB抽選状態抽選を行う。
(v)上記(iii)及び(iv)の場合に、当選役毎またはRBB、RBまたはCBB毎にSB集中及びSB集中終了の当選確率を、個々に設定する。
(vi)乱数発生手段115の抽選用の乱数に基づいて、まず、SB抽選手段155はSB抽選状態抽選を行い、その抽選結果に基づいて、抽選テーブル選択手段120は内部抽選テーブルを選択し、次に、内部抽選手段125は、SB抽選状態抽選が行われた遊技内において、選択された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を実行する。
(vii)抽選テーブル選択手段120が内部抽選において参照する内部抽選テーブルを選択するタイミングは、SB集中終了が当選した場合に、当選した遊技の次の遊技であって、そのときにSB低確率状態の内部抽選テーブル(例えば、内部抽選テーブルA)を選択する。そして、内部抽選手段125は、内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、SB集中に当選した場合も、SB集中終了が当選した場合と同様に当選した遊技の次の遊技において、SB高確率状態の内部抽選テーブル(例えば、内部抽選テーブルB)を選択する。内部抽選手段125は、内部抽選テーブルBを参照して内部抽選を行う。
また、遊技状態の変更に伴う内部抽選テーブルの選択については、遊技状態の変更条件を満たした(例えば、内部抽選でCBBが当選)次の遊技において内部抽選テーブル(例えば、内部抽選テーブルI)を新たに選択し、内部抽選テーブルIを用いて内部抽選を行わせる。即ち、遊技状態の移行に合わせて内部抽選テーブルを選択する。
(viii)各遊技状態(通常状態、ボーナス成立状態、及びボーナス状態)によって、SB集中抽選及びSB集中終了抽選の当選確率を変化させる。
(ix)SB抽選を行わないSB無抽選状態を、SB抽選状態に設定する。この場合、抽選テーブルも、SBを抽選対象から除外したSB無抽選テーブルを選択する。
(x)SB抽選手段155により、内部抽選の際に用いられる乱数値を利用してSB抽選状態抽選行う場合、内部抽選における特役(RBB、RBまたはCBB)に対応する乱数の一部をSB抽選テーブルにおけるSB集中が設定された領域に対応させるように設定する。
このように設定することによって、特役(RBB、RBまたはCBB)に当選した場合であっても、乱数値によってはSB抽選状態をSB高確率状態に設定する場合と設定しない場合というようにSB抽選状態が異なるため、遊技に不確定性を持たせることができる。従って、遊技の単純化を防ぐことが可能となる。
(xi)上述の複数のSB抽選状態の代わりに、RBの抽選状態が複数設定されたRB抽選状態を設定してもよい。RB抽選状態には、RBが相対的に高確率状態で当選するRB高確率状態(RB集中)と、RBが相対的に低確率状態で当選するRB低確率状態がある。
(xii)CBBをCBB1とCBB2というように複数設定し、CBB遊技状態時のSBの当選確率を互いに異なるように設定する。例えば、CBB1のCBB遊技状態時のSB抽選状態をCBB2と比較して高確率に設定し、CBB2のCBB遊技状態時のSB抽選状態をCBB1と比較して低確率に設定する。
【符号の説明】
【0112】
S スロットマシン 1 筐体 2 前扉 3 リール
100 メイン基板 110 遊技制御装置 115 乱数発生手段 120 抽選テーブル選択手段 125 内部抽選手段 130 当選(役)フラグ設定手段 135 リール制御手段 140 入賞判定手段 145 払出制御手段 150 遊技状態制御手段 155 SB抽選手段
160 SB抽選状態管理手段 170 メインメモリ 175 内部抽選テーブル記憶手段 180 停止制御テーブル記憶手段 185 入賞判定テーブル記憶手段 190 SB抽選テーブル記憶手段 210 メダル投入スイッチ 220 ベットスイッチ 230 スタートスイッチ 240 ストップスイッチ 310 リールユニット 320 ホッパーユニット
400 サブ基板 410 演出制御装置 420 サブメモリ 510 表示装置 520 音響装置 530 照明装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16