【0010】
本願発明は、ガムとガムの間に可食物を挟むことを特徴とする多層菓子に関する。
また、本願発明は、可食物が、ソフトキャンディ、ゼリー、フルーツペーストから選択される1種以上であることを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
さらに、本願発明は、可食物がソフトキャンディであることを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
また、本願発明は、ソフトキャンディがゲル化剤を含有することを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
さらに、本願発明は、ゲル化剤が、ゼラチン、アラビアガム、ペクチン、寒天、カラギーナンから選択される1種以上であることを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
また、本願発明は、ゲル化剤がゼラチンであることを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
【0011】
さらに、本願発明は、ゼラチンを1.5〜6重量%含有することを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
また、本願発明は、ゼラチンを2〜4重量%含有することを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
さらに、本願発明は、ゼラチンを1.5〜6重量%含有し、且つガムベースに対するゼラチン量が1〜15重量%であることを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
また、本願発明は、ゼラチンを2〜4重量%含有し、且つガムベースに対するゼラチン量が1.5〜10重量%であることを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
さらに、本願発明は、可食物中に水分を5〜30%含有することを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
また、本願発明は、可食物中にポリオールを60〜95重量%含有することを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
【0014】
また、本願発明は、結晶性糖アルコールが、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、ラクチトールから選択される1種以上であり、且つ前記非結晶性糖アルコールが、還元麦芽糖水飴、還元水飴から選択される1種以上であることを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
さらに、本願発明は、結晶性糖アルコールがキシリトールであり、且つ非結晶性糖アルコールが還元水飴であることを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
また、本願発明は、結晶性糖アルコールを30〜70重量%含有し、前記非結晶性糖アルコールを30〜70重量%含有することを特徴とする、上記に記載の多層菓子に関する。
本発明に使用するガムとしては、一般的なものを使用することができる。配合組成としては、ガムベースと糖質、香料を使用することができる。糖質としては、砂糖・ショ糖・グルコース・フラクトース・トレハロース・パラチノースなどの糖類や、キシリトール・マルチトール・ソルビトール・エリスリトール・ラクチトール・還元パラチノースなどの糖アルコール類、水飴、還元水飴、還元麦芽糖水飴などを使用することができる。また、場合に応じて、クエン酸・リンゴ酸・フマル酸・酒石酸などの酸味料や、アスパルテーム、・アセスルファムカリウム・スクラロース・ネオテーム・ステビアなどの高甘味度甘味料、オリゴ糖などの多糖類、グリセリンなどの軟化剤、天然着色料、合成着色料、植物抽出物などの機能性素材などを、適宜使用することができる。ガムは、常法に従い製造することができる。
本発明に使用する可食物としては、キャンディ類・グミ類・ゼリー類・フィリング類・クリーム類・スプレッド類・フラワーペースト類・ジャム類・餡類・チョコレート類・チーズ類・カレー類・果物類などが挙げられる。特に、ソフトキャンディ・ゼリー・フルーツペーストなどを使用するのが好適である。
本発明の可食物中に使用するゲル化剤としては、ゼラチン・アラビアガム・ペクチン・寒天・カラギーナンなどを使用するのが好適である。また、本発明の可食物中に使用するゲル化剤は、可食物中に1.5〜6重量%であって、可食物と組み合わされるガム中のガムベースに対して1〜15重量%の量で使用するのが望ましい。また、好ましくは、本発明の可食物中に使用するゲル化剤は、可食物中に2〜4重量%の量であって、可食物と組み合わされるガム中のガムベースに対して1.5〜10重量%の量で使用するのが望ましい。
本発明の可食物中に使用するポリオールとしては、キシリトール・エリスリトール・ソルビトール・ラクチトールなどの結晶性糖アルコール、還元麦芽糖水飴・還元水飴などの非結晶性糖アルコールを使用するのが好適である。また、本発明の可食物中に使用するポリオールは、可食物中に60〜95重量%の量で使用するのが望ましい。また、結晶性糖アルコールは可食物中に30〜70重量%、非結晶性糖アルコールは可食物中に30〜70重量%の量で使用するのが望ましい。
【実施例】
【0016】
(実施例1乃至4及び比較例1及び2)
表1及び2に示す配合を有するガム部とソフトキャンディ部からなり、全体として表3に示す重量から構成される三層菓子を、それぞれ製造した。
すなわち、表1に示すように上層・下層のガム部はそれぞれ、全て同じ配合とした。表2に示すように中間層となるソフトキャンディ部は、ゼラチンの配合量をそれぞれ、1.00(比較例1)、1.50(実施例1)、2.00(実施例2)、4.00(実施例3)、6.00(実施例4)、8.00(比較例2)重量%と変化させた。
【0017】
図1に示す製造フローに従い三層ガムを製造した。
ガム部は、チューインガム製造の常法に従い、原料を混合ののち、一定の厚さのチューインガムとした。
ソフトキャンディ部も、ソフトキャンディ製造の常法に従い、原料を溶解させて煮詰めた後、キシリトールフォンダンを投入して混合し、冷却ののち一定の厚さのソフトキャンディとした。
一定の厚さのチューインガムが上層と下層に、一定の厚さのソフトキャンディが中間層に来るように配置した後、圧延、冷却を行う。そののち裁断を行い、一定形状の三層菓子となるよう成形した。
成形後のガム部、ソフトキャンディ部の大きさはそれぞれ、短辺が12mm、長辺が43mmとなるよう調整した。ガム部の厚さは、上層・下層とも1.2mm、ソフトキャンディ部の厚さは1.0mmとなるよう調整した。
【0018】
成形後の三層菓子に、アルミと紙を貼り合わせた銀紙を用いて、包装を行った。使用した銀紙の大きさは、三層菓子の短辺の約3倍、長辺の約1.5倍のものとした。
三層菓子を長辺が縦となるような向きで銀紙の上に置き、長辺の左右外方にはみ出した銀紙を長辺に沿って折り込んだのち、短辺の上下外方にはみ出した銀紙を短辺に沿って折り込むことで、三層菓子の包装を行った。
また、参考として、他社から市販されている三層菓子を、前記の製造した三層菓子と同様に銀紙で包装し直したものを用意した。
【0019】
賞味期限内における三層菓子の品質の安定性を確認するため、具体的には、賞味期限内における銀紙への三層菓子の付着の有無、ガムのとろけの有無、香味劣化の有無を確認するために、加速虐待試験を行った。高温・高湿の加速虐待条件下で、銀紙で包装した三層菓子を18時間放置した。
加速虐待後の三層菓子に関し、それぞれ銀紙への付着の有無について評価を行った。また、訓練された専門パネラー3名により、咀嚼した三層菓子それぞれについて、口中にてとろけが見られるかどうか、また、香味の劣化が見られるかどうか、について評価を行った。更に、三層菓子の製造時において、それぞれの三層菓子の物性面で支障が無く成形が容易に可能かどうか、について評価を行った。なお、ここで言う「とろけ」とは、ガムが口中でまとまらずに、咀嚼不可能な状態にまで軟化し、細片状になってばらけてしまう状態を指す。
また、三層菓子の製造時の成形性については、
図1の圧延工程において、ソフトキャンディ部が持つ伸縮性(反発弾性)によって、一たん規定の厚さに圧延されたソフトキャンディ部が、圧延する前の厚さに近い厚さに戻ってしまい、成形工程(カッティング工程)に進めなくなってしまうかどうか、という観点で評価を行った。
【0020】
以下のような評価基準に基づいて得られた三層菓子の特性を評価した。
銀紙への付着
◎:全く付着していない。
○:少し付着し、着色料の染みが付くものの、銀紙から剥離可能。
△:やや付着が強く、着色料の染みが多く付くものの、銀紙から剥離可能。
×:銀紙から剥離できない。
ガムのとろけ
◎:とろけは全く無し。
○:少し軟らかくなるものの、とろけは無し。
△:かなり軟らかくなるものの、とろけは無し。
×:パネラーによってはとろけが見られる。
香味
◎:問題無し。
○:少し香味の劣化が見られる。
△:やや香味の劣化が見られる。
×:異味・異臭が強い。
成形性
○:問題無し。
△:伸縮があり成形しづらい。
×:伸縮が大きく成形できない。
得られた結果を表5に示す。
【0021】
【表1】
配合率(%)はすべて重量%を示している。
【0022】
【表2】
*表における仕上がり量は、原料を混合して煮詰め水分を蒸発させた結果、100.00重量%になる事を表している。
配合率(%)はすべて重量%を示している。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
配合率(%)はすべて重量%を示している。*表における仕上がり量は、原料を混合して煮詰め水分を蒸発させた結果、100.00重量%になる事を表している。
【0025】
【表5】
【0026】
以上の結果から、夫々製造した三層菓子は、以下の特性を有していた。
比較例1の三層菓子は、噛み始めの食感はかなり軟らかいが、香味の出方は良い。しかし、三層菓子の銀紙への付着が強く、うまく剥離することができない。
実施例1の三層菓子は、噛み始めの食感は軟らかいが、比較例1より硬くしっかりしており、香味の出方は良い。
実施例2の三層菓子は、噛み始めの食感(硬さ)がちょうど良く、香味の出方も良い。咀嚼開始後しばらく経過して唾液とガムが充分に混和した時(中間)以降の、ガムの硬さの落ち込みもほとんどない。
実施例3の三層菓子は、噛み始めの食感(硬さ)がちょうど良く、香味の出方も良いが、中間以降のガムの硬さの落ち込みが少し見られる。
実施例4の三層菓子は、噛み始めの食感は硬く、香味の初発の広がりが弱い。中間以降のガムの硬さの落ち込みが気になり、ゼラチン臭が気になる。
比較例2の三層菓子は、噛み始めの食感は実施例4よりも硬く、香味の初発の広がりも悪い。中間以降のガムの硬さの落ち込みが激しく、ガムがとろけてしまう。ゼラチン臭が強すぎる。また、圧延時のソフトキャンディ部の伸縮が大きすぎて、うまく成形することができない。
他社市販品の三層菓子は、噛み始めの食感が軟らかく、べた付き・吸湿感もひどく、香味の劣化臭がひどい。以上の結果より、三層菓子において、ソフトキャンディ部中のゼラチンの使用量を1.5〜6重量%、好ましくは、ゼラチンの使用量を2〜4重量%とした場合に、賞味期限内で一定期間保存した場合においても、吸湿による銀紙への付着が見られない、もしくはわずかであることが判明した。また、上記の三層菓子において、ガムのとろけが生じないこと、香味の劣化がほとんど生じないことも判明した。更に、上記の三層菓子において、製造時のソフトキャンディ部の伸縮が少なく、成形性も良いことが判明した。従って、これまでにない優れた品質の三層菓子を製造可能であることが判明した。