特許第6083945号(P6083945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6083945超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6083945
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C10G 3/00 20060101AFI20170213BHJP
【FI】
   C10G3/00 Z
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-85808(P2012-85808)
(22)【出願日】2012年4月4日
(65)【公開番号】特開2013-139542(P2013-139542A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2012年4月4日
【審判番号】不服2015-2789(P2015-2789/J1)
【審判請求日】2015年2月13日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0001584
(32)【優先日】2012年1月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】304039548
【氏名又は名称】コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジェフン,キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ミン,パク
(72)【発明者】
【氏名】ジェ ヨン,ハン
(72)【発明者】
【氏名】ソク キ,キム
【合議体】
【審判長】 國島 明弘
【審判官】 川端 修
【審判官】 日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/036764(WO,A2)
【文献】 特開2011−52082(JP,A)
【文献】 特開2011−148909(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/032752(WO,A1)
【文献】 国際公開第96/01304(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0028773(US,A1)
【文献】 Catalysis Communications,2006年,7,p.344−347
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 1/00−99/00
C10L 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続反応器に8族ないし10族金属、ニッケル−モリブデン、及びコバルト−モリブデンからなる群から選択された1種以上の金属が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、シリカエアロゲル、活性炭素、及び炭素エアロゲルからなる群から選択された1種である担体に担持された担持触媒及び触媒活性化物質を投入して担持触媒を活性化する段階と、
前記活性化された触媒が含まれた連続反応器に油脂、水素及び超臨界流体を投入して超臨界流体内で水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階と、
前記反応で生成された再生燃料を回収する段階と、
を含み、
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階では、超臨界流体内で油脂と水素とが溶解された均一相を形成するか、または、水素が溶解された超臨界流体によって油脂の粘度を低め、炭素数が10ないし20である再生燃料を製造する場合の反応温度が250ないし400℃であり、炭素数が6ないし10である再生燃料である再生燃料を製造する場合の反応温度が400ないし600℃であることを特徴とする超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項2】
前記担持触媒と、水素または硫黄化合物である触媒活性化物質を投入して担持触媒活性化する段階と、
前記活性化された触媒が含まれた連続反応器に植物性油脂、動物性油脂、及び廃食用油からなる群から選択された1種以上である油脂、水素及び超臨界流体を投入して超臨界流体内で水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階と、
前記反応で生成された再生燃料を回収する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項3】
前記担持触媒を活性化させる段階で反応温度は、300ないし500℃であり、前記触媒活性化物質の流量は、10ないし200ml/minであることを特徴とする請求項1または2に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項4】
前記担持触媒の金属は、8族ないし10族金属であり、触媒活性化物質は、水素であることを特徴とする請求項1または2に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項5】
前記8族ないし10族金属は、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項4に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項6】
前記担持触媒の金属は、ニッケル−モリブデンまたはコバルト−モリブデンであり、触媒活性化物質は、硫黄化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項7】
前記硫黄化合物は、硫化水素、DMSO(dimethyl sulfoxide、(CH32SO)、DMS(dimethyl sulfides、(CH32S)、及びDMDS(dimethyl disulfide、(CH322)からなる群から選択された1種であることを特徴とする請求項6に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項8】
前記超臨界流体は、超臨界二酸化炭素、超臨界エタン、超臨界プロパン、超臨界ブタン、超臨界ペンタン、超臨界ヘキサン、超臨界ヘプタン、超臨界ジメチルエーテル、超臨界テトラフルオロメタン、超臨界ジフルオロメタン、及び超臨界フルオロエタンからなる群から選択された1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項9】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階で反応温度は、250ないし600℃であり、水素圧力は、30ないし200barであることを特徴とする請求項1に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項10】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階で、担持触媒体積に対して油脂及び水素が溶解された超臨界流体が時間当たり担持触媒を通過する液空間速度(LHSV)は、0.1ないし3.0h-1であることを特徴とする請求項1または2に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項11】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階で、水素と油脂内のトリグリセリドとのmol比は、0.5:1ないし20:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項12】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階で、油脂と超臨界流体との質量比は、1:0.5ないし1:20であることを特徴とする請求項1または2に記載の超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【請求項13】
連続反応器に担持触媒及び触媒活性化物質を投入して担持触媒を活性化する段階と、前記活性化された触媒が含まれた連続反応器に油脂、水素及び超臨界流体を投入して超臨界流体内で水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階と、前記反応で生成された再生燃料を回収する段階と、を含むことを特徴とする超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法であって、
前記担持触媒を活性化する段階は、コバルト−モリブデン/酸化アルミニウム(Co−Mo/Al23)、ニッケル−モリブデン/酸化アルミニウム(Ni−Mo/Al23)、及びパラジウム/酸化アルミニウム(Pd/Al23)からなる群から選択された1種の担持触媒及び30ないし180ml/min流量の水素または硫化水素である触媒活性化物質を300ないし450℃の反応温度下で30分ないし5時間行い、前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階は、前記油脂として、大豆油、超臨界二酸化炭素、超臨界エタン、超臨界プロパン、超臨界ブタン、超臨界ペンタン、超臨界ヘキサン、超臨界ヘプタン、超臨界ジメチルエーテル、超臨界テトラフルオロメタン、超臨界ジフルオロメタン、及び超臨界ジフルオロエタンからなる群から選択された1種の超臨界流体を30ないし100barの水素圧力、300ないし400℃の反応温度、及び0.5ないし2.0h-1の液空間速度(LHSV)下で行われ、前記油脂と超臨界流体との質量比は、1:1ないし1:10、水素とトリグリセリドとのmol比は、2:1ないし10:1であり、
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階では、超臨界流体内で油脂と水素とが溶解された均一相を形成するか、または、水素が溶解された超臨界流体によって油脂の粘度を低め、炭素数が10ないし20である再生燃料を製造する場合の反応温度が250ないし400℃であり、炭素数が6ないし10である再生燃料である再生燃料を製造する場合の反応温度が400ないし600℃であることを特徴とする超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超臨界流体内で油脂の水素化反応及び水素化脱酸素反応を行って、従来の製造方法による再生燃料の製造時よりも低水素圧力及び低反応温度で酸素を含まない再生燃料を高収率で得られる超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、化石燃料の過多使用によるエネルギー資源の枯渇及び環境汚染に対する恐れが増加するにつれて、非化石燃料基盤の再生可能であり、持続可能であり、かつ環境にやさしい燃料に対する普及が急増している。バイオ燃料のうち、バイオディーゼルは、最も現実性のある新材生エネルギー源であって、世界各国で単独燃料や添加剤の形式で使うために、多くの研究がなされている。
【0003】
一般的なバイオディーゼルの製造方法は、下記の化学式1に表現されたように、植物性油脂、動物性油脂、または廃食用油などの油脂に存在するトリグリセリド(triglyceride)を酸またはアルカリ触媒を用いてアルコール類とエステル交換反応させて、脂肪酸メチルエステル(fatty acid methyl ester、FAME)を生成させる。例えば、1個分子のトリグリセリドは、3個分子のメタノールと反応して、3個分子のFAMEと1個分子のグリセロールとを形成し、生成されたFAMEを既存の化石燃料基盤のディーゼルを代替するバイオディーゼルとして使う。
【0004】
【化1】
【0005】
FAME類のバイオディーゼルは、現在の水素用車両のエンジン構造及びメカニズムに適用可能であるという長所があるが、二重結合及び酸素を含むエステル基が含まれていて、長期保管時にスラッジ及び沈殿物が形成されるなどの燃料の安定性に問題がある。また、FAME類は、分子自体がエンジン部品及び燃料供給装置のシール(seal)として使われるゴム類の軟化、膨潤、硬化及び亀裂を起こして、長期間の使用時に燃料が漏れ、FAME類に含まれた酸素によって、水に対する溶解力が増加し、遊離脂肪酸によって、FAME類バイオディーゼルがディーゼルエンジン車両に適用された場合、内部の制御装置、燃料噴射ノズルなどの金属部品を含む装置の腐蝕を起こす問題点がある。それだけではなく、FAME類に含まれた酸素によって、一般の化石燃料を基盤とするディーゼルと比較した時、さらに多量のNOxを排出すると知られている。
【0006】
前記FAMEの問題点は、製造工程で伴われる遊離脂肪酸の分離の難点と、FAME類に含まれている酸素によって発生するので、既存の化石原料を基盤とする燃料のような分子式を有しながら、酸素を含まない再生燃料を製造して初めて現在問題となっているFAME類バイオディーゼルの問題点を克服することができる。
【0007】
それを克服するために、下記の化学式2には、油脂から酸素を含まない炭化水素系物質を製造する方法が提示されている。
【0008】
【化2】
【0009】
前記反応は、水素と適切な触媒とを利用した水素化及び水素化脱酸素工程であって、油脂内に含まれている二重結合を単一結合に飽和させた後、3種の主要反応、すなわち、脱カルボキシル化反応(decarboxylation)、脱カルボニル化反応(decarbonylation)、または水素化脱酸素反応(hydrodeoxygenation)で酸素を含まない再生燃料を作る過程を表わしたものである。
【0010】
従来、特許文献1では、トウモロコシ油、キャスター油、またはトール油を原料として利用し、結晶性が高いゼオライトを触媒として用いて、水素化脱酸素反応及びクラッキング反応でガソリンエンジンの燃料として使うのに適した炭化水素系化合物を製造する方法を提示しており、特許文献2では、カノーラ油、ヒマワリ油、ナタネ油を原料として利用し、コバルトとモリブデン(Co−Mo)とを触媒として用いて、水素化脱酸素反応でディーゼルエンジンの燃料として使うのに適した炭素数15〜17のパラフィンを製造する方法が提示されている。また、特許文献3では、トール油、廃食用油、動物性油脂などの比較的低価の油脂を原料として利用し、ニッケルとモリブデン(Ni−Mo)とがアルミナに担持された触媒を用いて、水素化脱酸素反応でディーゼル油のセタン価を高めうる添加剤として使うのに適した物質を製造する方法が提示されている。しかし、前記特許文献によれば、350ないし450℃の高反応温度と、100ないし200barの高水素圧力下で反応を進める問題があり、長期間反応時に触媒のコーキングで生成物の収率が低減する問題がある。
【0011】
水素化及び水素化脱酸素反応は、発熱反応で多量の熱が発生し、油脂の種類別に、二重結合の数が異なって発生する熱が変わるので、反応温度の調節が非常に重要である。一例として、油脂の種類別に、二重結合の個数は、トリグリセリド一分子当たり1個から5個であって、その範囲が非常に広い。したがって、発生する熱の調節に対する難点があり、高温反応によって要求される水素化脱酸素反応以外に、クラッキング反応、アロマティック化反応などが起こって再生燃料の収率が低くなり、前記副反応による不純物が過量に生成されて、再生燃料の燃料特性に悪影響を及ぼすだけではなく、長期運転時に触媒のコーキングで寿命が短縮される問題がある。それを防止するために、低反応温度で反応を進める場合、トリグリセリドの転換率の低くなる問題がある。
【0012】
また、再生燃料を製造するために、100bar以上、特に、円滑な反応及び高収率の再生燃料を製造するためには、150bar以上の非常に高水素圧力が必要であるが、その理由は、油脂内の水素の溶解度が非常に小さいためである。一例として、常温で油脂100gに溶解される水素の量は、4ないし6gで非常に低く、温度が増加しても、油脂に対する水素の溶解度は大きくない。したがって、油脂内に溶解される水素の量が非常に少ないために、水素化反応及び水素化脱酸素反応の速度は、ガス状の水素が液体状の油脂内に溶解される物質伝達過程によって決定される。例えば、反応物である油脂内に多量の水素が迅速に溶解されて初めて水素が触媒の表面と接触する可能性と頻度とが増加し、これにより、触媒反応が活性化されるので、収率が増加する。もし、油脂内の溶解されている水素の量が不足な場合には、反応速度が減少するだけではなく、触媒の表面にコーキングが容易に形成されることによって、触媒の非活性化が促進されて再生燃料の収率が低くなる。したがって、水素を水素化及び水素化脱酸素反応に必要な量より過量で使わなければならず、これにより、高温、高圧を保持しなければならないために、製造コスト及び運転コストが高くなり、高圧の水素による爆発を防止するための安全コストが増加する短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】アメリカ特許第4,300,009号
【特許文献2】アメリカ特許第4,992,605号
【特許文献3】アメリカ特許第5,705,722号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、超臨界流体内で油脂の水素化反応及び水素化脱酸素反応を行って、従来の製造方法による再生燃料の製造時よりも低水素圧力及び低反応温度で酸素を含まない再生燃料を高収率で得られる超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を果たすために、本発明の再生燃料の製造方法は、連続反応器に担持触媒及び触媒活性化物質を投入して担持触媒を活性化する段階と、前記活性化された触媒が含まれた連続反応器に油脂、水素及び超臨界流体を投入して超臨界流体内で水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階と、前記反応で生成された再生燃料を回収する段階と、を含む。
【0016】
前記連続反応器に8族ないし10族金属、ニッケル−モリブデン、及びコバルト−モリブデンからなる群から選択された1種以上の金属が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、シリカエアロゲル、活性炭素、及び炭素エアロゲルからなる群から選択された1種である担体に担持された担持触媒と、水素または硫黄化合物である触媒活性化物質を投入して担持触媒とを活性化する段階と、前記活性化された触媒が含まれた連続反応器に植物性油脂、動物性油脂、及び廃食用油からなる群から選択された1種以上である油脂、水素及び超臨界流体を投入して超臨界流体内で水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階と、前記反応で生成された再生燃料を回収する段階と、を含む。
【0017】
前記担持触媒を活性化させる段階で反応温度は、200ないし500℃であり、前記触媒活性化物質の流量は、10ないし200ml/minである。
【0018】
前記担持触媒の金属は、8族ないし10族金属であり、触媒活性化物質は、水素である。この際、8族ないし10族金属は、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、またはこれらの混合物である。
【0019】
前記担持触媒の金属は、ニッケル−モリブデンまたはコバルト−モリブデンであり、触媒活性化物質は、硫黄化合物である。前記硫黄化合物は、触媒を活性化させうるものであれば、如何なるものも使うことができ、望ましくは、硫黄化合物は、硫化水素、DMSO(dimethyl sulfoxide、(CHSO)、DMS(dimethyl sulfides、(CHS)、及びDMDS(dimethyl disulfide、(CH)からなる群から選択された1種である。
【0020】
前記超臨界流体は、反応物質である油脂を溶解させることができる超臨界流体であれば、使用可能である。さらに具体的には、超臨界二酸化炭素、超臨界エタン、超臨界プロパン、超臨界ブタン、超臨界ペンタン、超臨界ヘキサン、超臨界ヘプタン、超臨界ジメチルエーテル、超臨界テトラフルオロメタン、超臨界ジフルオロメタン、及び超臨界ジフルオロエタンからなる群から選択された1種であり得る。
【0021】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階で反応温度は、250ないし600℃であり、水素圧力は、30ないし200barである。
【0022】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階で、担持触媒体積に対して油脂及び水素が溶解された超臨界流体が時間当たり担持触媒を通過する液空間速度(LHSV)は、0.1ないし3.0h−1である。
【0023】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階で、水素と油脂内のトリグリセリドとのmol比は、0.5:1ないし20:1である。
【0024】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階で、油脂と超臨界流体との質量比は、1:0.5ないし1:20である。
【0025】
連続反応器に担持触媒及び触媒活性化物質を投入して担持触媒を活性化する段階と、前記活性化された触媒が含まれた連続反応器に油脂、水素及び超臨界流体を投入して超臨界流体内で水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階と、前記反応で生成された再生燃料を回収する段階と、を含むことを特徴とする超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法であって、前記担持触媒を活性化する段階は、コバルト−モリブデン/酸化アルミニウム(Co−Mo/Al)、ニッケル−モリブデン/酸化アルミニウム(Ni−Mo/Al)、及びパラジウム/酸化アルミニウム(Pd/Al)からなる群から選択された1種の担持触媒及び30ないし180ml/min流量の水素または硫化水素である触媒活性化物質を300ないし450℃の反応温度下で30分ないし5時間行い、前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階は、前記油脂として、大豆油、超臨界二酸化炭素、超臨界エタン、超臨界プロパン、超臨界ブタン、超臨界ペンタン、超臨界ヘキサン、超臨界ヘプタン、超臨界ジメチルエーテル、超臨界テトラフルオロメタン、超臨界ジフルオロメタン、及び超臨界ジフルオロエタンからなる群から選択された1種の超臨界流体を30ないし100barの水素圧力、300ないし400℃の反応温度、及び0.5ないし2.0h−1の液空間速度(LHSV)下で行われ、前記油脂と超臨界流体との質量比は、1:1ないし1:10、水素とトリグリセリドとのmol比は、2:1ないし10:1である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の再生燃料の製造方法は、従来の製造方法による再生燃料の製造時よりも低水素圧力及び低反応温度で酸素を含まない再生燃料を高収率で得られる。
【0027】
また、酸素を含まない再生燃料を製造することによって、既存のガソリンまたはディーゼルエンジンを変更せずに使用できる。
【0028】
また、本発明の再生燃料の製造方法は、低水素圧力及び低反応温度を使うので、製造コスト及び運搬コストが安価で経済的である。
【0029】
また、本発明の再生燃料の製造方法は、担持触媒のコーキングによる非活性で再生燃料の収率が減少することを防止し、担持触媒の活性低下を防止して、長時間担持触媒の活性を保持することができるので、長期運転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の方法によって再生燃料を製造するための装置の一例を示す図である。
図2】130℃、180barでの大豆油(油脂)−超臨界プロパン−水素の相平衡図である。
図3】本発明の実施例及び従来の製造方法によって製造された再生燃料の収率を測定したグラフである。
図4】本発明の実施例及び従来の製造方法によって製造された再生燃料の長期運転性の評価を表わしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、超臨界流体内で油脂の水素化反応及び水素化脱酸素反応を行って、従来の製造方法による再生燃料の製造時よりも低水素圧力及び低反応温度で酸素を含まない再生燃料を高収率で得られる超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法に関するものである。
【0032】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0033】
本発明の再生燃料の製造方法は、連続反応器に担持触媒及び触媒活性化物質を投入して触媒を活性化する段階と、前記活性化された触媒が含まれた連続反応器に油脂、水素及び超臨界流体を投入して超臨界流体下で水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階と、前記反応で生成された再生燃料を回収する段階と、を含み、図1及び図2を参照して説明する。
【0034】
本発明の再生燃料の製造方法は、回分式反応器で進行すれば、反応条件を微細に調節することができない場合、経時的に反応速度論的生成物と熱力学的生成物とが混合されるなどの再生燃料の組成が変化し、反応せずに残っている水素による爆発の危険があるので、連続式反応による反応が望ましい。
【0035】
図1は、本発明の方法によって再生燃料を製造するための装置の一例を示す図であり、図2は、130℃、180barでの大豆油(油脂)−超臨界プロパン−水素の相平衡図である。図2で、3つの成分は、暗い部分から均一相として存在し、Cは、超臨界プロパンのない場合、水素の溶解度である。
【0036】
まず、連続反応器10に担持触媒を投入し、前記担持触媒を活性化させるために、触媒活性化物質を添加して30分ないし10時間反応を進める。前記担持触媒活性化のための反応温度は、300ないし500℃、望ましくは、350ないし450℃であり、触媒活性化物質の流量は、10ないし200ml/min、望ましくは、30ないし180ml/minである。
【0037】
前記反応温度は、予熱器20を利用したヒーター30、31によって調節され、反応温度が300℃未満である場合には、担持触媒の活性化に長時間が必要となり、活性化が完全になされず、反応温度が500℃超過である場合には、担持された金属間に凝集が起こって触媒反応時に反応速度が低下する。
【0038】
また、前記触媒活性化物質の流量が10ml/min未満である場合には、担持触媒の活性化に長時間が必要となり、流量が200ml/min超過である場合には、過度な触媒活性化物質の使用で経済性が低減しうる。
【0039】
また、前記反応時間が30分未満である場合には、短い活性化時間によって担持触媒の活性化が十分になされず、反応時間が10時間超過である場合には、担持触媒の活性化に必要以上の時間が必要となる。
【0040】
前記担持触媒は、高表面積を有する多孔性の担体に金属が担持されたものである。
【0041】
前記担体は、特別に制限されるものではないが、望ましくは、金属酸化物または炭素系物質であり、さらに望ましくは、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、シリカエアロゲル、活性炭素、及び炭素エアロゲルからなる群から選択された1種である。
【0042】
また、担体の形態は、特別に制限されるものではないが、バルク(bulk)、板(plate)、ペレット(pellet)、球(ball)、または粉末状であり得る。
【0043】
前記金属は、8族ないし10族金属、ニッケル−モリブデン(Ni−Mo)、及びコバルト−モリブデン(Co−Mo)からなる群から選択された1種または2種以上である。
【0044】
また、前記8族ないし10族金属としては、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
前記触媒活性化物質は、水素または硫黄化合物であり、硫黄化合物は、硫化水素、DMSO(dimethyl sulfoxide、(CHSO)、DMS(dimethylsulfides、(CHS)、及びDMDS(dimethyl disulfide、(CH)からなる群から選択された1種である。
【0046】
前記担持触媒の金属として8族ないし10族金属を使う場合には、触媒活性化物質として水素を使うことが望ましく、金属としてニッケル−モリブデン、及びコバルト−モリブデンを使う場合には、触媒活性化物質として硫黄化合物を使うことが望ましい。
【0047】
次いで、活性化された担持触媒が入っている連続反応器10に水素貯蔵容器100、超臨界流体貯蔵容器101、及び油脂貯蔵容器102から油脂、水素及び超臨界流体が投入されて、水素化反応及び水素化脱酸素反応が進行する。前記水素貯蔵容器100、超臨界流体貯蔵容器101、及び油脂貯蔵容器102から供給される油脂、水素及び超臨界流体は、混合器70で混合された後、反応器に投入されることが望ましい。
【0048】
この際、反応温度は、250ないし600℃、望ましくは、300ないし400℃であり、水素圧力は、30ないし200bar、望ましくは、30ないし100barである。
【0049】
前記水素化反応及び水素化脱酸素反応時、温度が250℃未満では、油脂に存在するトリグリセリド鎖に含まれているオレフインまたは不飽和鎖グループを飽和させる水素化反応が進行して、パラフィングループに転換する反応が起こるために、再生ディーゼルへの転換率が低く、250ないし400℃の間では、脱カルボキシル化、脱カルボニル化、水素化脱酸素反応でトリグリセリドに含まれている酸素を除去して、主生性物である炭素数が10ないし20である再生燃料(具体的に、再生ディーゼル)を製造することができる。また、400ないし600℃の間では、クラッキング反応で炭素数が6ないし10である再生燃料(具体的に、再生ガソリン)を製造することができるが、再生ディーゼルの選択度は減少する。
【0050】
前記反応温度が200℃未満である場合には、水素及び油脂が超臨界流体内に溶解されないこともあるか、反応温度が低くて効果的な脱酸素反応が進行せず、再生燃料の収率が低くなり、反応温度が600℃超過である場合には、クラッキング反応が活発に起こって油脂がガス化されて再生燃料の収率が50%以下に低下し、担持触媒のコーキングで長期間触媒を使えないので、経済性が減少し、長期運転性が悪化しうる。
【0051】
前記水素圧力が30bar未満である場合には、触媒に伝達される水素の量が少なくて効果的な水素化反応及び水素化脱酸素反応が起こらず、水素圧力が200bar超過である場合には、再生燃料の収率が増加せずに過量の水素が使われるので、経済性が落ちるだけではなく、過量の水素を再使用するための装置が複雑であって、製造コスト及び運転コストが増加しうる。
【0052】
前記油脂、水素及び超臨界流体の混合物の流量は、担持触媒の体積に対して時間当たり担持触媒を通過する液空間速度(LHSV)が、0.1ないし3.0h−1、望ましくは、0.5ないし2.0h−1である。液空間速度が0.1h−1未満である場合には、担持触媒のコーキングによって担持触媒が活性化されることができず、再生燃料の収率が低下し、液空間速度が3.0h−1超過である場合には、液空間速度が速いために、油脂、水素及び超臨界流体の混合物と担持触媒との接触時間が短くて水素化脱酸素反応が円滑になされないので、再生燃料の収率が低くなる。
【0053】
また、水素と油脂内のトリグリセリドとのmol比は、0.5:1ないし20:1、望ましくは、2:1ないし10:1である。水素とトリグリセリドとのmol比が、0.5:1未満である場合には、水素が不足して油脂の水素化反応及び水素化脱酸素反応がよくならず、再生燃料の収率が低く、mol比が20:1超過である場合には、再生燃料の収率が増加せずに過量の水素が使われるので、経済性が落ち、過量の水素を再使用するための装置が複雑であって、製造コスト及び運転コストが増加しうる。
【0054】
また、油脂と超臨界流体との質量比は、1:0.5ないし1:20、望ましくは、1:1ないし1:10である。質量比が1:0.5未満である場合には、油脂が超臨界流体内に溶解される量が少なくて、前記の超臨界流体の導入効果を期待することができず、質量比が1:20超過である場合には、過度な超臨界流体の使用によって再生燃料の生産性が低下し、収得した再生燃料(具体的に、再生ディーゼル)と超臨界流体とを分離する時、経済性が低減しうる。
【0055】
前記油脂は、特別に制限されるものではないが、植物性油脂、動物性油脂、及び廃食用油からなる群から選択された1種または2種以上を使用できる。植物性油脂としては、パーム油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、大豆油、油菜類、綿実油、米ぬか油、ヤシ油などがあり、動物性油脂としては、牛脂、豚脂、羊脂、魚油などがある。
【0056】
前記超臨界流体は、水素及び油脂に溶解力があるものであって、具体的に、超臨界二酸化炭素、超臨界エタン、超臨界プロパン、超臨界ブタン、超臨界ペンタン、超臨界ヘキサン、超臨界ヘプタン、超臨界ジメチルエーテル、超臨界テトラフルオロメタン、超臨界ジフルオロメタン、及び超臨界ジフルオロエタンからなる群から選択された1種が挙げられる。
【0057】
【表1】
【0058】
前記の表1は、超臨界流体の種類及びそれによる臨界温度及び圧力を表わした表である。
【0059】
水素化反応及び水素化脱酸素反応は、油脂と水素とが担持触媒に接触する頻度が重要である。
【0060】
従来、油脂内の水素の溶解度が非常に低いので(図2のC)、油脂内の水素の溶解度を高めるために、高水素圧力を利用した。したがって、水素がほとんど存在するガス状と油脂がほとんど存在する液体状とが互いに分離されて、ガス−液体間の界面が存在し、固相の担持触媒は、液体状に存在するので、水素化反応のためには、ガス状の水素が液体状に伝達される過程と液体状に溶解された水素が固相の担持触媒の表面に伝達される過程、例えば、ガス状−液体状−固相間の水素伝達過程によって再生燃料の反応速度が決定された。
【0061】
しかし、本発明の再生燃料の製造方法は、容易に超臨界流体内に反応物である水素と油脂とが溶解(図2:水素−超臨界プロパン−大豆油)された均一相を形成するために、水素が固相の担持触媒に伝達される過程が超臨界流体相−固相に縮小されて、超臨界流体が存在しない場合より効果的に反応が進行しうる。また、超臨界流体の種類によって、超臨界流体内に油脂が溶解されないとしても、水素が超臨界流体内に溶解され、超臨界流体が油脂の粘度を大幅に低めるので、水素が担持触媒に伝達される速度は依然として速いので、効果的に反応が進行する。
【0062】
したがって、本発明のように、超臨界流体内に触媒反応で再生燃料を製造する場合、超臨界流体内の高水素溶解度、ガス−液体間の界面の不在、物質の速い伝達速度及び低水素圧力条件で反応物である水素と油脂との伝達力が増加するので、再生燃料を高収率で得られる。
【0063】
また、超臨界流体を用いて再生燃料を製造する場合、超臨界流体は、担持触媒のコーキングを起こす有機物質に対する溶解度に優れ、超臨界流体内の拡散速度に優れるために、担持触媒のコーキングを防止して、長時間使っても担持触媒の活性が保持される。それだけではなく、超臨界流体の密度及び熱伝逹率は、同一温度下の気状流体の密度及び熱伝逹率より高いために、再生燃料の製造時に発生する放熱反応を効果的に調節して、ディーゼルの選択度を高めうる。
【0064】
次いで、水素化反応及び水素化脱酸素反応で生成された生成物質を連続反応器10から分離して回収する。
【0065】
製造された生成物質は、気状の二酸化炭素及び一酸化炭素と、液状の水分及び再生燃料であって、冷却器40及びガス−液体分離器60を経て排出口に位置した減圧装置を通じて排出される。この際、超臨界流体が気状及び液状の生成物質に含まれて排出され、液状に含まれて排出される超臨界流体は、常温、常圧で液状に存在する物質であって、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどである。
【0066】
前記液状の水分は、層分離を通じて分離され、超臨界流体のうち、常圧でガスである流体は、気液分離器を用いて分離され、常圧で液体である流体は、分別蒸留を通じて分離されうる。また、再生燃料に超臨界流体として使われたヘキサンまたはヘプタンが混合されている場合でも、直接燃料として使用できる。
【0067】
前記再生燃料の製造方法として、最も望ましくは、前記担持触媒を活性化する段階は、コバルト−モリブデン/酸化アルミニウム(Co−Mo/Al)、ニッケル−モリブデン/酸化アルミニウム(Ni−Mo/Al)、及びパラジウム/酸化アルミニウム(Pd/Al)からなる群から選択された1種の担持触媒及び30ないし180ml/min流量の水素または硫化水素である触媒活性化物質を300ないし450℃の反応温度下で30分ないし5時間行い、前記水素化反応及び水素化脱酸素反応を行う段階は、前記油脂として、大豆油、超臨界二酸化炭素、超臨界エタン、超臨界プロパン、超臨界ブタン、超臨界ペンタン、超臨界ヘキサン、超臨界ヘプタン、超臨界ジメチルエーテル、超臨界テトラフルオロメタン、超臨界ジフルオロメタン、及び超臨界ジフルオロエタンからなる群から選択された1種の超臨界流体を30ないし100barの水素圧力、300ないし400℃の反応温度、及び0.5ないし2.0h−1の液空間速度(LHSV)下で行われ、前記油脂と超臨界流体との質量比は、1:1ないし1:10、水素とトリグリセリドとのmol比は、2:1ないし10:1である。
【0068】
前記範囲を外れる場合には、油脂の水素化反応のみなされ、再生燃料(具体的に、再生ディーゼル)が収得されないこともあり、超臨界流体内に水素が溶解される量が少なくて、再生燃料の収率が低下して望ましくない。
【0069】
前述されたように、担持触媒を含む超臨界流体下で油脂を水素化反応及び水素化脱酸素反応で再生燃料を製造する時、低水素圧力と反応温度とで高収率(収率:80ないし95%)で再生燃料を製造することができる。
【0070】
以下、本発明の理解を助けるために、望ましい実施例を提示するが、下記の実施例は、本発明を例示するものであって、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるということは、当業者において明らかであり、このような変形及び修正が、添付の特許請求の範囲に属することも当然である。
【0071】
<実施例1>
120ml体積の連続反応器に20gのCo−Mo/Al触媒(Co、2.8質量%;Mo、7.6質量%)を導入した後、350℃で窒素(流量:100ml/min)で熱処理した。以後、触媒の活性化のために、400℃で15体積%のHS/H(流量:50ml/min)を3時間流した。反応温度を300℃に低めた後、水素:大豆油のmol比は、9.6:1に、大豆油:超臨界ヘキサンの質量比は、1:1に調節して、前記連続反応器に導入して5時間反応を進めた。この際、水素圧力は、50bar、時間当たり液空間速度は、2.0h−1に保持した。排出口から出る液状の生成物を一時間ごとに捕集した後、分別蒸留でヘキサンから再生燃料を分離することで再生燃料を製造した。
【0072】
<実施例2>
前記の実施例1と同様に実施するが、超臨界ヘキサンの代わりに、超臨界プロパンを使い、分別蒸留の過程を省略して再生燃料を製造した。
【0073】
<実施例3>
前記の実施例1と同様に実施するが、超臨界ヘキサンの代わりに、超臨界二酸化炭素を使い、分別蒸留の過程を省略し、水素圧力を80barにして再生燃料を製造した。
【0074】
<実施例4>
前記の実施例1と同様に実施するが、触媒の活性化のために、300℃で15体積%のHS/H(流量:20ml/min)を流すことで触媒を活性化させ、引き続き再生燃料を製造した。
【0075】
<実施例5>
前記の実施例1と同様に実施するが、反応温度を250℃に低めた後、水素、大豆油及び超臨界ヘキサンを連続反応器に導入し、水素圧力を30barにして再生燃料を製造した。
【0076】
<実施例6>
前記の実施例1と同様に実施するが、水素:大豆油のmol比は、5:1にして再生燃料を製造した。
【0077】
<実施例7>
前記の実施例1と同様に実施するが、大豆油:超臨界ヘキサンの質量比は、1:4にして再生燃料を製造した。
【0078】
<実施例8>
前記の実施例1と同様に実施するが、液空間速度は、0.5h−1にして再生燃料を製造した。
【0079】
<実施例9>
前記の実施例1と同様に実施するが、触媒は、20gの5wt% Pd/Alを利用し、触媒の活性化のためには、400℃でH(流量:50ml/min)を3時間流す過程を通じて再生燃料を製造した。
【0080】
<実施例10>
120ml体積の連続反応器に10gの5wt% Pd/Al触媒を導入した後、350℃で窒素(流量:100ml/min)で熱処理した。以後、触媒の活性化のために、400℃でH(流量:50ml/min)を3時間流した。反応温度を320℃に低めた後、水素:大豆油のmol比は、9.6:1に、大豆油:超臨界プロパンの質量比は、1:1に調節して、前記連続反応器に導入して50時間反応を進めた。この際、水素圧力は、50bar、時間当たり液空間速度は、2.0h−1に保持した。排出口から出る液状の生成物を一時間ごとに捕集した後、分別蒸留で再生燃料を分離することで再生燃料を製造した。
【0081】
<比較例1>
120ml体積の連続式反応器に20gのCo−Mo/Al触媒(Co、2.8質量%;Mo、7.6質量%)を導入した後、350℃で窒素(流量:100ml/min)で熱処理した。触媒の活性化のために、400℃でHS/H(流量:50ml/min)を3時間流した。以後、温度を300℃に低めた後、水素:大豆油のmol比を9.6:1に調節して、前記反応器に導入した。この際、圧力は、50barに、時間当たり液空間速度は、2.0h−1に保持し、排出口から出る液状の生成物を一時間ごとに捕集して再生燃料を製造した。
【0082】
<比較例2>
前記の比較例1と同様に実施するが、触媒として20gの5wt% Pd/Alを用いて再生燃料を製造した。
【0083】
<比較例3>
120ml体積の連続式反応器に10gの5wt% Pd/Al触媒を導入した後、350℃で窒素(流量:100ml/min)で熱処理した。触媒の活性化のために、400℃でH(流量:50ml/min)を3時間流した。以後、温度を320℃に低めた後、水素:大豆油のmol比を9.6:1に調節して、前記連続反応器に導入して50時間反応を進めた。この際、圧力は、50barに、時間当たり液空間速度は、2.0h−1に保持し、排出口から出る液状の生成物を一時間ごとに捕集した後、分別蒸留で再生燃料を分離することで再生燃料を製造した。
【0084】
<試験例1>
実施例1ないし10及び比較例1ないし3で製造された再生燃料に対する油脂の転換率、ナフサ、ケロ/ジェット、及びディーゼル選択度は、反応に参与した油脂の重量と回収された再生燃料から分離された各成分の重量とから下記の数式のように定義された。転換率及び選択度は、水素炎イオン化検出器(FID、Perkin−Elmer modelClarus 600)及びSim Dis(simulated distillation)毛細管カラムが備えられたガスクロマトグラフィーで測定される。水素化加工された(hydroprocessed)物質のSim Disは、各蒸溜分野の分率が炭素の量に比例するという仮定下でASTM D−7213によって進行した。
【0085】
1.油脂の転換率(%)
【0086】
【数1】
【0087】
2.ナフサ選択度(%)
【0088】
【数2】
【0089】
3.ケロ/ジェット選択度(%)
【0090】
【数3】
【0091】
4.ディーゼル選択度(%)
【0092】
【数4】
【0093】
前記数式1ないし4の下記の添字で表示された数字は、各成分の沸騰点の領域を意味する。例えば、ディーゼルの沸騰点の領域が180ないし360℃(180−360)であり、油脂内のトリグリセリドの沸騰点は、360℃以上(360+)である。したがって、転換率は、360℃以上の沸騰点を有した成分の供給量に比べて反応した量で計算され、各成分の選択度は、トリグリセリドが反応した量に比べて沸騰点が他の各成分の生成量を求めたものである。
【0094】
5.アルカン(重量%):アルカンをアジレント(Agilent)社の水素炎イオン化検出器(Flame ionization detector、以下、FIDと称する)が装着されているGas Chromatograph(以下、GCと称する)を使って測定した。
【0095】
6.固体状態のワックス排出:固体状態のワックスが排出されたか否かを肉眼で確認した。
【0096】
前記転換率、ナフサ、ケロ/ジェット、及びディーゼルの選択度、アルカン含量、及び固体状態のワックスの排出有無を下記の表2に表わした。
【0097】
【表2】
【0098】
前記の表2に表わしたように、本発明の実施例1ないし9の再生燃料の製造方法は、再生燃料への転換率(収率)が比較例1及び比較例2に比べて優れ、ディーゼル選択度に優れるので、再生燃料がディーゼル油として使うのに適したことを確認した。
【0099】
また、Co−Mo/Al触媒を利用した場合、脱カルボキシル化反応、脱カルボニル化反応、及び水素化脱酸素反応で製造されるディーゼルの主成分であるアルカン(n−alkane)の量が全体製造された再生燃料の総重量に対して51ないし66重量%であるので、前記反応以外にも、異性化反応及びアロマティック化反応が進行したことが分かる。
【0100】
一方、Co−Mo/Al触媒の代わりに、Pd/Al触媒を利用した場合、脱カルボキシル化反応、脱カルボニル化反応、及び水素化脱酸素反応で製造されるアルカン(n−alkane)の量が全体再生燃料の総85%以上であるものであって、異性化反応及びアロマティック化反応が抑制されたことが分かった。
【0101】
一方、比較例1及び比較例2は、反応後、1時間経過から触媒の活性が急激に低下し、3時間経過から生成物のうち固体状態のワックスが多量排出された。
【0102】
また、実施例10及び比較例3は、連続反応器で50時間反応されたものであって、図4に示したように、実施例10は、50時間以後にも転換率が88%以上に優れるので、超臨界流体内の再生ディーゼルを製造する場合、触媒のコーキングによる収率の減少がほとんどないと確認される。一方、比較例3は、連続反応器で反応が始まり、30時間が経た以後から転換率が減少し始めて、50時間には転換率が58%に非常に低くなるので、触媒のコーキングが進行して転換率が減少したということが分かる。
【0103】
<試験例2>
実施例1ないし3及び比較例1で製造された再生燃料の純度をパーキンエルマー(PerkinElmer)社のFIDが装着されているSimulated distillation−GC(以下、Simdis−GCと称する)を使って測定し、それを図3のグラフで表わした。
【0104】
図3に示したように、比較例1は、実施例1ないし3に比べて、ディーゼル油より沸騰点が高い物質が多量生成された。したがって、超臨界流体を用いて再生燃料を製造するものが、超臨界流体を利用しないものに比べて、反応収率が高いことを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、超臨界流体を利用した再生燃料の製造方法に関連する分野に適用されうる。
【符号の説明】
【0106】
10 連続反応器
20 予熱器
30 第1ヒーター
31 第2ヒーター
40 冷却器
50 後方圧力調節器
60 ガス−液体分離器
70 混合器
80 第1流量調節器
81 第2流量調節器
82 第3流量調節器
90 熱交換器
100 水素貯蔵容器
101 超臨界流体貯蔵容器
102 油脂貯蔵容器
図1
図2
図3
図4