(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6083948
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】流体噴射装置
(51)【国際特許分類】
F02M 61/14 20060101AFI20170213BHJP
F02M 47/00 20060101ALI20170213BHJP
F02M 53/04 20060101ALI20170213BHJP
F02M 57/02 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
F02M61/14 320J
F02M47/00 P
F02M53/04 A
F02M57/02 330J
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-92248(P2012-92248)
(22)【出願日】2012年4月13日
(65)【公開番号】特開2012-225344(P2012-225344A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2015年3月16日
(31)【優先権主張番号】11162618.0
(32)【優先日】2011年4月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501082602
【氏名又は名称】ヴェルトジィレ シュヴァイツ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイフ ニップストルム
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルド ハングル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス キルタトス
【審査官】
寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−513885(JP,A)
【文献】
実開平02−087962(JP,U)
【文献】
特開2007−162547(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0077971(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 39/00 − 71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コモンレールシステムにより提供された高圧流体を流体インジェクタに供給するための第1の接続要素と、低圧流体を前記流体インジェクタに供給するための少なくとも1つの第2の接続要素とを有する、大型内燃エンジンのためのコモンレールシステム用高圧流体噴射装置であって、
前記流体噴射装置は、前記流体インジェクタに接続可能なコレクタ要素を含み、前記コレクタ要素は前記第2の接続要素を含むとともに、前記流体インジェクタは作動中、前記低圧流体のための流体通路を提供するように前記コレクタ要素に接合する、
高圧流体噴射装置。
【請求項2】
前記コレクタ要素は、さらなる低圧流体のための少なくとも1つの第3の接続要素を含む、
請求項1に記載の高圧流体噴射装置。
【請求項3】
前記コレクタ要素は、スリーブとして構成される、
請求項1または2に記載の高圧流体噴射装置。
【請求項4】
前記スリーブは少なくとも部分的に円錐形の中央ボアを有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高圧流体噴射装置。
【請求項5】
前記高圧流体の圧力は、600から2000barの範囲である、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高圧流体噴射装置。
【請求項6】
前記低圧流体の圧力は最大で10barである、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高圧流体噴射装置。
【請求項7】
前記高圧流体は燃料である、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の高圧流体噴射装置。
【請求項8】
前記低圧流体は特に、潤滑剤または冷却流体の1つである、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の高圧流体噴射装置。
【請求項9】
前記流体インジェクタは、前記コレクタ要素から取り外し可能である、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の高圧流体噴射装置。
【請求項10】
ピストンが長手方向シリンダ軸に沿って上死点の位置と下死点の位置との間を往復して移動可能に配置される、シリンダを含み、
前記シリンダ内において、燃焼室が、シリンダカバー、前記シリンダのシリンダ壁および前記ピストンのピストン表面によって画定され、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の高圧流体噴射装置を含む、
内燃エンジン。
【請求項11】
前記内燃エンジンは、クロスヘッドエンジン、特にクロスヘッド大型ディーゼルエンジンである、
請求項10に記載の内燃エンジン。
【請求項12】
前記内燃エンジンはトランクピストンエンジンである、
請求項10に記載の内燃エンジン。
【請求項13】
前記内燃エンジンは2ストロークまたは4ストローク内燃エンジンである、
請求項10乃至12のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
【請求項14】
前記内燃エンジンは、ディーゼルまたはオットーモードで運転可能な二元燃料エンジンである、
請求項10乃至13のいずれか1項に記載の内燃エンジン。
【請求項15】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の流体噴射装置の流体インジェクタを交換するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体噴射装置に関する。本発明はさらに大型内燃エンジン用コモンレールシステムの流体噴射装置への高圧流体接続装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、内燃エンジン用シリンダ装置、内燃エンジンを運転する方法、および内燃エンジンに関する。
【背景技術】
【0003】
当業者は、船舶、車、飛行機のような様々な乗り物に使用される2ストロークまたは4ストロークトランクピストンエンジンまたは、例えば船舶用または電力の生産のための固定ユニット用大型ディーゼルエンジン等、多種多様の異なるタイプの往復ピストン燃焼エンジンを知っている。
【0004】
本明細書において、「大型内燃エンジン」の語は、例えば、船舶の主推進エンジンまたは補助エンジンとして使用される、あるいは熱および/または電気の生産のための発電所で使用されるようなエンジンを意味する。既知の装置では、コモンレールシステムからインジェクタに高圧燃料を供給するためのパイプが燃料噴射装置に直接接続される。さらに、燃料噴射装置への制御流体または冷却流体または潤滑剤のための複数のパイプが設けられなければならない。
【0005】
コモンレール燃料インジェクタは一般的に、比較的低圧(一般的に0−10barの圧力)での媒質の供給およびリターンのための、幾つかの異なる独立したパイプ接続を必要とし得る。エンジン潤滑剤で冷却されるインジェクタに対して、潤滑剤の供給のための1つの潤滑剤接続と、リターンのための1つの潤滑剤接続と、制御燃料のリターンのための1つの接続と、可能であれば潤滑剤と燃料の混合した漏出のための1つの接続とを必要とし得る。噴射装置が整備のために分解されなければならない場合、これらの接続のそれぞれが個別に分解されなければならない。インジェクタの交換は、インジェクタへの複数のパイプ接続の存在のために、より面倒な作業になる。
【0006】
4ストロール中速エンジンの分野では、より低い圧力接続がシリンダヘッド内に配置され得ることが知られている。低圧接続は、異なる高さに配置されるとともにOリングにより分離される。この解決方法は、必要な接続それぞれに対して、シリンダヘッド内のボアの機械加工を必要とする。したがって、冷却流体の供給およびリターンのため並びに漏出流体のために、既に3つのボアが機械加工されなければならない。そのために、シリンダヘッドの製造コストが相当増加し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の上述の問題を解決する、新しい接続装置を提供することである。複雑でない構造の信頼性の高い接続装置を提供することも本発明の目的である。さらなる目的は、如何なるプロセス流体の如何なる漏出も対処するとともに制御することを可能にする装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は請求項1の特徴から達成され得る。本発明の有利な実施形態は従属請求項の対象である。
【0009】
大型内燃エンジンのためのコモンレールシステム用高圧流体噴射装置はしたがって、コモンレールシステムにより提供された高圧流体を流体インジェクタに供給するための第1の接続要素と、低圧流体を流体インジェクタに供給するための少なくとも1つの第2の接続要素とを有する。流体噴射装置は、流体インジェクタに接続可能なコレクタ要素を含み、それによって、コレクタ要素は第2の接続要素を含むとともに、流体インジェクタは作動中、低圧流体のための流体通路を提供するためにコレクタ要素に接合する。流体噴射装置は、特に燃料噴射装置として構成され得る。流体インジェクタは、特に燃料インジェクタとして構成され得る。
【0010】
実施形態では、コレクタ要素は、さらなる低圧流体のための少なくとも1つの第3の接続要素を含む。コレクタ要素は、第4の接続要素を含むこともできる。実に4つを超える接続要素もコレクタ要素に接続され得る。コレクタ要素が第2および第3の接続要素そして場合によりさらなる接続要素を含む場合、流体インジェクタの交換は、上述の単一の接続要素の場合に対してと同じくらい単純である。有利には、コレクタ要素はスリーブとして構成される。このようなスリーブは製造が容易であるとともに、シール要素、特に流体インジェクタへの流体を含む通路を環境に対してシールするための外周シール要素を特に使用することができる。同様に、外周シール要素は、流体インジェクタへの2つの流体を含む通路の間に設けられ得る。この2つの流体を含む通路は、混ぜられるべきではない異なる流体を含む。
【0011】
実施形態では、スリーブは円筒形状であるとともに円筒形状のボアを有する。他の実施形態では、スリーブは少なくとも部分的に円錐形の中央ボアを有する。部分的な円錐形状の下に、段付きの構造も備えるべきであり、この段付きの構造はいくつかの異なる直径の円筒部分を含む。特に好ましい実施形態では、最小の直径が噴射ノズルの最も近くに配置される。特に、中央ボアの表面は円錐形状であり得る。円錐形状は、対応する円錐形状が正確な方法で中央ボアに適合され得る流体インジェクタとして有利である。
【0012】
実施形態では、高圧流体は600から2000barの範囲の圧力を有する。高圧流体は特に、ディーゼル燃料等の燃料であり得る。
【0013】
実施形態では、低圧流体は最大で10barの圧力を有する。低圧流体は特に、潤滑剤または冷却流体または制御流体の1つである。
【0014】
制御流体に関して、圧力範囲は約1barから10bar以下である。潤滑剤に関して、圧力範囲は約6barから10barゲージ圧以下である。漏出流体を含む低圧流体に関して、圧力範囲は約1barから10barゲージ圧以下である。
【0015】
流体インジェクタは、単に流体インジェクタを前述の実施形態のいずれかによるコレクタ内のボアから抜くことにより、コレクタ要素から取り外し可能である。したがって、流体インジェクタは、単一のステップで、追加的に単に高圧パイプおよびインジェクタを保持するボルトが取り外されることしか必要としない、驚くほど簡単な方法で外され得る。
【0016】
実施形態では、内燃エンジンはシリンダを含み、このシリンダの中に、ピストンが長手方向シリンダ軸に沿って上死点の位置と下死点の位置との間を往復して移動可能に配置される。シリンダ内では、燃焼室が、シリンダカバー、シリンダのシリンダ壁およびピストンのピストン表面によって囲まれ、前述の実施形態の1つによる高圧流体噴射装置を含む。内燃エンジンは、クロスヘッドエンジン、特にクロスヘッド大型ディーゼルエンジン、トランクピストンエンジン、2ストロークまたは4ストローク内燃エンジン、あるいはディーゼルまたはオットーモードで運転可能な二元燃料エンジン(デュアルフューエルエンジン)の少なくとも1つであり得る。
【0017】
本発明はさらに、前述の実施形態のいずれかによる流体噴射装置の流体インジェクタの交換方法に関する。
【0018】
この発明によれば、低圧パイプの接続は、インジェクタの周りに配置された独立したスリーブに含まれる。インジェクタが取り外されるとともにスリーブに戻されなければならないので、インジェクタの交換は迅速かつ容易である。インジェクタを取り外す場合、低圧パイプが取り外される必要はない。供給および排出接続がインジェクタ周りのスリーブに配置されるので、シリンダカバーの機械加工の複雑さは増加しない。異なる媒質はインジェクタ内のOリングにより分離される。
【0019】
以下に本発明が添付の概略図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、内燃エンジンのシリンダを通る断面を示す。
【
図2】
図2は、本発明による燃料噴射装置の実施形態を断面図として示す。
【
図3】
図3は、本発明による燃料インジェクタの断面を示す。
【
図4】
図4は、コレクタ要素を燃料インジェクタおよびシリンダカバーに取り付けるための代替を示す。
【
図5a】
図5aは、本発明のさらなる実施形態を示す。
【
図5b】
図5bは、本発明のさらなる実施形態を示す。
【
図5c】
図5cは、本発明のさらなる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本実施例において長手方向掃気クロスヘッド大型ディーゼルエンジンである内燃エンジンのための本発明による燃料噴射装置を持つ本発明によるシリンダ装置100の第1実施形態を概略図で示す。
図1によるシリンダ装置100は、ピストン103が長手方向シリンダ軸107に沿って上死点の位置と下死点の位置との間を往復して移動可能に配置されたシリンダ101を含み、シリンダ101内には、燃焼室104がシリンダカバー102、シリンダ101のシリンダ壁105およびピストン103のピストン表面106によって画定される。ここでは出口バルブであるただ1つのチャージサイクルバルブ109がシリンダカバー102のガス交換開口110に設けられ、ガス交換開口110は、ガス供給導管111を介してそれ自体知られた方法で図示されないターボチャージャ組立体に接続される。チャージサイクルバルブ109は、チャージサイクルバルブ109の閉鎖位置において燃焼室104がガス供給導管111に対してシールされるような方法で、ガス交換開口110のバルブシート113と動作状態において協働するバルブディスク112を含み、チャージサイクルバルブ109の開放位置において、燃焼ガスは燃焼室104を出てターボチャージャ組立体に供給され得る。
【0022】
図2において、参照番号1は、高圧燃料をエンジンのシリンダ内に既知の方法で噴射する燃料噴射装置2を支持する内燃エンジンのシリンダヘッドを示す。コモンレールシステム(図示せず)により提供される高圧燃料は、第1の接続要素7を通って燃料噴射装置2に届けられる。
【0023】
第2、第3、第4および第5の接続要素3、13、23、33の少なくとも1つが、潤滑剤または冷却流体の供給あるいはそれら排出のために想定され得る。各接続要素は、共通コレクタ要素5に接続される。このコレクタ要素は特に、スリーブとして構成され得る。コレクタ要素は、内部に燃料インジェクタ4を受け入れるための中央ボアを備える。コレクタ要素および/または燃料インジェクタは、適切な流体を燃料インジェクタ内の適切な使用場所に分配するための流体通路6、16、26、36を含む。
【0024】
図3は燃料インジェクタ4を通る断面を示す。燃料インジェクタは噴射ノズル41を含む。この噴射ノズル41は組立状態において、
図2に示されるように、燃焼室内に少し突出する。噴射ノズル41は、高圧燃料を
図1に示される燃焼室104内に供給するための少なくとも1つの燃料供給通路42を備える。噴射ノズル41は、その最も単純な形態において、燃料インジェクタのハウジング40の一部を形成する。しかし、エンジンが運転状態にあるときに、噴射ノズル41の材料が燃焼室104内に広がる高温にさらされるという事実により、噴射ノズル41が別の部品として構成されることも有利であり得る。噴射ノズルの燃料供給通路42は高圧燃料供給リザーバ43に接続される。この高圧燃料供給リザーバ43は少なくとも部分的に噴射ノズル要素41内に延びる。
【0025】
噴射ノズル要素41は、噴射ノズル保持スリーブ55内に受け入れられる。この噴射ノズル保持スリーブ55は燃料インジェクタ本体56に取り付けられる。
【0026】
燃料供給通路42は燃料リザーバ44からの燃料を受入れることができる。この燃料リザーバ44もまた燃料インジェクタ本体56内に配置されるとともに燃料供給導管45からの燃料を受入れることができる。燃料リザーバ44は可動バルブ要素46を含む。バルブ要素46はしたがって、燃料リザーバ44と高圧燃料供給リザーバ43との間の接続通路57を開閉することができる。バルブ要素は先端部49を備え、この先端部49は接続通路57を閉鎖するようにハウジング内のシート50と接触することができる。閉鎖状態において、先端部49は高圧燃料供給リザーバ43への燃料の如何なる通過も妨げるようにシート50上にある。閉鎖状態が
図3に示される。
【0027】
バルブ要素46は、制御燃料圧力にさらされる端部表面47と、燃料リザーバ58内に存在する燃料圧力にさらされる中間表面48とを備える。さらに、バネ59が燃料リザーバ58内に配置される。バネは、通路57をバルブ要素46により閉鎖しておくように、中間表面48に作用する。バネは案内要素59の周りに巻きつけられる。この案内要素59はバルブ要素46の一部である。案内要素59は反部表面47で終端する。案内要素はスリーブ要素63により案内される。スリーブ要素63、端部表面47およびスリーブ要素63を支持する燃料インジェクタ本体は制御スペース64を形成する。制御スペース64は、絞り通路65により燃料導管45に接続される。絞り通路65は、燃料導管45の断面積の最大で半分である断面積を有する。さらに、制御スペース64は、制御燃料通路60へ通じる制御通路66に接続される。この制御燃料通路60は燃料を含む。制御燃料通路は、内部にソレノイド80により操作される変位要素81が延びる半径方向通路61を有する。半径方向通路は円周方向通路62に接続する。この円周方向通路62は、燃料インジェクタ本体56の外側表面に凹部を形成する。
図2の流体通路36はこの円周方向通路62に通じる。
【0028】
燃料リザーバ58の燃料圧力が燃料リザーバ44内および制御スペース64内と同じである場合、先端部49はシート50上に位置したままになる。ソレノイドが駆動されたとき、燃料噴射の開始がソレノイドにより制御される。変位要素81が引き上げられるとともに制御スペース64内の圧力がバルブ要素46を開かせる。燃料リザーバ58は、通路51により燃料リザーバ44に接続される。燃料圧力が、バルブ要素をバネ40により加えられた下向きの力に抗して上向きに押すように、バルブ要素46の環状表面52および噴射中のシート50上の液圧力に作用する。したがって、バネは圧縮されるとともに、バルブ要素は燃料を高圧燃料リザーバ43に供給するようにシート50から上がり得る。制御スペース64内の燃料圧力が、バネ力と組み合わせて端部表面47に作用する力が環状表面52に作用する力より大きくなり、したがってバルブ要素46をその閉鎖状態に戻すほどに増加したとき、バルブ要素46は閉じる。
【0029】
燃料が供給導管を通って送り込まれるたびに、このサイクルが繰り返されるとともに燃焼室104への燃料の噴射が生じる。
【0030】
さらに、漏出流体のための通路70が想定される。通路70は、そこを通って変位要素81が延びる半径方向通路71を有する。この変位要素81は、ソレノイド80により操作される。半径方向通路71は円周方向通路72に接続する。この円周方向通路72は、燃料インジェクタ本体56の外側表面に凹部を形成する。
図2の流体通路26はこの円周方向通路72に通じる。
【0031】
加えて、潤滑剤および/または冷却流体の供給のための通路75が想定される。通路75は、半径方向通路76および軸方向通路77を有する。半径方向通路76は円周方向通路78に接続する。この円周方向通路78は、燃料インジェクタ本体56の外側表面に凹部を形成する。
図2の流体通路6はこの円周方向通路78に通じる。潤滑剤および/または冷却流体は、排出通路85を通って排出され得る。通路85は、半径方向通路86および軸方向通路87を有する。半径方向通路86は円周方向通路88に接続する。この円周方向通路88は、燃料インジェクタ本体56の外側表面に凹部を形成する。
図2の流体通路16はこの円周方向通路88に通じる。
【0032】
コレクタ要素5が、
図2に示されるそれぞれの接続要素3、13、23、33に通じる流体通路6、16、26、36と同様に示される。コレクタ要素5はネジ接続90を用いてシリンダカバーに固定され得る。しかし、これは単に1つの変形に過ぎず、コレクタ要素をシリンダカバーに固定しないこともできる。
【0033】
コレクタ要素は特にスリーブとして構成され得る。このスリーブは、例えばボルト締めされる等シリンダカバーに固定され得る、あるいは、自由に回転し得るとともに角度位置が接続要素3、13、23、33のみにより固定される。接続要素は、特に接続パイプとして構成され得る。
【0034】
燃料インジェクタ自体は、コレクタ要素にボルト締めされ得るあるいはシリンダカバーに直接固定され得る。この場合、コレクタ要素は自由に回転し得るあるいはカバーに別個に固定され得る。このような変形が
図4に示される。この場合も、前述の実施形態にあるような同じ機能を有する部品は同じ参照符号を持つとともに
図2または3の説明が参照される。コレクタ要素5はネジ接続91によりシリンダカバー102に取り付けられる。燃料インジェクタ4はネジ接続92によりコレクタ要素5に取り付けられる。
【0035】
図5a、5b、5cは、異なるタイプの燃料インジェクタを有する本発明のさらなる実施形態を示す。この燃料インジェクタは、
図1乃至4に示された同じコレクタ要素とともに使用され得る。
図1乃至4にあるような同じ機能を有する部品は同じ参照符号を持つとともにその機能は再度説明されない。バルブ要素46は、高圧燃料リザーバ43内に延びる燃料指向要素54を備える。燃料指向要素は中央通路95を含み、この中央通路95は、高圧燃料リザーバ43と中間燃料リザーバ96との間の接続を提供する。燃料指向要素54はさらに、燃料供給通路42を開閉するために、バルブ要素46とともに動かされ得る。
【0036】
したがって、本発明によれば、低圧パイプの接続は、燃料インジェクタの周りに配置された独立したスリーブに行われる。スリーブはインジェクタが取り外されたときでさえ、シリンダカバーに留まることができる。このスリーブの設計により、例えば整備または交換のために、シリンダカバーから燃料インジェクタを取り外すとき、低圧接続要素が取り外される必要が無いので、燃料インジェクタの交換は迅速かつ容易である。その結果、供給および排出接続が燃料インジェクタ周りの独立したスリーブに一体化されるので、シリンダカバーの機械加工の複雑さは増大しない。異なる流体は、燃料インジェクタの表面の隣接する通路の間に、また最上の流体通路上に、および最下の流体通路の下に配置されたシール要素、好ましくはOリングにより分離される。あるいは、シール要素はスリーブ内に配置され得る。
【0037】
上記から、本発明がどんな形でも図による実施形態に限定されると解釈されるべきではない。本発明は、本発明の思想および添付の請求項の範囲内の多くの異なる実施形態で実施され得る。