特許第6083971号(P6083971)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6083971
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/84 20060101AFI20170213BHJP
【FI】
   E06B9/84 C
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-165020(P2012-165020)
(22)【出願日】2012年7月25日
(65)【公開番号】特開2014-25228(P2014-25228A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌
(72)【発明者】
【氏名】高井 邦治
(72)【発明者】
【氏名】大館 一樹
(72)【発明者】
【氏名】増田 丈紀
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−032733(JP,A)
【文献】 特開2002−147151(JP,A)
【文献】 特開平10−46962(JP,A)
【文献】 特開平8−105280(JP,A)
【文献】 特開平8−28165(JP,A)
【文献】 実開平1−31897(JP,U)
【文献】 実用新案登録第2540295(JP,Y2)
【文献】 特開2001−280045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 − 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、該開閉体の開閉経路又は該経路の近傍に物体が存在することを接触感知してその感知信号を送信部から送信する物体感知手段と、前記感知信号を受信して作動信号を送信する受信部と、該受信部から受信する作動信号に応じて制御指令を発する制御部とを備えた開閉装置において、
前記送信部は、発電機を内在する本体部と、該本体部に対し接近離隔する可動部とを備え、前記可動部が本体部側へ押し動かされることで自己発電し、この際の発電電力によって前記感知信号を含む信号を送信するように構成され
前記開閉体は、開閉体本体と、前記開閉体本体に相対して上下方向へ移動するように該開閉体本体の下端側に接続された可動座板と、前記開閉体本体の下端側に開閉体幅方向へわたる揺動支点部を中心にして揺動するように支持されるとともに上方へ移動した際の前記可動座板に当接されて上方へ揺動可能な揺動部材とを具備してなり、
前記送信部は、前記可動部が下方側から前記揺動部材によって押し動かされるように設けられていることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記送信部と前記受信部は、前記感知信号を無線で送受信するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、該開閉体の開閉経路又は該経路の近傍に物体が存在することを接触感知してその感知信号を送信部から送信する物体感知手段と、前記感知信号を受信して作動信号を送信する受信部と、該受信部から受信する作動信号に応じて制御指令を発する制御部とを備えた開閉装置において、
前記送信部は、発電機を内在する本体部と、該本体部に対し接近離隔する可動部とを備え、前記可動部が本体部側へ押し動かされることで自己発電し、この際の発電電力によって前記感知信号を含む信号を送信するように構成され、
前記開閉体をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納部と、前記開閉体の横幅方向の端部を囲んで開閉方向へ案内するように開放方向側で前記収納部に接続されたガイドレールとを備え、前記送信部を前記ガイドレール内に配置するとともに前記受信部を前記収納部内に配置し、前記ガイドレールを前記送信部から送信される電波を導く導波管として用いるようにしたことを特徴とする開閉装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記開閉体の下端側に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置。
【請求項5】
前記本体部は、ケース部内に発電機を具備し、
前記ケース部は、前記可動部を出没させる面を開放するとともに、前記面以外の面を略閉鎖していることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置。
【請求項6】
前記ケース部内には、前記発電機と、信号を送信する送信機とが具備されていることを特徴とする請求項5記載の開閉装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記可動部が押動される一回の動作につき、信号を、間隔を置いて3回以上送信するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の開閉装置。
【請求項8】
前記発電機は、前記可動部が押圧された場合に発電を行い、前記可動部が戻された場合には発電を行わないように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7何れか1項記載の開閉装置。
【請求項9】
前記開閉体本体の下端側には、前記揺動部材の揺動経路中に、前記揺動部材の上方への揺動を規制する揺動規制突起が設けられ、
前記揺動部材の揺動端側には、前記可動部へ向かって突出する突起が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8何れか1項記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体を閉鎖動作させる開閉装置に関し、特に、物体感知手段から送信される信号に応じて開閉体の開閉動作を制御するようにした開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の開閉装置には、空間を仕切ったり開放したりするようにして上下方向へ開閉動作する開閉体と、該開閉体を上方側で巻き取ったり繰り出したりする巻取軸と、該巻取軸を回転させる駆動源となる開閉機と、前記開閉体の下端部に設けられた障害物感知装置と、該障害物感知装置による感知信号を無線送信する送信機と、該送信機による無線信号を受信する受信機と、該受信機が受信した信号に応じて前記開閉機を制御する制御部と、前記開閉体の横幅方向の端部を囲んで上下方向へ導くガイドレールとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記開閉装置では、障害物感知した際の感知信号を送信する電線等を有することなく、該感知信号を無線送信する構成としているため、前記電線等が、上下動作する開閉体に干渉するようなことがなく、障害物感知性能及び信頼性等が良好である。
【0003】
しかしながら、上記した従来技術では、前記送信機の電源を電池等のバッテリー電源としているため、定期的なメンテナンスによりバッテリー交換が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−36825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、物体感知手段の感知信号を送信する送信部のバッテリー交換を不要にすることができる開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための一手段は、空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、該開閉体の開閉経路又は該経路の近傍に物体が存在することを接触感知してその感知信号を送信部から送信する物体感知手段と、前記感知信号を受信して作動信号を送信する受信部と、該受信部から受信する作動信号に応じて制御指令を発する制御部とを備えた開閉装置において、前記送信部は、発電機を内在する本体部と、該本体部に対し接近離隔する可動部とを備え、前記可動部が本体部側へ押し動かされることで自己発電し、この際の発電電力によって前記感知信号を含む信号を送信するように構成され、前記開閉体は、開閉体本体と、前記開閉体本体に相対して上下方向へ移動するように該開閉体本体の下端側に接続された可動座板と、前記開閉体本体の下端側に開閉体幅方向へわたる揺動支点部を中心にして揺動するように支持されるとともに上方へ移動した際の前記可動座板に当接されて上方へ揺動可能な揺動部材とを具備してなり、前記送信部は、前記可動部が下方側から前記揺動部材によって押し動かされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上説明したように構成されているので、物体感知手段の感知信号を送信する送信部のバッテリー交換を不要にするという、本願発明の課題を達せすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る開閉装置の一例を示す模式図である。
図2】同開閉装置の物体感知手段の一例を示す縦断面図であり、(a)は可動座板が閉鎖方向側の物体に当接していない状態を示し、(b)は可動座板が閉鎖方向側の物体に当接した状態を示す。
図3】同開閉装置のブロック図である。
図4受信部の概略構造を示すブロック図である。
図5送信データのフォーマットの一例を示す説明図である。
図6各受信部の処理を示すフローチャートである。
図7本発明に係る開閉装置の他例を示すブロック図である。
図8図7に示す開閉装置において、制御部の判断処理の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態の第一の特徴は、空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、該開閉体の開閉経路又は該経路の近傍に物体が存在することを接触感知してその感知信号を送信部から送信する物体感知手段と、前記感知信号を受信して作動信号を送信する受信部と、該受信部から受信する作動信号に応じて制御指令を発する制御部とを備えた開閉装置において、前記送信部は、発電機を内在する本体部と、該本体部に対し接近離隔する可動部とを備え、前記可動部が本体部側へ押し動かされることで自己発電し、この際の発電電力によって前記感知信号を含む信号を送信するように構成される。
さらに、より動作性を向上するためには、前記送信部は、前記可動部を下方へ向けた状態で前記開閉体の下端側に配置されるとともに、前記開閉体の下端部が物体に当接した際に、該物体によって前記可動部が上方へ押し動かされて自己発電するように設けられる。
前記特徴によれば、開閉体の下端部に物体が当接すると、可動部が上方へ押し動かされて送信部が自己発電し、この自己発電による電力で物体感知信号を含む信号が送信される。よって、電池等のバッテリー電源を必要とせず、ひいては、バッテリー交換等も必要がない。また、可動部を下方へ向けて出没させるようにしているため、防水構造を得やすい。
【0010】
第二の特徴としては、より可動部の動作性を向上するために、前記開閉体は、開閉体本体と、前記開閉体本体に相対して上下方向へ移動するように該開閉体本体の下端側に接続された可動座板と、前記開閉体本体の下端側に開閉体幅方向へわたる揺動支点部を中心にして揺動するように支持されるとともに上方へ移動した際の前記可動座板に当接されて上方へ揺動可能な揺動部材とを具備してなり、前記送信部は、前記可動部が下方側から前記揺動部材によって押し動かされるように設けられている。
【0011】
第三の特徴としては、電線等を少なくし開閉体の動作性やメンテナンス性を良好にするために、前記送信部と前記受信部は、前記感知信号を無線で送受信するように構成されている。
【0012】
第四の特徴としては、よりメンテナンス性を向上するために、前記送信部は、前記開閉体の下端側に着脱可能に設けられている。
【0013】
第五の特徴としては、前記送信部以外の電波等に起因する混信、送信電界強度不足による電波の未達等を生じないように、前記開閉体をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納部と、前記開閉体の横幅方向の端部を囲んで開閉方向へ案内するように開放方向側で前記収納部に接続されたガイドレールとを備え、前記送信部を前記ガイドレール内に配置し、前記ガイドレールを前記送信部から送信される電波を導く導波管として用いるようにした。
【0014】
また、上記した一部の特徴は、先に記載した特徴を含まない独立した発明とすることが可能である。
すなわち、この独立した発明の一つは、空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、該開閉体の開閉経路又は該経路の近傍に物体が存在することを感知してその感知信号を送信部から送信する物体感知手段と、前記感知信号を受信して作動信号を送信する受信部と、該受信部から受信する作動信号に応じて制御指令を発する制御部と、前記開閉体をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納部と、前記開閉体の横幅方向の端部を囲んで開閉方向へ案内するように開放方向側で前記収納部に接続されたガイドレールとを備えた開閉装置において、前記送信部と前記受信部は、前記感知信号を無線で送受信するように構成され、前記送信部を前記ガイドレール内に配置するとともに前記受信部を前記収納部内に配置し、前記ガイドレールを前記送信部から送信される電波を導く導波管として用いるようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、前記送信部以外の電波等に起因する混信や、送信電界強度不足による電波の未達等を防ぐことができる。
【0015】
なお、本明細書中、「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の上記開閉体の厚さ方向を意味する。また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
【0016】
次に、上記形態の特に好ましい実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
以下に説明する開閉装置1は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として適用可能である。
【0018】
この開閉装置1は、空間を仕切るようにスライドして閉鎖動作する開閉体10と、開閉体10をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納部20と、開閉体10の横幅方向の端部を囲んで開閉方向へ案内するように開放方向側で収納部20に接続されたガイドレール30と、開閉体10の動作を操作するための操作体40とを具備している(図1参照)。
【0019】
開閉体10は、平面視略矩形状の開閉体本体11と、該開閉体本体11の下端側に接続され開閉体本体11に相対して開閉方向へ移動可能であって開閉体10の全閉時に着座対象部位Pに当接可能な可動座板12とを備え、可動座板12によって、開閉体10の開閉経路又は該経路の近傍に物体Xが存在することを接触感知してその感知信号を送信する物体感知手段を構成している。
【0020】
開閉体本体11は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなる所謂スラット11aを、上下に隣接する該スラット11a,11a間で回動するように複数連接してなり、この開閉体本体11の下端側には、開閉体幅方向へ連続して下方を開口した凹枠状の固定座板11bが設けられる(図2参照)。そして、この固定座板11b内には、開閉体幅方向へわたる揺動支点部11b4を中心にして回動するように揺動部材11cが支持される。また、固定座板11b内における揺動部材11cよりも下側には、開閉体幅方向へわたる長尺状の可動座板12が、上下方向へスライドするように係合している。
【0021】
固定座板11bは、開閉体10の横幅方向の略全長にわたって下方を開口した断面略凹状に形成され、その内部に揺動部材11cを支持するとともに、上部側に切欠部11b1を有し、該切欠部11b1に第四の送信部13を挿通させている。
第四の送信部13は、図2の一例によれば、可動部42側の部分を略真下へ向けて固定座板11b内に挿入させるとともに、その逆側である上側部分を、切欠部11b1を介して固定座板11bの外部に露出しており、固定座板11bに対し着脱可能に止着されている。また、固定座板11bの外側には、必要に応じて第四の送信部13及び切欠部11b1を覆うカバー部材11b3が着脱可能に装着される。
この構成によれば、第四の送信部13に対するメンテナンスや、交換等を容易に行える上、第四の送信部13の可動部42を下方へ向けているため、防水性が良好であり、さらに、カバー部材11b3によって第四の送信部13に対する防水性をより向上することも可能である。
【0022】
また、前記固定座板11b内における揺動部材11cの揺動経路中には、揺動部材11cの上方への揺動を規制する揺動規制突起11b2が設けられる。この揺動規制突起11b2は、第四の送信部13における可動部42の上下移動範囲内に位置し、且つ第四の送信部13が可動部42の上方への移動により十分な電力を発電するように、適宜に配置されている。この揺動規制突起11b2によれば、揺動部材11cによる過剰な押圧力によって第四の送信部13の可動部42が破損したり、第四の送信部13自体が固定座板11bから外れたり等するのを防ぐことができる。
【0023】
また、前記固定座板11bは、開閉体幅方向の端部側をガイドレール30内に挿入することで、切欠部11b1、及び第四の送信部13を、ガイドレール30内に配置している。この構成によれば、ガイドレール30を、第四の送信部13の電波を導く導波管として作用させることができる。
【0024】
揺動部材11cは、開閉体幅方向の何れの位置であっても可動座板12から押圧されるように、開閉体幅方向の略全長にわたって連続する長尺状に形成される。そして、この揺動部材11cは、可動座板12に押圧されて上方向へ揺動し、また自重によって下方向へ揺動するように、固定座板11bにおける開閉体厚さ方向の一方(図2によれば右側)の内壁に回転自在に支持されている。
また、揺動部材11cの揺動端側(換言すれば、先端側あるいは自由端側)には、第四の送信部13の可動部42へ向かって突出する突起11c1が設けられる。この突起11c1は、可動部42に対しより確実に当接するように開閉体幅方向へ連続して形成されるが、他例としては、開閉体幅方向において可動部42に対応する位置のみに設けてもよい。この突起11c1によれば、揺動部材11cが上方へ揺動した際に、該揺動部材11cの揺動端側を可動部42に対し安定的に当接させることができ、ひいては、第四の送信部13の発電量を安定的に発生させることができる。
【0025】
また、可動座板12は、開閉体幅方向の略全長にわたる部材であり、開閉体本体11の下端部から下方へ突出しており、開閉体本体11に相対して上下方向へ所定量だけ自在に移動する。図示例の可動座板12は、単数もしくは複数の部材から縦断面略逆T字状に構成され、その上端側の部分を、開閉体本体11の固定座板11b内に、上下スライド可能に係合している。
この可動座板12は、固定座板11bに相対し上方へ移動した際に、その上面によって揺動部材11cの先端側を押圧し、揺動部材11cを上方へ揺動させる。
【0026】
収納部20は、開閉体幅方向へ長尺な略直方体状の収納ケース21と、該収納ケース21内で開閉体10を巻き取ったり繰出したりする巻取軸(図示せず)と、該巻取軸をチェーン及びスプロケット等の動力伝達手段(図示せず)を介して駆動回転させたり制動したりする開閉機22と、該開閉機22を制御する制御部23と、無線信号を受信する受信回路24とを具備している(図1及び図3参照)。
【0027】
開閉機22は、例えば実開平01−118084号公報に示される構造の開閉機を、適宜に改良したものであり、ブラケット等を介して収納ケース31等の不動部位に支持される。
この開閉機22は、より詳細に説明すれば、上記巻取軸に回転力を伝達する駆動軸と、前記駆動軸を回転させる電動モータと、前記駆動軸を拘束したり解放したりするブレーキ装置とを具備しており、制御部23からの制御信号によって制御される。
【0028】
制御部23は、マイコン回路やシーケンサー等のプログラムドロジック回路、あるいは電子回路やリレー回路等によるワイヤードロジック回路等により構成され、操作体40や、上記物体感知手段、その他の信号発信手段(例えば、リモコン、操作信号を発するコンピュータ、携帯端末、センサー等)による信号に応じて開閉機22を正方向や逆方向へ回転したり停止したり等する。
【0029】
受信回路24は、操作体40及び物体感知手段の各送信部40a,40b,40c又は13に対応するように、複数の受信部(図示例によれば、第一乃至四の受信部24a,24b,24c,24d)を備えている。
【0030】
ガイドレール30は、開閉体10の幅方向の端部を囲む断面略コ字状の金属製部材であり、開閉体10によって着座される着座対象部位P(例えば、床面や地面、枠部材等)と収納部20との間にわたって配設されている(図1参照)。このガイドレール30は、その内部に物体感知手段の第四の送信部13を配置することで、第四の送信部13から発信される電波を上方側の収納部20内へ導く導波管としても作用する。
【0031】
操作体40は、当該開閉装置1の設置対象である躯体壁面やガイドレール30の外面等の不動部位に固定される。この操作体40は、矩形箱状等のケース内に、複数の送信部(図示例によれば、第一乃至三の送信部40a,40b,40c)を一体的に具備し、表部には、開閉体10の開閉動作を停止するための停ボタン43、開閉体10を開放動作させるための開ボタン44、開閉体10を閉鎖動作させるための閉ボタン45等の押しボタンスイッチを露出している。
【0032】
次に、操作体40の第一乃至三の送信部40a,40b,40c、及び物体感知手段の第四の送信部13と、これらに対応する受信回路24の第一乃至四の受信部24a,24b,24c,24dについて詳細に説明する。
【0033】
第一乃至四の送信部40a,40b,40c,13の各々は、本体部41図2参照)と、本体部41に対し接近離隔するように出没する可動部42とを具備する。第四の送信部13は、可動部42を下方へ向けた状態で開閉体本体11下端側に装着されることで、開閉体10下端の可動座板12が物体Xに当接した際に、可動部42が、可動座板12及び揺動部材11cを介して物体Xによって上方へ押し動かされるようになっている。
これら第一乃至四の送信部40a,40b,40c,13は、後述するIDコードによって、受信回路24の第一乃至四の受信部24a,24b,24c,24dに一対一で対応している。換言すれば、第一の送信部40aと第一の受信部24a、第二の送信部40bと第二の受信部24b、第三の送信部40cと第三の受信部24c、第四の送信部13と第四の受信部24dが、それぞれ組になって対応している。
【0034】
本体部41は、ケース部内に、直線的に往復動可能に支持されたラック部材と、該ラック部材を可動部42側へ付勢する付勢部材(本実施例によれば圧縮コイルバネ)と、前記ラック部材と噛み合って回転可能なピニオン部材と、該ピニオン部材を入力軸に固定した発電機(例えば、電動モータ等)と、IDコードを記憶する記憶部(例えば、不揮発性メモリ等)と、前記記憶部の前記IDコードを含む無線信号を送信する送信機とを具備してなる。
【0035】
前記ケース部は、可動部42を出没させる面を開放するとともに、前記面以外の面を略閉鎖した略矩形箱状に形成される。
【0036】
前記発電機は前記ピニオン部材との間に介在される周知構造のワンウェイクラッチにより一方向へ回転した場合のみ発電するように設けられる。すなわち、可動部42が押圧された場合には、前記ラック部材及前記ピニオン部材が連動し、前記ピニオン部材の回転力が前記発電機に伝達されることにより、前記発電機が発電を行う。また、可動部42が前記ラック部材が前記付勢部材により戻された場合には、前記ピニオン部材の逆方向の回転は前記ワンウェイクラッチの作用により前記発電機に伝達されず、前記発電機による発電が行われない。
【0037】
前記送信機は、前記IDコード、及び送受信エラー検出のためのチェックサム等のデータ(図参照)を、適宜な変調方式(例えばASK(Amplitude Shift Keying)変調やFSK(Frequency Shift Keying)変調等)によって変調し、送信アンテナから空間へ発信する送信機であり、前記発電機からの電力供給を受けた際に、その供給電力によって動作して発信するように構成されている。
この送信機が送信する前記データには、第一乃至四の受信部24a,24b,24c,24dの各々との対応関係を示すIDコードを含むが、開閉体10を動作させるための開放指令や、閉鎖指令、停止指令等の制御指令は含まない。
前記IDコードは、一組の送信部及び受信部(例えば、第一の送信部40aと第一の受信部24a等)について一対一で対応するコードである。各組の送受信部のIDコードは、他の組の送受信部のIDコードとは異なるものが用いられる。
【0038】
各送信部40a,40b,40c又は13の前記送信機は、可動部42が押動される一回の動作につき、前記データ(図参照)を含む無線信号(例えば、2.4GHzの無線信号)を、間隔を置いて3回以上送信するように構成され、その送信間隔を、前記無線信号の送信の順番に応じて(換言すれば、何回目の送信の直後の間隔かによって)異ならせるようにしている。
詳細に説明すれば、各送信部40a,40b,40c又は13の各送信機は、前記無線信号を、例えば3回送信し、1回目の送信と2回目の送信の送信間隔X1と、2回目の送信と3回目の送信の送信間隔X2とを異ならせるようにしている。
さらに、好ましい一例では、各送信部の最初の送信間隔が、他の送信部の最初の送信間隔と異なり、同様に、各送信部の後の送信間隔も他の送信部の後の送信間隔と異なるように設定してある。
これらの構成によれば、送信エラーや、他の送受信機との混信等を、効果的に防ぐことができる。
なお、受信回路24の各受信部24a,24b,24c,24dは、一つの信号を受信してから所定時間に同じ信号を受信した場合には一つの信号のみを受信したものとみなして制御を行うように構成される。勿論、制御上の矛盾や問題等がなければ、信号を受信するごとに対応する処理を行うようにしてもよい。
【0039】
前記送信間隔は、送信部毎に予め設定しておけばよいが、他の好ましい態様としては、送信部毎に、前記送信間隔をランダムに変化させるようにしてもよい。より具体的に説明すれば、先の送信間隔に対し、次の送信間隔がランダムに変化するようにしてもよい。
【0040】
また、他の好ましい態様としては、送信部毎に、複数種類の送信間隔パターンを記憶しておき、図示しないディップスイッチ等の操作により、選択された送信間隔パターンを用いるようにしてもよい。更に、この態様と、送信間隔をランダムに変化させる前記態様とを、適宜に組み合わせることも可能である。
【0041】
また、可動部42は、前記ケース部の開口部から外側へ若干突出するように配置され、一端側が前記ケース部に対し所定角度回転するように枢支されるとともに、他端側を前記ラック部材に当接させた長尺揺動片であり、前記他端側によって前記ラック部材を押圧したり、該ラック部材に押し戻されたりして揺動する。
【0042】
操作体40は、停ボタン43、開ボタン44、閉ボタン45(図1参照)のそれぞれに連動して、対応する可動部42が押し動かされるように、第一乃至三の送信部40a,40b,40c(図3参照)を配設している。
また、上記物体感知手段は、可動座板12、該可動座板12の相対的な上昇に伴って揺動する揺動部材11c、該揺動部材11cに押されて自己発電し動作するように配設された第四の送信部13等を具備してなり、物体を感知した際の感知信号として、第四の送信部13からIDコードを発信する。
【0043】
受信回路24内の第一乃至四の受信部24a,24b,24c,24dの各々は、図に示すように、対応する送信部から送信される電波を捕捉するためのアンテナ部24a1、捕捉した電波を復調する復調回路部24a2、各送信部に対応するIDコードや作動信号等を記憶する記憶部24a3(例えば、不揮発性メモリ等)、IDコードの照合処理を行う照合回路部24a4、記憶部24a3のIDコードを登録したり書き換えたりする登録スイッチ24a5等を備える。
【0044】
照合回路部24a4は、マイコン回路やシーケンサー等のプログラムドロジック回路、あるいは電子回路等により構成され、図に示す処理により作動信号を出力する。
詳細に説明すれば、照合回路部24a4は、アンテナ部24a1によってIDコードを含む無線信号が受信されるのを待ち(ステップ1)に、無線信号が受信された場合には、該無線信号に含まれるIDコードと記憶部24a3に予め記憶されたIDコードとを対比し(ステップ2)、これらIDコードが一致する場合には、次のステップ3へ処理を進め、そうでなければステップ1へ処理を戻す。
【0045】
ステップ3では、記憶部24a3の所定の記憶領域に予め記憶された作動信号を制御部23へ出力する。この作動信号は、各組の受信部24a(24b,24c,又は24d)毎に対応して予め設定された信号であり、他の受信部のものとは異なる信号である。
例えば、図3に示す一例によれば、第一の受信部24aには開閉体10の開閉動作を停止するための作動信号1が設定され、第二の受信部24bには開閉体10を開放動作させるための作動信号2が設定され、第三の受信部24cには開閉体10を閉鎖動作さえるための作動信号3が設定され、第四の受信部24dには開閉体10の閉鎖方向端部が物体に当接したことに応じた動作(例えば、開閉体10の停止や反転上昇等)を行うための作動信号4が設定される。
【0046】
したがって、制御部23は、受信回路24から入力される作動信号に応じて、開閉機22を制御する。例えば、前記作動信号1の入力があった場合には開閉機22を停止して拘束する。また、前記作動信号2の入力があった場合には、開閉体10が開放動作するように開閉機22を駆動回転させる。また、前記作動信号3の入力があった場合には、開閉体10が閉鎖動作するように開閉機22を駆動回転させる。また、前記作動信号4があった場合には、例えば、開閉体10を一端停止しその直後に所定量開放動作(所謂タッチアップ動作)させるように、開閉機22を制御する。
【0047】
よって、上記開閉装置1によれば、操作体40の停ボタン43、開ボタン44、閉ボタン45の何れかが押された場合、あるいは、物体感知手段が物体Xを感知した場合に、送信部40a,40b,40c又は13から該送信部と同じ組の受信部24a,24b,24c又は24dへIDコードが送信される。
そして、それぞれの組の受信部24a,24b,24c又は24dは、受信したIDコードが予め記憶されたIDコードと一致した場合に、予め設定された作動信号を制御部23に送信する。制御部23は、複数組の受信部24a,24b,24c,24dのそれぞれに対応して動作し、各受信部から入力される作動信号に応じて、開閉体10を制御(開放、閉鎖又は停止)する指令を発する。
よって、送信部と受信部の間で、制御指令を含む複雑な信号が送受信されないので、各送受信機間の信号処理を簡素化することができる。
【0048】
また、操作体40の押しボタンを押す操作、あるいは可動座板12の上昇があった際に、各送信部(40a,40b,40c又は13)が自己発電するとともに、この電力で無線信号が送信されるため、電池等のバッテリー電源を必要としない。
【0049】
また、ガイドレール30が、物体感知手段の第四の送信部13から送信される電波を導く導波管として用いられているため、例えば、無線LANや家電機器等との電波の混信、電界強度不足による電波の不達などを防ぐことができる。
【0050】
よって、混信やノイズ等に起因する誤動作を防ぐとともに、操作体40の操作又は物体感知手段の感知に対する開閉機22の応答時間を短縮し、遠隔制御性を良好にするとともに、メンテナンス性を向上することができる。
【0051】
次に、図及びに示す開閉装置の他例について説明する。
この開閉装置の他例は、上記開閉装置1の構成を一部変更したものであるため、主のその変更部分について詳細に説明し、重複する説明は適宜省略する。
【0052】
及びに示す開閉装置は、空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体10と、可動部42が動作した際に無線信号を送信する第一乃至4の送信部40a,40b,13’と、前記無線信号を受信する受信部24a,24b,24cと、制御指令を発して開閉体10を制御する制御部23’とを備え、各送信部40a,40b又は13’は、可動部42が動作した場合に、受信部24a,24b又は24cとの対応関係を示すIDコードを含む無線信号であって、且つ前記開閉体を開放、閉鎖又は停止する指令を含まない無線信号を送信するように構成され、各受信部24a,24b又は24cは、受信した無線信号に含まれるIDコードが、予め記憶部24a3に記憶したIDコードと一致した場合に、予め設定された作動信号を制御部23’に送信するように構成され、前記送信部と前記受信部は、複数組設けられるとともに、各組の送信部と受信部は、他の組のものとは異なる前記IDコードにより対応し、制御部23’は、複数の前記受信部から送信される作動信号の組み合わせに応じて、異なる制御指令を発するように構成される。
【0053】
より具体的に説明すれば、図及びに示す開閉装置は、上記開閉装置1に対し、操作体40を操作体40’に置換し、受信回路24を受信回路24’に置換し、物体感知手段の第四の送信部13を第三の送信部13’に置換して、送信部及び受信部を一組減らした構成とされる。
【0054】
操作体40’は、上記操作体40に対し一つ少ない二つの送信部(第一の送信部40aと第二の送信部40b)を一体的に具備し、表部には、各送信部に対応するように二つの押しボタンスイッチ(図示せず)を露出している。
【0055】
受信回路24’は、上記受信回路24に対し、第四の受信部24dを省いた構成とされる。
【0056】
また、図及びに示す開閉装置の物体感知手段は、先に詳述した開閉装置1のものと同一の構成であるが、内在する送信部を、受信回路24’の第三の受信部24cに対応する第三の送信部13’としている。
【0057】
制御部23’は、ハード的には上記制御部23と同一の構成であるが、図に示すように、第一の受信部24aと第二の受信部24bから送信される作動信号の組み合わせに応じて、異なる制御指令を発するように構成される。
より詳細に説明すれば、制御部23’は、例えば、第一の送信部40aの押しボタンスイッチが押されなかったことに基づき第一の受信部24aから作動信号「0」を受信し(又は第一の受信部24aの作動信号を何も受信せず)、且つ略同時に第二の送信部40bの押しボタンスイッチが押されたことに基づき第二の受信部24bから作動信号「1」を受信した場合には、開閉体10を開放動作させる制御指令を発する。
【0058】
また、同制御部23’は、例えば、第一の送信部40aの押しボタンスイッチが押されたことに基づき第一の受信部24aから作動信号「1」を受信し、且つ略同時に第二の送信部40bの押しボタンスイッチが押されたことに基づき第二の受信部24bからも作動信号「1」を受信した場合には、開閉体10を閉鎖動作させる制御指令を発する。
【0059】
また、同制御部23’は、例えば、第一の送信部40aの押しボタンスイッチが押されたことに基づき第一の受信部24aから作動信号「1」を受信し、且つ略同時に第二の送信部40bの押しボタンスイッチが押されなかったことに基づき第二の受信部24bからは作動信号「0」を受信した(又は第二の受信部24bの作動信号を何も受信しない)場合には、開閉体10の動作を停止する制御指令を発する。
【0060】
よって、図及びに示す開閉装置によれば、送信部と受信部の組数を減らして、当該開閉装置の部品コストを低減するとともに、送受信部及び制御部等を、より小型化及び簡素化することが可能である。
【0061】
なお、図1中、リモコン50は、移動可能な操作用の無線送信機であり、操作体40と略同様の構成としてもよいし、図示しない受信回路に対し操作信号を送信する他の構成の送信機とすることも可能である。
【0062】
また、上記実施例によれば、操作体40は、不動部位に止着され固定される構造としたが、他例としては、操作体40を不動部位に対し着脱可能に止着し、この操作体40を必要に応じて取り外してリモコンとして用いる構成とすることも可能である。
【0063】
また、図1図3及び図では、制御部23と受信回路24を別体に例示しているが、これら制御部23と受信回路24は、一つの基盤上に構成された一体状の回路とすることが可能である。
【0064】
また、上記実施例では、可動座板12の上昇に伴い揺動する揺動部材11cによって第四の送信部13の可動部42が押動されるようにしたが、他例としては、可動座板12によって直接可動部42が押動される態様や、物体Xによって直接可動部42が押動される態様等とすることも可能である。
【0065】
また、上記物体感知手段は、開閉体10の開閉経路又は該経路の近傍に物体が存在することを接触感知してその感知信号を送信部から送信するものであればよく、この物体感知手段の他例としては、当該開閉装置1又は2の近傍の床面等に敷設されて通過する物体の重量により作動するフットスイッチ(あるいはマットスイッチ)を備え、該スイッチに連動するように上記送信部13の可動部42を作動させ、感知信号として上記IDコードを発信する態様とすることも可能である。
【0066】
また、上記IDコードは、各組の送受信部について、他の組の送受信部のものとは異なる一つのIDコードを設定すれば足りるが、他例としては、各組の送受信部について、他の組の送受信部のものとは異なる複数種類のIDコードを設定した態様とすることも可能である。
【0067】
また、上記送信機は、上記IDコードを無線搬送する媒体として電波を用いているが、送信機の他例としては、赤外線や超音波を無線搬送媒体とした態様等とすることも可能である。
【0068】
また、上記実施例では、各送信部40a,40b,40c又は13は、可動部42の動作により自己発電した電力で前記IDコードを含む信号を無線で送信する構成としたが、各送信部の他例としては、可動部の動作により自己発電した電力で前記IDコードを含む信号を有線で送信する構成とすることも可能である。
【0069】
また、上記実施例では、各送信部40a,40b,40c又は13の上記発電機は上記ピニオン部材との間に介在される周知構造のワンウェイクラッチにより一方向へ回転した場合のみ発電するようにしたが、他例としては、前記ワンウェイクラッチを省き、上記付勢部材の付勢力により上記ピニオン部材が逆方向へ回転した場合も上記発電機が発電する構成とすることも可能である。
但し、上記操作体40,40’のように、押しボタンスイッチ(停ボタン43、開ボタン44又は閉ボタン45)に上記発電機が連動する構成とする場合には、前記押しボタンスイッチが押されたときに(すなわち、可動部42が押圧されたときに)上記発電機が発電して信号が送信され、前記押しボタンスイッチを離したとき(すなわち、上記付勢部材により上記ラック部材が可動部42側へ戻されて上記ピニオン部材が逆方向へ回転したとき)には、前記ワンウェイクラッチの介在等により、上記発電機による発電が行われないようにすることが好ましい。
また、前記物体感知手段(可動座板12、揺動部材11c及び第四の送信部13等)と上記発電機が連動する構成にする場合には、前記物体感知手段の利用目的等に応じて、上記実施例のように可動部42の押圧時のみに上記発電機が発電する構成としてもよいし、可動部42の押圧時と押圧解除時の両方で上記発電機が発電する構成としてもよい。
後者の構成とする場合には、前記物体感知手段から前記ワンウェイクラッチを省いて、物体接触により可動座板12が上昇するとともに可動部42が押圧されて上記ピニオン部材が一方向へ回転した場合と、物体離接により可動座板12が下降して上記付勢部材の付勢力により同ピニオン部材が逆方向へ回転した場合との双方の場合で、上記発電機が発電を行うようにすればよい。この場合、各送信部40a,40b,40c又は13の上記送信機から送信される信号のみでは、前記物体接触と前記物体離接を区別することができないが、例えば、上記送信機から送信される信号の順番が奇数番目か偶数番目かを検出することにより前記区別を行う(奇数番目なら物体接触と判断し、偶数番目なら物体離接と判断する)ことができる。なお、前記区別は、例えば制御部23が行うようにすればよい。
また、更なる他例として、上記送信機の送信信号のみで前記区別を行うようにするには、例えば、二つの送信部を設け、これらのうちの一方を可動部42の押圧力に連動する発電によって動作させ、他方を上記付勢部材の付勢力に連動する発電によって動作させるようにすればよい。
【0070】
また、上記実施例では、押しボタンスイッチの操作や、可動座板12の上昇による、開閉体10の制御の一例として、開閉体10を開放、閉鎖又は停止するようにしたが、前記制御の他例としては、開閉体10に光量や空気流通量調整のために所定角度開閉回動する調整板を設けた開閉装置において前記調整板の動作や、上下のスラット間を接近離間させてこれらスラット間の窓部を開閉するようにした開閉装置において前記窓部の開閉動作、モード切替(例えば、初期設定動作モードと通常動作モードとの切替)が行われるようにした開閉装置において前記モード切替を自動的に行う動作等とすることも可能である。
【0071】
また、上記実施例によれば、開閉体10の一例として複数のスラットを連設してなるシャッターカーテンを示したが、この開閉体10の他例としては、単数もしくは複数のパネルや、シート状物、ネット状物を開閉方向へ配設してなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等とすることも可能である。
【0072】
また、上記実施例によれば、収納部20の一例として、開閉体10を巻き取って収納する構成としたが、この収納部20の他例としては、開閉体10を巻き取らずに収納する態様(例えば、オーバーヘッドドア等)とすることも可能である。
【符号の説明】
【0073】
1,2:開閉装置 10:開閉体
11:開閉体本体 11c:揺動部材
12:可動座板 13,13’:第四の送信部
23,23’:制御部 24,24’:受信回路
24a,24b,24c,24d:第一乃至四の受信部
40:操作体 40a,40b,40c:第一乃至三の送信部
41:本体部 42:可動
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8