特許第6083985号(P6083985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6083985
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】服装コーディネート提案システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20170213BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20170213BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06Q30/02 470
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-203743(P2012-203743)
(22)【出願日】2012年9月17日
(65)【公開番号】特開2014-59681(P2014-59681A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】512239790
【氏名又は名称】株式会社カタボー
(74)【代理人】
【識別番号】100154210
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 宏
(72)【発明者】
【氏名】小嶺 順義
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−168887(JP,A)
【文献】 特開2005−134991(JP,A)
【文献】 特開2004−220200(JP,A)
【文献】 特開2010−250754(JP,A)
【文献】 特開2009−076106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
服装アイテムデータベースに格納された服装アイテムを組み合わせた服装コーディネートを提案する服装コーディネート提案システムであって、
時間幅を含む着用日時及び着用場所を特定する着用条件情報を利用者端末から受信し、
前記着用条件情報に基づいて、前記時間幅における最高気温及び最低気温を含む天候情報を求め、
前記服装アイテムデータベースは、前記服装アイテムに関連付けられた温度調整値及び前記服装アイテムの着脱可否に関する情報を保持し、
前記最低気温に対して前記服装コーディネートに含まれる全ての前記服装アイテムの温度調整値を加算した第1の体感温度値が目標の範囲の値であり、前記最高気温に対して前記服装コーディネートに含まれる全ての前記服装アイテム又は全ての前記服装アイテムから着脱可である前記服装アイテムの全部又は一部を除いたものの温度調整値を加算した第2の体感温度値が目標の範囲の値であるような前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させることを特徴とする、服装コーディネート提案システム。
【請求項2】
前記天候情報は天気を含み、
前記服装アイテムデータベースは前記服装アイテムが前記服装コーディネートに含まれるための天気の条件を表すアイテム別天気制約情報を含み、
前記服装アイテムのうち前記天気がそのアイテムに係る前記アイテム別天気制約情報を充足するような前記服装アイテムのみを含むような前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させることを特徴とする、請求項に記載の服装コーディネート提案システム。
【請求項3】
前記服装アイテムを制限するブランド指定情報を前記利用者端末から受信し、
前記服装アイテムデータベースは前記服装アイテムのブランドに関するブランド情報を保持し、
前記服装アイテムのうちそのアイテムに係る前記ブランド情報が前記ブランド指定情報を充足するような前記服装アイテムのみを含むような前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の服装コーディネート提案システム。
【請求項4】
前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させるに際して、前記服飾コーディネートの画像、その服飾コーディネートに含まれる前記服飾アイテムの画像及び前記天候情報を表示させることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の服装コーディネート提案システム。
【請求項5】
前記利用者端末に表示させた前記服装コーディネートついて、その服飾コーディネートに含まれる前記服飾アイテムの全部又は一部である購入服飾アイテムリストを前記利用者端末から受信し、
前記購入服飾アイテムリストに含まれる前記服飾アイテムの全部について、そのアイテムの販売者への注文処理を行うことを特徴とする、請求項に記載の服装コーディネート提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に状況に合わせて服装のコーディネートを示す服装コーディネート提案システムに関する。
【背景技術】
【0002】
洋服店の店員の写真や街頭で撮影された一般の人の写真を、自分の服装の参考にしたいニーズが多く、それらの写真を配信するシステムが存在した。また、服装アイテムを組み合わせて服装コーディネートを提示する服装コーディネート提案システムは、特許文献1に開示されたものその他多数のものが存在した。
【0003】
しかし、従来の服装コーディネート提案システムの多くは、ファッション性の高い服装コーディネートを提示することを目的とし、天気、気温等の気候条件に合わせたに服装コーディネートを提示するものではなかった。
その中で、特許文献2には、各服装アイテムを服装コーディネートに用いるか否かを気候データを用いて決定する服装コーディネート提案システムが開示されている。しかし、特許文献2に開示された服装コーディネート提案システムは、各服装アイテムの採否を気候データによって決定するものであり、服装コーディネート全体として気候条件に合致したものであることが保証されるものではない。
【0004】
服装コーディネートを提示するものではないが、特許文献3には、天気予報を参照して傘が必要か否かや気候条件に合わせた衣類の必要数を提示してくれるシステムが開示されている。しかし、特許文献3に開示されたシステムは、服装コーディネートを具体的に決める参考にはならないものである。
以上のとおり、全体として気候条件に合致した服装コーディネートを提示するような服装コーディネート提案システムは知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−081486号公報
【特許文献2】特開2002−215770号公報
【特許文献3】特開2003−345872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、全体として気候条件に合致した服装コーディネートを提示するような服装コーディネート提案システムを提供することを課題とする。
なお、服装コーディネートのファッション性については、特許文献1等の従来技術によることが可能であり、本発明が解決しようとする課題ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の服装コーディネート提案システムは、
服装アイテムデータベースに格納された服装アイテムを組み合わせた服装コーディネートを提案する服装コーディネート提案システムであって、
着用日時及び着用場所を特定する着用条件情報を利用者端末から受信し、
前記着用条件情報に基づいて天候情報を求め、
前記天候情報は気温を含み、
前記服装アイテムデータベースは前記服装アイテムに関連付けられた温度調整値を保持し、
前記気温に対して前記服装コーディネートに含まれる全ての前記服装アイテムの温度調整値を加算した体感温度値が目標の範囲の値であるような前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させることを特徴とする。
【0008】
温度調整値を用いることが、気候条件のうちの気温に係る課題を解決する。すなわち、各服装アイテムが気温と体感温度との差をどれだけ調整するかを温度調整値とし、服装コーディネート全体としての温度調整値を気温に合わせる。これにより、体感温度値を目標の範囲の値とする。
これにより、例えば気温が低い場合に、厚手のオーバーコートを着用するような服装コーディネートと、ジャケットとセーターを重ね着するような服装コーディネートとを、合わせて提示することが可能となる。服装アイテム毎の採否を気温によって決定するものよりも、服装コーディネート全体として気温に対応できる点で優れている。
【0009】
本発明の服装コーディネート提案システムは、
前記着用日時は時間幅を持ち、
前記天気情報は前記時間幅における最高気温と最低気温を含み、
前記服装アイテムデータベースは前記服装アイテムの着脱可否に関する情報を保持し、
前記最低気温に前記服装コーディネートに含まれる全ての前記服装アイテムの温度調整値を加算した第一の体感温度値が目標の範囲の値であって、前記最高気温に前記服装コーディネートに含まれる全ての前記服装アイテム又は全ての前記服装アイテムから着脱可である前記服装アイテムの全部又は一部を除いたものの温度調整値を加算した第二の体感温度値が目標の範囲の値であるような前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させることを特徴とする。
【0010】
気温の変化が大きい場合に、カーディガン、ジャケット等の着脱可能な服装アイテムによって、気温の変化に対応するような服装コーディネートを提示するものである。
【0011】
本発明の服装コーディネート提案システムは、
前記天候情報は天気を含み、
前記服装アイテムデータベースは前記服装アイテムが前記服装コーディネートに含まれるための天気の条件を表すアイテム別天気制約情報を含み、
前記服装アイテムのうち前記天気がそのアイテムに係る前記アイテム別天気制約情報を充足するような前記服装アイテムのみを含むような前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させることを特徴とする。
【0012】
晴れ、曇り、雨等の天気については、服装アイテム毎の採否を天気によって決定する。例えば、レインコートは天気が雨の場合にのみ使用する、その他服装アイテム毎の採否が適切であるためである。
【0013】
本発明の服装コーディネート提案システムは、
前記服装アイテムを制限するブランド指定情報を前記利用者端末から受信し、
前記服装アイテムデータベースは前記服装アイテムのブランドに関するブランド情報を保持し、
前記服装アイテムのうちそのアイテムに係る前記ブランド情報が前記ブランド指定情報を充足するような前記服装アイテムのみを含むような前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させることを特徴とする。
【0014】
利用者の好みを服装コーディネートに反映させる。利用者の好むブランドを指定して、そのブランドの服装アイテムのみを含むような服装コーディネートを提示する。
なお、ここで「ブランド」は、必ずしも服装アイテムの生産・販売者でなくてもよい。利用者に「ブランド」の定義をさせることもできる。例えば、利用者の好む色彩がある場合には服装アイテムその色彩のものであるか否かを「ブランド」によって区別してもよい。また、利用者が所有している服装アイテムであることを「ブランド」によって示せば、ある日の服装コーディネートについてその日の朝に提示を受けることで、服装アイテムを購入せずに確実に着用できるような服装コーディネートを知ることができる。
【0015】
本発明の服装コーディネート提案システムは、
前記服装コーディネートを前記利用者端末に表示させるに際して、前記服飾コーディネートの画像、その服飾コーディネートに含まれる前記服飾アイテムの画像及び前記天候情報を表示させることを特徴とする。
【0016】
画像を表示させることで、利用者による服装コーディネートの理解が容易になる。また、服装アイテムの画像を合わせて表示させることにより、正しいアイテムを着用することが確実になる。
天候情報を表示させることにより、利用者は表示された服装コーディネートが天候に合わせられていることを容易に理解できる。
【0017】
本発明の服装コーディネート提案システムは、
前記利用者端末に表示させた前記服装コーディネートついて、その服飾コーディネートに含まれる前記服飾アイテムの全部又は一部である購入服飾アイテムリストを前記利用者端末から受信し、
前記購入服飾アイテムリストに含まれる前記服飾アイテムの全部について、そのアイテムの販売者への注文処理を行うことを特徴とする。
【0018】
服装コーディネートの提示を受けた利用者は、その服装コーディネートに含まれる服装アイテムの購入を希望することも多い。利用者は利用者端末を自宅等(アパレル販売店の店頭ではない)で使用すると考えられ、購入のために店に出向くことは必ずしも行わない。昨今はオンラインショップにより自宅の端末から購入することも可能ではあるが、服装コーディネートは複数の生産・販売者による服装アイテムを含む可能性があり、全ての生産・販売者のオンラインショップのためのサイトにアクセスすることが面倒である。また、オンラインショップのためのサイトにアクセスした後に購入する服装アイテムを正しく選択することにも手間がかかってしまう。
服装コーディネート提案システムが服装コーディネートを表示させている画面において購入の注文を行わせることにより、これらの問題が解決する。
服装コーディネート提案システムから容易に注文をすることができるので、アパレル事業者は、服装コーディネート提案システムに自社の商品を含ませて高い広告宣伝効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、気候条件(特に気温)に合致した服装コーディネートを提示するような服装コーディネート提案システムが提供される。
また、本発明の実施形態によって、利用者の好みを反映させた服装コーディネートを提示すること、利用者の理解が容易な形式で服装コーディネートを提示すること、利用者による購入の注文を容易にするとともにアパレル事業者にとって高い広告宣伝効果を得ることという効果を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、服装コーディネート提案システムの利用環境を示す図である。
図2図2は、服装アイテムデータベースの例を示す図である。
図3図3は、利用者端末に表示される入力画面を示す図である。
図4図4は、服装コーディネーションプログラムの処理を示す図である。
図5図5は、利用者端末に表示される出力画面を示す図である。
図6図6は、アイテム購買プログラムの処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の概要を示す実施例1、気温の変動に対応する実施例2及びアイテムの購入を行う実施例3について説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、服装コーディネート提案システムの利用環境を示す図である。服装コーディネート提案システム1がネットワーク5に接続されている。ネットワーク5には、利用者端末2、天気予報サービス3及びオンラインショップ4も接続されている。ここで、ネットワーク5は、インターネットであっても、携帯電話通信回線であっても、これらを複合したものであってもよい。例えば、天気予報サービス3及びオンラインショップ4がインターネット上のサービスであり、利用者端末2がスマートフォンである場合には、ネットワーク5は、インターネットと携帯電話通信回線を複合したものとなる。
服装コーディネート提案システム1は、服装コーディネーションプログラム11、アイテム購買プログラム12及び服装アイテムデータベース13を備えている。服装コーディネーションプログラム11及びアイテム購買プログラム12は、服装アイテムデータベース13を参照しつつ動作する。
【0023】
図2は、服装アイテムデータベースの例を示す図である。多数の服装アイテムのデータが保持されている。服装アイテムはそれに関連付けられたカラー、ブランド、温度調整値、着脱可否及び天気制約情報を有する。天気制約情報が空欄のものは、いかなる天気においても着用できることを示す。なお、情報の具体的な形式は図2の形式でなくてもよい。例えば、温度調整値が「5」で着脱可否が「可」であることに替えて、「5度の気温変動に対応する」旨を表すデータ(例えば、「気温変動対応値」としてのデータ「5」)を保持してもよい。
なお、図ではスカートを除くスラックス、ジャケット等について、各1アイテムずつを表示しているが、実際はそれぞれ多数のアイテムのデータが保持されている。
【0024】
図3は、利用者端末に表示される入力画面を示す図である。入力画面21には、着用場所設定部211、性別・シチュエーション設定部212、着用日時設定部213及びブランド選択部214が設けられている。利用者は、コーディネートの情報を得たい着用場所、性別、シチュエーション及び着用日時を指定し、希望に応じてブランドを選択して、情報を服装コーディネート提案システム1に送信する。
着用場所及び性別の情報について、利用者による事前登録などによって決定し、コーディネートを要求する際には入力を求めないこととしてもよい。
着用日時設定部について、図には特定の1日を設定するものが示されているが、2日以上を指定させてもよく、また開始時刻と終了時刻の形式で「いつからいつまで」の時間を設定させてもよい。
ブランド選択部について、図には服装アイテムの生産・販売者であるブランドを表示しているが、好みの色、自分が所有しているアイテム、その他のブランドを利用者が自ら設定できるようにし、その設定の結果を表示してもよい。
【0025】
利用者端末から送信された情報は、服装コーディネーションプログラム11によって処理される。図4は、服装コーディネーションプログラムの処理を示す図である。図の下部に処理の分岐があるが、本実施例においては、図の左側のほうに分岐する。以下、図に示す処理に沿って説明する。
服装コーディネーションプログラム11は、着用場所及び着用日時である着用条件情報、ブランド指定情報、性別・シチュエーションを含む利用者情報を受信した後、その着用条件情報の着用場所・着用日時についての天気予報を天気予報サービス3から取得する。取得された天気予報には、天気及び気温が含まれている。
【0026】
服装コーディネーションプログラム11は、体感温度値について、冬季(12月〜2月)には25℃、春季(3月〜5月)及び秋季(9月〜11月)には28℃、夏季には30℃(ただし気温が27℃よりも高い場合には気温に3℃を加算した温度)を目標として、この目標と2℃を超える差がないようにする。着用日が10月1日であるので、体感温度値の範囲は26℃〜30℃である。なお、体感温度値の目標及び許容する差については、この通りでなくてもよく、適宜に設定してよい。
いま、天気予報に含まれる気温が18℃であったとする。上記の体感温度値の範囲との差である8℃〜12℃がコーディネート全体の温度調整値の目標の範囲となる。
【0027】
服装コーディネーションプログラム11は、服装コーディネートに含まれる全ての服装アイテムの温度調整値の合計が8℃〜12℃であるように、全ての服装アイテムのアイテム別天気制約情報が天気予報に含まれる天気に対して充足されるように(例えば天気が晴天である場合には天気制約情報が「雨天」であるレインコートを含まないように)、かつ、全ての服装アイテムが受信したブランド指定情報を充足するようにして、服装コーディネーション(服装コーディネートを構成する処理)を実行する。アイテム別天気制約情報及びブランド指定情報に係る処理は条件を充足しないような服装アイテムを除外するものであり、容易に実行できる処理である。
ここで、服装コーディネーションの実行は、受信したシチュエーションに合うような服装アイテムを、カラー等が服装コーディネート全体としてファッション性が高いものとなるようにして選択するものである。かかる選択は従来から知られた手法によって行うことができる。
【0028】
服装コーディネートに含まれる全ての服装アイテムの温度調整値の合計を目標の範囲とする処理は、服装アイテム毎の除外ではなく、服装コーディネート全体を制約する。これを実現するために、温度調整値を考慮せずに服装コーディネートを実行した後、各々の服装コーディネートに含まれる全ての服装アイテムの温度調整値の合計を計算し、それが目標の範囲にない服装コーディネートを除外する。
なお、服装コーディネーションの実行中に温度調整値を処理する(例えばアイテムの一部を選択した時点で温度調整値の合計が目標の範囲を超えた場合には爾後の処理を行わない)ことも可能である。
【0029】
服装コーディネーションプログラム11は、構成された服装コーディネートを利用者端末2に表示させる。図5は、利用者端末に表示される出力画面を示す図である。コーディネート表示221、アイテム表示222及び天候情報表示224が含まれ、利用者にとってわかりやすいものとなっている。
図5には、ジャケット、ワンピース、ブーツおよびネックレスからなる服装コーディネートが表示されている。図2によればこの服装コーディネートに含まれる全ての服装アイテムの温度調整値の合計は12℃であり、目標の範囲内のものである。
表示に当たっては、複数の服装コーディネートの表示順序が問題となるが、過去の表示回数の少ないものを優先する、全ての服装アイテムの温度調整値の合計を目標の範囲の中央値に近いものを優先する、その他の設計が可能である。
【実施例2】
【0030】
本実施例は、天気予報に最高気温と最低気温が含まれる場合の処理を示すものである。図4の下部にある処理の分岐において図の右側のほうに分岐するものである。この分岐以外の部分は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0031】
天気予報に、最低気温15℃及び最高気温22℃が含まれていたとする。服装コーディネーションプログラム11は、最低気温に対して実施例1と同様の処理を行う。
コーディネート全体の温度調整値の目標の範囲は、9℃〜13℃となる。図5に示された服装コーディネートに含まれる全ての服装アイテムの温度調整値の合計は12℃であり、目標の範囲内のものである。
【0032】
服装コーディネーションプログラム11は、最高気温に対する温度調整値の目標の範囲を求める。温度調整値の目標の範囲は、2℃〜6℃となる。
服装コーディネーションプログラム11は、全ての服装アイテムの温度調整値の合計値が最低気温に対する温度調整値の目標の範囲となるような服装コーディネートについて、それ自身又は「着脱可」であるようなアイテムを除いたものによって、最高気温に対する温度調整値の目標の範囲とできるか否かを確認する。例えば、図5に示された服装コーディネートについては、ジャケットを除いた服装アイテムの温度調整値の合計値が4℃であり、この確認が肯定的に終了する。確認が否定的に終了した服装コーディネートについては、利用者端末2に表示させるものから除外する。
【0033】
本実施例では、最高気温と最低気温の差が7℃あり、温度調整値の目標が4℃の幅なので、1つの服装コーディネートによって最高気温と最低気温の両方に対応することができない。このような場合においても「着脱可」の服装アイテムによって気温差の調整が可能となる。
なお、利用者端末2には、着脱可の服装アイテムを含んだ全アイテムの服装コーディネートを表示させる。
【実施例3】
【0034】
本実施例は、利用者が表示されたアイテムの購入を行うものであり、実施例1又は2において図5に示された出力画面が表示された後の処理に関するものである。
【0035】
図5に示した画面において、利用者は、購入を希望するアイテム表示222に触れてアイテムを選択する(選択された状態における表示は図示しない)又は全部購入ボタンに触れることにより、購入を希望するアイテムを選択し、それを購入服飾アイテムリストとして送信することができる。
【0036】
利用者端末から送信された購入服飾アイテムリストは、アイテム購買プログラム12によって処理される。図6は、アイテム購買プログラムの処理を示す図である。
アイテム購買プログラム12は、購入服飾アイテムリストを受信し、服装アイテムデータベース13を参照して各アイテムの販売者を求め、その販売者のオンラインショップ4に購入の注文を行う。
特に、購入服飾アイテムリストに複数の販売者によるアイテムが含まれる場合に、利用者とって便利なものである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
気候条件(特に気温)に合致した服装コーディネートを提示するような服装コーディネート提案システムであり、多くの個人及びアパレル事業者による利用が考えられる。
【符号の説明】
【0038】
1 服装コーディネート提案システム
11 服装コーディネーションプログラム
12 アイテム購買プログラム
13 服装アイテムデータベース
2 利用者端末
21 入力画面
211 着用場所設定部
212 性別・シチュエーション設定部
213 着用日時設定部
214 ブランド選択部
22 コーディネート表示画面
221 コーディネート表示
222 アイテム表示
223 全部購入ボタン
224 天候情報表示
3 天気予報サービス
4 オンラインショップ
5 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6