特許第6084077号(P6084077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084077
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】自家発電システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04858 20160101AFI20170213BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20170213BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20170213BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20170213BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20170213BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20170213BHJP
【FI】
   H01M8/04 P
   H01M8/00 Z
   H01M8/04 Z
   H01M8/04 Y
   !H01M8/12
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-50498(P2013-50498)
(22)【出願日】2013年3月13日
(65)【公開番号】特開2014-179169(P2014-179169A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】上野 太輔
【審査官】 武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−017161(JP,A)
【文献】 特開2013−041723(JP,A)
【文献】 特開2002−034161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/24
H01J 1/00−1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性のガスを燃料として用いることにより発電する燃料電池と、
太陽光を受けて発電する太陽光発電手段と、
外部から天気予報の情報を取得する通信手段と、
前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間及び前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間と前記天気予報の情報とに基づいて前記燃料電池を停止する時期を決定するための条件を規定した停止条件テーブルを記憶する記憶手段と、
前記通信手段が取得した天気予報の情報と前記記憶手段が記憶した前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間と前記停止条件テーブルとに基づいて、前記太陽光発電手段による発電が可能な時期を前記燃料電池の作動を停止する時期として決定し、該決定した時期に前記燃料電池の作動を停止する制御手段と、
を備えた自家発電システム。
【請求項2】
前記停止条件テーブルは、前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間が所定の期間以内の場合は、前記天気予報の情報にかかわらず前記燃料電池の作動を継続することを規定し、前記所定の期間を経過した後は、前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間と前記天気予報の情報とに基づいて前記燃料電池を停止する時期を決定するための条件を規定した請求項に記載の自家発電システム。
【請求項3】
前記天気予報の情報は、当日及び翌日の降水確率である請求項1又は2に記載の自家発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅に電力を供給する燃料電池を制御する自家発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)は燃料電池の中でも高い発電効率を有するが、安定的に発電するには燃料電池の動作温度が700〜1000℃に達する必要がある。したがって、燃料電池を停止させて温度が低下した後に燃料電池を再起動した場合は動作温度が安定した発電が可能な域に達するまでに時間がかかる。
【0003】
このようなSOFCの特性から、SOFCによって自家発電と給湯が可能なエネファーム(登録商標)では、いったん装置を作動させたら、燃料である都市ガス又はLPG(液化石油ガス)の供給が続く限り装置の作動を継続することが一般的である。また、太陽光発電装置によって燃料電池の発電能力を補填することも行われている。
【0004】
例えば、特許文献1では、燃料電池と太陽光発電装置を備える建物でのエネルギー需要に応じて、燃料電池および太陽光発電装置の出力比を調整する自家発電システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−034161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、住宅に供給されるガスを制御するガスメータは、所定の時間以上連続したガスの供給を検知すると、ガス漏れなどの異常事態の蓋然性があるとして住宅へのガスの供給を遮断する制御を行う。高温で作動中のSOFCはガスの供給が突然断たれると装置の故障等の障害を発生させるおそれがあるので、ガスメータによってガスの供給が中断される前にSOFCを停止する必要がある。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、燃料電池を停止する時期に特段の配慮をしていないので、曇天若しくは雨天等の場合又は夜間に燃料電池を停止することがあり、燃料電池の停止による電力供給の不足を太陽光発電装置で補填できないという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、停止時に太陽光発電による電力の補填が可能な自家発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、可燃性のガスを燃料として用いることにより発電する燃料電池と、太陽光を受けて発電する太陽光発電手段と、外部から天気予報の情報を取得する通信手段と、前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間及び前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間と前記天気予報の情報とに基づいて前記燃料電池を停止する時期を決定するための条件を規定した停止条件テーブルを記憶する記憶手段と、前記通信手段が取得した天気予報の情報と前記記憶手段が記憶した前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間と前記停止条件テーブルとに基づいて、前記太陽光発電手段による発電が可能な時期を前記燃料電池の作動を停止する時期として決定し、該決定した時期に前記燃料電池の作動を停止する制御手段と、を備える。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、取得した天気予報の情報と燃料電池が作動を開始した時からの経過時間と燃料電池を停止する時期を決定するための条件を規定した停止条件テーブルとに基づいて、太陽光発電手段による発電が可能な時期を燃料電池を停止する時期として決定することができる。
【0013】
請求項発明は、請求項に記載の発明において、前記停止条件テーブルは、前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間が所定の期間以内の場合は、前記天気予報の情報にかかわらず前記燃料電池の作動を継続することを規定し、前記所定の期間を経過した後は、前記燃料電池が作動を開始した時からの経過時間と前記天気予報の情報とに基づいて前記燃料電池を停止する時期を決定するための条件を規定している。
【0014】
請求項に記載の発明によれば、停止条件テーブルにおいて、燃料電池が作動を開始した時からの経過時間が所定の期間以内の場合は、天気予報の情報にかかわらず燃料電池の作動を継続することを規定しているので、燃料電池が作動を開始してから過早な時期での燃料電池の停止を抑止できる。
【0015】
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記天気予報の情報は、当日及び翌日の降水確率である。
【0016】
請求項に記載の発明によれば、降水確率の情報に基づいて、太陽光発電手段による発電が可能な時期を燃料電池を停止する時期として決定することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、取得した天気予報の情報と燃料電池が作動を開始した時からの経過時間と燃料電池を停止する時期を決定するための条件を規定した停止条件テーブルとに基づいて、太陽光発電手段による発電が可能な時期を燃料電池を停止する時期として決定することにより、停止時に太陽光発電による電力の補填が可能になるという効果を有する。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、停止条件テーブルにおいて、燃料電池が作動を開始した時からの経過時間が所定の期間以内の場合は、天気予報の情報にかかわらず燃料電池の作動を継続することを規定しているので、燃料電池が作動を開始してから過早な時期での燃料電池の停止を抑止できるという効果を有する。
【0020】
請求項に記載の発明によれば、降水確率の情報に基づいて、太陽光発電手段による発電が可能な時期を燃料電池を停止する時期として決定することができるので、停止時に太陽光発電による電力の補填が可能になるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に係る自家発電システムの一例を示す概略図である。
図2】本発明の実施の形態に係る自家発電システムにおけるHEMSの概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る自家発電システムにおけるHEMSの処理の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態に係る自家発電システムの停止条件テーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係る自家発電システムの停止予定日通知の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る自家発電システムの一例を示す概略図である。
【0023】
本実施の形態では、系統電力12からの電力が、主幹ブレーカー100を介して住宅10の分電盤14に供給されている。
【0024】
主幹ブレーカー100の系統電力側には、系統電力12から供給される電力の電流値を検知する主幹ブレーカー電流センサ120が設けられている。
【0025】
分電盤14には、系統電力12とは別に自家発電装置である太陽光発電装置16からの電力が太陽光発電用ブレーカー102を介して供給されている。太陽光発電装置16には、太陽光発電装置の発電量を計測すると共に、建物内のエネルギーの管理や制御を行うHEMS(Home Energy Management System)30によって制御される太陽光発電制御装置18が設けられている。
【0026】
太陽光発電制御装置18には、太陽電池パネルが発電した直流を分電盤14から家電機器32に供給される交流(例えば、100V、50Hz)に変換可能なインバータ等の変換手段が設けられている。
【0027】
太陽光発電用ブレーカー102の分電盤側には、太陽光発電装置16から供給される電力の電流値を検知する太陽光発電用ブレーカー電流センサ122が設けられている。
【0028】
また、分電盤14には、SOFC70が発電した電力が燃料電池用ブレーカー104を介して供給されている。SOFC70から分電盤14に供給される電力の電流値は燃料電池電流センサ124によって検知可能である。
【0029】
SOFC70には、SOFC70が発電した直流を分電盤14から家電機器32に供給される交流(例えば、100V、50Hz)に変換可能なインバータ等の変換手段(図示せず)が設けられている。
【0030】
SOFC70には、燃料である可燃性のガスが供給されている。また、SOFC70が発電の廃熱で水道水を加熱するエネファーム(登録商標)の場合には、水道水も供給される。供給された水道水はSOFC70が作動した時に発生した熱で加熱され、貯湯タンク72に蓄えられる。また、ガスは調理器具等のガス器具78にも供給されており、SOFC70及びガス器具78はHEMS30によって制御可能である。
【0031】
系統電力12及びSOFC70から分電盤14に供給された電力は、電力負荷手段である家電機器32及び住設機器34に分岐回路20B、20Cを介して各々供給される。なお、分岐回路20Aは、SOFC70を起動させる電力を供給するためのものである。
【0032】
分岐回路20A〜20Cには分岐回路20A〜20Cの電流値を計測する電流センサ22A〜22Cが各々設けられている。電流センサ22A〜22Cからの情報線は、主幹ブレーカー電流センサ120及び燃料電池電流センサ124からの情報線とHEMS30が分電盤14を制御するための情報線と共にHEMS30に接続されている。なお、図1において破線は計測データ又は制御情報が流れる情報線であるとする。
【0033】
分電盤14の分岐回路20A〜20Cには、分岐回路20A〜20Cをオン状態又はオフ状態に切り替えるための分岐ブレーカー24A〜24Cが各々設けられ、分岐ブレーカー24A〜24Cは、HEMS30によって制御される。
【0034】
なお、図1では、記載の簡略化のために分岐回路は3系統のみ記載しているが、本実施の形態では3系統以上でも3系統以下でもよく、分岐回路の本数に特段の限定はない。
【0035】
また、HEMS30は、SOFC70等に供給されるガスの流量を計測するガスメータ132及び水道の流量を計測する水道メータ130と接続されており、ガスの流量及び水道の流量の情報を取得可能である。また、ガスメータ132から下流側のガスの供給路には、ガスメータ132から指令によって開閉が可能な電磁弁134が設けられている。ガスメータ132は、長期間ガスが使用され続けているような場合に、電磁弁134を制御してSOFC70及びガス器具78へのガスの供給を停止する。
【0036】
HEMS30にはインターネット等のネットワーク80のゲートウェイである終端装置56が接続されている。HEMS30は、終端装置56とネットワーク80とを介して、気象情報サーバ90と通信可能であり、さらには終端装置56とネットワーク80とを介して気象情報サーバ90から天気予報等の気象情報を取得可能であるとする。
【0037】
気象情報サーバ90は、気象庁等の気象情報を扱う機関に設置されたサーバであり、ネットワーク80を介して天気予報等の気象情報を配信する。
【0038】
図2は、本実施の形態に係る自家発電システムに係るHEMS30の概略構成を示すブロック図である。
【0039】
HEMS30は、コンピュータを含んで構成されており、図2に示すように、CPU36、ROM38、RAM40、及び入出力ポート42を備えて、これらがアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス44を介して互いに接続されている。
【0040】
入出力ポート42には、各種入出力機器として、表示部46、操作部48、及びメモリ50が接続されている。なお、表示部46及び操作部48は一体で構成され、操作部48は、表示部46に設けられたタッチパネルを適用することができる。
【0041】
表示部46には、家電機器32等の電力負荷手段の消費電力量、水道メータ130が検知した水道水の供給量、ガスメータ132が検知したガスの供給量、SOFC70による発電量、太陽光発電装置16による発電量、ガスメータ132がガスの供給を停止する時等が表示可能である。一般にガスメータ132は、ガスが予め定められた期間以上連続して供給されている場合にガスの供給を停止するので、本実施の形態では、ガスの供給が開始された時から予め定められた期間後の時間をガスメータ132がガスの供給を停止する時とし、表示部46に表示する。なお、予め定められた期間はガスメータ132の仕様によるが、多くの場合30日である。
【0042】
また、ガスメータ132は、SOFC70等によってガスが所定の時間以上消費されない場合には、ガスを連続して供給した時間の記録をリセットすると共に、記録をリセットをしたことを示すリセット信号を出力する。
【0043】
家電機器32の消費電力量は電流センサ22Bが検知した電流値から、住設機器34の消費電力は電流センサ22Cが検知した電流値から算出可能である。また、SOFC70の発電量は、燃料電池電流センサ124が検知した電流値に基づいて算出可能である。
【0044】
分電盤14から電力負荷手段に供給される電力及びSOFC70から供給される電力の電圧は略100Vなので、本実施の形態では各電流センサが検知した電流値に100を乗算することで、電力量を算出可能である。しかしながら、電圧の変動が大きい分岐回路では、別途電圧を測定する手段を設けてもよい。
【0045】
メモリ50には、分岐ブレーカー24A〜24Cを制御するプログラム、SOFC70を制御するプログラム及びこれらのプログラムを実行するための各種情報等並びにSOFC70が作動を開始した時からの経過時間と天気予報の情報とに基づいてSOFC70を停止する時期を決定するための条件を規定した停止条件テーブルが記憶されている。また、メモリ50は、リセット信号を受信してSOFC70が作動を開始した時からの経過時間を記憶する。本実施の形態では、リセット信号の受信直後にSOFC70を作動させるので、記憶する経過時間は、リセット信号を受信した時からの経過時間でもよいし、リセット信号を受信後にSOFC70が実際に作動を開始した時からの経過時間でもよい。前者の場合はリセット信号を、後者の場合はSOFC70から作動を開始したことを示す信号を、各々HEMS30が受信したことを経過時間の記憶開始の契機とする。
【0046】
HEMS30は、メモリ50に記憶されたプログラムをRAM40等に展開してCPU36で実行することにより、住宅10へ供給する電力の制御等の各種制御を行うようになっている。
【0047】
さらに、入出力ポート42には、分電盤14、SOFC70、終端装置56、ガス器具78、水道メータ130及びガスメータ132等が接続されている。
【0048】
続いて、本実施の形態に係るHEMS30の制御について説明する。図3は、本実施の形態に係る自家発電システムにおけるHEMSの処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
ステップ300では、気象情報サーバ90から天気予報の情報を取得する時間か否かが判定され、肯定判定の場合は、ステップ302で天気予報の情報をネットワーク80を介して取得する。天気予報の情報を取得する時間は任意に設定できるが、例えば、気象庁は毎日5時、11時、17時及び23時に天気予報の情報を更新するので、1日のうち、これらの時間の少なくともいずれか1つで天気予報の情報を取得する。本実施の形態では、毎日5時に天気予報の情報を気象情報サーバ90から取得するものとする。本実施の形態で取得する天気予報の情報は、一例として当日と翌日の降水確率である。
【0050】
ステップ304では、取得した天気予報の情報とメモリ50が記憶したSOFC70が作動を開始した時からの経過時間とが停止条件テーブルに記載の要件を充足するか否かを判定する。停止条件テーブルとは、太陽光発電装置による電力の供給が可能となることでSOFC70を停止できる時期の要件を記載した表である。図4は、本実施の形態に係る自家発電システムの停止条件テーブルの一例を示す図である。
【0051】
本実施の形態に係るSOFC70は、一例として、ガスメータ132からリセット信号が発信されて作動を開始してから26日間連続して作動した場合には、天気予報の内容いかんにかかわらず停止する。また、リセット信号が発信されてから所定の期間、例えば19日が経過するまでは、天気予報の内容いかんにかかわらず、SOFC70を停止しない。リセット信号が発信されてから19日が経過した直後から所定の日数の間は取得した天気予報の降水確率が0%の場合にSOFC70を停止する。以後、リセット信号が発信されてから26日が経過するまでの間を段階的に場合分けし、リセット信号が発信されてから26日に近づくにつれて、高い降水確率でもSOFC70を停止させる。
【0052】
図4では、リセット信号が発信されてから20〜22日では、当日と翌日の降水確率が0%の場合にSOFC70を停止する。また、リセット信号が発信されてから23〜24日では、当日と翌日の降水確率が30%以下の場合にSOFC70を停止する。リセット信号が発信されてから25日の場合には、当日の降水確率が翌日の降水確率よりも低い場合であればSOFC70を停止する。
【0053】
ステップ304で肯定判定の場合には、ステップ306でSOFC70を停止する時期である停止時間か否かが判定される。最新の天気予報の情報を迅速に活かすために、天気予報の情報を取得し、取得した天気予報の情報が停止条件テーブルの要件を充足することが判明したら、早めにSOFC70の停止処理に移行した方がよい。本実施の形態では、一例として、天気予報の情報を取得してから1時間後をSOFC70の停止時間とする。ステップ306で肯定判定の場合は、ステップ308でSOFC70に停止の指示を送信する。
【0054】
ステップ308でSOFC70に停止の指示を送信する場合には、住宅10内のガス器具78も使用できないように制御する。ガスメータ132は、SOFC70以外にもガスを消費している器具があれば、住宅10内でガスが消費され続けていると認識するからである。ガス器具78を使用禁止にする時間は、ガスメータ132の仕様にもよるが、本実施の形態では1時間とする。
【0055】
ステップ310では、SOFC70が停止したか否かが判定される。SOFC70が停止状態か否かは、一例として、燃料電池電流センサ124がSOFC70の発電に係る電流を検知せず、かつSOFC70の温度が低下傾向を示すことによって判定できる。また、燃料電池電流センサ124がSOFC70の発電に係る電流を検知せず、かつSOFC70が消費するガスが検知されない場合をSOFC70が停止状態にあると判定してもよい。
【0056】
ステップ310で肯定判定の場合は、ステップ312でガスメータ132からリセット信号を受信したか否が判定され、肯定判定の場合はSOFC70の再起動を指示し、処理を終了する。なお、SOFC70は、いったん冷間停止すると、リセット信号を受信したことを契機として作動を開始しても作動に適した温度に達するまで時間がかかる。一例として、ステップ308の停止の指示から発電が可能になるまで略24時間ほどを要する。
【0057】
なお、ステップ304で否定判定の場合は、手順をステップ300まで戻し、次の天気予報情報取得の時間において取得した天気予報の情報が停止条件テーブルの要件を充足するか否かを判定する。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、取得した天気予報の情報が停止条件テーブルの要件を充足するか否かを判定することにより、SOFC70の停止時に太陽光発電装置16による電力の補填が可能となる。
【0059】
なお、図4に示した停止条件テーブルは一例であり、季節又は住宅10が建てられている地域の気候によって変わり得る。例えば、晴天が少ない梅雨又は秋雨の時期には、SOFC70を停止する条件を緩和することが考えられる。
【0060】
一例として、梅雨又は秋雨の時期には、リセット信号が発信されてから26日間連続して作動した場合には、図4の場合と同様に天気予報の内容いかんにかかわらずSOFC70を停止する。また、リセット信号が発信されてから19日が経過するまでは、図4の場合と同様にSOFC70を停止しないが、リセット信号が発信されてから20〜22日では、当日と翌日の降水確率が10%以下の場合にSOFC70を停止する。また、リセット信号が発信されてから23〜24日では、当日と翌日の降水確率が40%以下の場合にSOFC70を停止する。リセット信号が発信されてから25日の場合には、当日の降水確率が翌日の降水確率よりも低い場合であればSOFC70を停止するようにしてもよい。
【0061】
冬季に雨や雪が多くなるわが国の日本海側の地域において、本実施の形態に係る自家発電システムを運用する場合も、上述の梅雨又は秋雨の時期の場合のように、SOFC70を停止する条件を緩和することが考えられる。
【0062】
逆に、乾燥した晴天が続く夏季の南日本では、SOFC70を停止する条件をより厳格に設定してもよい。
【0063】
一例として、夏季の南日本では、リセット信号が発信されてから26日間連続して作動した場合には、図4の場合と同様に天気予報の内容いかんにかかわらずSOFC70を停止する。また、リセット信号が発信されてから19日が経過するまでは、図4の場合と同様にSOFC70を停止しないが、リセット信号が発信されてから20〜22日では、当日と翌日の降水確率が0%の場合にSOFC70を停止する。また、リセット信号が発信されてから23〜24日では、当日と翌日の降水確率が20%以下の場合にSOFC70を停止する。リセット信号が発信されてから25日の場合には、当日の降水確率が翌日の降水確率よりも低い場合であればSOFC70を停止するようにしてもよい。
【0064】
さらには天気予報の情報を当日及び翌日において時間帯別に取得可能であれば、太陽光発電が可能となる昼間の時間帯の降水確率が停止条件テーブルに記載の要件を充足するか否かを判定してもよい。かかる判定により、夕方から夜間にかけて驟雨に見舞われやすい夏季においても、SOFC70を停止する時期を決定することが可能となる。
【0065】
また、本実施の形態では、図3のステップ306、307に示したように、SOFC70を停止する時間になったら、ユーザには予告なしにSOFC70を停止することが前提となっている。本実施の形態では、SOFC70が停止しても、太陽光発電装置16による電力の補填がなされるので、SOFC70を停止することを事前にユーザに通知する必要性に乏しいからである。また、技術的な知見に明るいとは言えない一般ユーザは、住宅10に必要な電力が自家発電で十分に賄われていのであれば、その電力がSOFC70又は太陽光発電装置のいずれによるものであろうと頓着しないと考えられるからである。
【0066】
しかしながら、本実施の形態では、ユーザにSOFC70を停止する予定日を通知するようにしてもよい。図5は、本実施の形態に係る自家発電システムの停止予定日通知の処理の一例を示すフローチャートである。
【0067】
ステップ500では、気象情報サーバ90から天気予報の情報を取得する時間か否かが判定され、肯定判定の場合は、ステップ502で一週間の天気予報である週間天気予報の情報をネットワーク80を介して取得する。
【0068】
ステップ504では、取得した週間天気予報の情報から停止条件テーブルの要件を充足する日を抽出し、ステップ506では、抽出した日をSOFC70を停止する予定日としてHEMS30の表示部46に表示して処理を終了する。
【0069】
図5に示した処理は、ユーザにSOFC70を停止する予定日を通知するためのものであって、図3に示したSOFC70の停止及び再起動の処理とは独立別個のものである。本実施の形態では、図5の処理が行われても、SOFC70の停止及び再起動の処理は図3に示した手順で行われる。
【符号の説明】
【0070】
10 住宅
16 太陽光発電装置
36 CPU
38 ROM
40 RAM
46 表示部
48 操作部
50 メモリ
70 SOFC
80 ネットワーク
90 気象情報サーバ
図1
図2
図3
図4
図5