(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記掛金部材が前記フックの先端に係合する位置において、前記所定部材を挟んで、前記ベース側に前記係合部が位置し、反対側に前記当接部が位置することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のロック装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明を実施するための好ましい実施形態の一例を説明する。
【0016】
前記所定部材は、前記ベース側に直接又は間接的に揺動自在に接続され、前記掛金部材が前記フックに係合した状態で該掛金部材と前記ベースの間で挟持されるストッパである。ストッパを用いた間接ロックにより、掛金部材から離れた位置で被ロック部材をロックすることができ、又、被ロック部材に延長部を取り付けずに被ロック部材をロックすることも可能となる。
【0017】
或いは、前記所定部材は、被ロック部材であって、該被ロック部材は前記掛金部材と前記ベースの間で挟持される。このように、被ロック部材は、ストッパを用いず直接的にロックされてもよい。掛金部材とベースの間で挟持される部分は、被ロック部材の本体部であってもよく、被ロック部材の延長部若しくは被ロック部材に取り付けられた部品であってもよい。
【0018】
前記ハンドルは、前記ストッパを介して前記ベース側に揺動自在に接続される。ハンドルをストッパに連結することにより、ハンドル操作とストッパ動作を連動させることができる。なお、ハンドルを、ベース側に直接枢着してもよく、又、ストッパ以外の揺動部材に揺動自在に接続してもよい。
【0019】
前記掛金部材は、前記ハンドルにスライド自在な枢軸を介して揺動自在に接続され、前記フックに係合した状態で解除可能にロックされる。掛金部材の枢軸がスライド可能なことにより、掛金部材のロックが確実にできる。なお、このような枢軸のスライド機構は、ハンドル又はストッパに設けることもできる。
【0020】
前記掛金部材は、前記フックが挿通する窓部と、前記窓部を囲む枠部と、を備え、前記枠部の先端側に前記係合部が配置され、該枠部の前記枢軸側に前記当接部が配置される。当接部が係合部よりも掛金部材の動作半径方向内側に配置されることによって、掛金部材がコンパクトになり、エビ型ロック装置の薄型化に貢献する。
【0021】
前記当接部および前記所定部材(被ロック部材ないしストッパ)の該当接部と対向する部分の少なくともいずれか一方に、他方に向かって突出する部分が設けられる。すなわち、突出部は、掛金部材、所定部材、又は、掛金部材と所定部材の両方に設けることができる。
【0022】
前記掛金部材が前記フックの先端に係合する位置において、前記所定部材を挟んで、前記ベース側に前記係合部が位置し、反対側に前記当接部が位置する。この形態によれば、当接部によって係合部の強度が向上される。
【0023】
被ロック部材がベース側に枢支されたウイング、アオリ又は中柱である場合、これらの被ロック部材と一体の部分、例えば、被ロック部材の端部又は該端部に設けられた延長部、例えば、掛金受又は舌片を、所定部材として用いることができる。或いは、被ロック部材の本体を所定部材としてもよい。或いは、ストッパが所定部材となり、ストッパを介して被ロック部材が、掛金部材とベース側との間でロックされてもよい。
【0024】
ストッパは、被ロック部材と別に揺動することができる。また、ストッパは、被ロック部材と一体に揺動してもよい。例えば、被ロック部材に掛金受又は延長部を取り付けることが可能な場合、掛金受ないし延長部が、被ロック部材と一体に揺動するストッパとなることができる。一方、被ロック部材に掛金受又は延長部を取り付けることが望ましくない場合、ストッパを介して被ロック部材をロックすればよい。
【0025】
フックが直接又は間接的に設置されるベースは、固定されていても、解除可能に固定されていてもよい。例えば、エビ型ロック装置をウイング車に適用する場合、フックは、ボディないし車台に揺動およびロック自在に接続されるアオリに、若しくは、分割アオリの中間に配置されボディないし車台に揺動およびロック自在に接続される中柱、又は、門柱ないしフレームに形成される。フックは、横方向又は縦方向に複数配列されてもよい。
【0026】
ハンドルは、ベース側に揺動自在に接続することができる。また、ハンドルは、ベース側に揺動自在に接続された部材、例えば、ストッパに揺動自在に接続することができる。
【0027】
掛金部材は、スライダリンク機構を介して、ハンドルに揺動自在に接続されることができ、このスライダに作用するばね力によって、掛金部材とフックの係合状態ないしハンドルのロック状態が保持されることができる。
【0028】
掛金部材において、係合部はロック時にフックに掛けられる部分であり、当接部はロック時に所定部材に当接して、所定部材ないし被ロック部材をベース側に押し込むための部分である。当接部は、ピン又はコロなどの、相手との摩擦を軽減する部材から構成することができる。また、当接部が当接する被当接部は、力の方向を最適化するため、斜面や曲面であってもよい。
【0029】
ベースが揺動ないし回動自在に固定される可動部材、例えば、アオリ又は中柱である場合には、ハンドルに、アオリを垂下した際に、ハンドルがアオリに対して開かないよう、ハンドルの枢軸にねじりコイルバネを装着し、ハンドル等をアオリ側に付勢することができる。ストッパの枢軸にも、同様の目的で、ねじりコイルバネを装着することができる。
【0030】
ストッパの基端ないし枢軸付近に、ストッパの最大開度を規定する回り止めを形成することができる。ハンドル又は掛金部材に、同様の回り止めを形成してもよい。
【0031】
実施形態のエビ型ロック装置には、上述の特許文献又はその他の公知文献に開示された各種の機構を組み込むこと、又は、各種部材を適用することができる。下記に、それらの一部を例示する:
(1)特許文献1の
図4に開示されたような、掛金部材とハンドルの間で作用するばね機構、ハンドルの中間部に設けられねじりコイルバネを用いてハンドルをベース側にラッチする機構;
(2)特許文献2の
図1に開示されたような、ウイング端部に取り付けられた延長部ないし舌辺;
(3)特許文献3の
図2に開示されたような、ハンドルのストッパに対する枢軸に装着されたねじりコイルバネ。ロック解除時、ハンドルは、ねじりコイルバネのバネ力を受けて、ストッパと共に垂下した状態を維持することができる;
(4)特許文献4の
図3に開示されたような、ハンドル内部に装填され、ベース側の別のフックにラッチされて、ハンドルをベース側にロックするばねロッド機構、ハンドルとストッパの間で摺動するピン;
(5)特許文献5の
図4に開示されたような、ハンドルの平面型ラッチ機構、ストッパのウイングとの当接部に設けられた当て板、同文献の
図1に開示されたような、ストッパの枢軸に装着されストッパを開方向に付勢するねじりコイルバネ、同文献の
図7に開示されたような、エビ型ロック装置やベースプレートの全体形状や配置;
(6)特許文献6の
図3に開示されたような、摺動部に設けられたガイドピンないしコロとそれが摺動ないし転動する斜面;
(7)特許文献7の
図1に開示されたような、ストッパ端部に形成された開き止め;
(8)特許文献8の
図1又は
図4に開示されたような、摺動部ないし押圧部における曲面や斜面。
【0032】
ハンドル、掛金部材、および所定部材若しくはストッパは、基本的に等価な各種機構によって実現することができる。例えば、これらを複数のリンクからそれぞれ構成することができる。
【0033】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態をさらに詳細に説明する。
【0034】
エビ型ロック装置においては、「所定部材」が、「被ロック部材」である場合と、「ストッパ」である場合がある。前者の場合、「所定部材」である被ロック部材が掛金部材とベースの間でロックされる。後者の場合、被ロック部材が「所定部材」であるストッパとベースの間でロックされることになる。本実施形態1では、後者の場合、すなわち、「所定部材」が「ストッパ」であり、「所定部材(ストッパ)」がエビ型ロック装置1の構成部品である場合を説明する。なお、前者の場合の実施態様は、本実施形態1の記載を参照することにより明らかになる。
【0035】
図1(A)は、実施形態1に係るエビ型ロック装置のロック状態を示す側面図であり、
図1(B)は、
図1(A)に示す装置の中間状態を示す動作図である。
【0036】
図1(A)および
図1(B)を参照すると、エビ型ロック装置1は、ベース2側に設置されたフック3と、ベース2に揺動自在に接続されるハンドル4と、ハンドル4に枢軸5を介して揺動自在に接続され、フック3に係合した状態で解除可能にロックされる掛金部材7と、例えばベース2に揺動自在に接続されるストッパ8と、を有している。
【0037】
ハンドル4は、ピン9を介してベース2に接続されている。掛金部材7の枢軸5は、ハンドル4に形成された長穴6にスライド自在に係合している。掛金部材7には、コイルバネ11が装填され、枢軸5を長穴6の一端に向かって付勢している。
【0038】
さらに、掛金部材7は、フック3に係合する係合部7aと、係合部7aと枢軸5の間に位置すると共に、係合部7aがフック3に係合する際にストッパ8に当接し且つストッパ8を押圧自在な位置に配置された当接部7bと、を備えている。当接部7bは、係合部7aよりも、掛金部材7のロック時の動作半径内側に位置している。当接部7bは、当接部7bと対向するストッパ8の被当接部8aに向かって突出している。フック3は、係合部7aと当接部7bの間を挿通自在である。
【0039】
なお、ハンドル4、掛金部材7およびストッパ8は、相互の干渉を防止しつつ、ロック動作の実現と、構造的な強度の向上とを図るため、適宜、曲げられたり、開口ないし窓が形成されたり、チャンネル状ないし溝形鋼状に形成されたりしている。
【0040】
図2は、
図1(A)に示したエビ型ロック装置1の構造の一例を示す正面図である。
図2を参照すると、ストッパ8の中間部は溝形鋼状に形成され、溝の底面にはフック3および係合部7aが挿通自在な開口8bが形成されている。開口8bの縁部に、当接部7bが当接する被当接部8aが位置している。掛金部材7の先端側には、フック3が挿通する窓部7cと、窓部7cを囲む枠部7dと、が形成されている。枠部7dの先端側に係合部7aが配置され、枠部7dの枢軸5側(掛金部材7の基端側)に当接部7bが配置されている。ロック状態で、係合部7aと当接部7bはフック3を挟んで対向する。なお、本実施形態1に係るエビ型ロック装置1の正面構造は、
図2に示した構造に限定されるものではなく、図示のストッパ8に代えて、例えば、後述の
図6に示す掛金受12をストッパ8として用いて、それと一体の被ロック部材(W)をロックすることもできる。
【0041】
引き続き、
図1(A)および
図1(B)を参照しながら、被ロック部材Wを、ストッパ8とベース2の間でロックするための操作を説明する。
【0042】
[ハンドル起こし]
被ロック部材Wおよびストッパ8が開放位置すなわちベース2からより離れた位置にあるとき、操作者は、ハンドル4を図中反時計方向に揺動させる。これに伴い、掛金部材7は、フック3に向かって揺動しながら移動し、係合部7aのフック3に対する係合と当接部7bによるストッパ8の押し込みが可能となる。
【0043】
[係合部7aの係合]
特に、
図1(B)を参照して、操作者は、掛金部材7の先端にある係合部7aをフック3の先端に引っ掛ける。
[ストッパ8の押し込み]
特に、
図1(B)を参照して、係合部7aと当接部7bは分離して形成されているため、係合部7aがフック3に係合してストッパ8の内側に位置している場合でも、掛金部材7の中間部にある当接部7bは、ストッパ8の外側に当接して、ストッパ8および被ロック部材Wを押し込み可能な状態となっている。
【0044】
操作者は、係合部7aがフック3に係合した状態を確認しながら、ハンドル4を図中時計方向に揺動させると、掛金部材7も同じ方向に揺動しながらベース2側に接近していく。これに伴い、ストッパ8は当接部7bから押圧されて、被ロック部材Wと共にベース2側に押し込まれていく。なお、操作者は、
図1(B)に示した状態から、ハンドル4を図中反時計方向に揺動させ、当接部7bを介して、ストッパ8および被ロック部材Wをベース2側に押し込むこともできる。
【0045】
図1(B)から
図1(A)を参照して、係合部7aがフック3に係合した状態で、掛金部材7が図中時計方向に揺動すると、枢軸5はコイルバネ11を圧縮しながら長穴6内をピン9側にスライドしていく。コイルバネ11は、
図1(A)に示すロック位置直前で最大に圧縮され、ロック位置で最小長さから僅かに伸長しているため、掛金部材7、さらに、ハンドル4およびストッパ8のロックは安定的なものとなる。ハンドル4が
図1(A)に示すロック位置に到達すると、ハンドル4、掛金部材7およびストッパ8は略直線上に配列し、ストッパ8とベース2の間に被ロック部材Wが挟持される。
【0046】
[実施形態1と比較例の装置の対比]
次に、実施形態1のエビ型ロック装置の利点を、比較例に係るエビ型ロック装置と対比しながら説明する。
図3(A)は、比較例に係るエビ型ロック装置のロック状態を示す側面図であり、
図3(B)は、
図3(A)に示す装置の中間状態を示す動作図である。
【0047】
図3(A)および
図3(B)を参照すると、比較例に係るエビ型ロック装置101は、
図1(A)および
図1(B)に示した当接部7bを有しておらず、係合部107aがストッパ8を押圧する機能を兼ねている以外は、実施形態1のエビ型ロック装置1と同様の構成を有している。
【0048】
すなわち、比較例に係るエビ型ロック装置101は、ベース2に設置されたフック103と、ベース2に枢支されるハンドル4と、ハンドル4の長穴6にスライド自在な枢軸5を介して接続されると共にばね力によって解除可能にロックされる掛金部材107と、掛金部材107からロック位置に向かって押し込まれるストッパ8を有している。
【0049】
図3(B)を参照すると、係合部107は、ストッパ8をベース2側に押し込むための当接部を兼ねている。係合部107が、ストッパ8よりもベース2側に位置する状態では、ストッパ8を押し込み不能である。したがって、係合部107は、ロックの際にはストッパ8の外側に位置する必要がある。また、ストッパ8をロックするには、係合部107をフック103に掛ける必要がある。以上の二つの原因により、フック103の突出高さYは大きくなり、これによって、係合部107のフック103への係合とストッパ8に対する押圧という二つの異なる機能の達成がようやく可能となっている。
【0050】
これに対して、
図1(B)を参照すると、実施形態1のエビ型ロック装置1は、係合部7aと当接部7bが分離形成されているため、係合部7aをフック3に係合する際、係合部7aはストッパ8の内側に位置していてもよい。ゆえに、
図1(A)を参照して、フック3の突出高さXを、比較例のフック103の突出高さYに比べて半分以下に形成でき、かくして、エビ型ロック装置1の薄型化が達成される。
【0051】
上記実施形態1では、ストッパ8を用いて、ストッパ8とベース2側の間で被ロック部材Wをロックする実施形態を説明したが、本実施形態2で説明するように、ストッパ8を用いず掛金部材7とベース2側の間で被ロック部材Wを直接的にロックすることもできる。なお、本実施形態2において、本実施形態2と上記実施形態1の共通点については、上記実施形態1の記載を適宜参照するものとし、主として、両実施形態の相違点について説明する。
【0052】
図4(A)は、実施形態2に係るエビ型ロック装置のロック状態を示す側面図であり、
図4(B)は、
図1(A)に示す装置の中間状態を示す動作図である。
図4(B)を参照すると、当接部7bは、被ロック部材Wの被当接部Waに直接当接することができ、ハンドル4の所定操作に伴って、被ロック部材Wをベース2側に押し込んでいくことができる。
図4(A)に示すロック状態で、被ロック部材Wは掛金部材7とベース2の間で挟持される。
【0053】
上記実施形態1および2では、ハンドル4がベース2に接続されている実施形態を説明したが、本実施形態3では、ハンドル4がストッパ8に接続されている実施形態を説明する。但し、本実施形態3において、本実施形態3と上記実施形態1の共通点については、上記実施形態1の記載を適宜参照するものとし、主として、両実施形態の相違点について説明する。
【0054】
図5(A)は、実施形態3に係るエビ型ロック装置のロック状態を示す側面図であり、
図5(B)は、
図5(A)に示す装置の中間状態を示す動作図である。
【0055】
図5(A)および
図5(B)を参照すると、エビ型ロック装置1は、ベース2に設置されたフック3と、ベース2に間接的に揺動自在に接続されるハンドル4と、ハンドル4の長穴6にスライド自在な枢軸5を介して揺動自在に接続されると共にフック3に係合した状態で解除可能にロックされる掛金部材7と、ピン10を介してベース2側に揺動自在に接続されたストッパ8と、を有している。
【0056】
ハンドル4は、ピン9を介して、ストッパ8に接続され、結局、ストッパ8を介して、ベース2側に揺動自在に接続されている。
【0057】
このように、ハンドル4がストッパ8に連結されていることによって、ストッパ8は、ハンドル4の所定操作によってもベース2側に押圧され、さらに、掛金部材7の当接部7bによってもベース2側に押圧される。
【0058】
なお、本実施形態3のエビ型ロック装置1の正面構造は、実施形態5で説明するような構造に形成することができる。
【0059】
本実施形態4では、実施形態1〜3のエビ型ロック装置1の適用例を説明する。
図6は、実施形態1〜3に係るエビ型ロック装置が適用されるトラック、特に、ウイング車の外観図である。
【0060】
図6を参照すると、ウイング車20は、門柱20aおよび車台20bに対して揺動自在な、ウイング21と、アオリ22と、中柱23と、を有している。ウイング21には、開閉補助装置24が接続されている。アオリ22は二枚に分割され、それらの間に中柱23が配置されている。中柱23は、立設状態で、実施形態1〜3のエビ型ロック装置1のいずれかにより、車台20bに解除可能にロックされる。
【0061】
ウイング21ロック用のエビ型ロック装置1は、中柱23に取り付けられている。この中柱23が
図1(A)等に示したベース2となる。ウイング21のロックには、ストッパ8を有する実施形態1又は3のエビ型ロック装置1が好適である。しかし、ウイング21の下端に延長部ないし舌部を取り付けることにより、実施形態2のエビ型ロック装置1を用いることもできる。
【0062】
アオリ22のロック用のエビ型ロック装置1は、門柱20aに取り付けられている。すなわち、ウイング車のボディ側が、
図1(A)等に示すベース2側となる。アオリ22のロックには、実施形態2のエビ型ロック装置1が好適である。エビ型ロック装置1は、アオリ22の端部に取り付けられた掛金受12を介して、被ロック部材であるアオリ22をロックする。掛金受12には、フック3が通過可能な切り欠き12aが形成されている。この掛金受12をストッパ8とみなすことができる。
【0063】
同様に、アオリ22と中柱23の連結も、中柱23に取り付けられたエビ型ロック装置1を用いて行うことができる。
【0064】
本実施形態5では、
図4(A)に示したような実施形態3のエビ型ロック装置1を、
図6に示したようなウイング21のロックに用いる場合を説明する。なお、本実施形態5において、本実施形態5と上記実施形態3の共通点については、適宜上記実施形態3の記載を参照するものとし、主として、両実施形態の相違点について説明する。
【0065】
図7(A)は、実施形態5に係るエビ型ロック装置のロック状態を示す正面図であり、
図7(B)は、
図7(A)に示す複数の枢軸の位置関係を示す部分右側面図であり、
図7(C)は
図7(A)の動作図ないし変形図である。
【0066】
図7(A)〜
図7(C)を参照すると、エビ型ロック装置1は、ベースプレート2aを介して、ベースとなる、
図6に示した中柱23又はアオリ22に取り付けられる。ベースプレート2a上に形成されたフック3は、横方向に並列された複数の爪から構成されている。ハンドル4は、溝形鋼状に形成され、ピン9を介してストッパ8に取り付けられている。ハンドル4の枢軸であるピン9には、ハンドル4とストッパ8の間で作用するねじりコイルバネを装着することが好ましい。このねじりコイルバネは、エビ型ロック装置1全体が垂下されたとき、ハンドル4がベースプレート2aないしストッパ8から離れないよう、ハンドル4を付勢する。また、ベースプレート2a側(
図6の中柱23やアオリ22)には、ロック状態でハンドル4の下端を解除可能にロックするラッチ機構13が設置されている。
図7(A)には、ラッチ機構13として、ねじりコイルバネと回転板を用いる回転型の装置を示したが、コイルバネとロッドを用いる平面型のラッチ機構を用いてもよい。平面型のラッチ機構は、ハンドルの下端又は中間部に作用するよう、ベースプレート2a側に設置される。
【0067】
ストッパ8は、ピン10を介してベースプレート2aに揺動自在に取り付けられている。
図7(C)に示すように、ストッパ8の取り付け位置や長さは、被ロック部材を押さえる位置に応じて可変される。なお、ストッパ8を複数のリンクから構成してもよい。ストッパ8の基端には、ベースプレート2aと当接自在であってストッパ8の最大開度を規定する開き止め8cが形成されている。なお、ハンドル4に同様の開き止めを形成してもよい。ストッパ8は、ハンドル4の枢着部を収容し、特に、ロック状態では、ハンドル4の上部および掛金部材7を収容するよう、溝形鋼状に形成されている。ストッパ8の中間部であって、凹んだ部分(溝)の底面には、フック3および係合部7aが挿通自在な開口8bが形成されている。開口8bの縁部には、当接部7dが当接する被当接部8aが位置している。
【0068】
特に、
図7(A)を参照すると、掛金部材7は、ハンドル4の上部が出没できるよう、基端側が開口した枠状に形成され、基端に枢軸5が取り付けられている。枢軸5は、ハンドル4の両側面に形成された長穴6にスライド自在に係合している。枢軸5とハンドル4の先端側の間で、コイルバネ11がロック操作に伴って伸縮する。掛金部材7の先端側には、フック3が挿通する窓部7cと、窓部7cを囲む枠部7dと、が形成されている。枠部7dの先端側に係合部7aが配置され、枠部7dの枢軸5側(掛金部材7の基端側)に当接部7bが配置されている。ロック状態で、係合部7aと当接部7bはフック3を挟んで対向する。
【0069】
当接部7bは、棒状であって枠部7dの左右を橋絡し、掛金部材7先端側の剛性を高めている。ロック操作時、当接部7bは、係合部7aがフック3に係合する前からストッパ8に当接していてもよく、係合部7aがフック3に係合する時にストッパ8に当接してもよく、又、係合部7aがフック3に係合した直後にストッパ8に当接してもよい。
【0070】
このエビ型ロック装置1は、係合部7aと当接部7bが分離されているため、係合部7aがストッパ8の内側に位置する状態であっても、当接部7bがストッパ8をベースプレート2a側に押し込むことができる。したがって、フック3の突出高さを低く設計しても、開き勝手なウイング21(
図6参照)をストッパ8と共に押し込み、ロックすることができる。
【0071】
以上、複数の実施形態を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的な技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形、置換又は調整が可能である。なお、上述した特許文献等の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明は、全ての開示又は開示された技術的思想にしたがって、当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。