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特許6084102ソーシャルネットワーク情報処理装置、処理方法、および処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084102
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】ソーシャルネットワーク情報処理装置、処理方法、および処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20170213BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20170213BHJP
【FI】
   G06Q40/02
   G06Q50/00 300
【請求項の数】13
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-82526(P2013-82526)
(22)【出願日】2013年4月10日
(65)【公開番号】特開2014-206792(P2014-206792A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】511108138
【氏名又は名称】テンソル・コンサルティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】柴原 一友
(72)【発明者】
【氏名】是川 空
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−090689(JP,A)
【文献】 特開2000−348015(JP,A)
【文献】 特開2012−048360(JP,A)
【文献】 特開2011−150390(JP,A)
【文献】 特開2009−146315(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0278767(US,A1)
【文献】 安岡 寛道他,”スマート化時代におけるデジタルアイデンティティ活用戦略 ID情報分析による戦略的マーケティングの萌芽ユーザーIDをキーとした戦略・施策立案と新たなビジネスの創出”,知的資産創造,日本,株式会社野村総合研究所,2012年 5月20日,第20巻 第6号,18〜35頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の取引における事故の有無が既知である複数の学習対象人物に関する人物情報である学習対象人物情報と、前記学習対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと所定の関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である学習対象人物ソーシャル情報と、前記学習対象人物の事故の有無と、を学習データとして演算を行うことにより、任意の人物の人物情報および該人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である人物ソーシャル情報に基づいて該人物の事故発生リスクスコアを提供する与信モデルを算出する学習部と、
評価対象人物の人物情報である評価対象人物情報と、前記評価対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である評価対象人物ソーシャル情報と、前記与信モデルと、に基づいて、前記評価対象人物において事故が起こる可能性を表す事故発生リスクスコアを算出する推定部と、
を有するソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項2】
前記評価対象人物ソーシャル情報は、前記評価対象人物のアカウントに設定されたプロフィールと、前記アカウントから入力されたテキストと、ソーシャルネットワークにおいて前記アカウントから所定段数までのリンクで前記アカウントと接続された関連アカウントと、前記関連アカウントから入力されたテキストと、前記関連アカウントまたは他のアカウントから入力された前記評価対象人物に関するテキストと、の一部または全部を含む、
請求項1に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記評価対象人物のアカウントとの間に前記関係を有するアカウントが所定の閾値以上存在している場合には、前記評価対象人物のアカウントと前記関係を有する範囲内において前記閾値以下でサンプリングされたアカウントに基づく評価対象人物ソーシャル情報を用いる、
請求項1に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記評価対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントの候補が複数ある場合、前記複数のアカウントについての前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報に対して統計的処理を行うことにより、前記評価対象人物ソーシャル情報を生成する、請求項1に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項5】
前記評価対象人物のソーシャルネットワーク上の複数の候補のアカウントは、前記評価対象人物との同一性に基づいて選択されたアカウントであり、
前記統計的処理は、前記同一性で重み付けした加重平均を算出する処理である、
請求項4に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項6】
前記学習対象人物ソーシャル情報および前記評価対象人物ソーシャル情報は時刻情報を含んでおり、
前記学習部は、前記学習対象人物ソーシャル情報の所定の項目の時間経過に伴う変化を別の項目とし、前記与信モデルの算出における要因情報とし、
前記推定部は、前記評価対象人物情報と、時系列に蓄積された前記評価対象人物ソーシャル情報と、前記与信モデルと、に基づいて、前記評価対象人物の事故発生リスクスコアを算出する、
請求項1に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項7】
ソーシャルネットワーク上の情報を収集する収集部を更に有し、
前記収集部は、取引を実行した人物である取引実行人物についてソーシャルネットワーク上から、前記時刻情報を含む情報を収集する、
請求項6に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項8】
前記学習部は、前記取引実行人物のうち事故が発生した人物を前記学習対象人物に加え、前記収集部に収集された情報を前記与信モデルの算出に用いる、
請求項7に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項9】
前記推定部は、前記取引実行人物についての途上与信として、前記収集部に収集された情報を用いた前記事故発生リスクスコアの算出を行う、
請求項7に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項10】
前記評価対象人物情報と前記評価対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントとを対応づける対応付け部を更に有する、請求項1に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項11】
前記対応付け部は、前記評価対象人物情報の少なくとも一部の情報に基づいてソーシャルネットワーク上のアカウントを絞り込むことにより抽出された候補アカウントのアカウント所有者に関連する、前記ソーシャルネットワーク上の情報である候補人物ソーシャル情報を取得し、取得した前記候補人物ソーシャル情報を、人物情報と対比可能な複数項目の値を含む候補人物補正ソーシャル情報に補正し、前記評価対象人物情報と前記各候補アカウントについての前記候補人物補正ソーシャル情報とを対比することにより、前記評価対象人物情報と対応付けるアカウントを決定する、請求項10に記載のソーシャルネットワーク情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが備える学習手段が、過去の取引における事故の有無が既知である複数の学習対象人物に関する人物情報である学習対象人物情報と、前記学習対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと所定の関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である学習対象人物ソーシャル情報と、前記学習対象人物の事故の有無と、を学習データとして演算を行うことにより、任意の人物の人物情報および該人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である人物ソーシャル情報に基づいて該人物の事故発生リスクスコアを提供する与信モデルを算出し、
前記コンピュータが備える推定手段が、評価対象人物の人物情報である評価対象人物情報と、前記評価対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である評価対象人物ソーシャル情報と、前記与信モデルと、に基づいて、前記評価対象人物において事故が起こる可能性を表す事故発生リスクスコアを算出する、
ソーシャルネットワーク情報処理方法。
【請求項13】
学習手段が、過去の取引における事故の有無が既知である複数の学習対象人物に関する人物情報である学習対象人物情報と、前記学習対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと所定の関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である学習対象人物ソーシャル情報と、前記学習対象人物の事故の有無と、を学習データとして演算を行うことにより、任意の人物の人物情報および該人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である人物ソーシャル情報に基づいて該人物の事故発生リスクスコアを提供する与信モデルを算出する手順と、
推定手段が、評価対象人物の人物情報である評価対象人物情報と、前記評価対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である評価対象人物ソーシャル情報と、前記与信モデルと、に基づいて、前記評価対象人物において事故が起こる可能性を表す事故発生リスクスコアを算出する手順と、をコンピュータに実行させるためのソーシャルネットワーク情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーシャルネットワーク内で取得される情報を利用する情報処理装置およびその情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ソーシャルネットワーク(SNS)が広く利用されるようになり、SNS上で個人や企業が多くの情報を送受信している。そして、その膨大なデータを何らかの形でビジネスに活用しようという試みがなされている。なお、ここでは個人と企業等の団体を総称して人物と呼ぶことにする。
【0003】
ある人物のSNS上のプロフィールや、その人物がSNS上に発信したコメントなどのテキストや、その人物のSNS上での友達関係のリンクなど、SNS上の情報(以下「SNS情報」ともいう)には、その人物の性質が現れるので、人物の性質を推定するのに利用可能と考えられている。ここでいう人物の性質の例として、金銭返済の能力や資質といった金銭的な信用力がある。そのためSNS情報を与信に利用できると考えられる。
【0004】
これに関連して、特許文献1には、進学先や就職先や転職先などのキャリアを選択しようとする個人を、SNS情報を活用してサポートするサービスについて記載されている。SNS上の個人が入力した所定項目の情報および任意形式の情報を自然言語解析した結果と、それと同様の処理を行った募集情報とのマッチングを行い、合致度合いを優先度として判定している。
【0005】
また特許文献2には、SNS情報を利用して人物に対してタイプのタグ付けをすることにより、タイプを特定して行う人物検索を可能にするシステムが記載されている。所望のタイプの人物を検索によって探し出すことが可能となる。
【0006】
また特許文献3には、SNSから知得される情報から個人を特定することが可能か否かを判定し、その判定結果を個人の匿名性の保護に利用する技術が記載されている。個人の情報をデータベースに記録しておき、その情報と個人が端末から入力した情報とに基づいて、個人の匿名性を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−9468号公報
【特許文献2】特開2010−79435号公報
【特許文献3】特開2010−97336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、SNS情報を与信に利用する場合、個々の人物によってSNSから得られる情報の種類や量が異なるなどの複雑さがあり、そのようなSNS情報から人物の信用力を算出する有効な具体的方法については確立されていない。
【0009】
本発明の目的は、SNSから得られる情報を利用した演算処理によって人物の信用力を算出することを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によるソーシャルネットワーク情報処理装置は、過去の取引における事故の有無が既知である複数の学習対象人物に関する人物情報である学習対象人物情報と、前記学習対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと所定の関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である学習対象人物ソーシャル情報と、前記学習対象人物の事故の有無と、を学習データとして演算を行うことにより、任意の人物の人物情報および該人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である人物ソーシャル情報に基づいて該人物の事故発生リスクスコアを提供する与信モデルを算出する学習部と、評価対象人物の人物情報である評価対象人物情報と、前記評価対象人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと前記関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である評価対象人物ソーシャル情報と、前記与信モデルと、に基づいて、前記評価対象人物において事故が起こる可能性を表す事故発生リスクスコアを算出する推定部と、を有している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、SNSから得られる情報を利用した演算処理によって人物の信用力を算出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態による評価システムのブロック図である。
図2】与信判定装置12のブロック図である。
図3】本実施例によるキャッシングシステムのブロック図である。
図4】評価システム36のブロック図である。
図5】同一性判定装置41のブロック図である。
図6】学習部51の処理を示すフローチャートである。
図7】人物情報のフォーマットの一例を示す図である。
図8】評価対象人物情報の一例を示す図である。
図9】推定部52の処理を示すフローチャートである。
図10】候補人物ソーシャル情報の一例を示す図である。
図11】候補人物ソーシャル情報を補完した候補人物補正ソーシャル情報の一例を示す図である。
図12】判定部53の動作を示すフローチャートである。
図13】与信判定装置42のブロック図である。
図14】学習部81の処理を示すフローチャートである。
図15】推定部82の処理を示すフローチャートである。
図16】推定部82によって生成されるデータセットの一例を示す図である。
図17】評価情報94の事故発生確率SSが補完されたデータセットの一例を示す図である。
図18】実施例2における候補人物ソーシャル情報を補完した候補人物補正ソーシャル情報の一例を示す図である。
図19】実施例3による同一性判定装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の概略的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
ソーシャルネットワーク(SNS)上では、アカウントを持った個人や企業が互いに繋がりを持ち、意見の交換などを行っている。そのためSNS上には個人や企業に関連する様々な情報が存在しており、それは個人や企業へのサービス、あるいは個人や企業に関連するサービスなどの情報処理に有効に利用できる情報である。
【0015】
本実施形態のシステムは、SNS上にアカウントを持ちうる個人や企業などを情報利用対象として、そのアカウントに関連するソーシャルネットワーク上から得られる情報利用対象に関連する情報を、情報利用対象の個人や企業への与信の情報処理に利用するシステムである。
【0016】
ここでは情報利用対象である個人と企業等の団体を総称して人物と称する。
【0017】
ソーシャルネットワーク上には、特定の情報利用対象の人物(対象人物)およびその他の多くの人物のプロフィール、交友関係、発言内容などの情報(SNS情報)が存在する。
【0018】
ここでは、対象人物は、複数の項目からなる人物情報の各項目を埋めることによって特定される。例えば、対象人物が金融業者に対して融資の申し込みを行う場合、自身の人物情報を提示することが考えられる。
【0019】
このように対象人物に関する情報(対象人物情報)は与えられているが、対象人物のSNS上のアカウントは特定されていない場合もある。その場合には、対象人物に関するSNS上の情報を取得するためには、まず対象人物のSNS上のアカウントを特定する必要がある。
【0020】
対象人物のSNS上のアカウントを特定する方法としては様々な方法が考えられる。
【0021】
例えば、金融業者の貸付システムへ融資を申し込む際に、SNSのアカウントを用いてログイン(ソーシャルログイン)することを要求することにしてもよい。そうすることで、貸付システムは、対象人物とSNS上のアカウントとの対応付けを申込時に確定させることができる。
【0022】
また、他の例として、窓口などで融資を申し込む際に、人物情報に加えて、あるいは人物情報とともにSNSのアカウントを提示することにしてもよい。
【0023】
また、更に他の例として、対象人物情報を基に、SNS上のアカウントを絞り込み、対象人物と同一性の高い人物のアカウントを特定することにしてもよい。
【0024】
図1は、本実施形態による評価システムのブロック図である。評価システムは対象人物の与信を行うシステムである。図1を参照すると、評価システム10は同一性判定装置11と与信判定装置12を有している。
【0025】
同一性判定装置11は、指定された対象人物とSNS上のアカウント所有者との同一性を判定することにより、対象人物と同一の人物であるアカウント所有者をSNS上から特定する装置である。ここでは同一性の判定を行うことにより、対象人物に対応するアカウントを特定する例を示すが、本発明の実施例がこれに限定されることはない。上述のように、申込者である対象人物に申込時にソーシャルログインやアカウントの提示をさせることにしてもよい。
【0026】
与信判定装置12は、同一性判定装置11にて対象人物と同一の人物であると特定されたアカウント所有者の関連するSNS上から得られる情報を利用して与信の処理を実行する装置である。
【0027】
図2は、与信判定装置12のブロック図である。図2を参照すると、与信判定装置12は学習部21および推定部22を有している。
【0028】
学習部21は、過去の取引における事故の有無が既知である複数の学習対象人物に関する人物情報である学習対象人物情報と、学習対象人物のSNS上のアカウントと所定の関係を有する範囲内のSNS上の情報である学習対象人物ソーシャル情報と、学習対象人物の事故の有無と、を学習データとして与信モデルを生成する学習演算を行う。
【0029】
例えば、学習対象人物としては、過去に融資した際に返済がされなかった、あるいは返済が滞った人物を事故有とし、過去の融資において正常に返済がされた人物を事故無とすればよい。
【0030】
また、学習対象人物は、そのSNS上のアカウントが特定されている。上記所定の関係が、例えば、そのアカウントおよびそのアカウントと所定段数までのリンクで接続された範囲にあることとすれば、学習対象人物のアカウントと上記所定の関係にあるアカウントに関するSNS上から得られる情報を学習対象人物ソーシャル情報とすればよい。
【0031】
与信モデルは、任意の人物の人物情報およびその人物のSNS上のアカウントと、前記所定の関係を有する範囲内のソーシャルネットワーク上の情報である人物ソーシャル情報に基づいて、その人物の事故発生リスクスコアを提供するデータである。
【0032】
学習部21で生成された与信モデルは推定部22に提供される。
【0033】
推定部22は、評価対象人物の人物情報である評価対象人物情報と、その評価対象人物のSNS上のアカウントと前記所定の関係を有する範囲内のSNS上の情報である評価対象人物ソーシャル情報と、与信モデルと、に基づいて、評価対象人物において事故が起こる可能性を表す事故発生リスクスコアを算出する。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、SNSから得られる情報を利用した演算処理によって人物の信用力を算出することが可能になる。
【0035】
ここでは一例として、評価対象人物ソーシャル情報は、評価対象人物のアカウントに設定されたプロフィールと、そのアカウントから入力されたテキストと、SNSにおいてそのアカウントから所定段数までのリンクでアカウントと接続された関連アカウントと、関連アカウントから入力されたテキストと、関連アカウントまたは他のアカウントから入力された評価対象人物に関するテキストと、の一部または全部を含んでいる。
【0036】
また、推定部22は、評価対象人物のアカウントとの間に前記所定の関係を有するアカウントが所定の閾値以上存在している場合には、評価対象人物のアカウントと前記所定の関係を有する範囲内においてその閾値以下でサンプリングされたアカウントに基づく評価対象人物ソーシャル情報を用いることにしてもよい。これにより、例えば、そのアカウント所有者に関するSNS上の情報が膨大であり、負荷が大きい場合、サンプリングにより情報内容に偏りが生じにくいようにしつつ、情報量を削減することが可能となる。なお、ここでいうサンプリングは、母集団の性質が得られるように一部を抽出することである。サンプリングには様々な手法があり、代表的なものとして無作為抽出(ランダムサンプリング)がある。
【0037】
また、推定部22は、評価対象人物のSNS上のアカウントの候補が複数ある場合、複数のアカウントについての前記所定の関係を有する範囲内のSNS上の情報に対して統計的処理を行うことにより、評価対象人物ソーシャル情報を生成することにしてもよい。その際、評価対象人物のSNS上の複数の候補のアカウントは、評価対象人物との同一性に基づいて選択されたアカウントである場合、上記統計的処理は、同一性で重み付けした加重平均を算出する処理としてもよい。
【0038】
また、学習対象人物ソーシャル情報および評価対象人物ソーシャル情報は時刻情報を含んでいてもよい。その場合、学習部21は、学習対象人物ソーシャル情報の所定の項目の時間経過に伴う変化を別の項目とし、与信モデルの算出における要因情報とすることにしてもよい。その場合、推定部22は、評価対象人物情報と、時系列に蓄積された評価対象人物ソーシャル情報と、与信モデルと、に基づいて、評価対象人物の事故発生リスクスコアを算出することにしてもよい。
【0039】
以下、より具体的な実施例について説明する。
【実施例1】
【0040】
実施例1は、SNSから得られる個人に関する情報をキャッシングにおける与信に利用するシステムについて例示する。
【0041】
図3は、本実施例によるキャッシングシステムのブロック図である。キャッシングシステムは与信システム31と貸付システム32とを有している。
【0042】
貸付システム32は、インターネット35経由でユーザ端末33から融資の申し込みを受け付け、申込者が所定の条件を満たしていれば、申込者に対して融資を行うシステムである。貸付システム32は、申込者が所定の条件を満たしているか否か判定する際に与信システム31を利用する。
【0043】
なお、ここでは融資の申し込みがインターネット35経由で行われる例を示しているが、実施例がこれに限定されることはなく、申込者についての所定の項目の人物情報(評価対象人物情報)が得られればどのような形態であってもよい。他の例として店頭での申し込みがある。
【0044】
与信システム31は、貸付システム32から申込者個人を特定して与信の依頼を受け、SNSから得られる情報(SNS情報)に基づいて申込者について与信の処理を行い、リスクスコアあるいは事故発生確率によって示される与信情報を応答する。
【0045】
与信システム31が利用するSNS情報は、SNS34からリアルタイムで取得できる情報であってもよく、収集して蓄積しておいた情報であってもよく、あるいはその両方の情報であってもよい。ここでは両方の情報を利用するものとする。
【0046】
図3に示したように、与信システム31は、評価システム36、収集装置37、およびSNS情報データベース(DB)39を有している。
【0047】
収集装置37は、SNS34からSNS情報を収集し、SNS情報DB38に蓄積する。例えば、収集装置37は、所定の個人について、その個人に関連するSNS情報を収集し、その個人に対応付けてSNS情報DB38に蓄積する。
【0048】
図4は、評価システム36のブロック図である。図4を参照すると、評価システム36は同一性判定装置41および与信判定装置42を有している。
【0049】
同一性判定装置41は、図1における同一性判定装置11に相当する装置であり、指定された申込者(評価対象人物)とSNS34上のアカウント所有者との同一性を判定することにより、評価対象人物との同一性が最も高いアカウント所有者をSNS34上から特定する。
【0050】
与信判定装置42は、図1に示した情報利用装置12に相当する装置であり、同一性判定装置41にて特定されたアカウント所有者に関連するSNS34上から得られる情報を利用して、評価対象人物について与信の処理を実行する。
【0051】
まずは、同一性判定装置41の構成および動作について説明する。
【0052】
図5は、同一性判定装置41のブロック図である。図5を参照すると、同一性判定装置41は学習部51、推定部52、および判定部53を有している。
【0053】
学習部51は、与えられた人物モデル学習データを用いて学習処理を行うことで人物モデルを算出する。人物モデル学習データは、同一人物の人物情報とアカウントとを対応づけたデータであり、人物モデルは、ある人物のアカウントに関連してSNS34から得られる情報を入力として、その人物のアカウントについて、人物情報と対比可能な各項目の値(内容を示す数値)が得られるモデルデータである。学習処理は、アカウントに関連するSNS34から得られる情報を基に、各項目に入り得る内容と、各内容の発生確率を学習する処理である。ここでいう内容には、内容あるいはそれを示す値そのものではなく、その内容のSNS34上の出所を示す情報をも含まれる。例えば、人物情報の「氏名」の項目には、SNS34におけるプロフィールに含まれる「名前」の欄と同じ内容が入る可能性が高いことが考えられる。また、人物情報の「出身校」の項目には、SNS34におけるプロフィールの「出身校」の欄と同じ内容が入る可能性が高いことが考えられる。また、それよりも可能性は低いかもしれないが、人物情報の「出身校」の項目に、友人のプロフィールの「出身校」の欄と同じ内容が入る可能性があると考えられる。更には、同じ出身校の友人の数が多ければ、「出身校」の欄にその出身校が入る可能性が高まると考えられる。
【0054】
図6は、学習部51の処理を示すフローチャートである。図6を参照すると、学習部51は、まず外部からの人物モデル学習データを入力する(ステップ101)。人物モデル学習データは、一例として、ある人物についての人物情報と、その同じ人物のSNS34上のアカウントとを特定するデータである。
【0055】
学習部51は、人物モデル学習データに含まれているアカウントに関連するSNS34上の情報を取得し、取得した情報に基づいて、SNS34上からの情報を項分けした情報(人物ソーシャル情報)の各項目に内容を記入する。このとき、人物ソーシャル情報の項目のうち、人物情報に含まれている項目と対応するものについては、人物情報と項目名を一致させる(ステップ102)。例えば、人物情報には「氏名」という項目があり、SNS34からの情報に「名前」という項目の情報があれば、人物ソーシャル情報では「氏名」という項目名に変更する。
【0056】
項目名を一致させるために、例えば、学習部51は、互いに対応する項目名を関連付けた規定を格納したルールテーブルを予め保持しておき、そのルールテーブルを参照することにより項目名を一致させることにすればよい。ルールテーブルは、SNS34上の情報を分析する情報処理の演算により求めてもよく、あるいは人手によって設定してもよい。
【0057】
続いて、学習部51は、各項目について、その取りうる値とその発生確率とを算出する(ステップ103)。ここで算出される値と発生確率とが人物モデルのデータとなる。
【0058】
例えば、各項目の内容として人物ソーシャル情報に登場した値を、各項目として入りうる内容とするとよい。一つの項目について、その入りうる内容は複数となりうる。ある項目の内容は他の項目の内容と関連性があるので、ある項目の値の発生確率を、他の項目の値を基に算出することができる。例えば、高い確率で同じ値が入る2つの項目がある場合を考える。その一方の項目の値が得られており、他方の項目の値が得られていない場合、他方の項目に一方の項目と同じ値が発生する発生確率は高いものとなる。
【0059】
このようにして、各項目の取りうる値とその発生確率を算出しておくことで、SNS34から得られない項目の内容を、他のSNS34から得られた情報を基に推定することが可能となる。
【0060】
人物モデルの学習が終わっている状態で、申込者(評価対象人物)が図3のユーザ端末33から貸付システム32に対して融資の申し込みを行うと、貸付システム32から評価システム36に評価対象人物情報とともに評価対象人物の評価依頼が送られる。
【0061】
図7は人物情報のフォーマットの一例を示す図である。ここでは人物情報61に、氏名、住所、勤務先、職種という項目が含まれている。また、例えば、申込者は、融資の申込時に、人物情報の各項目に自分自身の内容の情報を入力する。
【0062】
図8は評価対象人物情報の一例を示す図である。評価対象人物情報62は図7の人物情報の各項目に、評価対象人物(申込者)に関する内容、あるいはその内容を示す数値を設定した情報である。図8の例では、評価対象人物情報62の氏名の項目にSNという値が設定され、住所の項目にSAという値が設定され、勤務先という項目にSCという値が設定され、職種という項目にSJという値が設定されている。
【0063】
図9は、推定部52の処理を示すフローチャートである。
【0064】
評価対象人物情報とともに評価依頼を受信した評価システム36では、同一性判定装置41の推定部52が評価対象人物情報の一部の項目を用いて候補アカウントの絞り込みを行う(ステップ201)。図8に示した評価対象人物情報62によれば、評価対象人物の氏名がSNなので、推定部52は、SNS34上のアカウントの中で所有者の氏名がSNであるアカウントを抽出し、それを候補アカウントとする。
【0065】
次に、推定部52は、候補アカウントについてのSNS34から取得される情報を、人物情報に対応する項目がある項目については項目名を人物情報と一致させ(ステップ203)、項目の内容としてSNS34から取得される情報を設定した、候補人物ソーシャル情報を生成する。
【0066】
推定部52が候補人物ソーシャル情報として取得する範囲は特に限定されない。例えば、候補人物ソーシャル情報には、候補アカウントに設定されたアカウント所有者のプロフィールと、候補アカウントから入力されたテキストと、候補アカウントから所定段数までのリンクで候補アカウントと接続された友人のアカウントである関連アカウントと、その関連アカウントまたは他のアカウントから入力された候補アカウントのアカウント所有者に関するテキストと、の一部あるいは全部が含まれる。
【0067】
また、SNS34上に候補アカウントに関連する候補人物ソーシャル情報が大量に存在する場合がある。例えば、候補アカウントがSNS34上に多数の友人を持っている場合がある。また、候補アカウントがSNS34上に頻繁に発言を行っていることも考えられる。
【0068】
推定部52が、候補アカウントのアカウント所有者に関連するSNS34上の情報が所定の条件を超過していたら、アカウント所有者に関連する、SNS34上の情報の一部をサンプリングにより取得し、候補人物ソーシャル情報とすることにしてもよい。
【0069】
図10は、候補人物ソーシャル情報の一例を示す図である。図10には、A、B、Cという3つのアカウントについての候補人物ソーシャル情報71、72、73が示されている。氏名、住所、勤務先、職種という各項目については人物情報と項目名が一致している。
【0070】
また、各項目には、SNS34から取得された内容を示す値が設定されている。例えば、候補アカウントAの候補人物ソーシャル情報71を見てみると、氏名の項目にはANという値が設定されている。そのANは評価対象人物の氏名のSNと等しい。候補アカウントの住所の項目は、そこに入る情報がSNS34から得られなかったため空欄となっている。勤務先の項目にはACという値が設定されている。職種という項目にはAJという値が設定されている。
【0071】
また、人物情報に対応する項目が無い項目として、出身校という項目にはASという値が設定されている。ただし、専攻の項目は、そこに入る情報がSNS34から得られなかったため空欄となっている。
【0072】
更に、候補人物ソーシャル情報には、図10に示すように、本人の発言、友人、その友人の発言の情報が含まれていてもよい。
【0073】
また、候補アカウントCの候補人物補正ソーシャル情報76の氏名の項目にはCNという値が設定されている。このCNは、評価対象人物の氏名SNと類似するものである。例えば、漢字表記がひらがな表記になっているというようなものは類似しているとすることにできる。
【0074】
ステップ203が終了した段階で、図10に示したような候補人物ソーシャル情報が生成される。
【0075】
次に、推定部52は、候補人物ソーシャル情報の空欄の項目に入る値を、人物モデルを用いて推定し、その項目に値を補完する(ステップ204)。その際、推定部52は、SNS34から得られる情報を基に、人物モデルを用いて、空欄の項目に入れる値を算出する。具体的には、推定部52はSNS34から得られる情報を人物モデルに適用し、空欄の項目の値として最も発生確率の高い値を空欄の項目に設定する。
【0076】
図11は、候補人物ソーシャル情報を補完した候補人物補正ソーシャル情報の一例を示す図である。図11には、図10の候補人物ソーシャル情報71、72、73をそれぞれ補完した、候補人物補正ソーシャル情報74、75、76が示されている。例えば、候補アカウントAの候補人物補正ソーシャル情報74では、空欄であった住所の項目に、推定されたAAという値が設定されている。空欄の推定は、候補人物ソーシャル情報の全体について行ってもよいし、人物情報に対応する項目がある項目だけについて行ってもよい。図11の例では、人物情報に対応する項目がある項目についてだけ空欄の推定を行っている。
【0077】
ステップ204が終わった段階で、候補人物補正ソーシャル情報が評価対象人物情報の全ての項目と対比可能となる。
【0078】
その段階で、判定部53は、評価対象人物情報と各候補アカウントの候補人物補正ソーシャル情報とを対比し、各候補アカウントの同一性スコアを算出する。
【0079】
同一性スコアの算出条件の一例を以下に示す。
<氏名> 一致:1.0、類似:0.5、不一致:0.0 / 重み:2.0
<住所> 一致:1.0、数字違い:0.8、不一致:0.0 / 重み:1.0
<勤務先> 一致:1.0、関連企業:0.6、不一致:0.0 / 重み:0.7
<職種> 一致:1.0、類似:0.5、不一致:0.0 / 重み:1.0
上記の算出条件による算出例を以下に示す。
【0080】
候補アカウントAは、氏名が一致であり、住所が不一致であり、勤務先が関連企業であり、職種が不一致であるとする。そうすると、候補アカウントAの同一性スコアScore_Aは、2.0×1.0+1.0×0.0+0.7×0.6+1.0×0.0=2.42となる。
【0081】
候補アカウントBは、氏名が一致であり、住所が不一致であり、勤務先が不一致であり、職種が一致であるとする。そうすると、候補アカウントBの同一性スコアScore_Bは、2.0×1.0+1.0×0.0+0.7×0.0+1.0×1.0=3.00となる。
【0082】
候補アカウントCは、氏名が類似であり、住所が数字違いであり、勤務先が不一致であり、職種が一致であるとする。そうすると、候補アカウントCの同一性スコアScore_Cは、2.0×0.5+1.0×0.8+0.7×0.0+1.0×1.0=2.8となる。
【0083】
このように各候補アカウントについて同一性スコアを算出すると、次に、判定部53が評価対象人物と同一人物である可能性の高い候補アカウントを決定し、その評価対象人物と決定した候補アカウントとを対応付ける対応付け情報を与信判定装置42に通知する。
【0084】
図12は、判定部53の動作を示すフローチャートである。
【0085】
まず、判定部53は、1つの候補アカウントを選択する(ステップ301)。次に、判定部53は、その候補アカウントの同一性スコアを所定の閾値と比較する(ステップ302)。同一性スコアが閾値より大きければ(ステップ303のYes)、判定部53は、その候補アカウントの所有者を評価対象人物と同一性が高いと判定する(ステップ304)。一方、同一性スコアが閾値より大きくなければ(ステップ303のNo)、判定部53は、その候補アカウントの所有者を評価対象人物と同一性が低いと判定する(ステップ305)。
【0086】
続いて、判定部53は、全ての候補アカウントについて同一性スコアを閾値と比較し終えたか否か判定する(ステップ306)。全て終わっていなければ、判定部53はステップ301に戻る。全て終わっていれば、判定部53は、評価対象人物と、それと同一性が高いと判定された候補アカウントとを対応付ける対応付け情報を与信判定装置42に通知する(ステップ307)。
【0087】
なお、ここでは、判定部53は、同一性スコアが閾値を超えている候補アカウントを全て評価対象人物と同一性が高いと判定することにしたが、本発明がこれに限定されることはない。他の例として、同一性スコアが最も高い候補アカウントを評価対象人物と同一人物であると推定することにしてもよい。
【0088】
また更に、判定部53は、評価対象人物との同一性が最も高いと判定されたアカウントのアカウント所有者に関連する、SNS34から得られる情報が評価対象人物情報と不一致であれば所定の補正処理により補正することにしてもよい。例えば、図10に示したアカウントBの住所は評価対象人物の住所とは異なっている。この住所を判定部53が補正することにしてもよい。
【0089】
その際、判定部53は、補正処理として、評価対象人物との同一性が最も高いと判定されたアカウントのアカウント所有者に関する、SNS34から得られた情報を、評価対象人物情報と一致させることにしてもよい。
【0090】
あるいは、判定部53は、補正処理として、評価対象人物との同一性が最も高いと判定されたアカウントのアカウント所有者に関する、SNS34から得られた情報のうち、評価対象人物情報と不一致の項目を値が無いものとし、SNS34から得られる他の情報だけで推定される値に置換することにしてもよい。その際、推定には上述した人物モデルを用いることができる。
【0091】
次に、与信判定装置42の構成および動作について説明する。
【0092】
図13は、与信判定装置42のブロック図である。与信判定装置42は学習部81および推定部82を有している。
【0093】
学習部81は、外部から与えられる与信モデル学習データを入力とし、その与信モデル学習データに対して演算を行い、評価対象人物の事故発生リスクスコアを提供する与信モデルを算出する。
【0094】
与信モデル学習データは、学習対象人物情報と、学習対象人物ソーシャル情報と、学習対象人物の事故の有無と、を含んでいる。学習対象人物情報は、過去の取引における事故の有無が既知である複数の学習対象人物に関する人物情報である。学習対象人物ソーシャル情報は、学習対象人物のSNS34上のアカウントと所定段数までのリンクで接続されたアカウントに関連する情報である。例えば、学習対象人物の直接の友人までを学習対象人物ソーシャル情報に含めるとするならば、学習対象人物と1段までのリンクで接続されたアカウントまでが対象となる。また、学習対象人物の友人の友人まで学習対象人物ソーシャル情報に含めるとするならば、学習対象人物と2段までのリンクで接続されたアカウントまでが対象となる。
【0095】
与信モデルは、任意の人物の人物情報およびその人物のソーシャルネットワーク上のアカウントと所定段数のリンクで接続されたアカウントの範囲内のSNS34上の情報である人物ソーシャル情報に基づいて、その人物の事故発生リスクスコアを提供するデータである。
【0096】
推定部82は、評価対象人物情報と、評価対象人物ソーシャル情報と、与信モデルと、に基づいて、事故発生リスクスコアを算出する。評価対象人物情報は、評価対象人物の人物情報である。評価対象人物ソーシャル情報は、評価対象人物のSNS34上のアカウントと所定段数までのリンクで接続されたアカウントに関連するSNS34上の情報である。事故発生リスクスコアは、評価対象人物における事故発生確率を表す指標である。
【0097】
なお、推定部82には、同一性判定装置41から、評価対象人物と、その同一人物と推定された人物のSNS34上のアカウントとの対応付けが与えられるので、その情報を基に、評価対象人物ソーシャル情報をSNS34上から取得することができる。
【0098】
評価対象人物ソーシャル情報は、一例として、評価対象人物のアカウントに設定されたプロフィールと、アカウントから入力されたテキストと、SNS34においてそのアカウントから所定段数までのリンクでアカウントと接続された関連アカウントと、関連アカウントから入力されたテキストと、関連アカウントまたは他のアカウントから入力された評価対象人物に関するテキストと、の全部を含んでいる。
【0099】
また、推定部82は、評価対象人物のアカウントの関連アカウントが所定の閾値以上存在している場合には、関連アカウントから閾値以下でサンプリングされたアカウントに基づく評価対象人物ソーシャル情報を用いる。
【0100】
図14は、学習部81の処理を示すフローチャートである。図14を参照すると、まず、外部からの与信モデル学習データを入力する(ステップ401)。次に、学習部81は、与信モデル学習データに対して演算を行い、評価対象人物の事故発生確率を示す事故発生リスクスコアを提供する与信モデルを算出する(ステップ402)。
【0101】
図15は、推定部82の処理を示すフローチャートである。
【0102】
まず、推定部82は、同一性判定装置41から取得した対応付け情報に基づいて、評価対象人物と同一人物と推定されたアカウントに関連する情報である評価対象人物ソーシャル情報をSNS34から取得し、その評価対象人物情報と評価対象人物ソーシャル情報とを組み合わせる(ステップ501)。
【0103】
図16は、推定部82によって生成されるデータセットの一例を示す図である。図16を参照すると、評価対象人物情報91と、評価対象人物と同一人物と推定されたアカウントCに関するSNS34から取得される情報である評価対象人物ソーシャル情報92とが組み合わせられている。
【0104】
更に、推定部82は、値が設定されていない事故発生確率の項目を含む評価情報93を準備し、評価対象人物情報91と評価対象人物ソーシャル情報92とに追加して更に組み合わせる(ステップ502)。図16のデータセットを参照すると、破線で示された評価情報93が追加されている。
【0105】
続いて、推定部82は、学習部81で生成された与信モデルを用いた推定により、図16のデータセットの値が設定されていない項目(空欄の項目)を補完する処理を実行する(ステップ503)。その際、推定部82は、評価対象人物ソーシャル情報92を基に、与信モデルを用いて、データセットの空欄の項目を推定する。ただし、最低限必要なのは、事故発生確率なのでそれ以外に空欄があっても、必ずしもそこまで補完を行う必要はない。ここでは、推定部82は事故発生確率SSだけを算出したところで補完処理を終了することにする。
【0106】
図17は、評価情報94の事故発生確率SSが補完されたデータセットの一例を示す図である。図16のデータセットが、ステップ503の処理が終わった段階では図17のように補正される。
【0107】
更に、推定部82は、算出した事故発生確率を、事故発生の危険度を示す指標であるリスクスコアに変換し、貸付システム32に通知する(ステップ504)。事故発生確率トリスクスコアの変換は例えば予め対応関係テーブルを用意しておき、それを参照することにより実現できる。
【0108】
なお、ここでは一例として事故発生確率を変換したリスクスコアを貸付システム32に通知することにしたが、算出した事故発生確率をそのままリスクスコアとして通知することにしてもよい。
【0109】
なお、上述のように、同一性判定装置41では、評価対象人物のアカウントが複数あると判定されることがある。
【0110】
その場合、本実施例では一例として、推定部82は各アカウントについて事故発生確率を算出し、それら複数の事故発生確率から、統計的処理により評価対象人物の事故発生確率を生成する。例えば、各アカウントの事故発生確率の同一性スコアを重みとした加重平均を算出し、その結果を評価対象人物の事故発生確率とする。
【0111】
ただし、これは一例であり、実施形態がこれに限定されることはない。他の例として、推定部82は、複数のアカウントについてSNS34から情報を取得し、それらの情報を統計的に処理することで、ひとつの評価対象人物ソーシャル情報を生成することにしてもよい。その場合、例えば統計的処理として、同一性スコアを重みとした加重平均を用いてもよい。
【0112】
また、本実施例では一例として、収集装置37は、融資が実行された人物(取引実行人物)についてSNS情報を継続的に収集し、SNS情報DB38に蓄積することにしてもよい。その際、収集装置37は、収集した情報が登録あるいは入力あるいは収集された時点を示す時刻情報を含めて蓄積するとよい。その結果、取引実行人物についてのSNS34からの情報として時系列の情報が利用可能となる。また、与信モデル学習データとしても時系列の情報が利用可能となる。
【0113】
そこで、学習部81は、学習対象人物ソーシャル情報の所定の項目の時間経過に伴う変化を学習対象人物ソーシャル情報の別の項目とし、与信モデルにおける要因情報とすることにしてもよい。例えば、学習部81は、取引実行人物のうち事故が発生した人物を学習対象人物に加え、収集装置37により収集された情報を与信モデルの算出に用いるとよい。
【0114】
推定部82は、評価対象人物情報と、時系列に蓄積された評価対象人物ソーシャル情報と、時間変化が要因情報に含まれる与信モデルと、に基づいて、評価対象人物の事故発生リスクスコアを算出することにしてもよい。これにより、所定の事柄の時間変化が与信モデルにおける要因情報となり、与信モデルによって算出される事故発生確率に影響することになる。
【0115】
例えば、推定部82は、取引実行人物についての途上与信として、収集装置37により収集された情報を用いた事故発生確率を算出するとよい。時間経過とともに変化するSNS34上の情報を途上与信に利用するので、取引実行人物の信用力の変化を良好に事故発生確率に反映させることができる。融資を実行した人物については、発言内容や発言頻度などSNS34上の所定の情報の時間変化を事故発生確率に反映させることができる。具体的には、ある人物のSNS34への発言が急激に減少したら事故発生確率が高まるといったようなことが可能である。また、全ての人物のSNS34上の情報を時系列に蓄積すると、データ量が膨大となるが、実際に融資を実行した取引実行人物についてだけ時系列に情報を蓄積するので、蓄積するデータ量を削減することができる。
【0116】
また、本実施例では、学習対象人物ソーシャル情報および評価対象人物ソーシャル情報に、対象人物と友人とを接続したリンクによるネットワーク構造を項目として含めることにしてもよい。一般にソーシャルネットワークには友人をリンクで接続して関連づける機能が備わっている。そのため、SNS34から対象人物を中心としたリンクのネットワーク構造を取得できる。
【0117】
例えば、友人が少なくネットワークが小規模であるとか、逆に友人が多くネットワークの大規模であるとか、友人が互いにメッシュ状にリンクされているとか、ある人物を中心にスター型トポロジーであるとかいったネットワーク構成が事故発生確率の算出に影響を及ぼすようになる。
【0118】
学習部81は、学習対象人物ソーシャル情報を使って与信モデルを算出し、推定部82がその与信モデルを使って評価対象人物の事故発生確率を算出する。そのときの学習部81および推定部82の処理は上述した処理と何ら変わるところはない。この例によれば、ネットワーク構造を要因情報として与信モデルに含めることで、ソーシャルネットワークに特有の情報を事故発生確率の演算に反映させ、従来の方法では得られなかった要因を考慮したリスクの計算が可能となる。
【0119】
また、事故発生確率あるいは事故発生リスクスコアが一定の基準値よりも低かった場合に、その評価対象人物をブラックリストに含めるようにしてブラックリストを生成することにしてもよい。SNS34の情報を利用しないと算出できない事故発生確率を使うことで、実際に事故が起きてしまう前にブラックリストに事故発生確率の高い人物を登録し、注意を喚起することができる。
【0120】
また、事故発生確率あるいは事故発生リスクスコアが一定の基準値よりも低かった場合に、その評価対象人物に関連するSNS34上の情報を継続的に収集し、時系列に蓄積することにしてもよい。その場合、その時系列の情報を用いて、途上与信として、継続的に事故発生確率を算出するとよい。SNS34の情報を利用しないと算出できない事故発生確率を使うことで、実際に事故が起きてしまう前にブラックリストに事故発生確率の高い人物を登録し、注意を喚起することができる。
【実施例2】
【0121】
実施例1では、図11に示したように、候補人物ソーシャル情報の1つの空欄を1つの値で補完する例を示した。これは、人物モデルを用いて空欄に入る値として最も発生確率の高い値で空欄を補完したことによる。しかし、本発明の実施例がそれだけに限定されることはない。ここでは実施例2として、候補人物ソーシャル情報の1つの空欄を複数種類の値と各値の発生確率とで補完する例を示す。
【0122】
本実施例では、推定部52は、候補人物ソーシャル情報の空欄を補完するとき、SNS34から得られる情報を人物モデルに適用することにより、空欄の項目の値として発生しうる各値と、各値のそれぞれの発生確率とを求め、複数の値と発生確率の組み合わせを、空欄の項目の内容として設定する。
【0123】
図18は、実施例2における候補人物ソーシャル情報を補完した候補人物補正ソーシャル情報の一例を示す図である。図18を参照すると、候補アカウントAの候補人物補正ソーシャル情報A1において、住所の項目には、複数の値AA1、AA2、AA3と、それぞれの発生確率305、15%、13%とが設定されている。
【0124】
同様に、候補アカウントBの候補人物ソーシャル情報A2において、勤務先の項目には、複数の値BC1、BC2と、それぞれの発生確率50%、20%が設定されている。
【0125】
また候補アカウントBの候補人物ソーシャル情報A2において、職種の項目には、複数の値BJ1、BJ2と、それぞれの発生確率70%、10%が設定されている。
【0126】
また候補アカウントCの候補人物ソーシャル情報A3において、住所の項目には、複数の値CA1、CA2、CA3と、それぞれの発生確率38%、10%、8%が設定されている。
【0127】
この場合、判定部53は、同一性スコアを算出するとき、補完された各値によるスコアをその値の発生確率で重み付けして積算する。例えば、候補アカウントAの住所の項目の値AA1は評価対象人物の住所と一致し、値AA2は数字違いであり、値AA3は不一致であるとする。そうすると、住所の項目の部分では、1.0(住所の重み)×(1.0(一致)×0.3(30%)+0.8(数字違い)×0.15(15%)+0.0(不一致)×0.13(13%))=0.42となる。
【0128】
このように帆実施例によれば、より安定した同一性スコアを算出することが可能となる。
【実施例3】
【0129】
実施例1では、与信判定装置42が貸付システム32から与えられた評価対象人物情報を加工せずにそのまま使用する例を示したが、本発明の実施例がそれに限定されることはなく、何らかの加工を施した評価対象人物情報を用いることにしてもよい。
【0130】
実施例3では、同一性判定装置41が評価対象人物のアカウントを特定すると、そのアカウントに関連してSNS34から得た情報を基に評価対象人物情報を補正する。与信判定装置42はその補正された評価対象人物情報を用いて与信の処理を行う。
【0131】
図19は、実施例3による同一性判定装置のブロック図である。図19を参照すると、実施例3の同一性判定装置B0は、学習部51、推定部52、判定部53、および人物情報補正部B1を有している。学習部51、推定部52、および判定部53は図5に示した実施例1のものと同じものである。
【0132】
人物情報補正部B1へは、判定部53の判定結果である対応付け情報が入力される。対応付け情報には、評価対象人物情報と、その評価対象人物情報が示す評価対象人物と同一性の最も高い人物のアカウントとの対応関係が示されている。人物情報補正部B1は、入力された対応付け情報に示されたアカウントに関するSNS34上の情報を取得する。続いて、人物情報補正部B1は、そのSNS34から取得した情報に基づいて評価対象人物情報を補正する。
【0133】
例えば、必須項目でないために、申込時に申込者が記入しなかった項目の情報をSNS34からの情報に基づいて補完することが考えられる。また、申込時に申込者が誤記をしたため、誤った情報が設定されている可能性がある。SNS34からの情報に基づき、その誤った情報を正しい情報に修正することも考えられる。
【0134】
人物情報補正部B1は、補正後の評価対象人物情報(補正評価対象人物情報)を与信判定装置42に通知する。この場合、与信判定装置42は、評価対象人物情報の代わりに補正評価対象人物情報を用いて、評価対象人物の与信判定を行う処理を実行する。
【0135】
なお、本実施例では、人物情報補正部B1は、SNS34から情報を取得し、その情報を基に評価対象人物情報を補正する例を示したが、本発明の実施例がこれに限定されることはない。他の例として、人物情報補正部B1は、推定部52から出力された候補人物補正ソーシャル情報を取得し、その候補人物補正ソーシャル情報に基づいて評価対象人物情報を補正することにしてもよい。
【0136】
また、上述した本発明の実施形態および実施例は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態あるいは実施例のみに限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0137】
実施例1〜3では、推定部82は、評価対象人物ソーシャル情報92を基に、与信モデルを用いて、データセットにおける空欄である事故発生確率の項目の値を推定することにした。しかし、本発明の実施例がそれだけに限定されることはない。他の方法として、推定部82は、事故発生確率以外の項目に入る各内容について事故発生リスクについてのスコアを示すリスクスコアテーブルを与信モデルとして保持しておき、評価対象人物ソーシャル情報92の各項目の内容に対応するスコアを積算することにより、評価対象人物の事故発生リスクスコアを算出することにしてもよい。
【0138】
また、上述した実施例1〜3では学習部21が人物モデルを予め算出しておく例を示したが、本発明の実施例がこれに限定されることはない。他の例として、評価対象人物とアカウントの同一性判定を行う要求が生じたときに、人物モデルを算出することにしてもよい。更に他の例として、人物モデル学習データとして新たなデータが追加される毎に、人物モデルを算出し、更新することにしてもよい。
【0139】
また同様に、上述した実施例1〜3では学習部81が与信モデルを予め算出しておく例を示したが、本発明の実施例がこれに限定されることはない。他の例として、与信判定を行う要求が生じたときに、与信モデルを算出することにしてもよい。更に他の例として、与信モデル学習データとして新たなデータが追加される毎に、与信モデルを算出し、更新することにしてもよい。
【0140】
また、実施例1〜3では、既存の評価方法で得られた与信の結果を利用せずに、SNS34から得られた情報だけで評価対象人物の事故発生リスクスコアを算出する例を示した。しかし、本発明の実施例がこれだけに限定されることはない。他の例として、SNS34上の情報から求めた与信結果(ソーシャル与信結果)と、他の評価方法で得られた与信結果(非ソーシャル与信結果)との両方を用いて、総合的に与信結果を算出することにしてもよい。例えば、ソーシャル与信結果であるスコアと非ソーシャル与信結果であるスコアとの加重平均値を用いることにしてもよい。その際、ソーシャル与信結果と非ソーシャル与信結果とをどちらをどれだけ重視するかによって重み付けを行ってもよい。あるいは、同一性スコアなどソーシャル与信結果の信頼度に応じて、ソーシャル与信結果と非ソーシャル与信結果の重み付け比率を変化させることにしてもよい。
【0141】
また、実施例1〜3では、対象人物と同一性の高い人物のアカウントをSNS34から抽出する同一性判定装置41と、対象人物に対する与信の処理を行う与信判定装置42とを組み合わせて用いるキャッシングシステムを例示したが、本発明の実施例がこれに限定されることはない。
【0142】
同一性判定装置41を他の装置と組み合わせて他の用途のシステムに使うこともできる。例えば、個人向けに好適な商品やサービスの広告情報を配信する広告配信装置(不図示)と同一性判定装置41を組み合わせてマーケティングシステムを構築してもよい。商品やサービスなどの個人等に向けた個別のマーケティングに、SNS34上から得られる個人等に関連する情報を利用し、マーケティングの効果を向上させることが考えられる。その場合、同一性判定装置41が対象人物と同一性の高いアカウントを抽出し、広告配信装置がそのアカウントに関連するSNS34上から得られる情報を用いて各個人へ送る広告を選択することができる。
【0143】
また例えば、同一性判定装置41を、個人別に適性や希望にあった職種や企業の求人情報を提供する求人情報提供装置(不図示)と同一性判定装置41を組み合わせてリクルートシステムを構築してもよい。就職や転職などの求人において、SNS34上から得られる個人等に関連する情報を利用し、企業が仕事の内容に合った人材あるいは求めるタイプの人材を確保でき、個人が自分に合った仕事に就くことができるようにすることが考えられる。その場合、同一性判定装置41が対象人物と同一性の高いアカウントを抽出し、求人情報提供装置がそのアカウントに関連するSNS34上から得られる情報を用いて、各個人へ送る求人情報を選択することができる。
【0144】
また、与信判定装置42を他の装置との組み合わせ、あるいは単体で与信の評価システムに使うこともできる。例えば、貸付システム32が申し込みを受け付けるとき、SNS34のアカウントを用いてログイン(ソーシャルログイン)することを要求することにしてもよい。そうすることで、貸付システム32は、対象人物とSNS34上のアカウントとの対応付けを申込時に確定させることができる。貸付システム32が与信判定装置42に対応付けの情報を与信判定装置42に通知することにすれば、与信判定装置42は、同一性判定装置41が無くても対象人物とアカウントの対応付けを知ることができる。
【0145】
なお、上述した各実施形態および実施例の同一性判定装置11、41、情報利用装置12、および与信判定装置42の各部は、各部の処理手順を規定したソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させることにより実現することもできる。また、同一性判定装置11、41、情報利用装置12、および与信判定装置42を構成する各部(ソフトウェアによる場合を含む)は、必ずしも同じコンピュータ内に存在する必要はなく、複数のコンピュータに分散配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0146】
10…ソーシャルネットワーク情報利用システム、11…同一性判定装置、12…与信判定装置、21…学習部、22…推定部、31…与信システム、32…貸付システム、33…ユーザ端末、34…SNS、35…インターネット、36…評価システム、37…収集装置、38…SNS情報DB、41…同一性判定装置、42…与信判定装置、51…学習部、52…推定部、53…判定部、61…人物情報、62…評価対象人物情報、71〜73…候補人物ソーシャル情報、74〜76…候補人物補正ソーシャル情報、76…候補人物補正ソーシャル情報、81…学習部、82…推定部、91…評価対象人物情報、92…評価対象人物ソーシャル情報、93…評価情報、94…評価情報、A1…候補人物補正ソーシャル情報、A2…候補人物ソーシャル情報、A3…候補人物ソーシャル情報、B0…同一性判定装置、B1…人物情報補正部

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