(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、複数枚の紙葉
即ちシ−トを集積したシート束Sを所定の切断線に沿って切断するシート
切断装置に関する。
図1はその一実施形態を示す全体構成の説明図であり、
図2はその組み立て分解斜視図である。
【0021】
図1に示すようにシート
切断装置Aは、装置フレーム1と、シート束Sを載置する紙載台2と、紙載台にシート束Sを押圧して保持する紙押さえ部材13と、装置フレーム1に所定ストローク(走行ストローク)Stで往復動可能に取り付けられる走行キャリッジ4と、この走行キャリッジに取り付けられた切断刃ユニット3とから構成されている。
【0022】
[装置フレーム]
装置フレーム1には、シート束Sをセットする開口部12(紙載エリア;以下同様)が形成され、この開口部12にシート束Sを載置(セット)する紙載台2が形成されている(図示のものは折曲げ成形)。またメインフレーム1aには、後述するサブフレーム1bに切断刃ユニット3を装備した走行キャリッジ4が所定ストロークStで往復動するように取り付けられている。
【0023】
図2に示す組立分解図に従って説明すると、図示1aはメインフレームであり、1bはサブフレームであり、1cはプレス機構のユニットフレーム(以下「プレスフレーム」という)であり、1dはシートガイド機構のユニットフレーム(以下「ガイドフレーム」という)である。
【0024】
ベースフレーム1aは、金属、樹脂など適度の強度を有する材料で構成され、切断するシート束Sをセットする開口部(紙載エリア)12が形成されている。この開口部12にはシート束Sの下面を載置する紙載台2が配置されている。このベースフレーム1aにサブフレーム1bとプレスフレーム1cとガイドフレーム1dが固定され、装置フレーム1を構成している。
【0025】
サブフレーム1bは、後述する走行キャリッジ4を往復動可能に支持する走行ガイド手段(上部ガイドレール)11と走行駆動手段(駆動モータM1とタイミングベルト48)が組み込まれている。上部ガイドレール11は走行キャリッジ4を所定ストロークStで往復動可能に嵌合して案内するように図示のものは互いに平行に配置された第1ガイドレール11aと第2ガイドレール11bで構成されている。
【0026】
図示の第1、第2ガイドレール11a,11bは、断面円形状のガイドロッド(案内軸)で構成しているが、矩形状のガイドレールであっても、あるいは第1、第2の一方がガイドロッド、他方が矩形レールで構成しても良い。また、このサブフレーム1bはメインフレーム1aにビスなどで固定され、一体化されている。従って装置フレーム1はメインフレーム1aとサブフレーム1bに分離することなく両者を一体に構成してもよい。また、
図1の装置は装置フレーム1を開口部(紙載エリア)12を有する単一のフレーム枠で構成したが、装置フレーム1は紙載エリア12を介して上下に分かれた上部フレーム枠と下部フレーム枠で分離した構成としても良い。
【0027】
プレスフレーム1cは、紙載台2にシート束Sを押圧する紙押さえ部材13を有するフレーム構造で構成され、固定枠15と可動枠16で構成され、固定枠15はメインフレーム1aに一体に取り付けられ、可動枠16はメインフレームの紙載台2に対して圧接する作動位置(
図4(a))と退避した待機位置(
図4(b))との間で上下動するリンク構造で構成されている。そのリンク機構は
図4に従って後述する。
【0028】
プレスフレーム1cには、可動枠16に紙押さえ部材13が設けてあり、この紙押さえ部材13は加圧面13aが紙載面2と対向してシート束の上面を加圧(押圧)するようになっている。図示の紙押さえ部材13は可動枠16に折曲げ加工で一体成形されている。またプレスフレーム1cには、固定枠15と可動枠16の間に可動枠16を紙載面2a側に付勢する加圧スプリング14が配置しである。これと共に可動枠16には加圧スプリング14のバネ力に抗して紙押さえ部材13を紙載面から離間した上昇位置に待機させるカム部材19が設けてある。
【0029】
ガイドフレーム1dにはベースフレーム1aの紙載面2aにシート束Sを案内するガイドフラッパ(シートガイド)23a、23bと、このガイドフラッパを開閉するフラッパモータM2が設けてある。その詳細な構造は後述する。
【0030】
[紙載台]
装置フレーム1には前述したようにシート束Sを載置する紙載台2が設けられ、この紙載台2には紙載面2aが
図5に示すように紙載エリア12に配置されている。そしてこの紙載面2aにはガイドフラッパ(シートガイド)23a、23bが同一平面に配置されている。ガイドフラッパ(シートガイド)23a、23bは
図5左端から送られたシート束或いは
図5右端から送られたシート端を紙載台2に案内する。つまり図示の装置は断裁するシート束を
図5の状態において右側を上流にシート束を搬入しても、左側を上流にシート束を搬入しても、紙載台2にセットすることができ、切断処理したシート束を紙載台2から左右いずれの下流側に搬出することができるようになっている。
【0031】
[紙押え部材]
上記紙押さえ部材13には加圧面13aが、紙載台2には紙載面2aが形成され、シート束Sの上面を加圧面13aが、下面を紙載面2aが上下から挟むように支持する。そして加圧面13aと紙載面2aのいずれか一方が他方に対して接近するとシート束Sを押圧保持する。図示のものは紙載台2をベースフレーム1aに固定し、加圧面13aをシート束厚さ方向に上下動可能に構成し、紙載面2aと加圧面13aとの間でシート束Sを挟圧して保持する。
【0032】
[紙押え機構]
上述のプレスフレーム1cに取り付けられている紙押え機構について
図4に従って説明する。同図(a)はプレスフレーム1cの可動枠16に一体に形成された紙押さえ部材13を上方の待機位置から降下させて加圧面13aが紙載台2上のシート束Sを押圧した状態を示す。同図(b)は可動枠16を押圧位置から待機位置に上昇させ紙載台上のシート束Sの上方に退避させた状態を示す。
【0033】
図4に示すようにプレスフレーム1cはベースフレーム1aに固定される固定枠15とこの固定枠に上下動可能に支持された可動枠16で構成されている。可動枠16には紙押さえ部材13が形成(図示のものは折曲げ成形)され、この紙押さえ部材には加圧面13aが設けられている。この加圧面13aは紙載面2aと対向する姿勢で上下動可能に配置され、紙載台2上のシート束Sを押圧する押圧位置(
図4(a))とこの紙載面2aから離間した待機位置(
図4(b))との間で上下動する。
【0034】
このため可動枠16は固定枠15に揺動リンク18a、18bで平行四辺形を描くように連結されている。
図4において右揺動リンク18aは回動支点18xを中心に揺動可能に固定枠15に軸支持され、左揺動リンク18bは回動支点18xを中心に軸支持されている。そして左右一対の揺動リンク18a、18bを
図4(a)の押圧状態から時計方向に所定角度揺動すると同図(b)の待機状態に紙押さえ部材13が上昇する。逆に揺動リンク18a、18bを同図(b)の待機状態から反時計方向に所定角度揺動すると同図(a)の押圧状態に紙押さえ部材13が下降する。
【0035】
そして上記可動枠16と固定枠15との間には、加圧スプリング14が常に可動枠16の紙押さえ部材13を紙載面2a側に付勢するように配置されている。図示のものは加圧スプリング14a、14b、14c、14d、14eがバネ軸14yの周囲に巻廻してあり、バネ軸14yは固定枠15と可動枠16の間に貫挿支持されている。
【0036】
上記可動枠16は加圧スプリング14で紙載面2a上に付勢されている紙押え部材13を、紙載面2a上方に待機させ紙載エリア12にシート束Sを搬入(搬出)する必要がある。このため可動枠16には後述する走行キャリッジ4の往復動する走行ストロークStに沿ってカム部材19が配置されている。図示のカム部材19は可動枠16に一体に形成されたスライドカム(カム板)で構成されている。このカム板(カム部材)19にはカム面19aが配置され走行キャリッジ4の左限位置Sp2と右限位置Sp1では紙押さえ部材13が紙載面2aから離間した待機位置に上昇し、両限度位置の中央に位置するシート切断位置(切断領域CL)のときには紙押さえ部材13は紙載面2aにシート束Sを押圧して保持するようになっている。
【0037】
上述のカム面19aについて説明すると、このカム面19aは紙押さえ部材13を走行キャリッジ4の切断動作に連動して紙載台2上のシート束Sを押圧・解除するように形成されている。このためカム面19aには走行キャリッジ4に取り付けたフォロア部材20(遊動コロ;以下「フォロアコロ」という)が係合している。このカム面19aとフォロアコロ20とはシート束Sを切断する切断領域CL(
図3参照)では非接触状態となり、シート束Sの切断領域CLから離れた左限位置Sp2と右限位置Sp1では互いに係合する。この互いに係合した状態では紙押さえ部材13は紙載台2上のシート束Sから離間した待機状態に、互いに非接触(非係合)状態では紙押さえ部材13は加圧スプリング14の作用で紙載面2aにシート束Sを押圧する状態となる。
【0038】
[走行キャリッジ]
上述のサブフレーム1bに取り付けられ、紙載面2aに沿って所定ストロークStで往復動する走行キャリッジ4(以下単に「キャリッジ」という)について説明する。
図2に示すようにキャリッジ4は上部ガイドレール11(第1ガイドレール11aと第2ガイドレール11b)に嵌合され所定ストロークStで往復動するように支持されている。そしてこの上部ガイドレール11はサブフレーム1bに固定され、キャリッジ4はメインフレーム1aの紙載面2aに沿って往復動するように配置されている。
【0039】
上述のキャリッジ4について
図5を参照して説明する。
図5は装置の中央縦断面図を示す。キャリッジ4には後述する切断刃ユニット3が着脱自在に取り付けられ、装置フレーム(サブフレーム1b)に設けられた第1、第2ガイドレール11a、11bに嵌合支持されている。つまりキャリッジ4には第1ガイドレール11aに嵌合する係合孔41aと、第2ガイドレール11bに嵌合する係合孔41bが設けられている。そしてこの第1、第2ガイドレール11a、11bに嵌合されたキャリッジ4は位置ズレ、ガタつきなくスムーズに紙載面2aに沿って所定ストロークStで往復動するようになっている。このキャリッジ4の動作は、ガイドロッド間の平行度、ロッド径の精度、係合孔の加工精度を円滑で、ガタつき少なく緊密な運動が可能なように管理することによって得られる。
【0040】
上記キャリッジ4の駆動機構について説明する。
図2に示すサブフレーム1bには、走行駆動手段6が配置されている。走行駆動手段6は駆動モータM1と、この駆動モータM1の回転をキャリッジ4の往復動に伝達するタイミングベルト48で構成されている。駆動モータM1はメインフレーム1aにマウント支持され、正逆転可能なステッピングモータで構成されている。またタイミングベルト48は上部ガイドレール11に沿って左右一対のプーリ(不図示)に支持されている。プーリの一方には駆動モータM1の回転が中間伝動ベルト47で伝達されている。
【0041】
また上記タイミングベルト48はその一部がキャリッジ4に固定され、駆動モータM1でベルトを左右いずれかの方向に移動すると、キャリッジ4も同一方向に同一量移動するようになっている。
【0042】
上記キャリッジ4には前述したカム面19aと係合するフォロアコロ20が取り付けられている。このフォロアコロ20はキャリッジ4に植設した支軸に遊動回転するように嵌合支持されている。これによってキャリッジ4の移動動作で前述の加圧スプリング14の付勢力を受けるカム面19aの高さ位置(加圧位置か加圧解除位置)を制御することとなる。
【0043】
上記キャリッジ4の位置制御について説明する。キャリッジ4には、その位置を検出フラグする検出フラグ4frとポジションセンサSe1、Se2が設けられている。図示の装置は、シート束Sの切断動作の初期位置をキャリッジ4の右限位置Sp1と左限位置Sp2それぞれに設定し、キャリッジ4の左右動それぞれでシート束Sを切断するように構成されている。このため装置フレーム1には、右限位置Sp1にポジションセンサSe1が、左限位置Sp2にポジションセンサSe2が配置され、キャリッジ4にはセンサフラグ4frが配置されている(
図3参照)。
【0044】
このような構成で制御手段(不図示)は駆動モータM1を右限位置Sp1と左限位置Sp2との間で往復動する。このとき右限位置Sp1からプレス動作領域PL1、切断領域CL、プレス動作領域PL2、左限位置Sp2の順に所定長さに設定されている。プレス動作域PL1、PL2はシートの切断領域CLの両側でシート束Sを紙載面2aに押圧する動作と押圧解除する動作を実行するスパンに設定され、切断領域CLはシート束Sを切断する長さに設定され、最大サイズシートの切断長を基準に定められている。
【0045】
そして、制御手段は、右限位置Sp1をポジションセンサSe1で、左限位置Sp2をポジションセンサSe2で検出し、速度制御する。この他、速度制御のための構成として、駆動モータM1にエンコーダとエンコードセンサを配置する。これによって例えばポジションセンサSe1、Se2の検知信号とエンコードセンサ(不図示)のエンコード信号で駆動モータM1のショートブレーキを作動させ、あるいはモータの回転速度を増減速させる制御が可能となる。
【0046】
[切断刃ユニット]
上述のキャリッジ4には切断刃ユニット3が着脱交換可能に取り付けられている。切断刃ユニット3は、シート束Sを切断する束厚さに適合する
刃先31a、31bを有するブレード31で構成される上刃32と、この上刃と所定角度(鋭角度θ)でシート束Sを挟むように切断する下刃33と、この上下刃32,33を保持する
刃ホルダ35で構成されている。この切断刃ユニット3には後述する開閉カバー部材45が設けられ、上刃32に形成されている
刃先31a、31bを覆う閉蓋状態と露出する開蓋状態の間で開閉するようになっている。開閉カバー部材45の構成については後述する。
【0047】
図10に従って切断刃ユニット3について説明する。キャリッジ4に後述する方法で着脱自在に取り付けられた
上刃32は、平刃形状のブレード31に
刃先31aと31bが形成されている。
刃先31aは切断刃ユニット3が一方向(往方向)に移動するとき
にシートを切断し、反対側の
刃先31bはユニットが反対方向(復方向)に移動するとき
にシートを切断する。これは切断刃ユニット3を取付けたキャリッジ4の双方向動作でシート束Sを切断する為である。従って一方向例えば往方向でのみシートを切断するときには
刃先はブレードの一側縁にのみ形成すれば良い。
【0048】
このように形成された上刃32は、その基端部32aを
刃ホルダ35の基端部35aに固定ネジ34aで固定され、その先端部32bは
刃ホルダ35の先端部35bに固定ネジ34bで固定されている(
図10(b)参照)。
【0049】
一方下刃33は、
その刃先が上刃32
の刃先と角度θ(鋭角度)で傾いて配置されていると共に、紙載面2aに載置されているシート束Sの下面に沿って同一平面を切断線方向に移動するように
刃ホルダ35に固定されている。図示固定ネジ34bは上刃先端部32bと共に下刃33を固定している。
【0050】
また、下刃33は、切断方向に上刃ブレード31の刃幅Wdより広い刃面33aが形成され、この刃面33aの高さ位置は紙載面2aと
面一(同一高さ)か、若干低い(図示のものはギャップδが形成してある)高さ位置に設定されている。これは紙載面2aに押圧されているシート束Sの下面に沿って下刃33が円滑に移動する為であるが、このギャップδが大きいと切断品位を落とす問題を引き起こす。従って刃面33aの高さ位置は紙載面2aと
面一であることが最適である。
【0051】
また下刃33は、上刃32と協働してシート束Sを切断する
刃先を有する刃面33aと、その両側にはシート束の下面を刃面33aに案内するテーパ33b、33cが形成してある。同図において下刃33が右方向に移動するときにはテーパ33bがシート束の下面を刃面33aに向けて案内し、逆方向の左方向に移動するときにはテーパ33cがシート束の下面を刃面33aに向けて案内する。
【0052】
そして上刃32と下刃33とは互いに接合して一体となるように形成されているが、接合面の間にシートが侵入すると、切断不良を招くため上刃32と下刃33とは一方に凸突起33x、他方に凹嵌部32xが形成してあり両者を嵌合することによって隙間を形成することなく両刃を一体化するようになっている。
【0053】
刃ホルダ35の構成について
図10(a)に従って説明する。
刃ホルダ35は基端部35aと先端部35bとの間にアーチ状湾曲部35cを有するアーム形状に構成されている。この基端部35aには上刃32の刃元部(基端部)32aを固定する刃元取付部(固定ネジ34a)が、先端部35bには上刃32の刃先部(先端部)32bを固定する刃先取付部(固定ネジ34b)と下刃33を固定する下刃取付部(固定ネジ34b)がそれぞれ設けられている。
【0054】
なお図示の装置は
刃ホルダ35の先端部35bに上刃先端部32bと下刃33を同一の固定ネジ34bで固定しているがこれは別々の固定手段で固定しても良い。また
刃ホルダ35のアーチ状湾曲部35cには、切断刃ユニット3の走行方向と直交する方向にシート束Sの最大カット幅Wmaxより大きい空間が形成されている(
図10(a)参照)。
【0055】
このように形成された下刃33には、
刃ホルダ35に固定された状態で切断線方向にガイドレール17(下部ガイドレール)が設けられている。その構成は
図5に全体構成が、
図10(a)に細部の構成が示されている。
図10(a)に示すように紙載台2がベースフレーム1aに一体に形成され、この紙載台2に下部ガイドレール17が折曲げ形成されている。切断線方向にガイド面17aが形成され、このガイド面17aに下刃33に一体形成した凹陥溝33gが嵌合してある。
【0056】
この下部ガイドレール17のガイド面17aに沿って下刃33は走行方向に移動することとなる。この下刃ガイド機構は、ガイド面17aに下刃33を嵌合することなく
刃ホルダ35に凹陥部(不図示)を形成し、これをガイド面17aに嵌合してもよい。また、本発明は
図10(a)に破線で示すような上刃32の反り返りを防止することが可能となる。
【0057】
[切断紙片規制部材]
また、
図19(従来技術)
に示すようにシート束Sの一端から他端に走行する平板形状の切断刃で切断すると、切断部位の紙葉が局部的に盛り上がる(上方に迫り上がる/反り返る)現象が現れ、このシート束Sの局部的な反り返り変形によって切断面の品位が著しく劣る。
【0058】
そこで図示の装置は、切断部位で切断紙片が盛り上がるように反り返るのを防止する切断紙片規制部材27を配置する。
図8(a)は切断線に沿って移動するキャリッジ4の正面構成を、同図(b)はその背面構成を示す説明図である。
【0059】
キャリッジ4には前述した切断刃ユニット3と共に切断紙片規制部材27(以下単に規制部材と云う)が配置されている。この規制部材27は切断線に沿って移動する切断刃ユニト3で切除された紙片が上方にせり上がる(
図19の状態)のを防止するために切断刃の切断方向後方に配置される。図示の装置は切断刃ユニット3が左右移動する双方向切断である関係で上刃32の左右に配置されている。図示の規制部材27は紙面に沿って転動するロール部材で構成され、
図9に示すように上刃32で切断した切除紙片を上方から押圧して反り上がるのを防止する。
【0060】
キャリッジ4には左右一対の揺動アーム27a、27bが揺動可能に軸支持されている。
図8(a)において右側の揺動アーム27aは支軸27xを中心に摺動可能に支持され、先端部には
揺動ローラ27r1が回転可能に軸支されている。また左側の揺動アーム27bは支軸27xを中心に揺動可能に軸支され、その先端部には
揺動ローラ27r2が回転可能に軸支されている。そして左右の揺動アーム27a、27bには付勢スプリング28がその位置を
図8(a)の状態に保持している。
【0061】
そこでキャリッジ4が左右いずれかの方向に移動すると、紙載台2a上のシート上面と接する揺動ローラ27r1(27r2)は、走行方向前方に位置するロールは紙面高さに倣うように揺動し、走行方向後方に位置するロールは切断された紙片を押圧して反り返るのを防止するように押下する。なお左右の揺動アーム27a、27bは
図8(a)(b)の範囲で揺動し、それ以外の角度方向にはストッパで揺動しないようになっている。
【0062】
図8(a)(b)から明らかなように、本発明の左右一対の揺動ローラ27r1、27r2は走行方向前方に位置するロールは紙載台上の紙面と同じ高さ位置で、走行方向後方に位置するロールは紙面より低い位置に位置決めされている。
【0063】
また
図9に示すように左右一対の揺動ローラ27r1(27r2)は紙載台2に支持されているシート束の紙面を基準にトリミングカットする方向に徐々に低くなるテーパを有する円錐形状のローラで構成されている。これは切除するシートにストレスを与えないためである。
【0064】
[
刃ホルダの着脱機構]
上述の
刃ホルダ35をキャリッジ4に着脱自在に装着する機構について説明する。切断刃を薄いブレード31で形成すると切削抵抗が少なく、小さいエネルギーで高速に切断することと、比較的仕上げ品位に富んだ切断が得られる。その反面、薄いブレードの切断刃は耐久性に劣り、刃先損傷、損耗などで頻繁に交換する必要が生ずる。そこで熟練を要することなく安全に簡単に
刃を交換する必要がある。図示の装置における切断
刃の交換について説明する。
【0065】
図11はキャリッジ4に切断刃ユニット3を装着する状態の斜視説明図である。前述のように構成されたキャリッジ4は、装置フレーム1に設けられた上部ガイドレール11a、11bに所定ストロークで往復動可能に支持されている。このキャリッジ4には切断刃ユニット3が装着される。
図12(a)にキャリッジ4の側面構成を、同図(b)に
刃ホルダ35の側面構成を、同図(c)に
刃ホルダ35の正面構成を、(d)にx−x断面の状態を示している。
【0066】
キャリッジ側には
刃ホルダ35
を位置決めする位置決めピン40a、40bと位置決めした
刃ホルダ35を係止するロックレバー42が設けられている。また
刃ホルダ側には、位置決めピン40a、40bに適合する位置決め孔43a、43bと、ロックレバー42に形成されている係合爪42aに適合する係止溝44が設けてある。図示の装置は位置決めピン40と位置決め孔43を2個所に形成してある。
【0067】
図12に従って説明すると、上記ロックレバー42には係止爪42aが一体に形成され、支軸42xで揺動可能にキャリッジ4の外壁に取り付けられている。図示42Sはロックスプリングであり係止爪42aをロック方向に付勢している。図示42pはストッパである。
【0068】
また
刃ホルダ35には前述したように上刃32と下刃33が固定ネジ34a、34bで固定してある。そして上刃32には走行方向に
刃先31a、31bが形成されている。そこで図示の装置はこの
刃先31a、31bを覆うカバー部材(開閉カバー)45が設けてあり、このカバー部材はホルダ35に
刃先31a、31bを覆う閉蓋状態と、エッジを露出する開蓋状態との間で開閉可能に取り付けてある。
【0069】
後述する
図12に示す第1実施形態ではカバー部材45は、回転軸45xを中心に揺動する動作で
刃先31a、31bを覆う状態と、露出する状態に開閉している。また後述する
図14に示す第2実施形態ではカバー部材46を上刃のブレード31にスライド可能に嵌合し、その上下動で
刃先31a、31bを覆う状態と露出する状態に開閉している。
【0070】
[
刃ホルダを着脱する第1実施形態]
図12及び
図13に示す
刃ホルダ35の着脱操作で
刃先31a、31bを開閉する形態について説明する。なお説明の都合上、開閉カバー45の「開蓋状態」とは、カバーが開いて
刃先31a、31bがシート束Sを切断可能に露出した状態(
図13(b))とし、
「閉蓋状態
」とは刃先31a、31bを開閉カバー45が切断できないように覆った状態(
図13(a))と定義する。前述したように
刃ホルダ35には上刃32と下刃33がそれぞれ固定ネジ34a、34bで取り付けられ、
刃ホルダ35のアーチ状湾曲部35cで強度的に保護されている。
【0071】
図12(a)(b)はキャリッジ4に
刃ホルダ35を装着する状態の説明図を示す。
図13は
刃ホルダ35を拡大した説明図であり、同図(a)は開閉カバー45がブレード31の
刃先31a、31bを被った状態(閉蓋状態)を示し、同図(b)は開閉カバー45が
刃先31a、31bを露出させた状態(開蓋状態)を示す。
【0072】
図12(c)に示すように上刃32は
刃ホルダ35の基端部35aと先端部35bに固定ネジ34a、34bで固定され
刃先31a、31bはその両端に形成されている。この
刃先31a、31bを覆うように開閉カバー45が支軸45xを中心に揺動可能に取り付けられている。開閉カバー45は同図(d)に示すようにブレード31の背面を覆い、前面は解放した状態で突出したフランジ部45yで
刃先31a、31bを覆っている。このような構成で開閉カバー45をブレード31の背面側に離れる方向に回動すると
刃先31a、31bは前面側に露出することとなる。そしてこのフランジ部45yは使用者が不用意に触れても
刃先31a、31bで負傷することがない高さに形成してある。
【0073】
図13に示すように開閉カバー45は、支軸45xで
刃ホルダ35に揺動可能に軸支持されている。そしてこの
刃ホルダ35との間に付勢バネ35Sが設けられ、このバネは常時開閉カバー45を上刃32の
刃先31a、31bと係合する方向に付勢している。また上記開閉カバー45は前述した位置決めピン40と係合する位置に配置され、位置決めピン40が位置決め孔43に嵌合すると、ピンの先端が開閉カバー45に係合して支軸45xを中心に
図13(b)の状態に開閉カバー45を揺動する。このとき開閉カバー45は付勢バネ35Sに反して支軸45xを中心に回転し、その先端が
刃ホルダ(が図示のものはアーチ状湾曲部35c)に突き当たってその位置に保持される。
【0074】
そして、
刃ホルダ35をキャリッジ4から離脱すると、位置決めピン40は位置決め孔43から外れる。するとピン先端が開閉カバー45から離れ、付勢バネ35Sの作用で開閉カバー45は上刃32の
刃先31a、31
bを覆
う(
図13(a)参照)。
【0075】
なお、図示の構成において、位置決めピン40をキャリッジ4に配置し、これに適合する位置決め孔43を
刃ホルダ35に配置する場合を示したが、これと逆に位置決めピンを
刃ホルダ35に、位置決め孔をキャリッジ4に配置することも可能である。この場合にはピンを孔に差し込む動作に連動して開閉カバー45を開方向に揺動させる伝動レバーを配置する。
【0076】
[走行キャリッジの移動で刃先カバーを開閉する形態]
次に
図14に示す実施形態について説明する。先の第1実施形態ではブレード31の
刃先31a、31bを支軸45x
を中心に回転する開閉カバー45で開閉する場合を示した。
図14にはブレード31をスライドする開閉カバー46で
刃先31a、31bを開閉する場合を示す。
【0077】
ブレード31は
刃ホルダ35に固定ネジ34a、34bで固定してあり、図示しないが
刃ホルダも前述のものと同様であり、キャリッジ4に装着するホルダ基端部(連結部)35aのみを図示する。
刃ホルダの基端部35aには、位置決め孔43a、43bが2つ設けてあり、キャリッジ4に配置されている位置決めピン40a、40bが嵌合する。このホルダ基端部35aとホルダ先端部35bとの間に上刃32が固定ネジ34a、34bで固定されている。
【0078】
そこで図示の実施形態は、上刃32にスリーブ状の開閉カバー46が嵌合してある。この開閉カバー46はブレード31に嵌合(遊嵌)され、常にその自重で
下刃33側に落下するように配置されている。そして、開閉カバー46はホルダ基端部35aに配置したレバーバネ49の先端部49bに連結されている。一方キャリッジ側には、位置決めピン40と一体若しくはこれと分離して隣接した位置に開閉操作片(図示のものは突起)40cが設けられている。この開閉操作片40cはホルダ基端部35aに形成されている開口35dからホルダ内に進入して、レバーバネ49の基端部49aを押下する。このレバーバネ49は固定ビス34aの周囲に形成されているフランジに遊嵌され回動可能に支持されている。
【0079】
このような構成において、
刃ホルダ35はキャリッジ4に装着する前の状態では開閉カバー46はその自重(或いは
レバーバネ49)で
図14(a)の状態に上刃32の
刃先31a、31bを覆っている。つまり開閉カバー46は閉蓋状態でブレード31の
刃先31a、31bを覆って保護している。そこで
刃ホルダ35をキャリッジ4に装着すると、位置決めピン40a、40bの嵌合と同時に開閉操作片40cがレバーバネ49の基端部49aを押下する。
【0080】
このレバーバネの基端部49aが同図(b)反時計方向に揺動させられるとその先端部49bは開閉カバー46を
刃先31a、31bを覆った状態から上方にスライド移動する。これによって上刃32の開閉カバー46は
刃先31a、31bを覆う閉蓋状態から上方にスライドして開蓋状態となる。
【0081】
なお図示の実施形態でレバーバネ49は固定ネジを中心に回転する構成を図示したが、固定ネジとは異なる回転中心を設けても良い。
【0082】
[搬送ガイド機構]
前述の紙載台2には、開口部12にシート束Sを外部から案内する搬送ガイド機構22が設けられている。
図5に示すように紙載台2の搬送方向上流側に、上下一対のシートガイド23a、23bがガイドフレーム1dに取り付けられている。この上下シートガイド23a、23bは、それぞれ基端部をガイドフレーム1dに揺動可能に回転軸24a、24bで支持されている。そして図示しないスプリングによって常時同図実線状態に付勢されている。これによって上下のシートガイド23a、23bは、同図実線の作動姿勢(シート束Sセット姿勢)と同図破線の退避姿勢(シート束S断裁姿勢)に基端部の回転軸24a、24bを中心に揺動可能に支持され、この作動姿勢と退避姿勢の一方向に付勢スプリング(不図示)で付勢されている。
【0083】
各シートガイド23a、23bの回転軸24a、24bには互いに噛合する連動歯車(不図示)が設けてあり、図示25は連動機構を構成する伝動歯車である。この伝動歯車25にフラッパモータM2の回転が伝達され、シートガイド23a、23bの開閉動作を実行する。 このように上下一対のシートガイド23a、23bはシート束Sを切断位置にセットするときには作動姿勢(
図5実線状態)に、セットしたシート束Sを切断するときには退避姿勢(
図5破線状態)に開閉動することとなる。尚、本発明では駆動モータで開閉動する機構を示したが、作動ソレノイドなどのアクチュエータで作動させても良い。
【0084】
[カッタ制御部]
上述したように装置フレーム1(図示のものはサブフレーム1b)に駆動モータM1が取り付けてあり、この駆動モータM1は正逆転可能な電磁モータか或いはステッピングモータで構成されている。電磁モータの場合には、エンコーダとエンコードセンサでパルス制御は可能に構成する。また、所定ストロークStで往復動するキャリッジ4は、その左限位置Sp2と右限位置Sp1をポジションセンサSe1、Se2で検出するようになっている。
【0085】
このように構成された駆動モータM1は、その回転を中間伝動ベルト47を介してタイミングベルト48に伝達され、このタイミングベルトはガイドレール(上部ガイドレール11と下部ガイドレール17)に沿って所定ストロークStで走行キャリッジ4を往復動するようにプーリ間に配置されている。走行キャリッジ4にはフォロアコロ20が一体に設けられ、このコロ20はカム部材19のカム面19aに係合し、このカム面は紙押さえ部材13を紙載面2aから離間した待機位置(
図4(b))と紙載面上のシートを押圧する加圧位置(
図4(a))との間でシフトするように形成されている。
【0086】
また紙押さえ部材13は前述したように加圧スプリング14の作用を受け、シートの加圧状態を示す
図4(a)及びその状態の一部を示す
図15(c)ではカム面19aとフォロアコロ20は互いに非係合状態となり、加圧スプリング14のバネ力は紙押さえ部材13に伝えられ、シート上面を押圧する。またキャリッジ4は右限位置Sp1と、左限位置Sp2に位置するときには、加圧スプリング14のバネ力はカム面19aとフォロアコロ20の係合部で受け止められ紙押さえ部材13は紙載面2a上のシート束Sから離れた待機位置Wpに位置する。
【0087】
図示15(a)はカム面19aとキャリッジ4の走行ストロークStの関係を示し、同図(b)はその速度制御を示し、同図(c)は加圧状態のバネ機構を、同図(d)は待機状態のバネ機構をそれぞれ示す。
図15(a)において、右限位置Sp1と左限位置Sp2との間でキャリッジ4は往復動する。この走行ストロークStは、最大サイズシートを基準に切断領域St4を中心にその左右に加圧領域St1と加圧解除領域St7が、切断領域St4は、切断初期領域St3と切断終了領域St5が予め設定されている。なお図示15(a)のストローク説明は、左限位置Sp2から右限位置Sp1に向かってキャリッジ4が移動する場合を示している。そして同図において領域St2とSt6はキャリッジが移動する引継ぎ域である。
【0088】
そこで、駆動モータM1の制御手段は、紙押さえ部材(プレス部材)13が待機位置(
図4(b))から作動位置(
図4(a))に移動するときには低速度V1で回転し、次いで切断刃ユニット3がシート束Sの切断開始端の切断(St3)を終了した後に駆動モータM1を高速度で回転する。つまり
図15(a)に示すように初期位置(Sp2)から紙押さえ部材13の加圧動作(St1)が終了するまでは低速度V1で駆動し、その後中速度V2でシート束Sの切断初期領域St3が終了するまで移動する。その後高速度V3で移動し、シート束の切断終了領域St5では中速度V2に減速してシート束を切断する。シート束切断部終了した後には再度低速度V1で駆動して紙押さえ部材13の押圧力を解除した後にストローク右限位置Sp1に到達する。
【0089】
つまり、紙載面上に積載したシート束Sを加圧する動作で駆動モータM1(キャリッジ走行モータ)には最大のトルクが負荷として作用する。このとき駆動モータM1を最低速度V1で回転して生起したトルクをカム面19を移動するフォロアコロ20の移動力に変換する。
【0090】
次いで制御手段はシート束S
の切断
を開始する切断初期領域St3と切断終了領域St5では駆動モータM1の回転速度を中速度に設定する。この速度は低速度とほぼ同一であっても良いが速度差(V2≧V1)を設けることによって作業効率を向上させることができる。なおこの中速度領域はシート束を切断する際に初期時には緩やかな速度で切断し、その後に高速で切断した後に低速度で緩やかに切断を終了することが切断品位を高めるために必要であることによる。従って低速度V1は駆動モータM1のトルクを加圧機構に伝達する最適の条件に速度設定し、中速度V2は駆動モータM1のトルクをシートを切断開始する最適の条件に速度設定し、高速度V3は駆動モータM1のトルクをシートを効率よく切断する最適の条件に速度設定することが好ましい。これらの条件は切断するシートの性状に応じて実験で最適値を究明する。
【0091】
[後処理装置の構成]
図16に示す画像形成システムについて説明する。同図には画像形成装置Bと、画像形成されたシートを部揃え集積にして折り処理する後処理装置Cとから構成されている。本発明に係るシート
切断装置Aはユニットとして後処理装置Cに組み込まれている。
【0092】
画像形成装置Bは給紙部55から送られたシートを画像形成部56で画像形成した後に排紙ローラ57に搬出する。画像形成部56は静電印刷機構、インクジェット印刷機構、オフセット印刷機構、インクリボン印刷機構など種々の画像形成機構が採用可能である。給紙部55は複数のカセットに異なるサイズのシートを収納し、画像形成条件に応じたサイズのシートを1枚ずつ給紙して画像形成部56に向けて供給する。画像形成部56ではシートに画像を形成し、加熱定着などの定着手段で定着した後に排紙ローラ57に搬出する。排紙ローラ57の下流側には後処理装置Cが連結されている。
【0093】
後処理装置Cは搬入口58から搬入されたシートを処理トレイ59上に部揃え集積にしてステープル綴じなどの綴じ処理を施し、このシート束の小口端の1辺若しくは3辺をトリミング断裁して仕上げ処理する。図示の装置は綴じ処理したシート束の小口端1辺を断裁揃えする仕上げ装置を示す。断裁処理したシート束はその下流側に配置された排紙スタッカ66に収納される。なお、シート
切断装置Aの具体的構成については前述した通りである。
【0094】
図16において図示60はパンチユニット、61は端綴じステープルユニット、62は中綴じステープルユニットをそれぞれ示し、それぞれの機構はすでに知られているのでその説明を省く。そして画像形成装置Bから送られたシートを搬入口58から処理トレイ上に搬出し、このトレイ上で部揃え集積して綴じ処理したのちに第1のスタックトレイに収納する。また同様に搬入口58から送られたシートを第2処理部63に集積し、この第2処理部に配置した中綴じステープルユニット62でシート中央部を綴じ処理する。
【0095】
次いでこのシート束を折り処理部64に搬送し、折り処理部では折りブレード64aと折りロール64bで折り仕上げする(マガジン仕上げ)。このときシートの小口端は不揃いとなり、その縁部を断裁することによって仕上げ処理する。このため折りロール64bの下流側にシート
切断装置(ユニット)Aを配置し、折り処理したシート束を排紙スタッカ66に搬出する途中でその端縁をトリミング断裁する。
【0096】
[固定刃説明]
なお、本発明にあって下刃33の形状は、まな板形状の矩形ブロックで構成する場合を示したが、この下刃33は上刃32と共に紙載面2aに載置されているシート束の下面を摺りながら移動する。このときシート下面を汚損する恐れがあるので下刃は
図18に示すように
鋭い刃先を有する
薄い平刃70で構成しても良い。
【0097】
[折りロール機構]
図17には紙載台2にシートを案内するガイドフラッパ(シートガイド)23a、23bに代えて、シートを折り処理する折りロール手段50で紙載面にシートを案内する場合を示している。この場合にはガイドフラッパと、これを開閉する駆動機構を必要としないので、装置を小型コンパクトに構成することができる。
【0098】
つまり、シートを集積する集積ガイド51と直交する方向に一対の折りロール50a、50bを配置し、対向する側に配置した折りブレード52でシートを折り方向に繰り出す。この折りシートの繰り出し方向前方に紙載台2と走行キャリッジ4と切断刃ユニット3を配置する。そしてシート
切断装置Aの下流側にシートを搬送する搬送ローラ53を配置する。このような構成において折りロール手段50から繰り出されたシート束の後端部をセンサ54Sで検出し、このセンサのシート後端検知信号を基準に搬送ローラ53を回転して切断刃の走行位置に切断線が位置するように切断幅を割り出す。