特許第6084121号(P6084121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084121
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】スクリュージョイントを有する電動機
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/06 20060101AFI20170213BHJP
   H02K 7/00 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   H02K7/06 A
   H02K7/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-122560(P2013-122560)
(22)【出願日】2013年6月11日
(65)【公開番号】特開2014-3884(P2014-3884A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2016年1月25日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0064170
(32)【優先日】2012年6月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,セホ
【審査官】 宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−508999(JP,A)
【文献】 特開昭58−59028(JP,A)
【文献】 特表昭56−501443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/00−7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機本体と、
前記電動機本体の出力軸に連結されて、前後方向に往復動するようになり、その一端部に前記電動機本体の前記出力軸とねじ結合されるねじ山が形成され、他端部に第1締結孔が形成されたリードスクリューと、
前記リードスクリューの他端部を収容する結合部が形成され、前記リードスクリューの前記第1締結孔に対して互いに連通可能な結合位置に形成された第2締結孔を有するボール状のジョイント部材と、
前記リードスクリューとボール状の前記ジョイント部材とを結合するように前記第1締結孔及び前記第2締結孔を貫通する結合部材と、を含み
記ジョイント部材は、前記第2締結孔が形成された位置で熱融着により変形されて前記結合部材が前記結合位置から離脱されることを防止することを特徴とする、リードスクリューを有する電動機。
【請求項2】
前記リードスクリューとボール状の前記ジョイント部材との前記結合位置に前記第1締結孔及び前記第2締結孔が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のリードスクリューを有する電動機。
【請求項3】
前記第2締結孔は、
前記ジョイント部材の熱融着時に閉鎖されることを特徴とする、請求項2に記載のリードスクリューを有する電動機。
【請求項4】
前記結合部材は、
前記リードスクリューの径より大きく、前記ジョイント部材の径よりは小さい長さを有することを特徴とする、請求項1に記載のリードスクリューを有する電動機。
【請求項5】
前記結合部材は、
チューブ状の弾性ピンで設けられることを特徴とする、請求項1に記載のリードスクリューを有する電動機。
【請求項6】
前記結合部材は、
金属材質で形成されることを特徴とする、請求項5に記載のリードスクリューを有する電動機。
【請求項7】
前記リードスクリューは、
前記電動機本体の出力軸にねじ結合されることを特徴とする、請求項1に記載のリードスクリューを有する電動機。
【請求項8】
前記電動機本体は知能型ステッピングモータ(ISM)が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載のリードスクリューを有する電動機。
【請求項9】
前記結合部材の両端部は前記結合位置から前記リードスクリューの前記第1締結孔の外部に突出されることを特徴とする、請求項4に記載のリードスクリューを有する電動機。
【請求項10】
前記結合部材の突出部位は前記ジョイント部材の前記第2締結孔の内側に位置されたことを特徴とする、請求項9に記載のリードスクリューを有する電動機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知能型ステッピングモータのスクリュージョイント締結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、自動車の安全に対する関心が高まるに従って、夜間に自動車を運転する際に、運転者が回転する方向の照度をより高められるよう、自動車のヘッドライトの照明角度を調節できる自動車のヘッドライト制御装置が種々提案されている。
【0003】
一般に、自動車のヘッドライトの角度を変更するためには、モータ駆動を用いた角度調節装置が使用されるが、前記モータの端部には、ジョイント連結のためのリードスクリュージョイントが設けられ、角度調節ユニットを動かして、ヘッドライトの照射方向を調節する。
【0004】
このようなモータの端部に設けられたリードスクリューの端部は、ボール状のジョイント部材がスプリングピンを用いて固定される。即ち、前記リードスクリューには第1ピンホールが形成され、前記ボール状のジョイント部材の結合位置には第2ピンホールが形成されて、スプリングピンを前記第1及び第2ピンホールに圧入結合し、前記ボール状のジョイント部材は熱融着して固定する。
【0005】
ところが、このような結合構造によると、頻繁に動作するボール状のジョイント部材とスクリュージョイントとの結合のためには、熱融着工程とスプリングピン押入工程等の2段階の組み立て工程が行われていることから、作業効率性が低下し、スプリングピンの圧入部に微細なギャップ(gap)が形成される場合、結合部分において流動が繰り返して発生し、前記リードスクリューの往復移動動作が精度よく行われないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態では、リードスクリューの往復移動動作を精度よく維持することができ、組み立て作業が簡素化されて、生産性を向上できるよう構造が改善されたリードスクリューを有する電動機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るリードスクリューを有する電動機は、電動機本体と、前記電動機本体の出力軸に連結されて、前後方向に往復動するリードスクリューと、前記リードスクリューの端部に連結されるボール状のジョイント部材と、前記リードスクリューとボール状のジョイント部材とを結合する結合部材とを含み、前記結合部材は、前記ジョイント部材の前記結合部材が挿入結合する面を熱融着して、前記結合部材の離脱を防止することを特徴とする。
【0008】
本発明の一実施形態によると、前記リードスクリューとボール状のジョイント部材との結合位置には、前記結合部材が貫通する第1及び第2締結孔が形成されることが好ましい。
【0009】
前記第2締結孔は、前記ジョイント部材の熱融着時に閉鎖されてもよい。
【0010】
前記結合部材は、前記リードスクリューの径より大きく、前記ジョイント部材の径よりは小さい長さを有し、チューブ状の弾性ピンで形成されてもよい。
【0011】
また、前記結合部材は、金属材質で形成されることが好ましい。
【0012】
また、前記リードスクリューは、前記電動機本体の出力軸にねじ結合されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の様々な実施形態によると、ジョイント部材の熱融着によってチューブ状の弾性ピンで設けられる結合部材が挿入される締結孔を塞ぐため、繰り返して衝撃荷重が生じても、結合部材が離脱する等の不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るリードスクリューを有する電動機の一例を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るリードスクリューとボール状のジョイント部材との結合関係を示した分解斜視図である。
図3】リードスクリューとボール状のジョイントとを熱融着で結合した状態を示した正面斜視図である。
図4図3の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明によるリードスクリューを有する電動機について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るリードスクリューを有する電動機の一例を示した斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係るリードスクリューとボール状のジョイント部材との結合関係を示した分解斜視図であり、図3は、リードスクリューとボール状のジョイントとを熱融着で結合した状態を示した正面斜視図であり、図4は、図3の断面図である。
【0017】
図示したように、本発明に係る電動機は、電動機本体10、リードスクリュー110、ジョイント部材120及び結合部材130を含む。
【0018】
前記電動機本体10は、知能型ステッピングモータ(ISM)で設けられることが好ましく、精密な制御を通じて自動車のヘッドライト方向転換装置に最適化して設けられる。前記電動機本体10の端部には、電動機の回転動力を往復運動に切り替えて出力する出力軸11が設けられる。
【0019】
リードスクリュー110は、前記出力軸11と連結されて、前記電動機本体10の出力軸11から出力される動力の伝達を受けて、図1の矢印A方向に往復運動を行う。前記リードスクリュー110は、前記出力軸11にねじ結合できるように端部にねじ山112が形成されてもよい。
【0020】
ジョイント部材120は、図2及び図3に示したように、前記リードスクリュー110の前記ねじ山112が形成された端部の他端と結合し、端部がボール状を有するように形成されてもよい。前記ジョイント部材120は、図示されない自動車のヘッドライト方向転換ユニットと連結されて、前記リードスクリュー110の前進及び後退動作に応じて前記ヘッドライト方向転換ユニットに動力を伝達する役割を果たす。
【0021】
結合部材130は、前記ジョイント部材120とリードスクリュー110とを結合するためのものであって、このため、前記リードスクリュー110とジョイント部材120各々には第1締結孔111及び第2締結孔121が設けられる。前記第1及び第2締結孔111、121は、前記リードスクリュー110とジョイント部材120との結合位置において互いに連通できる位置に設けられる。従って、前記リードスクリュー110にジョイント部材120の結合部を挿入すると、結合位置において前記第1及び第2締結孔111、121は互いに連通し、前記連通した第1及び第2締結孔111、121に前記結合部材130を貫通結合して、前記リードスクリュー110にジョイント部材120を結合することができる。
【0022】
一方、図2乃至図4に示したように、前記第1及び第2締結孔111、121を通過した結合部材130は、中空の金属材質のチューブ状の弾性ピンで設けられてもよい。前記結合部材130の長さは、図4に示したように、前記リードスクリュー110の幅よりは長く、前記ジョイント部材120の幅よりは短く形成されて、結合位置において結合部材130の両端部が前記リードスクリュー110の第1締結孔111の外側に突出しながら、突出部分が前記ジョイント部材120の第2締結孔121の内部に位置されるように構成されてもよい。
【0023】
このように、前記結合部材130がリードスクリュー110とジョイント部材120各々に設けられた第1及び第2締結孔111、121に結合されると、作業者は、前記ジョイント部材120の外部に露出している前記第2締結孔121を熱融着によって閉鎖して、前記結合部材130の離脱を防止することができる。即ち、ジョイント部材120は、一般に樹脂材質で形成されるため、図1及び図3に示したように、前記第2締結孔121が形成された位置を熱と圧力を加えて熱融着すると、前記第2締結孔121が形成された付近が熱変形されながら溶け落ちる。この溶け落ちた樹脂は、前記第2締結孔121の内部に含浸されて前記第2締結孔121全体を全部塞ぐこともあり、熱変形された樹脂の一部が前記第2締結孔121の内部に流入されて、前記第2締結孔121の一部のみを閉鎖することもある。従って、前記第2締結孔121を介して挿入された結合部材130は、前記第2締結孔121が熱融着によって閉鎖されて、外部衝撃によって結合位置から離脱することを防止することができる。
【0024】
以上、説明し、図面に図示された本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を限定するものと解釈されてはならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された事項のみによって制限され、本発明の技術分野において通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想を多様な形態で改良変更することができる。従って、このような改良及び変更は、通常の知識を有する者にとって自明である限り、本発明の保護範囲に属することができる。
【符号の説明】
【0025】
10 電動機本体
11 出力軸
110 リードスクリュー
111、121 締結孔
112 ねじ山
120 ジョイント部材
130 結合部材
図1
図2
図3
図4