特許第6084158号(P6084158)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084158
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】失禁パッドを折りたたむ方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20170213BHJP
   A61F 13/472 20060101ALI20170213BHJP
   A61F 13/475 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   A61F13/15 200
   A61F13/472 400
   A61F13/475 112
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-514811(P2013-514811)
(86)(22)【出願日】2011年5月25日
(65)【公表番号】特表2013-528459(P2013-528459A)
(43)【公表日】2013年7月11日
(86)【国際出願番号】IB2011052279
(87)【国際公開番号】WO2011158146
(87)【国際公開日】20111222
【審査請求日】2014年5月16日
(31)【優先権主張番号】BO2010A000378
(32)【優先日】2010年6月15日
(33)【優先権主張国】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ロザーニ
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエレ・パストレッロ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・ブジーニ
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ・ピアントーニ
【審査官】 山本 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−244329(JP,A)
【文献】 国際公開第98/020823(WO,A1)
【文献】 国際公開第98/025561(WO,A1)
【文献】 特開平09−000567(JP,A)
【文献】 米国特許第04701177(US,A)
【文献】 特開平01−091862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸(A)に従って細長い矩形状を有する失禁パッドを折りたたむ方法であって、
前記失禁パッドが、中央吸収性パッド(8)と、周辺縁部(11)とを備えており、
該方法は、前記長手方向軸(A)に対して横方向の第1の折りたたみ線(14)及び第2の折りたたみ線(15)で各失禁パッド(3)を折りたたむステップを備え、
前記折りたたむステップは、
第1の折りたたみ線(14)に関して前記失禁パッド(3)の中央部分(17)上に前記失禁パッド(3)の第1の端部分(16)を折りたたむ第1のサブステップと、
前記第2の折りたたみ線(15)に関して前記第1の端部分(16)上に前記失禁パッド(3)の第2の端部分(18)を折りたたむ第2のサブステップと、
を備えており、
前記第1の折りたたみ線(14)と前記第2の折りたたみ線(15)との間の距離(D1)が、前記失禁パッド(3)の前記長手方向軸(A)に沿って測定され、該距離(D1)は、前記第1の端部分(16)の長手方向寸法(D)より大きい、又は該長手方向寸法(D)に等しいとされており、
前記折りたたむステップより前に
前記第1の折りたたみ線(14)と前記第2の折りたたみ線(15)との間に位置した前記周辺縁部(11)の区域(12)が前記中央部分(17)上に内向きに折りたたまれるステップであって、前記区域(12)は前記周辺縁部(11)の2つの長手方向区域(12)であり、少なくとも前記中央部分(17)でそれぞれが弾性化部分(19)を備え、前記周辺縁部(11)の2つの長手方向区域(12)の弾性化部分(19)が、前記中央部分(17)と接触するまで折りたたまれるステップと、
前記区域(12)が前記中央部分(17)上に保持されるステップと、実行され、
前記保持するステップは、前記折りたたむ第1のサブステップの終了まで少なくとも続いており、
それによって、包装を開くと、前記失禁パッド(3)に解剖学的形状を与えるように前記失禁パッド(3)の前記第1の端部分(17)又は前記第2の端部分(18)が前記中央部分(17)に対して所定の角度を採用することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の折りたたみ線(14)と前記第2の折りたたみ線(15)との間の前記距離(D1)は、前記失禁パッド(3)全体の前記長手方向寸法の3分の1に少なくとも等しいとされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の折りたたみ線(14)と前記第2の折りたたみ線(15)との間の前記距離(D1)は、60mmと150mmとの間であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記中央部分(17)上に内向きに折りたたまれると、前記第1の折りたたみ線(14)と前記第2の折りたたみ線(15)との間の前記周辺縁部(11)の前記区域(12)は、35mmと75mmとの間の距離(D2)だけ、前記失禁パッド(3)の前記長手方向軸(A)に対して直角の方向において、間隔をあけていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記失禁パッド(3)の前記第1の端部分(16)は、使用時に前記失禁パッド(3)の前方部分を構成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記失禁パッド(3)の前記第1の端部分(16)は、使用時に、前記失禁パッド(3)の後方部分を構成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記折りたたむ第2のサブステップの後に、前記失禁パッド(3)の前記中央部分(17)の各側部に向けて、前記第1の端部分(16)の前記側部(12a)を折りたたみ、前記第1の端部分(16)の周りで前記第2の端部分(18)の前記側部(12b)を折りたたむステップが続くことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記折りたたむ第2のサブステップの後に、側部が前記中央部分の前記側部に重ねられるまで、前記第1の端部分(16)の前記側部(12a)を折りたたみ、前記第1の端部分(16)の周りで前記第2の端部分(18)の前記側部(12b)を折りたたむステップが続くことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、失禁パッドを折りたたむ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、本願発明の技術的範囲に限定しないが、この発明は、女性用の軽度失禁パッドを折りたたむために適用されることができる。
【0003】
周知なように、上記の種類の失禁パッドは、略矩形状を有し、非浸透性のシート及び吸収性シートからなる2つのシートを備え、それらのシートの間には、所定の厚さを有する吸収性材料から製造されたパッドの区域が載置されている。
【0004】
失禁パッドの輪郭において、2つの重ねられたシートが、所定の幅を有する周辺縁部(perimetric edge)を画定する。
【0005】
該周辺縁部における2つの長手方向の側部は、それらの中央領域で弾性化区域を有する。
【0006】
周知なように、上記の種類の失禁パッドを包装する装置は、長手方向軸に対して横断方向である2つの折りたたみ線に関して、それらを、失禁パッドの前方部分、中央部分、及び後方部分をそれぞれ形成する3つの部分に折りたたむユニットを備える。
【0007】
この方法で3つの重ねられた部分に折りたたまれた失禁パッドは次いで、包装装置のさらなるユニットによって、個々に、又は集団で包装材料内に挿入される。
【0008】
失禁パッドが解剖学的形状を有する必要があることも、周知である。
【0009】
それは、各失禁パッドの包装が開封される場合に、失禁パッドがV字形状又はL字形状の曲げ構成を適合し、吸収性シートによって形成された内側表面側に、前方部分及び後方部分が、それらが隣接しているが、同一平面ではない位置で互いに面し、弾性化された中央部分のみでの周辺縁部が、内側表面を形成する側に互いに向けて折りたたまれることを意味する。
【0010】
前記解剖学的形状は、先行技術の折りたたみユニットを使用して得ることが難しい。その結果、開封時に、失禁パッドは、略平坦であり、又は解剖学的に満足なやり方で位置付けられないというよりは、望ましくない折りたたみラインを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明の目的は、記載された種類の失禁パッドの獲得を可能にし、折りたたみ動作後に、及びそれらが使用される時に、上記の解剖学的形状に適合されることができる折りたたみ方法を提供することである。
【0012】
本願発明の他の目的は、その折りたたみ方法に従って折りたたまれた失禁パッドがそれらの寸法における適切な減少を有する、折りたたみ方法を提供することである。
【0013】
本願発明のさらなる特徴及び利点は、添付した図面に図示された失禁パッドを折りたたむ方法における、限定されない好ましい実施形態の以下の説明においてより明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本願発明による方法を実施するために、失禁パッドを折りたたむユニットの図式的な正面図を示す。
図2図1のユニットによって製造された失禁パッドの斜視図である。
図3図1の失禁パッドを折りたたむ連続的なステップの斜視図である。
図4図1の失禁パッドを折りたたむ連続的なステップの斜視図である。
図5図1の失禁パッドを折りたたむ連続的なステップの斜視図である。
図6図1の失禁パッドを折りたたむ連続的なステップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び図2を参照すると、参照符号1は、以下に記載される折りたたみ方法のより良い解釈を可能にする例として、失禁パッドを包装する機械であって、失禁パッド3を折りたたむためのユニット2を備え、当該ユニット2が垂直方向の壁4によって支持されている、機械を示す。
【0016】
包装機械1は、供給ユニット5と、ブロック6として概略的に図示されたユーザーユニットとを備え、それらの間に、例えば、ドラム7から構成される搬送手段によってそれらの搬送中に失禁パッド3上で動作する折りたたみユニット2が介在する。
【0017】
ドラム7は、垂直方向の壁4に対して直角である軸7aに関して、矢印Fによって示された方向で反時計回りに連続的に回転する。
【0018】
図2を参照すると、失禁パッド3は、長手方向軸Aに従って細長い略矩形状を有し、詰め込まれる区域又は吸収性パッド8を備えており、該吸収パッド8は、失禁パッド3の外側表面(参照符号3aで示された)を形成する不透過性材料(例えば、ポリエチレン)のシート9と、失禁パッド3の内側表面(参照符号3bで示された)を形成する透過性材料(例えば、不織布材料)のシート10と、の間に閉鎖されている。
【0019】
失禁パッド3の外形に沿って、2つのシート9及び10は、吸収性パッド8の周りで所定の幅を有する周辺縁部11を形成するやり方で、互いに直接的に密封される。
【0020】
参照符号12は、吸収性パッド8の両側部(参照符号13によって示された)から延在している周辺縁部11の2つの長手方向の部分を示す。
【0021】
軸Aが軸7aに対して横断する状態で角度付けられた失禁パッド3は、それ故に、矢印Fによって指し示された方向においてドラム7によって移送される。
【0022】
以下に図示されるように、本願発明による方法は、軸Aに対して横断する第1の折りたたみ線14及び第2の折りたたみ線15に関して失禁パッド3を3つの部分に折りたたむステップを備える。その後、3つの部分は、失禁パッド3の後方部分又は第1の端部分16と、中央部分17と、前方部分及び第2の端部分18と、それぞれ称される。
【0023】
「中央部分17」との用語が、第1の端部分16と第2の端部分18との間で、略中央に配置されているが、正確に中央に配置される必要がない失禁パッド3の中間部分に関連することに注意すべきである。
【0024】
少なくとも中央部分17における、周辺縁部11の2つの長手方向区域12は、弾性化部分19を備える。
【0025】
弾性化部分19の存在は、包装が開封された場合に、失禁パッド3の後方部分16が中央部分17に対して所定の角度を採用し、それによって、失禁パッド3に解剖学的形状を付加することを意味する。
【0026】
図3に図示されるように、本願発明による折りたたみ方法の第1の段階は、それらの弾性化部分19が中央部分17と接触する状態になるまで、周辺縁部11の2つの長手方向区域12の弾性化部分19を折りたたむステップを備える。
【0027】
その状態で、中央部分17の中間位置で、2つの折りたたまれた弾性化部分19の間で、失禁パッド3の横断方向寸法(参照符号D2を付された)は、好ましくは、35〜70mmの間である。
【0028】
失禁パッド3に略砂時計形状を付与する第1のステップの後に、内向きに折りたたまれた弾性化部分19を固定するステップが続く。
【0029】
前記固定ステップが、第1の折りたたみ線14及び第2の折りたたみ線15に関して失禁パッド3を折りたたむ、図4に図示された第1のサブステップまで少なくとも連続する。
【0030】
前記サブステップ中に、例えば、使用時に失禁パッド3の後方部分を形成する部分16は、該第1の端部分16が中央部分17と接触状態になるまで第1の折りたたみ線14に関して折りたたまれる。
【0031】
次いで、図5に図示されるような、同一の折りたたみステップのさらなるサブステップにおいて、例えば、使用時に失禁パッド3の前方部分を形成する部分18は、該部分18が既に折りたたまれた部分16と接触状態になるまで、第2の折りたたみ線15に関して折りたたまれる。
【0032】
前方部分が参照符号16を付された部分になり、その結果、後方部分が参照符号18を付された部分になる場合、全く差異がない点に注意されたい。
【0033】
前方部分18がそれに関して回転する第2の折りたたみ線15は、後方部分16の長手方向寸法(参照符号Dが付される)と等しい、又は該長手方向寸法Dより大きい延伸によって、第1の折りたたみ線14から離れている。
【0034】
第1の折りたたみ線14と第2の折りたたみ線15との間の距離D1は、好ましくは、60cmmと150mmとの間であり、失禁パッド3の長手方向寸法の3分の1に少なくとも等しい。すなわち、距離D1は、失禁パッド3の長さの3分の1に等しい、又は失禁パッド3の長さの3分の1より大きいとされてもよい。
【0035】
それは、前方部分18の折りたたみが後方部分16の端部の延伸の不必要な折りたたみを引き起こすことから防ぐ。
【0036】
2つの弾性化部分19が中央部分17上に内向きに折りたたまれた後、長手方向区域12における2つの端部12a及び12bは、2つの部分16及び18からそれぞれ、ウィング方式で延在する。
【0037】
前方部分18が、中央部分17と接触状態になるように前もって折りたたまれた部分16に重ねられる場合に、中央部分17に向けて前方部分18を折りたたむサブステップの後で、端部又はウィング12a及び12bは重ねられる。
【0038】
図6に図示されるように、その後の最終的な折りたたみステップは、好ましくは、それらが吸収性パッド8の側部13と接触状態になるまで、失禁パッド3の中央部分17の両側に向けて第1の端部分16及び第2の端部分18のウィング12a及び12bを内向きに折りたたむことを備える。
【0039】
それは、先行技術の方法で発生したことと違って、その最小限の全体寸法を採用する失禁パッド3の正確な折りたたみを生み出し、望ましくない折りたたみ及び変形の形成なしに、ユーザーユニット6によって、個々に、又は集団で、その後の包装動作にさらされることができる。
【0040】
1 包装機械
2 折りたたみユニット
3 失禁パッド
4 垂直方向の壁
5 供給ユニット
6 ユーザーユニット(ブロック)
7 ドラム
7a 軸
8 吸収性パッド
9 不透過性材料シート
10 透過性材料シート
11 周辺縁部
12 長手方向区域
12a 端部、ウィング
12b 端部、ウィング
13 側部
14 第1の折りたたみ線
15 第2の折りたたみ線
16 第1の端部分
17 中央部分
18 第2の端部分
19 弾性化部分
A 長手方向軸
D 後方部分16の長手方向寸法
D1 第1の折りたたみ線14と第2の折りたたみ線15との間の距離
F 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6