(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したいずれの技術も有効とするためには、封止された容器ができるかぎり気密であることが重要である。
MA包装の完全性では特に、容器に用いる気密シールの品質に高く依存している。
【0005】
包装の設計を改良するための数々の試験が実施され、特にボール紙の容器では適切な封止が形成できるように数々の試験が実施され、これらの発展を目的とした数々の特許出願がなされている。
1つの重要な発展は、ボール紙の容器またはブランクの内面全体に、切れ目のないプラスチックフィルムを使用し、不浸透層を提供することにある。
ヒートシーリング技術の利用の増加に伴い、ブランクそのものの設計が改善される。
しかしながら、MA包装が実現するためには、容器の完全性を更に改善する必要がある。
【0006】
たとえば、容器の本体から切れ目(discontinuity)を完全に無くすことはできない。特に、容器の開口の角から、容器の本体と蓋部または密閉部との連結部分から、切れ目を完全に無くすことはできない。
容器のブランクは、通常、パネル部と、組み立てた容器の開口の周りから外向きに延びるフランジ部とを有する。フランジ部に蓋用のパネル部が接着されることにより容器が閉じられる。
しかしながら、ブランクがその最終形状に折り曲げられる必要があるため、フランジ部を形成する部分は、幾つかに分離した部分により提供しなければならない。
容器の蓋用のパネル部がフランジ部に接着される場合、フランジ部を形成する部分の間の間隙は、残りのフランジ部と蓋部との間ほど効果的に封止されない。
これは、組み立てた容器の封止の完全性を損なう。
【0007】
上述した間隙は、容器のブランクを注意深く設計することにより、しばしば最小限にできる。特に、1つ以上のフランジ部を形成するパネルの長さを延長することにより、最小限にできる。
しかしながら、ある種のブランクの構成では、他の部分を好適にできても、上記パネルをこのように延長できず、その結果として比較的大きい間隙が残る。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題に対処して改善された封止を提供する容器またはブランクを提供することにある。
本発明の目的は、ブランクから形成される容器を提供し、容器の中身をMA包装するための改善された封止を提供し、容器に収容される製品、たとえば食品の寿命を延ばす、ことにある。
本発明の更なる目的は、簡単に形成できる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、添付の請求項1で定義される容器
、および、ここに記述された容器を形成するためのブランク、を提供する。
【0010】
容器およびブランクについての更に利点のある特徴は、従属項に記載される。
【0011】
蓋部をフランジ部の一部と連結することにより、蓋部のいずれの基端による容器の角において、フランジ部の間隙ができることを防止できる。
【0012】
蓋部として折り曲げ可能な部分を、容器の少なくともフランジ部としての部分の上に折り曲げることにより、フランジ部に存在し得る間隙が効果的に封止される。
【0013】
容器は、ボール紙による基板と、液体不浸透性層とからなり、液体不浸透性層は、好ましくはフィルム層からなる、とよい。
前記フィルム層は、ボール紙による基板の縁辺を越えて延び、1以上のフィルムのはみ出し部を形成する、とよい。
前記フィルムのはみ出し部は、特に、蓋部として折り曲げ可能な部分に設けてよいが、容器の封止を改善するために他の部分に設けてもよい。
【0014】
蓋部において折り曲げ可能な部分は、たとえば、蓋部の角でよい。または蓋部の縁辺でよい。
【0015】
蓋部は、容器の本体から分離して構成された要素でよく、または容器の本体に連結された構成要素でもよい。
特に、蓋部は、容器のフランジ部となる部分に対して、折線により連結されてよい。
【0016】
容器は、好ましくは、折り曲げたブランクから形成される。
容器の開口の各角は、容器の本体において隣り合う壁部となる二つの本体用のパネル部の間の折線の端により形成されてよい。容器は、さらに、前記開口の周りの閉鎖形成手段を含み、閉鎖形成手段が開口の各々の角の間で連続的に周回する、とよい。
連続的に(continuous)とは、閉鎖形成手段に切れ目が無いことを意味し、たとえば、ブランクにおいて隣り合わない部分の間が連結されていることを意味する。
替わりに、ブランクは、組み立てた容器の壁部となるパネル部の間にテープ部(webbing)を含み、前記テープ部が折り曲げられて容器の外側に接着される、とよい。
組み立てた容器の内側に切断縁が存在しないようになり、これにより油脂または他の液体が容器の材料に浸透する機会を減らす。完全性を改善できる。
【0017】
上述した容器を形成するためのブランクは、好ましくは、ボール紙による基板と、フィルム層といった液体不浸透性層と、からなる。
前記フィルム層は、ボール紙による基板の縁辺を越えて延び、組み立てた容器の自由縁の各々に1つ以上のフィルムのはみ出し部を形成する、とよい。
はみ出し部は、また、前記ブランクから形成される容器の本体の通常の封止を改善するために、他の部分に設ける、とよい。たとえば、隣り合うテープ部の間に、1以上のテープ部の自由端に、および/または、隣り合う二つのフランジ部を形成する部分の間に、設けるとよい。
ある種の実施態様では、1以上のフランジ部となる部分は、特に容器の密閉部が連結される部分は、ボール紙による基板を超えて延びるフィルム層のみにより提供される、とよい。
フィルムは、必要に応じて、熱封止できる、とよい。
【0018】
本発明は、また、添付する請求項
1に対応する容器、および、そのような容器を形成するためのブランク、を提供する。
更なる有益な特徴は、添付の従属請求項に記載する。
【0019】
本発明の更なる優れた特徴は、従属項に記載する。
【0020】
上述したように、容器の開口の角は、一般的には、容器を封止することが最も難しい部分のうちの一つである。
この課題を解決するための各種の方法が提供されているが、その殆どは懐疑的であるが、追加のパネル部による複雑な構造を要求したり、フィルムについての角を封止する部分について複雑な構造を要求したり、ブランクにおいて隣り合うパネル部の間に折り曲げによる角を形成することを要求したりする。
しかしながら、ブランクから形成される容器では、通常、少なくとも1つの角が、ブランクにおいて隣り合わない二つのパネル部の間に形成される。これらの解決策は、採用できない。
本発明は、容器の角の一つ一つが、容器のブランクの縁辺同士を連結することにより形成されるよりも、折線で形成される、ことを確実にする。
これにより、容器のすべての角を封止することが容易になる。
【0021】
容器は、ブランクを折り曲げることにより形成され、容器の開口の各々の角は、容器の本体において隣り合う壁部を構成する二つの本体のパネル部の間の折線の端に形成され、さらに、容器は、前記開口の周りに、開口の各々の角を連続的に周回する閉鎖形成手段を含む。
連続的に(continuous)とは、閉鎖形成手段に切れ目が無いことを意味し、たとえば、ブランクにおいて隣り合わない部分の間で連結していることを意味する。
【0022】
閉鎖形成手段は、少なくとも容器の開口となる部分の周りに形成されるフランジ部を含む、とよい。
好ましくは、フランジ部は、ブランクにおいて外向きに折り曲げられる複数のパネル部により形成され、各々が本体となるパネル部と折線により連結される。
【0023】
容器はボール紙による基板と液体不浸透性層とからなり、液体不浸透性層は好ましくはフィルム層からなる、とよい。
前記フィルム層は、ボール紙による基板の縁辺を超えて延び、1以上のフィルムのはみ出し部を構成する、とよい。
前記フィルムのはみ出し部は、特に蓋部として折り曲げ得る部分に設ける、とよい。また、容器の封止を改善するために、他の部分に設けてよい。
【0024】
外向きに折り曲げられるパネル部の間に存在する間隙には、不浸透性のフィルムが掛け渡され、好ましくは伸縮可能な不浸透性のフィルムが掛け渡される、とよい。
容器の開口における各々の角がブランクの折線により形成されるため、伸縮するフィルムは、容器の開口のいずれの角に簡単に設けることができる。
【0025】
不浸透性のフィルムは、好ましくは、プラスチックフィルムであり、たとえば、同時押出成形し得る複数のプラスチック材料の層からなる。
一つの適切なフィルムは、二つの低密度ポリエチレン(LDPE)層の間にエチレンビニルアルコール(EVOH)層を挟んだ構造を有する。
【0026】
プラスチックフィルムは、好ましくは、容器の内面の全体の上に設ける。
【0027】
容器の閉鎖形成手段は、更に、蓋用のパネル部を含む、とよい。
蓋用のパネル部は、本体としてのパネル部および閉鎖手段の残りの部分と、折線により連結される、とよい。
【0028】
蓋用のパネル部を、閉鎖手段についてのそれに隣り合う部分と連結することにより、蓋部のいずれの基端側での容器の角において、フランジ部に間隙が形成されることを防止することができる。
【0029】
蓋部として折り曲げ可能な部分を、容器の少なくともフランジ部としての部分の上に折り曲げることにより、フランジ部に存在し得る間隙が効果的に封止される。
【0030】
蓋部の折返部は、たとえば蓋部の角または蓋部の縁辺に形成されてよい。
【0031】
好ましくは、容器の本体の壁部の1つは、ブランクにおいて、二つの本体用のパネル部の間の連結部分となる。
閉鎖形成手段は、連結部分で終始する、容器の開口の周りで連続的に周回する部分の材料を含む、とよい。
連結部分は、壁部としてのパネル部の中央に位置してよいが、必ずしもその必要はない。
重要なのは、連結部分を、容器の角から、平らな壁部の中位置に移すことにある。連結部分の周りの封止が格段に簡単になる。
【0032】
連結部分は、本体の第1パネル部に連結されてその背面が第1パネル部に対して折り曲げられた第1タブ部を、本体の他のパネル部に接着することにより形成する、とよい。これにより、追加的なパネル部が容器の壁部の外側に形成される。本体の第1パネル部と重なる部分が形成される。
追加的なパネル部は、容器に追加的な強度を与え、タブ部による折り返しにより良好な封止が得られる。
【0033】
好ましくは、本体の第1パネル部は、密閉を形成する第1パネル部と折線により連結され、本体の他のパネル部は、密閉を形成する他のパネル部と折線により連結され、密閉を形成する第1パネル部の縁辺と密閉を形成する他のパネル部の縁辺とが隣接する。
これにより、組み立てた容器のフランジ部において、パネル部同士が重ならなくなる、ことが確実になる。蓋部が、容器の開口の上に信頼性のある封止を形成できる、ことを確実にする利益がある。
【0034】
密閉を形成する第1パネル部および他のパネル部を、容器の本体の連結部分に対して傾斜した角度とし、容器に曲がりくねった継目/連結を設けてよい。
この曲がりくねった継目は、組み立てた容器についてガスの漏れ出しおよび吹き込みを防ぐ、利点がある。
【0035】
密閉を形成する第1パネル部の縁辺と第1タブ部との間に、プラスチックフィルムについての、支持されていない部分が提供される。好ましくは、密閉を形成する他のパネル部が、プラスチックフィルムについての、前記支持されていない部分に接着される。
これにより、連結部分の全体に、優れた密閉性が提供される。
フィルムの部分が、本体の第1パネル部と第1タブ部との間の折線に至るほど延びる場合、容器を形成するために第1タブ部を折り返すことにより二重のフィルム層が提供され、かなり優れた封止が提供される。
支持されないフィルム層は、好ましくは、ブランクの基材の材料に覆われる。たとえば上述した密閉を形成するパネル部の配置の結果として、熱封止工程で熱が直接加えられることから、フィルムを保護する。
【0036】
上述したものと同様の特徴は、また、容器の頂部を封止するために適用してよい。
第1小タブ部および他の小タブ部は、本体の第1パネル部と他のパネル部との縁辺に、すなわち密閉を形成する第1パネル部と他のパネル部が設けられる縁辺とは反対側の縁辺に、提供する、とよい。上記を参照する特徴の利益と同じものが得られる。
密閉を形成する第1パネル部および他のパネル部は、組み立てた容器において、蓋用のパネル部と接着されるところ、第1小タブ部および他の小タブ部は、ブランクにおける本体用の第3パネル部に接着してよい。
【0037】
上述した特徴は、封止のために二重の基板の層を通して熱を加えねばならなくなることを、弱いプラスチックフィルムを保護するために層を更に追加することなく、防止するように機能する。
同様の特徴は、同様の効果を達成するために、容器の他の部分に提供してよい。たとえば、本体のパネル部に折線で連結される他のタブ部は、容器を形成するために、互いに封止する必要がある。
【0038】
容器は、サンドイッチ容器でよい。特に、対角線で切ったサンドイッチのための略三角形のサンドイッチ容器でよい。
この場合、連結部分が、三角形の壁部より略矩形の壁部に設けられる、ことがしばしば好まれる。
容器は、また、各種の食品、その他の製品のための容器でよい。
連結部分を、三角形の壁部に設けることも可能である。必要であれば、1以上の連結部分を、上述したように設けることが可能である。
【0039】
本発明は、また、上述したように、容器を形成するためのブランクを提供する。
【0040】
好ましくは、ブランクは、たとえばボール紙のような基板の層からなる。ブランクは、本体用の複数のパネル部と、本体の複数のパネル部の縁辺に連結されて密閉を形成する複数のパネル部と、を有する。本体の複数のパネル部の縁辺は、使用時に、容器の開口を画成する。
本体のパネル部と、密閉を形成するパネル部とは、基板の層に設けた折線または分割線により画成する、とよい。不浸透性のフィルムは、好ましくは、基板の層の全体を覆い、隣り合う密閉用パネル部の間の間隙に渡される。
【0041】
密閉用のパネル部の一つは、本体用の一つのパネル部と、密閉を形成する他の二つのパネル部とに、折線により連結された、蓋用のパネル部を提供する、とよい。
蓋用のパネル部が、密閉を形成する他のパネル部と折線で連結することにより、蓋部が取り付けられた状態で容器の開口の角に形成され得る間隙を無くす。
【0042】
ブランクにおいて、好ましくは、本体用の第1パネル部は、第1タブ部を提供する。第1タブ部は、本体用の他のパネル部に使用時に連結される。本体用の前記二つのパネル部は、共に、容器の本体の1つの壁部を形成する。
追加の折線は、また、本体の1つのパネル部に提供してよい。好ましくは、使用時に容器の壁部を形成する本体のパネル部であって、本体の前記二つのパネル部により形成される壁部の反対側のパネル部に、提供してよい。
折線は、本体の該パネル部の中央に設けてよいが、これは不可欠ではない。
【0043】
上記ブランクから容器を形成する方法は、ブランクを折り曲げる工程、可能であれば上述した追加の折線でブランクを折り曲げる工程、を含む。これにより、第1タブ部が、本体の他のパネル部の縁辺と重なり、前記第1タブ部を本体の他のパネル部に接着し、容器の本体を広げるように、本体の第1パネル部に対して第1タブ部を折り戻せる。
本体の前記第1パネル部および他のパネル部に他のタブ部を設け、他のタブ部を、容器の本体を形成する本体用の第3パネル部に設けた同様のタブ部に接着してよい。
好ましくは、熱封止により接着が達成される。
【0044】
すべての場合、容器は、破ることができる開封部をさらに備える、とよい。開封部は、たとえば、蓋部およびフランジ部に設けた分割線により構成できる。
替わりに、または追加的に、容器は、容器の頂部において、ドット状樹脂のような、熱活性封止手段を備える、とよい。たとえば、蓋部と容器の開口との接触面に、備えるとよい。
開封部が設けられる場合、フィルム層には、必要に応じてミシン目を設けてよい。さもなければ、必要に応じて空気を透過できてよい。
【0045】
本発明のより良い理解は、以下の詳細な説明から得られるであろう。
その説明は、例示に過ぎない。図面を共に参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
容器のブランク1は、
図1に示すように、三角形のサンドイッチパックに形成されて、対角線で切断したサンドイッチに用いられる。
ブランク1は、ボール紙による基板層を含み、折線で複数のパネル部に分割される。
この中の幾つかのパネル部4,6,8,10,12は、組み立てた容器の本体を画成する壁部となり、パネル部14,16,18,20,22は、組み立てた容器の密閉部となり、残りのパネル部2,24,28,32は、容器の本体を共に接着するためのタブ部として提供される。
【0048】
図1に示すブランク1を手に取って反時計周りに回すと、大タブ部2は、略矩形の本体用の第1パネル部4の第1長縁辺に連結される。
本体用の第1パネル部4の第2長縁辺は、本体用の第2パネル部6の第1短縁辺に連結される。第2パネル部6は、二つの短縁辺と一つの長縁辺とを有する二等辺三角形の形状である。
本体用の第2パネル部6の第2短辺縁は、本体用の第3パネル部8の第1長縁辺に連結される。
本体用の第1パネル部4のように、本体用の第3パネル部8は、略矩形であり、その短縁は、本体用の第1パネル部4の短縁辺と比べて二倍の長さである。
三角形の本体用の第4パネル部10は、その第1短縁辺が、本体用の第3パネル部8の第2長縁辺に連結される。
本体用の第4パネル部10は、本体用の第2パネル部6と類似の二等辺三角形である。その第2短縁辺は、略矩形の本体用の第5パネル部12の第1長縁辺と連結される。
本体用の第5パネル部12の短縁辺は、本体用の第1パネル部4の短縁辺より長いが、本体用の第3パネル部8の短縁辺より短い。
【0049】
図2は、
図1に示すブランク1から形成される容器51を示す。
本体用の第2パネル部6および第4パネル部10は、容器の三角形の壁部を形成する。奥側にある略矩形の壁部は、本体用の第3パネル部8により形成される。他方の略矩形の壁部は、本体用の第1パネル部4と第5パネル部12とにより形成される。これらは、大タブ部2を、本体用の第5パネル部12の一部に接着することにより互いに連結される。
この配置での重要な意味は、容器51の本体における連結部分が、すなわちブランク1が互いに接着される部分が、容器の頂部30と開口との間で、容器51の本体の角ではなくて、容器51の壁部の中央に位置する、ことにある。
これは、隣り合う本体用のパネル部の間にある単なる折線5,7,9,11が、容器51の本体の各々の角を形成する、ことを意味する。
さらに頂部の折線25が、頂部から、三角形の本体用の第4パネル部10の長縁辺の中点へ向けて、およそその半分まで延びる、ことを見ることができる。
図1に示すように、ブランク1において、本体用の第2パネル部6にも、上述した頂部の
折線25が提供される。
頂部の折線25は、後述するように、容器を形成する際に利益がある。
【0050】
追加的な折線3は、大タブ部2と本体用の第1パネル部4との間で延びる。この折線3は、
図2において破線で示される。
図2では見ることができないが、大タブ部2は、本体用の第1パネル部4について、折線3で折り返される。このため、大タブ部2は、本体用の第1パネル部4と本体用の第5パネル部12の一部との間に挟まれる。
ブランク1から形成される容器51の構造は、後に詳しく説明する。
【0051】
略矩形に描画されているが、本体用の第1パネル部4、第3パネル部8および第5パネル部12の各々は、実際には僅かにテーパ形状であり、これにより容器51の開口が、容器の頂部30より幅広となる。
これは、多数の空の容器51を積み重ねることを許容し、サンドイッチを容器51に入れる動作を簡便とするために好ましいが、不可欠ではない。
【0052】
図1のブランク1は、また、密閉を形成する複数のパネル部14,16,18,20,22を含み、組み立てた容器51の密閉部を形成する。
密閉を形成するパネル部の各々は、本体用のパネル部4,6,8,10,12の縁辺に設けられ、使用時に
図2の組み立てた容器51の開口を画成する。
特に、フランジ部を形成する四つのパネル部14,18,20,22は、折線により、本体用の第1パネル部4の縁辺,本体用の第3パネル部8の縁辺,本体用の第4パネル部10の縁辺、および本体用の第5パネル部12の縁辺に、個別に連結される。蓋用のパネル部16は、折線により、本体用の第2パネル部6の縁辺と連結される。
【0053】
小タブ部24,28,32は、本体用の第1パネル部4の縁辺,第3パネル部8の縁辺、および第5パネル部12の縁辺において、フランジ部を形成する各々のパネル部14,18,22の反対側に設けられる。
便宜上、本体用の第1パネル部4に連結される小タブ部24は、第1小タブ部という。本体用の第3パネル部8に連結される小タブ部28は、第3小タブ部という。本体用の第5パネル部12に連結される小タブ部32は、第5小タブ部という。
フランジ部を形成するパネル部14,18,20,22についても、同様の命名法を適用する。
【0054】
ブランク1は、さらに、ボール紙による基板の全体にわたって適用される、プラスチックフィルム層を含む。
プラスチックフィルムは、各種の利益を提供する。最も記述すべきことは、ボール紙による基板への液体の浸透を防止する。十分な気密層を提供してガス充填包装を可能とする。熱で封止できる媒体として機能して、組み立てた容器51を互いに接着する。
【0055】
実験により決定されたこととして、特に適したフィルムの一つは、二つの低密度ポリエチレン(LDPE)層の間に、エチレンビニルアルコール(EVOH)層を挟んで成る。
本発明の好ましい実施形態において、フィルムの総厚さは、40ミクロンである。
これは、18.5ミクロン厚のLDPEによる上層、3ミクロン厚のEVOHによる中間層、18.5ミクロン厚のLDPEによる下層により代表される。
以下の特性を示す適切な共押出フィルムは、フランスのLeygatech社から入手できる。
【0056】
−破断時応力(MD/TD): 27/16Mpa
−破断時伸び(MD/TD): 410/470%
−引き裂き抵抗(MD/TD): 95/205Nmm
−1
【0057】
フィルムは、また、24時間当たり7.5gm
−2未満の水蒸気透過率(摂氏38度、相対湿度90%)と、24時間当たり2cm
3m
−2以下の酸素透過性(摂氏23度、相対湿度0%)と、を示す。
【0058】
ボール紙による基板に存在する間隙には、プラスチックフィルムによる、支持されていない部分が設けられる。
特に、プラスチックフィルムの第1三角部19は、フランジ部を形成する第3パネル部18と、フランジ部を形成する第4パネル部20との間に、提供される。プラスチックフィルムの第2三角部21は、フランジ部を形成する第4パネル部20と、フランジ部を形成する第5パネル部22との間に、提供される。
フィルムの第3三角部13は、大タブ部2と本体用の第1パネル部4との間の折線3の端に提供され、フランジ部を形成する第1パネル部14と隣り合う。フィルムの第4三角部23は、前記折線3の反対側の端に提供され、第1小タブ部24と隣り合う。
最後に、蓋用のパネル部16には、プラスチックフィルムによる窓26が提供される。
【0059】
一般的に、ブランクから形成される容器のフランジ部は、幾つかに分離した部分で形成される。
これは、ブランクの材料を破ることなく、フランジ部を容器の壁部から外向きに折り曲げるために、必要である。
この一般的な構成の課題は、フランジ部の個々の部分の間には間隙が必然的に存在し、組み立てた容器の角に間隙が形成され、優れた封止を確実にするためには望ましくない。
図1のブランク1において、プラスチックフィルムの第1三角部19および第2三角部21は、伸縮可能である。フランジ部を形成する第3パネル部18、第4パネル部20、および第5パネル部22を外側に折り曲げることができる。ブランク1を破ることなく、容器51の角に連続的なフランジ部を形成できる。
【0060】
図1は、組み立てた使用時の容器51の外となる側から、ブランク1を示す。
プラスチックフィルム層は、組み立てた使用時の容器51の内となる側から、重ねられる。
簡便のために、以下においては、ブランクの各々の表面は、単に内面または外面という。
【0061】
容器51の角に間隙が存在しないこと、蓋用のパネル部16についての対向する縁辺に間隙が存在しないこと、を確実にするために、蓋用のパネル部16は、フランジ部を形成する第1パネル部14および第3パネル部18と連結される。蓋用のパネル部16と本体用の第2パネル部6との間の折線を延長した、二つの屈曲延長部15,17により、連結される。
【0062】
図3に、
図1のブランク1から
図2の容器51を形成する形成工程の第1ステップを示す。
ブランク1は、本体用の第3パネル部8とフランジ部を形成する第3パネル部18と第3小タブ部28とに設けられた折線33に沿って、半分に折り曲げた状態で示される。
本体用の第4パネル部10および第5パネル部12は、本体用の第2パネル部6、第1パネル部4および大タブ部2の下側に折り曲げられている。これにより、ブランクの二つの片割れ同士の内面は、互いに接する。
フランジ部を形成する第5パネル部22は、フランジ部を形成する第1パネル部14およびフィルムの第3三角部13の下側に位置する。一方、第5小タブ部32は、第1小タブ部24およびフィルムの第4三角部23の下側に位置する。
フランジ部を形成する第4パネル部20は、蓋用のパネル部16にある窓26を通して見える。
【0063】
図3に示すようにブランク1を一時的に折り曲げた状態で、熱が加えられ、大タブ部2は、その下側に位置する本体用の第5パネル部12の縁辺と接着する。
特に、図示する姿勢に折り曲げたブランクの下側に、熱が加えられる。大タブ部2の下に位置する、本体用の第5パネル部12の外面領域に、熱が加えられる。プラスチックフィルムにおいて、折線3の両端に位置する第3三角部13および第4三角部23に、熱が加えられる。
図3において見える位置にある、フィルムからなる第3三角部13および第4三角部23には、熱が直接に加えられない。これにより、プラスチックフィルムの損傷を避ける。
詳細は、後述する。
しかしながら、大抵の場合、本体用の第5パネル部12への熱の印加は十分にする。本体用の第5パネル部12についての、プラスチックフィルムの第3三角部13および第4三角部23と重なる部分を封止する。
【0064】
容器51を形成するための次の工程では、三角形の本体用の第2パネル部6と第4パネル部10とを離間する。本体用の第3パネル部8を平らに引き起こす。大タブ部2を、大タブ部と本体用の第1パネル部4との間の折線3において、本体用の第1パネル部4の方へ折り返す。
図4では、この開き過程を図示しようと試みている。
大タブ部2は、本体用の第1パネル部4側に折り返される。これにより、フィルムの第3三角部13と第4三角部23とは、二つ折りになる。
本体用の
第5パネル部12は図示していないが、ボール紙による基板の縁辺は、フランジ部を形成する第5パネル部22において曲がり、第5小タブ部32は、
図4に見えるフィルムの第3三角部および第4三角部の縁辺と角度をつけて一致する、ことに留意されたい。
【0065】
容器51の頂部30を封止するために用いられる熱封止工程は、一般的に、上述するように三角形の本体用のパネル部6,10を分離し、小タブ部24,28,32を加熱ローラで共挟みする、ことを含む。
容器51の頂部30を挟む動作が、容器51の三角形の壁部6,10により阻まれる場合、課題が生じ得る。
小タブ部24,28,32が十分にしっかりと共挟みされない、または、三角形の壁部6,10の材料が、共挟み工程でストレスを受ける、というリスクが生じる。
いずれの課題も、三角形の壁部6,10の各々の頂点から延びる頂部の折線25を設けることにより、解消し得る。
頂部の折線25は、小タブ部24,28,32を熱封止するために容器51の頂部30が挟まれる場合、三角形の壁部6,10が所望の状態に変形することを許容する。
頂部の折線25の長さを正確に設定する必要はなく、図示するものより短くてよい。
好ましくは、頂部の折線は、三角形の壁部用のパネル部6,10の半分以上に延びない。これにより、組み立てた容器51の壁部は、ある程度の剛性を維持できる。
【0066】
容器51が完全に開き、大タブ部2が完全に折り返されて本体用の第1パネル部4の外側と完全にフラットになる場合、フランジ部を形成する第5パネル部22および第5小タブ部32としての折れ曲がった縁辺は、
図1および
図3に明示するように、フランジ部を形成する第1パネル部14および第1小タブ部24としての折れ曲がった縁辺と隣接する。
これを最も良く示しているのは
図5である。
図5は、完成した容器51を頂部30から見た図である。
その結果、容器51が完成した場合、容器51の外にむき出しにさらされるフィルムがない。
これは、以下に示す更なる利点だけでなく、容器51の外観を改善する。
【0067】
ブランク1のプラスチックフィルムは、熱封止に感応するが、熱封止工程において過剰な高温に置かれた場合、損傷し得る。
一般的に、容器の熱封止は摂氏約200度であるが、温度が摂氏100度を超える場合、むき出しにさらされるプラスチック材料は損傷することが解っている。
プラスチックフィルムにおける如何なる完全性の損傷も、組み立てた容器における完全性の損傷につながるので、避ける必要がある。
【0068】
図5に示すように、小タブ部24,28,32が共に熱封止される容器51の頂部30において、プラスチックフィルムがむき出しにさらされる部分はない。フランジ部を形成する第1パネル部14および第5パネル部22が、容器を閉じるために蓋用のパネル部と熱封止される所において、プラスチックフィルムがむき出しにさらされる部分はない。
それゆえ、容器51を形成する場合、熱は、封止される領域の両面において、容器の外から加えられる。
ボール紙による基板層は、フィルムに熱が直接に加えられることを防ぎ、熱封止工程において完全性を無くす、および/または損傷することを避ける。
【0069】
上述するように非常な高温からプラスチックフィルムを保護することは重要であるが、信頼性の高いフィルムを形成するために、容器に加えられた熱がフィルムに伝達される必要がある。
それゆえ、熱源が加えられる部材と熱封止可能なフィルムとの間に余分な部材があることは、望ましくない。特に、余分な部材が特定の部位にのみある場合、容器51の異なる部分には異なる時間長で熱が加えられる必要がある。
この課題は、
図1のブランク1では、上述したように起きない。フランジ部を形成する第5パネル部22および第5小タブ部32としての折れ曲がった縁辺は、
図1および
図3に明示するように、フランジ部を形成する第1パネル部14および第1小タブ部24としての折れ曲がった縁辺と隣接する。
容器の各々の部分は、形成する際に、プラスチックフィルムの二重層が、一層のボール紙のみで覆われる。
【0070】
フィルムの第3三角部13および第4三角部23の各々が二つに折り畳まれることにより、容器の封止が改善される。
容器のパーツ間の直線的な封止または連結は、「抜け道」として機能し、容器に入り込むまたは容器から抜け出すガスの路として機能する。
フィルムの三角部13,23を連結部分の折れ曲げ線に沿って折り曲げることにより、フランジ部を形成する第1パネル部14および第5パネル部22の間と、第1小タブ部24と第5小タブ部32との間とに、容器51に入り込んだり抜け出したりするガスに対して、良く曲がりくねった道を提供する。これにより、容器51の完全性が更に改善する。
【0071】
図5は、また、フランジ部を形成する第3パネル部18と第4パネル部20との間と、フランジ部を形成する第4パネル部20と第5パネル部22との間との、各々の間隙において、フィルムの第1三角部21および第2三角部21が、どのように伸びているかを示す。
容器51の対向する角には、折線15,17による屈曲延長部が示される。ここで、蓋用のパネル部16は、フランジ部を形成する第1パネル部14と、第3パネル部18とに連結される。
再び
図2を参照すると、以下のことが見て取れる。蓋用のパネル部16が蓋開状態にある場合、蓋用のパネル部16とフランジ部を形成する第1パネル部14および第5パネル部18との間の接合により、フランジ部を形成する第1パネル部14および第4パネル部18が、容器の開口から上向きに延びる。
蓋部が閉じる場合、フランジ部を形成するパネル部14,18は、外向きに折り曲げられ、
図5に示すように蓋用のパネル部16の内面と封止される。
折線15,17による延長部の角度は、蓋用のパネル部16が、恒久的に、フランジ部を形成する第1パネル部14および第3パネル部18に取り付けられること、容器51を形成するために折り曲げる際にブランク1の如何なる部分にも過度な負担をかけないこと、を許容する。
折り曲げることが、折線15,17による屈曲延長部の周りのボール紙に損傷を引き起こすとしても、容器51の内面に設けたプラスチックフィルムの連続層が、封止の完全性を維持する。
【0072】
組み立てた容器51は、四つの壁部を有し、さらに他のパネル部として、本体用の第5パネル部12とその縁辺と重なるように折り曲げられて連結された大タブ部2とからなる、第5パネル部が提供される。
他のパネル部は、使用時に組み立てた容器51の土台となる壁部の、強度および剛性を高める。
他のパネル部のための追加的な材料は、また、土台の壁部に追加的な重量を提供する。これにより、使用時の容器51の安定性をいくばくか改善する。
【0073】
本発明は、上述した構成および材料に限定するように解釈されない。
たとえば、上述した記載から以下のことが明らかである。ブランク1の第3本体用のパネル部に折線33を設けることにより、容器51を形成する最初の工程で、ブランク1の全体を半分に折り曲げることが簡単になる。これにより、大タブ部2は、第5本体用のパネル部12に簡単に接着できる。
しかしながら、第3本体用のパネル部8に折線33を設けない同様の容器51において、パネル部2,4,6,8,10のいずれかを替わりに折り曲げて、同様の部分を互いに接着する、ことは可能であることに留意されたい。
【0074】
さらに、本発明の利点は、容器の開口のすべての角に折線を設けることにより、容器の封止をさらに改善する、ことを確実にすることにあることに留意されたい。容器の開口の周囲全体にフランジ部を設けて、蓋用のパネル部が別体の部材として提供される場合と比べて、改善する。
【0075】
図6から
図12には、他のサンドイッチ容器のブランクが、組み立てられていない状態、一部が組み立てられた状態、および組み立てた状態を示す。
図示して記述される特徴は、多くの場合、また、各種の他の目的のための容器のブランクに適用し得る、ことが理解できる。また、
図1から
図5に示す容器およびブランクに、適用し得る。
【0076】
図6は、ブランク100を示す。ブランク100は、使用時に
図8に示すサンドイッチ容器101を形成するように折り曲げられる。
【0077】
ここに記述する目的で、本発明に関連付けられる「左」および「右」並びにその派生語は、
図6における向きによる。あたかもブランク100がテーブルの上に置かれて上から見た向きによる。
しかしながら、本発明では、明示的な記述に反しない限り、他の各種の向きを想定してよい、ことが理解される。
【0078】
図6のブランク100は、三角形の左側パネル部102および右側パネル部103と、略矩形の第1端パネル部104および第2端パネル部105と、を含む。
図6に示すように、端パネル部104,105は、若干のテーパ形状を採用する。これにより、組み立てた容器101の開口は、その頂部より若干大きい。ただし、この構成は不可欠ではない。
【0079】
三角形の左側パネル部102および右側パネル部103は、各々、第1端パネル部104の左縁辺からおよび右縁辺から、それらと直角な方向へ延在する。第2端パネル部105は、矩形の第1パネル部104の短縁辺から、下向きに延在する。
三角形の側パネル部102,103は、互いに同じサイズであり、いずれも正三角形である。
略矩形の端パネル部104,105は、また、互いに同じサイズである。
【0080】
左テープ部106および右テープ部107は、第2端パネル部105の両側から延びる。第2端パネル部105の左縁辺および右縁辺を、左側パネル部102の下片および右側パネル部103の下片のそれぞれに連結する。
双方のテープ部106,107は、
図6に示すように添え字「a」および「b」によって示される二つの部分からなる。テープ部106aとテープ部106bの間に、テープ部の折線108がある。テープ部107aとテープ部107bとの間に、テープ部の折線109がある。
【0081】
双方のテープ部の折線108,109は、パネル部105の上左角および上右角のそれぞれから約45度の角度で延びる。これにより、テープ部の折線108は、パネル部105の左縁辺とパネル部102の下縁辺とから等距離になる。同様に、テープ部の折線109は、パネル部105の右縁辺とパネル部103の下縁辺とから等距離になる。
【0082】
パネル部の折線110は、テープ部106,107の各々と、それに隣り合うパネル部との間に設けられる。フランジ部111は、ブランク100の縁辺の周りに示されている。
フランジ部111は、複数に分離した部分121,122,123,124からなる。分離した部分の各々は、フランジ部の折線112で第1端パネル部104に連結される部分、右側パネル部103に連結される部分、第2端パネル部105に連結される部分、テープ部106aに連結される部分、である。
他のパネル部の折線113は、第1端パネル部104および第2端パネル部105の連結部分と、パネル部102とパネル部104との間と、パネル部103とパネル部104との間と、に設けられる。
本実施形態において、折線108,109,110,112および113はすべて、折り目として形成される。
【0083】
組み立てた容器を閉じるための略矩形の密閉用パネル部/蓋用のパネル部114は、三角形の側パネル部102の斜縁辺から延び、蓋部の折線115によりそこに連結される。
特に、密閉部114は、各々の折線115の端に設けた屈曲延長部により、フランジ部を形成する部分121,124と隣り合って連結される。
【0084】
斜めの折線116は、密閉用パネル部114の自由角117に設けられる。これにより、前記角117は、組み立てた容器101を閉じてから更に折り返し得る。
密閉用パネル部は、また、窓部118を含む。
【0085】
図示された実施形態において、ブランク100は、液体不浸透性のフィルムのコーティングがなされた、ボール紙の基板を含む。
フィルムコーティングは、基板を全体的に覆う。また、密閉用パネル部114に窓118を形成する。
フィルムには、密閉用パネル部114の角117の周りに、小さいはみ出し部125が設けられる。フィルムについての他のはみ出し部126は、フランジ部を形成する部分121および123の各々の短縁辺に、設けられる。
図示していないが、フィルムについて、他のはみ出し部を設けることを想定してよい。たとえば、隣り合うテープ部106aおよびテープ部106bの間の折線108を超えて延びるはみ出し部、テープ部107aおよびテープ部107bの間の折線109を超えて延びるはみ出し部、である。
フィルムのはみ出し部は、また、テープ部106bおよびテープ部107bについての、フランジ部を形成する部分123の外側にある自由縁辺に、設けてよい。さらに/または、フランジ部を形成する部分122の縁辺に、設けてよい。
フィルム層は、容器のブランクにおいて隣り合うパネル部の間の間隙に橋渡してよい。
図1のブランクにおけるフィルムの
三角部19,21と同様の仕様で、隣り合うフランジ部を形成する部分の間に設けてよい。
この場合、フィルム層は、容器を形成する際にフランジ部を形成する部分を外向きに折り曲げることを妨げないように、伸縮可能である必要がある。
試行錯誤により決定されたことであるが、1つの特に好適なフィルムは、エチレンビニルアルコール(EVOH)層と、それを間に挟む二つの低密度ポリエチレン(LDPE)層と、からなる。
好適な共押出フィルムは、フランスのLeygatech社から入手できる。
しかしながら、同様の伸びおよび引き裂き抵抗を示す他のフィルムもまた用いてよい。
【0086】
他の実施形態では、フランジ部を形成する部分124は、ボール紙による基板の縁辺を超えて延びる、フィルム層のみにより設けてよい。
フィルムによるフランジ部124の縁辺は、
図6に示すように終端してよい。または、図示する縁辺を超えて延び、ボール紙によるフランジ部124の周りにフィルムのはみ出し部が設けられるように、大きなフランジ部の部分を設けてよい。
さらに他にも、他のフランジ部を形成する部分を、部分124と同様に、テープ部107aの自由縁辺に設けてよい。
この追加的なフランジ部を形成する部分は、また、フランジ部を形成する部分124と同様の仕様で、フィルムのはみ出し部としてまたはフィルム層のみにより、設けてよい。
フィルム層のみにより設ける場合、追加的なフランジ部を形成する部分は、隣り合うフランジ部の部分122と連結してよい。
【0087】
図7aから
図7cは、
図8に示す組み立てた容器101を形成するために、ブランク100を折り曲げる工程を描いたものである。
最初に、
図7aに示すように、ブランク100は、側パネル部102,103とテープ部106a,107aとの間の折線110に沿って、また、端パネル部104と端パネル部105との間の折線113に沿って、直角に折り曲げられる。
次に、
図7bに示すように、ブランクは、第1端パネル部104と右側パネル部103との間の折線113に沿って、折り曲げられる。これにより、右側パネル部103は、第1端パネル部104と第2端パネル部105との間の間隙を橋渡す。
その結果、テープ部107aとテープ部107bとの間の折線109において反対方向に折り曲げられるテープ部107aおよびテープ部107bは、互いに重なり、新たに部分的に形成された容器の外側へ突出する。
次に、
図7cに示す構成とするために、同様の折り曲げ操作が、第1端パネル部104と左側パネル部102との間で実施される。
容器の本体を完成するためには、テープ部106および107は、第2端パネル部105の外側に、平らに折り曲げられ、接着される。フランジ部を形成する部分121,122,123,124は、容器の開口の周りにフランジ部111を形成するように、外向きに折り曲げられる。
この工程において、フランジ部を形成する部分124は、容器の外側で、フランジ部を形成する部分123の上に重ねられる。
フランジ部を形成する部分123の剛性は、フランジ部を形成する部分124が、さらに付加的なテープ部107aの縁辺のフランジ部を形成する部分が、上述したようにフィルムのみからなることを許容する。
これらのフランジ部を形成する部分からボール紙の層を無くすことにより得られる柔軟性は、組み立てた容器についてのこの端部分に、改善された封止を提供することを助ける。
【0088】
図8は、組み立てた容器101を、第1端パネル部104と第2端パネル部105との間の折線113による頂部から見た図を示す。フランジ部111は、容器の縁辺の周りのフランジ部の折線112で折り返されて示される。
略矩形の密閉部114は、容器101を閉じるために、折線115に沿って折り曲げられ、フランジ部111に接着される。
上述したように、密閉部114は、屈曲延長部の折線115により、密閉部114と隣り合うフランジ部を形成する部分121,124に連結される。これにより、組み立てた容器101において、蓋部の折線115が設けられる側のフランジ部111には間隙がない。
しかしながら、フランジ部111には、間隙127が存在する。フランジ部を形成する部分121、122の間による容器101の角と、部分122と部分123との間による容器101の角とには、間隙127が存在する。
【0089】
図9に示すように、間隙127は、密閉用パネル部114の角117を折線116で折り返し、それらをフランジ部111の反対面に接着することにより、覆われる。
角117に設けられる、フィルムについてのはみ出し部125は、容器101の角の周りに延びる。封止がさらに改善される。
フランジ部111に対する密閉部114の封止は、フランジ部のパネル部121および123の縁における、フィルムのはみ出し部126の部分により、間隙127の部分において、改善される(図示せず)。
その結果として形成される容器では、フランジ部111と密閉部114との間の合わせ面から、すべての間隙がなくなる。これにより、組み立てた容器に改善された気密シールを提供できる。
【0090】
図10は、本発明の他の実施形態に係るブランク200を示す。
ブランク200についての多くの特徴は、
図6のブランク100の特徴と同質であり、それらの説明は再び記載しない。
代替のブランク200の主な相違点は、密閉部214の幅が広く、その長手方向全体にわたって単一の折線216が設けられている、点にある。
密閉部214の縁部217は、折線216の外側に位置する。フィルムのはみ出し部225は、
第2実施形態と同様に、密閉部214の両角に設けられる。
【0091】
図11は、
図10のブランク200から形成される容器201を示す。
容器201の構成は、
第2実施形態において上述した説明の通りである。
ただし、
図11では、密閉用パネル部214の縁部217がフランジ部211を超えて延び、折線216がフランジ部211の縁辺と隣り合って位置する、ことを見てとることができる。
フランジ部211の間隙227を塞ぐために、密閉用パネル部214の縁部217は、折線216に沿って折り曲げられて、フランジ部211の反対側の面に接着される。特に、容器201の縁辺に沿ってフランジ部を形成する部分222と接着される。
【0092】
図12は、密閉用パネル部214が上述するように折り曲げられて接着された、第2実施形態の容器201を示す。
フィルムのはみ出し部225は、基本的に、第1実施形態での関連する記載と同様の目的のために機能する。
【0093】
使用時には、サンドイッチのような食品が、容器101,201の中に置かれる。容器101,201は、上述したように密閉される。
その結果、容器101,201を封止する工程に、「ガス充填包装」工程またはMA包装技術を含めることが可能である。
ガスを充填した容器は、不活性ガスを少なくとも14日で保持する能力がある。
この特徴は、容器に収容されたいかなる食品の品質保持期間を延長する。
【0094】
本発明は、上述した構成および材料に限定されるように解釈されない。
たとえば、蓋部/密閉用パネル部は、フランジ部を形成する部分の縁辺に沿って接着されてよい。または、完全に分離した部材として提供されてよい。
替わりに又は追加的に、必要に応じて、他の折返部が密閉用パネル部に設けられてよい。
【0095】
封止を改善する他の手段を設けてもよい。
たとえば、略円形の熱活性樹脂を、密閉部114,214の内面において四つの角の各々に隣接する位置に、分離して点在させてよい。
前記樹脂ドットは、容器101,201の頂部と位置合わせして、密閉部114,214を熱して密閉的に封止する場合に各頂点の中および/または周りに流れ込むことができるように、配置しなければならない。
熱源を取り去った後、樹脂ドットの各々は、硬化する。密閉部114,214をフランジ部111,211に接着することと相まって、気密シールを形成する。
【0096】
容器は、また、開封部を含んでよい。開封部は、密閉用パネル部114,214の内面に設けた第1分割線、およびフランジ部111,211の内面に設けた第2分割線により提供可能である。
密閉部114,214についての、フランジ部111,211の上に折り曲げられる部分117,217は、前記分割線に沿って破り始めるために使用し得る。容器を簡単に開くことができる。
【0097】
容器に気密を提供することに関して主に説明したが、ある種の用途では、容器がある程度の通気性を有し、内容物が「呼吸」し得ることが好ましいことがある。
チーズのようなある種の食品では、これは特に重要である。
これは、上述したいずれの実施形態でも達成し得る。ある程度の空気透過性を元来有する代替のフィルム層を使用することによっても、または、上述したプラスチックフィルムに貫通孔を設けることによっても、達成し得る。