(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方の板状部材と他方の板状部材とが交互に積層された2種類の板状部材からなり、一方の板状部材と他方の板状部材の形状とが互いに異なる、請求項1、2または3に記載の放熱ユニット。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路、LED素子、パワーデバイスなどの電子部品は、内部を流れる電流によって発熱し、熱源となる。電子部品から発せられる熱は、他の部品や筐体に悪影響を及ぼし、結果として電子部品を利用する機器の性能を劣化させる等の問題を引き起こす。
【0003】
したがって、電子部品の熱を放散させ、電子部品を冷却する必要がある。電子部品を冷却する装置として、一般的に、電子部品を取り付けられ、電子部品からの熱を熱伝導により拡散させ、大気に放散する放熱ユニットがある。そのような放熱ユニットは、放熱の効率を高めるべく、種々の形状、構造等が提案されている。
【0004】
たとえば、放熱ユニットに、封入された熱媒体の気化と凝縮による冷却効果を有するベイパーチャンバーを利用することが提案されている。ベイパーチャンバーでは、内部に封入された熱媒体が、気化する際に熱源からの熱を奪って移動する。気化した熱媒体は、放熱によって冷却されて凝縮し、凝縮した熱媒体は再び還流する。この気化と凝縮の繰り返しによる熱伝導を利用して、ベイパーチャンバーは熱源を冷却する。
【0005】
ベイパーチャンバーを備える放熱ユニット(冷却ユニット)として、特許文献1に記載の放熱ユニットがある。この放熱ユニットは、熱源が取り付けられる第1のベイパーチャンバー(第1ヒートパイプ)と、第1のベイパーチャンバーの表面に立設され、放熱フィンとして作用する複数の第2のベイパーチャンバーとを備える。第1および第2のベイパーチャンバーは、それぞれの蒸気拡散路と毛細管流路が連続し、熱媒体を共通にして熱伝導する。
【0006】
すなわち、この放熱ユニットでは、熱媒体が、蒸気拡散路と毛細管流路とを通って、第1および第2のヒートパイプ内を連続的に移動し、効率的に熱伝導を行う。したがって、この放熱ユニットでは、熱源を取り付けられる第1のベイパーチャンバーからの熱が、放熱フィンとして作用する複数の第2のベイパーチャンバーに効率よく伝えられ、熱源から放熱フィンまでの伝熱性が高まることにより、放熱効率が高まる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態にかかる放熱ユニットを図面に基づいて説明する。
【0020】
本発明の第1の実施形態にかかる放熱ユニット100は、
図1および
図2に示すように、熱源(図示しない)が接続され、熱源からの熱を受ける受熱部102と、熱源から生じた熱を放熱する放熱部103とを備える。放熱部103は、受熱部102から熱伝導により熱を受け、大気に接する部分から熱を放散する。本実施の形態にかかる放熱ユニット100は、1種類の板状部材10(
図3参照)からなり、1種類の板状部材10を複数枚積層されて形成されている。
【0021】
板状部材10は、
図3に示すように、
前記受熱部102を構成する受熱部構成要素102aと、この受熱部構成要素102aと一体に作られた前記放熱部103を構成する放熱部構成要素103aとを備え、前記受熱部構成要素102aの厚み寸法と、前記放熱部構成要素103aの厚み寸法とは、同一に設定されたものである。そして、板状部材10は、板の厚さ方向(積層方向)に貫通する複数の溝Cを備え、前面11と後面12と前面11および後面12を繋ぐ側面13とからなる。したがって、前面11および後面12は、複数の溝を有する形状となる。各板状部材10は、中空構造に形成されており、内部に熱媒体を有し、熱媒体の移動と気化および液化の状態変化とにより熱伝導し、熱伝導性に優れた、いわゆるベイパーチャンバーである。板状のベイパーチャンバーは、従来よく知られた技術により作製される。
【0022】
板状部材10は、複数の棒状部分が並立する櫛歯部を有する櫛歯状に形成されている。すなわち、板状部材10は、第1の方向に延在する1つの第1の延在部L1と、第1の延在部L1に立設するように、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在する複数の第2の延在部L2とを備える。したがって、第2の延在部L2が櫛歯部を形成し、第1の延在部L1が複数の櫛歯を統合する棒状の本体部を形成する。よって、溝Cは矩形に形成されている。本実施の形態において、16本の櫛歯が形成されている。
【0023】
板状部材10は、隣り合う相互の前面11と後面12とが接触して貼り合わせられ、板状部材10の厚さ方向に積層されている。積層された複数の板状部材10は、放熱ユニット100の積層方向の両端に位置する一方の板状部材10の前面11と、他方の板状部材10の後面12と、全ての板状部材10の側面13とが表露している。また、各板状部材10は、独立した熱媒体の移動経路を有し、隣り合う板状部材10は、貼り合わせて積層されているだけであるため、隣り合う板状部材10の中空構造内部の熱媒体の経路は連続していない。
【0024】
板状部材10の前面11および後面12は、従来よく知られるエッチング、研磨、表面処理のような手段により、平坦に形成されており、密着するように貼り合わされる。また、前面11と後面12との接触部は、熱伝導グリスが塗布され、相互の面の密着性を向上させている。これにより、前面11と後面12との接触熱抵抗が低減されている。しかし、前面11と後面12とは、板状部材10が積層されるように接触していればよい。
【0025】
図2に示すように、受熱部102では、複数の板状部材10の側面13の一部が共同して底面104を形成している。底面104は、積層方向に平行な積層平行面であり、熱源を取り付けられる取付領域105を有する。
【0026】
放熱部103には、櫛歯状の複数の板状部材10が重ね合わせられることにより、前記第1の方向に対向する壁が垂直に立つような凹凸構造が形成され、複数の板状部材10の放熱部103を構成する側面13が熱源からの熱を放散する。すなわち、放熱ユニット100は、主に、各板状部材10の溝Cから熱を放散する。
【0027】
本実施の形態において、板状部材10は、厚さ方向に貫通する溝Cを形成され、溝Cから熱を放散するが、溝Cに代えて、または溝Cと共に、厚さ方向に貫通する穴を形成し、穴から熱が放散するようにしてもよい。
【0028】
取付領域105の一部を形成する一の板状部材10では、熱源からの熱が、受熱部102を形成する側面13から受けられ、内部の伝熱媒体の熱伝導により放熱部103を形成する側面13に伝わり、大気に放散される。すなわち、取付領域105を有する積層平行面の一部を形成する一の板状部材10は、積層平行面に垂直方向(第2の延在部L2の延在方向)に熱伝導するように、熱媒体が移動可能な経路を有する中空構造に形成されている。これにより、各一の板状部材10が、熱界面を介することなく、受熱、伝熱、放熱する。したがって、隣り合う一の板状部材10間は、相互に熱移動がなくとも、放熱性に優れた放熱ユニットが提供される。
【0029】
また、取付領域105の一部を形成しない他の板状部材10では、熱源からの熱が、取付領域を形成する一の板状部材10から他の板状部材10に重ね合わせられた接触面を介して伝わり、内部の伝熱媒体の熱伝導により放熱部103を形成する側面13に伝わり、大気に放散される。
【0030】
したがって、一の板状部材10では、熱源からの熱が直接放熱されるが、他の板状部材10では、熱源からの熱が接触熱抵抗を介して放熱されることになる。しかし、本実施の形態において、隣り合う板状部材10は同一形状の前面11および後面12を備えるため、接触面が大きく、接触による熱抵抗は比較的小さい。したがって、放熱ユニットの放熱性は、板状部材10形状、大きさ、特には溝Cの形状、大きさ等により変動する。よって、板上部材の形状、大きさ等は、放熱性を考慮して適宜変更される。
【0031】
放熱ユニットは、熱伝導に優れた板状部材を積層すること、積層方向と略平行な積層平行面を形成すること、積層平行面に熱源を接続することにより製造される。すなわち、1種類の板状部材の同一形状の前面と後面とを接触させること、接触した複数の板状部材の前面と後面とを繋ぐ側面の一部を、熱源を取り付ける取付領域105として形成することにより製造される。
【0032】
取付領域105を含む底面104は、複数の板状部材10が重ね合わされた後に、底面104を形成する板状部材10の側面13が、ケミカルエッチングのようなエッチング、電解研磨、物理研磨のような研磨等されることにより、平坦面に形成される。
【0033】
放熱ユニット100は、同一形状の板状部材を大量に製造し、積層することにより製造されるため、板状部材の製造費が安価になり、積層工程も容易である。放熱ユニット100の複数の板状部材10は、種々の手段により、積層した状態で固定することができる。たとえば、両端から挟み込むような固定治具により積層された状態で固定されてもよい。
【0035】
本発明の第2の実施形態にかかる放熱ユニット200は、
図4および
図5に示すように、熱源が取り付けられ、熱源からの熱を受ける受熱部202と、熱源から生じた熱を放熱する放熱部203とを備える。放熱部203は、受熱部202から熱伝導により熱を受け、大気に接する表露部分から熱を放散する。本実施の形態にかかる放熱ユニット200は、第1種類の板状部材10(
図3参照)と第2種類の板状部材20(
図6参照)からなり、複数枚の第1および第2種類の板状部材10,20を交互に積層して形成されている。
【0036】
第1種類の板状部材10は、第1の実施の形態で説明した板状部材10であ
り、前記受熱部202を構成する受熱部構成要素202aと、この受熱部構成要素202aと一体に作られた前記放熱部203を構成する放熱部構成要素203aとを備え、前記受熱部構成要素202aの厚み寸法と、前記放熱部構成要素203aの厚み寸法とは、同一に設定されたものである。第2種類の板状部材20は、前面21と後面22と前面21および後面22を繋ぐ側面23とからなる。第2種類の板状部材20は、板状部材10と同様に、中空構造に形成されており、内部に熱媒体を有し、熱媒体の移動と気化および液化の状態変化とにより熱伝導し、熱伝導性に優れた、いわゆるベイパーチャンバー(またはヒートパイプ)である。第2種類の板状部材20は、
図6に示すように、
前記受熱部202を構成する受熱部構成要素202bと、この受熱部構成要素202bと一体に作られた前記放熱部203を構成する放熱部構成要素203bとを備え、前記受熱部構成要素202aの厚み寸法と、前記放熱部構成要素203bの厚み寸法とは、同一に設定されたものである。そして、第2種類の板状部材20は、一方向に延在する第3の延在部L3からなる。第3の延在部L3は、第1の延在部L1の前面および後面と同一形状の前面および後面とを有する。
【0037】
第1種類の板状部材10の第1の延在部L1の後面12と第2種類の板状部材20の(第3の延在部L3の)前面21と、および第2種類の板状部材20の(第3の延在部L3の)後面22と第1種類の板状部材10の第1の延在部L1の前面11とは相互に貼り合わされている。第1種類の板状部材10の第2の延在部L2は、放熱部203を形成し、第1種類の板状部材10の第1の延在部L1と、第2種類の板状部材20(の第3の延在部L3)は、受熱部202を形成している。
【0038】
本実施の形態において、積層方向の両端に位置する一方の第2種類の板状部材20の前面21と、他方の第2種類の板状部材20の後面22と、第1種類の板状部材10の第2の延在部L2の前面11と後面12と、全ての板状部材10の側面13とが表露している。すなわち、異なる板状部材が積層されることにより、各板状部材の側面に加え、板状部材の前面および後面の貼り合わせられない部分が表露している。また、第1および第2種類の板状部材10,20は、独立した熱媒体の移動経路を有し、隣り合う板状部材10,20は、貼り合わせて積層されているだけであるため、隣り合う板状部材10,20の中空構造内部の熱媒体の経路は連続していない。
【0039】
第1および第2種類の板状部材10,20の前面11,21および後面12,22は、従来よく知られるエッチング、研磨、表面処理のような手段により、平坦に形成されており、密着して接触する。また、第1および第2種類の板状部材10,20の接触部は、熱伝導グリスが塗布され、相互の面の密着性を向上させている。これにより、前面21と後面12と、および前面11と後面22との接触熱抵抗が低減されている。しかし、各前面と各後面とは、板状部材10,20が積層されるように接触していればよい。
【0040】
図5に示すように、受熱部202には、複数の第1および第2種類の板状部材10,20の側面13,23の一部が共同して底面204を形成している。底面204は、積層方向に平行な積層平行面であり、熱源を取り付けられる取付領域205を有する。
【0041】
放熱部203には、櫛歯状の複数の第1種類の板状部材10に第2種類の板状部材20が積層されることにより、対向する柱が垂直に立つような凹凸構造が形成され、放熱部203を形成する第1種類の板状部材10の第1の延在部L1の前面11,後面12,側面13が熱源からの熱を放散する。
【0042】
取付領域205の一部を形成する一の第1種類の板状部材10では、熱源からの熱が、受熱部202を形成する第1の延在部L1から受けられ、内部の熱媒体により放熱部203を形成する第2の延在部L2に伝わり、大気に放散される。すなわち、取付領域205を有する積層平行面の一部を形成する一の板状部材10は、積層平行面に垂直方向(第2の延在部L2の延在方向)に熱伝導するように、熱媒体が移動可能な経路を有する中空構造に形成されている。これにより、各一の板状部材10が、熱界面を介することなく、受熱、伝熱、放熱する。したがって、隣り合う板状部材20との熱界面抵抗が高くとも、放熱性に優れた放熱ユニットが提供される。
【0043】
本実施の形態において、板状部材10は、厚さ方向に貫通する複数の溝Cを形成され、溝Cから熱を放散するが、溝Cに代えて、または溝Cと共に、厚さ方向に貫通する複数の穴を形成し、穴から熱が放散するようにしてもよい。
【0044】
また、取付領域205の一部を形成しない他の第1種類の板状部材10では、熱源からの熱が、取付領域を形成する一の第1種類の板状部材10および第2種類の板状部材20から他の第1種類の板状部材10に重ね合わせられた接触面を介して、内部の伝熱媒体の熱伝導により放熱部203を形成する第2の延在部L2に伝わり、大気に放散される。
【0045】
したがって、一の第1種類の板状部材10では、熱源からの熱が直接放熱されるが、他の第1種類の板状部材20では、熱源からの熱が板状部材10,20の熱界面を介して放熱される。第2の実施の形態にかかる放熱ユニット200は、第1の実施の形態にかかる放熱ユニット100に比較して、接触面が小さいため熱界面の熱抵抗は大きくなり、熱伝導は悪くなるが、放熱部203の表面積が大きく、熱の放散は良い。
【0046】
放熱ユニットは、熱伝導に優れた板状部材を積層すること、積層方向と略平行な積層平行面を形成すること、積層平行面に熱源を接続することにより製造される。すなわち、放熱ユニット200は、2種類の第1種類および第2種類の板状部材の相互の前面と後面とを接触させること、重ね合わされた複数の板状部材の前面と後面とを繋ぐ側面の一部を、熱源を取り付ける取付領域として形成することにより製造される。2種類の板状部材を相互に積層することにより、これら板状部材の前面および後面の形状が異なる部分が表露する。
【0047】
取付領域205を含む底面204は、複数の板状部材10,20が重ね合わされた後に、底面を形成する板状部材10,20の側面13,23が、ケミカルエッチングのようなエッチング、電解研磨、物理研磨のような研磨等されることにより、平坦面に形成される。
【0048】
放熱ユニット200は、2種類の板状部材を大量に製造し、積層することにより製造されるため、板状部材の製造費が安価になり、積層工程も容易になる。放熱ユニット200の複数の第1種類および第2種類の板状部材10、20は、種々の手段により、積層した状態で固定することができる。たとえば、両端から挟み込むような固定治具により積層された状態で固定されてもよい。また、第2の板状部材20は中空構造でなくてもよい。
【0050】
本発明の第3の実施形態にかかる放熱ユニット300は、
図7に示すように、熱源が取り付けられ、熱源からの熱を受ける受熱部302と、熱源から生じた熱を放熱する放熱部303とを備える。放熱部303は、受熱部302から熱伝導により熱を受け、大気に接する部分から熱を放散する。本実施の形態にかかる放熱ユニット300は、第3種類の板状部材30(
図8参照)と第4種類の板状部材40(
図9参照)とからなり、複数枚の第3および第4種類の板状部材30,40を交互に積層して形成されている。
【0051】
第3種類の板状部材30は、
図8に示すように、
前記受熱部302を構成する受熱部構成要素302aと、この受熱部構成要素302aと一体に作られた前記放熱部303を構成する放熱部構成要素303aとを備え、前記受熱部構成要素302aの厚み寸法と、前記放熱部構成要素303aの厚み寸法とは、同一に設定されたものである。そして、第3種類の板状部材30は、前記第1の方向に延在する第4延在部L4と、第4の延在部L4から前記第2の方向に延在する羽子板状の第5延在部L5とからなる。第3種類の板状部材30は、前面31と後面32と前面31および後面32を繋ぐ側面33とを有する。第3種類の板状部材30は、中空構造に形成されており、内部に熱媒体を有し、熱媒体の移動と気化および液化の状態変化とにより熱伝導し、熱伝導性に優れた熱伝導性を有する、いわゆるベイパーチャンバー(またはヒートパイプ)である。
【0052】
第4種類の板状部材40は、
図9に示すように、
前記受熱部302を構成する受熱部構成要素302bと、この受熱部構成要素302bと一体に作られた前記放熱部303を構成する放熱部構成要素303bとを備え、前記受熱部構成要素302bの厚み寸法と、前記放熱部構成要素303bの厚み寸法とは、同一に設定されたものである。そして、第4種類の板状部材40は、前記第1の方向に延在する第6延在部L6と、第6の延在部L6から前記第2の方向に延在する第7延在部L7とからなり、T字状に形成されている。第4種類の板状部材40は、前面41と後面42と前面41および後面42を繋ぐ側面43とを有する。第4種類の板状部材40は、中空構造に形成されており、内部に熱媒体を有し、熱媒体の移動と気化および液化の状態変化とにより熱伝導し、熱伝導性に優れた熱伝導性を有する、いわゆるベイパーチャンバー(またはヒートパイプ)である。
【0053】
第3種類の板状部材30の第4の延在部L4と、第4種類の板状部材40の第6の延在部L6は略同一形状を有する。第3種類の板状部材30の第4の延在部L4の後面32と第4種類の板状部材40の第6の延在部L6の前面41と、および第3種類の板状部材30の第4の延在部L4の前面31と第4種類の板状部材40の第6の延在部L6の後面42とは相互に貼り合わされており、受熱部304を形成している。
【0054】
また、第3種類の板状部材30の第5の延在部L5の後面32と第4種類の板状部材40の第7の延在部L7の前面41と、および第3種類の板状部材30の第5の延在部L5の前面31と第4種類の板状部材40の第7の延在部L7の後面42とは相互に接触されており、放熱部303が形成されている。第3種類の板状部材30の第5の延在部L5は、第4種類の板状部材40の第7の延在部L7と接触していない前面31、後面32の一部および側面33から熱を放散する。
【0055】
本実施の形態において、積層方向の両端に位置する一方の第3種類の板状部材30の前面31と、他方の第3種類の板状部材30の後面32と、第3種類の板状部材30の第5の延在部L5の前面31と後面32のうち、第4種類の板状部材40と接触していない部分と、側面33とが表露している。すなわち、異なる板状部材が積層されることにより、各板状部材の側面に加え、板状部材の前面および後面の貼り合わせられない部分が表露する。また、第3および第4種類の板状部材30,40は、独立した熱媒体の移動経路を有し、隣り合う板状部材10,20は、貼り合わせて積層されているだけであるため、中空構造内部の熱媒体の経路は連続していない。
【0056】
第3および第4種類の板状部材30,40の前面31,41および後面32,42は、従来よく知られるエッチング、研磨、表面処理のような手段により、平坦に形成されており、密着するように重ね合わされる。また、第3および第4種類の板状部材30,40の接触部は、熱伝導グリスが塗布され、相互の面の密着性を向上させている。これにより、前面31と後面42と、および前面41と後面32との接触熱抵抗が低減されている。しかし、各前面と各後面とは、板状部材30,40が積層されるように接触していればよい。
【0057】
受熱部302には、複数の第3および第4種類の板状部材30,40の側面33,43の一部が共同して底面304を形成している。底面304は、熱源を取り付けられる取付領域(図示しない)を有する。
【0058】
放熱部303には、複数の羽子板状の第3種類の板状部材30に第4種類の板状部材40が重ね合わされることにより、放熱ユニットの積層方向に対向する羽子板状の第5の延在部L5が垂直に立つような凹凸構造が形成され、第3種類の板状部材30の第5の延在部L5の前面31,後面32,側面33が熱源からの熱を放散する。
【0059】
取付領域305の一部を形成する一の第3種類の板状部材30では、熱源からの熱が、受熱部302を形成する側面33から受けられ、内部の伝熱媒体の熱伝導により放熱部303を形成する前面31、後面32および側面33に伝わり、大気に放散される。すなわち、取付領域305を有する積層平行面の一部を形成する一の板状部材30は、積層平行面に垂直方向(第5の延在部L5の延在方向)に熱伝導するように、熱媒体が移動可能な経路を有する中空構造に形成されている。これにより、各一の板状部材30が、熱界面を介することなく、受熱、伝熱、放熱する。したがって、隣り合う板状部材40の放熱が小さかったとしても、放熱性に優れた放熱ユニットが提供される。
【0060】
また、取付領域305の一部を形成しない他の第3種類の板状部材30では、熱源からの熱が、取付領域305を形成する一の第3種類の板状部材30および第4種類の板状部材40に重ね合わせられた接触面を介して伝わり、内部の伝熱媒体の熱伝導により放熱部303を形成する側面33に伝わり、大気に放散される。
【0061】
したがって、一の第3種類の板状部材30では、熱源からの熱が直接放熱されるが、他の第3種類の板状部材30では、熱源からの熱が接触熱抵抗を介して放熱される。
【0062】
本実施の形態において、板状部材30は、羽子板状に形成された第5の延在部L5が形成されているが、第5の延在部に、厚さ方向に貫通する溝または少なくとも1つの穴を形成してもよい。溝、穴を設けることにより、表露部分が増えるため、放熱ユニットの放熱性を増加させることができり。
【0063】
放熱ユニットは、熱伝導に優れた板状部材を積層すること、積層方向と略平行な積層平行面を形成すること、積層平行面に熱源を接続することにより製造される。すなわち、放熱ユニット300は、2種類の第3種類および第4種類の板状部材の相互の前面と後面とを接触させること、重ね合わされた複数の板状部材の前面と後面とを繋ぐ側面の一部を、熱源を取り付ける取付領域として形成することにより製造される。2種類の板状部材を相互に積層することにより、これら板状部材の前面および後面の形状が異なる部分が表露する。
【0064】
前記取付領域を含む底面304は、複数の板状部材30,40が重ね合わされた後に、底面304を形成する板状部材30,40の側面33,43が、ケミカルエッチングのようなエッチング、電解研磨、物理研磨のような研磨等されることにより、平坦面に形成される。
【0065】
放熱ユニット300は、2種類の板状部材を大量に製造し、積層することにより製造されるため、板状部材の製造費が安価になり、積層工程も容易になる。放熱ユニット300の複数の第3種類および第4種類の板状部材30、40は、種々の手段により、積層した状態で固定することができる。たとえば、両端から挟み込むような固定治具により積層された状態で固定されてもよい。また、第4種類の板状部材40は中空構造でなくてもよい。
【0067】
本発明の第4の実施形態にかかる放熱ユニット400は、
図10に示すように、熱源が取り付けられ、熱源からの熱を受ける受熱部402と、熱源から生じた熱を放熱する放熱部403とを備える。放熱部403は、受熱部402から熱伝導により熱を受け、大気に接する部分から熱を放散する。
【0068】
本実施の形態にかかる放熱ユニット400は、第3の実施形態にかかる放熱ユニット300と同様に、第3種類および第4種類の板状部材30,40(
図8,
図9参照)からなり、複数枚の板状部材30,40を交互に積層されて形成されている。
【0069】
本実施の形態にかかる放熱ユニット400では、受熱部402が板状部材30,40の積層により形成されていない点で、第3実施形態の放熱ユニット300と異なる。すなわち、板状部材30,40の積層により、放熱部403が形成され、これとは別に受熱部402が形成されている。
【0070】
受熱部402は、伝熱部材406を介して、積層方向の一端側の第3種類の板状部材30の前面31に接続している。伝熱部材406の形状を変更し、伝熱部材406が第3および第4種類の板状部材を積層方向に貫通するようにしてもよい。
【0071】
本発明の実施の形態において、矩形の取付領域を示したが、取付領域は、熱源の形状、取付方法等により適宜変更される。また、積層平行面は、積層方向に略平行であればよい。さらに、放熱ユニットは、少なくとも1種類の板状部材を備えていればよく、複数種類の板状部材を積層することにより構成されてもよい。
【0072】
本発明の実施の形態にかかる放熱ユニットは、LED照明の放熱ユニット、電子部品の放熱ユニット等の種々の放熱ユニットとして利用できる。この場合、熱源は、取り付け領域に接続され、熱を放熱ユニットに伝達できればよく、直接取り付けられてもよいし、インターポーザ等を介して間接的に取り付けてもよい。
【0073】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。