(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。
【0012】
なお、添付の全図面の中の記載で、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、特に指定しない限り、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。従って、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
【0013】
また、以下説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0014】
図1及び
図2は、本発明の一実施形態である電子装置1を説明するための図である。
図1は電子装置1の分解斜視図であり、
図2は表示部3を取り外した状態の電子装置1の斜視図である。なお本実施形態では、電子装置1としてデジタルカメラを例に挙げて説明するものとする。しかしながら、本発明の適用はデジタルカメラに限定されるものではなく、ビデオカメラ、携帯電話機等の装置本体2に対して可動部(例えば表示部3)を有する電子装置に広く適用できるものである。
【0015】
電子装置1は、装置本体2、表示部3、及び装置本体2に対して表示部3を開閉可能(回転可能)に支持する開閉装置10を有している。
【0016】
装置本体2は樹脂成型されており、その背面側にスイッチ6等を有すると共に、表示部3が取り付けられている。また装置本体2の正面側には、撮影を行うための撮像レンズ等(図示せず)が設けられている。更に装置本体2の内部には、撮像処理を行うための各種電子部品が配設されている。
【0017】
表示部3は樹脂成型されており、液晶ディスプレイ5が一体的に組み込まれた構成とされている。撮像レンズを介して取り込まれた画像は、表示部3に設けられた液晶ディスプレイ5に表示される。よって撮影者は、この液晶ディスプレイ5により撮影しようとする画面を確認することができる。
【0018】
この表示部3は、一般的な撮影を行う時は、装置本体2の表示部収納部4内に収納されている。なお以下の説明において、表示部3が表示部収納部4内に収納された状態を閉状態というものとする。
【0019】
ところで近年では、電子装置で自分自身を撮影すること(いわゆる、自分撮り)が行われるようになってきており、電子装置1はこれに対応した構成となっている。具体的には、表示部3は開閉装置10により装置本体2に対して図中A1,A2方向に移動(回転)可能な構成とされている。
【0020】
図4(F)は、装置本体2に対して表示部3を開いた状態を示している。なお、以下の説明において表示部3を開いた状態を開状態というものとする。
【0021】
この開状態では、装置本体2に設けられた撮像レンズ及び液晶ディスプレイ5はいずれも正面側に位置した状態となっている。よって、いわゆる自分撮りを行う場合、撮影者は自己を液晶ディスプレイ5で確認しながら撮影を行うことが可能となる。
【0022】
次に、電子装置1に設けられた開閉装置10の構成について説明する。
【0023】
開閉装置10は、スタンド11L,11R、ベースプレート20、スライドプレート30、スプリング40、ヒンジ機構50L,50R、カム部60、及び係合ピン70等を有している。
【0024】
なお説明に用いる各図において、左右方向(図中X1,X2方向)に対称に配置される構成要素については、右側(X1方向側)に位置するものには符号に「R」を添記し、左側(X2方向側)に位置するものには符号に「L」を添記して示すものとする。
【0025】
スタンド11L,11Rは金属板材をプレス成型したものであり、固定部12L,12Rと立設部13L,13Rが一体的に形成された構成とされている。固定部12L,12Rは、装置本体2に固定される。また、立設部13L,13Rは、端部に後述するヒンジピン51L,51Rが装着される軸孔14L,14Rが形成されている。
【0026】
ベースプレート20は金属板材をプレス成型したものであり、ベース本体部21、ガイドレール部22L,22R、アーム部23L,23R等を一体的に形成した構成とされている。ベース本体部21は略長方形状を有しており、その短辺側の両側縁にはガイドレール部22L,22Rが形成されている。
【0027】
また、ベース本体部21の両側でY2方向側の端部には、アーム部23L,23Rが形成されている。このアーム部23L,23Rは、側面視でL字形状を有し、一端部がベース本体部21に一体的に接続され、他端部にヒンジピン51L,51Rが挿通される軸孔24L,24Rが形成されている。
【0028】
また、ベース本体部21の略中央位置には、スプリング40が配設される。スプリング40は、ベースプレート20とスライドプレート30との間で弾性力を付勢できるものであれば特に種類は限定されないが、本実施形態ではトーションスプリングを用いている。
【0029】
このスプリング40の一方のアーム部41は、スプリングピン25によりベース本体部21に固定されている。また、スプリング40の他方のアーム部42は、スプリングピン36がピン固定孔37に固定されることによりスライドプレート30に固定される。よって、スプリング40はベースプレート20とスライドプレート30との間に配設された構成となる。
【0030】
スライドプレート30は金属板材をプレス成型したものであり、スライド本体部31、開口部32、ガイド取り付け部34L,34R、ピン取り付け部35、及び当接部38等を有している。
【0031】
このスライドプレート30は、電子装置1の表示部3に固定される。従って、表示部3はスライドプレート30と一体的に移動する。
【0032】
スライド本体部31は略長方形状を有しており、その略中央部分には開口部32が形成されている。この開口部32の形成位置は、スプリング40の配設位置に対応している。また、開口部32の図中矢印B2で示す方向側の端部には、スライドプレート30のストッパーとして機能する当接部38が形成されている。
【0033】
スライド本体部31の両側縁には、ガイド取り付け部34L,34Rが一体的に形成されている。このガイド取り付け部34L,34Rは、スライド本体部31の両側縁部を略コの字形状に折り曲げ形成したものである。このガイド取り付け部34L,34Rには、スライドガイド33L,33Rが装着される。
【0034】
スライドガイド33L,33Rは、耐久性が高く、かつ滑り性の良好な樹脂によりなる樹脂成形品である。また、スライドガイド33L,33Rの各内側位置には、
図1におけるY1,Y2方向に延在する溝部が形成されている。このスライドガイド33L,33Rは、ガイド取り付け部34L,34Rに取り付けられる。
【0035】
なお、この取り付け方法は特に限定されるものではなく、係止部を設けて係止しても、接着剤を用いて固定しても、更にはスライドプレート30のプレス加工時に一体的に設ける構成としてもよい。
【0036】
また、スライド本体部31の一方の短辺(図中、矢印X2方向側の短辺)には、ピン取り付け部35が一体的に形成されている。ピン取り付け部35は、スライド本体部31の短辺側の一端部から下方に延出形成されている。
【0037】
このピン取り付け部35には、係合ピン70が固定される。よって係合ピン70は、スライドプレート30(表示部3)の移動に伴い一体的に移動する。この係合ピン70は、ピン取り付け部35から外側に向けて(矢印X2方向に向けて)突出するよう構成されている。
【0038】
ヒンジ機構50L,50Rは、スタンド11L,11Rとベースプレート20を回転可能に接続させるものである。このヒンジ機構50L,50Rは、ヒンジピン51L,51R、スペーサ52L,52R、及びクリックプレート53L,53R等により構成されている。
【0040】
本実施形態では、カム部60は装置本体2に一体的に形成されている。カム部60の装置本体2上における形成位置は、表示部3及びスライドプレート30の移動に伴い移動する係合ピン70の移動軌跡上に設定されている。具体的には、カム部60は表示部収納部4の図中矢印X2方向の一側縁部に形成されている(
図1参照)。
【0041】
このカム部60は、略三角形状を有したカム本体部61に係合凹部62及び傾斜面63が形成された構成とされている。
【0042】
係合凹部62は係合ピン70が係合する部位であり、カム本体部61の一頂角に形成されている。この係合凹部62は、装置本体2の表示部収納部4に形成された窪み部4aの底部に位置するよう構成されている。
【0043】
窪み部4aの深さは、表示部3の内側面と係合ピン70との離間距離S(
図3(A)に矢印で示す)に基づき設定されている。即ち、表示部3が閉位置にある時、係合ピン70と係合凹部62とが係合するよう離間距離Sは設定されている。
【0044】
また係合凹部62は、カム本体部61のヒンジ機構50L,50Rに近い側(図中、矢印Y2方向側)の端部に形成されている。
【0045】
傾斜面63は、カム本体部61の上面に形成された傾斜面である。この傾斜面63は、図中矢印Y2方向に向けてカム本体部61の矢印Z1,Z2方向の高さが、漸次低くなるような傾斜面とされている。
【0046】
次に、電子装置1の組み立て方法について説明する。
【0047】
電子装置1を組み立てるには、まず開閉装置10を組み立てる。開閉装置10を組み立てるには、スタンド11L,11Rとベースプレート20とを接続する。
【0048】
スタンド11L,11Rとベースプレート20の接続は、前記のようにヒンジ機構50L,50Rを用いて行う。ヒンジ機構50L,50Rを用いてスタンド11L,11Rとベースプレート20を接続するには、まずアーム部23L,23Rとスタンド11L,11Rとの間にスペーサ52L,52Rを挟み込む。そして、この状態においてスタンド11L,11Rの軸孔14L,14Rと、アーム部23L,23Rの軸孔24L,24Rとの軸合わせ(位置決め)を行う。
【0049】
この位置決めが終了すると、軸孔24L,24R、スペーサ52L,52R、及び軸孔14L,14Rに対し、内側から外側に向けてヒンジピン51L,51Rを挿通させる。そして、ヒンジピン51L,51Rの軸孔14L,14Rから外側に突出した先端部に、クリックプレート53L,53Rを固定する。
【0050】
これにより、ベースプレート20は、ヒンジ機構50L,50Rによりスタンド11L,11Rに対して回転可能に軸承させた構成となる。また、ヒンジ機構50L,50Rは、いわゆるフリーストップのヒンジであり、スタンド11L,11Rに対してベースプレート20を任意の回転角度で保持することができる。
【0051】
なお、ヒンジ機構50L,50Rは必ずしもフリーストップのヒンジとする必要はなく、例えばスタンド11L,11Rに溝等を形成することにより、開位置と閉位置、また開位置から閉位置との間の所定角度においてクリック感を発生させる構成としてもよい。
【0052】
次に、スライドプレート30の作製を行う。なお、このスライドプレート30の作製は、上記したベースプレート20をスタンド11L,11Rに配設する処理と並行して行ってもよい。
【0053】
スライドプレート30を作製するには、スライドガイド33L,33Rをガイド取り付け部34L,34Rに取り付ける。続いて、スプリング40を開口部32内に位置させ、スプリングピン36を用いてスプリング40の一方のアーム部42をスライドプレート30に固定する。スライドプレート30にはピン固定孔37が形成されており、スプリングピン36をピン固定孔37に嵌入することにより、スプリング40のアーム部42はスライドプレート30に固定される。
【0054】
上記のようにスライドプレート30が作製されると、続いてスライドガイド33L,33Rに対しガイドレール部22L,22Rを挿入する。ガイドレール部22L,22Rとスライドガイド33L,33Rは、スライド可能な構成とされている。よって、スライドプレート30はベースプレート20に対してスライド可能な構成となる。
【0055】
また、スライドプレート30をベースプレート20に配設する際、スプリングピン25を用いてスプリング40の他方のアーム部41をベースプレート20に固定する。これにより、スプリング40はベースプレート20とスライドプレート30との間に配設され、両者20,30間で弾性力を付勢する。
【0056】
スプリング40は、スライドプレート30をベースプレート20に対して外側(矢印B1方向)に向け弾性力を付勢する。このスプリング40の弾性力により、スライドプレート30はベースプレート20に対してB1方向にスライドしようとする。
【0057】
しかしながら、スライドプレート30に形成された当接部38が、ベースプレート20に固定されたスプリングピン25と当接することにより、スライドプレート30のそれ以上のスライドが規制される構成となっている。
【0058】
以上のように開閉装置10が組み立てられると、開閉装置10に装置本体2及び表示部3を組み付ける。即ち、スタンド11L,11Rの固定部12L,12Rを装置本体2に固定すると共に、ベースプレート20に表示部3を固定する。これにより、電子装置1の組み立てが完了する。
【0059】
ここで本実施形態では、カム部60が装置本体2に一体的に形成されている。装置本体2は樹脂成型品であるため、カム部60は装置本体2の樹脂成型時に一括的に形成することができる。よって本実施形態によれば、カム部60を装置本体2と別部品とする構成に比べ、部品点数の削減、組み立て工数の低減、及び低コスト化を図ることができる。
【0060】
なお、上記した組み立て方法では、スタンド11L,11Rにベースプレート20を取り付けた後に、ベースプレート20に対してスライドプレート30を取り付ける方法を示した。しかしながら、スライドプレート30をベースプレート20に取り付けた後に、このベースプレート20をスタンド11L,11Rに取り付けることも可能である。
【0061】
次に、上記構成とされた電子装置1及び開閉装置10の動作について、
図3〜
図5を用いて説明する。
【0062】
図3は開閉装置10の動作を示す側面図であり、
図4は開閉装置10が配設された電子装置1の動作を示す側面図であり、
図6はカム部60の近傍を拡大して示す斜視図である。
【0063】
なお、
図3~
図5ではカム部60の形状を見やすくするため、装置本体2の形状を
図1及び
図2に示した形状と一部異ならせて図示しているが、実質的には同一のものである。
【0064】
図3(A)、
図4(A)、及び
図5(A)は、表示部3及びベースプレート20が閉じられた閉状態を示している。この時、表示部3は装置本体2の表示部収納部4に収納された状態となっている。
【0065】
また閉状態では、スライドプレート30はスプリング40の弾性力に抗して図中矢印B2方向にスライドしている。ベースプレート20とスライドプレート30の外形は、平面視(上から見た状態)で略等しい形状とされている。
【0066】
よって、閉状態でスライドプレート30がB2方向にスライドすることにより、スライドプレート30はベースプレート20と重なった状態となる。なお、以下の説明において、閉状態におけるスライドプレート30の位置を第1の位置というものとする。
【0067】
また閉状態では、カム部60に形成された係合凹部62は、
図5(A)に拡大して示すように、ピン取り付け部35に形成された係合ピン70と係合するよう構成されている。
よって、スプリング40の弾性力によりスライドプレート30がB1方向に付勢されていても、係合ピン70がカム部60に当接することにより、スライドプレート30のB1方向への移動は規制されている。なお、係合凹部62(カム部60)及び係合ピン70は、請求項に記載の移動規制機構を構成する。
【0068】
係合凹部62は、円柱状の係合ピン70の形状に対応して断面半円形状の凹部とされている。よって係合状態において、係合凹部62と係合ピン70とは確実に係合する。また、スプリング40の弾性力により、係合ピン70はカム部60の係合凹部62に押圧される。このため、閉状態において外部から衝撃等が印加されても、カム部60と係合ピン70とが離脱するようなことはない。このため、衝撃が印加されても表示部3が装置本体2から動くことはなく、電子装置1の信頼性を向上させることができる。
【0069】
電子装置及び開閉装置10を上記した閉状態から開状態とするには、表示部3をスタンド11L,11Rに対してA1方向に回転させる。
図3(B)及び
図5(B)は、カム部60が係合ピン70から離脱した直後の状態を示している。
【0070】
この離脱時に係合凹部62が係合ピン70を乗り越える際、スライドプレート30はベースプレート20に対して若干量(係合凹部62の窪み量分)だけ図中矢印B2方向に移動する。しかしながら、ベースプレート20とスライドガイド33L,33Rとの間には、この移動量に対応したクリアランスが予め設けられており、これにより上記のスライドプレート30の移動は許容される。
【0071】
図3(C)及び
図4(B)は、表示部3を更にA1方向に回転させることにより、係合ピン70が係合凹部62から完全に離脱した状態を示している。係合ピン70が係合凹部62から離脱することにより、スライドプレート30の図中矢印B1方向に対する移動規制は解除される。
【0072】
このように係合凹部62と係合ピン70との係合が解除されることにより、表示部3及びスライドプレート30はベースプレート20に対して一体的にB1方向にスライドする。この際、
図3(C)及び
図4(B)に示すように、係合ピン70は相対的にカム部60の傾斜面63上を移動する。
【0073】
そして、
図3(D)及び
図4(C)に示すように係合ピン70がカム部60から完全に離脱した状態になると、スライドプレート30の開口部32の一部を構成する当接部38(
図1,
図2参照)がスプリングピン25と当接し、これによりベースプレート20に対するスライドプレート30のB1方向のスライドが規制される。以下、このスライドプレート30のB1方向への移動限界位置を第2の位置というものとする。
【0074】
スライドプレート30が第2の位置にスライドした状態では、スライドプレート30はベースプレート20に対して
図3(D)に矢印Lで示す長さだけ突出した状態となっている。また、スライドプレート30には表示部3が取り付けられているため、スライドプレート30のスライドに伴い表示部3もB1方向に距離Lだけスライドする。
【0075】
図4(D)は、カム部60が係合ピン70から完全に離脱した状態の電子装置1を示している。同図において装置本体2のコーナー部P1及び表示部3のコーナー部P2に注目すると、上記のように表示部3がスライドプレート30と共にベースプレート20に対してスライドすることにより、コーナー部P2も閉状態の位置に比べて距離LだけB1方向に移動している。即ち、スライドプレート30がベースプレート20に対してスライドすることにより、装置本体2のコーナー部P1と表示部3のコーナー部P2との離間距離Lは閉状態に比べて大きくなっている。
【0076】
この状態から更に表示部3をA1方向に回転させると、ベースプレート20はヒンジピン51L,51Rを中心としてスタンド11L,11Rに対して回転し、これに伴い表示部3も装置本体2に対して回転する。
図4(E)は、閉位置に対してベースプレート20が約135°回転した状態を示している。
【0077】
スライドプレート30がベースプレート20に対して図中矢印B1方向にスライドし第2の位置に移動した後は、スライドプレート30は第2の位置を維持した状態で回転する。従って、装置本体2のコーナー部P1と表示部3のコーナー部P2も、離間した状態を維持して回転を行う。
【0078】
このため、表示部3が装置本体2に対して回転しても、コーナー部P2がコーナー部P1と当接するようなことはない。よって、装置本体2に対する表示部3の開き動作を円滑に行うことができる。
【0079】
図4(F)は、開状態における電子装置1を示している。この開状態において、表示部3に設けられた液晶ディスプレイ5は正面側(図中、Z2方向側が正面側となる)に向いた状態となっており、よっていわゆる自分撮りを行うことができる。なお、以下の説明において、開状態における表示部3(ベースプレート20)の位置を開位置というものとする。
【0080】
次に、表示部3を開位置から閉位置に向け回転させる時の動作について説明する。
【0081】
なお、表示部3を開位置から閉位置に向け回転する時の動作は、上記した表示部3を閉位置から開位置に向け移動させる動作の逆の動作になる。このため、ベースプレート20の開位置から閉位置に向かう動作の説明は、閉位置から開位置に向けた動作説明に使用した
図4及び
図5を利用して説明するものとする。
【0082】
図4(F)に示す開状態から、表示部3を閉位置に移動するには、表示部3を図中矢印A2方向に移動させる。これに伴い、
図4(E),(D)に示すように表示部3(ベースプレート20)は閉位置に向かい回転する。この際、スライドプレート30は第2の位置(矢印B1方向にスライドした位置)を維持しており、よって各コーナー部P1,P2は離間距離が大きい状態を維持している。このため、開位置から閉位置に向け表示部3が移動する際も、各コーナー部P1,P2が当接するようなことはない。
【0083】
表示部3及びベースプレート20が所定量だけ回転すると、スライドプレート30に固定されている係合ピン70は装置本体2に形成されているカム部60と係合する。
図3(C)及び
図4(B)は、係合ピン70がカム部60と係合した直後の状態を示している。
【0084】
図3(C)及び
図4(B)に示され状態から、更に表示部3を図中矢印A2方向に移動させると、傾斜面63に案内されて係合ピン70は傾斜面63上を相対的に移動する。このように、係合ピン70が傾斜面63上を相対的に移動することにより、係合ピン70は図中矢印B2方向に向けて移動付勢される。
【0085】
よってこの時、傾斜面63は係合ピン70を付勢するカムとして機能し、カム部60は表示部3(スライドプレート30)を第2の位置から第1の位置に向けて移動付勢する。即ち、係合ピン70とカム部60(傾斜面63)は、表示部3を第2の位置から第1の位置に向けて移動付勢する移動付勢機構を構成する。
【0086】
更に表示部3を図中矢印A2方向に移動させると、係合ピン70は傾斜面63に案内されつつ窪み部4a内に進入し、そして係合ピン70は係合凹部62と係合する。この状態において、ベースプレート20は閉位置に回転しており、スライドプレート30は第1の位置にスライドしており、更に表示部3は装置本体2の表示部収納部4に収納された状態となっている。即ち、係合ピン70と係合凹部62とが係合することにより,
図1、
図3(A)、
図4(A)、及び
図5(A)に示すように電子装置1及び開閉装置10は閉状態となる。
【0087】
上記のように、本実施形態に係る電子装置1及び開閉装置10では、表示部3を閉位置から開位置に向け移動させる時は、表示部3を図中矢印A1方向に移動させ係合凹部62と係合ピン70との係合を解除させる。これにより、スライドプレート30は自動的に第1の位置から第2の位置にスライドし、これに伴い表示部3は各コーナー部P1,P2が当接しない位置に移動する。
【0088】
また、表示部3を開位置から閉位置に向け移動させる時は、係合ピン70が傾斜面63(カム部60)上を相対的に移動することにより、スライドプレート30は第2の位置から第1の位置に自動的にスライドし、これに伴い表示部3も閉位置に移動する。
【0089】
よって、単に表示部3を開位置と閉位置との間で移動させるだけで、表示部3及びスライドプレート30を自動的に第1の位置と第2の位置との間でスライドさせることができる。これにより1アクションで開閉操作を行うことが可能となり、操作性の向上を図ることができる。
【0090】
また、スライドプレート30が第2の位置に移動した後は、装置本体2と表示部3は各コーナー部P1,P2が離間した状態を維持して回転するため、装置本体2と表示部3とが当接(衝突)することを防止することができる。
【0091】
また、係合ピン70に対して形状の大きいカム部60が装置本体2に設けられているため、開閉を行う表示部3をコンパクト化することができると共に、表示部3の意匠性を向上させることができる。更に本実施形態では、表示部収納部4に窪み部4aを形成し、カム部60の一部がこの窪み部4aの内部に位置するよう構成しているため、装置本体2の薄型化及び意匠性の向上を図ることができる。
【0092】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0093】
図6は、上記した実施形態に係る電子装置1の変形例である電子装置1Aを示している。なお
図6において、前記した実施形態の説明に用いた
図1〜
図6に示した構成と対応する構成については同一符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0094】
上記した実施形態に係る電子装置1は、ベースプレート20の側縁に形成したピン取り付け部35に係合ピン70を設けた構成としていた。即ち、係合ピン70は、ベースプレート20の側部に設けられた構成とされていた。また、カム部60も係合ピン70の配設位置に対応して表示部収納部4の一側縁部に設けた構成とした。
【0095】
これに対して本変形例は、係合ピン70をスライドプレート30の長辺の側縁の中央位置に設けたことを特徴としている。具体的には、略矩形状とされたスライドプレート30の長辺の内、ヒンジ機構50L,50Rが設けられる長辺と異なる側の長辺の略中央に係合ピン70を配設した構成とした。
【0096】
本変形例のように、係合ピン70の配設位置は表示部3の短辺側に限定されるものではなく、表示部3の長辺側に設けることも可能である。また、係合ピン70の長辺上における配設位置は本変形例のように中央に限定されるものではなく、中央からずれた位置に設ける構成とてもよく、また複数個所に設ける構成としてもよい。
【0097】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【0098】
例えば、上記した実施形態ではカム部60を装置本体2に一体的に設けた構成とした。しかしながら、カム部60を表示部3に一体的に設ける構成とすることも可能である。この構成とした場合、表示部3は樹脂成型されているため、カム部60も表示部3の樹脂成型時に一括的に形成することができる。よって、部品点数の削減及び組み立て工数の低減を図ることができる。
【0099】
また、カム部60を表示部3に一体的に設ける構成とした場合、係合ピン70は装置本体2に一体的に形成しても、またスタンド11L,11Rに配設する構成としてもよい。係合ピン70を装置本体2に一体的に形成した場合には、係合ピン70を樹脂成型品である装置本体2の成型時に一括的に形成することができ、部品点数の削減及び組み立て工数の低減を図ることができる。
【0100】
またカム部60に係合するのはピン形状を有した係合ピン70に限定されるものではなく、カム部60に係合できるものであれば、他のものを用いることも可能である。例えば、係合ピン70に代えてカム部材を用い、これがカム部60に係合するよう構成するよう構成してもよい。