(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記円錐部のシール面は、前記円錐部の基部に隣接した丸められた部分を備え、前記患者の鼻孔と係合するように形成された前記円錐部の側の丸められた部分の半径は、前記患者の上唇と係合するように形成された前記円錐部の反対側の丸められた部分の半径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の鼻枕。
前記患者の上唇に接触するように形成された前記円錐部の基部における前記シール面の部分は、前記患者の鼻孔と係合するように形成された前記円錐部の基部におけるシール面の部分と等距離だけ前記ネック部分から変位されており、前記シール面および前記開口部は前記ネック部分と非同心であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の鼻枕。
前記患者の上唇に接触するように形成された前記円錐部の基部における前記シール面の部分は、前記患者の鼻孔と係合するように形成された前記円錐部の基部におけるシール面の部分と非等距離だけ前記ネック部分から変位されており、前記シール面および前記開口部は前記ネック部分と同心であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の鼻枕。
前記バネ構造体は、前記円錐部の一側に形成された厚みを増された領域および前記円錐部の反対側に形成された比較的より薄い領域を備えていることを特徴とする請求項1に記載の鼻枕。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】先行技術による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図2】先行技術による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図3a】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図3b】サンプルの実施形態により与えられるベクトルの概略図である。
【
図4】サンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図5a】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図5b】サンプルの実施形態による可撓性エルボの概略図である。
【
図5c】サンプルの実施形態によるエルボの構成の概略図である。
【
図5d】サンプルの実施形態によるエルボの構成の概略図である。
【
図6】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図7a】他のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図7b】サンプルの実施形態によるストラップの概略図である。
【
図7c】サンプルの実施形態によるストラップの概略図である。
【
図7d】サンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8a】サンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8b】サンプルの実施形態による患者インターフェース構造体のコネクタの概略図である。
【
図8c】サンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8d】別のサンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8e】別のサンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8f】別のサンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8g】別のサンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8h】
図8fの患者インターフェース構造体のリンク要素の概略図である。
【
図8i】別のサンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8j】
図8iの患者インターフェース構造体のリンク要素の概略図である。
【
図8k】別のサンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図8l】サンプルの実施形態間の比較の概略図である。
【
図8m】サンプルの実施形態間の比較の概略図である。
【
図8n】別のサンプルの実施形態による鼻枕を備える患者インターフェース構造体の概略図である。
【
図9a】サンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とエルボまたはフレームとの間の連結部の概略図である。
【
図9b】サンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とエルボまたはフレームとの間連結の概略図である。
【
図10】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図11】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図12a】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略側面図である。
【
図12b】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略背面図である。
【
図13a】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略側面図である。
【
図13b】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略背面図である。
【
図14a】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略側面図である。
【
図14b】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略背面図である。
【
図15a】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略側面図である。
【
図15b】別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略背面図である。
【
図16a】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体の左メインストラップの概略図である。
【
図16b】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体の左メインストラップの概略図である。
【
図16c】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体の左メインストラップの概略図である。
【
図16d】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体の右メインストラップの概略図である。
【
図16e】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体の右メインストラップの概略図である。
【
図16f】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体の右メインストラップの概略図である。
【
図16g】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体の右メインストラップの概略図である。
【
図17a】複数のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の中のサンプルの一実施形態の概略図である。
【
図17b】複数のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の中のサンプルの一実施形態の概略図である。
【
図17c】複数のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の中のサンプルの一実施形態の概略図である。
【
図17d】複数のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の中のサンプルの一実施形態の概略図である。
【
図17e】複数のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の中のサンプルの一実施形態の概略図である。
【
図17f】複数のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の中のサンプルの一実施形態の概略図である。
【
図17g】複数のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の中のサンプルの一実施形態の概略図である。
【
図17h】サンプルの実施形態による患者インターフェース構造体に連結された、サンプルの一実施形態による回り継手シールリングの概略図である。
【
図17i】サンプルの実施形態による患者インターフェース構造体に連結された、サンプルの一実施形態による回り継手シールリングの概略図である。
【
図17j】空気送給チューブ、エルボ、回り継手シールリング、および患者インターフェース構造体を備えるサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図17k】サンプルの実施形態による、エルボと回り継手シールリングとの間に形成されたシールの概略図である。
【
図17l】別のサンプルの実施形態によるシールリングの概略図である。
【
図17m】別のサンプルの実施形態によるシールリングの概略図である。
【
図17n】別のサンプルの実施形態による回り継手シールリングの概略図である。
【
図17o】別のサンプルの実施形態による回り継手シールリングの概略図である。
【
図18a】サンプルの一実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18b】サンプルの一実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18c】サンプルの一実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18d】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18e】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18f】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18g】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18h】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18i】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18j】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18k】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18l】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18m】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18n】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18o】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18p】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18q】他のサンプルの実施形態による、患者インターフェース構造体とシール位置決め/安定化構造体との間の連結部の概略図である。
【
図18r】サンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の概略断面図である。
【
図18s】サンプルの実施形態による患者インターフェース構造体の概略断面図である。
【
図19a】サンプルの実施形態によるラダーロックコネクタの概略図である。
【
図19b】サンプルの実施形態によるラダーロックコネクタの概略図である。
【
図19c】サンプルの実施形態によるラダーロックコネクタの概略図である。
【
図19d】サンプルの実施形態によるラダーロックコネクタの概略図である。
【
図19e】サンプルの実施形態によるラダーロックコネクタの概略図である。
【
図20a】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタの概略図である。
【
図20b】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタの概略図である。
【
図21a】シール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタの別のサンプルの実施形態の概略図である。
【
図21b】シール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタの別のサンプルの実施形態の概略図である。
【
図22a】シール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタのサンプルの実施形態の概略図である。
【
図22b】シール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタのサンプルの実施形態の概略図である。
【
図23a】別のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタの概略図である。
【
図23b】別のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタの概略図である。
【
図23c】別のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタの概略図である。
【
図24a】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24b】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24c】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24d】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24e】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24f】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24g】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24h】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24i】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24j】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24k】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24l】別のサンプルの実施形態によるコネクタを備えるシール位置決め/安定化構造体の概略図である。
【
図24m】
図24aから
図24lのシール位置決め/安定化構造体を備えるサンプルの実施形態による、患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図24n】
図24aから
図24lのシール位置決め/安定化構造体を備えるサンプルの実施形態による、患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図24o】
図24aから
図24lのシール位置決め/安定化構造体を備えるサンプルの実施形態による、患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図24p】
図24aから
図24lのシール位置決め/安定化構造体を備えるサンプルの実施形態による、患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図24q】
図24aから
図24lのシール位置決め/安定化構造体を備えるサンプルの実施形態による、患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図24r】別のサンプルの実施形態によるストラップコネクタの概略図である。
【
図25a】他のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体コネクタの概略図である。
【
図25b】他のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体コネクタの概略図である。
【
図25c】他のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体コネクタの概略図である。
【
図25d】他のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体コネクタの概略図である。
【
図25e】他のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体コネクタの概略図である。
【
図25f】他のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体コネクタの概略図である。
【
図26a】サンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図26b】サンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図27a】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図27b】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図28a】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図28b】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図29a】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図29b】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図30a】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図30b】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図31a】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図31b】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図32a】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図32b】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図32c】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図32d】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図32e】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図32f】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図33a】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図33b】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図34】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図35】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図36】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図37】さらに別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図38a】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図38b】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図39a】他のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図39b】他のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図39c】他のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図39d】他のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図39e】他のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図39f】他のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図39g】他のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図39h】他のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図40】別のサンプルの実施形態による鼻枕の構成の概略図である。
【
図41】別のサンプルの実施形態による鼻枕の概略図である。
【
図42a】患者との密閉係合状態の一段階にあるサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図42b】患者との密閉係合状態の一段階にあるサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図42c】患者との密閉係合状態の一段階にあるサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図43a】患者との密閉係合状態の一段階にあるサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図43b】患者との密閉係合状態の一段階にあるサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図43c】患者との密閉係合状態の一段階にあるサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図44a】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図44b】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図45a】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図45b】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図45c】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図45d】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図45e】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図46a】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体のストラップの概略図である。
【
図46b】サンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体のストラップの概略図である。
【
図47a】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【
図47b】サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下の説明は、共通の特徴および構成部を共有し得る複数の実施形態に関連して提示される。任意の一実施形態の1つまたは複数の構成部を、他の実施形態の1つまたは複数の構成部と組み合わせることができることを、理解されたい。さらに、これらの実施形態のいずれかにおける任意の単一の構成部または構成部の組合せが、さらなる実施形態を構成することが可能である。
【0044】
この明細書においては、「備えている(comprising)」という語は、その「オープンな」意味において理解されるべきであり、すなわち「含む(including)」の意味において理解されるべきであり、したがって、「クローズドの」意味に限定されるべきではなく、すなわち「のみから構成される(consisting only of)」の意味に限定されるべきではない。相当する意味が、相当する語である「備える(comprise)」、「備えられた(comprised)」、および「備える(comprises)」が使用される場合に、それらの語に属するものとする。
【0045】
「空気」という語は、例えば追加酸素を含む空気などの可呼吸ガスを含むものとして理解されたい。また、本明細書において記載されるブロワまたは流れ発生器は、空気以外の流体を汲み上げるように設計されてよいと認められる。「剛性の」という語は、指の圧力に対して、および/または、典型的には患者インターフェースを患者の気道への入口に対して密閉関係に設定し維持する際に直面することとなる張力もしくは荷重に対して、容易には変形しないことを意味するように理解されたい。「半剛性の」という語は、チューブ牽引力の影響下において著しくは歪まないように十分に剛性であることを意味する。
【0046】
(3. 患者インターフェースシステム)
(3.1 序説)
図3aは、本技術の一態様の概略的に示し、この技術によれば、ヘッドギアの張力は、鼻の付根の付近に配向され、チューブ牽引力の潜在的引離し効果が、シールから遮断され、切り離される。さらに
図4を参照されたい。対照として
図1を参照すると、ヘッドギア構造体は、シール表面から離間されたポイントでフレームを安定化させるように試みられ、これによれば、チューブは、剛性フレームを介してヘッドギアに直接的に結合される。
図3aを参照すると、サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムは、患者1の気道に密閉的に係合するように構成された患者インターフェース構造体32を備え得る。患者インターフェース構造体32は、患者の気道に密閉的に係合するように、例えば鼻枕または鼻プロングなどのシールを備えてよい。本明細書において使用される際に、「鼻枕」という語は、患者の鼻道中に少なくとも部分的に挿入され、患者の鼻孔の外側面に対接してシールを形成するように構成された、ノズル様構造体を指す。
【0047】
本技術による鼻枕は、少なくとも一部分が患者の鼻の下側に対してシールを形成する裁頭円錐台部と、茎状部、および円錐台部の下側に位置し茎状部に円錐台部を連結する可撓性領域とを含む。さらに、本技術の鼻枕が連結される構造体は、茎状部の基部に隣接する可撓性領域を備える。これらの可撓性領域は、裁頭円錐台部および鼻枕が連結される構造体の、変位および角度の両方における相対移動に対応するユニバーサルジョイント構造を促進するように同時に作用することが可能である。例えば、裁頭円錐台部は、茎状部が連結されるこの構造体の方向に軸方向に変位することが可能である。
【0048】
本技術による関連する枕が、特許文献3において、例えば段落[0182]および[0183]および
図66cに開示されている。該明細書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。「鼻プロング」という語は、患者の鼻道中に挿入され、患者の鼻道の内側との間にシールを形成するように構成された、ノズル様構造体を指す。さらに、患者インターフェース構造体32は、鼻患者インターフェース構造体、または全顔患者インターフェース構造体を含む、すなわち、患者の鼻もしくは口の一部または全てを覆うように、および/または患者の顔に対接して密閉するように構成された構造体を含むことを、理解されたい。患者インターフェース構造体は、例えばシリコーン、発泡体、またはゲルなどから形成され得る。
【0049】
患者インターフェース構造体32は、切離し構成部34によって空気送給ホースまたは空気送給チューブ16に連結されてよい。切離し構成部34は、例えば、患者のインターフェース構造体32の可撓性部分、例えば玉継手連結部などを含む回り継手エルボ、および/または回り継手シールリングを含んでよい。空気送給ホースは、例えば2008年9月17日に出願された、米国出願第12/211,896号明細書などに開示されたような伸縮可能ホースであってよく、当該出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
さらに、患者インターフェースシステムは、患者インターフェース構造体32を患者の気道と密閉係合状態に位置決めおよび安定化させるように構成されたシール位置決め/安定化構造体36を備えてよい。シール位置決め/安定化構造体36は、可撓性であってよい。
図3aに図示されるように、シール位置決め/安定化構造体は、患者インターフェース構造体32に連結される。シール位置決め/安定化構造体36は、
図3aにおいては1つだけ図示される、患者の顔の各側に沿って延在するように構成された側部ストラップまたは側部部材38と、患者の頭部の頂部にわたって延在するように構成された頂部ストラップ40と、患者の頭部の後部にわたって延在するように構成された後部ストラップ42とを備えてよい。
【0051】
使用時に、シール位置決め/安定化構造体36の各側部ストラップ38は、患者インターフェース構造体32に装着され得る。例えば、コネクタが、患者インターフェース構造体32の各側に設けられ、患者1の鼻の各側に1つずつ設けられてよい。多数のコネクタが、患者インターフェース構造体に対して、および、例えば2つのコネクタが患者の鼻の各側に設けられるなど、任意の態様において設けられてよいことを理解されたい。これらの一対のコネクタは、本明細書においてさらに詳細に説明されるように、患者インターフェース構造体32と、シール位置決め/安定化構造体36との間に連結部を形成する。この連結部は、患者1の鼻孔の入口の近くに位置する。このようにして、シール位置決め/安定化構造体36のストラップ38、40、42は、
図1に図示される先行技術の構成などの先行技術の構成よりも直接的に患者の顔に対接した状態で、シールを定位置に保持する。
図1の先行技術の構成においては、フレームに対するシール位置決め/安定化構造体ストラップの連結部は、入口から患者の鼻孔に変位され、患者インターフェース構造体は、間接的な態様で、患者の顔に対接した状態で保持される。
【0052】
図3aに図示される構成においては、切離し構成部34が、シール位置決め/安定化構造体36のストラップ38の連結部と、空気送給チューブ16との連結部との間に設けられて、それにより、牽引が、患者インターフェース構造体32と患者の気道との間に形成されたシールに直接的には影響を及ぼさなくなる。
【0053】
例えば
図1に図示されるものなどの典型的な先行技術の構成においては、ヘッドギアの張力は、しばしば、シールを形成するための、および生じ得るチューブ牽引力を克服するための両レベルによって設定される。しかし、
図3aに図示されるサンプルの実施形態によれば、チューブ牽引力は、ある程度までは、患者インターフェース構造体32と患者の気道との間に形成されたシールから切り離され、シール位置決め/安定化構造体により生成される張力は、密閉に必要なレベルに設定される必要があるのみとなる。したがって、張力は、チューブ牽引力の克服を殆ど顧慮することなく設定することができる。張力を低下させることにより、患者の快適性が向上する。
【0054】
図3aに図示されるように、可撓性シール位置決め/安定化構造体36は、シール位置決め/安定化構造体36のストラップ38、40、42によって与えられる力のベクトルにより、患者インターフェース構造体32が患者1の鼻孔と密閉係合状態に維持されるように、構成することができる。しかし、本明細書においてさらに詳細に説明されるように、他のシール位置決め/安定化構造体を使用することも可能であることを理解されたい。例えば、ストラップが、患者の耳の周囲を周り、患者の耳に係合してもよい。別のサンプルの実施形態によれば、ストラップを省いてよく、患者インターフェース構造体32のシールを定位置に保持するために、鼻クリップを使用してよい。
【0055】
シール位置決め/安定化構造体36は、BREATHOPRENE(登録商標)などの、発泡体および繊維ラミネート材料から形成されてよい。代替品としては、シール位置決め/安定化構造体36は、シリコーンまたは他のポリマーから作成されてよい。シリコーンまたはBREATHOPRENE(登録商標)を使用する利点の1つは、シリコーンまたはBREATHOPRENE(登録商標)製のヘッドギアを使用する場合には、患者の皮膚に温度差が生じないことである。しかし、シリコーンは、時間の経過と共に変色するおそれがある(典型的には酸化して黄色になる)。したがって、変色の視覚的影響を低下させるために、シリコーンにライトブルーなどの色を付けることが望ましい場合がある。さらに、ヘッドギアの鋭利な角は、患者の皮膚に対する刺激を低減させるように丸められてもよい。
【0056】
シリコーンは、両面をつや出し加工もしくはつや消し加工することが可能であり、または、一方の面をつや消し加工し、他方の面をつや出し加工することが可能であるが、好ましくは、両面をつや消し加工することであり、または、皮膚接触面をつや消し加工し、他方の面をつや出し加工することである。つや消し表面仕上げにより、快適感がもたらされる。
【0057】
切離し構成部34は、可撓性連結部としての役割を果たし、患者インターフェース構造体32を空気送給チューブ16にリンクする。
図3aに図示されるサンプルの実施形態によれば、患者インターフェース構造体32のシールのみが、設定位置に保持される。設定位置に保持される必要のあるシェルまたはフレームは存在しない。切離し構成部34は、空気送給チューブ16と共に自由に移動し、それにより、チューブ牽引力が低減され、患者インターフェース構造体32と患者1の気道との間に形成されるシールの安定性が上昇する。
【0058】
シール位置決め/安定化構造体36を使用することにより、シール位置決め/安定化構造体36に対する患者インターフェース構造体32の平面の回転が可能になり、それにより、様々な鼻唇角度および使用時のマスクの様々な位置に対応することが可能となる。例えば、患者インターフェース構造体32上に設けられるコネクタは、シール位置決め/安定化構造体36に対する患者インターフェース構造体32の相対位置を変更および調節することが可能になるように、複数の連結ポイントを備えてよい。中心として回転が可能になり得る軸は、患者の両眼を通り引かれる線に対して平行に、かつ患者の鼻の下方に位置して画定することができる。
【0059】
図3bに図示されるように、望ましいベクトル404が、鼻孔に対して垂直方向に力を生成する。このベクトル404全体は、鼻孔に対して例えば枕などのシールを引く。
【0060】
サンプルの実施形態のシール位置決め/安定化構造体36のベクトルは、患者の鼻に対して上方に、例えば枕などのシールを押すように構成される。このベクトルは、ストラップ38、40、42の方向により修正することができる。例えば、ストラップ38が、顔の上においてさらに高い位置に(すなわち、患者の頬の耳よりも眼の方向にさらに近くに)延在して、垂直軸における力を上昇させ、それにより、ユーザの鼻の上方におよびユーザの鼻に対して力が上昇する。
【0061】
さらに、ストラップ38、40、42の形状は、所望のベクトルを与えるように構成することができる。サンプルの実施形態によれば、フレームを伴わない構成は、シール位置決め/安定化構造体のみを使用して枕を配向する必要がある。ストラップの幅は、ベクトル404により示唆される方向にシールを傾斜させるように、変更されてよい。ストラップの幅は、患者インターフェース構造体32を安定化させるために、頬領域から鼻領域へと徐々に広げられてよい。
【0062】
ストラップの厚さを変更することにより、剛性が変化し、したがって、ストラップに沿った力の分布が変化する。
【0063】
図44aおよび
図44bを参照すると、サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムが、可撓性基部6を備える患者インターフェース構造体32を備える。シールが、可撓性基部6によって支持される。患者インターフェース構造体32は、患者の気道への入口との密閉係合状態を保持するように、構成される。患者インターフェース構造体32は、メインストラップループ74および後部ストラップ42を備えるシール位置決め/安定化構造体36によって、患者の顔と密閉係合状態に保持される。メインストラップループ74は、右メインストラップ74rおよび左メインストラップ74lを備え、これらは、それぞれ第1の端部にて患者インターフェース構造体32に連結されるように構成される。右および左メインストラップ74r、74lは、例えばバックルなどのコネクタ71によってなど、各第2の端部にて互いに連結されるように構成される。シール位置決め/安定化構造体36の後部ストラップ42は、患者の耳の上方の位置にて患者の頭部の後部の周りに延在し、各端部にて、ストラップ74r、74lの第1の端部と第2の端部との間の位置で、右および左メインストラップ74r、74lに連結される。
【0064】
図47aおよび
図47bを参照すると、別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムが、可撓性基部を備える患者インターフェース構造体320を備える。シールが、可撓性基部によって支持される。この患者インターフェース構造体320は、患者の気道への入口と密閉係合状態を保つように構成される。患者インターフェース構造体320は、メインストラップループ74と、調節可能端部85eを有する後部ストラップ85とを備える、シール位置決め/安定化構造体によって、患者の顔との密閉係合状態を保持する。メインストラップループ74は、それぞれの第1の端部にて患者インターフェース構造体320に連結されるように構成された、右メインストラップ74rおよび左メインストラップ74lを備える。右および左メインストラップ74r、74lは、例えばバックルなどのコネクタによってなど、それぞれの第2の端部にて互いに連結することが可能である。シール位置決め/安定化構造体の後部ストラップ85は、患者の耳の上方の位置にて患者の頭部の後部の周囲に延在し、各端部にて、ストラップ74r、74lの第1の端部と第2の端部との間の位置で右および左メインストラップ74r、74lに連結される。
【0065】
右および左メインストラップ74r、74lは、例えばシリコーンから形成されてよい。シリコーンは、例えば半透明または透明であってよい。したがって、患者インターフェースシステムは、比較的目立たず、視覚的により控えめな外観(例えば患者の同床者に対してなど)を呈する。
【0066】
連結ポイントからのストラップ74r、74lの「取外し角度」は、患者の側頭部の基部に対してより直角的な角度を形成し、患者の顔上において概して比較的高い位置にある。さらに、患者インターフェース構造体は、患者の口の領域に形状合致し、または患者の口の領域の周囲を覆い、口の周囲の領域との間に比較的小さな境界部を形成する。さらに、シール位置決め/安定化構造体は、患者の顔の範囲を殆ど覆わない。
【0067】
(3.2 患者インターフェース構造体)
(3.2.1. ノズルアセンブリシールを備える患者インターフェース構造体)
図4を参照すると、サンプルの実施形態による患者インターフェース構造体32は、患者の気道と密閉的に係合するように構成されたシール2を備える。このシール2は、基部部分6に連結された一対の鼻枕4を備え得るノズルアセンブリ3を備えてよい。枕4はそれぞれ、円錐部分8を備え、円錐部分8の少なくとも一部は、患者1の鼻孔との間にシールを形成するように適合化される。上述のように、各枕4の一部分は、患者の鼻道内へ挿入されるが、鼻道の内部においてシールを形成しないように構成される。枕4の円錐部分8は、患者の鼻孔に係合しシールを形成するように構成された、シール表面または区域8aを備える。シール表面またはシール区域8aは、例えば特許文献2の
図21などにおいて、開示されているようなものであってよい。該明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、各鼻枕4は、可撓性基部6に鼻枕4を連結させる、茎状部またはネック部分10を備える。茎状部またはネック部分10は、約3mmから約6mmの間の長さを有してよい。
【0068】
可撓性基部6は、使用時に張力下にある場合に、鼻の下面の周囲に巻き付くことが可能であり、多様な顔の形状に対応することが可能である。可撓性基部6は、シール位置決め/安定化構造体に連結するように構成された一対のコネクタ12を備える。シール位置決め/安定化構成体コネクタ12は、概して鼻枕4の茎状部の基部と同一平面において、可撓性基部6の頂部部分6tに配置される。本明細書において使用される際に、「頂部部分」という語は、患者インターフェース構造体のシールに隣接する可撓性基部の部分を指す。側方から見た場合に(例えば
図17gおよび
図17h)、枕の茎状部を通る軸は、空気の供給が行われる穴324に対する垂直線に対して概して平行である。この構成は、空気が側部から供給されることによりマスク構造体の全体がより幅広になる、例えばResMed SWIFT(登録商標)I(例えば特許文献2を参照)またはInnomed NASAL AIRE(商標)Iなどよりも、概して幅狭の患者インターフェース構造体を促進し、したがって、本技術による患者インターフェース構造体は、患者の側臥にさらになじむものとなる。Fisher & Paykel OPUS(商標)およびOPUS(商標)360におけるものなどの他の患者インターフェース構造体は、
図17gおよび
図17hに一致する配向から見た場合に、鼻枕の軸の角度に対して鈍角での空気送給を伴う。このアプローチは、構造体のさらなる大型化につながる場合がある。
【0069】
張力14は、シール位置決め/安定化構造体によって患者インターフェース構造体32に加えられて、シール2の鼻枕4を、患者1の鼻孔と密閉係合状態に保持する。可撓性基部6の下方部分6lは、切離し構成部の一部を構成する。例えば、可撓性基部6の下方部分6lは、特許文献4に開示されたガセットなどのガセットを備えてよい。当該明細書は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において使用される際に、「下方部分」という語は、空気送給チューブもしくは空気送給ホース、またはフレームもしくはシェルに連結されるように構成された、可撓性基部の部分を指す。下方部分6lは、可撓性側壁部によりプレナムを画成することができる。このプレナムは、可撓性であるが、自体の重量を支持することが不可能なほどに柔弱なまたは柔軟なものではない。換言すれば、このプレナムは、可呼吸ガスの流れにより加圧されるまでは、その形状を保持することが可能である。この意味において、プレナムは、半剛性であると説明することができる。
【0070】
プレナムは、左手側および右手側において可撓性ベローズ様構造を有してよく、上唇に隣接する鼻の下側の狭い部分を有して、使用時に鼻に接触するのが回避される。例えば
図17aを参照されたい。ここでは、線329の端部が、可撓性ベローズ様領域339に位置し、矢印320の端部が、
図18rにも図示されるように、狭められた領域321に隣接して位置する。さらに
図17dを参照されたい。ここでは、T4が、
図42aから
図42cまで、および
図43aから
図43cまでに図示される可撓性を実現するのに適した厚さを示唆する。プレナムの可撓性は、約20から約60の範囲の、より好ましくは約30から約50の範囲の、最も好ましくは約40の、ショアA硬度(durometer)を有するシリコーンなどの材料における製造によって、助長される。比較的硬いシリコーンが、比較的薄い壁部を用いてよく、比較的柔らかいシリコーンが、比較的厚い壁部を用いてよい。さらに、丸みを付けられたベローズ様構造体により、構成材料とは無関係に可撓性が促進される。別のプレナムが、ポリウレタンフォームから成型されてよい。Fisher & Paykel INFINITY(商標)481、OPUS(商標)、OPUS(商標)360、およびRespironics OPTILIFE(商標)などの先行の患者インターフェースは、ポリカーボネートなどの多様な剛性材料を含む。AIRSEP(商標)Ultimateマスクなどの他のマスクは、剛性のヘッドギアコネクタを備える。
【0071】
患者インターフェース構造体32は、例えばシリコーンなどの材料を成型することによって、単一部材として形成されてよい。サンプルの実施形態の一形態においては、可撓性基部6の頂部部分6tに対する枕4の可撓性によって可能となる移動範囲は、切離し構成部の一部としての役割を果たす可撓性基部6の下方部分6lによって可能となる移動範囲と比較した場合に、より狭くてよい。
【0072】
使用時に、シール位置決め/安定化構造体のストラップは、例えば
図3に図示されるように患者の鼻の各側に1つが設けられて、各シール位置決め/安定化構造体コネクタ12に装着されて、連結部を確立する。この連結部は、患者の鼻孔の入口の平面の付近に位置する。このようにして、シール位置決め/安定化構造体36のストラップが、
図1に図示されるものなどの先行技術の構造体に比較して、より直接的に鼻枕4を定位置に保持し、この連結部は、入口の平面から患者の鼻孔に変位される。Fisher & Paykel INFINITY(商標)481、OPUS(商標)、OPUS(商標)360、およびRespironics OPTILIFE(商標)などの他の先行技術の患者インターフェースは、連結ポイントを鼻孔から幾分か離れた位置に置く。可撓性基部6の下方部分6lは、シール位置決め/安定化構造体36のストラップとの連結平面と、空気送給チューブ16との連結部との間において、切離し構成部の一部としての役割を果たし、それにより、チューブ牽引力が、鼻枕4と患者の鼻孔との間に形成されたシールに直接的には影響を及ぼさなくなる。
【0073】
図8bおよび
図8nを参照すると、別のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体32が、一対の鼻枕4を有するノズルアセンブリ3を備えるシール2を備えてよい。可撓性基部6は、一体的に形成されたコネクタ50を備えてよい。患者インターフェース構造体32は、例えば回り継手リングなどの切離し構成部に結合されて、さらに詳細に説明されるように、チューブ牽引力を切り離すことができる。
【0074】
各鼻枕4は、円錐部分8およびネック部分10を備えてよい。各円錐部分8は、患者の鼻孔に対接してシールを形成するように構成されたシール区域8aを備えてよい。鼻枕4は、患者インターフェース構造体32と共に形成されてよく、または、例えば特許文献5に記載されているような患者インターフェース構造体32に着脱可能に装着されてよい。該明細書の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、患者インターフェース構造体32は、患者インターフェース構造体32中に可呼吸ガス流を導くための穴46を備えてよい。穴46は、可撓性基部6の下方部分6l中に形成されてよく、空気送給チューブ、または回り継手エルボアセンブリ、または玉継手と係合するように構成されたフランジ48に囲まれてよい。さらに、患者インターフェース構造体32のフランジ48は、フレームまたはシェルに対して連結するように構成されてよいことを理解されたい。
【0075】
患者インターフェース構造体32は、シリコーンなどの可撓性材料から形成されてよい。患者インターフェース構造体32は、鼻枕4、フランジ48、および患者インターフェース構造体32の各端部に設けられた一対のコネクタ50を含む、一体部材から形成されてよい。
図8bに図示されるように、各コネクタ50は、シール位置決め/安定化構造体のストラップの端部を受容するための、第1のスロット52および第2のスロット54を備えてよい。第1のスロット52および第2のスロット54は、横材56によって分離され、この横材56は、ストラップの端部に係合して、ストラップの端部をコネクタ50と接触状態に保持することができる。コネクタ50を含む患者インターフェース構造体は、可撓性であり、例えば側部ストラップによってなどシール位置決め/安定化構造体によって加えられる力は、コネクタ50を引き延ばして、横材56によってシール位置決め/安定化構造体ストラップに加えられる力を上昇させる。
【0076】
コネクタ50を備える患者インターフェース構造体32は、例えば成型などによって一体的に形成されてよい。患者インターフェース構造体32は、様々な密度および/または硬さを有するように形成されてよい。例えば、鼻枕4および/または可撓性基部6が、第1の密度および/または硬さから形成され、コネクタ50が、第2の密度および/または硬さから形成されてよい。第2の密度および/または硬さは、第1の密度および/または硬さよりも高くてよい。これにより、患者インターフェース構造体32は、患者の顔に係合する区域においてはより軟質の感触を有し(例えばシールのノズルアセンブリ)、シール位置決め/安定化構造体に連結される区域においてはより硬い、またはより剛性の感触を有するように形成されることが可能となる。患者インターフェース構造体の例えば硬度(durometer)などの硬さは、以下において説明されるシール位置決め/安定化構造体の硬さとは異なってよい。例えば、患者インターフェース構造体のコネクタおよび/または可撓性基部の硬度が、シール位置決め/安定化構造体のストラップおよび/またはストラップのコネクタの硬度とは異なってよい。
【0077】
(3.2.2 シールとして鼻プロングを備える患者インターフェース構造体)
図5aおよび
図6は、本技術の一態様を示し、これによれば、シール位置決め/安定化構造体の連結部のポイントは、例えば鼻枕または鼻プロングの基部付近などの、シールの基部付近に移動される。
図5aを参照すると、サンプルの実施形態による患者インターフェースシステムが、シール2aおよびノズルアセンブリ3aを備える患者インターフェース構造体32aを備える。ノズルアセンブリ3aは、一対の鼻プロング4aを備える。各鼻プロング4aは、患者インターフェース構造体32aの可撓性基部6aに鼻プロング4aを連結する茎状部またはネック部分10aを備える。フラップ4bが、鼻プロング4aと茎状部10aとの間に設けられる。鼻プロング4aは、ノズルアセンブリ2aがシール位置決め/安定化構造体によって患者の顔と係合状態に保たれる場合に、患者の鼻道と共にシールを形成する。
【0078】
一対のシール位置決め/安定化構造体コネクタ12aが、患者インターフェース構造体32aの可撓性基部6aの上に設けられる。コネクタ12aは、患者インターフェース構造体32aにシール位置決め/安定化構造体のストラップを連結するために、可撓性基部6aの上に設けられる。
【0079】
コネクタ12aは、シール位置決め/安定化構造体36に対する患者インターフェース構造体32aの相対位置を変更または調節することが可能となるように、複数の連結ポイント13a、13bを備えてよい。
【0080】
図2を再び参照すると、患者インターフェースシステムは、
図5aの患者インターフェース構造体と、フレームの上にコネクタを備えないように修正され、複数の通気孔を有するベントを備える、
図2に図示されるようなマスクシェルまたはフレームとを備えてよい。このマスクフレームは、回り継手エルボによって空気送給チューブに連結されてよい。回り継手エルボの端部は、フレームおよび空気送給チューブに対する玉継手式連結部を備えてよく、それにより、回り継手エルボは、切離し要素または継手としての役割を果たす。送給チューブは、結合要素を介して流れ発生器またはブロワに連結されることによって、加圧された可呼吸ガスの流れを受けることができる。
図2のマスクフレームは、
図2に図示される先行技術のような剛性材料の代わりに可撓性材料から形成されてよく、コネクタ12は、可撓性フレームの上に設けられてよいことを理解されたい。
【0081】
別のサンプルの実施形態においては、エルボは、可撓性であってよい。このような形態においては、マスクシステム上の他のどこかに通気孔を配置することが望ましい場合がある。代替としては、固体ベント挿入物が、可撓性エルボ中に配置されてよい。別の形態においては、可撓性エルボに対して補強を行ってよく、これによりこの構造体の一体性が維持され、チューブの閉塞が防がれる。
【0082】
(3.2.3鼻プロングの上に鼻プロングシールおよびコネクタを備える患者インターフェース構造体)
図6を参照すると、別のサンプルの実施形態においては、シール位置決め/安定化構造体コネクタ12aは、鼻プロング4aのフラップ4bの直下のポイントに設けられる。シール位置決め/安定化構造体コネクタ12aは、鼻プロング4aのネック部分、または基部部分10aに連結される。この実施形態によれば、シール位置決め/安定化構造体コネクタ12aにより形成される連結平面は、
図5aに図示される実施形態よりも、患者の鼻孔への入口の平面にさらに近くに位置する。さらに、
図6の患者インターフェース構造体は、フレーム上にコネクタを含まないように修正された、
図2に図示されるようなマスクフレームと共に使用することができる。さらに、
図6の患者インターフェース構造体は、可撓性材料から形成されるように修正された
図2に図示されるようなマスクフレームと共に使用することができることを理解されたい。
【0083】
(3.2.4.1 リンク要素を備える患者インターフェース構造体-第1の実施形態)
図8aおよび
図8bを参照すると、別のサンプルの実施形態による患者インターフェース構造体32が、鼻枕4を有するノズルアセンブリ3を備えるシール2を備えてよい。患者インターフェース構造体32は、シール位置決め/安定化構造体により印加された張力を患者インターフェース構造体32の一方の側から他方の側にリンクするように構成された、オプションのリンク部分またはリンク要素47を備えてよく、それにより、シール位置決め/安定化構造体により印加された力は可撓性基部6の頂部部分6tで遮断され、それにより、チューブ牽引力は患者インターフェース構造体32の可撓性基部6の下方部分6lで遮断される。このように力を遮断させることによって、シール2の鼻枕4のシール区域8aは、使用時に患者の鼻孔に対接して安定化される。この技術のいくつかの形態においては、物理的なリンク要素は存在しなくてもよい。リンク要素により規定される力線は、好ましくは、鼻枕または鼻プロングなどの鼻下タイプのマスクにおいて使用される場合に、鼻の付根の付近に位置する。
【0084】
図8aに図示されるように、リンク要素47は、可撓性基部6の下方部分6lと比較した場合に、剛性化および/または補強された頂部部分6tの形態をとってよい。下方部分6lは、例えば特許文献6において開示されるようなガセットを含んでよいか、またはそのようなガセットの形態をとってよい。さらに、このガセットは、例えば特許文献7に開示されるような、弾性および可撓性を高めるために多数のリッジを有するアコーディオン部と同様に構成されてもよい。該明細書の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
また、ガセットは、そのどの位置でおよびどのように折り畳まれるかを制御するように、すなわち、側方および軸方向に移動することが可能であるが、垂直方向には圧縮することができないように、補強されてもよい。補強には、支持リブ、厚みを増された区域および領域、または、可撓性材料により周囲を囲まれた剛性もしくは半剛性の骨格部が含まれてよい。
【0086】
剛性化および/または補強は、例えば、可撓性基部6の下方部分6lと比較した場合に、頂部部分6tにて最大約10mmだけシリコーンの厚さを増やすなど、患者インターフェース構造体32において使用される材料を厚くすることによって、達成することができる。さらに、このような剛性化および/または補強は、例えばショアAの硬さスケールにおいて約50〜80の間の硬度のシリコーンなど、頂部部分6tに配置された比較的高硬度の材料を使用することによって達成することができる。さらには、または代替としては、例えばワイヤ(もしくは複数のワイヤ)またはメッシュ(もしくは複数のメッシュ)などの金属挿入物を、リンク要素47において使用することができる。剛性化および/または補強は、ゲル挿入物により達成されてもよい。さらに、ゲル挿入物は、例えば鼻中隔にて患者の快適性を向上させることもできる。さらには、剛性化および/または補強は、発泡体挿入物により達成することもできる。発泡体挿入物は、例えば鼻中隔にて患者の快適性を向上させることができ、一次シールにて漏出口が形成された場合には、二次シールとしての役割を果たすことができる。さらに、リンク要素47は、例えばナイロン、TPE、金属、または合金などの、一体形成された、概して非伸展性の材料から形成されてよい。さらに、リンク要素47は、以下においてさらに詳細に説明されるように、ビード状の厚みを増された部分の形態をとってもよい。望ましくは、例えばリンク要素46を形成するために、頂部部分6tを剛性化および/または補強することにより、下方部分6lが、さらに伸展可能となり、それにより、シール位置決め/安定化構造体により印加される力が、下方部分6lからさらに遮断される。これにより、例えばガセットなどの可撓性基部6の下方部分6lは、さらに容易に撓曲することが可能となると共に、鼻枕4が、患者の鼻孔と密閉接触状態に保持されることが確実となる。
【0087】
別の形態においては、リンク要素47は、例えばコネクタ50からコネクタ50までなどのその長さ方向に沿っては剛性であるが、その高さ方向にわたって、すなわち鼻枕4の全体的な方向においては弾性であるように、構成されよい。これにより、鼻枕4のネック部分10は、より容易に撓曲することが可能となると共に、連結要素47の一次機能が維持される、すなわちシール位置決め/安定化構造体により印加される力が遮断される。
【0088】
一変形形態においては、リンク要素47は、例えばマウスガードを形成するために使用されるプラスチック材料などの、患者の顔に対して成型され得る材料から形成されてよい。これは、その独特のフィットにより、力を遮断させ、患者インターフェースシステムの快適性を向上させる利点を提供する。
【0089】
(3.2.4.2 リンク要素を備える患者インターフェース構造体-第2の実施形態)
図8aに図示される患者インターフェース構造体のサンプルの実施形態に図示されているように、リンク要素47は、コネクタ50からコネクタ50まで、可撓性基部6の頂部部分6t全体にわたって延在してよく、全幅を含んでよい。例えば
図17aにおけるW1を参照されたい。
図8cに図示される患者インターフェース構造体32の別のサンプルの実施形態によれば、リンク要素47は、例えば鼻枕4の間の頂部部分6の区分のみなど、可撓性基部6の頂部部分6tの一区分、または複数区分にわたって延在してよい。リンク要素47は、例えば幅の半分など、頂部部分6tの幅の一部を対象範囲としてよい。張力リンク要素47は、上述のような力を遮断させるのに十分なものである限りにおいて、頂部部分6tの一区分、または複数区分を対象範囲としてよい。
【0090】
(3.2.4.3 リンク要素を備える患者インターフェース構造体-第3の実施形態)
図8dを参照すると、リンク要素は、一連のリッジ47aとして形成され得る。リッジ47aの数は、上述のように力を十分に遮断するように決定されてよい。
図8dを参照すると、リッジ47aは、鼻枕4の間のみに頂部部分6tに設けられ得る。リッジ47aは、頂部部分6tよりも厚くてよい。リッジ47aは、概して円形、または矩形、または任意の他の形状であってよい。リッジ47aは、頂部部分6tから上方および/または下方に延在してよい。さらに、リッジ47aは、例えば比較的高硬度のシリコーンまたは金属など、頂部部分6tを形成するために使用される材料よりも硬い材料から形成されてもよい。リッジ47aは、患者インターフェース構造体32と共に一体部材として形成されてよく、または、患者インターフェース構造体32に後付けされてよい。例えば、リッジ47aなどのリンク要素は、患者インターフェース構造体32に接着式に装着されてよい。さらに、リッジ47aは、互いに独立したものであってよく、または、リッジ47aは、共に接合されてよい。挿入物を備えるリンク要素の場合には、これらの挿入物は、個別に設けられるか、または共に連結され得る。さらに、リッジ47aは、それぞれ異なる形状、サイズ、厚さ、材料、および/または硬さから形成されてもよい。
【0091】
(3.2.4.4 リンク要素を備える患者インターフェース構造体-第4の実施形態)
図8eを参照すると、リッジ47aは、可撓性基部6の長さ全体にわたって頂部部分6tに設けられてよく、すなわち、コネクタ50からコネクタ50まで設けられてよい。
【0092】
(3.2.4.5 リンク要素を備える患者インターフェース構造体-第5の実施形態)
図8fを参照すると、リンク要素47は、患者インターフェース構造体32の可撓性基部6の頂部部分6t中に形成され得る。例えば、患者インターフェース構造体32が、リンク要素47の周囲に成型されてよく、それにより、リンク要素47は、患者インターフェース構造体32の可撓性基部部分6の頂部部分6t内に組み込まれる。リンク要素47は、例えば、金属材料またはプラスチック材料などから形成されてよい。さらに、リンク要素は、例えばワイヤまたはメッシュなどの形態をとってもよい。
【0093】
(3.2.4.6 リンク要素を備える患者インターフェース構造体-第6の実施形態)
図8gおよび
図8hを参照すると、別のサンプルの実施形態によれば、リンク要素47は、可撓性基部6の頂部部分6tに沿って設けられてよい。リンク要素47は、患者インターフェース構造体32に連結されるシール位置決め/安定化構造体のストラップを受容するためのコネクタ50の第1および第2のスロット52、54に対応するスロットまたは開口47oを備えてよい。
図8hに図示されるように、リンク要素47は、患者インターフェース構造体32の可撓性基部6の頂部部分6tに合致する輪郭を有してよく、枕4の茎状部またはネック部分10を受容するように構成された開口47pを備えてよい。さらに、リンク要素47は、スリット47sを備えてもよく、このスリット47sにより、開口47pの周囲のリンク要素47の部分を互いに対して変位させることが可能となり、それにより、枕4を覆っておよび可撓性基部6の頂部部分6tに対してリンク要素47を挿入させることが可能となる。
【0094】
要素47は、例えば金属またはプラスチックなどから形成されてよい。例えば、リンク要素47は、
図8hに図示される構成へとスタンプ加工された薄い金属シートであってよい。さらに、患者インターフェース構造体32のコネクタ50は、除去されてよく、シール位置決め/安定化構造体のストラップは、患者インターフェース構造体32に対するいかなる直接的な連結も伴わずに、リンク要素47に直接的に連結されてよいことを理解されたい。
【0095】
(3.2.4.7 リンク要素を備える患者インターフェース構造体-第7の実施形態)
図8iおよび
図8jを参照すると、リンク要素47が、枕4のネック部分10の周囲に延在し得る。
図8jに図示されるように、リンク要素47は、数字の8の字の構成を有してよく、枕4のネック部分10を受容するように構成された開口47pを備えてよい。リンク要素47は、例えば金属またはプラスチックなどから形成されてよい。例えば、リンク要素47は、ワイヤから形成されてよい。
【0096】
(3.2.4.8 リンク要素を備える患者インターフェース構造体-第8の実施形態)
図8kを参照すると、別のサンプルの実施形態によれば、リンク要素47は、鼻枕4の茎状部またはネック部分10の間にブリッジ部分を備え得る。リンク要素47は、例えば成型によって、患者インターフェース構造体32と共に形成されてよい。さらに、リンク要素47は、患者インターフェース構造体32を形成するために使用される材料とは異なる材料から形成されてもよい。例えば、リンク要素47は、患者インターフェース構造体材料よりも高硬度の材料から形成されてよい。リンク要素47は、患者インターフェース構造体32の可撓性基部6の頂部部分6tよりも剛性になるように形成されてよい。
【0097】
(3.2.5 鼻枕シール-偏移)
図27aおよび
図27bを参照すると、各鼻枕4は、患者の鼻孔に対して可呼吸ガスを送給するための枕開口部5を備えてよい。各枕4は、患者の鼻孔に挿入され、シール表面11にて密閉される。
図27bに図示されるように、枕開口部5は、長軸13に沿って枕開口部5を移動させることによって、茎状部またはネック部分10のネック開口部9から楕円形状鼻枕4の長軸13に沿って偏移される。したがって、患者の上唇に接触状態にあるシール表面11の部分11aが、縮小され、これは、患者の快適性を増大させる場合がある。枕開口部5は、長軸13に沿ってネック開口部9から移動されて示されるが、枕開口部5は、長軸13および/または短軸15に沿って移動されてよいことを理解されたい。
【0098】
(3.2.6 二重壁部を備える鼻枕シール)
図17aから
図17fを参照すると、患者インターフェース構造体320は、各側にコネクタ322を備え、延在部323によって患者インターフェース構造体320の可撓性基部329に連結される。コネクタ322は、延在部323によって、
図6に関連して上述されたものと同様の態様において、一対のノズル328の各ネック部分332に連結されてよいことを理解されたい。コネクタ322は、(
図17bおよび
図17dに図示されるように)可撓性基部329の上方表面に対して直線状であってよい。代替としては、コネクタ322は、シール位置決め/安定化構造体に連結される場合に、患者インターフェース構造体320の位置を変更するように、傾斜されて、または角度を付けられてよい。
【0099】
患者インターフェース構造体320は、シール333を備え、このシール333は、鼻枕328の形態をとる対のノズルを備えるノズルアセンブリを含む。
図17bおよび
図17dに図示されるように、枕328はそれぞれ、鼻呼吸空洞部336を画成する可撓性基部329に連結されたネック部分332を備える。さらに
図17dおよび
図17eに図示されるように、各鼻枕328は、内方円錐部分334および外方円錐部分330を備える。このような枕は、例えば特許文献8および特許文献9などに開示されており、該出願の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、鼻枕は、例えば特許文献10などに開示されているようなものであってよいことを理解されたい。該特許の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。外方円錐部分330は、患者の鼻孔に対接して密閉するように構成されたシール表面またはシール区域330aを備える。
図17dに図示されるように、内方円錐部分334および外方円錐部分330は、それぞれ異なる厚さを有してよい。
【0100】
図17d、
図17f、および
図17gを参照すると、可撓性基部329は、可呼吸ガスを導くための穴324を備える。さらに、可撓性基部329は、フランジ326を備え、このフランジ326は、ラジアル方向に内方に延在し、穴324を画成する。フランジ326は、以下においてさらに詳細に説明されるように、回り継手シールリングを挿入するための斜角面327を備えてよい。したがって、患者インターフェース構造体320の可撓性基部329は、やはり以下においてさらに詳細に説明されるように、フレーム、回り継手エルボ、またはチューブもしくは導管に連結させることができる。
【0101】
さらに、可撓性基部329は、例えば鼻枕328のネック部分332の間などに、
図8a〜
図8gに関連して開示され説明されたものと同様のリンク要素(または複数のリンク要素)を備えてよいことを理解されたい。
【0102】
図17aを参照すると、穴324は、例えば約18.5mmなど、約17mm〜20mmの直径D1を有してよい。患者インターフェース構造体320は、例えば約30.5mmなど、約25mm〜35mmの幅W1を有してよい。患者インターフェース構造体320は、例えば約84.5mmなど、約80mm〜90mmの長さL1を有してよい。シール位置決め/安定化構造体コネクタ322は、例えば約15.5mmなど、約12mm〜18mmの長さL2を有してよい。
【0103】
図17dを参照すると、可撓性基部329は、例えば約47.5mmなど、約45mm〜50mmの長さL3を有してよい。患者インターフェース構造体320は、例えば約33mmなど、約30mm〜37mmの高さH1を有してよい。基部部分329は、例えば約19mmなど、約15mm〜23mmの高さH2を有してよい。
【0104】
図17dおよび
図17gを参照すると、延在部323は、例えば約1.8mmなど、約1.5mm〜2.0mmの厚さT1を有してよい。可撓性基部329は、例えば約2.0mmなど、約1.5mm〜2.5mmの鼻枕328間の厚さT2を有してよい。厚さT2は、例えばリンク要素が鼻枕328間において患者インターフェース構造体320と共に一体部材として形成される場合などには、さらに厚くてよいことを理解されたい。フランジ326は、例えば約2.0mmなど、約1.5mm〜2.5mmの厚さT3を有してよい。可撓性基部329は、例えば約0.8mmなど、約0.6mm〜1.0mmの厚さT4を有してよい。
【0105】
茎状部32は、例えば約3mmから約6mmなどの長さを有してよい。
【0106】
(3.2.6.1 二重壁部を備える鼻枕シール-等距離および非同心)
図28aおよび
図28bを参照すると、枕328は、外方円錐部分330および内方円錐部分334を備え得る。患者の上唇と接触状態にある外方円錐部分330のシール区域360の部分360aが、枕328の茎状部またはネック部分332から、患者の鼻孔と密閉係合状態にあるシール区域360の部分360bと等距離362だけ変位される。シール区域360および枕開口部354は、枕328の茎状部332とは同心ではない。
【0107】
(3.2.6.2 二重壁部を備える鼻枕シール-非等距離および同心)
図29aおよび
図29bを参照すると、患者の上唇に係合するシール区域360の部分360aは、茎状部332から部分360bが偏移される距離366とは等しくない距離364だけ変位される。枕開口部354およびシール区域360は、茎状部332と同心である。
【0108】
(3.2.6.3 二重壁部を備える鼻枕シール-非等距離変位および支持リブと同心)
図30aおよび
図30bを参照すると、部分360aは、茎状部332から、シール区域部分360bとは異なる量だけ変位される。シール区域360および枕開口部354は、茎状部332と同心である。支持リブ368は、鼻孔にて密閉することができるように枕シール区域を直立位置に維持するために、シール区域360の部分360bの下方に設けられる。
【0109】
(3.2.6.4 二重壁部を備える鼻枕シール-同心および有角)
図31aおよび
図31bに図示されるように、内方円錐部分334および外方円錐部分330は、枕328の茎状部332に対して角度370にて傾斜される。この角度は、枕を患者の顔の方向に傾斜させ、例えば-30°から45°であってよく、別の例としては15°である。患者の上唇に係合するように構成された部分360aは、シール区域部分360bよりも大きな半径を有し、それにより患者の快適性をさらに高めることが可能となる。枕開口部354およびシール区域360は、茎状部332に対して偏心している。
【0110】
(3.2.6.5二重壁部を備える鼻枕シール-対称、同心、および有角)
図32a〜
図32fを参照すると、内方円錐表面1100の開口部、外方壁部1000および鼻枕1150の茎状部1200が、中心線CLに対して同心である。部分1500に対する反対側の部分1600の半径は、患者の上唇に隣接する部分1500の半径よりも小さい。部分1500の比較的大きな半径は、鼻枕と上唇との間の接触を回避するのを補助する、厚みを増された領域1550を有し、構造体を上唇から離れる方向に押しやる。上唇との接触を回避させることにより、ある患者にとっては快適性が向上する可能性がある。この利点は、枕が、自動的に上唇から離れるように移動して、患者の鼻唇角に対して調節を行うことができるため、別個の手動式枕回転機構を提供する必要性が低下し得るという点である。これは、シール位置決め/安定化構造体の患者インターフェース構造体コネクタ84の可撓性によって部分的に補助され得る。
【0111】
枕1150の基部は、リンク要素1400の頂部に対して角度を付けられる。角度αだけ、リンク要素1400は傾斜することが可能となる。
図32dを参照すると、枕1150を患者の気道への入口と係合させるために、これらの枕は、鼻孔の入口に配置される。
図32eに図示されるように、シール位置決め/安定化構造体が、調節されると、ストラップ張力は、枕を鼻孔内に引き始める。鼻孔内に枕を継続的に挿入することにより、茎状部1200は、トランポリン部1300を介してリンク要素1400へと折り込まれ、リンク要素1400は、枕1150の基部と接触状態に移動される。
【0112】
厚さを増された領域1550により、上唇から離れるように患者インターフェース構造体を回転させ得るより薄い部分1600よりも比較的剛性であるばね構造体が得られる。枕1150の基部が、リンク要素1400に対して角度αであるため、リンク要素1400は、枕1150の基部と位置合わせされ、それにより、これらは、枕1150の基部の表面全体と同一平面に位置するか、または枕1150の基部の表面全体に沿って常時接触状態となる。これにより、リンク要素1400および隣接するトランポリン部1300は、上方に回転する、すなわち、患者の鼻の頂部の方向にα°だけ回転することとなる。したがって、リンク要素1400およびトランポリン1300は、枕の底部または患者の上唇から離れるように角度を付けられる。これにより、患者インターフェースシステムの快適性および安定性が向上する。
【0113】
患者の上唇から離れるようなトランポリン1300およびリンク要素1400の回転は、トランポリン1300および/またはリンク要素1400の形状を傾けること(例えば、患者インターフェース構造体の可撓性基部の寸法を変更することによるもの)、ある特定の様式で茎状部を折り込ませるように、ある領域が他の領域と比べて剛性になるようにトランポリン特性を変更すること(例えば枕の下部/上唇側の方向に従って剛性化するなど)、または、茎状部がある方向よりも別の方向に折り込まれるように、茎状部の特性を変更すること(例えば、枕の下部/上唇側の方向に従って剛性化するなど)によって、同様に達成することが可能である。
【0114】
(3.2.6.6 二重壁部を備える鼻枕シール-偏移内方および外方円錐部分)
図33aおよび
図33bを参照すると、鼻枕328は、楕円形内方円錐部分334および楕円形外方円錐部分330をそれぞれ備えてよい。
図33aおよび
図33bに図示されるように、内方円錐部分334および外方円錐部分330の開口部354、355はそれぞれ、楕円形の長軸に沿って偏移されてよい。患者の上唇に係合するように構成されたシール区域360の部分360aの半径は、患者の鼻孔を密閉するように構成された部分360bよりも大きい。
【0115】
(3.2.7 鼻枕シール-切詰め)
図34を参照すると、枕328は、患者の上唇の快適性を向上させるための、切欠部または切詰部分350を備えてよい。
図35に図示されるように、一変形形態によれば、枕開口部354、シール区域360、および茎状部332は、同心である。枕328の上唇接触側は、衝突および不快性を回避するための切詰部分350を備える。
【0116】
図36に図示される別の変形形態に図示されるように、枕開口部354およびシール区域360は、中心線358に沿って同心である。茎状部332は、中心線358とは同心ではなく、そのため茎状部開口部356は、枕開口部354から偏移される。
図36に図示されるように、茎状部332は、切詰部分350から離れる方向に偏移されてよい。
図37に図示される他の実施形態においては、茎状部332は、切詰部分350の方向に偏移され得る。
【0117】
(3.2.8 鼻枕シール-一致するシール表面および茎状部)
図38aおよび
図38bに図示されるように、茎状部332は、患者の上唇に係合するように構成されたシール区域360の部分360bと一致する位置に設けられてよい。
【0118】
(3.2.9 鼻枕シール-ベント茎状部および/またはシール表面)
図39a〜
図39hを参照すると、枕328の外方円錐部分330は、茎状部332に対してある角度にて設けられてよく、および/または、茎状部は、角度を付けられてよく、および/または様々な断面を有してよい。
【0119】
(3.2.10 鼻枕シール-バラの蕾)
図40に図示されるように、鼻枕328は、接合されてよい。患者の上唇に接触するように構成されたシール区域の部分360aは、小さな半径を有してよく、鼻孔に係合するように構成された部分360bは、シール区域の外方端部にて大きな半径を有してよく、それにより、枕の適合範囲が大きくなる。枕328は、図において示されるように、概してバラの蕾形状構成を有してよい。
【0120】
(3.2.11 鼻枕シール-オリーブ)
図41を参照すると、枕のシール区域は、大きな半径を片側または両側に有することができる。枕は、鼻拡張器としての役割を果たすことができる。図面に示されるように、枕328は、概してオリーブ形状の構成を有してよい。
【0121】
(3.2.12 発泡体シールを備える患者インターフェース構造体)
図45a〜
図45eを参照すると、別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムが、可撓性基部6を備える患者インターフェース構造体32を備える。シール2が、可撓性基部6の上に設けられる。シール2は、発泡体から形成されてよい。回り継手エルボ17が、回り継手エルボ17に連結されたホースまたはチューブまたは導管(図示せず)から可撓性基部6およびシール2によって画成された鼻呼吸空洞部内に可呼吸ガス流を送給するために、可撓性基部6に連結される。
【0122】
患者インターフェース構造体32は、側部ストラップ38、頂部ストラップ40(
図45c)、および後部ストラップ(図示せず)を備えるシール位置決め/安定化構造体36によって、患者の顔に対して密閉係合状態に保持される。側部ストラップ38は、一体的な様式において可撓性基部6に連結されて図示されるが、側部ストラップ38は、例えば本明細書においてさらに詳細に説明されるように、ストラップ38の可撓性基部6への連結およびストラップ38の可撓性基部6からの連結解除が可能になる態様において、可撓性基部6に連結されてよいことを理解されたい。さらに、一方または両方の側部ストラップ38が、可撓性基部6に連結可能となるおよび可撓性基部6から連結解除可能となるように構成されてよいことを理解されたい。
【0123】
図45bに図示されるように、シール2は、患者の両鼻孔を囲むように構成された穴19を備える。
図45cに図示されるように、可撓性基部6は、形状合致可能であり、使用時には、患者1の鼻の周囲を覆う。さらに、
図45c〜
図45eに図示されるように、シール2は、患者の鼻の先端部の上方を部分的に密閉するように構成されてよい。
【0124】
(3.3 シール位置決め/安定化構造体)
(3.3.1 シール位置決め/安定化構造体-第1の実施形態)
図7a〜
図7cを再び参照すると、シール位置決め/安定化構造体36は、例えば平坦シリコーンシートから形成され得る。典型的には、呼吸マスク用のヘッドギアは、BREATHOPRENE(登録商標)などの発泡体および繊維ラミネートから形成される。このようなヘッドギアは、型抜きされ、したがって角ばった端部を有する。これは、患者の顔上においてかさばって見えるおそれがあり、その端部により不快なものとなるおそれがある。本明細書において開示されるサンプルの実施形態においては、シリコーンから作製されたシール位置決め/安定化構造体は、丸み端部を有するように成型することができる。このような丸み端部により、快適性が向上する。一形態においては、丸み端部は、約0.5mmを上回る半径を有してよい。
図7bに図示されるように、シール位置決め/安定化構造体36のストラップ38、40、42は、ストラップ38、40、42の患者接触(すなわち皮膚接触)側418に、丸み端部420が形成され得る。ストラップ38、40、42を形成する工具の型割線416が、患者接触側418から離れた方に位置することにより、刺激を引き起こし得る鋳張りを患者の顔付近から避けることが可能となる。
図7cに図示されるように、ストラップ38、40、42は、型割線416から巻き戻される反対側の部分424を設けることにより、患者接触側418に比較的大きな半径部422を有することができる。
【0125】
例えばTPEなどの他のポリマーを使用して、シール位置決め/安定化構造体36を形成することができる。シール位置決め/安定化構造体36は、側部ストラップ38(
図7aにおいては1つのみが視認可能である)、頂部ストラップ40、および後部ストラップ42を備えてよい。側部ストラップ38の各端部38aは、患者インターフェース構造体32の可撓性基部6の上に設けられたコネクタ12(
図7aにおいては1つのみが視認可能である)に連結される。コネクタ12は、鼻枕を連結することのできる可撓性基部6の側部に配置される。可撓性基部6に対してコネクタが連結されることにより、可撓性基部6は、患者の鼻の基部の周囲に巻き付くことが可能となり、患者の鼻の下側と密閉関係の状態に鼻枕を保持するように引き戻すことが可能である。
【0126】
図7aの呼吸マスクシステムは、コネクタ12により側部ストラップ38の端部38aの連結部を調節することによって、調節することができる。例えば、コネクタ12はそれぞれ、側部ストラップ38の端部38aを受容するように構成されたスロットまたは複数のスロットを備えてよい。シール位置決め/安定化構造体36により与えられるシール力は、側部ストラップ38の端部38aを調節することによって、調節することができる。例えば、シール位置決め/安定化構造体36により与えられるシール力を上昇させるために、患者1は、側部ストラップ(または複数の側部ストラップ)38の端部(または複数の端部)38aを引くことができる。シール力は、例えばコネクタ(または複数のコネクタ)12を通して側部ストラップ(または複数の側部ストラップ)38を引き戻すことなどにより、側部ストラップ(または複数の側部ストラップ)38の端部(または複数の端部)38aを短くすることによって、低下させることができる。患者インターフェース構造体32は、ストラップの固有の可撓性により、患者の両眼および患者の鼻の下方に引かれた線に対して概して平行な軸を中心として、シール位置決め/安定化構造体36に対して回転させることが可能である。さらに、非弾性ストラップを使用してもよいことを理解されたい。さらに、シール位置決め/安定化構造体36に対する患者インターフェース構造体32の角度調節が、例えば米国特許第6,907,882号などに開示されるものなどの調節バックル(または複数の調節バックル)/コネクタ(または複数のコネクタ)によって、達成されてよいことを理解されたい。該特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0127】
(3.3.2 シール位置決め/安定化構造体-第2の実施形態)
図10を参照すると、別のサンプルの実施形態においては、シール位置決め/安定化構造体36は、患者の耳の上方の位置にて患者の頭部を丸く囲むように構成されたストラップ41を備え得る。側部シール位置決め/安定化構造体38(
図10においては1つのみが視認可能である)が、患者1の顔の各側部に沿って延在し、患者インターフェース構造体32の各側部に連結される。患者インターフェース構造体は、結合解除構成部34を介して回り継手エルボまたは回り継手17に連結されてよいが、患者インターフェース構造体は、剛性の、もしくは半剛性の、フレームまたはシェルに連結されてよいことを理解されたい。回り継手エルボは、加圧された可呼吸ガス流を供給するために、空気送給チューブ16に連結される。
【0128】
剛性化要素または補強要素66が、各側部ストラップ38に連結されてよい。
図10に図示されるように、患者1の視界の妨げを回避するために、剛性化要素または補強要素66は、患者1の眼窩に沿って延在する。したがって、剛性化要素を提供することにより、シール位置決め/安定化構造体の力ベクトルは、患者の視界を遮ることなく患者の眼の付近を通過することが可能となる。したがって、張力は、シール表面に対して直交方向に、この場合には患者の鼻の下側に対して直交方向に、より理想的な方向において配向され得る。
【0129】
剛性化要素66は、シール位置決め/安定化構造体の張力下における屈曲に抵抗するように、長手方向長さに沿って、十分に剛性な材料から構成されてよいが、患者の顔の上において平坦状に位置するように、平面方向におよび平面方向から出て形状適合することが可能である。剛性化要素66の適切な材料には、例えばナイロン、ポリプロピレン、およびシリコーンなどが含まれる。
【0130】
剛性化要素66は、側部ストラップ38内にねじ込まれてよく、または、剛性化要素66は、側部ストラップ38上において定位置に接着されてもしくは縫い付けられてよい。代替としては、剛性要素は、例えば側部ストラップ38に沿って摺動することによってなど、シール位置決め/安定化構造体36の側部ストラップ38の上において移動可能であってよい。
【0131】
(3.3.3 シール位置決め/安定化構造体-第3の実施形態)
図11を参照すると、別のサンプルの実施形態においては、頂部ストラップ40は、後部ストラップ42に対してある角度にて延在するように構成され得る。この構成により、張力を上昇させることなく、シール位置決め/安定化構造体36により加えられるシール力を上昇させる力ベクトルが生成される。頂部ストラップ40により加えられる力の成分は、上方に向けられ、これにより、患者インターフェース構造体32に加えられるシール力が上昇される。換言すれば、頂部ストラップ40のシール力成分は、側部ストラップ38のシール力成分に加算されて、張力の上昇を伴うことなくシールの向上が実現される。
【0132】
(3.3.4 シール位置決め/安定化構造体-第4の実施形態)
図12aおよび
図12bを参照すると、別のサンプルの実施形態による患者インターフェースシステムが、患者1の顔の各側に設けられる側方側部アーム68によって、患者インターフェース構造体32に連結される、シール位置決め/安定化構造体36を備える。各側方側部アーム68は、患者インターフェース構造体に連結される第1の側部アームコネクタ68aと、
図12aに図示される配向に関して第1の側部アームコネクタ68aの下方に位置する第2の側部アームコネクタ68bとを備えてよく、これらは、インターフェース構造体32に連結される。側方側部アーム68は、後部ストラップ42を受容する、側方側部アーム68中に設けられたスロット68cを介して、シール位置決め/安定化構造体36の後部ストラップ42に連結させることができる。
図12aおよび
図12bに図示されるように、シール位置決め/安定化構造体36の側部ストラップ38は、側方側部アーム68に沿って延在し得る。しかし、側部ストラップ38は、省くことができ、側方側部アーム68は、頂部ストラップ40と後部ストラップ42との接合部から延在し得ることを理解されたい。各側方側部アーム68は、おおよその側頭部領域のポイントから患者の鼻の付根付近まで、患者の顔の上に位置するように構成されてよい。
【0133】
側方側部アーム68は、
図10および
図11に関連して上述された剛性化要素と同様の材料から形成されてよい。代替としては、側方側部アーム68は、BREATHOPRENE(登録商標)などの、圧縮発泡体および繊維材料のラミネートなどの軟質可撓性材料から形成されてよい。側方側部アーム68は、シール位置決め/安定化構造体の張力下における屈曲を回避するように、長手方向長さに沿って実質的に剛性になるように構築されてよいが、患者の顔の上において平坦状に位置するように平面方向におよび平面方向から形状適合することが可能であってよい。
【0134】
第1および第2の側部アームコネクタ68a、68bは、2つのポイントで患者インターフェース構造体32に連結され、シールの回転方向安定性に対する制御を向上させつつ、例えば鼻枕などのシールをシール表面に対して直角に位置させるように患者インターフェース32の回転を可能にするように、この連結部において十分な幅を有する。
【0135】
(3.3.5 シール位置決め/安定化構造体-第5の実施形態)
図13aおよび
図13bを参照すると、側方側部アーム68は、スロット68cを介して側部ストラップ38に連結され得る。側部ストラップ38は、ストラップコネクタ70により、ストラップ41に連結されてよい。側部ストラップ38は、一方の端部にてストラップコネクタ70に連結され、他方の端部にて、スロット68cを介して側方側部アーム68に連結される。ストラップコネクタ70は、患者が側方側部アーム68の位置を調節することが可能となるように、ストラップ41に沿って移動させることができる。このように、患者は、患者インターフェース構造体32と患者の鼻孔との間に良好なシールがもたらされるように、側方側部アーム68の位置を調節することができ、患者インターフェースシステムは、多様なサイズの患者にフィットするように調節可能となり得る。
【0136】
(3.3.6 シール位置決め/安定化構造体-第6の実施形態)
図14aおよび
図14bを参照すると、別のサンプルの実施形態によれば、シール位置決め/安定化構造体36は、頂部ストラップ40、後部ストラップ42、側部ストラップ38、および側方側部アーム68を含む、単一部材から形成され得る。バックル71が、患者に対するシール位置決め/安定化構造体36の取付けを調節するために、頂部ストラップ40上に設けられてよい。このバックルは、追加として、または代替として、後部ストラップ42に設けられてもよいことを理解されたい。単一部材のシール位置決め/安定化構造体36は、マジックテープ(登録商標)などのコネクタによって、患者インターフェース構造体32に連結されてよい。代替としては、単一部材のシール位置決め/安定化構造体36は、例えば患者インターフェース構造体32とエルボ17との間の患者インターフェース構造体32の基部にて、または、患者インターフェース構造体32の可撓性基部とシール(例えばノズル構成部)との間の患者インターフェース構造体32にて、患者インターフェース構造体32の周りに巻き付くことが可能な、完全な円形の構成要素であってよい。別のサンプルの実施形態においては、患者インターフェース構造体32およびシール位置決め/安定化構造体36を含む患者インターフェースシステム全体が、単一の構成要素として形成されてよい。さらに、エルボ17が、患者インターフェース構造体32およびシール位置決め/安定化構造体36と共に形成されてもよい。
【0137】
図14aおよび
図14b、ならびに
図12a〜
図13bにおいて図示されるように、側方側部部分68は、それらの図に図示されるように患者インターフェース構造体32の近位にて三角形切欠部を形成するように、第1のアームコネクタ68aおよび第2のアームコネクタ68bに分岐してよい。第1のアームコネクタ68aおよび第2のアームコネクタ68bの長さは、患者インターフェース構造体32が配置される角度を左右する。例えば、第1のアームコネクタ68aが、第2のアームコネクタ68bよりも長い場合には、患者インターフェース構造体32は、患者の鼻孔から離れるように回転する傾向を有する。逆に、第2のアームコネクタ68bが、第1のアームコネクタ68aよりも長い場合には、患者インターフェース構造体32は、患者の鼻孔の方向に回転する傾向を有する。別のサンプルの実施形態においては、第1の側部アームコネクタ68aの長さは、バックルなどの調節機構によって、調節可能であってよく、これにより、患者インターフェース構造体32を回転させることができる。同様に、例えばバックルなどの調節機構によって、第2の側部アームコネクタ68bの長さを変更し、そのようにして患者インターフェース構造体を回転させるために、第2の側部アームコネクタ68bに対する調節が可能であってよい。さらに、患者インターフェース構造体32のさらなる調節を可能にするために、第1のアームコネクタ68aおよび第2のアームコネクタ68bの両方に対する調節が可能であってもよい。
【0138】
(3.3.7 シール位置決め/安定化構造体-第7の実施形態)
図15aおよび
図15bを参照すると、別のサンプルの実施形態によれば、シール位置決め/安定化構造体36の側部ストラップ38、頂部ストラップ40、および後部ストラップ42は、コネクタ72によって連結される。側部ストラップ38は、患者インターフェース構造体32の上に設けられたシール位置決め/安定化構造体コネクタ12によって、患者インターフェース構造体32に連結させることができる。患者インターフェース構造体32は、回り継手エルボ17によって、空気送給チューブ16に直接的に連結されてよい。コネクタ72により、ストラップ38、40、42のそれぞれの位置の調節が可能となり、それにより患者は、患者インターフェース構造体32と患者の気道との間にシールをもたらすことが可能となり、シール位置決め/安定化構造体36を様々な患者に対して寸法設定し、フィットさせることが可能となる。
【0139】
(3.3.8 シール位置決め/安定化構造体-第8の実施形態)
図24m〜
図24qは、シール位置決め/安定化構造体の第8の実施形態を備える患者インターフェースアセンブリを図示する。シール位置決め/安定化構造体は、メインストラップループ74および後部ストラップ85を備える。
図24qを参照すると、メインストラップループ74は、頂部係合頂部部分メインループ74に対して、約90°から約140°の、好ましくは約95°から約110°の、最も好ましくは約100°の角度Aにて後部ストラップ85に連結するように構成された、ストラップコネクタ82を備える。角度Aが、好ましい値により近いほど、ヘッドギアの適合範囲が漸増的に向上し、患者インターフェースは、比較的小さな頭部から比較的大きな頭部までの範囲に快適にフィットすることが可能となる。
【0140】
さらに
図24q、
図16a、および
図16dを参照すると、メインストラップループ74は、2つの概して直線状の部分の間に湾曲中間部分を有する。第1の直線状部分は、使用時に、患者の頭部の頂部上に位置する。第2の直線状部分は、患者インターフェース構造体の側方部分と連結される一端部を有し、この側方部分に対して概して平行である。湾曲中間部分は、以下に説明される剛性化領域78に相当する。2つの直線状部分の間の角度Bは、好ましくは、約150°から約90°の範囲であり、例えば約130°から約90°の範囲であり、より好ましくは約120°から約100°の範囲であり、最も好ましくは約111°である。角度Bが、好ましい値により近いほど、ヘッドギアの適合範囲が漸増的に向上し、患者インターフェースは、比較的小さな頭部から比較的大きな頭部までの範囲に快適にフィットすることが可能となる。さらに、剛性化された湾曲部分により、ヘッドギアが患者の視界を妨げることなく、すなわち敏感な眼の領域に接触することなく、より有効な角度にて、好ましくは鼻の下側に対して直交する角度にて、患者の鼻の下側に対してヘッドギアの張力を与えることが可能となる。好ましい構成においては、例えばResMed Swift(登録商標) LTなどに比較して、方向における大幅な変化が生じない。さらに、このヘッドギア(すなわちシール位置決め/安定化構造体)の構成により、さらに幅広い範囲の頭部サイズにおいて、患者の耳に影響を及ぼすことが回避される。
【0141】
図46aおよび
図46bを参照すると、ストラップコネクタ82に対して概して直交方向の線と、ストラップループ74の第1の端部を通り延在する線との間の角度Yは、90°から約140°の範囲であってよく、好ましくは約95°から約125°の範囲であってよく、最も好ましくは約100℃であってよい。
【0142】
図16a〜
図16gを参照すると、
図44aおよび
図44bに関連して先に説明したように、シール位置決め/安定化構造体は、それぞれ
図16dおよび
図16aに図示されるように、右メインストラップ74rおよび左メインストラップ74lを含むメインストラップループ74を備え得る。各メインストラップ74r、74lは、第1の可撓性領域76、剛性化領域78、および第2の可撓性領域80を備えてよい。
図16a〜
図16gに図示されるように、メインストラップ74r、74lに沿った領域76、78、80の厚さは、メインストラップ74r、74lが、荷重下にある区域において十分な剛性を有することが可能となり、顔に対する形状合致が必要となる区域において可撓性を有することが可能となるように、多様であってよい。第1の可撓性領域76は、剛性化領域78よりも薄く、約0.5mm〜1.5mm、例えば約1mmの厚さを有してよい。第2の可撓性領域80は、やはり剛性化領域78よりも薄く、約1mm〜3mm、例えば2mmの厚さを有してよい。
図16b、
図16c、および
図16eに図示されるように、第2の可撓性領域80は、変化する厚さを有してよく、第2の可撓性領域は、その最も薄い領域において高い可撓性を有することができる。剛性化領域78は、第1および第2の可撓性領域76、80よりも厚く、約3mm〜10mm、例えば約6mmの厚さを有してよい。
【0143】
好ましくは、メインストラップループ74は、約40から約80の範囲の、より好ましくは約60から約70の範囲の、最も好ましくは約65のショアA硬度を有するシリコーンから成型される。メインストラップループ74を比較的硬いシリコーンから作製することにより、メインストラップループ74は、比較的剛性になり、比較的柔らかいシリコーンから作成された場合よりも薄くすることが可能になり得る。好ましくは、メインループ74は、空気送給チューブではなく、または、空気送給チューブに装着されないが、いずれかであってもよい。メインループを空気送給チューブとして使用する、または空気送給チューブに結合させて使用することにより、結合解除構成部によって与えられる利点が減少する場合がある。好ましいシリコーンまたは厚さから作製されたメインループ74は、ナイロン剛性化部により補強された発泡体/繊維構造体よりも可撓性であるが、これは、自立する際にある程度の形状を保持するのに十分な構造を有し、他の場合であればどのように使用すべきであるかに関して殆ど手がかりを与えない過度にだらりとしたヘッドギア構造体によって混乱させられるであろう患者による使用を容易化する。さらに、メインループ74を好ましい硬さ範囲の、および好ましい厚さ範囲のシリコーンから作製することで、シールの安定性の向上をもたらすことができ、顔の敏感な領域を避けることが可能となり、患者の皮膚内に切り入るおそれのある、または患者の顔の上に跡を残すおそれのある、より硬いまたはより剛性の材料(例えばナイロンスタビライザなど)を使用する必要性を伴うことなく、適合範囲を向上させることが可能となる。剛性化領域が湾曲形状であることにより、メインループ74の頂部係合頂部部分と前部部分との間の角度が比較的鋭角である場合に必要となる場合のある、比較的硬く比較的剛性のスタビライザの必要性が低下する、または不要となる。さらに、メインループにおいてシリコーンを使用することにより、空気送給チューブの移動時にある程度の可撓性がもたらされ、より剛性または非伸縮性のスタビライザとは異なり、この移動によるシールへの影響が切り離される。シリコーンは、患者の皮膚に対する「グリップ」を向上させることが可能な場合がある。メインループの成型は、比較的簡単な、無駄の少ない製造ステップであり、追加の組立てプロセス(発泡体および繊維のラミネートに対して剛性化部を縫い付けるなど)を要さない。シートから組込み式に容易には作成することのできない形状を鋳抜くことにより、無駄な材料が出てくる場合がある。本技術の好ましい形態によれば、後部ストラップ85は、比較的直線状であり、したがって、比較的無駄を少なくして材料シートから鋳抜くことが可能である。したがって、シール位置決め/安定化構造体のこの好ましい形態は、より費用対効果が高い。
【0144】
メインストラップ74r、74lは、患者の頭部の頂部に係合するように構成された領域において、約5mmから約15mmの幅を有してよく、例えば約10mmであり、例えばストラップコネクタ82の周辺の領域など、頬の領域において患者の顔に接触するように構成された領域においては、約15mmから約25mmの幅、例えば約20mmの幅に広げられてよい。ストラップ74r、74lの幅は、ストラップコネクタ82とコネクタ84との間において、例えば約20mmから約10mmまでと狭くてよく、次いで、コネクタの方向に向かって、例えば約15mmから約25mmまで、例えば約20mmに広がってよい。
【0145】
ストラップコネクタ82が、剛性化領域78中に設けられてよい。このストラップコネクタは、例えば、患者の頭部の後部を回って延在して、患者に対してシール位置決め/安定化構造体を固定するように構成された後部ストラップなどを受容するように構成され、それにより1つまたは2つのポイントにおける後部ストラップの長さ方向の調節が容易になる。後部ストラップは、例えばシリコーンなど、メインストラップ74r、74lと同一の材料から形成されよく、または、BREATHOPRENE(登録商標)などの発泡体および繊維から形成されてよい。後部ストラップは、弾性体など、メインストラップ74r、74lとは異なる材料から形成されてよく、または、材料の組合せから形成されてよいことを理解されたい。さらに、メインストラップ74r、74lの硬度は、メインストラップ74r、74lの厚さが多様であることの代替として、またはそれに加えて、メインストラップ74r、74lに沿って多様であってよいことを理解されたい。
【0146】
各メインストラップ74r、74lは、
図17a〜
図17fに関連して以下において説明される、患者インターフェース構造体上に形成される対応するコネクタを受容するように構成された患者インターフェース構造体コネクタ84を備える。
図16a〜
図16gに図示されるように、患者インターフェース構造体コネクタ84は、メインストラップ74r、74lの端部に形成された三角形切欠部の形態をとってよい。しかし、患者インターフェース構造体コネクタ84は、三角形とは異なる形状を有する切欠部を備えてよいことを理解されたい。
【0147】
(3.3.9 シール位置決め/安定化構造体-ストラップコネクタ)
シリコーンは、BREATHOPRENE(登録商標)など標準的なヘッドギア材料よりも可撓性であり、標準的なヘッドギアストラップコネクタにおいて要望される通りには作用しない場合がある。例えば、シリコーンは、コネクタ(または複数のコネクタ)中において摺動する傾向を有し、緩む場合がある。以下においてさらに詳細に説明されるように、シール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタのサンプルの実施形態は、とりわけシリコーン製シール位置決め/安定化構造体ストラップと共に使用するのに適するが、このサンプルの実施形態は、シリコーン製シール位置決め/安定化構造体ストラップに限定されない。
【0148】
(3.3.9.1 ラダーロックストラップコネクタ)
図19aおよび
図19bを参照すると、例えば頂部ストラップ40などの、シール位置決め/安定化構造体のストラップが、ラダーロックコネクタ86によって固定され得る。ラダーロックコネクタ86は、第1の側部部材88および第2の側部部材90を備えてよい。第1のクロス部材92および第2のクロス部材94が、第1の側部部材88と第2の側部部材90との間に延在する。第3のクロス部材96は、第1のクロス部材92から離間されて、第1のストラップスロット100を画成する。第4のクロス部材98は、第2のクロス部材94から離間されて、第2のストラップスロット102を画成する。中央穴104が、第1のクロス部材92と第2のクロス部材94との間に画成されて、
図19bに図示されるように、頂部ストラップ40の端部40aを、この中央穴104に貫通させ、各クロス部材92、94の上、および各クロス部材96、98の下方に挿通させることが可能となる。
図19aに図示されるように、第3および第4のクロス部材96、98は、クロス部材96、98とストラップ40の端部40aとの間の接触量を高めるために、第1および第2のクロス部材92、94よりも幅広である。このように、第3および第4のクロス部材96、98の幅を広くすることにより、ラダーロックコネクタ86とストラップ40との間の摩擦接触が高まり、それにより、シール位置決め/安定化構造体のより固定的な取付けが可能となる。
【0149】
図19aに図示されるように、第1および第2の側部部材88、90は、ストラップ40のコネクタ86に対する連結および/または調節を容易にするために、コネクタ86に対するユーザのグリップを向上させるように構成された、テクスチャ表面89、91をそれぞれ備えてよい。テクスチャ表面89、91は、例えばリッジであってよい。さらに、側部部材88、90はそれぞれ、ユーザの指を受けるための凹部をテクスチャ表面89、91に備えてよい。
【0150】
図19c〜
図19eに図示される一変形形態においては、ラダーロックコネクタ86は、ストラップ40の端部40aが、確実に正確に位置合わせされるようにするためのリーダ96aおよび98aを有してよい。ラダーロックコネクタ86は、
図19bに図示される構成における場合には、調節されるだけであってよい。シリコーン製シール位置決め/安定化構造体が、使用される場合には、ラダーロックコネクタ86は、シリコーンの可撓性により、
図19bに図示されるように位置合わせされた状態に留まる傾向とはならない(例えば、ラダーロックコネクタ86が90°回転される傾向を有する)。これを解決するために、リーダ96aおよび98aを、クロス部材96および98から遠位方向に延在させることができる。リーダ96aおよび98aは、概して矩形の、または任意の他の所望の形状であってよい。リーダ96aおよび98aは、ストラップ40および端部40aを包囲してよく、または、ストラップ40および端部40aの一部分のみを包囲してよい。リーダ96aおよび98aは、
図19dにおいてL
Lにより示されるように、約5〜30mmの長さであってよく、例えば約10mmの長さであってよい。リーダ96aおよび98aは、ストラップ40および端部40aによって形成される外周部に緊密に形状合致してよく、すなわち、コネクタにループ状に通された場合にストラップ40およびストラップ端部40aの輪郭部に緊密に形状合致してよい。代替としては、
図19eに図示されるように、リーダ96aおよび98aは、ストラップ40および端部40aによって形成される外周部の周りに、少なくとも1mmの隙間Cを残してよく、例えば約2mmの、別の例としては約10mm未満の隙間cを残してよい。
【0151】
(3.3.9.2 不連続的に調節可能なストラップコネクタ)
図20aおよび
図20bを参照すると、別のサンプルの実施形態によるストラップコネクタが、第1のストラップコネクタ110が端部に形成された、第1のストラップ108を備える。第2のストラップ114には、第2のストラップコネクタ116が、端部に形成される。第2のストラップ114は、第1のストラップ108の端部中に形成された、選択された穴112中に挿入可能であるスタッド118を備えてよい。スタッド118は、第1のストラップ108を定位置にロックするために、概してマッシュルーム形状であってよい。したがって、このシール位置決め/安定化構造体は、患者に対して最も快適な取付けを実現しつつ、患者インターフェース構造体と患者の気道との間のシールを有効に保つ、適切な穴12を選択することによって、調節され得る。
【0152】
図21aおよび
図21bを参照すると、別のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタアセンブリが、スタッド124が端部に形成された第1のストラップ120を備える。ガイド122が、第1のストラップ120に設けられる。シール位置決め/安定化構造体の第2のストラップ126は、第1のストラップ120のスタッド124によって選択的に受けられる複数の穴または孔130を備えてよい。第2のストラップ126は、端部にラダーロックコネクタ128を備える。第2のストラップ126は、第1のストラップ120のガイド122に通され、スタッド124は、シール位置決め/安定化構造体の取付けを調節するために、選択された孔または穴130中に挿入される。
【0153】
図22a〜
図23cを参照すると、別のサンプルの実施形態によるシール位置決め/安定化構造体ストラップコネクタアセンブリが、ばね302が端部上に装着された第1のストラップ300を備える。シール位置決め/安定化構造体の第2のストラップ301が、第1のストラップ300のばね302によって選択的に受けられる複数のリッジまたは畝状部303を備えてよい。ばね302は、弾性フィンガ325を備えてよく、この弾性フィンガ325は、力Fが加えられる場合に畝状部303が弾性フィンガ325を越えて引かれると、撓曲することが可能である。
図22aに図示されるように、弾性フィンガは、ばね302の弾性カンチレバー式フィンガ305の上に設けられてよい。さらに
図22aに図示されるように、ばね302は、クロスバー307を備えてよく、第1のストラップ300は、クロスバー307の周囲に第1のストラップ300の端部をループさせることによって、ばね302に連結されてよい。代替としては、ばね302は、
図23a〜
図23cに図示されるように第1のストラップ300と共に一体的に形成されてよい。
【0154】
(3.3.9.3 メインストラップコネクタ)
図24a〜
図24pを参照すると、シール位置決め/安定化構造体の左メインストラップ74lは、シール位置決め/安定化構造体の後部ストラップの一端部を受けるように構成されたストラップコネクタ82を備える。さらに、左メインストラップ74lは、患者インターフェース構造体の左コネクタを受けるように構成された、例えば概して三角形の切欠部など、患者インターフェース構造体コネクタ84lを備える。さらに、左メインストラップ74lは、複数のロック突出部75および最終ロック突出部77を備える。ロック突出部75は、概して円形、長円形、または楕円形の構成を有してよい。最終ロック突出部77は、ロック突出部75よりも大きく、例えば
図24bにおいて図示されるように、ロック突出部75の上方に延在して、シール位置決め/安定化構造体が完全に外されるのを防ぐ。
【0155】
図24e〜
図24hを参照すると、シール位置決め/安定化構造体の右メインストラップ74rは、後部ストラップの他方の端部を受けるように構成されたストラップコネクタ82を備える。さらに、右メインストラップ74rは、患者インターフェース構造体の右コネクタに連結されるように構成された、例えば切欠部などの、患者インターフェース構造体コネクタ84rを備える。例えばラダーロックコネクタなどのロックコネクタ79が、左メインストラップ74lの端部を受けるために、右メインストラップ74rの端部に設けられる。
図24iに図示されるように、左メインストラップ74lの端部は、矢印により示される方向へとラダーロックコネクタ79中に挿入されて、左メインストラップ74lを右メインストラップ74rに連結する。左メインストラップ74lの端部は、端部をロックコネクタ79に挿通させるのを補助するための凹部74dを備えてよい。
【0156】
図24lに図示されるように、ロックコネクタ79は、ロック突出部81を備え、このロック突出部81は、左メインストラップ74lと右メインストラップ74rとの間の連結を維持するために、ロック突出部75間にて左メインストラップ74lに係合するように構成される。ロック突出部81は、メインストラップ74l、74rの保持を向上させるために、対応するロック突出部75間のスペースよりも大きい。
図24lに図示されるように、最終ロック突出部77は、シール位置決め/安定化構造体が完全に外れるのを防ぐために、ロック突出部75よりも高い。メインストラップ74l、74rおよびロック突出部75、77、81は、十分な力が印加される際に外れることが可能となるのに十分な可撓性を有する材料から形成されてよいことを理解されたい。メインストラップ74l、74r、およびロック突出部75、77、81は、チューブ牽引力などの力、あるいはマスクシステムの着用および/またはマスクシステムを着用しての睡眠の際に、シール位置決め/安定化構造体に対して通常加えられる力によって外れることに抵抗するように構成されてよい。メインストラップコネクタをストラップ中に成型することの利点は、追加の固定具が不要となるため、これにより、製造プロセスが簡単なものとなり、対費用効果がより高くなる点である。
【0157】
図24lに図示されるように、ロック突出部81が、ロック突出部75に係合する際に、左メインストラップ74lの端部が下方に撓曲することが可能となるように、スロット83が、右メインストラップ74r中に形成される。スロット83により、スロット83を覆って延在する左メインストラップ74lの部分は、ロック突出部81がロック突出部75間において左メインストラップ74lに係合する際に、下方に変位することが可能となる。
【0158】
図24mを参照すると、後部ストラップ85は、ストラップコネクタ82を介してメインストラップ74l、74rに連結されてよい。後部ストラップ85の端部85eは、後部ストラップ85の受け部上に設けられた対応するループまたはフック固定具材料に係合するフックまたはループタイプの固定具を備えてよく、これにより、メインストラップ74l、74r間に延在する後部ストラップ85の長さの調節が可能となる。
図24m〜
図24qは、後部ストラップ85が、2つの調節可能な端部85eを有するものとして示すが、後部ストラップ85は、調節可能な端部を1つだけ備えてもよいことを理解されたい。
【0159】
左メインストラップ74lの硬度は、高耐久性、調節の容易性、および形状の維持を実現するために、特定の区域において高くてよい。例えば、ストラップコネクタ82、切欠部84lを囲む部分、ロック突出部75、および最終ロック突出部77は、左側方部材74lの他の部分よりも高い硬度を有してよい。ロック突出部75および最終ロック突出部77の硬度が比較的高いことにより、ロック突出部75が右メインストラップ74rのラダーロックコネクタ79と連結されることによって形成されるラダーロックバックルの機能が向上する。ストラップコネクタ82における硬度が比較的高いことにより、シール位置決め/安定化構造体の耐久性が向上し得る。さらに、ストラップコネクタ82のスロットを囲むシリコーン材料が、使用時にスロットが過度に延伸するのを防ぐのに十分な厚さからなるものであってよい。切欠部84lを囲む部分の硬度が比較的高いことにより、連結部の安定性が向上し、耐久性が向上し得る。
【0160】
同様に、右メインストラップ74rは、左メインストラップ74lに関連して上述したのと同様の利点を実現するために、ラダーロックコネクタ79、ストラップコネクタ82、および切欠部84rを囲む部分にて高い硬度を有してよい。
【0161】
図24a〜
図24qに図示されるように、左メインストラップ74lおよび右メインストラップ74rは、患者の頭部の頂部にて連結される。後部ストラップ85は、かかるバックルまたはラダーロックコネクタなどの連結部を備えない。この構成により、ラダーロック79によりいかなる不快さももたらされることも伴わずに、患者は、各側の側臥状態で、または患者の背を下にして眠ることが可能となる。
【0162】
図24rを参照すると、左メインストラップ74lは、左メインストラップ74lを右メインストラップ74rのコネクタ79中に挿入するのを容易にするテーパ状端部74tを備え得る。
【0163】
図25a〜
図25dを参照すると、一変形形態によれば、左メインストラップ74lは、ロック突出部75を備えるが、最終ロック突出部を備えなくともよい。
図25dを参照すると、ラダーロックコネクタ79のロック突出部81は、左メインストラップ74lのロック突出部75と概してほぼ同一のサイズのものであり得る。これにより、
図24a〜
図24pに開示される連結部よりも比較的容易な態様で、メインストラップ74l、74rを連結することが可能となる。
【0164】
右メインストラップ74rおよび左メインストラップ74l、ばね付きクリップによって調節可能なものであってよく、このばね付きクリップは、共に押される場合には開き、側方側部部材が貫通することが可能となるが、押されない場合には、これらのストラップをロック位置に保持する。このようなばね付きクリップは、例えばバッグ閉鎖具として機能する紐、または帽子もしくはキャップの取付けを調節する紐など、紐の調節を可能にするために使用されるドローコードと同様のものである。
【0165】
図25eを参照すると、代替の一実施形態においては、右メインストラップ74rは、スリットまたは開口74sを備えてよく、このスリットまたは開口は、緩められた場合には閉じられ、(矢印によって図示されるように)最遠端部同士にて押された場合には開き、左メインストラップ74lはこのスリットまたは開口を貫通することが可能となる。左メインストラップが、スリットまたは開口を備えてよく、右メインストラップがその中に挿入されてもよいことを理解されたい。
【0166】
メインストラップループ74の左メインストラップ74lおよび右メインストラップ74rは、例えばシリコーンから形成されてよい。シリコーンは、側方側部部材74l、74rの両方の上にマッシュルーム形状のスタッド74mを備えるように成型されてよい。スタッド74mは、共に押されると、
図25fに図示されるように境界接合部嵌め(interface fit)を生じさせる。スタッド74mは、樹木形状、矢印形状、または棒付きアメ形状などの、任意の他の形状であってよい。スタッド74mは、側方側部部材74l、74rに後付けされてもよく、または、側方側部部材74l、74rと共に成型されもよい。
【0167】
(3.3.9.4 追加のストラップコネクタ)
例えばVELCRO(登録商標)などのマジックテープ(登録商標)材料が、メインストラップ74r、74lに対して設けられてよく、すなわち、フック材料が、一方の側方側部部材上に設けられ、ループ材料が、他方の上に設けられてよい。マジックテープ(登録商標)材料は、例えば接着剤によって、またはメインストラップ中にこの材料をオーバーモールドすることによって、メインストラップに装着されてよい。代替としては、および/または追加としては、側方側部部材中に、磁石、弾性体、またはプッシュクリップなどの他の調節機構をオーバーモールド成型することができる。本技術による患者インターフェースの好ましい形態は、3つのポイントの長さ方向調節を含み、1つは、メインループの長さ方向調節のための患者の頭部の頂部上におけるものと、1つは、後部ストラップの長さ方向調節のための概して耳の上方の患者の頭部の各側部上におけるもの(小計2つ)である。いくつかの先行技術の患者インターフェースは、ヘッドギアにとって適切な位置を見出すために、10個の別個のポイントの調節を要する場合があり、取付けプロセスがより複雑なものとなる。好ましくは、バックルは、それを下にして横たわるには不快なものとなり得るため、後部ストラップは、かかるバックルを患者の頭部の後部に備えない。
【0168】
(3.4 患者インターフェース構造体コネクタおよびシール位置決め/安定化構造体コネクタ)
(3.4.1患者インターフェース構造体の可撓性基部の方向に延在するコネクタ)
使用時に、患者インターフェース構造体320は、コネクタ322を各メインストラップ74r、74lの患者インターフェース構造体コネクタ(例えば切欠部)中に挿入することにより、シール位置決め/安定化構造体のメインストラップループ74に連結され得る。例えば
図17cにおいて図示されるように、コネクタ322は、患者インターフェース構造体延在部323よりも幅が広い。さらに、コネクタ322は、メインストラップループ74中の切欠部84よりも幅が広い。コネクタ322は、
図18a〜
図18cに図示されるように、患者インターフェース構造体320をメインストラップループ74に連結するために、切欠部84内に挿入される。
図16aおよび
図17aに図示されるように、切欠部84およびコネクタ322は相補表面84c、322cをそれぞれ備え、コネクタ322がメインストラップ74r、74lに連結される場合に、これら相補表面84c、322cは係合される。さらに、コネクタ322は、傾斜側壁部322s(
図17c)を備え、コネクタ322がメインストラップ74r、74lに連結される場合に、この傾斜側壁部322sは切欠部84の傾斜壁部84s(
図16a)に係合し、それにより、コネクタ322およびメインストラップ74r、74lは、
図18bに図示されるように連結時に水平表面を呈するようになる。
図18aに図示されるように、切欠部84は、内方向突出部84pを備えてよく、この内方向突出部84pは、患者インターフェース構造体320がメインストラップループ74(すなわち右メインストラップ74rおよび左メインストラップ74l)に連結する際にコネクタ322の端部に係合することとなり、それにより、シール位置決め/安定化構造体のメインストラップループ74に対して患者インターフェース構造体320をより固定的に装着することが可能となる。
【0169】
(3.4.2 患者インターフェース構造体のシールの方向に延在するコネクタ)
図18d〜
図18fに図示される別のサンプルの実施形態によれば、コネクタ322は、
図18dに図示されるように、延在部323から、概してノズル328の方向に、および可撓性基部329から離れる方向に延在してよい。コネクタ84は、コネクタ322を覆って配置され、それにより、コネクタ322がコネクタ84に係合される場合には、
図18eおよび
図18fに図示されるように、延在部323は視認可能となる。このアセンブリは、
図18a〜
図18cに関連して上述されたものと同一の態様で固定されてよく、マスクシステムの使用時にさらに固定的な連結が実現され得る。
【0170】
図18gを参照すると、患者インターフェース構造体320の左コネクタ322lおよび右コネクタ322rはそれぞれ、左コネクタ84lおよび右コネクタ84r(例えば切欠部など)をそれぞれ介して、シール位置決め/安定化構造体の左メインストラップ74lおよび右メインストラップ74rのそれぞれに連結される。コネクタ322l、322rの形状は、切欠部84l、84rの形状と合致するため、ユーザに対して直感的アセンブリが提供される。ユーザは、コネクタ322l、322rが切欠部84l、84r中に適切に挿入され、連結位置に組み込まれたという触覚的示唆を受け取ることができる。
【0171】
図18hを参照すると、患者インターフェース構造体320をシール位置決め/安定化構造体の左メインストラップ74lおよび右メインストラップ74r中に確実に正確に位置合わせさせるために、コネクタ322l、322rは左側および右側を示唆する印340を備えてよい。さらに、患者インターフェース構造体320をシール位置決め/安定化構造体中に正確に位置合わせするために、コネクタ322l、322rは左インジケータタブ342および右インジケータタブ344を備えてもよい。
図18hに図示されるように、患者インターフェース構造体320をシール位置決め/安定化構造体中に位置合わせするのを容易にするように、インジケータタブ342、344は異なる形状を有してよい。位置合わせインジケータタブ342、344は、患者インターフェース構造体320のコネクタ322l、322r上に図示されるが、位置合わせインジケータタブは、シール位置決め/安定化構造体のメインストラップ74l、74rの上に設けられてもよく、または、位置合わせインジケータタブは、患者インターフェース構造体のコネクタと、シール位置決め/安定化構造体のメインストラップとの両方の上に設けられてもよいことを理解されたい。
【0172】
図18iを参照すると、コネクタ322l、322rは、適切な方向を示唆するために、異なる個数の位置合わせインジケータタブ342、344を備え得る。例えば、左コネクタ322lが、1つのインジケータタブ342を備えてよく、右コネクタ322rが、2つのインジケータタブ344を備えてよい。さらに、位置合わせインジケータタブ342、344の位置は、方向を示唆するために別の位置に設けられてもよいことを理解されたい。例えば、左インジケータタブ342が、コネクタ322lの側部上に設けられてよく、右インジケータタブ344が、右シール位置決め/安定化構造体コネクタ322rの頂部上に設けられてもよい。さらに、印340は、例えば位置合わせインジケータタブ342、344の上に設けられてもよいことを理解されたい。
【0173】
図18jに図示されるように、別のサンプルの実施形態によれば、右シール位置決め/安定化構造体コネクタ322rとは異なる形状の左シール位置決め/安定化構造体コネクタ322lを提供することにより、患者インターフェース構造体320はシール位置決め/安定化構造体に適切に位置合わせされてよい。
図18kに図示されるように、左切欠部841は、左コネクタ322lに対応する形状を有し、右切欠部84rは、異なるように形状設定された右コネクタ322rに対応する異なる形状を有する。これらのそれぞれ異なる形状のコネクタおよび切欠部により、
図18lに図示される組み合わされた位置において、患者インターフェース構造体320は、シール位置決め/安定化構造体と確実に適切に位置合わせされる。
【0174】
図18m〜
図18pを参照すると、シール位置決め/安定化構造体コネクタ322l、322rは、患者インターフェース構造体320の枕328の方向に上方に向いてよい。シール位置決め/安定化構造体から偶発的に患者インターフェース構造体320が外れるのを回避するために、この構成にすることができる。
図18oおよび
図19pに図示されるように、コネクタ322l、322rは、段状部分322sを備えてよく、この段状部分322sは、側方部材74l、74rの段状部分84sと係合することにより、患者インターフェース構造体と、シール位置決め/安定化構造体との間の連結は、タブからシール位置決め/安定化構造体を上方に引くことによって偶発的に外れるおそれがなくなる。段状部分322sを係合解除するためには、シール位置決め/安定化構造体を鼻枕328の方向に内方に押さなければならず、次いで、患者インターフェース構造体およびシール位置決め/安定化構造体の側方部材を係合解除するためには、シール位置決め/安定化構造体を上方に引かなければならない。
【0175】
図18qに図示されるように、切欠部84lは、左ストラップループ74lの材料の屈曲を向上させて、切欠部841に対するコネクタ322lの連結および切欠部84lからのコネクタ322lの連結解除を容易にするために、ノッチまたは切欠部337を含んでよい。切欠部337は、代替として、または追加的に、右ストラップループ74rに設けられてよいことを理解されたい。
【0176】
上述のように、シール位置決め/安定化構造体は、例えば先行技術のマスクアセンブリにおいて使用されるような剛性のポリカーボネートシェルまたはポリカーボネートフレームなどの「硬い」部分には連結されないが、患者インターフェース構造体は、剛性フレームまたは剛性シェルなどの硬い部分に連結されてもよく、次いで、この硬い部分が、シール位置決め/安定化構造体に連結されてもよいことを理解されたい。
【0177】
(3.5. 切離し構成部)
(3.5.1 ヒンジまたはユニバーサルジョイント)
図7a〜
図7dを再び参照すると、空気送給チューブ16は、切離し構成部44によって、患者インターフェース構造体32に連結され得る。切離し構成部44は、例えばヒンジ機構などを備えてよい。切離し構成部44は、2つ以上の回転軸を形成する、チューブ16と患者インターフェース構造体32との間の連結部を含んでよい。
図7dを参照すると、患者インターフェース構造体の可撓性基部6は、シール位置決め/安定化構造体の力からチューブの牽引力をさらに遮断させるように、ヒンジまたはユニバーサルジョイント440によって下方部分6lおよび頂部部分6tに分岐されてよい。
【0178】
(3.5.2 可撓性エルボ)
図5bを参照すると、可撓性エルボ409は、可撓性格子406によって連結される複数の剛性フープまたはリング405を備えた可撓性「骨格部」411を備えてよい。例えばシリコーンなどから形成されるオーバーモールド部408が、骨格部402を覆って設けられて、可撓性エルボが形成される。リング405は、エルボ400が折り畳まれないことを確保しつつ、エルボ409の可撓性を確実に維持し、閉塞を確実に防ぐ、最低限の支持構造体を実現する。
【0179】
(3.5.3 隔壁部)
別の形態においては、切離し構成部44は、チューブ16に連結されるエルボと、患者インターフェース構造体32または患者インターフェース構造体32の可撓性基部6との間に隔壁部を備えてよい。この隔壁部は、平坦な断面を有する薄いセクションであってよい。代替としては、隔壁部の断面は、波形、ジグザグ形状、または任意の他の所望の形状であってよい。
【0180】
図5cおよび
図5dを参照すると、エルボ400は、剛性カラー410を有してよく、この剛性カラー410は、隔壁部414によって支持され、この隔壁部は、カラー410と患者インターフェース構造体の剛性フレーム412または比較的より剛性のセクションとの間に設けられる。隔壁部414は、平坦であってよく、または、波形形状構成もしくはコンサーティーナ型構成を有してもよい。隔壁部414は、例えばシリコーンなどから形成されてよい。
【0181】
(3.5.4 リンク要素)
図8lおよび
図8mを参照すると、シール位置決め/安定化構造体は、マスクシステムを患者の顔の上に安定化させるために使用される。しかし、この安定化は、空気送給チューブ牽引力によって相殺される可能性がある。典型的には、マスクシステムのフレームは、マスクが依然として密閉可能となるように、ヘッドギアおよび空気送給デバイスからの力を配向する。このサンプルの実施形態においては、シール位置決め/安定化構造体は、フレームにではなく、患者インターフェース構造体に連結される。したがって、患者インターフェース構造体は、これらの力、すなわちシール位置決め/安定化構造体および空気送給チューブの牽引力を配向する必要がある。
図8lに図示されるように、例えば
図4に図示される実施形態などの一実施形態による患者インターフェース構造体においては、空気送給チューブの牽引力は、患者インターフェース構造体に対して頂部部分6tにて作用し、これにより、鼻枕が、患者の鼻孔から離れるように引かれる場合がある。
図8lに図示される患者インターフェース構造体は、シールを維持しつつ、シール位置決め/安定化構造体および空気送給チューブの力を配向することができない場合がある。
【0182】
図8mに図示されるように、リンク要素(または複数のリンク要素)を頂部部分に形成して、シール位置決め/安定化構造体の力を遮断し、およびシール位置決め/安定化構造体およびチューブの牽引力を適切に配向させることができる。張力の線は、患者インターフェース構造体32の頂部部分6tを通り配向され、それにより、患者インターフェース構造体32の基部部分6は、チューブの牽引力から切り離されることが可能となる。リンク要素により、患者インターフェース構造体32の頂部部分を通る力の張力線が引かれることによって、下方部分6lに対する頂部部分6tの切離しが容易になり、患者インターフェース構造体の基部部分からこのような力が遮断される。張力リンク要素により、例えばガセットを含み得る、またはガセットとして構成され得る下方部分6lなど、患者インターフェース構造体の基部部分6にてチューブ牽引力が遮断される。これらの力を下方部分6lに分配することにより、患者インターフェース構造体は、使用時に、患者の鼻孔内において安定化される。
【0183】
(3.5.5.1 シールリング-第1の実施形態)
図9aおよび
図9bを参照すると、別のサンプルの実施形態による呼吸マスクシステムが、患者インターフェース構造体32を備える。
図9aは、鼻枕4同士の間の患者インターフェース構造体32の可撓性基部6の断面図を示す。患者インターフェース構造体は、例えば鼻クッションまたは全顔クッションなどであってよいことを理解されたい。さらに、患者インターフェース構造体は、特許文献8において開示されるものと同様の態様においてコンパクト口鼻インターフェースとして形成されてもよいことを理解されたい。該出願の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、コンパクト口鼻インターフェースは、患者インターフェース構造体またはノズルの上に設けられたシール位置決め/安定化構造体ストラップ用のコネクタを備えるように、修正されてよい。患者インターフェース構造体32は、空気送給チューブに連結され得るエルボ60に連結されてよい。エルボ60は、患者の呼気の排出を可能にするためのベント62を備えてよい。
【0184】
患者インターフェース構造体32は、回り継手シールリング64によってエルボ60に旋回可能に連結されてよい。
図9aおよび
図9bに図示されるように、患者インターフェース構造体32は、可呼吸ガス流を導くための穴46を有する可撓性基部6を備えてよい。穴46は、穴46の周囲にラジアル方向に内方に延在するフランジ48によって囲まれてよい。このフランジは、フランジ48の周囲部の周りに延在する斜角面45を備えてよい。
図9bに図示されるように、患者インターフェース構造体32のフランジ48は、回り継手シールリング64の第1のフランジ64aと第2のフランジ64bとの間のスペース内に受容されて、しっかりしたシールアセンブリを形成する。斜角面45により、患者インターフェース構造体32のフランジ48は、このスペース内にさらに容易に挿入され、このスペースからさらに容易に除去されることが可能となる。回り継手シールリング64は、エルボ60の第1のフランジ60aと第2のフランジ60bとの間において、エルボ60の端部の上に維持される。ラジアル方向シールが、回り継手シールリング64の第2のフランジ60aと、エルボ60の第2のフランジ60bとの間の接触部に形成される。患者インターフェース構造体32のフランジ48を回り継手シールリング64に連結することにより、患者インターフェース構造体は、エルボに対して旋回または回転することが可能となる。したがって、回り継手シールリング64は、このシールからチューブ牽引力を切り離すのを補助する。したがって、
図9aおよび
図9bの実施形態は、先行技術の患者インターフェース構造体/フレーム連結機構を、患者インターフェース構造体/エルボ連結へと置き換える。
【0185】
(3.5.5.2 シールリング-第2の実施形態)
図17hおよび
図17iにおいて図示される変形形態においては、患者インターフェース構造体のフランジ326は、変化する厚さT3を有してよい。例えば、フランジ326は、テーパ状フランジ331として形成されてよく、それにより、回り継手リング64内に挿入することがさらに容易になる。このテーパは、例えば約15°など、約5°〜50°の範囲の角度αであってよい。テーパ状フランジ331は、シールを向上させるために研磨されてよい。代替としては、テーパ状フランジ331の表面は、回り継手リング64の摺動をさらに容易にするために、テクスチャ化されてよい。
【0186】
図17jを参照すると、患者インターフェース構造体320は、回り継手エルボアセンブリ17に連結され、この回り継手エルボアセンブリ17には、フランジ326に係合するために患者インターフェース構造体320の穴324内に挿入可能なシールリング64によって、ホース16が連結される。
図17kに図示されるように、フランジ326は、シールリング64により画成される溝またはスロット中に挿入されるように構成されたテーパ状フランジ331を備える。
【0187】
テーパ状フランジ331は、シールリング64を患者インターフェース構造体320の穴324内に単に挿入することによって、またはシールリング64を覆うように患者インターフェース構造体320のテーパ状フランジ331を挿入させることによって、またはこれらの行為の組合せによって、シールリング64に組みつけられ得る。
【0188】
テーパ状フランジ331およびシールリング64は、患者インターフェース構造体の性能には影響を及ぼさない、回り継手エルボアセンブリ17に対する患者インターフェース構造体320の小さく簡単な連結部を形成する。さらに、シールリング64により、患者インターフェース構造体320による回り継手エルボアセンブリ17の保持を弱めないように、患者インターフェース構造体320に回り継手エルボアセンブリ17を組みつけることが可能となる。
【0189】
(3.5.5.3 シールリング-第3の実施形態)
図17lを参照すると、患者インターフェース構造体320の穴324は、ねじ山部分324tを備えてよく、シールリング64は、患者インターフェース構造体320に対してシールリング64をねじ式に固定することを可能にする、対応するねじ山部分64tを備えてよい。
【0190】
(3.5.5.4 シールリング-第4の実施形態)
図17mに図示されるように、別の変形形態によれば、患者インターフェース構造体320の穴324は、複数の保持部分324hと、対応する個数の解放部分または開口324rとを有してよい。シールリング64は、対応する個数の突出部64pを備え、これらの突出部64pは、解放部分324r内に受けられ、回転されて保持部分324hと係合状態となり、シールリング64と患者インターフェース構造体320との間のバヨネットタイプの連結部が形成される。
【0191】
(3.5.5.5 シールリング-第5の実施形態)
図17nおよび
図17oを参照すると、回り継手シールリング64は、第2のフランジ64bよりも大きな直径を有する第1のフランジ64aを含む、非対称構成を有し得る。ギャップまたはスペース64gが、第1のフランジ64aと第2のフランジ64bとの間に設けられて、患者インターフェース構造体のフランジを受ける。第2のフランジ64bは、シールリング64を患者インターフェース構造体の穴中に挿入するのを容易にする傾斜面64sを備える。第2のフランジ64bは、エルボ60の端部60eに接触してラジアルシールを形成するように構成される。
【0192】
(3.5.6 トランポリン)
図26aおよび
図26bを参照すると、鼻枕4の茎状部またはネック部分10は、患者インターフェース構造体の基部部分6の頂部部分6tに連結され、薄い、または厚さを減じられた部分7を備え得る。薄い部分7により、枕4は、容易にばね状に跳ね返るまたはトランポリン状に跳ね返ることが可能となり、したがって、患者の翼状角度にさらに容易に適合するように調節され得るようになる。
【0193】
図18pおよび
図18sにおいて図示されるように、可撓性基部6の頂部部分6tは、鼻枕328の茎状部またはネック部分332とリンク要素47との間に、薄い部分またはトランポリン部335を備えてよい。
【0194】
(3.5.7 可撓性基部)
図42a〜
図42cを参照すると、患者インターフェース構造体の可撓性基部6は、使用時に張力下にある場合に、患者の鼻の下側の周囲を覆うように形状合致するように構成される。可撓性基部6は、エルボ17により患者インターフェース構造体に連結され得るチューブ16に対するチューブ牽引力から、例えば鼻枕328などのシールを切り離すのを補助することが可能である。
図42aにおいては、チューブ牽引力は、患者インターフェース構造体に対して実質的に全く働いていない。鼻枕328は共に、患者の鼻孔と密閉係合状態にある。
図42bを参照すると、力が、患者の顔の右側のチューブ16に対してかかり得る。可撓性基部6は、患者の顔の右側を圧迫すると共に、患者の顔の左側の鼻枕328が患者の鼻孔に対して密閉係合状態を維持するのを可能にする。
図42bに図示されるように、左鼻クッション328の茎状部またはネック部分332は、右鼻クッション328の茎状部332よりも圧縮される度合いが低い。さらに、茎状部332の圧縮性、および例えば茎状部332の周囲の薄い領域またはトランポリン部が、例えばチューブまたは患者インターフェース構造体に対してかけられるチューブ牽引力などの力を、シールからの切り離すのを補助することができることを理解されたい。
図42cに図示されるように、チューブ牽引力が、患者の顔の左側にかけられた場合には、可撓性基部6の左側が圧縮され、左鼻枕328の茎状部もまた圧縮される。右鼻クッション328は、患者の右鼻孔に対する密閉係合状態を維持する。右鼻クッション328の茎状部332は、右鼻クッション328を密閉係合状態に維持するのを補助するように関節的に屈曲することができる。
【0195】
図43a〜
図43cを参照すると、可撓性基部6は、例えばチューブ牽引力などの力が上下方向に加えられるのを切り離すのを補助することができる。
図43aに図示されるように、外部からの力が加えられない場合には、鼻クッション328は、患者の鼻孔に対して密閉係合状態にある。
図43bに図示されるように、患者インターフェース構造体に対して上方に力が加えられると、可撓性基部6は、鼻クッション328が密閉係合状態に留まるように、力を切り離すのを補助する。
図43cに図示されるように、患者インターフェース構造体に対して下方に力が加えられると、可撓性基部6は、鼻クッション328が鼻孔に対して密閉係合状態に留まるように、力を切り離すのを補助する。さらに、茎状部332は、
図43bに図示される上方力の場合には圧縮し、
図43cに図示される下方力の場合には伸張して、力(または複数の力)の切離しを補助することができる。さらに、茎状部および/または裁頭円錐形シール表面もしくは裁頭円錐形シール区域の基部の周囲において、患者インターフェース構造体中に設けられる、薄い領域またはトランポリン部が、力(または複数の力)の切離しを補助することができる点を理解されたい。
【0196】
図42a〜
図42cは、左右方向への力(または複数の力)の切離しを図示し、
図43a〜
図43cは、上下方向への力(または複数の力)の切離しを図示するが、可撓性基部は、例えば左右もしくは上下の組み合わされた方向、または、患者の顔の方向に向かう方向および患者の顔から離れる方向などの、他の方向への力の切離しを補助することができる。
【0197】
上述のように、患者インターフェース構造体の基部のプレナムは、半剛性、または可撓性であり、それにより、このプレナムは、チューブ牽引力などの力が患者インターフェース構造体に対してかけられる場合に屈曲または撓曲することとなる。このプレナムは、例えば患者インターフェース構造体に連結されたエルボ中に設けられたベントなどを介して、患者インターフェース構造体の通気を維持するのに十分な半剛性または可撓性のものである。換言すれば、プレナムは、プレナム自体が折り畳まれ、患者インターフェース構造体の通気を妨げるのを防ぐのに十分な半剛性または可撓性のものである。
【0198】
(3.5.8 可撓性ストラップ)
図42a〜
図43cに関連して上述したように、例えば可撓性メインストラップ74r、74lなどのストラップは、例えばチューブ牽引力などの患者インターフェース構造体に対してかかる力(または複数の力)を切り離すのを補助するために延伸することができる。さらに、このストラップは、患者インターフェース構造体に対してかかる力(または複数の力)を切り離すのを補助するために屈曲または撓曲することができる。例えば、メインストラップ(または複数のメインストラップ)74r、74lは、力の切離しを補助するように、ストラップ(または複数のストラップ)によって画定される平面内にて、および/またはこの平面から出て、屈曲または撓曲することができる。別の例としては、コネクタ84により画定されるストラップ(または複数のストラップ)74r、74lの分岐領域は、加えられる力(または複数の力)に対して屈曲、撓曲、および/または延伸することができる。
【0199】
側部ストラップ、頂部ストラップ、および後部ストラップ、ならびにメインストラップループおよび後部ストラップループを概して備えるシール位置決め/安定化構造体に関連して、様々なサンプルの実施形態を説明したが、他のシール位置決め/安定化構造体を使用し得ることを理解されたい。例えば、シール位置決め/安定化構造体は、患者の耳の周囲を周って巻かれ、係合するストラップを含んでよい。シール位置決め/安定化構造体は、弾性ストラップおよび/または非弾性ストラップを含んでよい。さらに、シール位置決め/安定化構造体は、多様なサイズにおいて提供されてもよい。シール位置決め/安定化構造体は、シリコーンから形成されてもよい。例えば、シール位置決め/安定化構造体は、単一部材としてシリコーンから成型されてよい。しかし、シール位置決め/安定化構造体は、例えば2つ、3つ、または6つの部材など、複数の部材に成型されてよいことを理解されたい。代替としては、多様な硬度(すなわち硬さ)のシリコーンを一体成型することができる。さらに、シリコーンは、例えば頬領域などの、力の集中度が比較的高い区域において、シール位置決め/安定化構造体の強度を高めるために、例えば
図16a〜
図16gなどに図示されるように、シール位置決め/安定化構造体全体にわたって様々な幅および高さ(厚さ)を有してもよい。さらに、ストラップは、制汗構成部を有してもよい。例えば、患者の顔に接触するように構成されたストラップの側面が、発汗を最小限に抑えるまたは防ぐようにテクスチャ化されてよい。
【0200】
さらに、シール位置決め/安定化構造体および患者インターフェース構造体は、例えば2004年12月24日に出願された、豪州国出願第2004308536号において開示されるような、交換可能な鼻枕と共に一体部材として成型されてよいことを理解されたい。該出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0201】
さらに、患者インターフェースシステムは、患者インターフェース構造体を患者の顔の上において定位置に保持するために、シール位置決め/安定化構造体の代わりに鼻クリップを備えてもよいことを理解されたい。
【0202】
例えばシリコーンなどから形成されるものとして、患者インターフェース構造体を例示のサンプルの実施形態と関連して上述した。患者インターフェース構造体は、例えば、2007年7月30日に出願された国際出願PCT/AU2007/001051、2007年7月27日に出願された国際出願PCT/AU2007/001052、および2007年11月6日に出願された豪州国仮特許出願第2007906102号に開示されているような発泡体材料などから形成されてもよいことを理解されたい。3つの該出願全ての全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、患者インターフェース構造体は、ゲルを含んでよいことを理解されたい。
【0203】
鼻枕または鼻プロングに関連して、上述の様々なサンプルの実施形態を説明したが、例えば特許文献12(Trimble)、特許文献13(Wilkieら)、特許文献14(Wood)、および 特許文献15(Lovell)などにおいて開示されているような他の形態のノズルまたは鼻シールを使用し得ることを理解されたい。
【0204】
現時点において最も実用的であり好ましい実施形態であると見なされるものに関連して本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されず、逆に、その趣旨および範囲に含まれる多様な変形形態および均等構成物を含むように意図されることを理解されたい。さらに、上述の多様な実施形態は、例えば、一実施形態の複数の態様が、別の実施形態の複数の態様と組み合わされて、さらに他の実施形態を実現するなど、他の実施形態と組み合わせて実施されてもよい。さらに、任意の所与のアセンブリの各独立した構成部または構成要素が、さらなる実施形態を構築することができる。さらに、任意の所与のアセンブリの各個別の構成要素、任意の所与のアセンブリの個別の構成要素の1つまたは複数の部分、および、1つもしくは複数の実施形態からの構成要素の種々の組合せが、1つまたは複数の装飾的設計構成部を含んでよい。さらに、本発明は、OSAを患う患者に対して特定的な用途を有するが、他の疾患(例えば、鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、発作、肥満手術、等々)を患う患者が、上述の教示から利益を享受することが可能であることを理解されたい。さらに、上述の教示は、非医療的用途におけるのと同様に、患者および非患者に関して適用性を有する。