特許第6084234号(P6084234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084234
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】体臭抑制剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20170213BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20170213BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20170213BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170213BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20170213BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20170213BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20170213BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   A61K8/19
   A61K8/29
   A61Q15/00
   A61Q19/00
   A61Q19/10
   A61Q5/02
   A61Q5/06
   A61L9/01 B
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-551128(P2014-551128)
(86)(22)【出願日】2013年12月4日
(86)【国際出願番号】JP2013082619
(87)【国際公開番号】WO2014088039
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2015年6月16日
(31)【優先権主張番号】特願2012-268359(P2012-268359)
(32)【優先日】2012年12月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】100137419
【弁理士】
【氏名又は名称】桂田 正徳
(72)【発明者】
【氏名】原 武史
(72)【発明者】
【氏名】志水 弘典
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−145747(JP,A)
【文献】 特開平09−234364(JP,A)
【文献】 特開平04−256436(JP,A)
【文献】 特開2005−263610(JP,A)
【文献】 特開平02−224761(JP,A)
【文献】 特開平08−208211(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0110689(US,A1)
【文献】 特表2014−516903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
A61L 9/01− 9/014
B01J 20/00− 20/34
D06M 11/00− 11/84
C09C 1/00− 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚、衣類または履物に塗布して用いられる体臭抑制剤であって、
平均粒径が15〜50μmである活性炭と、前記活性炭の表面に存在する酸化チタンとを含む酸化チタン被覆活性炭を含有することを特徴とする体臭抑制剤。
【請求項2】
前記酸化チタンの平均粒径が0.01〜0.5μmである請求項1に記載の体臭抑制剤。
【請求項3】
前記活性炭100重量部に対する、前記酸化チタンの重量割合が550〜1500重量部である請求項1または2に記載の体臭抑制剤。
【請求項4】
制汗成分を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体臭抑制剤。
【請求項5】
皮膚に塗布して用いられる体臭抑制剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の体臭抑制剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は体臭抑制剤に関する。詳しくは、皮膚に塗布することなどにより、腋臭などの体臭に対して優れた防臭効果を発揮する体臭抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
大衆に不快感を与える、腋臭、足臭、汗臭等の体臭は、主に、皮脂等の脂質と汗との混合物が皮膚常在菌により分解されることにより生じる。例えば、腋臭は、腋窩に存在するアポクリン汗腺から分泌される分泌物に含まれる脂質の分解物である脂肪酸の臭気等に起因する。
【0003】
このような体臭を抑制するために、従来、殺菌、制汗や消臭などの様々な手法が用いられている(例えば、非特許文献1参照)。例えば、消臭成分として、酸化亜鉛やシリカを用いたデオドラント組成物が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。しかしながら、近年、より一層の体臭抑制機能向上が求められてきており、例えば、より一層優れた消臭機能を有する消臭成分が求められてきている。
【0004】
一方、炭の吸着機能に着目して、通常の化粧水にヤシガラ活性炭等を混合した体臭除去化粧水が提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−148785号公報
【特許文献2】特開2009−209043号公報
【特許文献3】特開2002−145747号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】光井武夫編、「新化粧品学」、第2版、株式会社南山堂、2001年、p.510−515
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、酸化亜鉛などの従来一般的に知られている消臭成分と比べて、活性炭が極めて優れた消臭機能を有することを見出し、活性炭を配合した体臭抑制剤の作製を試みた。しかしながら、活性炭を配合した体臭抑制剤は、皮膚や衣類等に塗布、例えば噴霧により塗布して用いた場合には、体臭抑制剤を塗布された皮膚等が黒く汚れてしまい、実用に適さないことがわかった。また、皮膚に塗布して用いる場合には、塗布後の皮膚がざらつき、使用感が低下することがわかった。さらに、スプレー容器に充填して用いる場合には、ノズルの詰まりが生じやすい問題があることがわかった。なお、上記特許文献3には、汚れ、使用感やノズルの詰まりの課題は一切記載されていない。すなわち、活性炭を配合した体臭抑制剤であって、塗布対象である皮膚等を黒く汚すことがなく実用適性に優れた体臭抑制剤は見出されておらず、さらに使用感にも優れた体臭抑制剤やノズルの詰まりを防止できる体臭抑制剤も見出されていないのが現状である。
【0008】
従って、本発明の目的は、活性炭を配合した体臭抑制剤であって、体臭抑制効果に優れ、なおかつ、塗布対象を黒く汚すことがなく実用適性にも優れた体臭抑制剤を提供することにある。また、皮膚に塗布して用いる場合には、使用感にも優れた体臭抑制剤を提供することにある。さらに、スプレー容器に充填して用いる場合には、ノズルの詰まりを防止できる体臭抑制剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、平均粒径が特定の範囲にある活性炭の表面に酸化チタンを存在させた、酸化チタン被覆活性炭を配合することにより、優れた体臭抑制効果を有し、なおかつ、塗布対象である皮膚等を黒く汚すことがなく実用適性にも優れた体臭抑制剤を得ることができることを見出し、さらに、上記体臭抑制剤は、皮膚に塗布して用いる場合には使用感にも優れ、スプレー容器に充填して用いる場合にはノズルの詰まりを防止できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、平均粒径が15〜50μmである活性炭と、上記活性炭の表面に存在する酸化チタンとを含む酸化チタン被覆活性炭を含有することを特徴とする体臭抑制剤を提供する。
【0011】
また、上記酸化チタンの平均粒径は0.01〜0.5μmが好ましい。
【0012】
さらに、上記活性炭100重量部に対する、上記酸化チタンの重量割合は500〜1500重量部が好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の体臭抑制剤は、上記構成を有することにより、優れた体臭抑制効果を有する。なおかつ、皮膚や衣類等に塗布、例えば噴霧により塗布して用いる場合に、塗布対象である皮膚等を黒く汚すことがなく実用適性にも優れる。さらに、皮膚に塗布して用いる場合には、塗布後の皮膚が滑らかで使用感に優れる。加えて、スプレー容器に充填して用いる場合には、ノズルの詰まりを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の体臭抑制剤は、酸化チタン被覆活性炭を必須の成分として含有する。上記酸化チタン被覆活性炭は、活性炭の表面に酸化チタンが存在する構造を有する複合体である。上記酸化チタン被覆活性炭は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0015】
なお、本明細書においては、本発明の体臭抑制剤における酸化チタン被覆活性炭を「酸化チタン被覆活性炭(A)」と称する場合がある。また、酸化チタン被覆活性炭(A)を構成する活性炭を、「活性炭(a)」と称する場合がある。また、酸化チタン被覆活性炭(A)を構成する酸化チタンを「酸化チタン(b)」と称する場合がある。
【0016】
すなわち、酸化チタン被覆活性炭(A)は、活性炭(a)と、活性炭(a)の表面に存在する酸化チタン(b)を少なくとも含む。酸化チタン被覆活性炭(A)は、活性炭(a)、酸化チタン(b)以外の成分を含んでいてもよい。活性炭(a)、酸化チタン(b)、および活性炭(a)、酸化チタン(b)以外の成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0017】
上記活性炭(a)は、特に限定されないが、多孔質の炭素質物質である。活性炭(a)は、炭素以外にも、水素、酸素、無機成分等を含んでいてもよい。活性炭(a)は、特に限定されないが、粉末活性炭が好ましい。
【0018】
上記活性炭(a)の原料としては、特に限定されず、活性炭の原料として一般的に用いられるものを用いることができる。具体的には、例えば、ヤシ殻、木材、おが屑、石炭、フェノール樹脂、レーヨン、アクリロニトリル、石炭ピッチ、石油ピッチなどが挙げられる。中でも、ヤシ殻、木材、フェノール樹脂、石炭が好ましい。
【0019】
上記活性炭(a)の平均粒径(平均粒子径)は、15〜50μmであり、好ましくは18〜45μm、さらに好ましくは20〜42μmである。活性炭(a)の平均粒径が上記範囲内であることにより、酸化チタン被覆活性炭(A)が白色となるため、本発明の体臭抑制剤を塗布した際に塗布対象である皮膚等を黒く汚すこと(以下、「塗布汚れ」と称する場合がある)がなく、なおかつ、体臭抑制効果も優れたものとなる。また、皮膚に塗布して用いる場合には、使用感にも優れる。さらに、本発明の体臭抑制剤をスプレー容器に充填して用いる場合には、ノズルの詰まりを防止できる。上記平均粒径が15μm未満では、酸化チタン被覆活性炭が灰色から黒色となり塗布汚れが生じやすく、多量の酸化チタンを被覆させて白色化させると吸着能が低下するため、塗布汚れ防止と体臭抑制効果を両立できなくなる。一方、上記平均粒径が50μmを超えると、体臭抑制剤を皮膚に塗布した場合にざらつきが生じ、使用感が低下する。さらに、スプレー容器に充填して用いる場合には、ノズル詰まりが生じやすくなる。
【0020】
なお、上記「活性炭(a)の平均粒径」は、酸化チタン被覆活性炭(A)を構成する活性炭全体の平均粒径を意味する。また、本明細書において、活性炭(a)の平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定することができ、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分析計「MT3300」(日機装株式会社製)により測定することができる。
【0021】
上記活性炭(a)の中心細孔径は、特に限定されないが、酸化チタン被覆活性炭の吸着能を向上させ体臭抑制効果を向上させる観点から、0.1〜10nmが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0nmである。活性炭(a)の中心細孔径は、特に限定されないが、例えば、BET法により測定することができ、例えば、細孔分布測定装置「Belsorp」(日本ベル株式会社製)により測定することができる。
【0022】
上記活性炭(a)のヨウ素吸着量は、特に限定されないが、酸化チタン被覆活性炭の吸着能を向上させ体臭抑制効果を向上させる観点から、100〜3000mg/gが好ましく、より好ましくは500〜2000mg/gである。本明細書において、活性炭(a)のヨウ素吸着量は、滴定法(JIS K 1417)により測定することができる。
【0023】
上記活性炭(a)は、公知の製造方法により製造することができる。例えば、公知の活性炭を粉砕および分級する方法により製造することができる。また、活性炭(a)は市販品を用いることもできる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、商品名「太閤A」(フタムラ化学株式会社製)などが挙げられる。
【0024】
上記酸化チタン(b)としては、特に限定されず、公知の酸化チタン(二酸化チタン)を用いることができる。上記酸化チタン(b)としては、特に限定されないが、例えば、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の酸化チタンが挙げられる。
【0025】
上記酸化チタン(b)の平均粒径は、特に限定されないが、0.001〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.4μm、さらに好ましくは0.2〜0.3μmである。酸化チタン(b)の平均粒径が上記範囲内であることにより、酸化チタン被覆活性炭(A)を白色とする効果が向上するため、本発明の体臭抑制剤の塗布汚れを防止する効果が向上するため好ましい。上記平均粒径が0.001μm未満では、酸化チタン被覆活性炭(A)が灰色から黒色となり、塗布汚れが生じ体臭抑制剤の実用適性が低下する場合がある。
【0026】
なお、上記「酸化チタン(b)の平均粒径」は、酸化チタン被覆活性炭(A)を構成する酸化チタン全体の平均粒径を意味する。また、本明細書において、酸化チタン(b)の平均粒径(球相当径)は、BET法(又は簡易BET法)により測定される比表面積より算出することができる。
【0027】
上記酸化チタン(b)は市販品を用いることができる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、商品名「タイペークCR−50」(石原産業株式会社製)、商品名「MT−700B」(テイカ株式会社製)などが挙げられる。
【0028】
上記酸化チタン被覆活性炭(A)は、樹脂を含んでいてもよい。上記樹脂は、特に限定されないが、バインダー樹脂として用いられる。上記樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。中でも、アクリル樹脂(特に、水性アクリル樹脂)が好ましく、例えば、アクリル酸アルキル共重合体などが挙げられる。
【0029】
上記酸化チタン被覆活性炭(A)は、特に限定されないが、金属塩などを含んでいてもよい。
【0030】
酸化チタン被覆活性炭(A)において、活性炭(a)100重量部に対する、酸化チタン(b)の重量割合は、特に限定されないが、10〜10000重量部が好ましく、より好ましくは100〜5000重量部、より好ましくは500〜2000重量部、より好ましくは500〜1500重量部、より好ましくは550〜1050重量部、さらに好ましくは600〜1000重量部である。すなわち、[活性炭(a):酸化チタン(b)](重量比)は、1:0.1〜1:100が好ましく、より好ましくは1:1〜1:50、より好ましくは1:5〜1:20、より好ましくは1:5〜1:15、より好ましくは1:5.5〜1:10.5、さらに好ましくは1:6〜1:10である。活性炭(a)に対する酸化チタン(b)の重量割合が上記範囲よりも小さい(酸化チタン(b)が少ない)場合には、酸化チタン被覆活性炭(A)が灰色から黒色となり、塗布汚れが生じ体臭抑制剤の実用適性が低下する場合がある。一方、活性炭(a)に対する酸化チタン(b)の重量割合が上記範囲よりも大きい(酸化チタン(b)が多い)場合には、酸化チタン被覆活性炭(A)の吸着能が低下し、本発明の体臭抑制剤の体臭抑制効果が低下する場合がある。
【0031】
酸化チタン被覆活性炭(A)中の、活性炭(a)の含有量と酸化チタン(b)の含有量の合計量は、特に限定されないが、酸化チタン被覆活性炭(A)100重量%に対して、50重量%以上(50〜100重量%)が好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。また、上限値は特に限定されず、100重量%以下が好ましく、より好ましくは99.95重量%以下である。90重量%以下であってもよく、85重量%以下であってもよい。
【0032】
酸化チタン被覆活性炭(A)中の、上記樹脂の含有量は、特に限定されないが、活性炭(a)に対する酸化チタン(b)の付着性向上等の観点から、酸化チタン被覆活性炭(A)100重量%に対して、0.005〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜1重量%である。
【0033】
酸化チタン被覆活性炭(A)において、酸化チタン(b)は、活性炭(a)の表面に存在する。すなわち、酸化チタン被覆活性炭(A)は、活性炭(a)が酸化チタン(b)により被覆された構造を有している。なお、酸化チタン被覆活性炭(A)においては、活性炭(a)の表面の全面が酸化チタン(b)によって被覆されていてもよいし、活性炭(a)の表面の一部のみが酸化チタン(b)によって被覆されていてもよい。
【0034】
上記酸化チタン被覆活性炭(A)は、活性炭(a)の表面上に、酸化チタン(b)を付着させることにより形成される。好ましくは、活性炭(a)の表面上に、上記樹脂を介して酸化チタン(b)を付着させることにより形成される。
【0035】
上記酸化チタン被覆活性炭(A)の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることが可能で、例えば、特開平4−256436号公報に記載の白色活性炭の製造方法、特開2005−263610号公報に記載の酸化チタン被覆活性炭の製造方法を用いることができる。
【0036】
上記酸化チタン被覆活性炭(A)の具体的な製造方法としては、例えば、以下のとおりである。活性炭(a)、酸化チタン(b)、および上記樹脂のエマルションを混合し、活性炭(a)の表面を酸化チタン(b)で被覆する。次いで、得られた酸化チタン(b)で被覆された活性炭(a)を乾燥し、さらに必要に応じて、粒状に解砕して、酸化チタン被覆活性炭(A)を得る。
【0037】
本発明の体臭抑制剤中の酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量は、特に限定されないが、本発明の体臭抑制剤100重量%に対して、0.0001〜70重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜30重量%である。酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量が0.0001重量%未満では、体臭抑制効果が不十分となる場合があり、一方、70重量%を超えると、皮膚上での白浮きを起こす場合がある。
【0038】
本発明の体臭抑制剤は、酸化チタン被覆活性炭(A)以外の成分を含有してもよい。本発明の体臭抑制剤に含まれる各成分は、それぞれ、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0039】
本発明の体臭抑制剤は、制汗成分を含有してもよい。上記制汗成分は、皮膚を収斂することにより汗の発生を抑制する薬剤である。上記制汗成分としては、特に限定されないが、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
【0040】
本発明の体臭抑制剤は、殺菌成分を含有してもよい。上記殺菌成分は、体臭の原因となる物質を生成する皮膚常在菌の増殖を抑制する薬剤である。上記殺菌成分としては、特に限定されないが、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、フェノール、トリクロロカルバニリド、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、サリチル酸、ソルビン酸、塩化リゾチームなどが挙げられる。
【0041】
本発明の体臭抑制剤は、酸化チタン被覆活性炭(A)以外の消臭成分を含有してもよい。上記消臭成分は、臭いを発する物質と反応したり、臭いを発する物質を吸着したり、臭いをマスクしたりして、臭いを消す効果を有する薬剤である。上記消臭成分としては、特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛などの金属酸化物、シリカ、アルキルジエタノールアミド、ヒドロキシアパタイト、茶抽出物、香料、酸化防止剤などが挙げられる。
【0042】
本発明の体臭抑制剤は、特に限定されないが、油脂、ロウ類、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、清涼化剤、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール、増粘剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、動物エキス、植物エキス、pH調整剤、保湿剤、界面活性剤、防腐剤、粉体、ビタミン類などの薬剤、着色剤、噴射剤、水等を適宜配合することもできる。
【0043】
上記油脂としては、特に限定されないが、例えば、アボガド油、つばき油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ヒマシ油などが挙げられる。上記ロウ類としては、特に限定されないが、例えば、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなどが挙げられる。上記炭化水素油としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワレン、スクワランなどが挙げられる。上記エステル油としては、特に限定されないが、例えば、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸ポリグリセリルなどが挙げられる。上記シリコーン油としては、特に限定されないが、例えば、メチルポリシロキサン、平均重合度が650〜7000である高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状シリコーン;メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーン;アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などのアミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーンなどの変性シリコーンなどが挙げられる。
【0044】
上記低級アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。上記高級アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールなどが挙げられる。上記多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールなどが挙げられる。
【0045】
上記界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、グリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、シリコーン界面活性剤などのノニオン界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩などのアニオン界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0046】
上記清涼化剤としては、特に限定されないが、例えば、メントール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、ハッカ油、ペパーミント油、カンファー、イシリンなどが挙げられる。上記増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、ベントナイト、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシメチルセルロースなどが挙げられる。上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、トコフェロール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体などが挙げられる。上記金属イオン封鎖剤としては、特に限定されないが、例えば、エデト酸塩、リン酸、ポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。上記pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。上記粉体としては、特に限定されないが、例えば、タルク、カオリン、セリサイト、マイカ、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ゼオライト、アパタイトなどの無機粉体;セルロース末、シルク末、トウモロコシデンプンなどの有機粉体;ポリエチレン末、ナイロン末、ポリアクリル酸アルキル、架橋ポリスチレン、メチルシロキサン網状重合体、架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体、シリコーンエラストマーなどの合成高分子粉体が挙げられる。
【0047】
特に、本発明の体臭抑制剤がエアゾールスプレー剤である場合には、噴射剤を含有することが好ましい。上記噴射剤としては、特に限定されず、化粧品に一般的に用いられる噴射剤等を用いることができ、例えば、液化石油ガスなどが挙げられる。
【0048】
本発明の体臭抑制剤は、ローション、エアゾールスプレー、ナチュラルスプレー、スティック、パウダー、ロールオン、クリーム、ジェル、乳液、シート(ペーパー)、ボディ用洗浄料(例えば、ボディシャンプー、固形石鹸など)、洗髪用化粧料(例えば、シャンプー、リンスなど)などの種々の剤型とすることができる。中でも、本発明の体臭抑制剤は、エアゾールスプレー剤、ローション剤、スティック剤、ロールオン剤、クリーム剤、拭き取り用シート剤であることが好ましく、より好ましくはエアゾールスプレー剤である。なお、本発明の体臭抑制剤の製剤化は、一般に知られている製造方法により行うことができる。
【0049】
本発明の体臭抑制剤は、体臭を抑制する目的で用いられる防臭剤(消臭剤、デオドラント剤とも称する)である。本発明の体臭抑制剤は、特に限定されないが、塗布汚れを防止する効果を有する観点から、皮膚に対して用いられる皮膚用の体臭抑制剤、衣類に対して用いられる衣類用の体臭抑制剤、または、履物に対して用いられる履物用の体臭抑制剤であることが好ましい。特に、皮膚、衣類または履物に塗布(特に直接塗布)して用いる体臭抑制剤であることが好ましい。なお、上記塗布(直接塗布)とは、噴霧、噴射による塗布の意味も含むものとする。置き型や吊り下げ型の防臭剤としては、本発明の効果が十分に発揮されない場合がある。本発明の体臭抑制剤を、身体に塗布する場合の塗布部としては、特に限定されないが、例えば、腋下、腕、足、足裏、首、胸、臀部などが挙げられる。上記衣類としては、特に限定されないが、例えば、ジャケット、ワイシャツ、コート、Tシャツ、トレーナー、セーター、ジャージ、ズボン、スラックス、ジーンズ、スカート、ワンピース、ドレス、下着、パジャマ、浴衣、帽子、スカーフ、バンダナ、マフラー、ネクタイ、手袋、帯、ベルト、靴下、足袋、レッグウォーマー、タイツなどが挙げられる。上記履物としては、特に限定されないが、例えば、靴、スニーカー、ハイヒール、パンプス、ミュール、ブーツ、サンダル、スリッパ、下駄などが挙げられる。
【0050】
本発明の体臭抑制剤がエアゾールスプレー剤である場合について、以下に、より詳細に説明する。本発明の体臭抑制剤がエアゾールスプレー剤である場合、本発明の体臭抑制剤は、酸化チタン被覆活性炭(A)を少なくとも含む原液と、噴射剤のみからなる。
【0051】
なお、本明細書においては、エアゾールスプレー剤における噴射剤以外の全成分を「原液」と称する。すなわち、エアゾールスプレー剤である本発明の体臭抑制剤100重量%中、上記原液の含有量と上記噴射剤の含有量の合計量は100重量%である。上記原液の含有量は、特に限定されないが、本発明の体臭抑制剤100重量%に対して、1〜80重量%が好ましく、より好ましくは5〜70重量%である。
【0052】
上記原液は、酸化チタン被覆活性炭(A)を必須成分として含む。上記原液中の酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量は、特に限定されないが、原液100重量%に対して、0.01〜80重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜60重量%である。酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量が0.01重量%未満では、体臭抑制効果が不十分となる場合があり、一方、80重量%を超えると、白浮きを起こす場合がある。
【0053】
上記原液は、エステル油を含むことが好ましく、特にミリスチン酸イソプロピルを含むことが好ましい。上記原液中のエステル油(特に、ミリスチン酸イソプロピル)の含有量は、特に限定されないが、ガスと原液の相溶性の観点から、原液100重量%に対して、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは30〜80重量%である。
【0054】
エアゾールスプレー剤である本発明の体臭抑制剤は、公知のエアゾールスプレー剤の製造方法により製造することができる。特に限定されないが、例えば、上記原液をエアゾール用容器に充填し、エアゾール用バルブにより容器をクリンチした後、噴射剤をステムより規定量充填し、ステムに適したボタンを装着する方法が挙げられる。
【0055】
本発明の体臭抑制剤がローション剤である場合、上記体臭抑制剤中の酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量は、特に限定されないが、体臭抑制剤100重量%に対して、0.0001〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜10重量%である。酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量が0.0001重量%未満では、体臭抑制効果が不十分となる場合があり、一方、50重量%を超えると、使用感が低下する場合がある。ローション剤である本発明の体臭抑制剤は、公知のローション剤の製造方法により製造することができる。
【0056】
本発明の体臭抑制剤がスティック剤である場合、上記体臭抑制剤中の酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量は、特に限定されないが、体臭抑制剤100重量%に対して、0.0001〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜30重量%である。酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量が0.0001重量%未満では、体臭抑制効果が不十分となる場合があり、一方、50重量%を超えると、使用感が低下する場合がある。スティック剤である本発明の体臭抑制剤は、公知のスティック剤の製造方法により製造することができる。
【0057】
本発明の体臭抑制剤がロールオン剤である場合、上記体臭抑制剤中の酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量は、特に限定されないが、体臭抑制剤100重量%に対して、0.0001〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜30重量%である。酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量が0.0001重量%未満では、体臭抑制効果が不十分となる場合があり、一方、50重量%を超えると、使用感が低下する場合がある。ロールオン剤である本発明の体臭抑制剤は、公知のロールオン剤の製造方法により製造することができる。
【0058】
本発明の体臭抑制剤がクリーム剤である場合、上記体臭抑制剤中の酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量は、特に限定されないが、体臭抑制剤100重量%に対して、0.0001〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜30重量%である。酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量が0.0001重量%未満では、体臭抑制効果が不十分となる場合があり、一方、50重量%を超えると、使用感が低下する場合がある。クリーム剤である本発明の体臭抑制剤は、公知のクリーム剤の製造方法により製造することができる。
【0059】
本発明の体臭抑制剤がシート剤(例えば、拭き取り用シート)である場合について、以下に、より詳細に説明する。本発明の体臭抑制剤がシート剤である場合、本発明の体臭抑制剤は、シート状基材と、上記シート状基材に含浸した、酸化チタン被覆活性炭(A)を少なくとも含む原液とからなる。上記原液中の酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量は、特に限定されないが、原液100重量%に対して、0.0001〜50重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜30重量%である。酸化チタン被覆活性炭(A)の含有量が0.0001重量%未満では、体臭抑制効果が不十分となる場合があり、一方、50重量%を超えると、使用感が低下する場合がある。シート剤(例えば、拭き取り用シート)である本発明の体臭抑制剤は、公知のシート剤の製造方法により製造することができる。
【0060】
本発明の体臭抑制剤における酸化チタン被覆活性炭(A)は、従来の体臭抑制剤に用いられている消臭成分と比較して、格段に優れた体臭抑制効果を有する。本発明の体臭抑制剤は、さらに制汗剤や殺菌剤を含有することにより、体臭抑制効果をより一層向上することができる。このため、本発明の体臭抑制剤は、従来の体臭抑制剤が達成しえなかった優れた体臭抑制効果を発揮することができる。
また、酸化チタン被覆活性炭(A)は白色であるため、本発明の体臭抑制剤を塗布した場合に、塗布対象が黒く汚れることがない。このため、皮膚、衣類や履物に塗布して用いることができ、実用適性に優れる。酸化チタン被覆活性炭(A)のかわりに、黒色の活性炭を用いた場合には、皮膚や衣類などの塗布対象が黒く汚れてしまうため、実用上これらに直接塗布して用いることができない。
さらに、酸化チタン被覆活性炭(A)は平均粒径が小さいため、皮膚に塗布して用いる場合には、塗布後の皮膚がざらつきなく滑らかで使用感に優れる。また、スプレー容器に充填してスプレー剤、特にエアゾールスプレー剤、として用いる場合に、スプレー容器のノズル(噴射口)の詰まりが抑制される。このため、本発明の体臭抑制剤は、エアゾールスプレー剤などとしても有用である。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は、特記しない限り「重量%」を表す。
【0062】
酸化チタン被覆活性炭(A−1)の製造例
活性炭(商品名「GW−B32/60」、クラレケミカル株式会社製)を解砕機を用いて破砕し、さらに分級して、平均粒径:40.9μmの活性炭(粉末活性炭)を得た。
上記で得られた活性炭(平均粒径:40.9μm)1.8gと酸化チタン(商品名「CR−50」、石原産業株式会社製、平均粒径:0.25μm)10.8gを混合し、混合物(1)を得た。
45%アクリル酸アルキル共重合体液(商品名「ヨドゾールGH800F」、アクゾノーベル(AkzoNobel)社製)0.1gに、3%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液0.02gと精製水2.5gを加え、十分に撹拌し、混合液(2)を得た。
混合液(2)を撹拌しながら、混合液(2)に混合物(1)を混合し、混合液(3)を得た。次いで、得られた混合液(3)を115℃で2時間乾燥し、さらに、乾燥物を解砕機にて粉状に解砕して酸化チタン被覆活性炭(A−1)を得た。
【0063】
酸化チタン被覆活性炭(A−2)〜(A−10)、(B−1)、(B−2)の製造例
表1に記載したように、活性炭の平均粒径や原料、酸化チタンの平均粒径、活性炭と酸化チタンの混合比等を変更して、上記「酸化チタン被覆活性炭(A−1)の製造例」と同様にして、酸化チタン被覆活性炭(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−6)、(A−7)、(A−8)、(A−9)、(A−10)、(B−1)、(B−2)を得た。
【0064】
活性炭(C−1)の製造例
また、上記「酸化チタン被覆活性炭(A−1)の製造例」において作製した、平均粒径:40.9μmの活性炭(酸化チタンを被覆していないもの)を活性炭(C−1)とした。
【0065】
(評価)
上記製造例で得られた(A−1)〜(A−10)、(B−1)、(B−2)、(C−1)を、それぞれ、以下の通り評価した。評価結果は表1に記載した。なお、以下、(A−1)〜(A−10)、(B−1)、(B−2)、(C−1)を「製造例で得られた各粒子」と称する場合がある。
【0066】
(1)明度(L値)
製造例で得られた各粒子を、底面の半径1.0cm、深さ0.6cmのプラスチック製容器に、すりきり一杯に入れて各サンプルとした。次いで、分光測色計(商品名「SPECTROPHOTOMETER CM−2600d」、コニカミノルタ社製)を用いて、各サンプルの明度(L値)を測定し、下記評価基準に従って塗布汚れの防止効果を評価した。
<評価基準>
◎(優れる):L値が80以上100以下(白色)。
○(良好):L値が75以上80未満(白色〜灰白色)。
△(使用可能):L値が70以上75未満(灰白色〜灰色)。
×(不良) :L値が70未満(灰色〜黒色)。
なお、L値は、L表色系で規定される値であり、JIS Z 8729にも規定されている。
【0067】
(2)ヒトから発せられる体臭成分(イソ吉草酸)の吸着能
バイアル瓶(容量:15mL)に、1.0体積%イソ吉草酸水溶液300μLと製造例で得られた各粒子60mgを入れ密栓して、35℃で30分間静置した。次いで、上記バイアル瓶のヘッドスペースをガスタイトシリンジで1mL採取しサンプルとした。
ガスクロマトグラフ−水素炎イオン化型検出器(GC−FID)を用いて、以下の条件で、上記各サンプル中のイソ吉草酸の量を測定した。具体的には、イソ吉草酸のArea値(ピーク面積)を測定した。
また、上記粒子を添加しない以外は上記と同様にして、粒子無添加時のイソ吉草酸のArea値を測定し、基準値(コントロール)とした。
上記基準値(粒子無添加時のArea値)と、各サンプルのイソ吉草酸のArea値とを比較して、下記式より各サンプルの吸着率(%)を算出した。
吸着率(%)=[1−(サンプルのArea値/基準値)]×100
<GC−FID測定条件>
使用カラム:アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies)社製、商品名「DB−1701」(長さ30m×内径0.25mm×膜厚1μm)
使用ガス :ヘリウムガス
温度条件 :40℃から150℃までの昇温(昇温速度5℃/min)、150℃〜280℃までの昇温(昇温速度10℃/min)
検出法:水素炎イオン化検出器(FID)
さらに、以下の判定基準に基づき、各粒子のイソ吉草酸の吸着能を判定した。
<吸着能の判定基準>
◎(優れる):吸着率が70%以上100%以下
○(良好) :吸着率が50%以上70%未満
△(使用可能):吸着率が35%以上50%未満
×(不良) :吸着率が35%未満
なお、一般的に消臭成分として用いられる無水ケイ酸(商品名「シリカマイクロビード P−1500」、触媒化成工業株式会社製)のイソ吉草酸の吸着能は、約35%であった。
【0068】
(3)使用感
被験者10名により、製造例で得られた各粒子について下記試験方法に従い、評価を行った。
<試験方法>
被験者の上腕内側部に、製造例で得られた各粒子をそれぞれ5mg塗布し、使用感を下記評価基準に従い評価した。さらに、被験者10名についての点数を平均し、算出された平均点から、下記判定基準に従って、判定を行った。
<評価基準>
4点:塗布部が非常に滑らか。
3点:塗布部が滑らか。
2点:塗布部が少しざらつく。
1点:塗布部が非常にざらつく。
<判定基準>
◎(優れる):平均3.6点以上
○(良好) :平均3.0点以上3.6点未満
△(使用可能):平均2.0点以上3.0点未満
×(不良) :平均2.0点未満
【0069】
【表1】
【0070】
実施例1〜10、比較例1〜3
表2に記した組成に従い、各成分を混合して、実施例および比較例の各体臭抑制剤を調製した。
【0071】
(評価)
各実施例および各比較例で得られた各体臭抑制剤について以下の通り評価した。評価結果は表2に記載した。
【0072】
(4)塗布汚れ
各実施例および各比較例で得られた各体臭抑制剤について下記試験方法に従い、評価を行った。
<試験方法>
各実施例および各比較例で得られた各体臭抑制剤(塗布量:500mg)を、被験者の上腕内側部に塗布し、塗布汚れの防止効果を目視にて評価し、下記判定基準に従って判定を行った。
<判定基準>
○(優れる):塗布部に黒い汚れが見られない。
△(使用可能):塗布部がわずかに黒く汚れている。
×(不良):塗布部が明らかに黒く汚れている。
【0073】
(5)使用感
被験者10名により、各実施例および各比較例で得られた各体臭抑制剤について下記試験方法に従い、評価を行った。
<試験方法>
各実施例および各比較例で得られた各体臭抑制剤(塗布量:500mg)を、被験者の上腕内側部に塗布し、使用感を下記評価基準に従い評価した。さらに、被験者10名についての点数を平均し、算出された平均点から、下記判定基準に従って、判定を行った。
<評価基準>
4点:塗布部が非常に滑らか。
3点:塗布部が滑らか。
2点:塗布部が少しざらつく。
1点:塗布部が非常にざらつく。
<判定基準>
◎(優れる):平均3.6点以上
○(良好) :平均3.0点以上3.6点未満
△(使用可能):平均2.0点以上3.0点未満
×(不良) :平均2.0点未満
【0074】
【表2】
【0075】
表2に示した結果からも明らかなとおり、本発明の体臭抑制剤(実施例1〜10)は、優れた使用感を有し、なおかつ、使用時の塗布汚れが抑制された優れた体臭抑制剤であった。
これに対して、酸化チタン被覆活性炭(A)のかわりに、平均粒径が50μmを超える酸化チタン被覆活性炭を用いた場合(比較例2)には、使用時にざらつきがあり、使用感が低下した。
また、酸化チタン被覆活性炭(A)のかわりに、平均粒径が15μm未満の活性炭を用いた酸化チタン被覆活性炭(比較例1)や酸化チタンで被覆していない活性炭を用いた場合(比較例3)には、使用時に塗布部が黒く汚れた。
【0076】
(評価)
さらに、実施例1および実施例7で得られた各体臭抑制剤について、体臭抑制効果を以下のとおり評価した。
【0077】
(6)体臭抑制効果
被験者10名により、実施例1および実施例7で得られた各体臭抑制剤について下記試験方法に従い、評価を行った。
<試験方法>
被験者の腋窩を無香料石鹸で洗浄後、一方の腋窩に各体臭抑制剤(塗布量:2.0g)を塗布した(塗布部)。比較のため、もう一方の腋窩には体臭抑制剤を塗布しなかった(未塗布部)。塗布8時間後に、両方の腋窩(塗布部、未塗布部)の臭気を下記評価基準に従い、専門パネル3名で評価した。被験者10名についての点数を平均し、算出された平均点を評価結果(評点)とした。
<におい強度の評価基準>
0点:におわない。
1点:かすかににおう。
2点:弱くにおう。
3点:はっきりにおう。
4点:やや強くにおう。
5点:かなり強くにおう。
【0078】
上記(6)体臭抑制効果の評価の結果、実施例1で得られた体臭抑制剤の、塗布部の評点は2.2点、未塗布部の評点は3.2点であった。また、実施例7で得られた体臭抑制剤の、塗布部の評点は2.4点、未塗布部の評点は3.2点であった。
上記のとおり、本発明の体臭抑制剤(実施例1、7)は、優れた体臭抑制効果を有していた。
【0079】
実施例11(エアゾールスプレー剤)
下記組成からなる組成物をステムよりエアゾール容器に充填し、ステムに適したボタンを装着してエアゾールスプレー剤(デオドラントスプレー)とした。なお、ステム孔径は0.51mm、ハウジング孔径は下孔径1.58mm、横孔径0.76mmであった。
(エアゾールスプレー剤の組成)
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 2.0重量%
ミリスチン酸イソプロピル 2.0重量%
メチルフェニルポリシロキサン 0.02重量%
LPG 95.98重量%
【0080】
(7)エアゾールスプレー剤による評価
上記実施例11で得られたエアゾールスプレー剤を、5秒間よく振ってから3秒間噴霧吐出した。上記行為を連続的に繰り返したところ、目詰まりを生じることなく、最後まで使い切ることができた。すなわち、本発明の体臭抑止剤は、スプレー剤として用いる場合に、ノズルの詰まりを防止できる優れた特性を有していた。
【0081】
酸化チタン被覆活性炭(A−11)の製造例
活性炭(商品名「GW−B32/60」、クラレケミカル株式会社製)を解砕機を用いて破砕し、さらに分級して、平均粒径:40.9μmの活性炭(粉末活性炭)を得た。
45%アクリル酸アルキル共重合体液(商品名「ヨドゾールGH800F」、アクゾノーベル(AkzoNobel)社製)0.1gに、精製水5.1gを加え、十分に撹拌し、混合液(4)を得た。
混合液(4)を撹拌しながら、混合液(4)を上記で得られた活性炭(平均粒径:40.9μm)1.8gに混合し、混合液(5)を得た。
得られた混合液(5)に酸化チタン(商品名「CR−50」、石原産業株式会社製、平均粒径:0.25μm)10.8gを混合し、混合物(6)を得た。
次いで、得られた混合液(6)を115℃で2時間乾燥し、さらに、乾燥物を解砕機にて粉状に解砕して酸化チタン被覆活性炭(A−11)を得た。
【0082】
実施例12(エアゾールスプレー剤)
下記組成からなる組成物をステムよりエアゾール容器に充填し、ステムに適したボタンを装着してエアゾールスプレー剤(デオドラントスプレー)とした。該エアゾールスプレー剤も、優れた体臭抑制効果を有していた。

(エアゾールスプレー剤の組成)
酸化チタン被覆活性炭(A−11) 1.5重量%
ミリスチン酸イソプロピル 3.5重量%
LPG 95.0重量%
【0083】
以下に、本発明の体臭抑制剤の処方例を示す。
【0084】
(処方例1:デオドラントスプレー(エアゾールスプレー剤))
下記組成からなる原液と、下記組成からなる噴射剤とを、重量比(原液/噴射剤)が5/95となるようにステムよりエアゾール容器に充填し、ステムに適したボタンを装着してデオドラントスプレーとした。
(原液の組成)
タルク 20.0重量%
無水ケイ酸 10.0重量%
クロルヒドロキシアルミニウム 10.0重量%
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
メントール 1.5重量%
トリクロサン 0.1重量%
ジメチルポリシロキサン 15.0重量%
香料 適量
ミリスチン酸イソプロピル 残部
合計 100.0重量%
(噴射剤の組成)
LPG 100.0重量%
【0085】
(処方例2:デオドラントスティック)
下記原料を下記組成となるように混合し、常法に従い、デオドラントスティックとした。
イソプロピルメチルフェノール 0.2重量%
硫酸アルミニウムカリウム 20.0重量%
クロロヒドロキシアルミニウム 10.0重量%
ステアリルアルコール 5.0重量%
モノステアリン酸グリセリン 3.0重量%
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
無水ケイ酸 25.0重量%
キャンデリラロウ 0.5重量%
ヒマシ油 0.1重量%
シトラール 0.04重量%
オイゲノール 0.05重量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 残部
合計 100.0重量%
【0086】
(処方例3:デオドラントジェル)
下記原料を下記組成となるように混合し、デオドラントジェルとした。
メントール 0.5重量%
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2重量%
水酸化カリウム 0.02重量%
イソノナン酸イソノニル 1.5重量%
トリクロサン 0.1重量%
エチルアルコール 30.0重量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0087】
(処方例4:デオドラントロールオン)
下記原料を下記組成となるように混合し、デオドラントロールオンとした。
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
メントール 0.1重量%
トリクロサン 0.1重量%
クロルヒドロキシルアルミニウム 10.0重量%
イソノナン酸イソノニル 1.0重量%
ヒドロキシプロピルセルロース 1.0重量%
エチルアルコール 60.0重量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0088】
(処方例5:拭き取り用シート化粧料)
不織布1gに下記組成からなる組成物5gを含浸させて、拭き取り用シート化粧料とした。
[拭き取り用シート化粧料用組成物の組成]
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
メントール 0.1重量%
タルク 10.0重量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−2−デシルテトラデシルエーテル
0.2重量%
エチルアルコール 40.0重量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0089】
(処方例6:乳液)
下記原料を下記組成となるように混合し、乳液とした。
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
流動パラフィン 15.0重量%
ミツロウ 2.0重量%
ラノリン 1.5重量%
セスキオレイン酸ソルビタン 2.5重量%
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0重量%
1,2−オクタンジオール 0.05重量%
1,3−ブチレングリコール 13.0重量%
キサンタンガム 0.5重量%
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0090】
(処方例7:化粧水)
下記原料を下記組成となるように混合し、化粧水とした。
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
1,3−ブチレングリコール 6.0重量%
グリセリン 4.0重量%
加水分解ヒアルロン酸 0.1重量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−2−デシルテトラデシルエーテル
0.2重量%
エチレングリコールフェニルエーテル 0.3重量%
香料 適量
エチルアルコール 3.0重量%
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0091】
(処方例8:スキンケアジェル)
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケアジェルとした。
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
1,3−ブチレングリコール 10.0重量%
グリセリン 3.0重量%
ジプロピレングリコール 5.0重量%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.4重量%
キサンタンガム 0.01重量%
水酸化カリウム 0.15重量%
デカメチルポリシロキサン 5.0重量%
トリメチルグリシン 10.0重量%
1,2−ペンタンジオール 0.1重量%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル 0.05重量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1重量%
エチルアルコール 3.0重量%
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0092】
(処方例9:スキンケアクリーム)
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケアクリームとした。
流動パラフィン 5.0重量%
パラフィン 5.0重量%
水素添加パーム油 3.0重量%
ベヘニルアルコール 3.0重量%
ステアリン酸 1.0重量%
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0重量%
キサンタンガム 0.05重量%
カルボキシビニルポリマー 0.4重量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.5重量%
ステアリン酸グリセリル 0.5重量%
1,3−ブチレングリコール 10.0重量%
1,2−オクタンジオール 0.2重量%
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル 0.35重量%
グリセリン 5.0重量%
水酸化カリウム 適量
トコフェロール 適量
エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0093】
(処方例10:ボディ用化粧水)
下記原料を下記組成となるように混合し、ボディ用化粧水とした。
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
メントール 0.5重量%
1,3−ブチレングリコール 5.0重量%
ナイロン粉末 5.0重量%
エチルアルコール 50.0重量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0094】
(処方例11:ヘアトニック)
下記原料を下記組成となるように混合し、ヘアトニックとした。
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
メントール 0.5重量%
D−パントテニルアルコール 0.2重量%
ニコチン酸アミド 0.1重量%
酢酸dl−α−トコフェロール 0.1重量%
カンファー 0.001重量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.3重量%
乳酸ナトリウム 0.5重量%
クエン酸 0.05重量%
エチルアルコール 50.0重量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0095】
(処方例12:洗顔料)
下記原料を下記組成となるように混合し、洗顔料とした。
30重量%ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン液 3.0重量%
ラウリン酸 5.0重量%
ミリスチン酸 6.0重量%
パルミチン酸 4.0重量%
ステアリン酸 9.0重量%
ジステアリン酸ポリエチレングリコール(150E.O.)
5.0重量%
10重量%ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミドクロリド共重合体液
10.0重量%
ポリエチレングリコール 20.0重量%
プロピレングリコール 3.0重量%
グリセリン 5.0重量%
1,2−オクタンジオール 0.5重量%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5重量%
水酸化カリウム 5.0重量%
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
エチレンジアミン四酢酸塩 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0096】
(処方例13:ボディシャンプー)
下記原料を下記組成となるように混合し、ボディシャンプーとした。
ラウリン酸 5.0重量%
ミリスチン酸 7.0重量%
プロピレングリコール 4.0重量%
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 3.5重量%
水酸化カリウム 3.6重量%
亜硫酸ソーダ 0.03重量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.3重量%
エチレングリコールフェニルエーテル 0.8重量%
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
エチレンジアミン四酢酸塩 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0097】
(処方例14:シャンプー)
下記原料を下記組成となるように混合し、シャンプーとした。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 6.0重量%
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2.0重量%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム 3.0重量%
スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム 1.0重量%
ヤシ油脂肪酸ジアタノールアミド 5.0重量%
塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース 0.2重量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2重量%
メントール 1.0重量%
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 10.0重量%
エチルアルコール 3.0重量%
塩化ナトリウム 適量
エチレンジアミン四酢酸塩 適量
安息香酸ナトリウム 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0重量%
【0098】
(処方例15:ボディパウダー)
下記原料を下記組成となるように混合し、ボディパウダーとした。
タルク 83.0重量%
マイカ 10.0重量%
酸化チタン被覆活性炭(A−1) 5.0重量%
ワセリン 1.0重量%
スクワラン 1.0重量%
合計 100.0重量%
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明の体臭抑制剤は、体臭を抑制する目的で用いられる防臭剤(消臭剤、デオドラント剤とも称する)として好ましく用いられる。中でも、皮膚に対して用いられる皮膚用の体臭抑制剤、衣類に対して用いられる衣類用の体臭抑制剤や、履物に対して用いられる履物用の体臭抑制剤として好ましく用いられる。