特許第6084243号(P6084243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084243
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】判定装置及び判定方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/24 20060101AFI20170213BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20170213BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170213BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170213BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   G08B21/24
   G08G1/005
   H04M11/00 302
   H04M1/00 R
   G08B25/10 D
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-32999(P2015-32999)
(22)【出願日】2015年2月23日
(65)【公開番号】特開2016-157178(P2016-157178A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2015年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102728
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 哲明
(72)【発明者】
【氏名】小間 洋和
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優太
(72)【発明者】
【氏名】野村 尚美
【審査官】 永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−216464(JP,A)
【文献】 特開2015−133003(JP,A)
【文献】 特開2015−012496(JP,A)
【文献】 特開2008−053988(JP,A)
【文献】 特開2011−253403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00−31/00
G08G 1/00−99/00
H04M 1/00
H04M 1/24− 3/00
H04M 3/16− 3/20
H04M 3/38− 3/58
H04M 7/00− 7/16
H04M 11/00−11/10
H04M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯端末の各々の位置情報に基づいて、1以上のエリアのうちで各々の携帯端末が存在するエリアを判定するエリア判定部と、
前記1以上のエリアの各々について、当該エリア内に存在する携帯端末の数に基づいて、注意喚起を行うエリアを判定する対策要否判定部と、
前記対策要否判定部により注意喚起を行うと判定された一のエリアに存在する移動状態にあり且つ使用状態にある携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信する対策部と、
前記一のエリアに存在する携帯端末の利用者の属性を判定する属性判定部と、
前記属性判定部により判定された属性に基づいて出力情報を判定する出力情報判定部と
を備え、
前記対策部は、前記出力情報判定部により判定された出力情報の出力を指示する制御情報を送信する
ことを特徴とする判定装置。
【請求項2】
複数の携帯端末の各々の位置情報に基づいて、1以上のエリアのうちで各々の携帯端末が存在するエリアを判定するエリア判定部と、
前記1以上のエリアの各々について、当該エリア内に存在する携帯端末の数に基づいて、注意喚起を行うエリアを判定する対策要否判定部と、
前記対策要否判定部により注意喚起を行うと判定された一のエリアに存在する移動状態にあり且つ使用状態にある携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信する対策部と、
前記一のエリアに存在する複数の携帯端末の移動方向の平均を算出する移動方向平均算出部と、
前記一の携帯端末の移動方向を特定する移動方向特定部と
を備え、
前記対策部は、前記移動方向平均算出部により算出された平均と移動方向特定部により特定された移動方向との差に応じて、前記一のエリアに存在する携帯端末のうち、移動状態にあり且つ使用状態にあるとの情報を取得された一の携帯端末に対して、当該一の携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信する
ことを特徴とする判定装置。
【請求項3】
複数の携帯端末の各々の位置情報に基づいて、1以上のエリアのうちで各々の携帯端末が存在するエリアを判定するエリア判定部と、
前記1以上のエリアの各々について、当該エリア内に存在する携帯端末の数に基づいて、注意喚起を行うエリアを判定する対策要否判定部と、
前記対策要否判定部により注意喚起を行うと判定された一のエリアに存在する移動状態にあり且つ使用状態にある携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信する対策部と、
前記一のエリアと隣接するエリアに存在する一の携帯端末の移動方向を判定する移動方向特定部と、
前記移動方向特定部により判定された移動方向が、前記隣接するエリアから前記一のエリアへ向かう方向であるか否かを判定する移動方向判定部と
を備え、
前記移動方向判定部による判定の結果、前記移動方向特定部により判定された移動方向が、前記隣接するエリアから前記一のエリアへ向かう方向である場合に、前記対策部は、前記一のエリアに存在する携帯端末のうち、移動状態にあり且つ使用状態にあるとの情報を取得された一の携帯端末に対して、当該一の携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信する
ことを特徴とする判定装置。
【請求項4】
判定装置により実行される判定方法であって、
複数の携帯端末の各々の位置情報に基づいて、1以上のエリアのうちで各々の携帯端末が存在するエリアを判定するステップと、
前記1以上のエリアの各々について、当該エリア内に存在する携帯端末の数に基づいて、注意喚起を行うエリアを判定するステップと、
前記注意喚起を行うと判定された一のエリアに存在する移動状態にあり且つ使用状態にある携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信するステップと
前記一のエリアに存在する携帯端末の利用者の属性を判定するステップと、
前記判定された属性に基づいて出力情報を判定するステップと
を備え
前記制御情報を送信するステップは、前記判定された出力情報の出力を指示する制御情報を送信するステップであることを特徴とする判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動しながら携帯端末を使用する利用者に対して注意喚起を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯端末を使用しながら歩く「歩きスマホ」が社会問題となっている。歩きスマホは視界が極端に狭くなり、注意力も散漫になるため、他の通行者との接触事故の原因となる。そこで、歩きスマホを防止するための様々な技術が近年開発されている。例えば、特許文献1には、利用者の移動状態を検出し且つ利用者が当該機器を使用している使用状態を検出した場合に、当該利用者に対して警告を発する携帯電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−154901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、周囲に誰も歩いていない安全な状況においても警告が発せられてしまう。特許文献1に記載の技術では、周囲の人の通行状況に応じて警告の要否を判断することができない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、移動しながら携帯端末を使用する利用者が周囲の人と接触する可能性に応じて当該利用者に対する注意喚起を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、複数の携帯端末の各々の位置情報に基づいて、1以上のエリアのうちで各々の携帯端末が存在するエリアを判定するエリア判定部と、前記1以上のエリアの各々について、当該エリア内に存在する携帯端末の数に基づいて、注意喚起を行うエリアを判定する対策要否判定部と、前記対策要否判定部により注意喚起を行うと判定された一のエリアに存在する移動状態にあり且つ使用状態にある携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信する対策部と、前記一のエリアに存在する携帯端末の利用者の属性を判定する属性判定部と、前記属性判定部により判定された属性に基づいて出力情報を判定する出力情報判定部とを備え、前記対策部は、前記出力情報判定部により判定された出力情報の出力を指示する制御情報を送することを特徴とする判定装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、複数の携帯端末の各々の位置情報に基づいて、1以上のエリアのうちで各々の携帯端末が存在するエリアを判定するエリア判定部と、前記1以上のエリアの各々について、当該エリア内に存在する携帯端末の数に基づいて、注意喚起を行うエリアを判定する対策要否判定部と、前記対策要否判定部により注意喚起を行うと判定された一のエリアに存在する移動状態にあり且つ使用状態にある携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信する対策部と、前記一のエリアに存在する複数の携帯端末の移動方向の平均を算出する移動方向平均算出部と、前記一の携帯端末の移動方向を特定する移動方向特定部とを備え、前記対策部は、前記移動方向平均算出部により算出された平均と移動方向特定部により特定された移動方向との差に応じて、前記一のエリアに存在する携帯端末のうち、移動状態にあり且つ使用状態にあるとの情報を取得された一の携帯端末に対して、当該一の携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信することを特徴とする判定装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、複数の携帯端末の各々の位置情報に基づいて、1以上のエリアのうちで各々の携帯端末が存在するエリアを判定するエリア判定部と、前記1以上のエリアの各々について、当該エリア内に存在する携帯端末の数に基づいて、注意喚起を行うエリアを判定する対策要否判定部と、前記対策要否判定部により注意喚起を行うと判定された一のエリアに存在する移動状態にあり且つ使用状態にある携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信する対策部と、前記一のエリアと隣接するエリアに存在する一の携帯端末の移動方向を判定する移動方向特定部と、前記移動方向特定部により判定された移動方向が、前記隣接するエリアから前記一のエリアへ向かう方向であるか否かを判定する移動方向判定部とを備え、前記移動方向判定部による判定の結果、前記移動方向特定部により判定された移動方向が、前記隣接するエリアから前記一のエリアへ向かう方向である場合に、前記対策部は、前記一のエリアに存在する携帯端末のうち、移動状態にあり且つ使用状態にあるとの情報を取得された一の携帯端末に対して、当該一の携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信することを特徴とする判定装置を提供する。
【0015】
また、本発明は、判定装置により実行される判定方法であって、複数の携帯端末の各々の位置情報に基づいて、1以上のエリアのうちで各々の携帯端末が存在するエリアを判定するステップと、前記1以上のエリアの各々について、当該エリア内に存在する携帯端末の数に基づいて、注意喚起を行うエリアを判定するステップと、前記注意喚起を行うと判定された一のエリアに存在する移動状態にあり且つ使用状態にある携帯端末の利用者に対する注意喚起を指示する制御情報を送信するステップと、前記一のエリアに存在する携帯端末の利用者の属性を判定するステップと、前記判定された属性に基づいて出力情報を判定するステップとを備え、前記制御情報を送信するステップは、前記判定された出力情報の出力を指示する制御情報を送信するステップであることを特徴とする判定方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、移動しながら携帯端末を使用する利用者が周囲の人と接触する可能性に応じて当該利用者に対する注意喚起を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】通信システム100の構成の一例を示すブロック図である。
図2】携帯端末1の構成の一例を示すブロック図である。
図3】判定装置2の構成の一例を示すブロック図である。
図4】エリアDB221の一例を示す図である。
図5】危険者DB222の一例を示す図である。
図6】危険者密度DB223の一例を示す図である。
図7】通知先DB224の一例を示す図である。
図8】危険者の情報を危険者DB222に登録するための動作の一例を示すシーケンス図である。
図9】危険者に対して警告を行うための動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.実施形態
1−1.通信システムの構成
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム100の構成の一例を示すブロック図である。通信システム100は、同図に示されるように、複数の携帯端末1−1〜1−n(以下、特に区別する必要がない場合は「携帯端末1」と総称する。)と、判定装置2とを備える。携帯端末1と判定装置2とはネットワーク3を介して互いに接続される。ネットワーク3は、例えば、携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)やインターネットにより構成される。この通信システム100は、携帯端末1を移動しながら使用する利用者に対して警告を発するためのシステムである。
【0019】
1−2.携帯端末の構成
図2は、携帯端末1の構成の一例を示すブロック図である。携帯端末1は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型の電子機器である。携帯端末1は、同図に示されるように、例えば、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、タッチスクリーン部14と、測位部15と、加速度センサ16と、カメラ17とを備える。
【0020】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置とメモリとを備える。CPUは、当該メモリや記憶部12に記憶されるプログラムを実行することにより、携帯端末1の各部を制御する。制御部11の機能構成については後述する。
【0021】
記憶部12は、フラッシュメモリやハードディスク等の記憶装置である。記憶部12は、CPUに実行されるプログラムや各種データを記憶する。また、記憶部12は、携帯端末1の識別IDを記憶する。
【0022】
通信部13は、データ通信カード等の通信インタフェースである。通信部13は、判定装置2との間の通信を制御する。
【0023】
タッチスクリーン部14は、表示パネルと、当該表示パネル上に重ねられたタッチセンサとにより構成される。表示パネルは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイである。タッチセンサは、例えば、静電容量方式や抵抗膜方式のタッチセンサである。タッチスクリーン部14は、制御部11による制御の下、画像を表示するとともに、ユーザによる指やスタイラスを用いた指示を受け付ける。このタッチスクリーン部14は、後述する警告情報が判定装置2から受信されると、当該警告情報に基づいて利用者に対する警告メッセージとヒートマップとを表示する。タッチスクリーン部14は、携帯端末1の利用者の注意を喚起する情報(例えば、音、画像、映像、振動又はこれらの組み合わせ)を出力する出力部の一例である。なお、タッチスクリーン部14は入出力部の一例であり、入力部として入力キーやマイクを備えるようにし、出力部として液晶ディスプレイやスピーカを備えるようにしてもよい。
【0024】
測位部15は、携帯端末1の位置を測定する手段である。測位部15は、例えば、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムを用いて携帯端末1の位置を測定し、測定した位置を表す位置情報(具体的には、緯度経度情報)を、当該測位が行われた時刻を示す時刻情報とともに制御部11に出力する。なお、測位の方法は衛星測位システムを用いたものに限られず、例えば、無線LANを用いた3点測位等の他の周知の測位方法が採用されてもよい。また、本実施形態において位置情報は、携帯端末1の位置を識別できるものであれば緯度経度に限られず、例えば基地局の識別情報が使用されてもよい。
【0025】
加速度センサ16は、携帯端末1の動きを感知する手段である。加速度センサ16は、携帯端末1の変位を示すセンサデータを制御部11に出力する。
【0026】
カメラ17は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子とレンズとを備えたデジタルカメラである。カメラ17は、生成した画像データを制御部11に出力する。このカメラ17はインカメラであり、タッチスクリーン部14に表示される画面を見ている利用者の顔を撮影するため使用される。なお、カメラ17は、静止画に限らず動画を撮影してもよい。
【0027】
次に、制御部11の機能構成について説明する。制御部11のCPUがプログラムを実行することにより、図2に示されるように、歩行検知部111と、顔検知部112と、単独危険状況判定部113と、通知情報生成部114という機能が実現される。
【0028】
歩行検知部111は、加速度センサ16から出力されるセンサデータに基づいて、携帯端末1が移動中であるか否かを判定する。この結果、携帯端末1が移動中である場合には(すなわち、携帯端末1の利用者が移動している場合には)、移動中である旨の判定結果を単独危険状況判定部113に出力する。なお、携帯端末1の利用者が携帯端末1を使用しながら移動している場合には、通常よりもゆっくり歩行する傾向があるため、通常よりも体の上下動が少なく移動速度が遅い場合であっても移動中と判定するようにしてもよい。
【0029】
顔検知部112は、カメラ17から出力される画像データに対して顔認識を行い、当該画像中に利用者の顔が含まれているか否かを判定する。この結果、利用者の顔が含まれている場合には(すなわち、利用者が携帯端末1を使用中である場合には)、使用中である旨の判定結果を単独危険状況判定部113に出力する。
【0030】
単独危険状況判定部113は、歩行検知部111から、移動中である旨の判定結果を取得し、且つ顔検知部112から、使用中である旨の判定結果を取得すると、利用者が歩きスマホ状態であると判定し、その旨の判定結果を通知情報生成部114に出力する。なお、本明細書において「歩きスマホ状態」とは、スマートフォン等の携帯型の電子機器の利用者が当該機器を使用しながら移動している状態をいう。使用対象はスマートフォンに限られず、また移動状態は歩行に限られない(すなわち、走っている状態も含む)。
【0031】
通知情報生成部114は、単独危険状況判定部113から利用者が歩きスマホ状態である旨の判定結果を取得すると、記憶部12から、携帯端末1を識別する情報である識別IDを取得するとともに、測位部15から位置情報と時刻情報とを取得して、これら取得した情報を含む通知情報を通信部13を介して判定装置2に送信する。なお、通知情報生成部114は、単独危険状況判定部113から利用者が歩きスマホ状態である旨の判定結果を取得している間、定期的に繰り返し通知情報を生成して判定装置2に送信するようにしてもよい。
【0032】
1−3.判定装置の構成
図3は、判定装置2の構成の一例を示すブロック図である。判定装置2は、歩きスマホ状態にある携帯端末1の利用者に対する警告の要否を判定するためのコンピュータ装置である。判定装置2は、同図に示されるように、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備える。
【0033】
制御部21は、CPU等の演算処理装置とメモリとを備える。CPUは、当該メモリや記憶部22に記憶されるプログラムを実行することにより、判定装置2の各部を制御する。この制御部21の機能構成については後述する。
【0034】
記憶部22は、ハードディスク等の記憶装置である。記憶部22は、CPUに実行されるプログラムや各種データを記憶する。また、記憶部22は、エリアデータベース(以下、データベースを「DB」という。)221と、危険者DB222と、危険者密度DB223と、通知先DB224とを記憶する。これらのデータベースは必ずしも記憶部22に記憶される必要はなく、判定装置2によってアクセス可能なネットワーク3上の他の装置上に記憶されてもよい。
【0035】
図4は、エリアDB221の一例を示す図である。エリアDB221は、同図に示されるように、後述する危険者密度を判定する単位であるエリアの識別情報(以下、「エリアID」)と、エリアの領域を示す情報である、エリアの基準位置の緯度経度と、エリアのサイズとを対応付けて記憶する。このエリアDB221は、携帯端末1から受信された位置情報に基づいて、対応するエリアIDを取得するために参照される。なお、本実施形態におけるエリアのサイズは均等分割に限定されない。これは、日本全国を100m四方メッシュで区切った場合、過疎地ではメッシュが細かくなりすぎ、都心では細かい分布を捉えられなくなってしまうからである。エリアのデータは状況に応じて定期的に再構成されてよい。
【0036】
図5は、危険者DB222の一例を示す図である。危険者DB222は、同図に示されるように、携帯端末1の識別IDと、位置情報と、時刻情報と、エリアIDとを対応付けて記憶する。ここで、識別IDと、位置情報と、時刻情報とは、携帯端末1から受信される通知情報に含まれる情報であり、エリアIDは、受信される位置情報に基づいてエリアDB221を参照することで特定される情報である。この危険者DB222は、歩きスマホ状態の利用者(すなわち、危険者)の位置に関する情報を記憶する。
【0037】
図6は、危険者密度DB223の一例を示す図である。危険者密度DB223は、同図に示されるように、エリアIDと、密度情報と、時刻情報とを対応付けて記憶する。ここで、密度情報は、関連付けられるエリアIDにより識別されるエリア内の危険者の密度を示す情報である。時刻情報は、関連付けられる密度情報により示される密度が算出された時刻を示す情報である。この危険者密度DB223は、後述するヒートマップを作成するために参照される。
【0038】
図7は、通知先DB224の一例を示す図である。通知先DB224は、同図に示されるように、携帯端末1の識別IDと、通知先情報と、通知先属性情報とを対応付けて記憶する。この通知先DB224は、携帯端末1の通知先(言い換えると、通信アドレス)を取得するために参照される。
【0039】
次に、通信部23は、データ通信カード等の通信インタフェースである。通信部23は、携帯端末1との間の通信を制御する。
【0040】
次に、制御部21の機能構成について説明する。制御部21のCPUがプログラムを実行することにより、図3に示されるように、エリア判定部211と、危険者密度算出部212と、対策要否判定部213と、対策部214と、ヒートマップ作成部215という機能が実現される。
【0041】
エリア判定部211は、携帯端末1から受信された通知情報を通信部23から取得して、当該通知情報に含まれる位置情報に対応するエリアIDをエリアDB221から取得する。ここで、位置情報に対応するエリアIDとは、当該位置情報に表される位置を包含するエリアのエリアIDである。エリア判定部211は、取得したエリアIDと通知情報(具体的には、識別ID、位置情報及び時刻情報)とを対応付けて危険者DB222に記憶する。
【0042】
危険者密度算出部212は、エリアDB221に格納される各エリアIDにより識別されるエリアについて、当該エリア内の危険者の密度である危険者密度を算出する。危険者密度算出部212は当該算出を一定の周期で行う。具体的には、危険者密度算出部212は、仮にエリアID=Xについて危険者密度を算出するものとした場合、まず、現在時刻から所定の時間(以下、「T1秒」という。)遡った時刻を算出する。そして、この算出した時刻以降であり且つ現在時刻未満の時刻と危険者DB222において対応付けられている識別IDであって、且つエリアID=Xと対応付けられている識別IDの数をカウントする。そして、エリアID=Xのエリアの面積をエリアDB221を参照して求め、カウントした識別IDの数を、求めたエリアの面積で除算することにより、危険者密度を算出する。例えば、エリアID=Xのエリアが正方形であり、当該エリアのエリアサイズとしてエリアDB221において一辺の長さが記憶されていた場合には、カウントした識別IDの数を、当該一辺の長さの2乗で除算することにより、危険者密度を算出する。
【0043】
危険者密度を算出すると、危険者密度算出部212は、当該危険者密度の値とエリアID=Xとを対策要否判定部213に受け渡す。また、危険者密度算出部212は、危険者密度DB223においてエリアID=Xと対応付けられている危険者密度の値を、算出した値で更新する。更新の頻度はベストエフォートとする。この際、危険者密度算出部212は、危険者密度DB223において同エリアIDと対応付けられている算出時刻の値も現在時刻の値で更新する。なお、ここで、現在時刻に代えて、例えば、危険者密度算出部212が危険度密度を算出するために用いた危険者DB222に記憶されているデータの時刻の中央値や平均値を用いてもよい。
【0044】
対策要否判定部213は、危険者密度算出部212から危険者密度の値とエリアIDとを取得すると、当該危険者密度の値と所定の閾値とを比較して、危険者密度の値が閾値以上である場合には、対策が必要と判定する。この対策とは、本実施形態では、取得したエリアIDにより識別されるエリアに属する携帯端末1の利用者に対する注意喚起である。対策要否判定部213は、対策が必要と判定した場合には、当該対策が必要と判定されたエリアのエリアIDを対策部214に受け渡す。なお、対策要否判定部213は、危険者密度DB223から危険者密度の値とエリアIDとを取得してもよい。
【0045】
対策部214は、対策要否判定部213からエリアIDを取得すると、当該エリアIDにより識別されるエリアに属する利用者に対して警告を行う。具体的には、対策部214は、まず、現在時刻から所定の時間(以下、「T2秒」という。)遡った時刻を算出する。ここで、T2秒は、上記のT1秒と同じ値であっても異なる値であってもよい。そして、算出した時刻以降であり且つ現在時刻未満の時刻と危険者DB222において対応付けられている識別IDであって、且つ取得したエリアIDと対応付けられている識別IDを全て抽出する。そして、抽出した識別IDの各々について、通知先DB224において対応する通知先情報と通知先属性情報とを取得する。一方で、対策部214は、取得したエリアIDをヒートマップ作成部215に受け渡し、当該エリアIDに対応するヒートマップ情報をヒートマップ作成部215から取得する。
【0046】
通知先情報とヒートマップ情報とを取得すると、対策部214は、所定の警告メッセージと、取得したヒートマップ情報とを含む警告情報を、同様に取得した通知先情報により示される通知先に対して通知先属性に応じた方法で通信部23を介して送信する。例えば、通知先情報としてメールアドレスが取得された場合には、警告メッセージを含む電子メールにヒートマップ情報を添付して送信する。通知先情報としてSNS(Social Networking Service)のアカウントが取得された場合には、警告通知用のアカウントから当該取得されたアカウントに対して、ヒートマップ情報を添付した警告メッセージを送信する。通知先情報として携帯番号が取得された場合には、警告メッセージをショートメッセージとして送信する。この際、ヒートマップ情報の送信は省略されてもよい。
【0047】
なお、警告情報に含まれる警告メッセージの内容は、対策部214が取得したエリアIDと危険者密度DB223において対応づけられている危険者密度の値に応じて決定されてもよい。例えば、危険者密度の値に応じて、予め定められた複数の警告メッセージの中からいずれかのメッセージが選択されたり、メッセージに含まれるパラメータや表現が動的に決定されたりしてもよい。
【0048】
ヒートマップ作成部215は、危険者密度DB223を参照してヒートマップを作成する。具体的には、危険者密度DB223に記憶される危険度密度の値に応じてエリアの色分けを行った地図データを作成する。このヒートマップによれば、危険者の分布を一見して知ることができる。ヒートマップ作成部215は、このヒートマップを予め作成しておき、対策部214からエリアIDを取得すると、当該エリアIDにより識別されるエリア内のある地点を中心とする所定サイズの矩形領域のヒートマップを示す画像データをヒートマップ情報として返す。例えば、取得したエリアIDにより識別されるエリアが正方形の場合には、当該正方形の重心にあたる地点を中心とする所定サイズの矩形領域のヒートマップを示す画像データをヒートマップ情報として返す。この際、当該画像のサムネイルをヒートマップ情報として返してもよい。なお、ヒートマップを作成する際、ヒートマップ作成部215は、危険者密度DB223に記憶される危険度密度情報のうち、所定の時刻よりも前の時刻と対応付けられている危険度密度情報を用いないようにしてもよい。
【0049】
1−4.通信システムの動作
通信システム100の動作について説明する。具体的には、危険者の情報を危険者DB222に登録するための動作と、危険者に対して警告を行うための動作について説明する。
【0050】
1−4−1.危険者の情報を危険者DBに登録するための動作
図8は、危険者の情報を危険者DB222に登録するための動作の一例を示すシーケンス図である。同図に示す動作において、歩行検知部111は、加速度センサ16から出力されるセンサデータに基づいて、携帯端末1が移動中であるか否かを繰り返し判定する(ステップSa1)。この判定の結果、携帯端末1が移動中でない場合には(ステップSa1:NO)、同ステップを繰り返し実行し、この判定の結果、携帯端末1が移動中である場合には(ステップSa1:YES)、移動中である旨の判定結果を単独危険状況判定部113に出力する。
【0051】
顔検知部112は、カメラ17から出力される画像データに対して顔認識を行い、当該画像中に利用者の顔が含まれているか否かを繰り返し判定する(ステップSa2)。この判定の結果、利用者の顔が含まれていない場合には(ステップSa2:NO)、同ステップを繰り返し実行し、この判定の結果、利用者の顔が含まれている場合には(ステップSa2:YES)、使用中である旨の判定結果を単独危険状況判定部113に出力する。
【0052】
単独危険状況判定部113は、歩行検知部111から、移動中である旨の判定結果を取得し、且つ顔検知部112から、使用中である旨の判定結果を取得すると、利用者が歩きスマホ状態であると判定し、その旨の判定結果を通知情報生成部114に出力する(ステップSa3)。
【0053】
通知情報生成部114は、単独危険状況判定部113から利用者が歩きスマホ状態である旨の判定結果を取得すると、記憶部12から識別IDを取得するとともに、測位部15から位置情報と時刻情報とを取得して、これら取得した情報を含む通知情報を生成する(ステップSa4)。そして、生成した通知情報を通信部13を介して判定装置2に送信する(ステップSa5)。
【0054】
判定装置2のエリア判定部211は、携帯端末1から通知情報が受信されると、当該通知情報に含まれる位置情報に対応するエリアIDをエリアDB221から取得する(ステップSa6)。そして、取得したエリアIDと通知情報(具体的には、識別ID、位置情報及び時刻情報)とを対応付けて危険者DB222に記憶する(ステップSa7)。
以上が、危険者の情報を危険者DBに登録するための動作についての説明である。
【0055】
なお、上記の動作において、ステップSa1の処理とステップSa2の処理とは、並行して実行されてもよいし、その順番を逆にしてもよい。
【0056】
1−4−2.危険者に対して警告を行うための動作
図9は、危険者に対して警告を行うための動作の一例を示すシーケンス図である。同図に示す動作において、危険者密度算出部212は、エリアDB221に格納される各エリアIDにより識別されるエリアについて、当該エリア内の危険者の密度である危険者密度を一定の周期で算出する(ステップSb1)。危険者密度を算出すると、危険者密度算出部212は、各エリアIDと対応付けて危険者密度の値を対策要否判定部213に受け渡す。
また、危険者密度算出部212は、密度を算出したエリアIDと危険者密度DB223において対応づけられている危険者密度の値を、算出した値で更新する(ステップSb2)。
【0057】
対策要否判定部213は、危険者密度算出部212から危険者密度の値とエリアIDとを取得すると、当該危険者密度の値と所定の閾値とを比較して、危険者密度の値が閾値以上である場合には、対策が必要と判定する(ステップSb3)。そして、対策が必要と判定した場合には、当該対策が必要と判定されたエリアのエリアIDを対策部214に受け渡す。
【0058】
対策部214は、対策要否判定部213からエリアIDを取得すると、当該エリアIDにより識別されるエリアに属する全ての携帯端末1の識別IDを危険者DB222から取得する(ステップSb4)。そして、取得した識別IDの各々について、通知先DB224において対応する通知先情報と通知先属性情報とを取得する(ステップSb5)。また、対策部214は、取得したエリアIDをヒートマップ作成部215に受け渡し、当該エリアIDに対応するヒートマップ情報をヒートマップ作成部215から取得する(ステップSb6)。
【0059】
通知先情報とヒートマップ情報とを取得すると、対策部214は、所定の警告メッセージと、取得したヒートマップ情報とを含む警告情報を生成する(ステップSb7)。そして、当該警告情報を、取得した通知先情報により示される通知先に対して通知先属性に応じた方法で通信部23を介して送信する(ステップSb8)。
【0060】
携帯端末1のタッチスクリーン部14は、警告情報が判定装置2から受信されると、制御部11の制御の下、当該警告情報に基づいて利用者に対する警告メッセージとヒートマップとを表示する(ステップSb9)。この際、警告メッセージは画像や映像でもよいし、図示せぬスピーカにより当該警告メッセージを放音してもよいし、携帯端末1を振動させてもよい。
以上が、危険者に対して警告を行うための動作についての説明である。
【0061】
以上説明した本実施形態に係る通信システム100によれば、携帯端末1の利用者が位置するエリア内の危険者の密度に応じて警告の要否が判断される。よって、歩きスマホ状態の人同士が接触するリスクが高い場合に限って警告を行うことができる。
【0062】
2.変形例
上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例は互いに組み合わせてもよい。
【0063】
2−1.変形例1
上記の実施形態において、危険者密度算出部212が危険者密度を算出する所定のタイミングは、時間帯毎に間隔の長さが可変となるよう予め定めたテーブルや関数等に従って変更することとしてもよい。または、通知情報を受信するごととしてもよいし、前回危険者密度を算出した後に受信した通知情報の数が所定の閾値を越えたタイミングとしてもよい。
【0064】
2−2.変形例2
上記の実施形態において、対策要否判定部213により危険者密度の値と比較される閾値は、時間帯と閾値との関係を定めたテーブルや関数等に従って、現在時刻に応じて決定されてもよい。
【0065】
2−3.変形例3
上記の実施形態では、歩きスマホ状態にある携帯端末1の利用者の情報のみが危険者DB222に蓄積されているが、危険者に限らず危険者でない利用者の情報も危険者DB222に蓄積するようにしてもよい。具体的には、携帯端末1において、歩行検知部111の検知結果が否定的であったり(すなわち、移動状態でなかったり)、顔検知部112の検知結果が否定的であった(すなわち、使用状態でなかった)場合であっても、定期的に通知情報を判定装置2に送信させ、判定装置2の方でこの通知情報を危険者DB222に蓄積させるようにしてもよい。そして、危険者密度算出部212は、この危険者でない利用者の情報も蓄積された危険者DB222を参照して危険者密度を算出するようにしてもよい。本変形例を採用した場合、危険者の携帯端末1には歩きスマホ状態であることを示す情報を送信させ、危険者とそうでない者とを区別可能なように危険者DB222に識別IDを記録させ、危険者についてのみ警告を行うようにしてもよい。この変形例を採用した場合、危険者に限らず、危険者でない人との接触リスクが高い場合にも警告を行うことが可能となる。
【0066】
また、上記の実施形態に係る携帯端末1の利用者に限られず、他の携帯端末1A(具体的には、歩行検知部111と顔検知部112とを有さない携帯端末1)の利用者の情報も危険者DB222に蓄積するようにしてもよい。具体的には、携帯端末1Aに定期的に通知情報を判定装置2に送信させ、判定装置2の方でこの通知情報を危険者DB222に蓄積させるようにしてもよい。そして、危険者密度算出部212は、この携帯端末1Aの利用者の情報も蓄積された危険者DB222を参照して危険者密度を算出するようにしてもよい。この変形例を採用した場合も、危険者の携帯端末1には歩きスマホ状態であることを示す情報を送信させ、危険者とそうでない者とを区別可能なように危険者DB222に識別IDを記録させ、危険者についてのみ警告を行うようにしてもよい。
【0067】
2−4.変形例4
上記の実施形態において、対策が必要と判定されたエリア内の携帯端末1に警告メッセージを表示させることに加えて又は代えて、当該エリア内に設置されるデジタルサイネージ(言い換えると、電子看板)に警告メッセージを表示させるようにしてもよい。ここで、デジタルサイネージとは、携帯端末1の利用者に対してその注意を喚起するような出力情報を出力するための出力装置の一例である。出力情報は、例えば、音、画像、映像、振動又はこれらの組み合わせからなる。本変形例を採用する場合、例えば、判定装置2は、エリアIDとデジタルサイネージの通知先情報とを対応付けて記憶するデータベースを予め記憶しておき、対策部214は、対策が必要と判定されたエリアのエリアIDと対応する通知先を当該データベースを参照して特定し、当該通知先に対し、歩きスマホによる危険を回避する効果のあるコンテンツを表示することを指示する制御情報を送信するようにしてもよい。
【0068】
デジタルサイネージに表示されるコンテンツは、歩きスマホの危険性を説明する内容等の予め定めた所定のコンテンツであってもよいし、警告の対象となる利用者が興味を持ちそうなコンテンツとしてもよい。後者の場合、判定装置2は、例えば、通知情報とともに、携帯端末1の利用者の属性や利用中のアプリケーションの情報を取得しておき、デジタルサイネージに制御情報を送信する際には、デジタルサイネージが位置するエリアに属する利用者の上記情報に基づいて、デジタルサイネージに表示させるコンテンツを選択するようにしてもよい。すなわち、判定装置2の制御部21は、携帯端末の利用者の属性や使用アプリケーションを判定する属性等判定部と、当該判定部により判定された属性や使用アプリケーションに基づいてコンテンツを判定するコンテンツ判定部とをさらに備えてもよい。なお、デジタルサイネージは、警告メッセージを表示するだけでなく、音、画像、映像、振動又はこれらの組み合わせからなるコンテンツを出力するようにしてもよい。
【0069】
2−5.変形例5
上記の実施形態において危険者密度算出部212は、危険者密度の値とこれに対応するエリアIDのみを対策要否判定部213に受け渡しているが、これらに加えて、危険者密度を算出するためにカウントした識別ID群も対策要否判定部213に受け渡してもよい。そして、対策要否判定部213は、対策部214に対してエリアIDを受け渡す際に、これに加えて、当該エリアIDに対応する識別ID群も対策部214に対して受け渡すようにしてもよい。このようにすれば対策部214は、対策要否判定部213からエリアIDを取得した際に、わざわざこのエリアIDに対応する識別ID群を危険者DB222から抽出する必要がなくなる。
【0070】
2−6.変形例6
上記の実施形態において対策要否判定部213は、危険者密度の値と閾値とを比較して対策の要否を判断しているが、危険者密度に代えて危険者の絶対数と閾値とを比較することによって対策の要否を判断するようにしてもよい。この場合、危険者密度算出部212は、危険者DB222から抽出してカウントした識別IDの数をエリアの面積で除算せずに、当該カウントした識別IDの数を示す情報を対策要否判定部213に受け渡してよい。
【0071】
2−7.変形例7
上記の実施形態において対策部214は、対策が必要と判定されたエリア内に位置する携帯端末1にのみ警告情報を送信しているが、これに加えて又は代えて、当該エリアに隣接するエリアに位置する携帯端末1に警告情報を送信するようにしてもよい。この場合、隣接するエリアの特定はエリアDB221を参照して行い、当該隣接エリア内に位置する携帯端末1の特定は、特定したエリアのエリアIDと危険者DB222において対応付けられている識別IDを抽出することにより行ってよい。
【0072】
なお、隣接するエリア内に位置する携帯端末1に警告情報を送信するにあたり、対策部214は、その送信対象を、対策が必要と判定されたエリアに向かって移動している携帯端末1のみに限定してもよい。この場合、判定装置2は、通知情報とともに、携帯端末1の移動方向を示す移動方向情報を取得しておき、警告情報を送信する際には、警告情報の送信対象の携帯端末1について移動方向情報を参照して、当該携帯端末1が、対策が必要と判定されたエリアに向かって移動している場合にのみ警告情報を送信するようにしてもよい。すなわち、判定装置2の制御部21は、隣接するエリア内に位置する携帯端末1の移動方向を判定する移動方向判定部と、当該移動方向判定部により判定された移動方向が、その隣接するエリアから、対策が必要と判定されたエリアへ向かう方向であるか否かを判定する移動方向判定部とをさらに備えてもよい。なお、移動方向情報は、携帯端末1に備えられる、ジャイロセンサや地磁気センサ等の方位センサによって検出されてよい。
【0073】
2−8.変形例8
上記の実施形態において対策部214は、警告情報を送信する際に、その送信先の携帯端末1の移動方向と、当該携帯端末1が位置するエリア全体の携帯端末1の移動方向との関係を考慮して当該警告情報を送信するようにしてもよい。これは、送信対象の携帯端末1が、エリア全体の携帯端末1の移動方向に対して順方向ではなく逆方向に移動している場合には、その利用者は他の通行人と接触するリスクが高くなるからである。
【0074】
この変形例が採用される場合、判定装置2は、通知情報とともに、携帯端末1の移動方向を示す移動方向情報を取得しておき、警告情報を送信する際には、対策が必要と判定されたエリアに位置する複数の携帯端末1の移動方向の平均値を算出する一方で、送信対象の携帯端末1の移動方向を特定しておき、算出した平均値と、特定した移動方向との差に応じて、例えば、警告メッセージに付記する危険度を変えるようにしてもよい。すなわち、判定装置2の制御部21は、エリア内に位置する複数の携帯端末1の移動方向の平均値を算出する移動方向平均算出部と、警告情報の送信対象の携帯端末1の移動方向を特定する移動方向特定部と、移動方向平均算出部により算出された移動方向の平均値と移動方向特定部により特定された移動方向との差を算出する方向差算出部とをさらに備えてもよい。仮に移動方向の差を0度から180度の範囲で表現するとすれば、危険度は、差の値に比例して大きくなるように設定される。
【0075】
2−9.変形例9
上記の実施形態では、顔検知部112による判定結果に基づいて携帯端末1が使用中であるか否かが判定されているが、使用中であるか否かを判定する方法はこれに限られない(例えば、特開2014−154901号公報参照)。例えば、携帯端末1が特定の移動状態(歩みが遅く、体の上下動が少ない状態)であると判定された場合に、携帯端末1が使用中であると判定するようにしてもよい。または、携帯端末1が利用者によって操作されていると判定された場合に、携帯端末1が使用中であると判定するようにしてもよい。ここで、携帯端末1が利用者によって操作されている状態とは、例えば、入力キーやタッチスクリーン部14等の入力装置に対して入力がある場合である。または、所定のアプリケーションが実行されていると判定された場合に、携帯端末1が使用中であると判定するようにしてもよい。ここで、所定のアプリケーションが実行されている状態とは、例えば、所定のアプリケーションが起動中である場合や、所定のアプリケーションが所定のステータスとなっている場合である。より具体的には、ゲーム起動中や、ゲーム実施中や、ブラウザ起動中や、所定時間内に通信の履歴がある場合や、SNSアプリケーション起動中や、所定時間内にメッセージの送信がある場合等である。または、所定のアプリケーションが起動中であり且つ入力装置に対する入力があると判定された場合に、携帯端末1が使用中であると判定するようにしてもよい。
【0076】
2−10.変形例10
上記の実施形態において携帯端末1又は判定装置2において実行されるプログラムは、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体を介して提供されてもよい。ここで、記録媒体とは、例えば、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体や、光ディスクなどの光記録媒体や、光磁気記録媒体や、半導体メモリ等である。また、当該プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配信されてもよい。
【0077】
2−11.変形例11
上記の実施形態において歩行検知部111は、加速度センサ16から出力されるセンサデータに基づいて、携帯端末1が移動中であるか否かを判定しているが、上記の実施形態において、例えば交差点で信号待ちをしている状態も移動中に含めたい場合には、一旦移動中であると判定された時点から所定の時間経過後までは引き続き移動中であると判定するようにしてもよい。同様に顔検知部112についても、一旦使用中であると判定された時点から所定の時間経過後までは引き続き使用中であると判定するようにしてもよい。
【0078】
2−12.変形例12
上記の実施形態では、判定装置2は携帯端末1から位置情報と時刻情報と識別IDとを受信しているが(図8のステップSa5参照)、これらの情報を他のシステムや装置から取得してもよい。例えば、これらの情報を記憶するデータベースにアクセスして取得するようにしてもよい。または、識別IDについては歩きスマホ状態にある携帯端末1から通知情報として受信し、位置情報と時刻情報については、これらと識別IDとを対応付けて記憶する他のシステムや装置から識別IDをキーにして取得するようにしてもよい。
【0079】
2−13.変形例13
上記の実施形態において対策部214は、所定の警告メッセージとヒートマップ情報とを含む警告情報を携帯端末1に対して送信しているが(図9のステップSb7及びSb8参照)、所定の警告メッセージのみを含む警告情報を携帯端末1に対して送信するようにしてもよい。この場合、ヒートマップ作成部215は上記の実施形態において省略されてもよい。
【0080】
2−14.変形例14
上記の実施形態において携帯端末1は、単独危険状況判定部113が歩きスマホ状態であると判定し、且つ周囲が混雑していることを示す情報を取得した際に、利用者に対して注意を喚起する情報を出力するようにしてもよい。ここで、周囲が混雑していることを示す情報を取得した際とは、具体的には、例えば、上記の実施形態のように、判定装置2から警告情報を受信した場合である。または、携帯端末1が存在するエリアに設置されたシステムから所定の通信パケットを受信した場合である。当該システムは、例えば、所定の領域を撮影している定点カメラと、定点カメラにより撮影されたカメラ画像を処理する画像処理装置と、無線基地局とから構成される。画像処理装置は、当該領域に人物がいない状態の画像と人物が映りこんでいる状態の画像との差分の領域の広さと、当該領域の混雑度合いを関連付けた関数や表を予め記憶しておき、定期的に定点カメラで撮影される画像をもとにその領域の混雑度合いを求め、混雑度合いが所定の閾値以上の場合に無線基地局からブロードキャストで周囲が混雑していることを示すパケットを送信する。
【0081】
また、周囲が混雑していることを示す情報を取得した際とは、例えば、携帯端末1同士ですれ違い通信を行って、所定の時間内にすれ違い通信を行った携帯端末1の台数が所定の閾値以上である場合に出力される信号を取得した場合である。
【0082】
2−15.変形例15
上記の実施形態では、様々なエリアに存在する携帯端末1から通知情報を受信して当該通知情報を危険者DB222に記憶するとともに、複数のエリアの各々について危険者密度を算出して対策の要否を判定している。しかし、通知情報の収集対象とし、対策の要否の判定対象とするエリアの数は1つであってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…携帯端末、2…判定装置、3…ネットワーク、11…制御部、12…記憶部、13…通信部、14…タッチスクリーン部、15…測位部、16…加速度センサ、17…カメラ、21…制御部、22…記憶部、23…通信部、100…通信システム、111…歩行検知部、112…顔検知部、113…単独危険状況判定部、114…通知情報生成部、211…エリア判定部、212…危険者密度算出部、213…対策要否判定部、214…対策部、215…ヒートマップ作成部、221…エリアDB、222…危険者DB、223…危険者密度DB、224…通知先DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9