【実施例】
【0260】
以下に実施例、試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0261】
実施例で用いた各種試薬は、特に記載の無い限り市販品を使用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、モリテックス社製プリフパック(登録商標)SI、バイオタージ社製KP−Sil(登録商標)Silicaプレパックドカラム、又はバイオタージ社製HP−Sil(登録商標)Silicaプレパックドカラムを用いた。塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにはモリテックス社製プリフパック(登録商標)NH又はバイオタージ社製KP−NH(登録商標)プレパックドカラムを用いた。分取用薄層クロマトグラフィーにはメルク社製KieselgelTM60F254,Art.5744又は和光社NH2シリカゲル60F254プレートを用いた。NMRスペクトルは、AL400(400MHz;日本電子(JEOL))、Mercury400(400MHz;アジレント・テクノロジー)型スペクトロメータ、又はOMNMRプローブ(Protasis)を装備したInova400(400MHz;アジレント・テクノロジー)型スペクトロメータを使用し、重溶媒中にテトラメチルシランを含む場合は内部基準としてテトラメチルシランを用い、それ以外の場合には内部基準としてNMR溶媒を用いて測定し、全δ値をppmで示した。マイクロウェーブ反応は、CEM社製DiscoverSクラスを用いて行った。
【0262】
またLCMSスペクトルはWaters社製ACQUITY SQD(四重極型)を用いて下記条件にて測定した。
カラム:YMC社製YMC−Triart C18,2.0X50mm,1.9μmMS検出:ESI positive
UV検出:254及び210nm
カラム流速:0.5mL/min
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
インジェクション量:1μL
グラディエント(table 1)
Time(min)Water Acetonitrile
0 95 5
0.1 95 5
2.1 5 95
3.0 STOP
【0263】
また、逆相分取HPLC精製はWATERS社製分取システムを用いて下記条件にて実施した。
カラム:YMC社製YMC−Actus Triart C18,20X50mm,5μm と YMC社製YMC−Actus Triart C18,20X10mm,5μmを連結したものを使用した。
UV検出:254nm
MS検出: ESI positive
カラム流速:25mL/min
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ぎ酸)
インジェクション量:0.1−0.5mL
略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
dd:ダブル ダブレット
dt:ダブル トリプレット
td:トリプル ダブレット
tt:トリプル トリプレット
ddd:ダブル ダブル ダブレット
ddt:ダブル ダブル トリプレット
dtd:ダブル トリプル ダブレット
tdd:トリプル ダブル ダブレット
m:マルチプレット
br:ブロード
brs:ブロードシングレット
DMSO−d
6:重ジメチルスルホキシド
CDCl
3:重クロロホルム
CD
3OD:重メタノール
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
NMP:1‐メチル‐2‐ピロリジノン
DMSO:ジメチルスルホキシド
TFA:トリフルオロ酢酸
SEMCl:2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロライド
PdCl
2(dppf)CH
2Cl
2: 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体
WSC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾ−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
HBTU:O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオライド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
Boc
2O:二炭酸ジ−tert−ブチル
DMAP:ジメチルアミノピリジン
【0264】
実施例1
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物1)の合成
(工程1)3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの合成
国際公開WO2007/126841号パンフレットに記載されている方法にて合成した3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン520mg、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼン504mg、ヨウ化銅(I)57.3mg、トリエチルアミン0.56mlのDMF10ml混合物に、PdCl
2(dppf)CH
2Cl
2 163mgを加え、窒素置換した後、90℃にて6時間撹拌した。反応液にクロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物を茶褐色固体物質として120mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 296.0
【0265】
(工程2)tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
N−Boc−3−ピロリジノール1000mgをクロロホルム20mlに溶解し、0℃にてトリエチルアミン1.15ml、メタンスルホニルクロライド498μlを加えた。
室温にて1.0時間撹拌したのち、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を無色油状化合物として1.2g得た。物性値:m/z[M+H]
+ 266.1
【0266】
(工程3)tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られた3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン62mg、工程2で得られたtert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート217mg、炭酸カリウム221mgのDMF2.0ml懸濁溶液を70℃にて一時間撹拌した。酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして36.2mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 465.1
【0267】
(工程4)実施例化合物1の合成
上記工程3で得られたtert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート32mgに4N−塩酸/1,4−ジオキサン4mlを加え、室温にて1.5時間撹拌した。得られた反応混合物の溶媒を減圧留去後、引き続きトルエン共沸を行い、3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物を32mg得た。得られた粗生成物の一部12mgにクロロホルム2.0ml、トリエチルアミン20μlを加えた。0℃に冷却後、塩化アクリル2.3μlを溶解したクロロホルム100μlを加え、室温にて10分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応を停止させた後、生成物を酢酸エチルで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物を白色固体として6.5mg得た。物性値を表1に示す。
【0268】
実施例2
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物2)の合成
(工程1)(R)−tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
(R)−N−Boc−3−ピロリジノール935mgをクロロホルム15mlに溶解し、0℃にてトリエチルアミン1.04ml、メタンスルホニルクロライド467μlを加えた。室温にて1.5時間撹拌したのち、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を無色油状化合物として1.1g得た。物性値:m/z[M+H]
+ 266.1
【0269】
(工程2)(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例1(工程1)で得られた3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン334mg、上記(工程1)で得られた(R)−tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート379mg、炭酸カリウム391mgのDMF4.0ml懸濁溶液を70℃にて3時間撹拌した。酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして149mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 465.1
【0270】
(工程3)実施例化合物2の合成
実施例1(工程4)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、上記(工程2)で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用い、酸性条件下、Boc基の除去により(S)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物を得た後アミド化を行い、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表1に示す。
【0271】
実施例3
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物3)の合成
実施例1(工程4)に準じ、塩化アクリルの代わりに、2−ブテノイルクロライドを用いることにより、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表1に示す。
【0272】
実施例4
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物4)の合成
実施例2の中間体として得られた(S)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物5.6mg、4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸 塩酸塩6.3mg、HATU15mgをDMF1.0mlに溶解し、DIPEA50μl加え、終夜撹拌した。反応液にクロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を逆相分取HPLC精製(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして2.3mg得た。物性値を表1に示す。
【0273】
実施例5
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−イン−1−オン(実施例化合物5)の合成
実施例2の中間体として得られた(S)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物16mg、3−(トリメチルシリル)−プロピノイックアシッド10mg、HATU28mgをDMF0.5mlに溶解し、DIPEA31μl加え、終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物を白色固体として0.7mg得た。物性値を表2に示す。
【0274】
実施例6
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)−2−フルオロプロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物6)の合成
実施例4に準じ、4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸 塩酸塩の代わりに2−フルオロアクリル酸を用いることで表記化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表2に示す。
【0275】
実施例7
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物7)の合成
実施例4に準じ、4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸 塩酸塩の代わりに2−(ピロリジン−1−イルメチル)酢酸(syn.comm.1995,641)を用いることで表記化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表2に示す。
【0276】
実施例8
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジエトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物8)の合成
(工程1)1,3−ジエトキシ−5−エチニルベンゼンの合成
四臭化炭素4.78gをジクロロエタン14mLに溶解し、0℃にてトリフェニルホスフィン7.56gを加えた。0℃にて5分間攪拌した後、3,5−ジエトキシベンズアルデヒド1.40gのジクロロメタン7mL溶液を加え、20分間攪拌した。そのまま反応溶液をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し1−(2,2−ジブロモビニル)−3,5−ジエトキシベンゼンを得た。得られた化合物はさらに精製することなく次の反応に用いた。上記で得られた化合物をTHF30mLに溶解し、−78℃にて1.63M n−ブチルリチウムのヘキサン溶液10.5mLを加え、−78℃にて30分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、反応混合物を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色油状物として1.31g得た。
物性値:m/z[M+H]
+ 191.0
【0277】
(工程2)実施例1に準じ、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼンの代わりに、上記工程1で得られた、1,3−ジエトキシ−5−エチニルベンゼンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表2に示す。
【0278】
実施例9
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物9)の合成
(工程1)tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)アゼチジン−1−カルボキシレートの合成
N−Boc−3−ヒドロキシアゼチジン1.73gをクロロホルム20mlに溶解し、0℃にてトリエチルアミン2.09ml、メタンスルホニルクロライド856μlを加えた。室温にて0.5時間撹拌したのち、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を無色油状化合物として2.32g得た。物性値:m/z[M+H]
+ 252.0
【0279】
(工程2)tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られたtert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)アゼチジン−1−カルボキシレート1.32g、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン1.37g、炭酸セシウム3.47gのDMF10ml懸濁溶液を90℃にて10時間撹拌した。酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして482mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 417.0
【0280】
(工程3)tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程2で得られたtert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート200mg,1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼン117mg、ヨウ化銅(I)14mg、トリエチルアミン0.5mlのTHF5ml混合物に、PdCl
2(dppf)CH
2Cl
2 39mgを加え、窒素置換した後、80℃にて1.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして185mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 451.1
【0281】
(工程4)実施例化合物9の合成
実施例1(工程4)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、上記工程3で得られたtert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートを用い、酸性条件下、Boc基の除去により1−(アゼチジン−3−イル)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物を得た後アミド化を行い、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表2に示す。
【0282】
実施例10
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−ヒドロキシブタ−2−イン−1−オン(実施例化合物10)の合成
実施例9の中間体として得られた1−(アゼチジン−3−イル)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物6.0mg、4−ヒドロキシブタ−2−イン酸3.7mg、HATU 11mgをDMF1.0mlに溶解し、DIPEA30μl加え、終夜撹拌した。
【0283】
反応液にクロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を逆相分取HPLC精製(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして1.4mg得た。物性値を表3に示す。
【0284】
実施例11
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルペント−2−イン−1−オン(実施例化合物11)の合成
実施例10に準じ、4−ヒドロキシブタ−2−イン酸の代わりに、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−イン酸を用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表3に示す。
【0285】
実施例12
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物12)の合成
実施例10に準じ、4−ヒドロキシブタ−2−イン酸の代わりに、4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸 塩酸塩を用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表3に示す。
【0286】
実施例13
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(シクロプロピルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物13)の合成
(工程1)4−ブロモブタ−2−エノイルクロライドの合成
4−ブロモクロトン酸 329mgに塩化チオニル 3.0mlを加え80℃にて5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、さらにトルエン共沸を行い、表題化合物を粗生成物として394mg得た。
【0287】
(工程2)1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)
−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−ブロモブタ−2−エン−1−オンの合成
上記実施例9で得られた中間体1−(アゼチジン−3−イル)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物140mgをTHF4.5mlに懸濁させ、DIPEA178μlを加え0℃に冷却した。上記工程1で得られた4−ブロモブタ−2−エノイルクロライド66mgのTHF 0.5ml溶液を滴下し、室温にて15分撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応を停止させた後、生成物を酢酸エチルで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、表題化合物を粗生成物として160mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 497.0,499.0
【0288】
(工程3)実施例化合物13の合成
上記工程2で得られた1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−ブロモブタ−2−エン−1−オンの粗生成物12mgをDMF0.5mlに溶解し、シクロプロピルアミン5μl、DIPEA10μlを加え、室温にて1時間撹拌した。減圧濃縮した後、得られた残渣を逆相分取HPLC精製(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして3.4mg得た。物性値を表3に示す。
【0289】
実施例14
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(イソプロピルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物14)の合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりにイソプロピルアミンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表4に示す。
【0290】
実施例15
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(エチル(メチル)アミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物15)の合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりにエチルメチルアミンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表4に示す。
【0291】
実施例16
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(シクロブチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン( 実施例化合物16)の合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりにシクロブチルアミンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表4に示す。
【0292】
実施例17
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(ジエチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物17)の合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりにジエチルアミンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表5に示す。
【0293】
実施例18
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(tert−ブチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物18)の合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりにtert−ブチルアミンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表5に示す。
【0294】
実施例19
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(イソプロピル(メチル)アミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物19)の合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりにイソプロピルメチルアミンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表5に示す。
【0295】
実施例20
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(ピペリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物20)の合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりにピペリジンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表5に示す。
【0296】
実施例21
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−モルホリノブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物21)の合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりにモルホリンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表6に示す。
【0297】
実施例22
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(3−フルオロピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オンの合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりに(S)−3−フルオロピロリジンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表6に示す。
【0298】
実施例23
(R)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(3−フルオロピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オンの合成
実施例13(工程3)に準じ、シクロプロピルアミンの代わりに(R)−3−フルオロピロリジンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表6に示す。
【0299】
実施例24
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジエトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物24)の合成
実施例9に準じ、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼンの代わりに、1,3−ジエトキシ−5−エチニルベンゼンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表7に示す。
【0300】
実施例25
1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジエトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物25)の合成
実施例12に準じ、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼンの代わりに、1,3−ジエトキシ−5−エチニルベンゼンを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表7に示す。
【0301】
実施例26
1−(3−((4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物26)の合成
(工程1)tert−ブチル 3−((4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例1(工程1)で得られた3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン148mg、N−Boc−3−ヒドロキシメチルピロリジン154 mg、ポリマー担持トリフェニルホスフィン(〜3.0mmol/g)334 mgのTHF5.0ml懸濁溶液に、DIAD197μlを加え、室温にて3時間撹拌した。不溶物をろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして94.5mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 479.1
【0302】
(工程2)実施例化合物26の合成
実施例1(工程4)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、上記工程1で得られたtert−ブチル 3−((4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表7に示す。
【0303】
実施例27
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物27)の合成
実施例26に準じ、N−Boc−3−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりに(R)−1−Boc―3−ヒドロキシピペリジンを用いることにより表題化合物を白色固体として得た。物性値を表7に示す。
【0304】
実施例28
1−((2S,4S)−4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物28)の合成
(工程1)(2S,4R)−tert−ブチル 2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレートの合成
1−N−Boc−(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−ピロリジン500mgをDMF4.0mlに溶解し、イミダゾール164mgを加えた。0℃に冷却後、tert−ブチルクロロジフェニルシラン616μlを加え1時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色油状物質として655mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 456.2
【0305】
(工程2)(2S,4S)−tert−ブチル 2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−4−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られた(2S,4R)−tert−ブチル 2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート300mgをクロロホルム3.0mlに溶解し、0℃にてトリエチルアミン137μl、メタンスルホニルクロライド56μlを加えた。室温にて2.0時間撹拌したのち、クロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を無色油状化合物として389mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 534.1
【0306】
(工程3)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程2で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−4−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート389mg、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン188mg、炭酸カリウム363mgをDMF4.0mlに懸濁し、80℃にて終夜撹拌した。酢酸エチルと水を加え、有機層を分離し無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色油状物質として191mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 699.1
【0307】
(工程4)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程3で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート113mg、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼン52mg、ヨウ化銅(I)6mg、トリエチルアミン0.4mlのTHF4ml混合物に、PdCl
2(dppf)CH
2Cl
2 13mgを加え、窒素置換した後、85℃にて3時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして100mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 733.3
【0308】
(工程5)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程4で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート25mgをTHF 1.0mlに溶解し、シリカゲル担持テトラブチルアンモニウムフルオライド(〜1.5mmol/g)34mgを加え終夜撹拌した。シリカゲル担持テトラブチルアンモニウムフルオライド(〜1.5mmol/g)30mgを追加で加え、さらに二日間撹拌した。試薬をろ過した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして62mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 495.1
【0309】
(工程6)実施例化合物28の合成
実施例1(工程4)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、上記工程5で得られた4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表8に示す。
【0310】
実施例29
1−(3−((4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物29)の合成
実施例26に準じ、N−Boc−3−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりに1−Boc―3−ヒドロキシメチルアゼチジンを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表8に示す。
【0311】
実施例30
N−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)シクロブチル)アクリルアミド(実施例化合物30)の合成
実施例1に準じ、N−Boc−3−ヒドロキピロリジンの代わりにtert−ブチル 3−ヒドロキシシクロブチルカルバメートを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表8に示す。
【0312】
実施例31
1−(4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物31)の合成
実施例1に準じ、tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりにtert−ブチル 4−ブロモピペリジン−1−カルボキシレートを用いることで表記化合物を白色固体として得た。物性値を表8に示す。
【0313】
実施例32
1−((2S,4S)−4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−エチニルピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物32)の合成
(工程1)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−エチニルピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例1(工程1)で得られた3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン14mg、国際公開WO2005/007083号パンフレット記載の方法で合成した(2S,4R)−tert−ブチル 2−エチニル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート15mg、トリフェニルホスフィン23mgをTHF1.0mlに懸濁させ、DIAD18μlを加え、室温にて1時間撹拌した。反応液を濃縮後、DMSO溶液に溶解し、逆相分取HPLC精製(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして5.0mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 489.2
【0314】
(工程2)実施例化合物32の合成
実施例1(工程4)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、上記工程1で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−エチニルピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表9に示す。
【0315】
実施例33
1−(4−((4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物33)の合成
実施例26に準じ、N−Boc−3−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりに1−Boc―4−ヒドロキシメチルピペリジンを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表9に示す。
【0316】
実施例34
N−(3−((4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)フェニル)アクリルアミド(実施例化合物34)の合成
実施例26に準じ、N−Boc−3−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりに、(3−アミノフェニル)メタノールを用いることにより表記化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表9に示す。
【0317】
実施例35
1−(3−((4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)アゼチジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物35)の合成
実施例4に準じ、(S)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに、実施例29で得られた中間体1−(アゼチジン−3−イルメチル)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを用いることにより表記化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表9に示す。
【0318】
実施例36
1−(4−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物36)の合成
実施例4に準じ、(S)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに、実施例31で得られた中間体3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを用いることにより表記化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表9に示す。
【0319】
実施例37
1−(4−((4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物37)の合成
実施例4に準じ、(S)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに、実施例33で得られた中間体3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピペリジン−4−イルメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを用いることにより表記化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表10に示す。
【0320】
実施例38
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物38)の合成
(工程1)(S)−tert−ブチル 3−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン1.00 g、(R)−N−Boc―3−ピロリジノール1.01g、トリフェニルホスフィン1.88gのテトラヒドロフラン溶液40ml溶液に、DIAD1.41mlを加え、反応液を1時間撹拌した。反応液を濃縮、酢酸エチルで洗浄し、表題化合物を白色固体として1.04g得た。物性値:m/z[M+H]
+ 448.9
【0321】
(工程2)(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート400mgにテトラヒドロフラン2.5ml及び28%アンモニア水2.5mlを加え、反応液をマイクロウェーブ反応装置で、100℃で1.5時間撹拌した。クロロホルムと水を加え有機層を分離し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を白色固体化合物として382mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 430.3
【0322】
(工程3)(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程2で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート660mg、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼン374mg、ヨウ化銅(I)44mg、トリエチルアミン2.0mlのTHF15ml混合物に、PdCl
2(dppf)
2CH
2Cl
2122mgを加え、窒素置換した後、80℃にて3.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして714mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 464.1
【0323】
(工程4)実施例化合物38の合成
上記工程3で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート30mgに4N−塩酸/1,4−ジオキサン2mlを加え、室温にて1.5時間撹拌した。得られた反応混合物の溶媒を減圧留去後、引き続きトルエン共沸を行い、(S)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−(ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物を30mg得た。得られた粗生成物の一部10mg、4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸 塩酸塩5.9mg、HATU14mgをDMF1.0mlに溶解し、DIPEA50μl加え、室温で5分撹拌した。反応液にクロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を逆相分取HPLC精製(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして3.9mg得た。物性値を表10に示す。
【0324】
実施例39
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物39)の合成
実施例1(工程4)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、実施例38(工程3)で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用い、酸性条件下、Boc基の除去により(S)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−(ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物を得た後アミド化を行い、表題化合物を白色固体物質として得た。物性値を表10に示す。
【0325】
実施例40
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物40)の合成
(工程1)4−(ピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン酸 塩酸塩の合成4−ブロモクロトン酸メチルエステル1.79gをテトラヒドロフラン40mlに溶解し、0℃にてピロリジン1.67mlを加え、室温にて1時間撹拌した。反応液にジエチルエーテルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた生成物に3N塩酸40mlを加え、100℃で1時間加熱環流した。反応液を減圧濃縮、得られた残渣をイソプロパノールと酢酸エチルの混合溶媒で洗浄し、表題化合物を白色固体として939mg得た。物性値:
m/z[M+H]
+ 156.0
【0326】
(工程2)実施例化合物40の合成
実施例4(工程1)に準じ、実施例38(工程4)で得られた中間体(S)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−(ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンと上記工程1で得られた4−(ピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン酸 塩酸塩を用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表10に示す。
【0327】
実施例41
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物41)の合成
(工程1)(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−ブロモブタ−2−エン−1−オンの合成
実施例38(工程4)で得られた中間体(S)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−(ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物100mgをクロロホルム 3.0mlに懸濁させ、DIPEA 117μlを加え0℃に冷却した。実施例16(工程1)で得られた、4−ブロモブタ−2−エノイルクロライド46mgのクロロホルム 0.3ml溶液を滴下し、室温にて15分撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応を停止させた後、生成物を酢酸エチルで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、表題化合物を粗生成物として140mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 509.9,511.9
【0328】
(工程2)実施例化合物41の合成
上記工程1で得られた(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−ブロモブタ−2−エン−1−オンの粗生成物12mgをDMF0.5mlに溶解し、N−メチルピペラジン4mg、DIPEA10μlを加え、室温にて終夜撹拌した。減圧濃縮した後、得られた残渣を逆相分取HPLC精製(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして3.0mg得た。
物性値を表11に示す。
【0329】
実施例42
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物42)の合成
実施例41(工程2)に準じ、N−メチルピペラジンの代わりに、4−ヒドロキシピペリジンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表11に示す。
【0330】
実施例43
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(4−フルオロピペリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物43)の合成
実施例41(工程2)に準じ、N−メチルピペラジンの代わりに、4−フルオロピペリジン用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表11に示す。
【0331】
実施例44
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物44)の合成
実施例41(工程2)に準じ、N−メチルピペラジンの代わりに、3,3−ジフルオロピロリジン用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表12に示す。
【0332】
実施例45
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物45)の合成
実施例41(工程2)に準じ、N−メチルピペラジンの代わりに、4,4−ジフルオロピペリジン用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表12に示す。
【0333】
実施例46
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(実施例化合物46)の合成
実施例4(工程1)に準じ、実施例38(工程4)で得られた中間体(S)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−(ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンと2−ブチン酸を用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表12に示す。
【0334】
実施例47
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−イン−1−オン(実施例化合物47)の合成
実施例4(工程1)に準じ、実施例38(工程4)で得られた中間体(S)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−(ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンと4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−イン酸を用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表12に示す。
【0335】
実施例48
1−((S)−3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−((R)−3−フルオロピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物48)の合成
実施例41(工程2)に準じ、N−メチルピペラジンの代わりに、(R)−3−フルオロピロリジン用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表13に示す。
【0336】
実施例49
1−((S)−3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物49)の合成
実施例41(工程2)に準じ、N−メチルピペラジンの代わりに、(S)−3−フルオロピロリジン用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表13に示す。
【0337】
実施例50
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ピペリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物50)の合成
実施例41(工程2)に準じ、N−メチルピペラジンの代わりに、ピペリジン用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表13に示す。
【0338】
実施例51
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物51)の合成
(工程1)tert−ブチル 3−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートの合成4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン1.00 g、N−Boc―3−ヒドロキシアゼチジン930mg、トリフェニルホスフィン 1.85gのテトラヒドロフラン溶液40ml溶液に、DIAD1.41mlを加え、反応液を1時間撹拌した。反応液を濃縮、酢酸エチルで洗浄し、表題化合物を白色固体として1.07g得た。物性値:m/z[M+H]
+ 435.0
【0339】
(工程2)tert−ブチル 3−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られたtert−ブチル 3−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート350mgにテトラヒドロフラン2.5ml及び28%アンモニア水2.5mlを加え、反応液をマイクロウェーブ反応装置で、100℃で1.5時間撹拌した。クロロホルムと水を加え有機層を分離し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を白色固体化合物として340mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 416.0
【0340】
(工程3)tert−ブチル 3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程2で得られたtert−ブチル 3−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート639mg、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼン374mg、ヨウ化銅(I)44mg、トリエチルアミン2.0mlのTHF15ml混合物に、PdCl
2(dppf)CH
2Cl
2122mgを加え、窒素置換した後、80℃にて3.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして704mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 450.1
【0341】
(工程4)実施例化合物51の合成
実施例1(工程4)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、上記工程3で得られたtert−ブチル 3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートを用い、酸性条件下、Boc基の除去により7−(アゼチジン−3−イル)−5−((3,5−)ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物を得た後アミド化を行い、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表13に示す。
【0342】
実施例52
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物52)の合成
実施例4(工程1)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、実施例51(工程3)で得られたtert−ブチル 3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−カルボキシレートを用い表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表14に示す。
【0343】
実施例53
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(ピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物53)の合成
実施例4(工程1)に準じ、実施例51(工程4)で得られた中間体7−(アゼチジン−3−イル)−5−((3,5−)ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンと実施例40(工程1)で得られた4−(ピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン酸 塩酸塩を用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表14に示す。
【0344】
実施例54
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)ブタ−2−イン−1−オン(実施例化合物54)の合成
実施例4(工程1)に準じ、実施例51(工程4)で得られた中間体7−(アゼチジン−3−イル)−5−((3,5−)ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンと2−ブタイン酸を用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表14に示す。
【0345】
実施例55
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(アゼチジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物55)の合成
(工程1)1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−ブロモブタ−2−エン−1−オンの合成
上記実施例52(工程4)で得られた中間体7−(アゼチジン−3−イル)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの粗生成物160mgをTHF3.0mlに懸濁させ、DIPEA202μlを加え0℃に冷却した。実施例16(工程1)で得られた、4−ブロモブタ−2−エノイルクロライド75mgのTHF0.5ml溶液を滴下し、室温にて15分撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応を停止させた後、生成物を酢酸エチルで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、表題化合物を粗生成物として204mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 496.0,498.0
【0346】
(工程2)実施例化合物55の合成
上記工程1で得られた1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−ブロモブタ−2−エン−1−オンの粗生成物10mgをTHF0.5mlに懸濁し、アゼチジン7μlを加え、室温にて1時間撹拌した。減圧濃縮した後、得られた残渣を逆相分取HPLC精製(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして1.6mg得た。物性値を表14に示す。
【0347】
実施例56
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(エチル(メチル)アミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物56)の合成
実施例55(工程2)に準じ、アゼチジンの代わりに、エチルメチルアミンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表15に示す。
【0348】
実施例57
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(イソプロピルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物57)の合成
実施例55(工程2)に準じ、アゼチジンの代わりに、イソプロピルアミンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表15に示す。
【0349】
実施例58
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(イソプロピル(メチル)アミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物58)の合成
実施例55(工程2)に準じ、アゼチジンの代わりに、イソプロピルメチルアミンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表15に示す。
【0350】
実施例59
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(ジエチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物59)の合成
実施例55(工程2)に準じ、アゼチジンの代わりに、ジエチルアミンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表16に示す。
【0351】
実施例60
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物60)の合成
実施例55(工程2)に準じ、アゼチジンの代わりに、2−メトキシ−N−メチルエタンアミンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表16に示す。
【0352】
実施例61
1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物61)の合成
実施例55(工程2)に準じ、アゼチジンの代わりに、4−ヒドロキシピペリジンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表16に示す。
【0353】
実施例62
(S)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物62)の合成
実施例55(工程2)に準じ、アゼチジンの代わりに、(S)−3−ヒドロキシピロリジンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表17に示す。
【0354】
実施例63
(R)−1−(3−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)アゼチジン−1−イル)−4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物63)の合成
実施例55(工程2)に準じ、アゼチジンの代わりに、(R)−3−ヒドロキシピロリジンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表17に示す。
【0355】
実施例64
1−(4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物64)の合成
実施例39に準じ、(R)−N−Boc―3−ピロリジノールの代わりに、N−Boc―4−ピペリジノールを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表17に示す。
【0356】
実施例65
1−(4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピペリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物65)の合成
実施例38に準じ、(R)−N−Boc―3−ピロリジノールの代わりに、N−Boc―4−ピペリジノールを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表17に示す。
【0357】
実施例66
(2S,4S)−メチル 1−アクリロイル−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−2−カルボキシレート(実施例化合物66)の合成
(工程1)4−クロロ−5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
国際公開WO2005/042556号パンフレットに記載されている方法にて合成した4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン7.01gを無水THF125mlに溶解し、0℃に冷却後60%水素化ナトリウム4.02gを加えた。20分撹拌した後、SEMCl13.3mlを加え室温にて終夜撹拌した。再び0℃まで冷却後、水を加え反応を停止し酢酸エチルで生成物を抽出した。有機層を有飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を白色固体物質として7.28g得た。物性値:m/z[M+H]
+ 410.0
【0358】
(工程2)5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
上記工程1で得られた4−クロロ−5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン200mgをTHF2.0mlに溶解し、28%アンモニア水2mlを加えた後、反応液をマイクロウェーブ反応装置中、105℃にて1.5時間撹拌した。生成物を酢酸エチルで抽出、有機層を有飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、表題化合物を白色固体物質として192mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 391.0
【0359】
(工程3)5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
実施例1(工程1)に準じ、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに、上記工程2で得られた5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを用いることにより、表題化合物を無色固体として得た。物性値:m/z[M+H]
+ 425.4
【0360】
(工程4)5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
上記工程3で得られた5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン4.27gの塩化メチレン20ml溶液を0℃に冷却し、TFA10mlを加えた。反応液を室温で5時間撹拌し、溶媒を減圧留去した。残渣にTHF50mlを加えて0℃に冷却し、4N水酸化ナトリウム素溶液12.5mlを加えて室温で終夜撹拌した。酢酸エチルで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にクロロホルムを加え、濾過することにより表題化合物を白色固体として2.60g得た。物性値:m/z[M+H]
+ 295.3
【0361】
(工程5)(2S,4R)−4−(メチルスルホニルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル−2−メチルエステルの合成
実施例1(工程2)に準じ、N−Boc−3−ピロリジノールの代わりに(2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル−2−メチルエステルを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。
【0362】
(工程6)(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成
実施例1(工程3)に準じ、3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに上記工程4で得られた5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを用い、tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに上記工程5で得られた(2S,4R)−4−(メチルスルホニルオキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル−2−メチルエステルを用い、炭酸カリウムの代わりに水素化ナトリウムを用い、DMFの代わりにNMPを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値:m/z[M+H]
+ 522.4
【0363】
(工程7)(2S,4S)−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−2−カルボキシレートの合成
上記工程6で得られた(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート24mgの塩化メチレン2.0ml、TFA2.0ml溶液を室温にて30分撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして11.9mg得た。
物性値:m/z[M+H]
+ 422.1
【0364】
(工程8)実施例化合物66の合成
上記工程7で得られた(2S,4S)−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−2−カルボキシレート12mgに塩化メチレン2.0ml、トリエチルアミン16μlを加えた。0℃に冷却後、塩化アクリル5μlを溶解したクロロホルム100μlを加え、室温にて10分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応を停止させた後、生成物を酢酸エチルで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして4.2mg得た。物性値を表18に示す。
【0365】
実施例67
1−((2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物67)の合成
(工程1)(2S,4S)−tert−ブチル 2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−4−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
トリフェニルホスフィン443mgのTHF25ml溶液を0℃に冷却し、DIAD340μlを滴下して反応液を0℃で1時間撹拌した。4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン363mgと実施例28(工程1)で得られた(2S,4R)−tert−ブチル 2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート651.6mgを加え、室温で終夜撹拌した。酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして400mg得た。m/z[M+H]
+ 718.5
【0366】
(工程2)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)−4−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート400mgにTHF10ml、8Nアンモニア メタノール溶液5mlを加え、マイクロウェーブ照射下120℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物を淡黄色固体として293mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 698.5
【0367】
(工程3)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程2で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート200mgのTHF5ml溶液にBoc
2O188mg、DMAP7mgを加え、室温で終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして238mg得た。m/z[M+H]
+ 898.5
【0368】
(工程4)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程3で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((tert−ブチルジフェニルシリルオキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレート237.5mgのTHF5ml溶液にシリカゲル担持テトラブチルアンモニウムフルオライド(〜1.5mmol/g)700mgを加え、室温で終夜撹拌した。シリカゲルを濾別し、濾液の溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製して表題化合物を淡黄色アモルファスとして185mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 660.2
【0369】
(工程5)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−ホルミルピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程4で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート66mgの塩化メチレン2ml溶液にデスマーチンペルヨージナン51mgを加え、室温で1時間撹拌した。さらにデスマーチンペルヨージナン100mgを加え、室温で1時間撹拌した。さらにデスマーチンペルヨージナン70mgを加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去して表題化合物を淡黄色アモルファスとして68mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 658.1
【0370】
(工程6)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程5で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−ホルミルピロリジン−1−カルボキシレート68mgの塩化メチレン2ml溶液に1Mジメチルアミン THF溶液0.3ml、酢酸0.2mlを加え、0℃に冷却した。反応液にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド127mgを加え、0℃で2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去して表題化合物を淡黄色アモルファスとして31.9mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 687.2
【0371】
(工程7)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例1(工程1)に準じ、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに、上記工程6で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより、表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値:m/z[M+H]
+ 721.5
【0372】
(工程8)5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−((3S,5S)−5−((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
実施例66(工程7)に準じ、(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの代わりに上記工程7で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−(bis(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値:m/z[M+H]
+ 421.1
【0373】
(工程9)実施例化合物67の合成
実施例66(工程8)に準じ、(2S,4S)−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−2−カルボキシレートの代わりに、上記工程8で得られた5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−((3S,5S)−5−((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを用いることにより表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表18に示す。
【0374】
実施例68
1−((2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物68)の合成
(工程1)(2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸の合成
実施例66(工程6)で得られた(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート393.8mgをメタノール6mlに溶解し、0℃に冷却後、4N水酸化ナトリウム水溶液3mlを加えた。反応懸濁液を室温で3時間撹拌した。反応液に5N塩酸を加えてpHを5とし、酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を淡黄色固体として280mg得た。物性値m/z[M+H]
+ 508.3
【0375】
(工程2)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドラジンカルボニル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られた(2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸106mg、TBTU100mgのDMF2ml溶液にDIPEA73μl、ヒドラジン1水和物46μlを加え、室温で10分撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして93.6mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 522.4
【0376】
(工程3)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程2で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドラジンカルボニル)ピロリジン−1−カルボキシレート93.6mgにトルエン3ml、オルト蟻酸トリメチル79μlを加え、110℃で終夜撹拌した。反応液に酢酸400μlを加え、110℃で6時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして50mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 532.2
【0377】
(工程4)7−((3S,5S)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
実施例66(工程7)に準じ、(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの代わりに、上記工程3で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート50mgを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして30.3mg得た。m/z[M+H]
+ 432.0
【0378】
(工程5)実施例化合物68の合成
実施例66(工程8)に準じ、(2S,4S)−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−2−カルボキシレートの代わりに、上記工程4で得られた7−((3S,5S)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。
物性値を表18に示す。
【0379】
実施例69
1−((2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物69)の合成
(工程1)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例68(工程3)に準じ、オルト蟻酸トリメチルの代わりに、オルト酢酸トリエチルを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値:m/z[M+H]
+ 546.5
【0380】
(工程2)5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−((3S,5S)−5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
実施例66(工程7)に準じ、(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの代わりに、上記工程1で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値:m/z[M+H]
+ 466.0
【0381】
(工程3) 実施例化合物69の合成
実施例66(工程8)に準じ、(2S,4S)−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−2−カルボキシレートの代わりに、上記工程2で得られた5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−((3S,5S)−5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表18に示す。
【0382】
実施例70
1−((2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物70)の合成
(工程1)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(2−(2−(ジメチルアミノ)アセチル)ヒドラジンカルボニル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例68(工程2)に準じ、ヒドラジン1水和物の代わりに、2−(ジメチルアミノ)アセトヒドラジドを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値:m/z[M+H]
+ 607.3
【0383】
(工程2)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(2−(2−(ジメチルアミノ)アセチル)ヒドラジンカルボニル)ピロリジン−1−カルボキシレート100mgのアセトニトリル3ml溶液にDIPEA105μl、トシルクロリド56mgを加え、40℃で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして40.5mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 589.2
【0384】
(工程3)5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−((3S,5S)−5−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
実施例66(工程7)に準じ、(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの代わりに、上記工程2で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値:m/z[M+H]
+ 489.2
【0385】
(工程4) 実施例化合物70の合成
実施例66(工程8)に準じ、(2S,4S)−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−2−カルボキシレートの代わりに、上記工程3で得られた5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7−((3S,5S)−5−(5−((ジメチルアミノ)メチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表19に示す。
【0386】
実施例71
(2S,4S)−1−アクリロイル−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミド(実施例化合物71)の合成
(工程1)(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例68(工程1)で得られた(2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−2−カルボン酸25.4mg、TBTU17.7mg、N,N,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン13μl、DIPEA26μlのアセトニトリル3ml溶液を室温で1時間撹拌した。酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして3mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 592.4
【0387】
(工程2)(2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミドの合成
実施例66(工程7)に準じ、(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの代わりに、上記工程1で得られた(2S,4S)−tert−ブチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)カルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値:m/z[M+H]
+ 492.4
【0388】
(工程3)実施例化合物71の合成
実施例66(工程8)に準じ、(2S,4S)−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−2−カルボキシレートの代わりに、上記工程2で得られた(2S,4S)−4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミドを用いることにより、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表19に示す。
【0389】
実施例72
1−(4−((4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)メチル)ピペリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(実施例化合物72)の合成
実施例38に準じ、(R)−N−Boc―3−ピロリジノールの代わりに、N−Boc―4−ヒドロキシメチルピペリジンを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表19に示す。
【0390】
実施例73
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(実施例化合物73)の合成
(工程1)4−クロロ−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジンの合成
国際公開WO2007/095223号パンフレットに記載されている方法にて合成した4−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン247mgをDMF7.0mlに溶解し0℃に冷却後、N−ヨードスクシンイミド382mgを加えた。室温で一時間撹拌した後、クロロホルムと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を茶褐色固体物質して455mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 279.1
【0391】
(工程2)(S)−tert−ブチル 3−(4−クロロ−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られた4−クロロ−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン225mgをDMF3.0mlに溶解し、0℃に冷却後60%水素化ナトリウム64.5mgを加えた。実施例2(工程1)で得られた(R)−tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート322mgをDMF2.0ml用いて反応液に加え、室温にて終夜撹拌した。60%水素化ナトリウム64.5mgを追加で加えた後、85℃にて終夜撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を粗生成物として192mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 448.3
【0392】
(工程3)(S)−tert−ブチル 3−(4−クロロ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程2で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−クロロ−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの粗生成物180mg、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼン97mg、ヨウ化銅(I)15mg、トリエチルアミン1.0mlのTHF4.0ml混合物に、PdCl
2(dppf)CH
2Cl
233mgを加え、窒素置換した後、50℃にて30分撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして133mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 482.4
【0393】
(工程4)(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
窒素雰囲気下、上記工程3で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−クロロ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート120mg、2,2’−ビス(ジフェニルフォスヒィノ)−1,1’−ビナフタレン(BINAP)26mg、tert−ブトキシナトリウム72mg、ベンゾフェノンイミン92mg、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム36mgをトルエン10mlに懸濁させ、115℃にて90分間撹拌した。酢酸エチルで希釈後セライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に、ヒドロキシアミン塩酸塩366mg、炭酸水素ナトリウム442mg、メタノール16ml、水4mlを加え、室温にて2時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、酢酸エチルと飽和食塩水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして35mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 463.4
【0394】
(工程5)実施例化合物73の合成
実施例1(工程4)に準じ、tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの代わりに、上記工程3で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表19に示す。
【0395】
参考例1
(R)−1−(3−(4−アミノ−3−(4−フェノキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オン(参考例化合物1)の合成
国際公開WO2008/121742号パンフレットに記載の方法に準じて合成した。物性値を表20に示す。
【0396】
参考例2
3−シクロブチル−1−(フェニルエチニル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン−8−アミン(参考例化合物2)の合成
国際公開WO2007/087395号パンフレットに記載の方法に準じて合成した。物性値を表20に示す。
【0397】
参考例3
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン(参考例化合物3)の合成
実施例1に準じ、(S)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンとプロピオニルクロリドを用いることにより、表題化合物を白色固体として得た。物性値を表20に示す。
【0398】
参考例4
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3,5−ジイソプロピルフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(参考例化合物4)の合成
(工程1)1−エチニル−3,5−ジイソプロピルベンゼンの合成
トリメチルシリルアセチレン589mg、1−ブロモ−3,5−ジイソプロピルベンゼン480mg、ヨウ化銅(I)76mg、トリエチルアミン0.11mlのTHF4ml混合物に、PdCl
2(dppf)CH
2Cl
2163mgを加え、窒素置換した後、80℃にて4時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に2%水酸化カリウムのメタノール溶液を10ml加え室温にて終夜撹拌した。反応液にクロロホルムと水を加え、有機層を分離し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)にて精製し、表題化合物を黄色油状物質として181mg得た。
【0399】
(工程2)(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン446mg、(R)−tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート450mg、炭酸カリウム692mgのDMF5.0ml懸濁溶液を85℃にて6時間撹拌した。酢酸エチルと水を加え有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を淡黄色アモルファスとして354mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 431.1
【0400】
(工程3)(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジイソプロピルフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
上記工程1で得られた1−エチニル−3,5−ジイソプロピルベンゼン56mg、上記工程2で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート43mg、ヨウ化銅(I)3.8mg、トリエチルアミン0.2mlのTHF2.0ml混合物に、PdCl
2(dppf)CH
2Cl
28.2mgを加え、窒素置換した後、80℃にて1.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして42mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 489.2
【0401】
(工程4)(S)−3−((3,5−ジイソプロピルフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの合成
実施例66(工程7)に準じ、(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−(4−アミノ−5−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの代わりに上記工程3で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−((3,5−ジイソプロピルフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートを用いることにより表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。
【0402】
(工程5)参考例化合物4の合成
実施例4に準じ、(S)−3−((3,5−ジメトキシフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに上記工程4で得られた(S)−3−((3,5−ジイソプロピルフェニル)エチニル)−1−(ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンを用い表題化合物を淡黄色アモルファスとして得た。物性値を表20に示す。
【0403】
参考例5
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−((3−メトキシフェニル)エチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(参考例化合物5)の合成
(工程1)(S)−1−(3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オンの合成
参考例4(工程2)で得られた(S)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート488mgに4N−塩酸/1,4−ジオキサン4mlを加え一時間撹拌し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣に、4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸 塩酸塩281mg、HATU647mgのDMF5.0ml溶液を加え、さらにDIPEA 0.78ml加え終夜撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣にクロロホルム50mlとエタノール50mlを加え、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル5.0mlで洗浄後乾燥し、表題化合物の粗生成物を458mg得た。物性値:m/z[M+H]
+ 442.0
【0404】
(工程2)参考例化合物5の合成
上記工程1で得られた(S)−1−(3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン8.0mg、1−エチニル−3−メトキシベンゼン4.0mg、ヨウ化銅(I)0.6mg、トリエチルアミン8.6μlのTHF1.0ml混合物に、PdCl
2(dppf)CH
2Cl
21.3mgを加え、窒素置換した後、80℃にて終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルとメタノールで希釈、得られた希釈溶液を塩基性シリカゲルで処理した後濃縮した。得られた残渣を逆相分取HPLC精製(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))にて精製し、表題化合物を無色アモルファスとして1.4mg得た。物性値を表20に示す。
【0405】
参考例6
(S)−N−(3−((4−アミノ−1−(1−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エノイル)ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル)エチニル)フェニル)アセトアミド(参考例化合物6)の合成
参考例5に準じ、1−エチニル−3−メトキシベンゼンの代わりにN−(3−エチニルフェニル)アセトアミドを用いて、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表20に示す。
【0406】
参考例7
(S)−1−(3−(4−アミノ−3−(ピリジン−3−イルエチニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン−1−オン(参考例化合物7)の合成
参考例5に準じ、1−エチニル−3−メトキシベンゼンの代わりに3−エチニルピリジンを用いて、表題化合物を無色アモルファスとして得た。物性値を表20に示す。
【0407】
【表1】
【0408】
【表2】
【0409】
【表3】
【0410】
【表4】
【0411】
【表5】
【0412】
【表6】
【0413】
【表7】
【0414】
【表8】
【0415】
【表9】
【0416】
【表10】
【0417】
【表11】
【0418】
【表12】
【0419】
【表13】
【0420】
【表14】
【0421】
【表15】
【0422】
【表16】
【0423】
【表17】
【0424】
【表18】
【0425】
【表19】
【0426】
【表20】
【0427】
試験例1
FGFR2キナーゼ活性阻害作用の測定
FGFR2キナーゼ活性に対する阻害活性測定法の条件設定において、キャリパーライフサイエンス社のFL−Peptide 22を基質として用いた。試験に用いた精製リコンビナントヒトFGFR2蛋白質はカルナバイオサイエンス社から購入した。化合物の阻害活性測定においては、まず、被検化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)で終濃度の20倍の濃度になるように段階希釈した。次に、反応用緩衝液(15mM Tris−HCl pH7.5,0.01% Tween−20,2mM DTT)中に精製ヒトFGFR2蛋白質、FL−Peptide 22(終濃度は1.5μM)、塩化マグネシウム(終濃度は5mM)、ATP(終濃度は75μM)と被検化合物DMSO溶液(DMSOの終濃度は5%)を加えて25℃で120分間インキュベーションしキナーゼ反応を行った。そこへキャリパーライフサイエンス社のSeparation Bufferにて希釈したEDTA(終濃度は30mM)を加えてキナーゼ反応を停止させた。最後に、LabChip(登録商標)3000システム(キャリパーライフサイエンス社、励起波長488nm、検出波長530nm)でリン酸化体ペプチドと非リン酸化体ペプチドを分離し各々の量を測定し、その量比からリン酸化反応量を求め、リン酸化反応を50%抑制することのできる化合物濃度をIC
50値(nM)と定義した。結果を表21に示す。
【0428】
結果、被検化合物に代表されるジアルコキシベンゼンエチニル基及びα、β不飽和アミドの部分構造を有する本発明化合物はいずれも高いFGFR2阻害活性を発現した。これに対し、ジアルコキシベンゼンエチニル基及びα、β不飽和アミドの部分構造を有さない参考例化合物ではFGFR2阻害活性は著しく低かった。
【0429】
【表21】
【0430】
試験例2
FGFRを高発現するヒト由来胃癌細胞株に対する細胞増殖抑制効果
FGFR2受容体を過剰発現するヒト由来胃癌細胞株OCUM−2MD3細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で、80%を超えない細胞密度で日常的に継代した。細胞増殖抑制活性の試験を開始するため、OCUM−2MD3細胞を上記DMEM培地中に懸濁し、96ウェル平底プレートの各ウェルに1ウェルあたりの細胞数が3,000個となるように播種した後、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で1日間培養した。翌日、被検化合物をDMSOで終濃度の100倍の濃度になるように段階希釈した。被検化合物のDMSO溶液を培養に用いた培地で希釈し、これを細胞の培養プレートの各ウェルにDMSOの最終濃度が0.5%になるように加え、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で72時間培養した。被検化合物の添加時及び72時間培養後の細胞数の計測は、セルカウンティングキット−8(同仁化学社製)を用いて、同仁化学社の推奨するプロトコールに基づき実施した。キット含有の試薬を各プレートに添加し、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で所定の時間呈色反応を行った。反応終了後、マイクロプレートリーダーを用いて、波長450nmにおける吸光度計測を行った。以下の式より増殖阻害率を算出し、50%阻害する被検化合物の濃度(GI
50(nM))を求めた。結果を表22に示す。
【0431】
結果、被検化合物に代表される本発明化合物は、いずれもヒト由来胃癌細胞株OCUM−2MD3細胞に対して高い増殖抑制作用を示した。
増殖阻害率(%)=(C−T)/(C−C0)X 100
T:被検化合物を添加したウェルの吸光度
C:被検化合物を添加しなかったウェルの吸光度
C0:化合物添加前に測定したウェルの吸光度
【0432】
【表22】
【0433】
試験例3
FGFR1キナーゼ活性阻害作用の測定
FGFR1キナーゼ活性に対する阻害活性測定法の条件設定において、キャリパーライフサイエンス社のFL−Peptide 22を参考に、そのアミノ酸配列にビオチン修飾を付加したビオチン化ペプチド(biotin−EEPLYWSFPAKKK)を合成して基質として用いた。試験に用いた精製リコンビナントヒトFGFR1蛋白質はカルナバイオサイエンス社から購入した。化合物の阻害活性測定においては、まず、被検化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)で終濃度の20倍の濃度になるように段階希釈した。次に、反応用緩衝液(15mM Tris−HCl pH7.5,0.01% Tween−20,2mM DTT)中に精製ヒトFGFR1蛋白質、基質ペプチド(終濃度は250nM)、塩化マグネシウム(終濃度は5mM)、ATP(終濃度は190μM)と被検化合物DMSO溶液(DMSOの終濃度は5%)を加えて25℃で120分間インキュベーションしキナーゼ反応を行った。そこへ終濃度40mMになるようEDTAを加えることで反応を停止させた後、Euラベル化抗リン酸化チロシン抗体PT66(PerkinElmer)とSureLight APC−SA(PerkinElmer)を含む検出液を添加し室温で2時間以上静置した。最後に、PHERAstar FS(BMG LABTECH)で波長337nmの励起光照射時における蛍光量を620nmと665nmの二波長で測定した。二波長の蛍光量比からリン酸化反応量を求め、リン酸化反応を50%抑制することのできる化合物濃度をIC
50値(nM)と定義し以下の表に示した。結果を表23に示す。
【0434】
試験例4
FGFR3キナーゼ活性阻害作用の測定
FGFR3キナーゼ活性に対する阻害活性測定は試験例3の方法に準じて行った。精製リコンビナントヒトFGFR3蛋白質はカルナバイオサイエンス株式会社より購入した。ATPの終濃度は50μMとした。結果を表23に示す。
【0435】
試験例5
FGFR4キナーゼ活性阻害作用の測定
FGFR4キナーゼ活性に対する阻害活性測定は試験例3の方法に準じて行った。精製リコンビナントヒトFGFR4蛋白質はカルナバイオサイエンス株式会社より購入した。ATPの終濃度は200μMとした。結果を表23に示す。
【0436】
試験例3〜5の結果、被検化合物に代表される本発明化合物はいずれも、FGFR1、3、4に対しても高い阻害活性を示し、pan−FGFR阻害剤であることが判明した。
【0437】
【表23】
【0438】
試験例6 間歇投与による血中リン濃度上昇の抑制と全身性毒性の軽減
生後9週齢の雌性SDラットを各群の平均体重が均等になるように6群に割り付けた。この群分け(n=3)を実施した日をday 1とした。実施例化合物2は、15、30及び100mg/kg/dayとなるよう調製し、経口でday 1から連日投与、および間歇投与を行った(表24)。
【0439】
day1、 5、 9、 15に、設定した各群で採血(約100μL/匹)を実施し、血中リン濃度の測定を行った。各ポイントでの採血は、その日の化合物投与前に実施した。血中リン濃度の測定結果を
図1に、day 1の血中リン濃度を1としたときの相対的リン濃度を
図2に示した。
図2において、*印は各測定日のコントロール群に対して統計学的有意差(Dunnett’s test,p<0.05)が認められたことを示す。投与期間中の毒性の指標として経時的に体重[body weight:BW(g)]を測定し、day 1に対する最終評価日までの平均体重変化率[body weight change:BWC(%)]を下記式により算出した(n:2回/週で実施する体重測定日であり、最終測定日は最終評価日であるday15に該当する)。結果を
図3に示した。*印は各群の最終測定日において、コントロール群に対して統計学的有意差(Dunnett’s test,p<0.05)が認められたことを示す。
BWC(%)=[(Day nにおけるBW)−(Day 1におけるBW)]/(Day 1におけるBW)×100
【0440】
【表24】
【0441】
試験例7 ラットにおける間歇投与スケジュールでの抗腫瘍効果
ヒト胃癌株(OCUM−2MD3)を生後6週齢の雄性ヌードラットの右側胸部に移植した。腫瘍移植後に腫瘍の長径(mm)及び短径(mm)を測定し、腫瘍体積(tumor volume:TV)を算出後、各群の平均TVが均等になるように各群に
ラットを割り付け、この群分け(n=5)を実施した日をday 0とした。実施例化合物2を3mg/kg/day、30mg/kg/day、100mg/kg/dayとなるように調製し、3mg/kg/dayは連日経口投与、30mg/kg/dayは隔日で経口投与、100mg/kg/dayは2回/週の経口投与をday 1から行い、14日間の評価期間を設け、最終評価日をday 15とした。
【0442】
抗腫瘍効果の指標として、各群でday 15におけるTVを測定し、下記式により、day 0に対する相対腫瘍体積(relative tumor volume:RTV)を算出して抗腫瘍効果を評価した。効果の評価判定は、投与群の平均RTV値がコントロール投与群の平均RTV値より統計学的に有意(Dunnett’s test,p<0.05)に小さい場合に抗腫瘍効果ありとして判定した。結果を
図4に示す。図中、*印はコントロール群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。
TV(mm
3)=(長径×短径
2)/2
RTV=(Day 15におけるTV)/(Day 0におけるTV)
【0443】
試験例8 マウスにおける間歇投与スケジュールでの抗腫瘍効果
ヒト胃癌株(SNU−16)を生後6週齢の雄性ヌードマウスの右側胸部に移植した。腫瘍移植後に腫瘍の長径(mm)及び短径(mm)を測定し、TVを算出後、各群の平均TVが均等になるように各群にマウスを割り付け、この群分け(n=6)を実施した日をday 0とした。実施例化合物2を100mg/kg/day、350mg/kg/day、700mg/kg/dayとなるように調製し、100mg/kg/dayは連日経口投与、350mg/kg/dayは2回/週の経口投与、700mg/kg/dayは1回/週の経口投与をday 1から行い、14日間の評価期間を設け、最終評価日をday 15とした。
【0444】
抗腫瘍効果の指標として、各群でday 15におけるTVを測定し、day
0に対するRTVを算出して抗腫瘍効果を評価した。効果の評価判定は、投与群の平均RTV値が個々のコントロール群の平均RTV値より統計学的に有意(Dunnett’s test,p<0.05)に小さい場合に抗腫瘍効果ありとして判定した。結果を
図5に示す。図中、*印はコントロール群に対して統計学的有意差が認められたことを示す。
投与期間中の毒性の指標として経時的にBW(g)を測定し、day
0に対する最終評価日までのBWC(%)を算出した。結果を
図6に示した。*印は最終測定日において、コントロール群に対して統計学的有意差(Dunnett’s test,p<0.05)が認められたことを示す。
【0445】
考察
図1、2から明らかなように、実施例化合物2の投与後の血中リン濃度推移は、15mg/kg/day、および30mg/kg/dayの連日投与群では、day 1の初回投与前と比較し、血中リン濃度のトラフ値がそれぞれおよそ1.3倍、1.7倍上昇し、それぞれの最終評価日まで持続した。一方、30mg/kg/dayの間歇投与群(隔日投与)の血中リン濃度は、初回投与前と同程度であり、トラフ値の上昇を認めなかった。100mg/kg/dayの間歇投与群(2回/週)については、初回投与前の血中リン濃度測定は実施していないが、最終評価日(day 15)の結果はコントロール群と同等であり、トラフ値の上昇の持続がないことが示された。このことから、間歇投与では連日投与に比べて、持続的な血中リン濃度上昇が回避されることが示された。
【0446】
この時の体重推移の結果を
図3に示した。化合物投与による体重への影響は、15mg/kg/dayの14日間連日投与群で体重増加抑制、30mg/kg/dayの8日間連日投与群では体重減少が認められた。一方、間歇投与群では、いずれの群もコントロール群と同様に体重増加が認められた。このことから連日投与よりも間歇投与の方が、体重への影響が少ないことが示された。
【0447】
ラットにおける間歇投与での実施例化合物2の抗腫瘍効果について、
図4に示した。いずれの試験化合物投与群も評価期間中にすべての動物で腫瘍消失が認められ、間歇投与においても連日投与と同程度の抗腫瘍効果を発揮できることが示された。
【0448】
マウスにおける間歇投与での実施例化合物2の抗腫瘍効果について、
図5に示した。コントロール群と比較して有意に抗腫瘍効果を示したのは、100mg/kg/dayの連日投与群、350mg/kg/dayの間歇投与群(2回/週)であり、700mg/kg/dayの間歇投与群(1回/週)は有意な抗腫瘍効果を示さなかった。また、この350mg/kg/dayの間歇投与群(2回/週)と100mg/kg/dayの連日投与群の抗腫瘍効果を比較したところ(student−t test)、2群間で有意差は認めず、抗腫瘍効果は同等であることが示された。
この時の体重推移の結果を
図6に示した。化合物投与による体重への影響は、100mg/kg/dayの連日投与群で体重減少が観察され、また死亡例が1例で認められた。一方、350mg/kg/dayの間歇投与群(2回/週)、700mg/kg/dayの間歇投与群(1回/週)ではコントロール群と同様の体重推移を示した。これらの結果より、間歇投与で体重抑制なく抗腫瘍効果を示すのは350mg/kg/dayの2回/週の経口投与群であった。
【0449】
以上の結果から、一般式(I)で表される3,5−二置換ベンゼンアルキニル化合物及びその塩は、隔日投与や2回/週の間歇投与のような適度な間隔で投与することにより、血中リン濃度の持続的な上昇と体重抑制を軽減し、かつ連日投与と同程度の抗腫瘍効果を発揮した。FGFR阻害を有する化合物を間歇で投与する投与方法は、臨床での治療においてもFGFR阻害に起因する毒性を回避しつつ、抗腫瘍効果を発揮する非常に有用な手法となることが十分期待される。