【文献】
XIAOPENG DONG,Detection and Identification of Vehicles Based on Their Unintended Electromagnetic Emissions,IEEE TRANSACTIONS ON ELECTROMAGNETIC COMPATIBILITY,米国,IEEE SERVICE CENTER,2006年11月 1日,VOL. 48, NO. 4,pp. 752-759
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によると、デバイス識別のためのシステムは、デバイスによって放出された電磁放射信号を検出するように適合された受信機と、受信機に動作可能に接続されたマイクロプロセッサとを含む。電磁放射信号は、デバイスによって生成された干渉信号の場合がある。マイクロプロセッサは、電磁放射信号の少なくとも1つの特性を識別し、電磁放射信号の少なくとも1つの特性を既知の値と比較することによって、デバイスを識別するように適合される。
【0005】
一実施形態によると、マイクロプロセッサは、電磁放射信号の少なくとも1つの特性パラメータをデバイスに関連する少なくとも1つの格納された将来的な特性値と比較することによって、電磁放射信号を放出したデバイスを識別するように適合される。
【0006】
一実施形態によると、システムは、デバイスに関連する少なくとも1つの格納された将来的な特性値を格納するためのメモリを含む。
【0007】
一実施形態によると、マイクロプロセッサは、電磁放射信号の複数の特性パラメータを抽出することができる。マイクロプロセッサは、また、複数の特性パラメータを複数の格納された将来的な特性値と比較することができる。
【0008】
一実施形態によると、マイクロプロセッサは、較正期間の間にデバイスに関連する少なくとも1つの予測された将来的な特性値を発生させることができる。一部の実施形態では、マイクロプロセッサは、予測される将来的な特性値を発生させるために、特性パラメータの既知の値を補外することができる。
【0009】
一実施形態によると、システムは、少なくとも1つの特性パラメータの値が少なくとも1つの格納された将来的な特性値の特定の許容範囲(たとえば1%)内にある場合、電磁放射信号を放出したデバイスを認識および識別することができる。
【0010】
一実施形態によると、受信機は、複数のデバイスからの複数の電磁放射信号を検出するよう適合することができ、マイクロプロセッサは、複数の電磁放射信号の各電磁放射信号の少なくとも1つの特性パラメータを識別するように適合することができる。マイクロプロセッサは、複数の電磁放射信号の各電磁放射信号の少なくとも1つの特性パラメータを少なくとも1つの格納された将来的な特性値と比較することによって、複数のデバイスのどのデバイスが電磁放射信号を放出したかを識別することができる。
【0011】
一実施形態によると、システムは、マイクロプロセッサによるデバイスの識別および認識が成功した後に、動作を実行するよう適合されたマイクロプロセッサと通信する実行モジュールを含むことができる。
【0012】
一実施形態によると、実行モジュールは、マイクロプロセッサによるデバイスの識別および認識が成功した後に、関連するシステム(たとえばドア・オープナ)に命令することができる。
【0013】
一実施形態によると、実行モジュールは、マイクロプロセッサによるデバイスの認識および識別が成功したことについて通知するように適合されたディスプレイを含む。
【0014】
一実施形態によると、実行モジュールはマイクロプロセッサによるデバイスの認識および識別が成功した後に、充電ステーションを解放することができる。
【0015】
一実施形態によると、デバイスの識別のためのシステムは、デバイスによって放出された電磁放射(干渉信号の場合がある)を検出するように適合された受信機および受信機に動作可能に接続されたマイクロプロセッサを含み、マイクロプロセッサは、電磁放射から少なくとも1つの特性パターンを抽出するように適合されている。システムは、また、デバイスに関連する少なくとも1つの将来的な特性パターンを格納するために、マイクロプロセッサに接続されたメモリを含む。マイクロプロセッサは、電磁放射の少なくとも1つの特性パターンがメモリに格納された少なくとも1つの将来的な特性パターンに一致するかどうかを決定するために、電磁放射の少なくとも1つの特性パターンをメモリに格納された少なくとも1つの格納された将来的な特性パターンと比較することによって、デバイスを識別するように適合される。
【0016】
一実施形態によると、システムは、また、マイクロプロセッサと通信する実行モジュールを含む。電磁放射の少なくとも1つの特性パターンがメモリに格納された少なくとも1つの将来的な特性パターンに一致するとマイクロプロセッサが決定した場合、実行モジュールは動作を実行することができる。
【0017】
一実施形態によると、マイクロプロセッサは、電磁放射の複数の特性パターンを識別し、複数の特性パターンをメモリに格納された複数の将来的な特性パターンと比較するように適合させることができる。
【0018】
一実施形態によると、デバイス識別のための方法は、電磁放射信号を検出するステップと、電磁放射信号の少なくとも1つの特性を識別するステップとを含む。電磁放射信号は、デバイスによって生成される干渉信号の場合がある。方法は、電磁放射信号の少なくとも1つの検出された特性を既知の値と比較することによって、デバイスが電磁放射信号を放出したことを識別するステップをさらに含む。
【0019】
一実施形態によると、方法は、また、少なくとも1つの検出された特性をデバイスに関連する少なくとも1つの格納された特性と比較するステップと、少なくとも1つの検出された特性がデバイスに関連する少なくとも1つの格納された特性に一致する場合に、デバイスが電磁放射信号を放出したと識別するステップとを含む。
【0020】
一実施形態によると、方法は、また、少なくとも1つの検出された特性が少なくとも1つの格納された特性に一致する場合に、デバイスに関連する少なくとも1つの格納された特性を更新することを含むことができる。
【0021】
一実施形態によると、方法は、また、電磁放射信号の少なくとも第2の特性を識別するステップと、第2の特性をデバイスに関連する少なくとも第2の格納された特性と比較するステップとを含むことができる。方法は、少なくとも1つの検出された特性が少なくとも1つの格納された特性に一致し、第2の検出された特性が第2の格納された特性に一致する場合に、デバイスが電磁放射信号を放出したと識別するステップをさらに含むことができる。
【0022】
一実施形態によると、方法は、また、検出された特性の既知の値を補外することによって、較正期間の間にデバイスに関連する少なくとも1つの格納された予測された将来的な特性を発生させるステップを含むことができる。
【0023】
これらおよび他の実施形態は、添付の図面に関して、本明細書の以下の詳細な説明を考慮して明白になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、デバイス12から放出された外部電磁放射信号14を通じた機械またはデバイス12の識別のためのシステム10を示している。外部電磁放射信号14は、より詳しくは以下に記述するように、意識的に生成された信号ではなく、デバイスによって生成された干渉信号である。
【0026】
デバイス12は、自動車、輸送装置、飛行機、または船など電気機械的な機能を持つことができ、電気モーター、電力スイッチなど1つまたは複数の内部従属構成要素16を含む。これらの内部従属構成要素16は、電気機械的な機能をデバイス12に提供する。しかし、ほとんどの電気機械的な構成要素と同様に、内部従属構成要素16は、電磁放射18を放出する。つまり稼働中に、何よりも、寄生的な結合を引き起こす可能性があるため、典型的には望ましくない干渉である。デバイス12は、デバイス12からエンクロージャまたは容器20の外部に放出されている電磁放射18の量を遮蔽および最小限にするために、内部従属構成要素16が配置されるエンクロージャまたは包装の20を含むことができる。容器20は、そのため、電磁放射18が他の外部デバイス(図示せず)に干渉するのを防ぐように機能する。しかし、容器20によって引き起こされる遮蔽にもかかわらず、電磁放射18およびその内部反射22の一部は、デバイス12からまだ放出される。デバイス12が起動されると、これらの放射は、外部電磁放射の形で信号14を作り出す。
【0027】
この外部電磁放射信号14は、通常、ランダム・ノイズの主な部分に加えて、1つまたは複数の内部従属構成要素16の内部機能プロセスから生じる、決定的なパターンのはるかに小さな部分を含む。たとえば、パターンは、従来の電気モーターの整流子接触または高速に切り替える電力電子回路から生じる周期成分を含む場合がある。これらの決定的なパターンは、特定の内部従属構成要素16の動作に特有であり、したがって、デバイス12に特有である。したがって、より詳しくは以下に記述するように、決定的なパターンの特性は分離することができ、システム10によってデバイス12の識別に使用することができる。
【0028】
さらに
図1を参照すると、機械またはデバイス12の識別のためのシステム10は、マイクロプロセッサ26に接続された受信機24を含み、マイクロプロセッサ26は次に、メモリ28および実行系29に接続されている。受信機24は、アンテナ30を含むことができ、デバイス12によって放出された外部放射信号14を検出するように適合される。アンテナ30の特性は、当業者には容易に理解されるように、デバイス12からの予期される電磁放射信号14に依存している。たとえば、一部の実施形態では、アンテナは、不十分な干渉除去を用いるデバイス12から外部放射信号14を受信できる数百キロヘルツの受信帯域幅を持つことができる。これらの実施形態では、受信機24のアンテナ30は、単に、外部放射信号14を検出するためにデバイス12に隣接して、たとえば数メートルの範囲内に位置する必要がある場合がある。他の実施形態では、受信機24は、デバイス12との見通し線に配置することができ、たとえば、システム外部の信号干渉の有害な影響など、外部環境の影響を最小限にするために、指図されたアンテナ30と共に干渉除去のために既知の技術を実装することができる。
【0029】
受信機24は、電磁放射信号14を受信し、またはそこから得た信号をマイクロプロセッサ26に中継する。マイクロプロセッサ26は、外部放射信号14の少なくとも1つの特性パターンを識別するために、外部放射信号14を分析するためのコンピュータ可読コードを含むことができ、外部放射信号14は、デバイス12の一意的な特徴を表し、したがって、デバイス12を識別するために使用することができる。マイクロプロセッサ26は、より詳しくは以下に記述するように、デバイス12の識別のために少なくとも1つの特性パターンを使用することができる。
【0030】
一部の実施形態では、システム10は、また、受信機24とマイクロプロセッサ26との間に配置されたシグナル・コンディショナ32を含むことができる。上記のように、外部放射信号14は、ランダム・ノイズに加えて、1つまたは複数の内部従属構成要素16の内部機能プロセスから生じる決定的なパターンを含む。シグナル・コンディショナ32は、信号からのノイズを復調および/またはフィルタすることができる。たとえば、一部の実施形態では、シグナル・コンディショナ32は、外部放射信号14の特性パターンを規定する、対象となる特定の周波数の近くに帯域通過を適用することによって、信号をフィルタすることができる。シグナル・コンディショナ32は、また、復調およびフィルタされた信号を増幅し、かつ/またはマイクロプロセッサ26で処理する前にアナログからデジタルへの変換を実行することができる。
【0031】
図2および
図3を参照すると、
図1に示すシグナル・コンディショナ32による信号調節および前処理後の時間領域および周波数領域における外部放射信号14の代表的な実施形態について、それぞれ示している。信号復調なしで示しているが、外部放射信号14が変調される一部の実施形態では、
図1に示すシグナル・コンディショナ32は、また、上に記述したように、
図1に示すマイクロプロセッサ26による処理の前に外部放射信号14を復調することができる。
図1に示すマイクロプロセッサ26は、以下に規定するように、受信された無線周波電力Pを分析することができる。
【0032】
【数1】
ここで、V(t)は、時間に応じた外部放射信号の電圧であり、Zはインピーダンスである。
図2に示す時間領域では、
図1に示すマイクロプロセッサ26は、パルス波形、デューティ・サイクル、およびパルス周波数など受信された無線周波電力の特徴的なパルス・シーケンスに関する情報だけでなく、これらの数の一次的および/または二次的な派生物を得るために、外部放射信号14の受信された無線周波電力Pの特性パラメータを抽出および分析することができる。
【0033】
図1に示すマイクロプロセッサ26は、また、たとえばフーリエ変換を通じて、受信された無線周波電力Pを
図3に示す周波数領域に変換し、次にデバイス識別のための特性パラメータとして使用するために、外部放射信号14の特性周波数およびそれらの振幅に関するスペクトル情報を得るために、周波数分布を分析するか、またはスペクトル分析を使用する。
【0034】
上記のように、外部放射信号14は、
図1に示す1つまたは複数の内部従属構成要素16の内部機能プロセスから生じる決定的なパターンを含む。これらの決定的なパターンは、
図1に示すシステム10によって検出された受信された無線周波電力Pに影響し、
図1に示すシステム10によって検出された上記の特性の振る舞いを規定する。たとえば、決定的なパターンは、受信された無線周波電力Pに、特定のパルス周波数、時間領域におけるパルス波形および/もしくはデューティ・サイクル、ならびに/または異なるデバイスによって放出されるであろうものとは異なる周波数領域における独特の特性周波数および振幅を提供することができる。なぜなら、それらは、電気モーターのコレクタ・コンタクトの掻き傷、特徴的な電源切り替え回路の構成要素の特定の寸法などのために接触抵抗が変動することから生じる振動など個々または本来のデバイス特性の結果として生じるためである。したがって、これらの検出された特性は、デバイス12を識別するために署名として使用することができる。なぜなら、
図1に示す1つまたは複数の内部従属構成要素16の内部機能プロセスから生じる決定的なパターンは、
図1に示すデバイス12に独特であるためである。
【0035】
図4を参照すると、外部放射信号14を通じてデバイス12の識別を実現するために、
図1に示すシステム10は、デバイス12に対して最初に較正しなければならない。較正するために、36で較正期間の期限が切れるまで、
図1に示すシステム10は、34で外部放射信号14を検出し取り込む。マイクロプロセッサ26は、経過した時間に応じて特性の検出された値の変化を観察するために、受信された外部放射信号14、特に38で較正期間を通じて上に記述した特性の1つまたは複数を分析する。たとえば、
図1に示す従属構成要素16の継続的な摩耗により、デバイス12が動作すると、特性パラメータの一部の値は、時間と共に徐々に変化する場合がある。特性を分析するときに、マイクロプロセッサ26は最初に、固定(たとえば不変)または決定的な老化パターンを持つ特性を識別することによって、どの特性がデバイス識別に適切かを決定するため、較正期間の間に観察された既知の振る舞いに基づいて、特性の将来的な値を予測することができる。たとえば、マイクロプロセッサ26は、特性パターンを抽出するために、相関分析およびベイズのアルゴリズムなど既知の数学的手順を使用して、外部放射信号14を分析することができ、較正期間にわたってその特性パラメータの振る舞いをモデル化する各特性パラメータに対する多数の特定の値を提供するために、各特性パラメータが時間と共にどのように変動するかを決定するために、回帰分析を含む代表的な方法を使用することができる。特性パラメータの振る舞いは、デバイス12の内部従属構成要素16(
図1に図示)に少なくとも部分的によるため、分析で識別された特定の値は、デバイス12の個々の構成要素の特性に間接的に関係する。
【0036】
たとえば、一部の実施形態では、個々のデバイス特性(たとえば、電気モーターのコレクタ・コンタクトの掻き傷、または特徴的な電源切り替え回路の構成要素の特定の寸法のために接触抵抗が変動することから生じる振動)は、受信された無線周波電力Pにおける変化を引き起こす場合があり、これにより、電磁放射信号14の周波数分布が変化する。マイクロプロセッサ26は、較正期間の間に受信された受信された無線周波電力Pの周波数分布に相関する電磁放射信号14から特性信号パラメータを抽出するために、較正期間の間に検出された周波数分布の相関分析を実行することができる。したがって、相関分析により、受信された無線周波電力Pの周波数分布をモデル化し、したがって、デバイス12の外部放射信号14をモデル化する特性パラメータを得ることができる。当業者は理解されるように、上に記述した様々な数学的な手順は、特性パラメータを発生させるためにデバイス12の電磁放射信号14の振る舞いをモデル化するために、マイクロプロセッサ26によって実装することができる。好ましくは、マイクロプロセッサ26は、較正期間の間に、時間領域および周波数領域の両方において、上に記述した外部放射信号14の様々な特性をモデル化するために特定の値を発生させる。
【0037】
マイクロプロセッサ26が、較正期間にわたって外部放射信号14の特性をモデル化するために特定の値を発生させたら、39で、マイクロプロセッサ26は、識別された特性パラメータのいずれかが不変(つまり固定または一定)かどうかを決定する。識別された特性パラメータのいずれかが不変である場合、マイクロプロセッサ26は、40で、メモリ28に一定の将来的な値として、これらの不変の特性パラメータの特定の値を格納する。なぜなら、これらの一定のパラメータの摩耗特性を分析することが必要ではない場合があるためである。望まれる場合、時間にわたって少しまたは非常に徐々の老化パターンを示す特性パラメータは、不変パラメータとしてマイクロプロセッサ26によって認識、分析、およびモデル化ができることを当業者は理解されるであろう。より詳しくは以下に記述するように、
図1に示すシステム10により、格納された値への将来的な更新が可能である場合、徐々の老化パターンを示す分析およびモデル化された特性パラメータは、特に有利な場合がある。なぜなら、そうすることで、外部放射信号14をモデル化するのに必要な時間および計算能力が減る可能性があるためである。
【0038】
41で、適切な場合、次に、マイクロプロセッサ26は、各一定でない特性パラメータの予測された将来的な値を発生させる。特に、上に記述したように、デバイス12の一部の特性パラメータは、
図1に示す内部従属構成要素16の摩耗などのために年数と共に徐々に変化する場合がある。したがって、41で、マイクロプロセッサ26は、特性パラメータの老化予測およびその特定の値を発生させるために、これらの一定でない特性パラメータを分析する。たとえば、老化予測は、較正期間の間に観察される老化に依存して、上に記述した回帰分析、自己回帰移動平均など時間にわたるか、または時系列分析による簡素な補外、自己回帰和分移動平均(autoregressive integrated moving average)、ホルト・ウィンタース法などに基づくことができる。次に、マイクロプロセッサ26は、較正を完了するために、42で、予測される将来的な特性値として、一定でないが決定的な特性パラメータの特定の値および老化予測をメモリ28に格納する。
【0039】
図5を参照すると、代表的なコンスタレーション
図44は、
図1に示すマイクロプロセッサ26が、
図2および
図3に示す電磁放射信号14の2つの特性パラメータXおよびYに対する値および予測を
図1に示すメモリ28にどのように格納できるかを示している。特性パラメータXおよびYは、相互に独立することができ、上に記述した様々な特性パラメータのいずれかの場合がある(たとえば、パルス周波数、時間領域におけるパルス波形および/もしくはデューティ・サイクルならびに/または周波数領域における特性周波数および振幅)。簡潔さのために2つのパラメータのみを示しているが、
図1に示すメモリ28に格納された値および予測を持つ特性パラメータの数は、はるかに高い場合があることを当業者は理解されるであろう。コンスタレーション
図44は、時間の経過と共に様々な特性パラメータX、Yなどの変化を視覚的に表している。コンスタレーション
図44では、トラック46は、時間の経過と共にマップされた特性パラメータX、Yなどのすべての変化に依存して、トラック46の軌道、傾斜、および曲率を用いて、様々な時間点でパラメータXおよびYを接続することができる。トラック46は、時間の経過と共にパラメータXおよびYがどのように変化するかを示す、既知の部分48および予測的な部分50を含む。既知の部分48は、たとえば、上に記述した較正期間の場合があり、時間T
1に、それぞれパラメータXおよびYに対する測定された値X
1およびY
1、および時間T
2に、それぞれパラメータXおよびYに対する測定された値X
2およびY
2を含む。簡潔さのために、既知の2点のみ(つまりX
1/Y
1およびX
2/Y
2)を既知の部分48に示しているが、トラック46の振る舞いを適切に予測するために信頼性が高い補間を提供するために、さらに多くの点が恐らく必要であろうことを当業者は理解されるであろう。予測的な部分50は、上に記述したように、既知の部分48の補外の場合があり、時間T
nに、それぞれパラメータXおよびYに対して予測された値X
nおよびY
nを示している。トラック46は、摩滅などによる推論されるパラメータXおよびYへの変更を示している。コンスタレーション
図44に見られるように、トラック46の属性(たとえば傾斜および曲率)は、また、時間の経過と共にゆっくり変化し、したがって、これらの属性だけでなく、その一次的な派生物は、また、
図1に示すデバイス12を識別するために使用される特性の場合がある。
【0040】
図6を参照すると、動作において、
図1に示すシステム10は、デバイス12を識別するために、格納された特性値および予測を使用することができる。たとえば、
図1に示すシステム10は、52で、デバイス12が
図1に示す受信機24の範囲にある場合、外部放射信号14を検出し、マイクロプロセッサ26に外部放射信号14を中継する。54で、マイクロプロセッサ26は、
図1に示す受信機24から(または信号調節が実装されている場合は
図1に示すコンディショナ32から)外部放射信号14を受信し、デバイスを識別する目的のために、外部放射信号14の1つまたは複数の特性パラメータを分析する。特に、マイクロプロセッサ26は、各特性パラメータに対する検出された値を提供するために、実質的に同じ方法で、較正の間に選択された同じ特性パラメータを分析する。マイクロプロセッサ26が、関係する各特性パラメータに対する検出された値を決定すると、マイクロプロセッサ26は、56で、検出された値をメモリ28に格納された予測された将来的な値と比較する。58で、値がメモリ28に格納された予測された将来的な値に一致するとマイクロプロセッサ26が決定した場合、マイクロプロセッサ26は、60でデバイス12を肯定的に識別する。58で、値がメモリ28に格納された予測された将来的な値に一致しないとマイクロプロセッサ26が決定した場合、マイクロプロセッサ26は、デバイス12を肯定的に識別しない。
【0041】
一部の実施形態では、マイクロプロセッサ26は、58で、各特性パラメータに対する予測された将来的な値について、検出された値が規定された範囲内にある場合、検出された値が予測された将来的な値に一致すると決定することができる。たとえば、一部の実施形態では、予測された将来的な値の1%内にある検出された値は、マイクロプロセッサ26によって一致と見なすことができる。他の実施形態では、予測された将来的な値の5%または10%内にある検出された値は、
図1に示すシステム10の意図したアプリケーションに依存して、マイクロプロセッサ26により一致と見なすことができる。さらに、デバイス12を識別する場合、
図1に示すシステム10は、複数の特性パラメータの組合せを使用することができる。なぜなら、より多くの独立した特性パラメータがデバイス識別に使用されるほど、デバイスの混乱または誤認がある可能性が低くなるためである。
【0042】
さらに
図6を参照すると、マイクロプロセッサ26が、60でデバイス12を肯定的に識別する場合、マイクロプロセッサ26は、62で意図した機能を実行するように、
図1に示した実行モジュール29に命令することができる。
図1に示した実行モジュール29は、デバイス12の特性パラメータおよび値を表示するため、またはマイクロプロセッサ26によってデバイス12の識別の成功を通知するために、たとえばディスプレイを単に含むことができる。一部の実施形態では、
図1に示す実行モジュール29は、車両のために車庫の扉を開ける(たとえばデバイス12が車両である場合)、デバイス認証手順が成功した後に充電ステーションを解放する、または事前の認証および承認を必要とする他の同様の活動を行うなどの動作を実行するように、電子システムまたは電気機械システムに命令するなど、適切な動作処置をとることができる。
【0043】
一部の実施形態では、マイクロプロセッサ26が、60でデバイス12を肯定的に識別した場合、マイクロプロセッサ26は、また、64で、メモリ28に格納された老化特性を含む、予測された将来的なパラメータ値を更新することができる。これにより、
図1に示すシステム10は、将来的なデバイス識別のために特性パラメータをより正確にモデル化および予測していることを保証することができ、予測された将来的な値に関する特定の範囲内にある検出された値は、検出された値と予測された値との間の変化に対応するために一致と見なされる場合に特に有利な場合がある。
【0044】
マイクロプロセッサ26が、58で、メモリ28に格納された予測された将来的な値に値が一致しないと決定した場合(たとえば、66で、マイクロプロセッサ26がデバイス12を肯定的に識別しない場合)、マイクロプロセッサは、52で、
図1に示すシステム10が外部放射信号14を適切に検出したかどうか、ならびに54で、マイクロプロセッサ26が特性パラメータを適切に識別および抽出したかどうかを評価することができる。たとえば、マイクロプロセッサ26は、外部放射信号14が検出されなかったか、もしくは弱すぎたか、ならびに/または特性パラメータを識別および抽出するには多すぎるノイズを含んでいたかを評価することができる。マイクロプロセッサ26が、66で、信号検出および/または特性パラメータの認識が失敗だったと決定した場合、
図1に示すシステム10は、プロセスを再開し、意味のある信号を受信することを試みることができる。あるいは、マイクロプロセッサ26が、58で、デバイス12を肯定的に識別せず、66で、信号検出および特性パラメータの認識が成功したと決定した場合、マイクロプロセッサは、68で、拒否システムをトリガーすることができる。拒否システムは、たとえば、「アクセス拒否」メッセージを表示するステップと、アラームをトリガーするステップと、デバイス12が
図1に示すシステム10によって認識されなかったことを示すために光または同様の望まれるシステムを点灯させるステップとを含むことができる。
【0045】
図1に示すシステム10は、デバイス12からの行動を必要としない受動的な手順の場合があり、したがって、デバイス12には本質的に感知不能の場合がある。さらに、
図1に示すシステム10がデバイス12の一意的な特性に完全に依存しているため、
図1に示すシステム10により、誤認識またはデバイス混乱の可能性が最小限になる。
【0046】
デバイス識別のための
図1に示すシステム10は、追加的な識別アドオンまたはタグ、プレート、ステッカー、数字などの割り当てられた属性に依存する必要がない場合があり、これにより、不正な目的のために誰かがデバイスの識別資格情報を変更および/または取り除くことがはるかに困難になる。さらに、割り当てられた識別属性を排除することで、たとえば、警察による使用またはデバイスの所有権が変更されたときなど、
図1に示すシステム10を匿名での再識別に特に適したものにすることができる。
【0047】
一部の実施形態では、
図1に示すシステム10は、
図1に示す外部放射信号14のフィンガープリントまたは特性を変更しようと試みるデバイスの不正変更に対処するために、
図1に示すメモリ28に格納された完全なパラメータ・セットを比較するのではなく、格納された特性パラメータの部分集合を比較することができる。たとえば、泥棒は、
図1に示す従属構成要素16の一部を交換することによって、盗難車の
図1に示す外部放射信号14を変更することを試みる場合がある。したがって、このデバイスの不正変更を克服するために、
図1に示す外部放射信号14が少し変更された場合でも、盗まれた車両を識別するか、または盗まれた車両の探索を少なくとも絞り込むために、
図1に示すシステム10は、車両に対して格納された特性パラメータの部分集合を比較するように設定することができる。
【0048】
本発明は、その詳細な実施形態に関して図示および記述してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、その形態および詳細に様々な変更を行えることを当業者は理解されるであろう。たとえば、システムは、デバイス識別のためにデバイスによって放出された無線周波数電磁放射から特性パラメータを抽出するものとして記述してきたが、そこに接続されたデバイスの識別のために、実施された電磁放射を送電網から直接的に抽出するために、システムは、アンテナなしで、送電網にも接続できることを当業者は理解されたい。さらに、システムは、たとえば、アンテナをマイクロフォンに取り替えることによって、車両が出す音によって車両を識別するために、音響信号を使用して、音響識別のために実装できることを当業者は理解されたい。