【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明がとりうる第1の態様は、救命支援装置であって、
患者に装着可能とされ、当該患者の血流に係る情報を取得するセンサ部と、
前記血流に係る情報に基づいて、自動体外式除細動器を使用することの要否を判定する判定部と、
前記判定部が判定した前記要否に係る情報を救助者に報知する出力部とを備える。
【0008】
このような構成によれば、自動体外式除細動器を使用してよいのか判断をしかねている救助者に対して、その要否についての適切な情報を提供し、救命措置の支援を行なうことができる。特に一刻を争う使用が必要と判断された場合において、救助者に使用行為を強く促すことができる。一方使用が必要ないと判断された場合においては、患者の衣服を不必要に脱がすことが避けられるため、当該患者のプライバシーを守ることができる。
【0009】
前記センサ部は、パルスオキシメータの少なくとも一部、または超音波、電磁波、レーザ光のいずれかを用いる計測器の少なくとも一部である構成としてもよい。
【0010】
このようなセンサ部の場合、患者の額、指先、頸部、腕部、脚部などに装着することができるため、患者の肌の露出を最小限に抑えて血流に係る情報を取得することができる。特に体動の影響を受けにくい患者の額にパルスオキシメータを装着する場合、簡易な構成を用いつつも血流に係る情報取得の確実性を向上できる。
【0011】
前記出力部は、前記センサ部が取得した前記血流に係る情報を出力可能とされている構成としてもよい。
【0012】
このような構成によれば、例えば電気ショックを与えた後に当該情報を出力させることにより、患者の容態がどのように変化したかを救助者が知ることができる。
【0013】
前記出力部は、前記血流に係る情報を対応付けられた自動体外式除細動器に対して送信可能とされている構成としてもよい。
【0014】
このような構成によれば、当該情報を自動体外式除細動器の動作に反映させるシステムを構成することができる。
【0015】
自動体外式除細動器とともに収容される箱体からの搬出を検知する搬出検知部と、前記検知部が前記搬出を検知した場合に、起動処理を実行する制御部とを備える構成としてもよい。
【0016】
このような構成によれば、箱体から自動対外式除細動器を搬出するとともに救命支援装置が起動されるため、患者が倒れている現場に到着次第、すぐに救命支援装置を使用することができる。救命措置を一秒でも早く開始できることは、救命率の向上に寄与する。
【0017】
したがって上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第2の態様は、救命支援システムであって、
自動体外式除細動器と、
前記自動体外式除細動器と携行可能とされた救命支援装置と、
前記自動体外式除細動器および前記救命支援装置を収容する箱体とを備え、
前記救命支援装置は、
患者に装着可能とされ、当該患者の血流に係る情報を取得するセンサ部と、
前記血流に係る情報に基づいて、前記自動体外式除細動器を使用することの要否を判定する判定部と、
前記判定部が判定した前記要否に係る情報を救助者に報知する出力部と、
前記救命支援装置が前記箱体から搬出されたことを検知する搬出検知部と、
前記救命支援装置が前記箱体から搬出されたことを前記検知部が検知した場合に、前記救命支援装置の起動処理を実行する制御部とを備える。
【0018】
ここで、対応付けられた自動体外式除細動器が起動されたことを検知する起動検知部を備え、前記判定部が当該自動体外式除細動器の使用が必要と判定した場合、前記出力部は、当該自動体外式除細動器が起動されたことを前記起動検知部が検知するまで、当該使用を促す情報の報知を継続する構成としてもよい。
【0019】
このような構成によれば、躊躇する救助者に対して使用を強く促す作用が期待できるとともに、使用ができる別の救助者に代替するなどして、自動体外式除細動器の使用に至る確実性を向上させることができる。
【0020】
あるいは、対応付けられた自動体外式除細動器が起動されたことを検知する起動検知部と、当該自動体外式除細動器が起動されたことを前記起動検知部が検知した場合に、起動処理を実行する制御部とを備える構成としてもよい。
【0021】
救助者は、患者が倒れている現場に自動体外式除細動器を運び次第、先ずはこれを起動することが通常である。したがって救命措置の開始を遅らせることなく、搬出を検知する構成が省略された、より低コストの救命支援装置を提供することができる。
【0022】
したがって上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第3の態様は、救命支援システムであって、
自動体外式除細動器と、
前記自動体外式除細動器と携行可能とされた救命支援装置とを備え、
前記救命支援装置は、
患者に装着可能とされ、当該患者の血流に係る情報を取得するセンサ部と、
前記血流に係る情報に基づいて、前記自動体外式除細動器を使用することの要否を判定する判定部と、
前記判定部が判定した前記要否に係る情報を救助者に報知する出力部と、
前記自動体外式除細動器が起動されたことを検知する起動検知部と、
前記自動体外式除細動器が起動されたことを前記起動検知部が検知した場合に、前記救命支援装置の起動処理を実行する制御部とを備える。