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特許6084619眼鏡装用者の幾何学的形状パラメータを測定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084619
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】眼鏡装用者の幾何学的形状パラメータを測定する方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 13/00 20060101AFI20170213BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20170213BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   G02C13/00
   G01B11/26 H
   G01B11/00 H
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-532287(P2014-532287)
(86)(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公表番号】特表2014-530383(P2014-530383A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】EP2012064915
(87)【国際公開番号】WO2013045133
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年7月13日
(31)【優先権主張番号】1158665
(32)【優先日】2011年9月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507229319
【氏名又は名称】エシロール アンテルナシオナル (コンパニー ジェネラル ドプティック)
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディーヴォ ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ピノー フィリップ
【審査官】 藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−511956(JP,A)
【文献】 特表2010−524011(JP,A)
【文献】 特開2007−216049(JP,A)
【文献】 特表2011−521283(JP,A)
【文献】 特開平11−206712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 13/00
G01B 11/26
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡(21)装用者の幾何学的形状パラメータを測定するための測定方法であって、
当該方法は、画面と、目標物(8、18)と、前記画面に接続されて自身の傾斜角を判定するための手段を備えるコンパクトな画像取得システム(7、17)と、前記画像取得システムの制御と処理される画像の取得を可能にするコンピュータと、を備える独立したコンピュータ装置(1、10)を実現するものであり、
当該方法は、
頭を略水平方向(24)に自然に保ちながら、前方かつ無限遠に位置する点を前記装用者に観察させるステップであって、前記1組の眼鏡(21)が前記装用者の顔の上で自然な位置を占めるステップと、
この第1の姿勢で前記フレーム(21)の位置の第1の画像を取得するステップと、 自然で快適な姿勢をとり続けながら前記点以外の前記画像取得システムに対する既知の位置に置かれた前記目標物(8、18)を観察する前記装用者に前記頭を傾かせるステップであって、前記1組の眼鏡(21)が前記装用者の顔の上で前記第1の姿勢に対して不変の位置を保つステップと、
前記第1の姿勢で使用されたものと同じ記画像取得システム(7、17)により、この第2の姿勢で前記フレーム(21)の位置の第2の画像を取得するステップと、
前記第1の画像と前記第2の画像の一方から眼(27)の位置を判定するステップと、
前記装用者の前記幾何学的形状パラメータを判定する目的で、前記眼(27)の前記位置から、前記第1の姿勢の前記フレーム(21)の前記位置から、前記第2の姿勢の前記フレームの前記位置から、および前記画像取得システム(7、17)の前記傾斜角から取得された前記第1の画像と前記第2の画像をコンピュータ処理するステップであって、前記処理が、前記第1の姿勢と前記第2の姿勢との間で、前記眼から注視点までの注視軸に対する前記装用者の顔面の傾きの違いを考慮するための演算補正を含むステップと、
測定結果を提供するステップと、
を含むことを特徴とする測定方法。
【請求項2】
マーカ(23)を備え、前記フレーム(21)に固定されたクリップ(22)という形態の位置特定手段が前記フレーム(21)に装着されており、前記フレーム(21)の前記傾斜角が1台のカメラ(7、17)から評価されることを特徴とする、請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
前記フレーム(21)の前記傾斜角が、立体方式で使用された少なくとも1台のカメラ(7、17)によって評価され、前記カメラ(7、17)が2枚の画像を撮ることを特徴とする、請求項1に記載の測定方法。
【請求項4】
前記フレーム(21)の前記傾斜角が、立体方式で使用された少なくとも2台のカメラ(7、17)によって評価されることを特徴とする、請求項3に記載の測定方法。
【請求項5】
前記画像取得システムが高解像度カメラ(7、17)であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記取得システムの前記傾斜角を判定するための前記手段が、傾斜計を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法によって測定された前記幾何学的形状パラメータが、瞳孔(28)とレンズ(V)の底辺との間の高さ(H)および装用時前傾角(ΘP)であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
測定高さ(Hm)が、前記レンズ(V)と前記眼(2)との間の距離(DVO)を考慮するために補正されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記レンズ(V)と前記眼(2)との間の前記距離(DVO)が、前記2枚の画像間の測定差異から推定されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
オペレータが前記眼鏡装用者の前に位置取り、前記オペレータが前記画像取得システム(7、17)を調節して、前記方法の前記各種ステップを制御することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記取得システム(7、17)の傾斜角が、前記装用者の顔の前記位置に合わせるために調節されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記取得システム(7、17)の前記傾斜角が一定であり、前記装用者が前記顔を、前記画像の中央に表示されるように適切な高さに位置決めすることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータと、
傾斜計が装着された少なくとも1台のカメラ(7、17)と、
前記カメラ(7、17)によって撮られた前記画像を測定結果と一緒に表示できる表示画面と、
を備えており、
前記カメラ(7、17)の前記位置と前記画面の前記位置とを互いに独立して調節できることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の測定方法を実施するための測定装置。
【請求項14】
前記画面、第2のカメラ、前記傾斜計、および前記コンピュータを組み合わせたタブレット(1)と、前記少なくとも1台のカメラ(7)とによって構成されることを特徴とする、請求項13に記載の測定装置。
【請求項15】
前記タブレット(1)と前記カメラ(7)とが固定されるサポート(2)を備えることを特徴とする、請求項14に記載の測定装置。
【請求項16】
前記カメラ(7)および前記タブレット(1)が、垂直面のどちら側にも配置され、両者間で15°から45°までの範囲の角度を成すことを特徴とする、請求項15に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、眼鏡装用者の幾何学的形状パラメータを測定する方法に関するものである。例えば、これらのパラメータは、瞳孔間距離PD、瞳孔からレンズの下縁までの高さH、装用時前傾角ΘP、すなわち装用者の顔面に対するレンズの傾斜角、眼とレンズVとの間の距離DVO、さらには眼の回転中心CROを含みうる。1組の眼鏡、特に累進レンズを正しくカスタマイズするには、これらのパラメータを知っておくことが不可欠である。
【背景技術】
【0002】
また、これらの幾何学的形状パラメータの一部を測定できる方法もある。かかる方法の第1のカテゴリは、カメラが眼の高さに調節された大型の垂直測定柱を利用するもので、眼鏡装用者が、鏡に映った彼ら自身の姿を見る。その種の機器は非常にかさばるため、測定には大型の施設が必要である。そして、測定を微調整するにも簡単に動かせない以上、あまり柔軟に使用できず、所与の状況に合わせるために別々の要素に分解することもできない。
【0003】
第2のカテゴリの方法は、特にテーブルに置くのに適した小型機器を伴うが、ある測定手順と、非常に制約の大きい眼鏡装用者の位置取りとが求められる。その種の方法を実施するには、頭を特定の位置に位置決めする必要があり、ロッカービームを備えたクリップを眼鏡フレームに取り付ける必要がある。第1のステップは、装用者に自然な姿勢をとらせ、次にロッカービームを、クリップとロッカービームとの間の角度を固定するようにブロックする。この角度は、装用時前傾角と一致する。第2のステップでは、眼鏡フレームおよびクリップの装用者が、画面の上方に配置されたカメラを見る。装用者は、ブロックされたロッカービームが眼とカメラとを結ぶ軸に対して直角となるように頭を傾ける必要がある。かかる方法は、複雑で正確な調整を要する。そして、カメラ軸に対して正しい位置をとり、それに応じてロッカービームの位置を固定するために、眼鏡装用者がある程度器用であることが要求される。
【0004】
幾何学的形状パラメータを測定するための本発明の方法は、柔軟に使用でき、かつ正確で信頼できる前記パラメータを容易かつ迅速に測定できる一方で、眼鏡装用者に制約を一切課さない機器を使用する。この方法により、装用者は、最後まで快適な姿勢をとり、頭を自然な状態に保てばよく、頭を正確に位置付けたり、頭を傾けたり回転させたりする必要はなく、特定の機器を装着する必要もない。本発明の方法は、測定結果を自動的かつ速やかに提供することも意図されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、眼鏡装用者の幾何学的形状パラメータを測定するための測定方法を提供する。前記方法は、画面と、対象と、自らの傾斜角を判定するための手段を備えるコンパクトな画像取得システムと、コンピュータとを有する独立したコンピュータ装置を実現する。前記システムは前記画面に接続されている。前記コンピュータは、画像取得システムの制御と処理される画像の取得を可能にしている。
本発明の方法の主な特徴は、
頭を略水平方向に自然な状態で保ちながら、前方かつ無限遠に位置する点を装用者に観察させるステップであって、1組の眼鏡が、装用者の顔面上の自然な位置を占めるステップと、
この第1の姿勢でフレームの位置の第1の画像を取得するステップと、
自然で快適な位置をとることにより、画像取得システムに対して既知の位置に置かれた目標物を装用者に観察させるステップであって、前記観察によって人の頭が傾動し、1組の眼鏡が装用者の顔面上で第1の姿勢に対して不変の位置を保つステップと、
第1の姿勢で使用されたものと同じ画像取得システムにより、この第2の姿勢におけるフレームの位置の第2の画像を取得するステップと、
2枚の画像のうちの一方から眼の位置を判定するステップと、
装用者の幾何学的形状パラメータを判定する目的で、眼の位置、第1の姿勢のフレームの位置、第2の姿勢のフレームの位置、および画像取得システムの傾斜角から取得された2枚の画像をコンピュータ処理するステップであって、前記処理が、第1の位置と第2の位置との間で、眼から注視点までの注視軸に対する装用者の顔面の傾きの違いを考慮するための演算補正を含むステップと、
測定結果を提供するステップと、
を備えていることである。
【0006】
かかる方法の原理は、眼鏡装用者が、自然で快適な2つの姿勢をとること、次に、その2つの姿勢に対応する眼鏡フレームの2枚の画像を取得すること、そして最後に、所望される幾何学的形状パラメータをその2枚の画像から推定するために、その2枚の画像をコンピュータ処理することに依存する。
画像取得システムは、動画または静止画を撮るための少なくとも1台のカメラを備えうる。画像取得システムは、両方の画像を2つの姿勢で取得するために、同じものを指定する必要がある。画像取得システムの軸の傾斜角は、その傾斜角による視差誤差を補正できるように、特に正確に把握する必要がある。画像取得システムは、所与の傾斜角で静止させて、あるいは可能な傾斜角の範囲で移動させて使用されうる。第1の構成では、装用者が、自身の顔がカメラの視野の中央に来るように位置を変える。第2の構成では、取得システムの傾斜角が、装用者の顔が適切にフレーム内に収まるように、装用者の位置に合わせられる。
「コンパクト」という用語は、前記画像取得システムに適用された場合、システムが小型であり、テーブルや机など従来の家具に置けるように、かつ適切な角度で傾けられるように簡単に取り扱えるということを意味する。目標物は、画像取得システムによって運ばれることが好都合である。このようにすれば、本発明の方法を実現するために必要な機器があまり分散しない。
本発明の測定方法の別の好適な実現形態では、目標物が画像取得システム自体によって構成される。取得システムによって2つの姿勢で撮られた画像は、装用者の眼を基準にして位置付けられた眼鏡フレームを主に示す。所望のパラメータを取得する目的で画像をコンピュータ処理するのに必要な情報のすべてが、前記眼鏡フレームの位置が装用者の眼を基準にして3次元で表示された結果として前記画像に明瞭に表示される必要がある。フレームおよび装用者の眼の両方が画像に明瞭かつ正確に表示されることが基本である。本発明の方法では、装用者の顔面上における眼鏡フレームの位置が、第1の姿勢と第2の姿勢との間で一定のままである。顔面上で正しく位置付けられると、眼鏡の位置は、一方の位置から他方の位置に再調整されない。幾何学的形状パラメータは、従来の三角法関係に基づいて前記画像から容易に推定できる。なお、画像処理は、顔面が、第1および第2の姿勢における装用者の眼と注視点との間の視軸に対して異なる位置にあることを考慮するために、取得されたパラメータを補正計算することを含む。この差は小さく、角度にして数度ではあるが、判定されるパラメータの値への影響は一般に大きくなりうる。フレームは、3次元におけるフレームの向きと傾斜角とを画像に正確に表示できるように、マーカを備えたクリップという形態の位置特定手段を任意で備えうる。画面の主な働きは、装用者が2つの姿勢をとっている間、取得画像を参照できるようにすることである。また、所望の幾何学的形状パラメータの測定結果を提供しうる。この方法は、眼鏡装用者によって、あるいは眼鏡士でありうるオペレータによって直接制御されうる。
説明中の曖昧さ避けるため、「1組の眼鏡」および「フレーム」という用語は均等とみなすべきである。「傾動」という用語は、水平軸を中心に頭を前後に回動する動きに使用される。
本発明の方法は、装用者の側での様々な実観察状況に現実的な手法を提案するために測定ステップを簡便化する働きをする。そのため、かかる方法によって判定されたパラメータは、大半が理論的な計算によって判定されたパラメータよりもランダム誤差が少ない。
【0007】
フレームには、マーカを備え、前記フレームに固定されたクリップという形態の位置特定手段が装着されており、前記フレームの傾斜角が1台のカメラから評価されることが好都合である。マーカを備えたクリップにより、装用者の顔面におけるフレームの傾斜角を正確に見ることができる。かかる状況下で、カメラによってキャプチャされた画像における前記クリップの寸法的特徴からこの傾斜角を判定するために必要なカメラは1台だけである。前記カメラは、本発明の方法で実現された画像取得システムの基幹的部分を形成するものと想定される。
【0008】
本発明の方法の別の好適な実施形態では、立体方式で使用される少なくとも1台のカメラによってフレームの傾斜角が評価され、前記カメラは2枚の画像を撮る。このカメラは、基準要素が表示された2枚の画像を撮る。この要素は、装用者の顔面上または装用者の背後の壁に等しく配置されうる。前記画像は、フレームの傾斜角を判定する働きをする。
【0009】
フレームの傾斜角は、立体方式で使用される少なくとも2台のカメラによって評価されることが好ましい。この構成では、少なくとも2つの異なる箇所に置かれた少なくとも2つの別個のカメラおよび毎回のフレーム写真撮影が、マーカを備えたクリップに頼らずに前記フレームの傾斜角を判定する働きをする。
【0010】
画像取得システムは、高解像度カメラであることが好都合である。一般に、高解像度カメラとは、1メガピクセルよりも高い解像度を有するカメラのことである。カメラの解像度が高いほど、測定値の精度は高い。
【0011】
取得システムの傾斜角を判定するための手段は、傾斜計を備えることが好ましい。画像取得システムは、予め所与の位置で固定されたままである。しかし、非常に大柄の人の場合には、満足のいく眼および眼鏡フレームの画像を得るために画像取得システムを傾ける必要がありうる。傾斜角は、測定結果から導出されるその後のパラメータ計算に統合するために把握しておく必要がある。
【0012】
前記方法によって測定された幾何学的形状パラメータは、瞳孔とレンズVの底辺との間の高さHと、装用時前傾角ΘPであることが好ましい。なお、フレームが装用者の鼻の上に置かれ、装用者が遠くを注視している場合、装用時前傾角は、垂直面に対するレンズVの傾斜角と一致するという点に留意すべきである。
【0013】
測定高さHmは、レンズVと眼との間の距離DVOを考慮するために補正されることが好ましい。
【0014】
レンズと眼との間の距離DVOは、2枚の画像間の測定差異から推定されることが好ましい。装用者が2つの異なる姿勢をとっている間に撮られた2枚の画像により、レンズと眼との間の距離を計算できる。この距離DVOは、本発明の測定方法で測定できる別の幾何学的形状パラメータである。
【0015】
オペレータは、眼鏡装用者の前に位置取り、画像取得システムを調節して、本発明の測定方法の各ステップを制御することが好ましい。この方法は、眼鏡装用者の幾何学的形状パラメータの測定値を得るために、眼鏡士によって実施されうる。そのため眼鏡士は、両方の姿勢による使用可能な眼およびフレームの画像の取得に都合がいいように、画像取得システムを操作する。そのために、画面は、前記画像をリアルタイムで見る眼鏡士と対面する向きにする。また、写真撮影を開始し、コンピュータによる画像処理を開始するのも眼鏡士である。本発明の測定方法は、主に眼鏡士の施設で使用する目的で開発されたものである。
【0016】
取得システムは、装用者の顔の位置に合わせるために、傾斜角が調節されることが好ましい。この構成の場合、取得システムは、フレーム内に正しく収められた装用者の顔の画像を取得するために、システムの傾斜角を変えることによって移動させる。
【0017】
本発明の測定方法の別の好適な実現形態では、取得システムの傾斜角が一定であり、装用者は、顔が画像の中央に写るように適切な高さに位置決めする。画像取得システムは、傾斜角を調節できない場合がある。かかる状況下では、取得システムが所与の位置で固定され、装用者の顔を移動させて前記取得システムの視野の中央に持ってくる。この構成の場合、正確で信頼できる測定値を得る上で必要な状況を組み合わせるために、装用者が事前にいくつかの位置決め制約を受ける。
【0018】
本発明は、本発明の測定方法を実施するための測定装置も提供する。本発明の装置の主な特徴は、コンピュータと、傾斜計を備えた少なくとも1台のカメラと、前記カメラで撮影された画像を測定結果と一緒に表示できる表示画面と、を備えており、画面の位置とカメラの位置とを互いに独立して調節できるという点である。この測定装置は、ある特定の制約的な配置を必ずしも必要とせずに、所望の測定値と相互作用し、それらの測定値を提供するために各種部品が互いに接続されている測定キットと考えることができる。この種の装置は、互いに接続する方法についてある程度の柔軟性を示すため、テーブルや机の上、あるいは地面など、どのような環境でも容易に設置できる。カメラの位置に対する画面の位置を独立的に調節できることにより、本発明の測定装置を複数の構成で使用できる。そして、前記方法を実現するのに必要な各種機器をできるだけ正確に位置決めすることによって本発明の測定方法の成果を高めうる。
【0019】
測定装置は、画面、第2のカメラ、傾斜計、およびコンピュータを組み合わせたタブレットと、傾斜計を装着した前記少なくとも1台のカメラとによって構成されることが好ましい。このバージョンの装置は、一層コンパクトなバージョンの1つであるため、狭いスペースで設置できる。装置の各種構成部品を小型のタブレットにまとめることにより、測定装置は、装用者またはオペレータが1つのキットから方法のすべてを制御することができ、動き回ったり、部品を互いに移動させたりすることなく必要な調整ができるため、使用時の柔軟性がさらに高まる。ただしタブレットは、装用者またはオペレータが取り扱いやすい小型の品を想定する必要がある。この種の品は特に、正確な箇所に設置して所望の方向に向けられるように、部屋の中で簡単に持ち運ばれうる。タブレットは、タッチ画面を有しうるか、あるいはマウスを使用して従来通りに使用されうる。カメラは、タブレットに直接固定されたり、タブレットを支持する目的でも使用されるサポートに固定されたりしうる。
【0020】
この装置は、タブレットとカメラとが固定されるサポートを備えることが好ましい。このサポートによって、カメラをタブレットのすぐ近く、具体的には両者間を数センチメートル未満の距離で置けるようにすることにより、装置をよりコンパクトにできる。
【0021】
カメラおよびタブレットは、垂直面のどちら側にも位置し、両者間で15°〜45°までの範囲の角度を成すことが好ましい。この角度は、30°であることが好ましい。このようにして、画面はある方向に向けられ、カメラは反対方向に向けられる。この配置により、眼鏡士は、前記タブレットの背面に位置するカメラによって画像を撮影し、眼鏡装用者の顔をタブレットの画面上で直接観察できる。この構成によれば、画像を取得するために眼鏡士がカメラを装用者の顔と同じ高さに置く必要がない。測定装置をテーブルまたは机に置いた後で、タブレットおよびカメラの傾斜角をできるだけ正確に調節すれば十分でありうる。
【0022】
眼鏡装用者が特定の機器を運ぶ必要が一切なく、一連の制約的かつ反復的な姿勢をとる必要がない限り、装用者の幾何学的形状パラメータを測定するための本発明の方法は、極めて人間工学に則ったユーザフレンドリーな利点を有する。また、画面を介して、あるいは印刷された文書によって、測定結果を装用者または眼鏡士に直ちに提供できるという利点もある。最後に、本発明の方法で実現された測定装置は小型であるため、狭い部屋やテーブルあるいは机の上にも設置できる。
【0023】
図1図9を参照しながら、本発明の測定方法の好適な実現形態について以下詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の方法を実施可能にする、測定装置の第1の好適な実施形態の斜視図である。
図2】本発明の方法を実施可能にする、測定装置の第2の好適な実施形態の斜視図である。
図3】第1の姿勢で前方の無限遠点を見ている人の頭およびカメラの概略的側面図である。
図4】第2の姿勢でカメラに写った目標物を見ている人の頭および前記カメラの概略的側面図である。
図5】前方の無限遠点を見ることから成る第1の姿勢をとっている人の頭の概略的側面図である。
図6】前記カメラに写った目標物を見ることから成る第2の姿勢をとっている人の頭の概略的側面図である。
図7】マーカを有するクリップを装着した1組の眼鏡の斜視図である。
図8】第1の姿勢をとっている装用者の眼と、マーカクリップを装着した1組の眼鏡の簡略立面図である。
図9】第2の姿勢をとっている装用者の眼と、マーカクリップを装着した1組の眼鏡の簡略立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、眼鏡装用者の幾何学的形状パラメータを測定する方法を実施するための測定装置の第1の好適な実施形態が、画面とコンピュータとを備えるタブレット1によって構成されており、平滑かつ水平な面上に立たせることを可能にするサポート2の上に立っている。サポート2は、支持ロッド4によって延伸される幅広の環状スタンド3を備えている。支持ロッド4は、前記スタンド3上で旋回軸5にヒンジで固定されている。言い換えれば、スタンド3が水平面6上に立っている場合、ロッド4は、垂直方向に対して多少傾いた位置にある。ロッド4は、薄い金属片とみなされうる。タブレット1は、スタンド3上にあり、ロッド4にもたれている。高解像度ビデオカメラという形態の画像取得システム7は、電子カードによってロッド4に固定されており、前記タブレット1の背面に位置する。高解像度ビデオカメラは、100万ピクセル以上の解像度を有することが好ましい。このカードはまた、点灯条件を良好に制御するために、かつ、カメラ7によって取得され、画面に表示可能な画像における各々の眼の角膜反射を明らかにするために、視認目標物8とフラッシュ9とを支え、それによって良好な測定精度を得る。このカードはまた、コンデンサをフラッシュ9の近くまで運ぶ。このコンデンサは、少なくとも1つのユニバーサル・シリアル・バス(USB)ケーブルによって給電される電子カードによって充電されるため、フラッシュ9を稼働させるために必要なエネルギーを提供するのに適している。このコンデンサは、フラッシュ9を非常に速く充電できるため、2つの連続するフラッシュ間で遅延時間が長くなりすぎるのを避けられるという利点がある。タブレット1は、タッチ画面を有しうるか、あるいはマウスによって使用されうる。前記タブレット1は、コンピュータ、およびこのコンピュータと関連付けられた、カメラを起動させ、画像を復元し、前記画像を処理し、測定結果を表示するためのソフトウェアを含む。画面に対する垂直面が3次元の第1の方向で示されており、カメラ7の照準軸は、第1の方向と反対の第2の方向で示されている。カメラ7は、3次元における自身の向きに関係なく、傾斜角を判定できる傾斜計を有する。この装置1はコンパクトであり、テーブルまたは机の上に容易に設置されうる。また、オペレータ(眼鏡装用者の幾何学的形状パラメータを測定しようとする眼鏡士でありうる)によって操作されるように構成されている。眼鏡21の装用者がカメラ7の前に位置取る一方で、眼鏡士はタブレット1の画面に向かい、カメラ7を運ぶ支持ロッド4を回動させて、フレーム21と装用者の眼27とが表示画面にきちんと収まるようにする。その後、本発明の測定方法を開始できる。別の変形形態では、カメラおよびタブレットの画面が、眼鏡装用者が本発明の測定方法を直接実施できるように横に並べて置かれうる。
【0026】
図2を参照すると、本発明の測定装置10の第2の好適な実施形態は、高解像度ビデオカメラという形態の画像取得システム17を備える。高解像度ビデオカメラは、100万ピクセル以上の解像度を有することが好ましい。カメラ17は、複数の位置をとるために容易にねじられる変形可能なロッド14を上に置いた幅広のスタンド13を有するサポート12によって運ばれる。スタンド13が略平らな面16に立っている場合、ロッド14は、垂直方向に対して多少傾いた位置にある。ロッド14に固定されている電子カードが、カメラ17と、眼鏡21の装用者の視認目標物18と、点灯条件を良好に制御し、カメラ17によって取得され、画面上に表示可能な画像で各々の眼の角膜反射を視認できるようにするためのフラッシュ19と、を支え、これによって良好な測定精度を得る。電子カードは、コンデンサをフラッシュ19の付近まで運ぶ。こうしてこのコンデンサは、少なくとも1つのUSBケーブルによって給電される電子カードによって再充電されるため、フラッシュ19を稼働させるために必要なエネルギーを提供するのに適している。このコンデンサは、フラッシュ19を非常に速く充電できるため、2つの連続するフラッシュ間で遅延時間が長くなりすぎるのを避けられるという利点がある。カメラ17には、3次元における自身の向きに関係なく、傾斜角を判定できる傾斜計が備わっている。コンピュータと関連付けられており、かつ、前記カメラ17によって取得された画像を取得された結果と併せて表示するために前記カメラ17のすぐ近くに位置する表示画面が、USBケーブル30などのデータ接続を介してカメラ17に接続されている。ケーブル30は、取得された画像を、傾斜計からのデータと一緒にコンピュータに送る働きをする。本実施形態におけるコンピュータは、第1の実施形態におけるコンピュータと同じ特徴を提供する。本発明の測定方法は、前記画面の向きに応じて、眼鏡士によって、あるいは眼鏡装用者によって直接制御されうる。画像取得装置10は、小型で、テーブルまたは机の上に容易に設置される。さらには、前記机の上で移動させても、単純に手で操作して多少傾けても良い。
【0027】
上記2つの実施形態では、カメラ7、17が縦向きになっており、これにより、前記カメラ7、17の向きを調節することなく、さまざまな身体サイズの人を網羅できる。それでも、背が高すぎる装用者、立っているのではなく座っている装用者、あるいはその逆の装用者への対応など、珍しい状況の場合には、カメラ7、17を適切な角度に傾けて装用者の顔の画像を収めることができる。傾斜計は、対応する傾斜角を測定する働きをするため、その後、取得画像の処理時に統合して、取得された測定値を修正できる。本発明の方法の別の変形形態は、静止カメラ7、17、すなわち傾斜角を調節できないカメラを使用することから成る。この場合、装用者は、例えば、座っている席の高さを調節して装用者の顔が画面8の中央に表示されるようにするなどして適切に位置取りする必要がある。カメラ7、17によって取得された画像に加え、画面も、測定結果をほぼ瞬時に表示する働きをする。図7を参照すると、マーカ23を備えるクリップ22が、画像の縮尺を判定するために、装用者によって着用された眼鏡フレーム21に固定されうる。前記マーカ23は、3次元における位置とフレーム21の向きとを特定する働きをする。レンズVおよびクリップ22の面は一致するものと想定される。ただし、クリップ22は常に必要というわけでない。2台のカメラを使用した立体測定システムにより、クリップ22を利用せずに、装用時前傾角に加え、縮尺係数も判定できる。
【0028】
本発明の方法は、以下のステップを、記載順に、あるいは異なる順序で実施する。
図3および図5を参照すると、クリップ22を装着したフレームを有する眼鏡21の着用者20が、カメラ7、17の前で位置取りする。眼鏡士が眼鏡装用者に、快適かつ自然であり、前方の無限遠点をまっすぐ見ることから成る第1の姿勢をとってもらう。このとき、矢印24によって表された注視方向は略水平である。眼鏡士は、画面上に装用者の顔が見えるように、さらに具体的に言えば、必要に応じてカメラ7、17を傾けて前記画面の所定領域に装用者の顔が表示されるように、カメラ7、17を調節する。
− 装用者の顔がカメラ7、17の視野に良好に位置付けられると、眼鏡士は第1の画像を取得する。次にコンピュータが、フレーム21におけるクリップ22の正確な3次元(3D)向きを判定し、この向きから、カメラ7、17の軸25に対する、かつ傾斜計で測定された垂直線に対するカメラ7、17の角度ΘCam1に対するクリップ22の角度ΘClip1の角度の関数として表される装用時前傾角ΘP1を推定する。装用時前傾角ΘP1は、クリップ22により、正確に把握されている相対位置にあるクリップ22上で位置付けられた少なくとも3つのマーカ23位置に頼ることによって測定される。これらのマーカ23が単一面を画定し、画像処理ソフトウェアと関連付けられたカメラ7、17が、これら3つのマーカ23の3D位置を座標系(Xc、Yc、Zc)で判定し、前記座標系に対する前記面の向きを結果的に判定する。この向きが、角度ΘClip1を直接提供する。クリップ22のマーカ23の3D座標は、慣例的にPOSITタイプの反復アルゴリズムを使用して測定される。そして以下の角度関係が取得される。

ΘP1=ΘClip1−ΘCam1

図4および図6を参照すると、眼鏡士が、快適かつ自然であり、カメラ7、17に置かれた目標物8、18を見ることから成る第2の姿勢を装用者にとってもらう。
− 眼鏡士が第2の画像を取得する。装用時前傾角ΘP2がもう一度測定される。カメラの視野が、2つの位置間における頭の動きを網羅できる大きさなので、装置が2つの姿勢(ΘCam1=ΘCam2=ΘCam)の間で動かないことが理想的である。フラッシュ装置9、19がこの第2の画像の取得時に操作されて、角膜反射を取得する。フレーム21の左右の下縁および左右の鼻側と同様、角膜反射も、高さ(H)と瞳孔間距離(1/2PD)とを測定するために画像から抽出される。クリップ22は、画像の縮尺を復元してHおよびPDの正しい値を取得する目的でも使用される。本実施例で測定された高さはHmであり、Hmは、第2の姿勢で保たれている頭の位置が、図4および図6に点線26で示すクリップ22によって表された理想的な位置、すなわち、誤差がゼロであり、(90°−ΘCam)の角度で表される頭の傾斜に対応する位置でないことから、誤差を含む。式中、ΘCamは、カメラ7、17と垂直線との間の角度である。高さHrの実際値は、(Hr=Hm+ΔH)という関係による測定高さHmとは異なる。例として、図6は、第2の姿勢に対応する角度誤差ΘErrと、点線26によるゼロ度誤差ΘErrに対応する頭の位置およびクリップ22の位置と、を示している。
− 高さHに関する誤差はその後、第2の画像におけるクリップの角度誤差ΘErrと、レンズから眼までの距離(DVO)とを考慮して補正される。角度誤差は、次の式で表される。

ΘErr=ΘP1−ΘP2−(90°−ΘCam)

高さの補正は、第一近似として、次の式によって表される。

ΔH=(Reye+DVO)×tan(ΘErr)
=d(CRO,V)×tan(ΘErr)

式中、Reyeは平均12ミリメートル(mm)に等しい眼の半径であり、DVOは平均15mmに等しいレンズから眼までの距離である。パラメータd(CRO,V)は、眼の回転中心CROとレンズVとの間の距離を表す。図5は特に、レンズVの位置、すなわちフレーム21またはクリップ22の位置、ならびに眼27および瞳孔28の位置を基準に、距離と、DVO、CRO、およびReyeによって表されるパラメータとを可視化できるようにする。図7、8および9を参照すると、精度をさらに上げるために、DVOの正確な値が、2つの姿勢に対応する画像を使用して測定されうる。そのために、2枚の画像が使用され、マーカ23を使用して取得されたクリップ22の姿勢が、眼27の位置と同様、例えば瞳孔28、虹彩、または眼の隅を特定するなどして抽出される。
瞳孔28をクリップ22の座標系に投影し、そこから、三角測量を用いてクリップ22の座標系における両眼27の各々のCROの位置を推定することにより、その2枚の画像のクリップ22の面における両眼27の各々の瞳孔28のおよび/または虹彩の位置が判定される。そのための式は次の通りである。

d(CRO,V)=(Y1−Y2)/tan(ΘP1−ΘP2)

眼27の隅を使用する場合の式は次の通りである。式中、Y1およびY2は眼の隅の座標である。

DVO=(Y1−Y2)/tan(ΘP1−ΘP2)

任意の方法で、CROとVとの間の距離の平均値をとることを検討できる。その値は、例えば27mmでありうる。第1の選択肢では、第2の画像を撮っている間、装用者に、少なくとも10°の角度差を得るために頭をさらに傾けてもらうことができる。
第2の選択肢では、装用者に、目標物8、18あるいは特定物を注視しないで頭を回してもらい、眼27の隅を使用してDVOを測定できる。
眼鏡21の装用者が2枚の画像の撮影間に頭を傾けない場合には、ΘP1=ΘP2となる。
【0029】
瞳孔間距離または半分距離PD、眼27の瞳孔28とレンズVまたはフレーム21の下縁との間の高さH、眼27とレンズVとの間の距離DVO、および装用時前傾角ΘPは、本発明の測定方法を使用して判定できる主な幾何学的形状パラメータである。
【0030】
瞳孔28、虹彩、角膜反射、および眼の隅の位置は、オペレータにより、取得画像上で指差すことによって、あるいは2枚の取得画像上でコンピュータが自動検出を実行することによって判定される。
【0031】
虹彩、角膜反射、および瞳孔は、装用者が頭を傾けているときに、フレームによって覆い隠される領域が眼の隅よりも少ないという利点を有する要素である。さらに、これらの要素は特定しやすいため、画像上での指示や自動検出の精度が高い。
【0032】
眼の隅とは異なり、眼27は回転運動を呈し、クリップ22の座標系で移動可能である。2枚の画像間での眼の動きを補正することにより、かかる状況下で、眼がクリップに対して動いていない状況に戻ることができる。このように、距離dPによって第2の画像における眼27の位置を補正することにより、その眼がクリップ22に対して動いていない状況に戻る。第1近似においては、dPは、瞳孔28または虹彩、あるいは角膜反射が2枚の画像間で平行移動する距離と実質的に等しい。眼27の半径、カメラと水平線との間の角度、2枚の画像間でのクリップ22の角度の変化、および2枚の画像間での眼の角度の変化を考慮することにより、より正確な幾何学計算が実施されうる。
【0033】
加えて、虹彩は角膜の最上部と同じ平面にないという事実と関連付けられた幾何学補正が、従来の三角法関係を用いて考慮されうることが好ましい。本発明の方法を用いて判定されたパラメータに関する不正確の潜在的原因を減らすために、装用者の眼27が取得システム7、17ではなくカメラレンズの最上部を見ているという事実と関連付けられる輻輳障害に対する幾何学補正も計算に取り入れられることが好ましい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9