特許第6084663号(P6084663)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084663
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】電気泳動表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/167 20060101AFI20170213BHJP
   G09F 9/37 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   G02F1/167
   G09F9/37
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-146444(P2015-146444)
(22)【出願日】2015年7月24日
(62)【分割の表示】特願2011-215013(P2011-215013)の分割
【原出願日】2011年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-1321(P2016-1321A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2015年7月24日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0017968
(32)【優先日】2011年2月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】▲ぺ▼ 洲 漢
(72)【発明者】
【氏名】盧 南 錫
(72)【発明者】
【氏名】金 相 日
(72)【発明者】
【氏名】黄 泰 亨
(72)【発明者】
【氏名】李 善 旭
(72)【発明者】
【氏名】金 由 振
(72)【発明者】
【氏名】李 炳 珍
(72)【発明者】
【氏名】金 明 煥
【審査官】 廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−212499(JP,A)
【文献】 特開2010−139704(JP,A)
【文献】 特表2008−535005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/167
G09F 9/37
G09G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部基板、
上部基板、
前記下部基板の上に形成されている薄膜トランジスタ、
前記薄膜トランジスタに接続される画素電極、
前記下部基板と前記上部基板との間に位置する画素電極の上に位置する電子インク層、
前記電子インク層の上に位置する複数個のレンズ、
前記上部基板に、前記レンズに対応して形成される複数個のカラーフィルタ、及び
前記上部基板と前記下部基板との間に位置する圧電体を含み、
前記カラーフィルタは、少なくとも一の方向にて隣り合うもの同士の間で、互いに異なる色を示し、また、互いに離隔しており、
前記電子インク層は、複数個の球形のマイクロカプセルを含み、
前記各マイクロカプセルは、その内部に配置される複数の白色帯電粒子及び複数の黒色帯電粒子を含む電気泳動表示装置。
【請求項2】
前記電子インク層は、前記マイクロカプセルを支持する支持層をさらに含む、請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項3】
前記白色帯電粒子と前記黒色帯電粒子は互いに反対極性に帯電している、請求項2に記載の電気泳動表示装置。
【請求項4】
前記電子インク層は前記マイクロカプセルの上に形成される共通電極をさらに含む、請求項3に記載の電気泳動表示装置。
【請求項5】
前記各カラーフィルタは開口部により互いに分離される第1カラーフィルタ及び第2カラーフィルタを含み、
前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタは同一の色を示す、請求項1に記載の電気泳動表示装置。
【請求項6】
下部基板、
上部基板、
前記下部基板の上に形成されている薄膜トランジスタ、
前記薄膜トランジスタに接続される画素電極、
前記下部基板と前記上部基板との間に位置する画素電極の上に位置する電子インク層、
前記電子インク層の上に位置する複数個のレンズ、
前記上部基板に、前記レンズに対応して形成される複数個のカラーフィルタ、
前記下部基板の上に位置する支持台、及び
前記支持台と前記上部基板との間に位置する圧電体を含み、
前記カラーフィルタは、少なくとも一の方向にて隣り合うもの同士の間で、互いに異なる色を示し、また、開口部を挟んで互いに離隔しており、
前記電子インク層は、複数個の球形のマイクロカプセルを含み、
前記各マイクロカプセルは、その内部に配置される複数の白色帯電粒子及び複数の黒色帯電粒子を含む電気泳動表示装置。
【請求項7】
前記電子インク層は、前記マイクロカプセルを支持する支持層をさらに含む、請求項6に記載の電気泳動表示装置。
【請求項8】
前記白色帯電粒子と前記黒色帯電粒子は互いに反対極性に帯電している、請求項7に記載の電気泳動表示装置。
【請求項9】
前記電子インク層は前記マイクロカプセルの上に形成される共通電極をさらに含む、請求項8に記載の電気泳動表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気泳動表示装置(EPD:Electro Phoretic Display DEVICE)は、電子本(Electronic−Book)に使用されている平板表示装置のうちの一つであって、多様な形態の電気泳動表示装置が提示されている。
【0003】
この中で電子インク型電気泳動表示装置は、電界生成電極がそれぞれ形成されている二枚の表示板と、この二枚の表示板の間に形成され、マイクロカプセルの内部に複数の白色または黒色の正の(positive)帯電粒子及び複数の黒色または白色の負の(negative)帯電粒子を全て含む電子インク(electric ink)を含む電子インク層で形成される。このような電気泳動表示装置は、対向する二つの電極に電圧を印加して電極の両端に電位差を発生させることによって、電子インク内部の黒色と白色の帯電粒子をそれぞれ反対極性の電極に移動させ、外部の光を反射させて画像を表示する。
【0004】
電気泳動表示装置は、反射率(reflectivity)とコントラスト比(Contrast ratio)が高く、液晶表示装置とは異なって視野角(viewing angle)に対する依存性がなくて、紙上にテキスト印刷されたように画像を表示できる長所を有しており、白色と黒色の双安定(bi-stable)の特性を持っていて、持続的な電圧の印加がなくても画像を維持することができるため、消費電力が小さいという長所を有している。
【0005】
このような電気泳動表示装置にカラーを表現するために、電子インク層の上に位置する表示板にカラーフィルタを形成する。
【0006】
一方、カラーフィルタが形成された表示板と電子インク層は接着剤を用いて接着するが、この時、電子インクとカラーフィルタとの間隔が非常に遠くて、色の混色などの問題が発生して色の特性を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-066494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、電気泳動表示装置で光が混色されるのを防止して、色特性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施の形態による電気泳動表示装置は、下部基板、上部基板、前記下部基板の上に形成されている薄膜トランジスタ、前記薄膜トランジスタに接続される画素電極、前記下部基板と前記上部基板との間に位置する画素電極の上に位置する電子インク層、前記電子インク層の上に位置するレンズ、及び前記上部基板に形成される複数個のカラーフィルタを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、隔壁の間の溝にカラーフィルタが位置し、隔壁の上に反射層を形成して、各カラーフィルタを通過した外部の光が他のカラーカラーフィルタに入射しないようにすることによって、光が混色されるのを防止することができる。
【0011】
また、レンズ及び圧電体を使用して白色、黒色及びカラーを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図3】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図4】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図5】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図6】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の他の製造方法を順次に示した図面である。
図7】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の他の製造方法を順次に示した図面である。
図8】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の他の製造方法を順次に示した図面である。
図9】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の他の製造方法を順次に示した図面である。
図10】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の他の製造方法を順次に示した図面である。
図11】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の他の製造方法を順次に示した図面である。
図12】本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の他の製造方法を順次に示した図面である。
図13】本発明の第2実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図14】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図15】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図16】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図17】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図18】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図19】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図20】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図21】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
図22】本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図23】本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図24】本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図25】本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図26】本発明の第5実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図27】本発明の第5実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図28】本発明の第5実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図29】本発明の第6実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図30】本発明の第6実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図31】本発明の第7実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図32】本発明の第7実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図33】本発明の第8実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
図34】本発明の第8実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、本発明の種々の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0014】
また、種々の実施形態において、同一の構成を有する構成要素に対しては同一の符号を付け、代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では第1実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0015】
本発明を明確に説明するために、説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付ける。
【0016】
また、図面における各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したので、本発明が必ずしも示されたものに限られることではない。
【0017】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部層及び領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上」に、または「上」にあるという時、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。
【0018】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【0020】
図1に示したように、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置は、下部基板110及びその上に形成されている画素電極191を含む下部表示板100、下部表示板100の上に配置され、複数の電子インク310を含む電子インク層300、そして電子インク層300の上に配置され、カラーフィルタ230R、230G、230B及び上部基板210を含む上部表示板200を含む。
【0021】
以下、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の下部表示板の具体的な構造について詳細に説明する。
【0022】
図1に示したように、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の下部表示板100は、透明なガラスまたはプラスチックなどからなる下部基板110の上に形成されているゲート電極124を含む。ゲート電極124は、ゲート信号を伝達するゲート線(図示せず)に接続されている。
【0023】
ゲート電極124の上には窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0024】
ゲート絶縁膜140の上には水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)(非晶質シリコンは、略してa−Siと記す)または多結晶シリコン(polysilicon)などからなる半導体154が形成されている。半導体154はゲート電極124の上に位置する。
【0025】
半導体154の上にはオーミックコンタクト部材163、165が形成されている。オーミックコンタクト部材163、165は、リンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn水素化非晶質シリコンなどの物質またはシリサイド(silicide)で形成することができる。オーミックコンタクト部材163、165は対をなして半導体154の上に配置されている。
【0026】
オーミックコンタクト部材163、165及びゲート絶縁膜140の上にはドレイン電極175及びソース電極173が形成されている。ソース電極173はデータ信号を伝達するデータ線171に接続されている。
【0027】
ゲート電極124、ソース電極173、及びドレイン電極175は半導体154と共に薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)を構成し、薄膜トランジスタのチャネル(channel)はソース電極173とドレイン電極175の間の半導体154に形成される。
【0028】
ソース電極173、ドレイン電極175、及び露出した半導体154部分の上には保護膜180が形成されている。
【0029】
保護膜180にはドレイン電極175を露出するコンタクトホール185が形成されており、保護膜180の上には画素電極191が形成されている。画素電極191はITOまたはIZOなどの透明な導電物質やアルミニウム、銀、クロムまたはその合金などの反射性金属で形成することができる。
【0030】
画素電極191は、コンタクトホール185を通じてドレイン電極175及びソース電極173と物理的及び電気的に接続されている。
【0031】
電子インク層300には複数の電子インク310が配置されており、電子インク310は球形のマイクロカプセル31の内部に位置している複数の白色の正の帯電粒子32及び複数の黒色の負の帯電粒子33を含む。このような電子インク310は、球形のマイクロカプセル31の内部を満たしている黒色流体と、黒色流体に分布している複数の白色帯電粒子を含むこともできる。この時、複数の白色帯電粒子は正または負に帯電することができる。
【0032】
電子インク310の上にはITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなる共通電極270が形成されている。共通電極270の上には電子インク310を支持する支持層320が形成されている。
【0033】
データ電圧の印加を受けたドレイン電極175から画素電圧の印加を受けた画素電極191は、共通電圧の印加を受ける共通電極270と共に電界を生成する。
【0034】
この場合、二つの電極191、270間の電子インク310の内部の複数の白色の正の帯電粒子32と、複数の黒色の負の帯電粒子33が、それぞれ反対極性の電極に移動して画像を形成する。
【0035】
つまり、画素電極191に共通電極270より高い画素電圧が印加されると、白色の正の帯電粒子32が上部に移動するようになるので、白色の正の帯電粒子32が光を反射させて白色を示すようになり、画素電極191に共通電圧より低い画素電圧が印加されると、黒色の負の帯電粒子33が上部に移動するようになるので、黒色の負の帯電粒子33が光を吸収して黒色を示すようになる。
【0036】
上部表示板200は、上部基板210、上部基板210の上に形成されているカラーフィルタ230R、230G、230B、及びカラーフィルタ230R、230G、230Bの上に形成されている接着層280を含む。
【0037】
上部基板210には溝211が形成されており、カラーフィルタ230R、230G、230Bはそれぞれ溝211に位置する。一つの溝211の幅は一つの画素に対応し、各溝211の間には隔壁212が位置する。
【0038】
隔壁212の上には反射率の高い金属からなる反射層220が形成されている。反射層220は、各カラーフィルタ230R、230G、230Bを通過した外部の光が他のカラーカラーフィルタ230R、230G、230Bに入射しないようにするためである。このような反射層220によって光が混色される問題を解決して色特性を向上させることができる。
【0039】
隔壁212の高さは20乃至25μmに形成する。
【0040】
隔壁212とカラーフィルタ230R、230G、230Bの上には接着層280が形成されているが、このような接着層280は電子インク層300と上部表示板200とを接着する。
【0041】
カラーフィルタ230R、230G、230Bの上に位置する接着層280の厚さは20乃至25μmである。これは上部表示板200と電子インク層300との合着時に隔壁212の上部の空間を最小化して、光の経路を最大限減らすためである。
【0042】
以下、図2乃至図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の製造方法について詳細に説明する。
【0043】
図2乃至図5は、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
【0044】
まず、図2に示したように、上部基板210に溝211及び隔壁212を形成する。この時、溝211の幅は一つの画素幅に対応する。
【0045】
次に、図3に示したように、隔壁212の上に反射層220を形成する。反射層220は反射率の高い金属からなる。
【0046】
次に、図4に示したように、各溝211にカラーフィルタ230R、230G、230Bをそれぞれ形成する。カラーフィルタ230R、230G、230Bはインクジェット方法で形成することができる。
【0047】
その後、図5に示したように、カラーフィルタ230R、230G、230Bと反射層220の上に接着層280を形成する。
【0048】
その後、下部表示板100に付着された電子インク層300に上部表示板200を接着する。
【0049】
また、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板は、他の方法によっても形成することができる。
【0050】
以下、図6乃至図12を参照して、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の他の製造方法について詳細に説明する。
【0051】
図6乃至図12は、本発明の第1実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の他の製造方法を順次に示した図面である。
【0052】
まず、図6に示したように、上部基板210の上にクロム(Cr)のような金属層を形成した後、パターニングして金属層パターン410を形成する。金属層パターン410の間の間隔は一つの画素幅に対応する。各金属層パターン410の上に第1感光膜411を形成する。
【0053】
次に、図7に示したように、第1感光膜411をマスクとして上部基板210をエッチングし、溝211及び第1隔壁212aを形成する。
【0054】
次に、図8に示したように、溝211の内部に表面処理を行って表面処理部213を形成する。このような表面処理は、この後に形成するカラーフィルタ230R、230G、230Bのインクを集める役割を果たす。
【0055】
次に、図9に示したように、第1隔壁212aの上の金属層パターン410及び第1感光膜411を除去した後に、表面処理部213の上に第2感光膜412を形成する。
【0056】
次に、図10に示したように、第2感光膜412をマスクとして上部基板210の全面をエッチングし、隔壁212及びアンダーカット214を形成する。この後に、上部基板210の全面に反射層220を形成する。
【0057】
次に、図11に示したように、第2感光膜412をリフトオフ(lift off)工程によって除去した後、表面処理部213の上にカラーフィルタ230R、230G、230Bを形成する。カラーフィルタ230R、230G、230Bはインクジェット方法で形成することができる。
【0058】
このように、リフトオフ工程で第2感光膜412を除去すれば、第2感光膜412の上の反射層220まで共に除去されるので、第2感光膜412の上の反射層220だけを除去するための工程が必要ない。
【0059】
次に、図12に示したように、カラーフィルタ230R、230G、230B及び反射層220の上に接着層280を形成する。
【0060】
その後、下部表示板100に付着された電子インク層300に上部表示板200を接着する。
【0061】
(第2実施形態)
以下、図13を参照して、本発明の第2実施形態に係る電気泳動表示装置について詳細に説明する。
【0062】
図13は、本発明の第2実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【0063】
第2実施形態に係る電気泳動表示装置は、図1に示した第1実施形態に係る電気泳動表示装置と比較して、上部表示板だけを除いては実質的に同一なので、繰り返される説明は省略する。
【0064】
図13に示したように、上部表示板200は、上部基板210、上部基板210の上に形成されている第2隔壁215及びカラーフィルタ230R、230G、230B、第2隔壁215の上に形成されている反射層220、そして反射層220及びカラーフィルタ230R、230G、230Bの上に形成されている接着層280を含む。
【0065】
各第2隔壁215の間の間隔は一つの画素に対応し、カラーフィルタ230R、230G、230Bは第2隔壁215の間に位置する。
【0066】
ここで、第2隔壁215は、白色感光膜または黒色感光膜で形成することができる。白色感光膜で第2隔壁215を形成する場合、全体白色輝度を向上させることができ、黒色感光膜で第2隔壁215を形成する場合、コントラスト及び色特性をさらに向上させることができる。
【0067】
第2隔壁215の上に形成されている反射層220は反射率の高い金属からなる。このような反射層220は第1実施形態と同様に、各カラーフィルタ230R、230G、230Bを通過した外部の光が他のカラーカラーフィルタ230R、230G、230Bに入射しないようにするためである。このような反射層220によって光が混色される問題を解決して、色特性を向上させることができる。
【0068】
接着層280は、液状接着剤を反射層220及びカラーフィルタ230R、230G、230Bの上にコーティングして形成する。
【0069】
(第3実施形態)
以下、図14乃至図22を参照して、本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置について詳細に説明する。
【0070】
図14図15及び図22は、本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【0071】
図14及び図15に示したように、第3実施形態に係る電気泳動表示装置は、第1及び第2実施形態に係る電気泳動表示装置とは異なって電子インク層がなく、薄膜トランジスタが形成されている下部表示板100と、カラーフィルタ230R、230G、230B及び黒色電子粒子350が形成されている上部表示板200とで形成されている。
【0072】
下部表示板100の構造は、第1実施形態に係る電気泳動表示装置の下部表示板の構造と比較して、画素電極191の上に第1有機膜450、金属反射板460、第2有機膜470、及び白色反射板480が順次に形成されている構造だけを除けば、それ以外の構造は同一である。
【0073】
上部表示板200は、上部基板210、上部基板210の上に形成されているカラーフィルタ230R、230G、230B、カラーフィルタ230R、230G、230Bの上に位置した共通電極270、共通電極270の上に位置した側面反射板275、白色溶媒360及び黒色電子粒子350、そして共通電極270及び白色溶媒360の上に位置した封止膜290を含む。
【0074】
下部表示板100の白色反射板480と上部表示板200の封止膜290は接着されている。
【0075】
上部基板210には溝211が形成されており、カラーフィルタ230R、230G、230Bはそれぞれ溝211に位置する。一つの溝211の幅は一つの画素に対応し、各溝211の間には隔壁212が位置する。
【0076】
また、各溝211のカラーフィルタ230R、230G、230Bの上には白色溶媒360と複数個の黒色電子粒子350が形成されている。黒色電子粒子350は白色溶媒360内で移動することができる。
【0077】
隔壁212の側面に対応する共通電極270の上には反射率の高い金属からなる側面反射板275が形成されている。側面反射板275は、各カラーフィルタ230R、230G、230Bを通過した外部の光が他のカラーカラーフィルタ230R、230G、230Bに入射しないようにするためである。このような側面反射板275によって光が混色される問題を解決して、色特性を向上させることができる。
【0078】
共通電極270は複数の切開部271が形成されている。このような切開部271によって黒色電子粒子350の分布の均一性を向上させることができる。
【0079】
図14に示したように、各溝211の内部に位置した黒色電子粒子350が共通電極270と白色溶媒360の境界面に配置されれば、外部の光が反射しないので、黒色を示す。
【0080】
図15に示したように、各溝211の内部に位置した黒色電子粒子350が封止膜290と白色溶媒360の境界面に配置されれば、外部の光が反射してそれぞれの色を示すようになる。
【0081】
以下、図16乃至図21を参照して、本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の製造方法について詳細に説明する。
【0082】
図16乃至図21は、本発明の第3実施形態に係る電気泳動表示装置の上部表示板の一つの製造方法を順次に示した図面である。
【0083】
まず、図16に示したように、上部基板210の上にクロム(Cr)のような金属層500を形成した後、金属層500の上に第3感光膜550を形成する。
【0084】
次に、図17に示したように、第3感光膜550をマスクとして金属層500をエッチングし、金属層パターン510を形成する。ここで、金属層パターン510の間の間隔は一つの画素幅に対応する。
【0085】
次に、図18に示したように、第3感光膜550及び金属層パターン510をマスクとして上部基板210をエッチングし、溝211及び隔壁212を形成する。
【0086】
次に、図19に示したように、第3感光膜550及び金属層パターン510を除去し、溝211の内部にカラーフィルタ230R、230G、230Bを形成する。
【0087】
次に、図20に示したように、カラーフィルタ230R、230G、230B及び隔壁212の上に共通電極270を形成する。この時、カラーフィルタ230R、230G、230Bの共通電極270には複数の切開部271を形成する。そして、隔壁212の側面に対応する共通電極270の上に側面反射板275を形成する。
【0088】
次に、図21に示したように、溝211の内部のカラーフィルタ230R、230G、230Bの上に白色溶媒360と複数の黒色電子粒子350を形成し、共通電極270及び白色溶媒360の上に位置した封止膜290を形成する。
【0089】
一方、第3実施形態に係る電気泳動表示装置は白色反射板がない場合もあり得る。この場合、図22に示したように、下部表示板100の第1有機膜450と上部表示板200の封止膜290が接着する。
【0090】
(第4実施形態)
以下、図23乃至図25を参照して、本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置について詳細に説明する。
【0091】
図23乃至図25は、本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【0092】
図23及び図24に示したように、本発明の第4実施形態に係る電気泳動表示装置は、第3実施形態に係る電気泳動表示装置と比較して、黒色溶媒361と白色電子粒子351を用いるのが異なり、それ以外の構造は第3実施形態に係る電気泳動表示装置と同一である。
【0093】
つまり、溝211の内部の共通電極270の上に黒色溶媒361と白色電子粒子351が形成されている。
【0094】
図23に示したように、各溝211の内部に位置した白色電子粒子351が共通電極270と黒色溶媒361の境界面に配置されれば、外部の光が反射してそれぞれの色を示すようになる。
【0095】
図24に示したように、各溝211の内部に位置した白色電子粒子351が封止膜290と黒色溶媒361の境界面に配置されれば、外部の光が反射しないので、黒色を示す。
【0096】
一方、第4実施形態に係る電気泳動表示装置は白色反射板がない場合もあり得る。この場合、図25に示したように、下部表示板100の第1有機膜450と上部表示板200の封止膜290が接着する。
【0097】
(第5実施形態)
以下、図26乃至図28を参照して、本発明の第5実施形態に係る電気泳動表示装置について詳細に説明する。
【0098】
図26乃至図28は、本発明の第5実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【0099】
図26及び図27に示したように、本発明の第5実施形態に係る電気泳動表示装置は、第3実施形態に係る電気泳動表示装置と比較して、透明溶媒362、黒色電子粒子350及び白色電子粒子351を用いるのが異なり、それ以外の構造は第3実施形態に係る電気泳動表示装置と同一である。
【0100】
つまり、溝211の内部の共通電極270の上に透明溶媒362、黒色電子粒子350、及び白色電子粒子351が形成されている。
【0101】
図26に示したように、各溝211の内部に位置した黒色電子粒子350は共通電極270と透明溶媒362の境界面に配置され、白色電子粒子351が封止膜290と透明溶媒362の境界面に配置されれば、外部の光が反射しないので、黒色を示す。
【0102】
図27に示したように、各溝211の内部に位置した黒色電子粒子350は封止膜290と透明溶媒362の境界面に配置され、白色電子粒子351が共通電極270と透明溶媒362の境界面に配置されれば、外部の光が反射してそれぞれの色を示すようになる。
【0103】
一方、第5実施形態に係る電気泳動表示装置は白色反射板がない場合もあり得る。この場合、図28に示したように、下部表示板100の第1有機膜450と上部表示板200の封止膜290が接着する。
【0104】
(第6実施形態)
以下、図29及び図30を参照して、本発明の第6実施形態に係る電気泳動表示装置について詳細に説明する。
【0105】
図29及び図30は、本発明の第6実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【0106】
図29及び図30に示したように、本発明の第6実施形態に係る電気泳動表示装置は、第3実施形態に係る電気泳動表示装置と比較して、白色反射板480と第2有機膜470に開口部485が形成されており、接着層パターン291が形成されている構造が異なり、それ以外の構造は第3実施形態に係る電気泳動表示装置と同一である。
【0107】
つまり、下部表示板100の白色反射板480と第2有機膜470には開口部485が形成されており、上部表示板200には接着層パターン291が形成されて下部表示板100と接着する。このような開口部485には黒色電子粒子350が位置することができる。
【0108】
図29に示したように、各溝211の内部に位置した黒色電子粒子350は、共通電極270と透明溶媒362の境界面に配置されれば、外部の光が反射しないので、黒色を示す。
【0109】
図30に示したように、各溝211の内部に位置した黒色電子粒子350が、開口部485の内部に位置すれば、外部の光が反射してそれぞれの色を示すようになる。
【0110】
このように、下部表示板100の白色反射板480と第2有機膜470に開口部485を形成し、黒色電子粒子350を開口部485の内部に配置することによって、反射率及び透過率を向上させることができる。
【0111】
(第7実施形態)
以下、図31及び図32を参照して、本発明の第7実施形態に係る電気泳動表示装置について詳細に説明する。
【0112】
図31及び図32は、本発明の第7実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【0113】
図31及び図32に示したように、第7実施形態に係る電気泳動装置は、第1実施形態に係る電気泳動表示装置の構造とは異なって、電子インク層300の上にレンズ00が位置する。
【0114】
下部表示板100及び電子インク層300の構造は、第1実施形態に係る電気泳動表示装置の下部表示板100及び電子インク層300の構造と実質的に同一なので、繰り返される説明は省略する。
【0115】
上部表示板200は、上部基板210、上部基板210の上に形成されているカラーフィルタ230R、230G、230Bを含む。各カラーフィルタ230R、230G、230Bは、それぞれ第1及び第2カラーフィルタ(230Ra、230Rb)、(230Ga、230Gb)、(230Ba、230Bb)に分離されており、各第1及び第2カラーフィルタ(230Ra、230Rb)、(230Ga、230Gb)、(230Ba、230Bb)の間には開口部240が形成されている。
【0116】
電子インク層300の上にはレンズ00が形成されている。レンズ00は凹レンズである。
【0117】
上部基板210と下部基板110との間には第1圧電体600が形成されている。第1圧電体600は、PZT(Pb(Zr1−xTix)O3)のように、電圧の印加を受けると、その形態が変形される圧電材料からなる。つまり、第1圧電体600は上部基板210と下部基板110との間隔を調節することによって、レンズ00の焦点領域を変える役割をする。
【0118】
図31に示したように、第1圧電体600が上部基板210と下部基板110との間隔を調節して、レンズ00の焦点領域が開口部240に一致すると、入射した外部の光はレンズ00を通過して各第1及び第2カラーフィルタ(230Ra、230Rb)、(230Ga、230Gb)、(230Ba、230Bb)の間の開口部240を通過する。
【0119】
この場合、電子インク層300の白色の正の帯電粒子32と黒色の負の帯電粒子33の位置によって白色及び黒色を示すようになる。
【0120】
図32に示したように、第1圧電体600が上部基板210と下部基板110との間隔を調節して、レンズ00の焦点領域が上部基板210に一致すると、入射した外部の光はレンズ00を通過して各第1及び第2カラーフィルタ(230Ra、230Rb)、(230Ga、230Gb)、(230Ba、230Bb)を通過する。
【0121】
この場合、各カラーを実現するようになる。
【0122】
このように、電子インク層300の上にレンズ00を形成し、第1圧電体600を用いて上部基板210と下部基板110との間隔を調節することによって、白黒及びカラーを示すことができる。
【0123】
(第8実施形態)
以下、図33及び図34を参照して、本発明の第8実施形態に係る電気泳動表示装置について詳細に説明する。
【0124】
図33及び図34は、本発明の第8実施形態に係る電気泳動表示装置の断面図である。
【0125】
図33及び図34に示したように、第8実施形態に係る電気泳動装置は、第7実施形態に係る電気泳動表示装置とは異なって、上部基板210を左右に移動させてレンズ00の焦点を調節する。
【0126】
下部表示板100及び電子インク層300の構造は、第7実施形態に係る電気泳動表示装置の下部表示板100及び電子インク層300の構造と実質的に同一なので、繰り返される説明は省略する。
【0127】
上部表示板200は、上部基板210と、上部基板210の上に形成されているカラーフィルタ230R、230G、230Bを含む。各カラーフィルタ230R、230G、230Bは離隔して位置する。
【0128】
下部基板210には支持台700が形成されており、上部基板210と支持台700との間には第2圧電体610及び第3圧電体620が位置する。
【0129】
第2圧電体610及び第3圧電体620は、PZT(Pb(Zr1−xTi)O)のように、電圧の印加を受けると、その形態が変形される圧電材料からなる。
【0130】
図33に示したように、レンズ00の焦点領域が各カラーフィルタ230R、230G、230Bに一致すると、入射した外部の光はレンズ00を通過して各カラーフィルタ230R、230G、230Bを通過する。この場合、各カラーを実現するようになる。
【0131】
図34に示したように、第2圧電体610は膨張し、第3圧電体620は収縮して、上部基板210を移動させることによって、レンズ00の焦点領域が各カラーフィルタ230R、230G、230Bの間に一致すると、入射した外部の光はレンズ00を通過して各カラーフィルタ230R、230G、230Bの間を通過する。この場合、電子インク層300の白色の正の帯電粒子32と黒色の負の帯電粒子33の位置によって、白色及び黒色を示すようになる。
【0132】
本発明について上述のように好ましい実施形態を通じて説明したが、本発明はこれに限定されず、次に記載する特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り、種々の修正及び変形が可能であるということを、本発明が属する技術分野で務める者であれば簡単に理解できる。
【符号の説明】
【0133】
211 溝
212、215 隔壁
300 電子インク層
350 黒色電子粒子
351 白色電子粒子
500 レンズ
600、610、620 圧電体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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