特許第6084690号(P6084690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許60846904偏波(QUADRI−POLARIZED)アンテナ発振器、4偏波アンテナ、4偏波マルチアンテナアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084690
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】4偏波(QUADRI−POLARIZED)アンテナ発振器、4偏波アンテナ、4偏波マルチアンテナアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/24 20060101AFI20170213BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20170213BHJP
【FI】
   H01Q21/24
   H04J15/00
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-518797(P2015-518797)
(86)(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公表番号】特表2015-529991(P2015-529991A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】CN2013072284
(87)【国際公開番号】WO2014005436
(87)【国際公開日】20140109
【審査請求日】2015年3月25日
(31)【優先権主張番号】201210231562.8
(32)【優先日】2012年7月5日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515003145
【氏名又は名称】チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHINA TELECOM CORPORATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】ビ、チ
(72)【発明者】
【氏名】シェ、ウェイリヤン
【審査官】 岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第201307640(CN,Y)
【文献】 独国特許出願公開第10116964(DE,A1)
【文献】 特開2011−024024(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0013729(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
H04J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4偏波アンテナを備えたLTEシステムであって、
前記4偏波アンテナは、長さ方向に配置された少なくとも1つの4偏波アンテナ発振器を有
前記4偏波アンテナ発振器は、一致した中心点を有する4つの偏波発振器を備え、1つの同じ偏波方向を一緒に有する前記偏波発振器は、前記偏波方向における偏波アンテナを構成し、
前記4偏波アンテナは、4つの前記偏波アンテナを備え、
第1の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向であり、
第2の偏波アンテナの偏波方向は、前記水平面方向に対して垂直であり、
第3の偏波アンテナの偏波方向は、前記水平面方向と45度の角度を有し、
第4の偏波アンテナの偏波方向は、前記水平面方向と−45度の角度を有し、
前記第1の偏波アンテナから前記第4の偏波アンテナまでの前記偏波方向は、それぞれ、前記4偏波アンテナ発振器の4つの偏波方向に対応し、
前記LTEシステムがダウンリンクデュアル送信MIMOモードで動作された場合に、前記第3の偏波アンテナの優先度レベルおよび前記第4の偏波アンテナの優先度レベルは最も高く、前記第1の偏波アンテナの優先度レベルは最も低い、
LTEシステム
【請求項2】
2つの隣接する4偏波アンテナ発振器間の間隔距離は、
前記4偏波アンテナ発振器の数量が1より多い場合、0.5λ〜1λであり、λは、前記4偏波アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である、請求項1に記載のLTEシステム
【請求項3】
前記LTEシステムがアップリンク受信モードにおいて動作された場合に、前記偏波アンテナの各々は、アップリンク受信処理に使用されることができる、請求項1または2に記載のLTEシステム
【請求項4】
前記LTEシステムがダウンリンク信号送信モードで動作された場合に、前記第2の偏波アンテナの優先度レベルは、最も高く、前記第1の偏波アンテナの優先度レベルは最も低い、請求項1または2に記載のLTEシステム
【請求項5】
4偏波マルチアンテナアレイを備えたLTEシステムであって、
4偏波マルチアンテナアレイは、少なくとも2つの水平面に配置された4偏波アンテナを備え
前記4偏波アンテナは、請求項1−4の何れかの4偏波アンテナであり、請求項1−4の何れかに記載の前記優先度レベルを有し、
2つの隣接する4偏波アンテナ間の水平面の間隔距離は、0.5λより大きく、λは、前記4偏波アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である、
LTEシステム
【請求項6】
前記4偏波マルチアンテナアレイは、単一の1つの物理アンテナを形成するために物理アンテナカバー内に封入される、請求項5に記載のLTEシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信の分野に関する。さらに特には、4偏波アンテナ発振器、4偏波アンテナ、4偏波マルチアンテナアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モバイル通信ネットワークテクニックは、第3世代(3Gと呼ぶ)に発展し、3Gネットワークは、既に展開され、世界で大規模に商業的に使用されている。データサービスおよびモバイルインターネットの連続的な普及および促進で、国際的な通信標準化機構は、モバイル通信のLong Term Evolution(LTEと呼ぶ)、4G、および、ネットワーク技術並びにサービス能力の連続的な発展および促進を満たす同等のものの技術標準を確立している。Multiple Input and Multiple Output(MIMOと呼ぶ)技術は、独立した空間伝播路を適切に使用することによって、ネットワークサービスレートおよびリンクパフォーマンスを改善することができるように、LTEおよび未来の4G技術において最も重要なコア技術の1つになる。
【0003】
現在、2Gおよび3Gネットワークの大半は、低周波数帯域リソースを利用している。例えば、Global System of Mobile Communication(GSM(登録商標)と呼ぶ)は、900MHzで使用され、Code Division Multiple Access(CDMAと呼ぶ)システムは、800MHzで使用され、LTEおよび4Gは、将来的には2GHzより大きい周波数帯域で使用されるだろうことが可能であり、このことは、2Gおよび3Gネットワークの信号伝播性能が、LTEまたは4Gシステムの信号伝播性能より良いことを意味する。現在、基地局の数量を増加させることはとても困難であるので、ネットワークプロバイダは、一般的に、LTEまたは4Gネットワークを展開する場合、複数のシステムに1つの基地局を共有させる。このような条件において、LTEまたは4Gシステムの基地局が、2G/3Gシステムの基地局と同じカバレッジ能力を有するようにする場合、MIMOマルチアンテナ技術を使用しなければならない。従って、LTEまたは4Gシステムのカバレッジ能力を改善するために、可能な限り、LTEおよび4GシステムのMIMOアンテナの数量を増加させることが不可欠である。
【0004】
MIMOマルチアンテナ技術において、複数のアンテナが、信号送信および受信に必要とされる。現存のMIMOマルチアンテナ展開スキームにおいて、ある一定の水平面の距離が、マルチアンテナ信号送信および受信を達成するために、一般的に複数のアンテナ間で間隔が開けられている。しかしながら、このようなスキームが、ネットワークプロバイダのネットワーク展開にとって、大きな困難をもたらすだろう。
【0005】
特に、MIMOアンテナにとって、一般のアンテナコンフィギュレーションスキームは、2×2、4×2、4×4コンフィギュレーションおよび同等のものを含む。このことは、1つの基地局が、信号送信および受信のために4つのアンテナで構成されることが必要であることを意味する。ところが、今は、主流の設計である2×2MIMOアンテナスキームにおいて、偏波共用(dual-polarized)アンテナは、2つの偏波方向において弱い相関を有するので、2×2MIMOアンテナの設計必要条件が満たされることができるように、偏波共用アンテナが、一般的に使用されている。アンテナの数量の増加は、アンテナの信号に対する組み合わせまたはダイバシティ処理を可能にし、そのことで、システム性能を大いに改善することができる。しかしながら、4×2または4×4MIMOアンテナにとって、さらなる2つのアンテナが、上記の偏波共用アンテナの他に必要とされる。2つの独立した偏波共用アンテナは、1−10λのうちのある距離、水平に間隔をあけられる(λは、アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である)ことが慣例的である。波長の特定の値は、送信機と受信機との間のワイヤレス伝播環境に関連しているが、距離は、弱い相関をよりよく保証するためにより大きく設定される。このような水平面方向において間隔を開く方式は、2つのセットのアンテナインスタレーションシステムを設けるために、基地局の上面の十分に大きな空間が不可欠であることをもたらす。同時に、アンテナインスタレーションシステムを設ける間、一致すべき2つの水平面に間隔が開いた偏波共用アンテナの下方向傾斜角を保証することが不可欠であり、基地局の上面上のアンテナの数量は、水平面に間隔が開いたMIMOアンテナのために、実際増加させられる。このことは、ネットワークプロバイダにとって、基地局を設立するために所有物の持ち主との交渉をするという困難さを増加させるだろう。従って、水平面に間隔が開いた方式で上記のMIMOアンテナを利用することは、実際のネットワーク構造およびある程度の展開において困難である。
【0006】
電磁放射問題に対する人々の高い注目により、独立の物理アンテナの数量は、多くの基地局の立地において増加させることは難しく、多くの基地局が、4およびそれより多くのMIMOアンテナを設置することを要求される場合特に、複数のアンテナの水平面に間隔が開いた距離を保証するために十分な空間を有することは困難であるという結果になる。従って、複数の物理アンテナを採用するスキームは、LTEおよび4Gネットワークの展開に資さない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、4偏波アンテナ発振器、4偏波アンテナ、4偏波マルチアンテナアレイに向けられたものである。1つのアンテナ発振器に異なる偏波方向を有する4つの偏波発振器を統合することにより、MIMOマルチアンテナの幅は縮小され、偏波共用アンテナの2つのコラムの間の水平面の間隔距離は、もはや要求されない。依って、LTEおよび4Gネットワークの展開は、基地局の上面に、余分な空間を要求することなく、好ましく実現されることができる。
【0008】
本開示の1つの観点は、4つの偏波発振器を備える4偏波アンテナ発振器である。前記4つの偏波発振器の中心点は一致し、第1の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向であり、第2の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向に対して垂直であり、第3の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向と45度の角度を有し、第4の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向と−45度の角度を有する。
【0009】
本開示の別の観点は、上述したように、長さ方向(longitudinal)に配置されている少なくとも1つの4偏波アンテナ発振器を備える4偏波アンテナであり、1つの同じ偏波方向を一緒に有する偏波発振器は、前記偏波方向に偏波アンテナを構成する。4偏波アンテナは、4つの偏波アンテナを備え、第1の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向であり、第2の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向に対して垂直であり、第3の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向と45度の角度を有し、第4の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向と−45度の角度を有する。
【0010】
好ましくは、2つの隣接する4偏波アンテナ発振器の間の間隔距離は、4偏波アンテナ発振器の数量が1より多い場合、0.5λ〜1λであり、λは、4偏波アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である。
【0011】
好ましくは、アップリンク受信システムにとって、偏波アンテナの各々は、アップリンク受信処理に使用されることができる。
【0012】
好ましくは、ダウンリンク信号送信システムにとって、第2の偏波アンテナの優先度レベルは、最も高く、第1の偏波アンテナの優先度レベルは最も低い。
【0013】
好ましくは、ダウンリンクデュアル送信MIMOシステムにとって、第3の偏波アンテナの優先度レベルおよび第4の偏波アンテナの優先度レベルは、最も高く、第1の偏波アンテナの優先度レベルは最も低い。
【0014】
本開示の別の観点は、上述された少なくとも2つの水平面に配置された4偏波アンテナを備える4偏波マルチアンテナアレイであり、2つの隣接する4偏波アンテナ間の水平面の間隔距離は、0.5λより大きい。λは、二次偏波(quadric)アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である。
【0015】
好ましくは、4偏波アンテナアレイは、単一の1つの物理アンテナを形成するために物理アンテナカバー内に封入されることができる。
【0016】
本開示において、1つのアンテナ発振器に異なる偏波方向を有する4つの偏波発振器を統合することにより、MIMOマルチアンテナの幅は縮小され、偏波共用アンテナの2つのコラムの間の水平面の空間は、もはや要求されない。依って、LTEおよび4Gネットワークの展開は、基地局の上面に、余分な空間を要求することなく、好ましく実現されることができる。
【0017】
添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれており、この明細書の一部に組み込まれ、この明細書の一部を構成する。前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、単に例示的であり、不適当に本開示を制限するというよりむしろ、請求項の本質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することが意図されていることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示にしたがった、4偏波アンテナ発振器の1つの実施形態の概略図である。
図2】本開示にしたがった、4偏波アンテナの1つの実施形態の概略図である。
図3】本開示にしたがった、4偏波マルチアンテナアレイの1つの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、添付の図面および実施形態と関連して、以下にさらに詳細に図示されるだろう。
【0020】
図1は、本開示において、4偏波(quadri-polarized)アンテナ発振器の1つの実施形態の概略図である。図1に示されるように、4偏波アンテナ発振器は、4つの偏波発振器を備える。そこでは、4つの偏波発振器の中心点は一致しており、第1の偏波発振器1の偏波方向は、水平面方向であり、第2の偏波発振器2の偏波方向は、水平面方向に対して垂直であり、第3の偏波発振器3の偏波方向は、水平面方向と45度の角度を有し、第4の偏波発振器4の偏波方向は、水平面方向と−45度の角度を有する。
【0021】
上で図示されたような4偏波アンテナ発振器を基礎として、4つの偏波発振器は、1つのアンテナ発振器に統合され、4つの偏波発振器の中心点は、一致しており、第1の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向であり、第2の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向に対して垂直であり、第3の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向と45度の角度を有し、第4の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向と−45度の角度を有する。1つのアンテナ発振器に異なる偏波方向を有する4つの偏波発振器を統合することにより、MIMOマルチアンテナの幅は縮小され、偏波共用アンテナの2つのコラム間の水平面の空間は、もはや要求されない。依って、LTEおよび4Gネットワークの展開は、基地局の上面に、余分な空間を要求することなく、好ましく実現されることができる。
【0022】
好ましくは、4偏波アンテナ発振器における4つの偏波発振器は、1つの同じ平面または異なる平面に配置されてもよい。例えば、第1の偏波発振器および第2の偏波発振器は、1つの平面に配置されてもよく、第3の偏波発振器および第4の偏波発振器は、別の平面に配置されてもよい。
【0023】
図2は、本開示における、4偏波アンテナの1つの実施形態の概略図である。図2に示されるように、4偏波アンテナ10は、長さ方向に配置された少なくとも1つの4偏波アンテナ発振器11を備える。4偏波アンテナ発振器は、図1に示される4偏波アンテナ発振器であり、1つの同じ偏波方向を一緒に有する偏波発振器は、偏波方向における偏波アンテナを構成する。
【0024】
4偏波アンテナは、4つの偏波アンテナを備え、第1の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向であり、第2の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向に対して垂直であり、第3の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向と45度の角度を有し、第4の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向と−45度の角度を有する。
【0025】
上で図示されたように4偏波アンテナを基礎として、4偏波アンテナは、長さ方向に配置されている少なくとも1つの4偏波アンテナ発振器を備え、1つの同じ偏波方向を一緒に有する偏波アンテナ発振器は、前記偏波方向に偏波アンテナを構成する。従って、4偏波アンテナは、4つの偏波アンテナを備え、第1の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向であり、第2の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向に対して垂直であり、第3の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向と45度の角度を有し、第4の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向と−45度の角度を有する。1つのアンテナに異なる偏波方向を有する4つの偏波アンテナを統合することにより、アンテナの幅は縮小され、偏波共用アンテナの2つのコラム間の水平面の空間は、もはや要求されない。依って、LTEおよび4Gネットワークの展開は、基地局の上面に、余分な空間を要求することなく、好ましく実現される。
【0026】
1つの4偏波アンテナにおける4偏波アンテナ発振器の数量は、アンテナの利得要求に従って設定されてもよい。好ましくは、1つの4偏波アンテナにおいて、2つの隣接する4偏波アンテナ発振器間の間隔距離は、0.5λ〜1λに設定され、λは、4偏波アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である。
【0027】
4偏波アンテナが、LTEシステムで使用される場合、特定の送信および受信スキームが、考慮されるべきである。アップリンク受信システムにとって、アップリンク信号は、各アンテナにより受信されることができ、基地局におけるアップリンク受信処理ユニットは、各アンテナにより受信されたアップリンク信号を組み合わせることができ、そのため、アップリンクマルチアンテナ処理利得は、取得されることができる。従って、4偏波アンテナにおける各偏波アンテナは、アップリンク受信処理のために使用されることができる。
【0028】
ダウンリンク送信システムにとって、LTE端末の制限された処理能力および電力消費問題を鑑みると、LTE端末の大半は、現在、2つの次元でMIMOアンテナを支持しているだけである。ダウンリンク送信用のアンテナの数量は、現存のLTEシステムにおいて、アップリンク受信用のアンテナの数量より少ないことを意味する、そのため、優先度は、ダウンリンク送信用のアンテナのために設定されるべきである。ワイヤレス信号の伝播特性についての分析に基づいて、水平面の偏波信号の伝播特性が不十分なので、第1の偏波アンテナの優先度は、ダウンリンク送信用のアンテナにおいて最も低い。ダウンリンク信号送信システムにとって、90度方向において偏波された信号の伝播特性は最も良く、そのため、第2の偏波アンテナの優先度は、最も高く、第1の偏波アンテナの優先度は、最も低い。ダウンリンクデュアル送信MIMOシステムにとって、MIMOシステムにおける信号間に直交性があることが要求される、そのため、第3の偏波アンテナおよび第4の偏波アンテナの優先度が、最も高く、第1の偏波アンテナの優先度が、最も低い。
【0029】
アンテナポートは、アンテナの底部に構成されてもよい。4偏波アンテナ発振器が採用されるので、4つのアンテナポートは、アンテナの底部に設定されるべきであり、4つのアンテナポートは、それぞれ、4つの偏波方向における偏波アンテナに対応する。
【0030】
図3は、本開示における4偏波マルチアンテナアレイの1つの実施形態の概略図である。図3に示されるように、4偏波マルチアンテナアレイは、少なくとも2つの水平面に配置された4偏波アンテナ10を備える。4偏波アンテナ10は、図2において示されている実施形態として図示された4偏波アンテナであり、2つの隣接する4偏波アンテナ間の水平面の間隔距離は、0.5λより大きい。λは、4偏波アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である。
【0031】
上で図示されたような4偏波マルチアンテナアレイを基礎として、4偏波マルチアンテナアレイは、少なくとも2つの水平面に配置された4偏波アンテナを備え、4偏波アンテナは、上の実施形態で図示されている4偏波アンテナであり、2つの隣接する4偏波アンテナ間の水平面の間隔距離は、0.5λより大きく、λは、4偏波アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である。1つのアンテナに異なる偏波方向を有する4つの偏波アンテナを統合することにより、アンテナの幅は縮小され、偏波共用アンテナの2つのコラム間の水平面の空間は、もはや要求されず、依って、LTEおよび4Gネットワークの展開は、基地局の上面に、余分な空間を要求することなく、好ましく実現されることができる。
【0032】
好ましくは、4偏波アンテナアレイは、1つの物理アンテナを形成するために物理アンテナカバーに封入されることができ、このことは、MIMOマルチアンテナの構造および展開をさらにいっそう容易にするでしょう。
【0033】
本開示に従った4偏波マルチアンテナは、4×2または4×4コンフィギュレーションスキームとしてMIMOアンテナを構成する間、マルチプルアンテナを間隔をとって隔てるのを避けることができ、より高いコンフィギュレーションでMIMOアンテナを構成する場合、アンテナの水平面の幅の寸法についての要求を下げることができる。
【0034】
当業者にとって、ここに説明されたような本開示の好ましい実施形態に対する様々な修正は、添付の特許請求の範囲で定義されるような本開示の精神または範囲から逸脱することなしに、なされることができることは明らかである。このように、本開示は、修正やバリエーションを、それらが添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で生じるとすれば、カバーする。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
4つの偏波発振器を備える4偏波アンテナ発振器であって、
前記4つの偏波発振器の中心点は、一致しており、
第1の偏波発振器の偏波方向は、水平面方向であり、
第2の偏波発振器の偏波方向は、前記水平面方向に対して垂直であり、
第3の偏波発振器の偏波方向は、前記水平面方向と45度の角度を有し、
第4の偏波発振器の偏波方向は、前記水平面方向と−45度の角度を有する
4偏波アンテナ発振器。
[C2]
長さ方向に配置された少なくとも1つの4偏波アンテナ発振器を備える4偏波アンテナであって、
前記4偏波アンテナ発振器は、[C1]に記載の前記4偏波アンテナ発振器であり、1つの同じ偏波方向を一緒に有する前記偏波発振器は、前記偏波方向における偏波アンテナを構成し、
前記4偏波アンテナは、4つの前記偏波アンテナを備え、
第1の偏波アンテナの偏波方向は、水平面方向であり、
第2の偏波アンテナの偏波方向は、前記水平面方向に対して垂直であり、
第3の偏波アンテナの偏波方向は、前記水平面方向と45度の角度を有し、
第4の偏波アンテナの偏波方向は、前記水平面方向と−45度の角度を有する
4偏波アンテナ。
[C3]
2つの隣接する4偏波アンテナ発振器間の間隔距離は、
前記4偏波アンテナ発振器の数量が1より多い場合、0.5λ〜1λであり、λは、前記アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である、[C2]に記載の4偏波アンテナ。
[C4]
アップリンク受信システムにとって、前記偏波アンテナの各々は、アップリンク受信処理に使用されることができる、[C2]または[C3]に記載の4偏波アンテナ。
[C5]
ダウンリンク信号送信システムにとって、前記第2の偏波アンテナの優先度レベルは、最も高く、前記第1の偏波アンテナの優先度レベルは最も低い、[C2]または[C3]に記載の4偏波アンテナ。
[C6]
ダウンリンクデュアル送信MIMOシステムにとって、前記第3の偏波アンテナの優先度レベルおよび前記第4の偏波アンテナの優先度レベルは最も高く、前記第1の偏波アンテナの優先度レベルは最も低い、[C2]または[C3]に記載の4偏波アンテナ。
[C7]
少なくとも2つの水平面に配置された4偏波アンテナを備える、4偏波マルチアンテナアレイであって、
前記4偏波アンテナは、[C2]−[C6]の何れかの4偏波アンテナであり、
2つの隣接する4偏波アンテナ間の水平面の間隔距離は、0.5λより大きく、λは、前記アンテナの周波数帯域の中心周波数点の波長である、
4偏波マルチアンテナアレイ。
[C8]
前記4偏波アンテナアレイは、単一の1つの物理アンテナを形成するために物理アンテナカバー内に封入されることができる、[C7]に記載の4偏波マルチアンテナアレイ。
図1
図2
図3