【実施例】
【0054】
本発明のオルガノポリシロキサン、硬化性シリコーン組成物、その硬化物、および光半導体装置を実施例により詳細に説明する。粘度は25℃における値である。なお、実施例中、Me、Vi、Ph、Naph、Epは、それぞれメチル基、ビニル基、フェニル基、ナフチル基、3−グリシドキシプロピル基を示す。また、硬化性シリコーン組成物、その硬化物、および光半導体装置の特性を次のようにして測定した。
【0055】
[硬化性の評価]
硬化性シリコーン組成物約0.5gをアルミカップに入れ、150℃の熱風循環式オーブン中で2分間加熱し、硬化物を作製した。その後、直ちに硬化物を室温まで冷却し、その表面を指で触り、表面のタック性の有無で硬化性を評価した。また、キュラストメータ(SIIナノテクノロジー社製のDSC7000)を用いて、加熱速度10℃/分で測定したときの硬化性シリコーン組成物の発熱ピーク温度から、その硬化速度を評価した。
【0056】
[硬化物の透湿度]
硬化性シリコーン組成物をプレスを用いて150℃、2時間で硬化させ、厚み1mmの硬化フィルムを作製した。その硬化フィルムの水蒸気透過率をJIS Z0208のカップ法に準拠して、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。
【0057】
[光半導体装置の信頼性]
硬化性シリコーン組成物を用いて、150℃、2時間加熱して、
図1で示される光半導体装置を作製した。この光半導体装置を、50℃、相対湿度75%、硫化水素ガス濃度20ppmの条件下で24時間暴露試験した。暴露試験前後での光半導体装置の発光効率の変化を測定し、光半導体装置の信頼性を評価した。
【0058】
[参考例1]
攪拌機、還流冷却管、温度計付きの四口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン 82.2g、水 143g、トリフルオロメタンスルホン酸 0.38g、およびトルエン 500gを投入し、攪拌下、フェニルトリメトキシシラン 524.7gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間加熱還流した。その後、冷却し、下層を分離し、トルエン溶液層を3回水洗した。水洗したトルエン溶液層にメチルグリシドキシプロピルジメトキシシラン 314gと水 130gと水酸化カリウム 0.50gとを投入し、1時間加熱還流した。続いて、メタノールを留去し、過剰の水を共沸脱水で除いた。4時間加熱還流した後、トルエン溶液を冷却し、酢酸 0.55gで中和した後、3回水洗した。水を除去した後、トルエンを減圧下に留去して、粘度8,500mPa・sの平均単位式:
(ViMe
2SiO
1/2)
0.18(PhSiO
3/2)
0.53(EpMeSiO
2/2)
0.29
で表される接着付与剤を調製した。
【0059】
[実施例1]
反応容器に、フェニルトリメトキシシラン 400g(2.02mol)、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメチルジシロキサン 84.86g(0.27mol)、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 3.64g(0.02mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 3.47g(23mmol)を投入し、撹拌下、水 120g(6.6mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 87.6gおよび水酸化カリウム 1.82g(32.5mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 0.67g(11.2mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 343g(収率:98%)を得た。
【0060】
核磁気共鳴スペクトル分析(以下、NMR分析)の結果、この液体は、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.210(Me
2ViSiO
1/2)
0.015(PhSiO
3/2)
0.775
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は1,439であり、分散度(Mw/Mn)は1.22であった。
【0061】
[実施例2]
反応容器に、フェニルトリメトキシシラン 470g(2.37mol)、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメチルジシロキサン 87.93g(0.28mol)、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 13.20g(0.07mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 4.09g(27mmol)を投入し、撹拌下、水 140.8g(7.8mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 102gおよび水酸化カリウム 2.14g(38.1mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 0.78g(13.1mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 400g(収率:98%)を得た。
【0062】
NMR分析の結果、この液体は、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.184(Me
2ViSiO
1/2)
0.046(PhSiO
3/2)
0.77
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は1,376であり、分散度(Mw/Mn)は1.16であった。
【0063】
[実施例3]
反応容器に、フェニルトリメトキシシラン 470g(2.37mol)、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメチルジシロキサン 65.95g(0.21mol)、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 26.39g(0.14mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 4.09g(27mmol)を投入し、撹拌下、水 140.8g(7.8mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 100gおよび水酸化カリウム 2.13g(37.9mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 0.77g(12.8mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 391g(収率:98%)を得た。
【0064】
NMR分析の結果、この液体は、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.138(Me
2ViSiO
1/2)
0.092(PhSiO
3/2)
0.77
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は1,786であり、分散度(Mw/Mn)は1.15であった。
【0065】
[実施例4]
反応容器に、1−ナフチルトリメトキシシラン 148.8g(0.6mol)、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメチルジシロキサン 49.6g(0.16mol)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 7.44g(0.04mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 1.002g(6.7mmol)を投入し、撹拌下、水 32.4g(1.8mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 70.5g、水酸化カリウム 0.538g(9.6mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で6時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 0.577g(9.6mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 152.4g(収率:92.7%)を得た。
【0066】
NMR分析の結果、この液体は、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.32(Me
2ViSiO
1/2)
0.08(NaphSiO
3/2)
0.60
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は960であり、分散度(Mw/Mn)は1.02であり、屈折率は1.619であった。
【0067】
[実施例5]
反応容器に、1−ナフチルトリメトキシシラン 148.8g(0.6mol)、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメチルジシロキサン 37.2g(0.12mol)、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 14.9g(0.08mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 0.978g(6.5mmol)を投入し、撹拌下、水 35.6g(1.98mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 69.1g、水酸化カリウム 0.525g(9.4mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で6時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 0.57g(9.5mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 141.9g(収率:89.0%)を得た。
【0068】
NMR分析の結果、この液体は、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.24(Me
2ViSiO
1/2)
0.16(NaphSiO
3/2)
0.60
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は980であり、分散度(Mw/Mn)は1.02であり、屈折率は1.617であった。
【0069】
[実施例6]
反応容器に、フェニルトリメトキシシラン 150g(0.76mol)、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメチルジシロキサン 52.47g(0.17mol)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 3.0g(0.016mol)、およびジフェニルジメトキシシラン 146.78g(0.48mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 2.14g(19mmol)を投入し、撹拌下、水 64.1g(3.6mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 28gおよび水酸化カリウム 1.17g(20.9mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で8時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 0.48g(8.0mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 244g(収率:98%)を得た。
【0070】
NMR分析の結果、この液体は、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.21(Me
2ViSiO
1/2)
0.02(Ph
2SiO
1/2)
0.30(PhSiO
3/2)
0.47
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は1,103であり、分散度(Mw/Mn)は1.18であった。
【0071】
[比較例1]
反応容器に、フェニルトリメトキシシラン 400g(2.02mol)および1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメチルジシロキサン 93.5g(0.30mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 1.74g(11.6mmol)を投入し、撹拌下、水 110g(6.1mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 89gおよび水酸化カリウム 1.18g(21.1mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で6時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 0.68g(11.4mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 347g(収率:98%)を得た。
【0072】
NMR分析の結果、この液体は、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.23(PhSiO
3/2)
0.77
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は1,617であり、分散度(Mw/Mn)は1.16であった。
【0073】
[比較例2]
反応容器に、フェニルトリメトキシシラン 400g(2.02mmol)および1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン 56.2g(0.30mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 0.35g(2.3mmol)を投入し、撹拌下、水 120g(6.65mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 80gおよび水酸化カリウム 0.61g(10.8mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で6時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 0.61g(10.2mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 310g(収率:98%)を得た。
【0074】
NMR分析の結果、この液体は、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.23(PhSiO
3/2)
0.77
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は1,375であり、分散度(Mw/Mn)は1.17であった。
【0075】
[比較例3]
反応容器に、1−ナフチルトリメトキシシラン 892.8g(3.6mol)および1,3−ジビニル−1,3−ジフェニルジメチルジシロキサン 372.0g(1.2mol)を投入し、予め混合した後、トリフルオロメタンスルホン酸 6.15g(41mmol)を投入し、撹拌下、水 213.84g(11.88mol)を投入し、2時間加熱還流を行った。その後、85℃になるまで加熱常圧留去を行った。次いで、トルエン 435.6g、水酸化カリウム 3.28g(58.6mmol)を投入し、反応温度が120℃になるまで加熱常圧留去を行い、この温度で6時間反応させた。その後、室温まで冷却し、酢酸 3.524g(58.7mmol)を投入し、中和反応を行った。生成した塩を濾別した後、得られた透明な溶液から低沸点物を加熱減圧除去し、無色透明なガム状粘稠液体 957.4g(収率:94.2%)を得た。
【0076】
NMR分析の結果、この液体は、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.40(NaphSiO
3/2)
0.60
で表されるオルガノポリシロキサンであることがわかった。このオルガノポリシロキサンの質量平均分子量(Mw)は1,000であり、分散度(Mw/Mn)は1.02であり、屈折率は1.621であった。
【0077】
[実施例7]
実施例1で調製したオルガノポリシロキサン 78.2質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 21.8質量部(上記オルガノポリシロキサン中のビニル基1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1モルとなる量)、参考例1で調製した接着付与剤 2質量部、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0078】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は114℃であった。また、硬化物の透湿度は8.1g/m
2・24hであった。
【0079】
[実施例8]
実施例2で調製したオルガノポリシロキサン 77.7質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 22.3質量部(上記オルガノポリシロキサン中のビニル基1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1モルとなる量)、参考例1で調製した接着付与剤 2質量部、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度8,000mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0080】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は109℃であった。また、硬化物の透湿度は9.4g/m
2・24hであった。
【0081】
[実施例9]
実施例2で調製したオルガノポリシロキサン 63.7質量部、粘度3,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン 15.2質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 21.1質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1モルとなる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度4,500mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0082】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は107℃であった。また、硬化物の透湿度は11g/m
2・24hであった。
【0083】
[実施例10]
実施例2で調製したオルガノポリシロキサン 64.6質量部、粘度3,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン 15.2質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 18.4質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.5モルとなる量)、平均単位式:
(HMe
2SiO
1/2)
0.60(PhSiO
3/2)
0.40
で表されるオルガノポリシロキサン 1.8質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.5モルとなる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0084】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。また、硬化物の透湿度は10.5g/m
2・24hであった。
【0085】
[実施例11]
実施例3で調製したオルガノポリシロキサン 64.2質量部、粘度3,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン 15.2質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 20.6質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0086】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は111℃であった。また、硬化物の透湿度は13g/m
2・24hであった。
【0087】
[実施例12]
実施例6で調製したオルガノポリシロキサン 80.7質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 19.3質量部(上記オルガノポリシロキサン中のビニル基1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度5,200mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0088】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は114℃であった。また、硬化物の透湿度は7.4g/m
2・24hであった。
【0089】
[比較例4]
比較例1で調製したオルガノポリシロキサン 78.1質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 21.9質量部(上記オルガノポリシロキサン中のビニル基1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、参考例1で調製した接着付与剤 2質量部、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度7,600mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0090】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面にタックがあり、硬化が十分ではなかった。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は122℃であった。また、硬化物の透湿度は6.7g/m
2・24hであった。
【0091】
実施例7,8,12と比較例4を対比することにより、実施例7,8,12の硬化性シリコーン組成物は、比較例4の硬化性シリコーン組成物より、硬化性が良好であることがわかった。
【0092】
[比較例5]
比較例1で調製したオルガノポリシロキサン 63.9質量部、粘度3,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン 15.6質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 20.5質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度5,400mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0093】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面にタックがあり、硬化が十分ではなかった。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は120℃であった。また、硬化物の透湿度は12g/m
2・24hであった。
【0094】
実施例9,10,11と比較例5を対比することにより、実施例9,10,11の硬化性シリコーン組成物は、比較例5の硬化性シリコーン組成物より、硬化性が良好であることがわかった。
【0095】
[比較例6]
比較例2で調製したオルガノポリシロキサン 73.5質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 26.5質量部(上記オルガノポリシロキサン中のビニル基1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度4,000mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0096】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は92.5℃であった。また、硬化物の透湿度は11.4g/m
2・24hであった。
【0097】
実施例7,8,12と比較例6を対比することにより、実施例7,8,12の硬化性シリコーン組成物は、比較例6の硬化性シリコーン組成物より、硬化性が良好であることがわかった。
【0098】
[比較例7]
比較例2で調製したオルガノポリシロキサン 61.8質量部、粘度3,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン 15.2質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 23.0質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度3,000mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0099】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は93℃であった。また、硬化物の透湿度は15g/m
2・24hであった。
【0100】
実施例9,10,11と比較例7を対比することにより、実施例9,10,11の硬化性シリコーン組成物は、比較例7の硬化性シリコーン組成物より、硬化性が良好であることがわかった。
【0101】
[実施例13]
実施例4で調製したオルガノポリシロキサン 60.6質量部、粘度3,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン 14.0質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 25.4質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度4,500mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0102】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は131.2℃であった。また、硬化物の透湿度は3.4g/m
2・24hであった。
【0103】
[実施例14]
実施例5で調製したオルガノポリシロキサン 59.8質量部、粘度3,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン 14.0質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 26.2質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度4,100mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0104】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面のタックが無く、十分に硬化していた。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は128.5℃であった。また、硬化物の透湿度は3.6g/m
2・24hであった。
【0105】
[比較例8]
比較例3で調製したオルガノポリシロキサン 60.7質量部、粘度3,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン 14.0質量部、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン 25.3質量部(上記オルガノポリシロキサン中と上記メチルフェニルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対し、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1となる量)、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン溶液(白金を0.1質量%含有) 0.2質量部を混合して、粘度3,600mPa・sの硬化性シリコーン組成物を調製した。
【0106】
この硬化性シリコーン組成物を150℃、2分間加熱して得られた硬化物は、表面にタックがあり、硬化が十分ではなかった。なお、この硬化性シリコーン組成物のDSCの発熱ピーク温度は133.7℃であった。また、硬化物の透湿度は3.7g/m
2・24hであった。
【0107】
実施例13,14と比較例8を対比することにより、実施例13、14の硬化性シリコーン組成物は、比較例8と同程度の透湿度を有する硬化物を形成することができ、比較例8の硬化性シリコーン組成物より、硬化性が良好であることがわかった。
【0108】
[実施例15]
実施例8で調製した硬化性シリコーン組成物を用いて光半導体装置を作製した。この光半導体装置の信頼性を評価したところ、暴露試験前後での発光効率の変化は観察されなかった。
【0109】
[比較例9]
比較例6で調製した硬化性シリコーン組成物を用いて光半導体装置を作製した。この光半導体装置の信頼性を評価したところ、暴露試験後で発光効率が暴露試験前より約6%低下した。