(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、引用文献1に記載の箱詰め装置は、袋詰めした包装物を対象としているので、落下時の衝撃で袋が破裂し内容物が散乱する可能性がある。
【0004】
本発明の課題は、製品を落下させて積み上げる際に、製品の破裂を未然に防止する箱詰め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る箱詰め装置は、包装用の箱の中に、複数の製品を順に落として積み上げる箱詰め装置であって、シリンダと、可動部と、圧力調整部と、制御部と
、ロック機構とを備えている。シリンダは、箱を流体圧力の増減によって変位させる。可動部は、シリンダに支持されている。圧力調整部は、流体圧力を調整する。制御部は、圧力調整部を制御する。
ロック機構は、箱を拘束する。また、制御部は、製品の落下を待ち受けるときの流体圧力を、製品が落下する前の箱に作用する重量によって可動部が箱に作用する力をシリンダ内の流体に伝達しながら徐々にシリンダ内に沈む程度である待ち受け圧力に設定
する。
さらに、制御部は、製品の落下が開始される直前までロック機構を介して箱を所定高さ位置に拘束し、流体圧力を待ち受け圧力に設定した後、ロック機構を解除する。
【0006】
例えば、製品の落下を待ち受けるときの流体圧力が、製品が落下する前の箱に作用する重量に拮抗するような圧力では、製品落下時に製品および既に積み上がっている製品への衝撃が大きい。
【0007】
しかし、この箱詰め装置では、可動部が徐々にシリンダ内に沈む程度の流体圧力で製品の落下を待ち受けるので、可動部が沈み易く、製品落下時の衝撃を適切に吸収することができる。
【0008】
また、製品が落下した後は、次の製品落下に備えてシリンダの流体圧力を調整する必要があるが、シリンダに箱の全重量が作用した状態では調整ができない。
【0009】
しかし、この箱詰め装置では、箱をロック機構で所定高さ位置に拘束することができるので、次の製品が落下する直前までは箱を所定位置に留めて流体圧力の調整を行うことができる。
【0010】
さらに、例えば、次の製品落下に備えてシリンダの流体圧力を調整する場合、シリンダ内の流体圧力を待ち受け圧力に設定するための時間が確保される必要がある。
【0011】
この箱詰め装置では、流体圧力の設定が行なわれるまでは、箱はロック機構によって所定高さ位置に拘束されるので、適正な圧力設定時間が確保される。
【0012】
本発明の第
2観点に係る箱詰め装置は、第
1観点に係る箱詰め装置であって、ロック機構が、第2のシリンダである。
【0013】
製品が落下した直後の箱は降下しているが、箱は最初の製品を待ち受けた原位置へ復帰する必要がある。なぜなら、箱が原位置へ戻らなければ可動部の衝撃吸収時の降下距離を稼ぐことができないからである。
【0014】
しかし、この箱詰め装置では、第2のシリンダをロック機構として採用しているので、箱支持用のシリンダと並列使用することによって、箱を原位置へ復帰させてその位置で拘束することができる上に、製品が落下する直前に下方へ素早く退避させることもでき、使い勝手がよい。
【0015】
本発明の第
3観点に係る箱詰め装置は、第1観点に係る箱詰め装置であって、衝撃吸収部材をさらに備えている。衝撃吸収部材は、箱の外底面と可動部との間に配置され、その外底面に接触する。
【0016】
シリンダ内の流体は、衝撃を受けた直後に、ある程度のダンパ効果によって反発する。それに対し、この箱詰め装置では、箱の外底面に接触する衝撃吸収部材を備えており、ダンパ効果による製品への衝撃を緩和することができる。
【0017】
本発明の第
4観点に係る箱詰め装置は、第
3観点に係る箱詰め装置であって、退避手段をさらに備えている。退避手段は、衝撃吸収部材を箱の外底面と接触しない位置へ退避させる。
【0018】
通常、2回目以降に落下する製品は、先に詰まれた製品がクッションとなるので、2回目以降に落下する製品には衝撃吸収部材の効果はもたらされず、逆に、衝撃吸収部材が長時間に渡って荷重を受けた状態が継続され、衝撃吸収部材の永久変形を発生させる可能性もある。
【0019】
この箱詰め装置では、退避手段が衝撃吸収部材を箱の外底面と接触しない位置へ退避させることができるので、衝撃吸収部材の永久変形を防止することができる。
【0020】
本発明の第
5観点に係る箱詰め装置は、第
3観点又は第
4観点に係る箱詰め装置であって、衝撃吸収部材がスポンジである。スポンジは成形が容易であるので、低コスト化を図ることができる。
【0021】
本発明の第
6観点に係る箱詰め装置は、第1観点に係る箱詰め装置であって、スプリングをさらに備えている。スプリングは、箱をシリンダとともに支持する。
【0022】
シリンダ内の流体は、衝撃を受けた直後にある程度のダンパ効果によって反発する。それに対して、この箱詰め装置では、箱をシリンダとともに支持するスプリングを備えており、スプリングが衝撃の一部を先に吸収して、流体のダンパ効果による製品への衝撃を緩和することができる。
【0023】
本発明の第
7観点に係る箱詰め装置は、第1観点から第
6観点のいずれか1つに係る箱詰め装置であって、複数の製品が、少なくとも第1の製品および第2の製品を含んでいる。制御部は、圧力調整部を介して、流体圧力を第1の製品が落下するときと第2の製品が落下するときとで異なる値に調整する。
【0024】
通常、製品が積み上がるにしたがって、落下距離が短くなり、さらには先に詰まれた製品群がクッションとなるので、製品が受ける衝撃は落下する順序によって異なる。さらに、製品の落下を待ち受ける可動部が受ける重量も製品の積み上げ量で異なる。
【0025】
この箱詰め装置では、制御部は、圧力調整部を介して、流体圧力を落下する製品の順序に応じて異なる値に調整するので、落下する製品ごとに適切な流体圧力で衝撃を緩和することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る箱詰め装置では、可動部が徐々にシリンダ内に沈む程度の流体圧力で製品の落下を待ち受けるので、可動部が沈み易く、製品落下時の衝撃を適切に吸収することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0029】
(1)箱詰め装置10の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る箱詰め装置10の正面図である。また、
図2は、箱詰め装置10の側面図である。
図1及び
図2において、箱詰め装置10は、ローラーシャッタ21、可動コンベア23、可動プレート25、スプリング27と、持上げシリンダ29、レギュレータ31、保持シリンダ33、衝撃吸収部材35、及び制御部40を備えた構成である。
【0030】
上記の構成によって、製品は、ローラーシャッタ21によって箱Bの上方に搬送され、ローラーシャッタ21が観音開き状に回動することによって製品が箱の底面に向って落下する。製品が箱Bの底面に到達すると同時に、可動コンベア23および可動プレート25が箱Bからの力を受けて下方へ沈み、製品の落下衝撃を吸収する。箱B等が沈むときの力は、持上げシリンダ29内の空気圧力を製品落下前に制御することによって調整される。
【0031】
(2)詳細構成
(2−1)ローラーシャッタ21
図2に示すとおり、ローラーシャッタ21は、製品を箱Bの開口部上方まで搬送する機能と、下方に回動して製品を落下させる機能とを有する。それゆえ、2つのローラー式のコンベア21a,21bを同一水平面上に並べて配置され、各コンベア21a,21bの端部のうち箱Bの開口部から遠い側の端部を中心に回動することができる。
【0032】
したがって、ローラーシャッタ21が水平姿勢のときは閉状態であり、下方に傾斜した姿勢のときが開状態である。なお、開状態のときのローラーシャッタ21の姿勢は、2つの下端の間隔が2つの上端の間隔よりも狭くなるように傾斜する姿勢である。
【0033】
(2−2)可動コンベア23
可動コンベア23は、ローラーシャッタ21の下方に箱Bを搬送する機能と、箱B内に製品が落下したと同時に降下する機能とを有している。可動コンベア23は、箱Bの底面全体を載せることができる程度の大きさのローラー式のコンベアである。具体的には、複数のローラー23aと、各ローラー23aを水平に且つ回転自在に保持する側板23bとを有している。
【0034】
(2−3)可動プレート25
可動プレート25は、可動コンベア23を支える機能と、箱B内に製品が落下したと同時に可動コンベア23と共に降下する機能とを有している。可動プレート25は、可動コンベア23の側板23bの下端を支持することによって、可動コンベア23のローラー23aとの間に鉛直方向の間隔を確保している。
【0035】
(2−4)スプリング27
スプリング27は、圧縮コイルバネである。スプリング27は、可動プレート25の4隅それぞれに配置されており、可動プレート25の降下時の加速を圧縮によって適度に抑制する。なお、このような圧縮コイルバネを支持する構成として、コイル内を貫通する支持棒が設けられるのが一般的であり、図示していないが、本実施形態においても、スプリング27のコイル中心と可動プレート25の各隅を貫通する支持棒(図示せず)が設けられる。したがって、可動プレート25はその支持棒にガイドされて降下し、スプリング27もその支持棒に沿って圧縮される。
【0036】
(2−5)持上げシリンダ29とレギュレータ31
持上げシリンダ29は、ピストン29aを介して可動プレート25の下面を支持しており、可動プレート25の降下時の加速を適度に抑制する機能と、降下した可動プレート25を持上げて箱Bを原位置まで復帰させる機能とを有している。なお、箱Bの原位置とは、製品の落下を待ち受ける位置である。
【0037】
持上げシリンダ29の作動流体は空気であり、空気圧力はレギュレータ31によって調整される。レギュレータ31は、いわゆる電空レギュレータであって、電気信号に比例して空気圧力を無段階に制御することができる。
【0038】
箱が製品の落下を待ち受けているとき、持上げシリンダ29内の空気はピストン29aを介して、箱B等の総合重量を受けているが、そのときの空気の待ち受け圧力は、ピストン29aがそのような重量を空気に伝達して徐々に沈む程度の圧力に調整されている。
【0039】
(2−6)保持シリンダ33
保持シリンダ33は、箱Bを原位置へ復帰させた後の持上げシリンダ29が次の製品落下に備えて待ち受け圧力を調整するまでの間、可動プレート25の原位置に保持する。なお、可動プレート25の原位置とは、箱Bが原位置であるときの可動プレート25の位置である。
【0040】
保持シリンダ33は、持上げシリンダ29の待ちうけ圧力が調整され、製品投入が開始される前に可動プレート25の保持を解除し、可動プレート25の降下を妨げない位置へ退避する。
【0041】
なお、保持シリンダ33は、可動プレート25をその原位置に保持することが主要機能であり、可動プレート25を保持し且つ可動プレート25の降下を妨げない位置へ退避することができるものならば、保持シリンダ33の代用として採用することができる。
【0042】
(2−7)衝撃吸収部材35
衝撃吸収部材35は、スポンジである。もちろん、スポンジに限定されるものではなく、衝撃を吸収できるものであるならばスポンジ以外のものでもよい。衝撃吸収部材35は、可動コンベア23の隣接するローラー23a同士の隙間からローラー23aの上部水平接線より上に突出するように配置されている。
【0043】
但し、衝撃吸収部材35は、常にその位置に留まるものではなく、退避装置によってローラー23a同士の隙間から退避するように降下することができる。なお、衝撃吸収部材35の退避は、エアシリンダのピストンを介して行ってもよいし、モータ駆動であってもよい。つまり、退避装置にはエアシリンダやモータなどが採用される。
【0044】
(2−8)
図3は、箱詰め装置10の制御ブロック図である。
図3において、制御部40は、CPU41とメモリ43とを搭載している。本実施形態では、制御部40は、ローラーシャッタ21(駆動部)、レギュレータ31、及び退避装置37と信号の送受信ができるように接続されている。
【0045】
また、
図1及び
図2には示されていないが、箱詰め装置10には、箱Bが可動コンベア23上に載ったことを検知する箱検知センサ51、製品が箱Bの開口部上に位置したことを検知する製品検知センサ53が適切な位置に設けられており、制御部40はそれらのセンサとも接続されている。
【0046】
(3)箱詰め装置10の動作
(3−1)動作
以下、箱詰め装置10の動作について、
図1及び
図4A〜
図4Fを参照しながら説明する。また、ここでは、宅配用水パック袋P(以下、水パック袋Pという。)をダンボールの箱Bに投入して積み上げる箱詰め装置を前提に、水パック袋Pが投入され落下したときに破裂しない仕組みを中心に説明する。
【0047】
図4Aは最初の水パック袋Pが箱Bに投下されたときの箱詰め装置10の正面図であり、
図4Bは最初の水パック袋Pが投下され、箱Bが降下した状態の箱詰め装置10の正面図である。また、
図4Cは、第2の水パック袋Pが箱Bに投下される直前の箱詰め装置10の正面図であり、
図4Dは第2の水パック袋Pが箱Bに投下されたときの箱詰め装置10の正面図であり、
図4Eは第2の水パック袋Pが投下され、箱Bが降下した状態の箱詰め装置10の正面図である。さらに、
図4Fは、全ての水パック袋Pが箱Bに収納された状態の箱詰め装置の正面図である。
【0048】
先ず、
図1に示すように、最初の水パック袋Pが投入される直前に保持シリンダ33のピストン33aは、下方へ退避する。このとき、可動プレート25を支えるのは持上げシリンダ29のピストン29a及びスプリング27である。
【0049】
保持シリンダ33のピストン33aが退避した後、持上げシリンダ29内の空気圧力はピストン29aが箱B等の総合荷重を受けて徐々に沈み始めるが、このとき、最初の水パック袋Pが投下される。
【0050】
次に、
図4A及び
図4Bに示すように、最初の水パック袋Pは、箱Bの底面に直に衝突し、そのときの衝撃力は下方に伝達される。衝撃力は、最初に衝撃吸収部材35であるスポンジが圧縮されることによってその一部が吸収される。その後、箱B、可動コンベア23及び可動プレート25(以下、箱B等という。)が降下してスプリング27が圧縮されることによって、残りの衝撃力の一部が吸収される。最後に残った衝撃力は持上げシリンダ29のピストン29aを介して空気に伝達される。その結果、最初の水パック袋Pは破裂することなく、箱Bの底面に収納される。
【0051】
その後、持上げシリンダ29のピストン29a及び保持シリンダ33のピストン33aが可動プレート25の底面に接触するまで上昇し、保持シリンダ33のピストン33aは可動プレート25が降下しないように拘束する。
【0052】
そして、
図4Cに示すように、第2の水パック袋Pが投入される直前に保持シリンダ33のピストン33aは、下方へ退避する。このとき、可動プレート25を支えるのは持上げシリンダ29のピストン29a及びスプリング27である。
【0053】
保持シリンダ33のピストン33aが退避した後、持上げシリンダ29内の空気圧力はピストン29aが最初の水パック袋Pを含む箱B等の総合重量を受けて徐々に沈み始めるが、このとき、第2の水パック袋Pが投下される。そして同時に、持上げシリンダ29内の空気圧力が減圧される。
【0054】
図4D及び
図4Eに示すように、第2の水パック袋Pは、最初の水パック袋Pに衝突し、そのときの衝撃力は下方に伝達される。この衝撃力は、最初の水パック袋Pが瞬間的に変形することによって一部が吸収される。なお、本実施形態では、衝撃吸収部材35であるスポンジは最初の水パック袋Pが投下されるときのみ使用され、それ以後は、退避しているので、衝撃吸収部材35による衝撃吸収はない。その後、箱B等が降下してスプリング27が圧縮されることによって、残りの衝撃力の一部が吸収される。最後に残った衝撃力は持上げシリンダ29のピストン29aを介して空気に伝達される。その結果、第2の水パック袋Pは破裂することなく、最初の水パック袋Pの上に積まれる。
【0055】
その後、持上げシリンダ29のピストン29a及び保持シリンダ33のピストン33aが可動プレート25の底面に接触するまで上昇し、保持シリンダ33のピストン33aは可動プレート25が降下しないように拘束する。上記のような、動作が繰り返され、
図4Fに示すように箱B内に水パックPが順次積み上げられていく。
【0056】
(3−2)制御フローから視た動作
この一連の動作を制御フローに沿って説明すると、以下のようになる。なお、
図5A及び
図5Bは、箱詰め装置10の制御フローチャートである。
【0057】
先ず、箱詰め装置10の運転開始前の状態として、「箱B,可動コンベア23、及び可動プレート25は原位置にあり、持上げシリンダ29のピストン29aは可動プレート25の下面に接触し、保持シリンダ33のピストン33aが可動プレート25を拘束している。さらに、衝撃吸収部材35が、可動コンベア23の隣接するローラー23a同士の隙間からローラー23aの上部水平接線より突出している」という状態である。
【0058】
図5Aにおいて、制御部40は、ステップS0において、N=0を設定する。次に、制御部40は、ステップS1において、可動コンベア23上に箱Bが載っているか否かを箱検知センサ51からの信号に基づいて判定する。ここでは、可動コンベア23上に箱Bが載っているとき、箱検知センサ51からHi信号が制御部40に入力される。
【0059】
制御部40は、可動コンベア23上に箱Bが載っていると判断したときは、ステップS2へ進み、可動コンベア23上に箱Bが載っていないと判断したときは、引き続き、箱検知センサ51からの信号を監視する。
【0060】
次に、制御部40は、ステップS2において、水パック袋Pが投下開始位置に到達しているか否かを判定する。ここでは、箱Bに投下される水パック袋Pがローラーシャッタ21上を搬送され、箱Bの開口部上の投下開始位置に到達したとき、製品検知センサ53が水パック袋Pを検知し、Hi信号が制御部40に入力される。
【0061】
制御部40は、水パック袋Pが投下開始位置に到達していると判断したときは、ステップS3へ進み、水パック袋Pが投下開始位置に到達していないと判断したときは、引き続き、製品検知センサ53からの信号を監視する。
【0062】
次に、制御部40は、ステップS3において、X=Nと設定する。次に、制御部40は、ステップS4において、持上げシリンダ29の待ち受け圧力をX+1番目の水パック袋Pの落下衝撃に対応した圧力に調節する。これらの待ち受け圧力は、メモリ43に記憶されている。また、待ち受け圧力の調整はレギュレータ31を介して行われる。ここで、調整後の圧力は、水パック袋Pを含む箱B等の総合重量によってピストン29aが徐々に沈む程度の圧力である。
【0063】
次に、制御部40は、ステップS5において、X=0であるか否かを判定し、X=0であるときはステップS6Aへ進み、X=0でないときはステップS6Bへ進む。制御部40は、ステップS6Aにおいては衝撃吸収部材35をローラー23a同士の隙間から突出させた状態を維持し、ステップS6Bにおいては衝撃吸収部材35を退避させる。
【0064】
次に、制御部40は、ステップS7においてタイマー設定(又は再設定)して計時を開始する。タイマー設定の目的は、持上げシリンダ29内の空気圧力の安定化を図るためである。
【0065】
次に、制御部40は、ステップS8において、計時開始からの経過時間が所定時間に達したか否かを判定し、所定時間に達しているときはステップS9へ進み、所定時間に達していないときは、引き続き、経過時間を監視する。
【0066】
次に、制御部40は、ステップS9において、可動プレート25の拘束を解除する。具体的には、保持シリンダ33のピストン33aを可動プレート25の下方で、且つ、可動プレート25が降下しても干渉しない位置に退避させる。
【0067】
図5Bに示すように、制御部40は、ステップS10において、ローラーシャッタ21を開状態に切り換え、水パック袋Pを投下する。具体的には、ローラーシャッタ21の2つのコンベア21a,21bの姿勢を水平姿勢から所定の傾斜姿勢に変更し、開状態に切り換える。このとき、水パック袋Pは、箱Bの底面に向って落下していく。そして、水パック袋Pの投下と同時に、持上げシリンダ29内の空気圧力が減圧される。
【0068】
なお、水パック袋Pの落下後の衝撃吸収過程は、上段で説明しているので、ここでの説明は省略する。
【0069】
次に、制御部40は、ステップS11において、最初の水パック袋Pの収納が完了したことをカウントする(N=N+1)。
【0070】
次に、制御部40は、ステップS12において、持上げシリンダ29のピストン29a及び保持シリンダ33のピストン33aが可動プレート25の底面に接触するまで上昇させ、保持シリンダ33のピストン33aで可動プレート25が降下しないように拘束する。
【0071】
次に、制御部40、ステップS13において、水パック袋PのNが箱Bの満杯時の個数Mになったか否かを判定し、N=Mのときは制御を終了し、N=MでないときはステップS1に戻り、ステップS1〜ステップS13までのルーチンを繰り返す。
【0072】
(4)特徴
(4−1)
箱詰め装置10では、持上げシリンダ29内の空気の待ち受け圧力は、製品が落下する前のピストン29aが自己に作用する力を持上げシリンダ29内の空気に伝達しながら徐々に沈んでいく程度に設定されている。その結果、ピストン29aが沈み易く、製品落下時の衝撃を適切に吸収することができる。
【0073】
(4−2)
箱詰め装置10では、箱Bを保持シリンダ33のピストン33aによって所定高さ位置に拘束することができるので、次の製品が落下する直前までは箱Bを所定位置に留めて持上げシリンダ29内の空気圧力の調整を行うことができる。また、製品が落下する直前にピストン33aを下方へ素早く退避させることもでき、使い勝手がよい。さらに、持上げシリンダ29内の空気圧力の設定が行なわれるまでは、箱Bは保持シリンダ33によって所定高さ位置に維持されるので、適正な圧力設定時間が確保される。
【0074】
(4−3)
箱詰め装置10では、箱Bの外底面に接触する衝撃吸収部材35としてのスポンジを備えており、安価な方法で製品への衝撃を緩和することができる。
【0075】
(4−4)
箱詰め装置10では、第2の製品投入からは、退避手段37が衝撃吸収部材35を箱Bの外底面と接触しない位置へ退避させるので、衝撃吸収部材35の永久変形を防止することができる。
【0076】
(4−5)
箱詰め装置10では、箱Bを持上げシリンダ29とともに支持するスプリング27を備えており、製品への衝撃を緩和することができる。
【0077】
(4−6)
箱詰め装置10では、制御部40が、レギュレータ31を介して、空気圧力を落下する製品の順序に応じて異なる値に調整するので、落下する製品ごとに適切な空気圧力で衝撃を緩和することができる。