(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084900
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】プレイマット
(51)【国際特許分類】
A47D 13/06 20060101AFI20170213BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20170213BHJP
A63H 13/20 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
A47D13/06
A63H33/00 303A
A63H13/20 Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-124210(P2013-124210)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2015-69(P2015-69A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2015年4月13日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年4月2日株式会社ハピネットにおいて本出願に関連する資料を提示
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】大沢 明日佳
【審査官】
望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0275273(US,A1)
【文献】
米国特許第06357462(US,B1)
【文献】
実開昭62−192790(JP,U)
【文献】
米国特許第04670923(US,A)
【文献】
登録実用新案第3143999(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47D 13/06
A63H 13/20
A63H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有するマット部であり、左右端部に台座連結部が設けられたマット部と、
弾性を有し、前記左右端部の間隔より長い棒状の第1支柱部及び第2支柱部と、
前記第1支柱部及び第2支柱部の端部を固定可能な重りであり、前記左右端部それぞれの台座連結部に着脱可能な第1台座及び第2台座と、
を備え、
前記第1台座及び第2台座が前記台座連結部に装着され、
前記第1台座には、両端それぞれ寄りに第1支柱挿入部及び第2支柱挿入部が設けられ、
前記第2台座には、両端それぞれ寄りに第3支柱挿入部及び第4支柱挿入部が設けられ、
前記第1台座の前記第1支柱挿入部に前記第1支柱部の一方の端部が挿入され、前記第2台座の前記第3支柱挿入部に前記第1支柱部の他方の端部が挿入され、
前記第1台座の前記第2支柱挿入部に前記第2支柱部の一方の端部が挿入され、前記第2台座の前記第4支柱挿入部に前記第2支柱部の他方の端部が挿入され
前記第1支柱部及び第2支柱部が湾曲して前記マット部を跨ぐように当該第1支柱部及び第2支柱部が前記第1台座及び第2台座に固定された組立状態において、前記第1支柱部及び第2支柱部の弾性変形の応力によって前記マット部の左右方向に張力が加えられ、前記マット部が安定して展開した状態になるプレイマット。
【請求項2】
前記第1支柱部及び第2支柱部を交差させることにより前記組立状態となる、
請求項1に記載のプレイマット。
【請求項3】
前記台座連結部は、前記マット部の外側にはみ出す位置に設けられたループ状の帯であり、前記第1台座及び前記第2台座が前記ループ状の帯のループ内に挿入可能である、
請求項1又は2に記載のプレイマット。
【請求項4】
交差した前記第1支柱部及び第2支柱部の頂部に着脱可能な玩具と、
交差した前記第1支柱部及び第2支柱部を前記頂部を挟む位置で結束する結束部と、
を更に備えた請求項1に記載のプレイマット。
【請求項5】
前記玩具は、屈曲ループ部と、前記屈曲ループ部に吊り下げられて自在に移動可能なヘッド部と、前記屈曲ループ部を時計回り又は反時計回りに回転させる回転機構部とを有し、前記屈曲ループ部の前記回転に伴って自重により前記ヘッド部が前記屈曲ループ部を移動し、前記ヘッド部が前記屈曲ループ部の屈曲部位を越える際に反転する寸法形状に当該屈曲部位及び前記ヘッド部が構成された、
請求項4に記載のプレイマット。
【請求項6】
前記マット部は、前記第1支柱部及び第2支柱部に連結するための連結腕部を前後端部の一方端部に有し、
前記連結腕部を前記第1支柱部及び前記第2支柱部に連結することで前記一方端部側が部分的に上方に起き上がって起立面を構成する、
請求項1〜5の何れか一項に記載のプレイマット。
【請求項7】
前記起立面はキック受面として機能し、押圧又は摺動時に音が生じる音発生素材が内包されて構成された、
請求項6に記載のプレイマット。
【請求項8】
前記マット部は、前記一方端部の左右に前記連結腕部を有し、
前記第1台座及び第2台座に固定された前記第1支柱部及び第2支柱部の両端部それぞれ寄りに前記左右の連結腕部が連結されて前記組立状態とされる、
請求項6又は7に記載のプレイマット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児・幼児の育児に用いるプレイマットに関する。
【背景技術】
【0002】
乳児や幼児(以降「乳幼児」と呼ぶ)を寝かせたり遊ばせたりするための育児用用品の1つとして、マットの上方に玩具をぶら下げることのできるアーチ状構造部を設けた商品が知られている。呼び名は「プレイマット」「プレイジム」などと様々であるが、手軽に乳幼児を寝かせ、一人遊びさせることができることで、育児に人気の商品の1つとなっている(例えば、特許文献1)。なお、本願ではこのような商品の呼称として「プレイマット」を用いることとする。すなわち、「プレイジム」などの呼称違いの同商品も本願発明の範囲内である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013−510619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレイマットにおいては、赤ちゃん等の乳幼児が当たっても怪我をしない安全性の観点や、使用しない時の収容性の観点、汚れた時の掃除の利便性の観点から、マットは柔軟性を有する素材が良いとされる。また、玩具等をつり下げるので、マットを広げて組み立てた時に安定した状態になる必要もある。
【0005】
こうした要望に応えるために考案されたのが本発明であり、特に展開時(組立状態)の安定性に優れたプレイマットの実現を目的として考案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプレイマットは、左右端部に台座連結部が設けられたマット部と、弾性を有し、前記左右端部の間隔より長い棒状の支柱部と、
前記支柱部の端部を固定可能であり、前記左右端部それぞれの台座連結部に着脱可能な台座と、を備え、前記台座が前記台座連結部に装着され、前記支柱部が湾曲して前記マット部を跨ぐように当該支柱部の端部が前記台座に固定された組立状態において、前記支柱部の弾性変形の応力によって前記マット部の左右方向に張力が加えられ、前記マット部が安定して展開した状態になるものである。
【0007】
本発明において、前記支柱部を2本備え、2本の前記支柱部を交差させてそれぞれの支柱部の端部を前記台座に固定することで前記組立状態となることが好ましい。
【0008】
本発明において、交差した前記2本の支柱部の頂部に着脱可能な玩具と、交差した前記2本の支柱部を前記頂部を挟む位置で結束する結束部と、を更に備えることが好ましい。
【0009】
本発明において、前記玩具が、屈曲ループ部と、前記屈曲ループ部に吊り下げられて自在に移動可能なヘッド部と、前記屈曲ループ部を時計回り又は反時計回りに回転させる回転機構部とを有し、前記屈曲ループ部の前記回転に伴って自重により前記ヘッド部が前記屈曲ループ部を移動し、前記ヘッド部が前記屈曲ループ部の屈曲部位を越える際に反転する寸法形状に当該屈曲部位及び前記ヘッド部が構成されることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記マット部が、前記支柱部に連結するための連結腕部を前後端部の一方端部に有し、前記連結腕部を前記支柱部に連結することで前記一方端部側が部分的に上方に起き上がって起立面を構成することが好ましい。
【0011】
本発明において、前記起立面はキック受面として機能し、押圧又は摺動時に音が生じる音発生素材が内包されて構成されることが好ましい。
【0012】
本発明において、前記マット部が、前記一方端部の左右に前記連結腕部を有し、前記台座に固定された前記支柱部の両端部それぞれ寄りに前記左右の連結腕部が連結されて前記組立状態とされることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図5】ヘッド部の構成例と、屈曲ループ部を回転させたときのヘッド部の動作例について説明する図。
【
図6】キャラクタ動作部の動作例について説明する図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明を適用したプレイマット2の構成例を示す斜視外観図である。
図2は、プレイマット2の構成例を示す分解図である。
プレイマット2は、分解収納可能な組み立て式の乳幼児向けの育児用品である。プレイマット2は、床に展開するマット部10と、第1支柱部21及び第2支柱部22と、一対の第1台座31及び第2台座32と、第1結束部41及び第2結束部42と、玩具100と、を備える。
【0015】
マット部10は、本体素材が折りたたみ自在なキルティング構造の布製である。ステッチにより区切られた複数の区画のうち、前後方向の後方端部の区画、及び、左右方向の一方端部の区画には、押圧又は摺動時に音が生じる音発生素材16,19が内包されている。音発生素材16,19は、例えば復元性を備えた薄手の合成樹脂体(例えば、細かい折り目が多数つけられたポリエチレンシート)であって、高周波音(例えば、8000Hz帯の音)を主に発するように調整されている。なお、音発生素材16,19が内包されている区画は、開閉自在に構成されていて音発生素材16,19の出し入れが可能に構成すると好適である。また、本実施の形態では、布製のマット部10について説明するが、マット部の素材としては、これに限られることはない。ただし、布やビニル等の柔軟性を有するものが安全性や利便性の観点から好ましい。
【0016】
また、マット部10の左右端部それぞれには、第1台座31又は第2台座32を挿入して連結させる台座連結部18が設けられている。台座連結部18は、ループ状の帯とするのが最も簡単であるが、上下2片の帯の両端を面ファスナー等で連結させてループ構造が作られるとしてもよい。なお、本実施の形態では、台座連結部18は、マット部10の外側にはみ出す位置に設けられている。このようにすることにより、マット部10のプレイ面が台座や支柱部の固定箇所で部分的に遮られることがなく、プレイ面を有効に活用することができる。
【0017】
第1台座31及び第2台座32は、台座連結部18のループ内に挿入可能な重りであって、上面視において略長円形をなしている。そして、第1台座31及び第2台座32の上面には、略長円の両端それぞれ寄りに第1支柱部21又は第2支柱部22の端部を差し込んで固定するための2つの支柱挿入部33が設けられている。
【0018】
第1支柱部21及び第2支柱部22は、弾性を有し、マット部10の左右端部の間隔より長い棒状体である。例えば、第1支柱部21及び第2支柱部22は、弾性を有する心材を発砲樹脂層で覆い、更にその外周を着脱自在な布製のカバーで覆って構成されている。そして、第1支柱部21及び第2支柱部22それぞれの両端部には、樹脂性のキャップ23(
図2)が取り付けられており、このキャップ23を第1台座31や第2台座32の支柱挿入部33に嵌め込むことにより固定される。本実施の形態では、支柱部のカバーが布製である場合について説明するが、これに限られることはない。ただし、布やビニル等の柔軟性を有するものが安全性や利便性の観点から好ましい。
【0019】
組み立てると、第1支柱部21及び第2支柱部22の復元力(応力)によって、第1台座31及び第2台座32は、両端部を互いに離間する方向へ付勢する。よって、マット部10は台座連結部18を介して左右方向に張力が加えられることとなり、マット部10が安定して展開した状態(組立状態)が維持される。
【0020】
また、組み立て状態では、第1支柱部21及び第2支柱部22は、それぞれアーチ型に湾曲されてマット部10の上方で交差する。第1結束部41と第2結束部42は、着脱自在な帯状体であって、交差した第1支柱部21及び第2支柱部22を湾曲した頂部を挟む位置に巻き付けられて両支柱部を結束する。第1結束部41と第2結束部42による支柱部の結束は支柱の剛性を高めることとなり、マット部10が展開された組立状態をより安定化させる。また、第1支柱部21及び第2支柱部22が交差しているため、第1支柱部21及び第2支柱部22の両端部を離間させる付勢力の方向は、対角方向となるため、マット部10の展開状態(組立状態)を安定させる方向となる。
【0021】
また、マット部10は、前後端部の一方端部の左右に、組み立て状態の第1支柱部21に連結させるための布製の第1連結腕部11と、同じく組み立て状態の第2支柱部22に連結させるための第2連結腕部12とを備えている。これら連結腕部を、それぞれ対応する支柱部(組み立て状態)の端部寄りの箇所に連結することでマット部10の一方端部側が部分的に上方に起き上がって起立面14を形成する。これにより、起立面を乳幼児がキックしたりしても組立状態を維持できるだけの強度を持たせることができる。なお、本実施の形態では、連結腕部が布製である場合について説明するが、これに限られることはない。ただし、布やビニル等の柔軟性を有するものが安全性や利便性の観点から好ましい。
【0022】
起立面14は、マット部10に寝かせる乳幼児の向きによって、頭や下半身のずり上がり/ずり下がりを防止する部位として機能し、また
図1のように乳幼児を寝かせるならば、乳幼児の蹴り動作を受けるキック受面として機能する。起立面14の内部には、押圧又は摺動時に音が生じる音発生素材16が内包されており、乳幼児が頭を左右に振ったりキックをすると起立面14から音がして乳幼児の気を惹く。また、
図1とは反対に、頭を起立面14側に向けて乳幼児を寝かせるならば、起立面14によって照明光等が直接目に届かないように陰を作り出すといった作用効果もある。
【0023】
玩具100は、マット部10に寝かされた乳幼児の気を惹き、好奇心を抱かせるための電動玩具である。本実施形態では、組み立て状態の第1支柱部21と第2支柱部22とが交差する頂部で、両支柱部を結束するようにして固定される。
【0024】
図3は、玩具100の縦断面の概略図(
図4のA−A断面)、
図4は部分断面の概略図(
図3のB−B断面)である。
図3,4では制御や電力供給に用いる電線の図示は省略されている。
【0025】
玩具100は、基部102と、回転駆動される屈曲ループ部120と、キャラクタ動作部140と、屈曲ループ部120に吊り下げられてループに沿って自在に移動可能なヘッド部170(
図5等参照)と、を備える。
【0026】
基部102には、当該玩具100の動作を制御する制御基板150と、内蔵バッテリ154とが内蔵されている。
【0027】
制御基板150には、CPU151と、ICメモリ152と、加速度センサ153が搭載されている。CPU151は、ICメモリ152に記憶されているプログラムを実行することで、加速度センサ153により検出された加速度が所定の作動条件を満たすと、屈曲ループ部120やキャラクタ動作部140を駆動させる制御を実行する。つまり、玩具100は、第1支柱部21や第2支柱部22の揺れを検知して作動する。
【0028】
なお、第1支柱部21や第2支柱部22の揺れは、乳幼児が第1支柱部21や第2支柱部22を直接手足で動かす場合はもちろん、乳幼児のキック動作を受けた起立面14の動きが第1連結腕部11や第2連結腕部12を介して第1支柱部21や第2支柱部22に伝わって生じる場合もある。
【0029】
また、基部102の背面(
図3で言うところの左側)には、第1支柱部21と第2支柱部22の交差部分を2本まとめて結束することのできる結束部104を備える。例えば、面ファスナーを備えた帯で構成される。結束部104で第1支柱部21と第2支柱部22の交差部分をまとめて結束する構成とすることにより、本来別々の支柱部を強固に連結できるので、玩具を吊り下げるのに十分な強度を発揮し、安定性を向上させることができる。
【0030】
そして、基部102の正面側には、キャラクタ動作部140を保持する中央支持管106と、ループ駆動部108と、ループ案内部110とが正面方向(
図3で言うところの右側)へ向けて突設されている。
中央支持管106の先端には、キャラクタ動作部140が取り付けられる。
【0031】
ループ駆動部108は、基部102に内蔵されたループ駆動用モータ160の駆動軸の先端が突出し、その先端に屈曲ループ部120の内周に設けられた内歯歯車122と噛み合う駆動ギア108aと、内歯歯車122を案内環として支持して周回方向に案内するガイドローラ108bとを備える。
【0032】
ループ案内部110は、基部102の正面から立設された軸の先端に内歯歯車122を支持・案内するガイドローラ108bを軸回転自在に保持して構成される。
【0033】
ループ駆動部108と2つのループ案内部110とは、中央支持管106を軸にして同円周上120°間隔に配置されており、ループ駆動用モータ160と合わせて、屈曲ループ部120をループ内側から支持し、中央支持管106の軸を回転軸として時計回り又は反時計回りに回転させる回転機構部を構成する。
【0034】
ループ駆動用モータ160は、制御基板150により駆動制御される。例えば、加速度センサ153によって第1作動条件を満たす加速度(例えば、基準値以上の強さで1Hz以上の加速度)が検出された場合に、一定時間時計回りしたら反転してまた一定時間反時計回りするという所定パターンで駆動制御される。
【0035】
図5は、ヘッド部170の構成例と、屈曲ループ部120を回転させたときのヘッド部170の動作例について説明する図である。
ヘッド部170は、屈曲ループ部120に遊嵌するリング172に、吊下げ帯174で、表情が造形されたキャラクタ176を固定している。リング172は、屈曲ループ部120が回転すると自重によりヘッド部170が屈曲ループ部120に沿って移動し、屈曲部位124を越える際に反転する寸法形状に構成されている。吊下げ帯174は、ある程度の幅を有しているので、リング172とキャラクタ176との相対向きは変わらない。
【0036】
屈曲ループ部120が
図5(1)から
図5(2)の状態へ時計回りに回転すると、ヘッド部170は自重によりループに沿って滑落する。
ヘッド部170が屈曲部位124へ近づくにつれてリング172が反転を始める。吊り下げられているキャラクタ176もつられて反転を始める。そして、リング172及びキャラクタ176は、屈曲部位124を越える際に反転を完了して
図5(3)の状態となる。なお、
図5の例は屈曲ループ部120が時計回り回転する場合を示しているが、反時計回りに回転した場合でも同様の現象が起きる。
【0037】
この反転過程は、あたかもキャラクタ176が移動しながら前を向いたり後ろを向いたりする動作として見える。乳幼児には顔表情の出没に強く興味を惹く傾向があることが良く知られている。例えば、乳幼児をあやす「いないいないバァ」がその良い例である。従って、屈曲ループ部120の回転動作は、ヘッド部170の反転移動を伴うので、乳幼児に興味を抱かせ、気を惹いてご機嫌をとる効果を生む。
【0038】
図1及び
図3に示すように、キャラクタ動作部140は、屈曲ループ部120よりも前側に設けられている。キャラクタ動作部140の前面すなわち玩具100の前面には、キャラクタの顔の意匠を有した顔レリーフ142と、揺動することにより顔レリーフ142の更に前方を開放/遮蔽する左右の手腕レリーフ144とを備える(
図6参照)。
【0039】
手腕レリーフ144は、腕と手の意匠を有し、その肘に相当する部分でキャラクタ動作部140に内蔵されたレリーフ駆動モータ146の駆動軸148に連結されている。
【0040】
レリーフ駆動モータ146は、例えばステッピングモータにより実現され、制御基板150により駆動制御される。図では制御信号や電力を供給する電線の図示は省略されているが、それらは基部102から中央支持管106内を通ってキャラクタ動作部140へ導かれる。
【0041】
図6は、キャラクタ動作部140の動作例について説明する図である。
制御基板150は、加速度センサ153により検出された加速度が第2条件を満たす加速度(例えば、基準値以上の強さで1Hz未満の加速度)となったことが検出された場合に、所定時間だけレリーフ駆動モータ146を、
図6(1)のように手腕レリーフ144が顔レリーフ142の前を開放する位置と、
図6(2)のように顔レリーフ142の前を遮って覆う位置とを、繰り返し揺動するように所定時間だけ駆動制御する。換言すれば、「いないいないバァ」をするように手腕レリーフ144の動作を制御する。
【0042】
玩具100にスピーカを設けて、制御基板150が手腕レリーフ144の動作制御とともに、「いないいないバァ!」などの音声を当該スピーカから放音させる制御をするとしてもよい。
【0043】
以上、本実施形態によれば、赤ちゃん(乳幼児)が当たっても怪我をしない安全性と、使用しない時の収容性と、汚れた時の掃除の利便性と、玩具等をつり下げるに適した高い安定性とを備えたプレイマットを実現できる。
【0044】
なお、本発明の形態は、上記実施形態に限られるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0045】
2…プレイマット、10…マット部、11…第1連結腕部、12…第2連結腕部、14…起立面、16…音発生素材、18…台座連結部、19…音発生素材、21…第1支柱部、22…第2支柱部、23…キャップ、31…第1台座、32…第2台座、33…支柱挿入部、41…第1結束部、42…第2結束部、100…玩具、102…基部、104…結束部、106…中央支持管、108…ループ駆動部、108a…駆動ギア、108b…ガイドローラ、110…ループ案内部、110b…ガイドローラ、120…屈曲ループ部、122…内歯歯車、124…屈曲部位、140…キャラクタ動作部、142…顔レリーフ、144…手腕レリーフ、146…レリーフ駆動モータ、148…駆動軸、150…制御基板、151…CPU、152…ICメモリ、153…加速度センサ、154…内蔵バッテリ、160…ループ駆動用モータ、170…ヘッド部、172…リング、174…吊下げ帯、176…キャラクタ