特許第6084910号(P6084910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6084910投票券予約購入端末装置、投票券予約購入システム、及び投票券予約購入方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084910
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】投票券予約購入端末装置、投票券予約購入システム、及び投票券予約購入方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20170213BHJP
【FI】
   G06Q50/34
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-180207(P2013-180207)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2015-49640(P2015-49640A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 準
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−133011(JP,A)
【文献】 特開2002−109119(JP,A)
【文献】 特開2012−203713(JP,A)
【文献】 特開2005−322151(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0163269(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票券の購入予約内容を受け付ける予約手段と、
前記購入予約内容中の組合せ毎に購入を希望するあらかじめ決めた賭け式及び組番の期待オッズの範囲を取得する取得手段と、
前記購入予約内容の内で、前記投票券の発売の締め切り0分前時点における前記賭け式及び組番のオッズである締切オッズが、対応する前記期待オッズの範囲内の投票券を購入する購入手段と、
を備えることを特徴とする投票券予約購入端末装置。
【請求項2】
前記取得手段において取得される前記期待オッズの範囲は、ファンが購入を希望するオッズの最小値以上であり、
前記購入手段は、前記締切オッズが前記最小値以上の場合、対応する前記投票券を購入することを特徴とする請求項1に記載の投票券予約購入端末装置。
【請求項3】
前記購入手段により購入した投票券の内容を、少なくとも含む投票結果を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の投票券予約購入端末装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の投票券予約購入端末装置と、
前記予約手段により受け付けられた前記購入予約内容を集計して、集計時の最新オッズを算出すると共に、前記購入手段により購入された前記投票券の内容を受け付けるネット投票センタシステムと、
が相互に通信可能に接続されたことを特徴とする投票券予約購入システム。
【請求項5】
前記ネット投票センタシステムは、
発売締め切り前の1又は複数のレースの投票券の購入予約内容を受け付け、
レース毎に、対応する投票券の発売締め切り0分前で、前記締切オッズが前記期待オッズの範囲内か否かを判定して、前記範囲内の投票内容の投票券を購入することを特徴とする請求項4に記載の投票券予約購入システム。
【請求項6】
投票券の予約購入を行う投票券予約購入端末装置による投票券予約購入方法であって、
投票券の購入予約内容を受け付ける第1処理と、
前記購入予約内容毎に購入を希望するあらかじめ決めた賭け式及び組番の期待オッズの範囲を取得する第2処理と、
前記投票券の発売の締め切り0分前時点において、前記投票券のオッズが前記期待オッズの範囲内か否かを判定し、前記範囲内の投票券を購入する第3処理と、
を有することを特徴とする投票券予約購入方法。
【請求項7】
前記第3処理において購入された投票券の内容を表示する第4処理を有することを特徴とする請求項6に記載の投票券予約購入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競馬、競輪、ボートレース、オートレース等のトータリゼータシステムに係り、特に、投票券の予約購入に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンサービスの一環として、ネットワークを介して、投票券を購入することが可能な投票券予約システムが運用されている。この投票券予約システムに関連する技術が幾つか提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
【0003】
特許文献1には、加入者会員が各自で定めた投票券購入パターンを予約して自動的に投票できるサービスを提供する会員制の勝馬投票システムが記載されている。又、特許文献2には、処理時間をかけずに投票の締切前の一時点における投票対象のオッズからその投票対象の最終オッズを予測する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−062301号公報
【特許文献2】特開2012−203713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の投票券予約システムでは、ファンは現時点の最新オッズの情報に基づいて、ファンが期待する配当の範囲の組合せを選択して、ファン自身が投票端末装置を操作して所望の投票券を購入している。しかしながら、ファンが期待する配当の組合せの投票券を購入した後に、特に購入時期が早い場合ほど、オッズが変動してファンが期待していた配当の範囲外となることがある。期待していた配当の範囲外の投票券が購入されたことにより、ファンは、期待を裏切られて落胆することとなる。
【0006】
そこで、本発明は、投票券を購入後にオッズが変動して期待する配当と実際の配当の差異によるファンの落胆を解消し、ファンの満足度を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内の第1発明の投票券予約購入端末装置は、投票券の購入予約内容を受け付ける予約手段と、前記購入予約内容中の組合せ毎に購入を希望するあらかじめ決めた賭け式及び組番の期待オッズの範囲を取得する取得手段と、前記購入予約内容の内、前記投票券の購入の締め切り0分前の前記賭け式及び組番のオッズである締切オッズが前記期待オッズの範囲内の組合せの投票券を購入する購入手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明の投票券予約購入システムは、前記投票券予約購入端末装置と、前記予約手段により受け付けられた前記購入予約内容を集計して、集計時の最新オッズを算出すると共に、前記購入手段により購入された前記投票券を受付けるネット投票センタシステムと、が相互に通信可能に接続されたことを特徴とする。
【0009】
第3発明の投票券予約購入方法は、投票券の予約購入を行う投票券予約購入端末装置による投票券予約購入方法であって、投票券の購入予約内容を受け付ける第1処理と、前記購入予約内容中の組合せ毎に購入を希望するあらかじめ決めた賭け式及び組番の期待オッズの範囲を取得する第2処理と、前記投票券の購入の締め切り0分前時点において、前記投票券のオッズ値が前記範囲内か否かを判定し、前記範囲の組合せの投票券を購入する第3処理と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、期待したオッズの範囲の組合せの投票券を購入後のオッズの変動によりオッズが期待したオッズの範囲外となった場合のファンの落胆を解消してファンサービスの向上を図ると共に、主催者側の円滑な運営による売り上げの向上とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の投票券予約購入システムの構成のブロック図
図2】本実施形態の投票券予約購入端末の機能ブロック図
図3】(a)入力画面の表示例、(b)投票結果画面の表示例
図4】本実施形態の仮投票処理のフローチャート
図5】本実施形態の本投票処理のフローチャート
図6】本実施例形態の投票券予約購入システム全体のタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(本実施形態の構成)
図1は、本実施形態の投票券予約購入システムの構成のブロック図である。
【0013】
先ず、図1に基づいて、投票券予約購入システムの構成について説明する。投票券予約購入システムは、1又は複数の投票券予約購入端末装置としてのネット投票端末装置1(=1−1〜1−n)が、ネット投票端末装置1の上位のネット投票センタシステム2と、インターネット等の通信回線3により相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0014】
ネット投票端末装置1は、入力部11と、入力制御部12と、ネット投票端末装置1全体を制御するメイン制御部13と、通信回線3とのインタフェースとしての通信部14と、表示制御部15と、表示手段としてのモニタ部16と、投票データ17と、オッズデータ18と、が内部バスを介して相互に接続されている。
【0015】
入力部11は、購入を希望する投票内容(以下、「購入予約内容」という。)及び購入予約内容ごとに購入を希望する期待オッズの範囲を入力するものである。入力制御部12は、入力された購入予約内容及び期待オッズの範囲を受付けて、購入予約内容及び期待オッズの範囲をメイン制御部13へ出力するものである。入力部11と入力制御部12については、更に後述することとする。
【0016】
ここで、本明細書において頻繁に登場するオッズについて説明しておく。オッズ(Odds)とは、一つのレースに対する全投票総数をN、ある組合せに対する投票数をnとすると、
Odds=N/n
で与えられる数値である。例えば、あるレースに対する全投票総数が10,000であり、ある組合せに対する投票数が1,000であったとすると、この組合せに対するオッズは、Odds=10,000/1,000=10となる。このオッズが高いほど、そのオッズに対応する配当金が多くなる。当たりの場合には、売上金額から主催者の取り分を差し引いた額を、的中した各組合せに対応するオッズで按分して、算出される配当金をファンは受け取ることになる。
【0017】
メイン制御部13は、発売の締め切り0分前時点(以下、「発売締切0分前時点」という。)において、購入予約内容の内で発売締切の対象となる投票内容(以下、「締切対象の投票内容」という。)について、発売締切0分前時点の最新オッズ(以下、「締切オッズ」という。)が、期待オッズの範囲内であるか否かを判定する。そして、メイン制御部13は、締切対象の投票内容の内で、締切オッズが、期待オッズの範囲内である内容については投票し、期待オッズの範囲外である内容については廃棄するものである。
【0018】
通信部14は、購入予約内容を示す投票データをネット投票センタシステム2へ送信すると共に、ネット投票センタシステム2が送信するオッズ情報や発売締切0分前時点を知らせる信号を受信するものである。
【0019】
表示制御部15は、メイン制御部12からの出力信号に基づいて、受付けられた購入予約内容、期待オッズの範囲等を入力するための入力画面を表示する信号を出力すると共に、購入予約内容に対する締切オッズ、期待オッズ及び投票結果等からなる投票結果画面を表示する信号を出力するものである。モニタ部16は、表示制御部15から入力される信号に基づいて入力画面及び投票結果画面を表示するものである。
【0020】
投票データ保存領域17は、メイン制御部13に接続されている。投票データ保存領域17は、入力部11を介して、受付けられた購入予約内容を示す投票データを一時保存し、これらの投票データは、ファンが、各レース後の投票結果の画面表示を確認後、投票データ保存領域17から消去される。
【0021】
オッズデータ保存領域18は、メイン制御部13に接続されている。オッズデータ保存領域18は、ネット投票センタシステム2から通信回線3を介して受信する最新オッズ及び入力部11から入力される期待オッズの範囲をオッズデータとして保存する。ここで、保存領域18に保存されるオッズデータは、購入予約内容ごとに、最新オッズと期待オッズの範囲とを対応付けたデータである。オッズデータ中の最新オッズは、ネット投票センタシステム2からオッズ情報を受信するごとに更新される。
【0022】
メイン制御部13は、投票データ保存領域17及びオッズデータ保存領域18に対し、投票データ及びオッズデータを保存すると共に、所定のタイミングで、投票データ保存領域17及びオッズデータ保存領域18から投票データ及びオッズデータを読み出すことができるように構成されている。
【0023】
ネット投票センタシステム2は、レース開催日の前売発売開始時点、各レースの発売開始時点及び発売締切0分前時点のタイミングをネット投票端末装置1へ報知すると共に、1又は複数のネット投票端末装置1から受信した投票データが示す購入内容を集計し、最新オッズを算出してネット投票端末装置1へ定期的に送信する。更に、ネット投票センタシステム2は、各レース終了後に、賭け式、組番の内容に対応する配当金額を算出して、算出した配当金額などを示す情報を各ネット投票端末装置1へ送信する。各ネット投票端末装置1のモニタ部16は、ネット投票センタシステム2から受信した情報に基づいて配当金額などを表示する。
【0024】
次に、図1図3(a),(b)を参照しつつ、図2に基づいて、本実施形態におけるネット投票端末装置1の主要部の機能構成について説明する。図2は、本実施形態のネット投票端末装置1の機能ブロック図であり、図3(a)は、図2中のモニタ部16における入力画面の表示例であり、図3(b)は、図2中のモニタ部16における投票結果画面の表示例である。
【0025】
図2において、入力部11は、入力画面の表示例として図3(a)に示されているように、場名、レースNO.賭け式、組番、購入金額等の購入予約内容を入力するものであり、例えば、タッチパネル、テンキー等で構成されている。
【0026】
場名とは、レースが行われる場所の名称であり、賭け式とは、投票の仕方である。賭け式の種類としては、例えば、競馬レースの場合、1着になる馬を選ぶ単勝、3着までに入る馬を選ぶ複勝、1着2着の馬を順位まで当てる馬単、1着2着の馬を順不同で当てる馬連、1着2着の馬の枠番を順位まで当てる枠単、1着2着の馬の枠番を順不同で当てる枠連、1着から3着までの馬を2頭選ぶワイド、1着から3着までの馬を順位も全て当てる3連単、1着から3着までの馬を順不同で当てる3連複、などがある。
【0027】
図3(a)に示された入力画面において、場名、レースNO.賭け式、組番を入力すると、入力された場名、レースNO.賭け式、組番に対応する最新オッズが表示されるようになっている。ファンは、この表示された最新オッズを参照して、入力部13から期待オッズの範囲を入力するものである。図3(a)に示された入力画面の表示例では、入力された期待オッズの範囲の最小値が期待オッズ欄に“14.0”として表示される構成となっている。期待オッズの範囲は、14.0以上という範囲の指定に限定されず、例えば、14.0以上20.0未満のように指定しても良い。図3(a)には、現時点での最新オッズ“15.3”が表示されている。
【0028】
入力制御部12は、予約手段12aと取得手段12bとから構成されている。予約手段12aは、入力部11から入力された投票券の購入予約内容を受付けて、購入予約内容を示す投票データをメイン制御部13へ出力するものである。取得手段12bは、入力部11から入力された期待オッズの範囲を入力してオッズデータとしてメイン制御部13へ出力するものである。メイン制御部13は、購入予約内容と対応付けられた期待オッズの範囲をオッズデータ保存部18に格納する。
【0029】
メイン制御部13は、購入手段13aを有している。購入手段13aは、予約手段12aで受付けられた購入予約内容の内の締切対象の投票内容について、締切対象の投票内容ごとに、対応する締切オッズが、取得手段12bにより取得された期待オッズの範囲内か否かを投票内容の各組番の組合せについて判定し、範囲内の購入予約内容については正式に投票し、範囲外の購入予約内容については破棄するものである。購入手段13aは、正式に投票する投票内容を示す投票データをネット投票センタシステム2へ送信する。更に、購入手段13aは、表示制御部15を介してモニタ部16に投票結果を表示させる。モニタ部16における投票結果画面の表示例が図3(b)に示されている。
【0030】
図3(b)に示された投票結果画面の表示例では、賭け式「3連単」の組番(1,2,3)の締切オッズは“15.3”で、期待オッズ“14.0”以上であるので、投票結果は“投票”となっている。又、賭け式「3連単」の組番(1,2,4)の締切オッズは“10.5”で、期待オッズ“11.0”未満であるので、投票結果は“破棄”となっている。このように、組番に対応する締切オッズが期待オッズの範囲か否かにより、仮投票された投票券の購入予約内容の各組番に対し正式に投票するか破棄するかが決定されている。
【0031】
(本実施形態の構成)
先ず、図1図3を参照しつつ、図4に沿ってネット投票端末装置1からの仮投票処理(I)について説明し、次に、図1図3を参照しつつ、図5に沿ってネット投票端末装置1における本投票処理(II)について説明し、最後に、図6に沿って本実施例形態の投票券予約購入システム全体の処理の流れ(III)について説明する。
【0032】
(I)本実施形態の仮投票処理
図4は、本実施形態の仮投票処理を示すフローチャートである。
【0033】
ネット投票端末装置1における仮投票処理が開始されると、ステップS1へ進む。ステップS1において、ネット投票端末装置1は、ネット投票センタシステム2に対し、オッズ情報を要求し、ネット投票センタシステム2から最新オッズを取得し、取得した最新オッズをオッズデータ保存領域18に格納すると、ステップS2へ進む。ステップS2において、ファンにより入力部11から投票券の購入予約を希望する“場名”、“レースNO.”及び“賭け式”が入力されるまで待って(No)、投票券の購入予約の“場名”、“レースNO.”及び“賭け式”が入力されると(Yes)、ステップS3へ進む。即ち、ステップS2において、図3(a)に示されているように、場名“XYZ”、レースNO.“1R”、賭け式“3連単”が入力されると、ステップS3へ進む。
【0034】
ステップS3において、ファンにより入力部11から投票組番の選択及び購入金額の入力が行われると、図3(a)に示されているように、受付られた投票組番(1,2,3)及び購入金額“5,000”円がモニタ部16の入力画面に表示され、ステップS4へ進む。ステップS4において、メイン制御部13は、投票組番に対応する最新オッズをオッズデータ保存領域18から読み出して、モニタ部16の入力画面に設けられた最新オッズ欄に表示させ、ステップS5へ進む。ステップS5において、ファンにより購入を希望する期待オッズの範囲が入力されると、取得手段12bは、期待オッズの範囲を取得し、ステップS6へ進む。図3(a)に示された入力画面の例では、上述したように、期待オッズの範囲の最小値が期待オッズ欄に表示されるように構成されており、最小値として、“14.0”が示されている。
【0035】
ステップS6において、メイン制御部13は、ネット投票センタシステム2に対して、仮投票を実行し、仮投票の処理を終了する。ステップS6における仮投票の実行は、メイン制御部13からネット投票センタシステム2へ、投票予約内容を示す投票データ(例えば、場名“XYZ”、レースNO.“1R”、賭け式“3連単”、組番(1,2,3)、購入金額“5,000”の情報)が送信され、仮投票の処理を終了する。
【0036】
(II)本実施形態の本投票処理
図5は、本実施形態の本投票処理を示すフローチャートである。
【0037】
次に、ネット投票端末装置1における本投票処理が開始されると、ステップS11へ進む。ステップS11において、メイン制御部13は、ネット投票センタシステム2から発売締切時刻0分前の報知信号を受信したかを定期的に判定し、受信していなければ(No)、ステップS12へ進む。ステップS12において、メイン制御部13は、ネット投票センタシステム2から新たなオッズ情報を受信したかを定期的に判定し、受信した場合は(Yes)、ステップS13へ進み、受信しない場合は、ステップS11へ戻る。ステップS13において、メイン制御部13は、オッズデータ保存領域18に保存されているオッズデータを受信した最新オッズに更新し、ステップS11へ戻る。
【0038】
ステップS11において、メイン制御部13が、ネット投票センタシステム2から発売締切時刻0分前の報知信号を受信したと判定すると(Yes)、ステップS14へ進む。ステップS14において、メイン制御部13は、オッズデータ保存領域18に保存されているオッズデータ中の最新オッズを締切オッズとし、ステップS15へ進む。
【0039】
ステップS15において、メイン制御部13の購入手段13aは、締切オッズが対応する期待オッズの範囲の最小値(以下、単に「期待オッズ」という。)以上か否かを判定し、締切オッズが対応する期待オッズ以上の場合は(Yes)、ステップS16へ進み、締切オッズが対応する期待オッズ未満の場合は(No)、ステップS17へ進む。
【0040】
ステップS16において、購入手段13aは、締切オッズが対応する期待オッズ以上である購入予定内容(仮投票の内容)の投票券を正式に投票し、ステップS18へ進む。ステップS17において、締切オッズが対応する期待オッズ未満である購入予定内容(仮投票の内容)を廃棄し、ステップS18へ進む。即ち、締切オッズが対応する期待オッズ未満である購入予定内容(仮投票の内容)については、正式な投票を行わない。
【0041】
ステップS18において、購入手段13aは、ステップS15及びS16における投票結果を、モニタ部16の表示画面上に表示させ、本投票処理を終了する。図3(b)に示された投票結果画面の表示例では、組番(1,2,3)の締切オッズ“15.3”は、期待オッズ“14.0”以上であるので、投票結果“投票”であり、組番(1,2,4)の締切オッズ“10.5”は、期待オッズ“11.0”未満であるので、投票結果“破棄”である。
【0042】
以上、上記(I),(II)の説明では、一つのレースに対する仮投票処理及び本投票処理について説明した。
【0043】
(III)本実施形態の投票券予約購入システム全体の処理
図6は、本実施例形態の投票券予約購入システム全体のタイムチャートである。
【0044】
最後に、図1図3を参照しつつ、図6のタイムチャートに沿って、複数のレースについて投票券を予約購入する場合について、本実施例形態の投票券予約購入システム全体の処理の流れについて説明する。
【0045】
図6には、ネット投票端末装置1及びネット投票センタシステム2の各処理が、左から右に進む時間経過に沿って時系列に示されている。
【0046】
時刻t1において、ネット投票センタシステム2から前売発売開始が報知されると、ネット投票端末装置1では、当日分の第1レースから最終レースまでの仮投票操作が可能になる。時刻t2において、ネット投票センタシステム2から第1レースの発売開始が報知されると、ネット投票端末装置1では、第1レースについての本投票操作が可能になる。
【0047】
時刻t1からネットセンタシステム2から第1レースの発売締切0分前が報知される時刻t3までの期間T1において、ネット投票端末装置1からの第1レースの投票予約及びその修正操作が可能である。図6において、時刻t2〜t3の期間において、上から下へ向かう破線の矢印は、定期的に報知される第1レースの最新オッズの報知信号を示している。
【0048】
時刻t3において、ネット投票センタシステム2から第1レースの発売締切0分前が報知されると、ネット投票端末装置1は、発売締切0分前の報知を受信した時点でオッズデータ保存領域18に保存されている最新オッズを締切オッズとし、この締切オッズが対応する期待オッズの範囲内か否かにより第1レースの購入内容を判定する。図6に示された例では、締切オッズが対応する期待オッズの範囲内であるので、時刻t4において、ネット投票端末装置1からネット投票センタシステム2に対して正式に投票が実施されている。
【0049】
時刻t5に第1レースの発売が締め切られると、ネット投票センタシステム2では、時刻t6にネット投票端末装置1から正式に受付けた投票内容を返信する。ネット投票端末装置1は、モニタ部16の表示画面上に第1レースの投票結果を表示する。
【0050】
その後、第1レースが実施され、時刻t7において、ネット投票センタシステム2における第1レースの結果が確定すると、ネット投票センタシステム2からネット投票端末装置1へ第1レースの結果確定に伴う情報が報知される。ネット投票端末装置1は、モニタ部16の表示画面上に第1レースの配当金等の情報を表示し、第1レースの処理を終了する。以上が第1レースについての投票予約から第1レースの結果確定後、ネット投票端末装置1において、モニタ部16の表示画面上に第1レースの配当金等の情報が表示されるまでの流れである。次に、第2レースについて説明する。
【0051】
時刻t1からネットセンタシステム2から第2レースの発売締切0分前が報知される時刻t9までの期間T2において、ネット投票端末装置1からの第1レースの投票予約及びその修正操作が可能である。
【0052】
時刻t8において、ネット投票センタシステム2から第2レースの発売開始が報知されると、ネット投票端末装置1では、第2レースについての本投票操作が可能になる。図6において、時刻t8〜t9の期間において、上から下へ向かう破線の矢印は、第2レースについて、定期的に報知される最新オッズの報知信号を示している。
【0053】
時刻t9において、ネット投票センタシステム2から第2レースの発売締切0分前が報知されると、ネット投票端末装置1は、時刻t9の時点においてオッズデータ保存領域18に保存されている最新オッズを締切オッズとし、この締切オッズが対応する期待オッズの範囲内か否かを判定する。図6の例では、締切オッズが対応する期待オッズの範囲外である場合を示している。従って、第2レースに関する購入予約内容(仮投票の内容)は破棄される。
【0054】
時刻t10において、ネット投票センタシステム2において、第2レースの発売が締め切られ、時刻t11において、ネット投票端末装置1は、モニタ部16の表示画面上に投票結果欄に“破棄”が表示された第2レースの投票結果を表示し、第2レースの処理を終了する。
【0055】
以上、第1レース及び第2レースについての投票券予約開始から第1レース及び第2レースの投票結果の表示までの流れを説明したが、第3レース〜最終レースまでの流れも同様であるので、第3レース〜最終レースまでの流れについての説明を省略する。
【0056】
なお、上記動作を実行するための動作プログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magnet Optical disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記憶して配布し、これをメイン制御部13などのコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行するように構成しても良い。更に、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等に動作プログラムを記憶しておき、メイン制御部13などのコンピュータにダウンロード等するものとしても良い。
【0057】
又、本発明の実施形態は、競馬のトータリゼータシステムに適用した例に説明したが、本発明は、競馬以外の競輪、ボートレース、オートレース等のトータリゼータシステムにも適用可能である。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成又は実施形態を取ることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 ネット投票端末装置
2 ネット投票センタシステム
3 通信回線
11 入力部
12 入力制御部
12a 予約手段
12b 取得手段
13 メイン制御部
13a 購入手段
15 表示制御部
16 モニタ部
17 投票データ保存領域
18 オッズテータ保存領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6