【実施例】
【0157】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0158】
参考例1(化合物(1)の合成)
【0159】
【化47】
【0160】
アルゴン雰囲気、MS−4A存在下、アセトニトリル中、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムと4−メチルモルホリンN−オキシド、化合物(D)を加えて60℃で攪拌した。1時間後、Celite
TM545でろ過した後、10%塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、トルエンでデカンテーションして化合物(1)を得た。
【0161】
実施例1
S−ラクトイルプテリン(2)の合成
【0162】
【化48】
【0163】
1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシプテリジン−6−イル)−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オン(化合物(1))24.7g(68.2mmol)にメタノール50mL、3mol/L塩酸250mLを加え、50℃で3時間撹拌した。反応液を水酸化ナトリウム水溶液でpH=7とし、結晶ろ取、減圧乾燥し、S−ラクトイルプテリン15.1g(64.2mmol、収率94%)を得た。
(S−ラクトイルプテリン:(2))
1H NMR(DMSO-d
6):δ/ppm=1.32(d,3H,J=6.8Hz),5.16(br,1H),5.32(q,1H,J=6.8Hz),9.09(s,1H)
【0164】
実施例2(1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシプテリジン−6−イル)−2S−ヒドロキシプロパン−1−オンの合成)
【0165】
【化49】
【0166】
1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシプテリジン−6−イル)−2S−t−ブチルジメチルシラノキシプロパン−1−オン(化合物(1))4.0g(9.27mmol)にTHF40mL、70%テトラブチルアンモニウムフロリド6.92g(18.5mmol)を加え、10℃以下で2時間撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を脱水、減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシプテリジン−6−イル)−2S−ヒドロキシプロパン−1−オン2.09g(6.59mmol、収率71%)を得た。
1H NMR(DMSO-d
6):δ/ppm=1.38(d,3H,J=6.6Hz),1.37-1.79(m,8H),1.98-1.99(m,2H),5.20(d,1H,J=6.3Hz),5.34(d.q.,1H,J=6.6Hz),5.29-5.37(m,1H),7.68(br,1H),7.82(br,1H),9.22(s,1H)
【0167】
実施例3
S−ラクトイルプテリン塩酸塩の合成
【0168】
【化50】
【0169】
S−ラクトイルプテリン500mg(2.13mmol)に6mol/L塩酸1.25mL、エタノール10mLを加え、30分間撹拌し、結晶をろ取、減圧乾燥し、S−ラクトイルプテリン塩酸塩465mg(1.71mmol、収率80%)を得た。
(S−ラクトイルプテリン塩酸塩)
1H NMR(DMSO-d
6):δ/ppm=1.34(d,3H,J=6.9Hz),3.91(br,3H),5.34(q,1H,J=6.9Hz),9.12(s,1H)
【0170】
実施例4(2−アミノ−6−(2S−ヒドロキシプロピオニル)−7,8−ジヒドロ−3H−プテリジン−4−オン(S−セピアプテリン)の合成)
【0171】
【化51】
【0172】
S−ラクトイルプテリン500mg(2.13mol)にメタノール125mL、トリエチルアミン2.08mL(14.9mmol)、8.4%Pd/C(Ph
2S)(50%含水)250mgを加え、外温40℃、水素添加反応を3時間行った。反応終了後、反応液を室温下、空気中で1時間攪拌後、反応液から触媒をろ別、減圧濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで分離精製しS−セピアプテリン296mg(1.25mmol、収率59%)を得た。
(S−セピアプテリン:(3))
1H NMR(DMSO-d
6):δ/ppm=1.21(d,3H,J=6.6Hz),4.11(s,2H),4.89(d,1H,J=6.6Hz),5,10(quin.,1H,J=6.6Hz),6.81(br-s,2H),7.51(s,1H),10.26(s,1H)
【0173】
実施例5
S−ラクトイルプテリン20mg(0.085mmol)に飽和重曹水2mL、亜ジチオン酸ナトリウム76mg(0.44mmol)を加え、室温下で2時間撹拌したところ、S−セピアプテリンを混合物として与えた。
【0174】
実施例6
S−ラクトイルプテリン20mg(0.085mmol)より飽和重曹水をホウ酸ナトリウム水溶液に変えた以外は実施例5と同様の方法で反応を行い、S−セピアプテリンを混合物として与えた。
【0175】
実施例7
S−セピアプテリン塩酸塩の合成
【0176】
【化52】
【0177】
S−セピアプテリン620mg(2.61mmol)に6mol/L塩酸2.5mL、エタノール5.0mLを加え、0℃で30分間撹拌した。結晶ろ取、減圧乾燥し、S−セピアプテリン塩酸塩650mg(2.38mmol,収率91%)を得た。
(S−セピアプテリン塩酸塩)
1H NMR(DMSO-d
6):δ/ppm=1.22(d,3H,J=6.9Hz),4.14(s,2H),4.89(d,1H,J=6.6Hz),5.11(q,1H,J=6.9Hz),7.40(br-s,4H),7.80(br-s,1H)
【0178】
実施例8(2−アミノ−6−(2S−ヒドロキシプロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3H−プテリジン−4−オン(S−テトラヒドロラクトイルプテリン)二塩酸塩の合成)
【0179】
【化53】
【0180】
S−ラクトイルプテリン1.00g(4.25mmol)にメタノール50mL、6mol/L塩酸5mL、ボランピリジン錯体593mg(6.38mmol)を加え、外温0℃で1時間撹拌した。反応終了後、アセトン5mLを加え、減圧濃縮、エタノールで共沸脱水後、エタノールを加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩(4a)と(4b)の混合物1.12g(3.59mmol、収率85%)を得た。
(6S−S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩:(4a))
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 1.24 (d, 3H, J=6.9Hz), 3.45 (dd, 1H, J=7.2, 13.5Hz), 3.87 (dd, 1H, J=3.3, 13.5Hz), 4.34 (q, 1H, J=6.9Hz), 4.53 (dd, 1H, J=3.3, 7.2Hz), 7.03 (br-s, 4H), 7.67 (br-s, 1H)
(6R−S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩:(4b))
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 1.24 (d, 3H, J=6.9Hz), 3.45 (dd, 1H, J=6.9, 13.5Hz), 3.91 (dd, 1H, J=3.3, 13.5Hz), 4.31 (q, 1H, J=6.6Hz), 4.55 (dd, 1H, J=3.3, 6.9Hz), 7.12 (br-s, 3H), 7.71 (br-s, 2H)
【0181】
実施例9
S−ラクトイルプテリン3.00g(12.8mmol)にメタノール150mL、6mol/L塩酸15mL、ボランピリジン錯体1.78g(19.1mmol)を加え、外温0℃で1時間撹拌した。反応終了後、濃塩酸45mLを加え、同温度で一晩撹拌し、結晶ろ取、減圧乾燥し、6S−S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩(4a)1.63g(5.2mmol、収率41%)を得た。また、ろ液を減圧濃縮、エタノールで共沸脱水後、エタノールを加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、6R−S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩(4b)1.38g(4.4mmol、収率35%)を得た。得られた化合物は実施例8に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0182】
実施例10
S−ラクトイルプテリン100mg(0.43mmol)にメタノール5mL、6mol/L塩酸0.5mL、ボランピリジン錯体59mg(0.64mmol)を加え、外温0℃で一晩撹拌した。析出した結晶をろ取、減圧乾燥し、6S−S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩(4a)46mg(0.15mmol、収率35%)を得た。得られた化合物は実施例8に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0183】
実施例11
S−ラクトイルプテリン200mg(0.85mol)にメタノール50mL、ジエチルアミン0.62mL(5.95mmol)、8.4%Pd/C(Ph
2S)(50%含水)100mgを加え、外温40℃、水素添加反応を2.5時間行った。反応終了後、濃塩酸を加え、触媒をろ別、減圧濃縮し、エタノールで共沸脱水後、エタノールを加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩(4a)と(4b)の混合物122mg(0.39mmol、収率46%)を得た。得られた化合物は実施例8に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0184】
実施例12(2−アミノ−6−(2S−ヒドロキシプロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3H−プテリジン−4−オン(S−テトラヒドロラクトイルプテリン)二トルエンスルホン酸塩の合成)
【0185】
【化54】
【0186】
S−ラクトイルプテリン100mg(0.43mmol)にメタノール5mL、水0.5mL、p−トルエンスルホン酸一水和物566mg(2.98mmol)、ボランピリジン錯体59mg(0.64mmol)を加え、外温0℃で1時間撹拌した。反応終了後、アセトン0.5mLを加え、減圧濃縮、エタノールで共沸脱水後、アセトンを加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、S−テトラヒドロラクトイルプテリン二トルエンスルホン酸塩158mg(0.27mmol、収率63%)を得た。
(S−テトラヒドロラクトイルプテリン二トルエンスルホン酸塩)
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 1.25 (d, 3H, J=7.2Hz), 2.29 (S, 6H), 3.35 (dd, 1H, J=7.5, 13.5Hz), 3.84 (dd, 1H, J=3.0, 13.5Hz), 4.35 (q, 1H, J=6.9Hz), 4.49 (dd, 1H, J=3.0, 7.5Hz), 6.72 (br-s, 2H), 7.13 (d, 4H, J=8.1Hz), 7.49 (d, 4H, J=8.1Hz), 7.62 (br-s, 1H), 10.66 (br-s, 1H)
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 1.25 (d, 3H, J=7.2Hz), 2.29 (S, 6H), 3.33 (dd, 1H, J=7.5, 13.5Hz), 3.84 (dd, 1H, J=3.0, 13.5Hz), 4.32 (q, 1H, J=6.9Hz), 4.49 (dd, 1H, J=3.0, 7.5Hz), 6.72 (br-s, 2H), 7.13 (d, 4H, J=8.1Hz), 7.49 (d, 4H, J=8.1Hz), 7.62 (br-s, 1H), 10.66 (br-s, 1H)
【0187】
実施例13(2−アミノ−6−(2S−ヒドロキシプロピオニル)−7,8−ジヒドロ−3H−プテリジン−4−オン(S−セピアプテリン)の合成)
【0188】
【化55】
【0189】
S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩1.00g(3.20mmol)に水6mL、エタノール6mLを加え、外温−10℃で30%過酸化水素水363mg(3.20mmol)を加え、同温度で2時間攪拌した。反応液に亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、S−セピアプテリン676mg(2.85mmol、収率89%)を得た。得られた化合物は実施例4に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0190】
実施例14
S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩100mg(0.32mmol)から30%過酸化水素を36%過酢酸68mg(0.32mmol)とした以外は実施例13と同様の方法によりS−セピアプテリン46mg(0.19mmol、収率61%)を得た。得られた化合物は実施例4に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0191】
実施例15
S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩100mg(0.32mmol)から30%過酸化水素をm−CPBA 85mg(含量65%,0.32mmol)とした以外は実施例13と同様の方法によりS−セピアプテリン35mg(0.15mmol、収率46%)を得た。得られた化合物は実施例4に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0192】
実施例16
S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩200mg(0.64mmol)にメタノール20mL、トリエチルアミン0.89mL(6.40mmol)を加え、室温下、空気中で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、水を加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、S−セピアプテリン105mg(0.44mmol、収率69%)を得た。得られた化合物は実施例4に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0193】
実施例17
S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩200mg(0.64mmol)にメタノール20mLを加え、8mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.16mL(1.28mmol)で中和し、室温下、空気中で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、水を加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、S−セピアプテリン87mg(0.37mmol、収率58%)を得た。得られた化合物は実施例4に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0194】
実施例18(1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オンの合成)
【0195】
【化56】
【0196】
1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシプテリジン−6−イル)−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オン1.00g(2.77mmol)に酢酸エチル60mL、10%Pd−C 500mg、炭酸カリウム3.82g(27.6mmol)を加え、外温50℃、水素添加反応を3時間行った。触媒をろ別後、反応液を減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで分離精製し、1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オン257mg(0.71mmol、収率26%)を得た。
1H NMR (CDCl
3): δ/ppm = 1.33-1.47 (m, 3H), 1.44 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.54-1.63 (m, 3H), 1.79 (m, 2H), 1.91 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 4.36 (d, 1H, J=15.6), 4.43 (d, 1H, J=15.6), 4.71 (d, 1H, J=6.6Hz), 4.74 (d, 1H, J=6.6Hz), 4.90 (br-s, 2H), 5.00 (br-s, 1H), 5.05-5.11 (m, 1H), 5.34 (q, 1H, J=6.9Hz)
【0197】
実施例19(1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)−2S−メトキシエトキシメトキシプロパン−1−オンの合成)
【0198】
【化57】
【0199】
アスコルビン酸100mg(0.56mmol)を量りとり、水2mLを加えた。溶液のpHを1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いて中性にした後、メタノール2mLに溶かした1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシプテリジン−6−イル)−2S−メトキシエトキシメトキシプロパン−1−オン20mg(0.054mmol)を加えた。これにNa
2S
2O
480mg(0.46mmol)を加え1時間室温で撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を脱水後、減圧下溶媒を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)−2S−メトキシエトキシメトキシプロパン−1−オン4.4mg(0.011mmol、収率20%)を得た。
1H NMR (CDCl
3): δ/ppm = 1.13 (m, 1H), 1.44 (d, 3H, J = 6.8 Hz),1.63 (m, 1H), 1.80 (m, 2H), 1.93 (m, 2H), 2.06 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.52 (m, 2H), 3.70 (t, J = 4.6 Hz, 2H), 4.40 (m, 2H), 4.81 (m, 2H), 5.11 (t.t, J = 3.9, 8.5 Hz, 1H), 5.35 (q, J = 6.8 Hz, 1H)
【0200】
実施例20
S−セピアプテリン(3)の合成
【0201】
【化58】
【0202】
1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オン(化合物(5−2))10mgに濃塩酸0.1mLを加え、加温した。反応液を水で希釈し、水酸化ナトリウム水溶液でpH6〜7へ中和し、析出した結晶をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、S−セピアプテリンを混合物として得た。得られた化合物は実施例4に記載のスペクトルデータと一致した。
【0203】
実施例21
S−セピアプテリン(3)の合成
【0204】
【化59】
【0205】
メタノール2mL中に1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル)−2S−メトキシエトキシメトキシプロパン−1−オン4.0mg(9.8μmol)、アスコルビン酸3.0mgを入れ、この中に3mol/L塩酸2mLを加え、50℃で遮光しながら6時間撹拌した。28%アンモニア水でpH7とし、酢酸エチルで洗浄した後、フロリジルカラムクロマトグラフィーで精製し、S−セピアプテリン2.0mg(8.4μmol、収率86%)を得た。これをHPLC測定したところ、保持時間及びそのピークのUV波形は標品のS−セピアプテリンと一致した。
【0206】
実施例22(2−アミノ−6−[2S−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−プロピオニル]−3H−プテリジン−4−オン(6)の合成)
【0207】
【化60】
【0208】
S−ラクトイルプテリン3.00g(12.8mmol)にDMF 30mL、イミダゾール2.61g(38.3mmol)、TBSCl 3.84g(25.5mmol)を加え、氷冷下1時間撹拌した。反応液に水を加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、2−アミノ−6−[2S−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−プロピオニル]−3H−プテリジン−4−オン(6)3.91g(11.2mmol、収率88%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 0.01 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.83 (s, 9H), 1.36 (d, 3H, J=6.9Hz), 5.55 (q, 1H, J=6.9Hz), 9.10 (s, 1H), 11.73 (br-s, 1H)
【0209】
実施例23(2−アミノ−6−[2S−(トリイソプロピルシラニル)−プロピオニル]−3H−プテリジン−4−オン(6)の合成)
【0210】
【化61】
【0211】
S−ラクトイルプテリン300mg(1.28mmol)からTBSClをTIPSClに変えたこと以外は実施例22と同様の方法により2−アミノ−6−[2S−(トリイソプロピルシラニル)−プロピオニル]−3H−プテリジン−4−オン(6)339mg(0.87mmol、収率68%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 0.89-1.15 (m, 21H), 1.40 (d, 3H, J=6.9Hz), 5.71 (q, 1H, J=6.9Hz), 9.13 (s, 1H), 11.74 (br-s, 1H)
【0212】
実施例24(2−アミノ−6−[2S−(tert−ブチルジフェニルシラニル)−プロピオニル]−3H−プテリジン−4−オン(6)の合成)
【0213】
【化62】
【0214】
S−ラクトイルプテリン300mg(1.28mmol)からTBSClをTBDPSClに変えたこと以外は実施例22と同様の方法により2−アミノ−6−[2S−(トリイソプロピルシラニル)−プロピオニル]−3H−プテリジン−4−オン(6)498mg(1.05mmol、収率82%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 1.03 (s, 9H), 1.38 (d, 3H, J=6.9Hz), 5.71 (q, 1H, J=6.9Hz), 7.23-7.33 (m, 3H), 7.37-7.45 (m, 3H), 7.50-7.59 (m, 2H), 7.61-7.71 (m, 2H), 8.96 (s, 1H), 11.67 (br-s, 1H)
【0215】
実施例25(1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン(7)の合成)
【0216】
【化63】
【0217】
2−アミノ−6−[2S−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−プロピオニル]−3H−プテリジン−4−オン1.50g(4.29mmol)に酢酸エチル75mL、二炭酸ジ−tert−ブチル4.68g(21.4mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン52mg(0.43mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液を水洗し、有機層を脱水、減圧濃縮し、2−(N,N−ジ−tert−ブチルカルボニル)−アミノ−6−[2S−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−プロピオニル]−3H−プテリジン−4−オン(7)2.18g(3.35mmol、収率78%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 0.01 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.75 (s, 9H), 1.40 (d, 3H, J=6.6Hz), 1.48 (s, 18H), 1.71 (s, 9H), 5.59 (q, 1H, J=6.6Hz), 9.53 (s, 1H)
【0218】
実施例26(1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブトキシカルボニルオキシプロパン−1−オン(7)の合成)
【0219】
【化64】
【0220】
S−ラクトイルプテリン1.00g(4.25mmol)にTHF 50mL、二炭酸ジ−tert−ブチル4.64g(21.3mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン30mg(0.25mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで分離精製し、1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブトキシカルボニルオキシプロパン−1−オン(7)0.30g(0.47mmol、収率11%)を得た。
1H NMR (CDCl
3): δ/ppm = 1.26 (s, 9H), 1.27 (d, 3H, J=7.2Hz), 1.45 (s, 18H), 1.71 (s, 9H), 6.11 (q, 1H, J=7.2Hz), 6.73 (s, 1H)
【0221】
実施例27(1−[4−シクロヘキシルオキシ−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オンの合成)
【0222】
【化65】
【0223】
1−(2−アミノ−4−シクロヘキシルオキシプテリジン−6−イル)−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オン1.00g(2.76mmol)にTHF 20mL、二炭酸ジ−tert−ブチル1.27g(5.82mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン3.4mg(0.03mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、1−[4−シクロヘキシルオキシ−2−(N,N−ジ−tert−ブチルカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オン(7)1.55g(2.76mmol、収率100%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 1.45-1.88 (m, 8H), 1.53 (s, 18H), 1.58 (d, 3H, J=6.9Hz), 2.10-2.14 (m, 2H), 3.38 (s, 3H), 4.78 (d, 1H, J=6.9Hz), 4.84 (d, 1H, J=6.9Hz), 5.36-5.45 (m, 1H), 5.55 (q, 1H, J=6.9Hz), 9.65 (s, 1H)
【0224】
実施例28(1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オンの合成)
【0225】
【化66】
【0226】
1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン1.31g(2.02mmol)に酢酸エチル130mL、10%Pd−C 655mg、炭酸カリウム2.78g(20.1mmol)を加え、外温50℃、常圧下(H
2バルーン)、水素添加反応を1時間行った。触媒をろ別後、反応液を室温下、空気中で一晩撹拌し、反応液を減圧濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで分離精製し、1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン684mg(1.05mmol、収率66%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 0.01 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.82 (s, 9H), 1.24 (d, 3H, J=6.6Hz), 1.42 (s, 18H), 1.53 (s, 9H), 4.23 (d, 1H, J=16.5Hz), 4.32 (d, 1H, J=16.5Hz), 5.39 (q, 1H, J=6.6Hz), 7.92 (s, 1H)
【0227】
実施例29(2−アミノ−6S−(2S−ヒドロキシプロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3H−プテリジン−4−オン(6S−S−テトラヒドロラクトイルプテリン)二塩酸塩の合成)
【0228】
【化67】
【0229】
1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン4.92g(7.57mmol)に酢酸エチル250mL、10%Pd−C 2.46g、K
2CO
3 10.5g(76.0mmol)を加え、外温50℃、常圧下(H
2バルーン)、水素添加反応を1時間行った。触媒をろ別後、反応液を減圧濃縮し、濃塩酸49mLを加え、減圧濃縮した。濃縮物にエタノールを加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、6S−S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩(4a)1.79g(5.73mmol、収率76%)を得た。得られた化合物は実施例8に記載のスペクトルデータと一致した。
【0230】
実施例30
1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン500mg(0.77mmol)から10%Pd/Cの量を100mgとした以外は実施例29と同様の方法により6S−S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩(4a)164mg(0.53mmol、収率68%)を得た。得られた化合物は実施例8に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0231】
実施例31(1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オンの合成)
【0232】
【化68】
【0233】
1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン100mg(0.15mmol)に酢酸エチル10mL、10%Pd−C 20mg、トリエチルアミン156mg(1.54mmol)を加え、外温50℃、常圧下(H2バルーン)、水素添加反応を1時間行った。触媒をろ別後、反応液を減圧濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで分離精製し、1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジン−6S−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン(8a)30mg(0.045mmol、収率30%)及び1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジン−6R−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン(8b)30mg(0.045mmol、収率30%)を得た。
(8a)
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 0.08 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 1.21 (d, 3H, J=6.6Hz), 1.37 (s, 18H), 1.49 (s, 9H), 3.56-3.67 (m, 2H), 4.39 (m, 1H), 4.42 (q, 1H, J=6.6Hz), 4.79 (s, 1H), 7.00 (s, 1H)
(8b)
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 0.08 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 1.23 (d, 3H, J=6.6Hz), 1.37 (s, 18H), 1.49 (s, 9H), 3.40-3.53 (m, 2H), 4.35 (m, 1H), 4.44 (q, 1H, J=6.6Hz), 4.93 (s, 1H), 7.09 (s, 1H)
【0234】
実施例32(1−[4−シクロヘキシルオキシ−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジン−6−イル]−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オンの合成)
【0235】
【化69】
【0236】
1−[4−シクロヘキシルオキシ−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノプテリジン−6−イル]−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オン200mg(0.36mmol)より実施例29と同様の方法により1−[4−シクロヘキシルオキシ−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジン−6−イル]−2S−メトキシメトキシプロパン−1−オン76mg(0.13mmol,収率=38%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 1.21 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.32-1.37 (m, 3H), 1.38 (s, 18H), 1.43-1.51 (m, 3H), 1.73 (m, 2H), 1.89-1.91 (m, 2H), 3.27 (s, 3H), 3.51-3.56 (m, 2H), 4.33-4.35 (m, 1H), 4.41 (q, 1H, J=6.9Hz), 4.59 (d, 1H, J=6.9Hz), 4.67 (d, 1H, J=6.9Hz), 4.86-4.89 (m, 1H), 4.95 (d, 1H, J=2.7Hz), 7.08 (s, 1H)
1H NMR (DMSO-d
6): δ/ppm = 1.24 (d, 3H, J=6.9Hz), 1.32-1.37 (m, 3H), 1.38 (s, 18H), 1.43-1.51 (m, 3H), 1.73 (m, 2H), 1.89-1.91 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 3.51-3.56 (m, 2H), 4.33-4.35 (m, 1H), 4.39 (q, 1H, J=6.9Hz), 4.59 (d, 1H, J=6.9Hz), 4.67 (d, 1H, J=6.9Hz), 4.86-4.89 (m, 1H), 5.01 (d, 1H, J=2.4Hz), 7.08 (s, 1H)
【0237】
実施例33(2−アミノ−6−(2S−ヒドロキシプロピオニル)−7,8−ジヒドロ−3H−プテリジン−4−オン(S−セピアプテリン)の合成)
【0238】
【化70】
【0239】
1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−7,8−ジヒドロプテリジン−6−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン300mg(0.46mmol)にアセトニトリル3mL、2mol/L塩酸6mLを加え、外温40℃で3時間撹拌した。反応液を水酸化ナトリウム水溶液でpH=7とし、結晶ろ取、減圧乾燥し、S−セピアプテリン96mg(0.40mmol、収率88%)を得た。得られた化合物は実施例4に記載のスペクトルデータと一致することを確認した。
【0240】
実施例34(2−アミノ−6R−(2S−ヒドロキシプロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3H−プテリジン−4−オン(6R−S−テトラヒドロラクトイルプテリン)二塩酸塩の合成)
【0241】
【化71】
【0242】
1−[4−tert−ブトキシカルボニル−2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジン−6R−イル]−2S−tert−ブチルジメチルシラニルオキシプロパン−1−オン(8b)393mg(0.60mmol)に濃塩酸10mLを加え、減圧濃縮した。濃縮物にエタノールを加え、結晶ろ取、減圧乾燥し、6R−S−テトラヒドロラクトイルプテリン二塩酸塩(4b)106mg(0.34mmol、収率56%)を得た。得られた化合物は実施例8に記載のスペクトルデータと一致した。