特許第6084969号(P6084969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084969
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】物品を計測するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/02 20060101AFI20170213BHJP
   A43D 1/02 20060101ALI20170213BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20170213BHJP
   G01B 3/10 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   G01B5/02 101
   A43D1/02
   A61B5/10 300B
   G01B3/10 Z
【請求項の数】14
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-519624(P2014-519624)
(86)(22)【出願日】2012年7月9日
(65)【公表番号】特表2014-527159(P2014-527159A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】GB2012051615
(87)【国際公開番号】WO2013007997
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2015年6月29日
(31)【優先権主張番号】1111997.1
(32)【優先日】2011年7月13日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500539918
【氏名又は名称】シー アンド ジエイ クラーク インターナシヨナル リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タウンズ、クリス
(72)【発明者】
【氏名】リケット、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】イネス、ダン
(72)【発明者】
【氏名】キナリー、ヤーン
【審査官】 梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−005371(JP,A)
【文献】 特開2011−030931(JP,A)
【文献】 特開平08−122049(JP,A)
【文献】 特開2009−006047(JP,A)
【文献】 特開2011−133263(JP,A)
【文献】 特開平06−281404(JP,A)
【文献】 特開2009−066220(JP,A)
【文献】 特開昭61−191306(JP,A)
【文献】 米国特許第05174030(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/00 − 5/30
G01B 21/00 − 21/32
A43B 1/00 − 23/30
A43C 1/00 − 19/00
A43D 1/00 − 999/00
A61B 5/06 − 5/22
B29D 35/00 − 35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を計測するための装置であって、1対のアームと、柔軟な細長い計測要素とを有する装置において、
前記1対のアームはピボットを中心にして互いに対して可動であり、また各アームが、前記ピボットから離れた端部を有しており、
前記計測要素は前記アームの前記端部に関連付けられており、したがって前記計測要素は、一方のアームの前記端部に関して固定された一方の末端を有し、且つ前記物品に当てられたときに他方のアームの前記端部に設けられたガイドに対して移動することができ、また前記計測要素の他方の末端が、前記計測要素の弛みを取り除くように付勢された、前記ピボットと同軸のリールに固着されている
物品を計測するための装置。
【請求項2】
前記アームの他方の端部がそれぞれ、それぞれの協働ハウジング部品に取り付けられており、前記ハウジング部品は、互いに対して回転可能であり、且つ前記ピボットを包含しており、前記リールは両方のハウジング部品に対して回転自在である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記他方のアームは、前記計測要素が中を移動可能な内部通路を有し、前記内部通路は、前記ピボットから離れた前記他方のアームの自由端部において開口して前記ガイドを構成し、且つ前記他方のアームの前記ピボット側端部で前記リールに通じている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記2つのアームは概ねL字形であり、且つ反対方向を向いており、また前記ピボットから離れた前記2つの端部が互いに当接してい、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ピボットから離れた各アームの前記端部が、内方に向かって先細になっている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記計測要素がテープの形態である、請求項1から5までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
付勢手段が前記2つのアームの前記端部を互いに対して付勢する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記2つのアームのための前記付勢手段が前記リールも付勢する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記付勢手段又は各付勢手段が時計ばねを含む、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記リールは、計測が行われるときに前記計測要素をロックするための保持機構を含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記リールは、前記2つのアームの前記端部が離されて前記物品が計測されているときに前記ガイドに対して繰り出された計測要素の長さを計測するためのデジタル計測デバイスを包含し、前記デジタル計測デバイスは、前記繰り出された計測要素の長さを示すための表示部を有している、請求項1から10までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記デジタル計測デバイスが、前記アームの前記自由端部間の直線距離を算出するために前記アームの角変位も計測し、この直線距離は、前記表示部上に表示可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記デジタル計測デバイスは、前記繰り出された計測要素の長さに前記直線距離を足して合計周囲長計測値を提供すること、及びこれを前記表示部上に示すことが可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
物品を計測するための方法であって、
ピボットを中心に計測装置の1対のアームを互いに対して移動させるステップであって、各アームは前記ピボットから離れた端部を有し、柔軟な細長い計測要素が前記アームの前記端部に関連付けられ、それにより前記計測要素は、一方のアームの前記端部に関して固定された一方の末端、及び前記ピボットと同軸のリールに固着された他方の末端を有し、また前記計測要素は、他方のアームの前記端部に対して移動することができ、且つ前記計測要素の弛みを取り除くように付勢されている、ステップと、
前記計測要素を前記物品に当てるステップと、
前記リールから繰り出された前記計測要素の長さ及び/または前記アームの相対角変位に基づいて前記物品の少なくとも1つの計測値を決定するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を計測するための装置に関し、詳細には、限定されるものではないが、物品の周囲長又は部分周囲長を計測するための装置に関する。本装置は、履物の正確なフィッティングのための足の周囲長の計測において特に使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明によれば、物品を計測するための装置が提供され、この装置は、ピボットを中心にして互いに対して可動な1対のアームであって、それぞれがピボットから離れた端部を有する1対のアームと、アームの端部に関連付けられた柔軟な細長い計測要素とを含み、計測要素は、一方のアームの端部に関して固定された一方の末端を有し、且つ他方のアームの端部に設けられたガイドに対して移動することができるようにアームの端部に関連付けられており、計測要素の他方の末端は、計測要素のいかなる弛みも取り除くように付勢されたリールに固着されている。
【0003】
好ましくは、各アームの他方の端部はそれぞれ、それぞれの協働ハウジング部品に取り付けられ、ハウジング部品は互いに対して回転可能であり、且つピボットを包含しており、またリールはピボットと同軸であり、且つ両方のハウジング部品に対して回転自在である。
【0004】
好ましい構成では、前述の他方のアームは、計測要素が中を移動可能な内部通路を有し、この通路は、ピボットから離れた前述の他方のアームの自由端部において開口して前述のガイドを構成し、アームのピボット側端部において前述のリールに通じている。
【0005】
好都合なことには、2つのアームは概ねL字形であり、且つ反対方向を向き、ピボットから離れた2つの端部は互いに当接し、またピボットから離れた各アームの端部は、内方に向かって先細になっている。
【0006】
通常、計測要素はテープの形態である。
【0007】
好ましい特徴は、付勢手段が2つのアームの端部を互いに対して付勢すること、及び通常は2つのアームのための付勢手段が、リールも付勢することである。付勢作用には時計ばねを利用することができる。
【0008】
有益な特徴として、リールは、計測が行われるときに計測要素をロックするための保持機構を含むことができる。
【0009】
好ましい実施例では、リールは、2つのアームの各端部が離されて前述の物品が計測されているときに前述のガイドに対して繰り出された計測要素の長さを計測するためのデジタル計測デバイスを包含し、このデジタル計測デバイスは、繰り出された計測要素の長さを示すための表示部を有する。
【0010】
さらなる好ましい構成では、デジタル計測デバイスは、アームの自由端部間の直線距離を算出するためにアームの角変位も計測し、この直線距離は表示部上に表示可能である。
【0011】
次に、本発明の各実施例をより詳細に説明する。説明は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による計測デバイスの斜視図である。
図2】足の周囲長を計測するために使用されようとしている、図1の計測デバイスの斜視図である。
図3】足に対して所定の位置にある、図1の計測デバイスの斜視図である。
図4】計測が行われているところを示す、図1の計測デバイスの斜視図である。
図5a】使用されていない図1の計測デバイスの縦断面図である。
図5b】足の計測に使用されている図1の計測デバイスの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
各図面では、足11の周囲長を計測するのに特に役立つ計測デバイス10が示されているが、このデバイス10は、他の物体の周囲長又は部分周囲長を計測するために使用することができ、また、直線距離を計測するためにも使用することができる。履物のための周囲長を計測する場合、人物は通常、床面に立ち、周囲長計測は、足の一方の側の床面に接触するところから足の上部を越えて、足の他方の側の床面に接触するところまでで行われる。このことは、図5でより明瞭に示されている。
【0014】
デバイス10は、1対のアーム12、13を有する。一方のアーム12は、後部ハウジング部品14に取り付けられ、他方のアーム13は、前部ハウジング部品15に取り付けられる。2つのハウジング部品14、15は、中心ピボット16を中心にして互いに対して相対的に回転可能となるように連結される。2つのアームが互いに対して相対的に枢動することができるのであれば、他のハウジング構成も使用可能である。
【0015】
例示された構成では、2つのアーム12、13は、概してL字形であるが、2つのアーム間に空間17を置くように向かい合わせで配置され、この空間17は、特定の物品の周囲長を計測する際に役立つことができる。各L字形アーム12、13の「直立」部分18は通常、各L字形アーム12、13の「下方」部分19が床面に対してある程度角度を付けられるように、ピボット16に位置合わせされる。理想的には、2つのアーム12、13は、時計ばね(図示せず)などの適切な付勢手段により互いに向かって付勢され、その結果、「休止」位置にあるときには、下方部分19の自由端部は、図1及び図5aに示されるように当接する。当然ながら、デバイス10の最終用途にある程度応じて、他のアーム形状も使用可能である。
【0016】
計測デバイス10は、柔軟な細長い計測要素20を含み、この計測要素20は、例示された実施例では或る長さのテープの形態であるが、ひもなどの他の形態を取ることもできる。テープ20の一方の末端21は、前述の一方のアーム12に対して固定され、また、例示された実施例では、テープ20は内部通路22に沿って延在し、また、末端21は、L字形の2つの部分18、19が交わるところである、アーム12の中空セクション23の内部に保持される。
【0017】
テープ20はまた、他方のアーム13内の別の内部通路24を通過して、アーム13の全長をわたってハウジング14、15まで延在し、そこでテープ20は、位置26においてリール25に取り付けられる。リール25は、ピボット16上に回転可能に設置され、テープ20のいかなる弛みも取り除くように、例えば戻しばね(図示せず)などの付勢手段により、反時計方向に付勢される。前部ハウジング部品15はまた、アーム13とリール25との間のテープ12の円滑な流れを促進するために、内部ガイド面27を包含する。
【0018】
2つのアーム12、13の自由端部は、概ね尖るように先細にされ、また、他方のアーム13の自由末端部28は、使用中のテープ20の動作のための簡易なガイドを構成する。所望されるならば、より複雑なガイドが考案されてもよい。2つのアーム12、13の自由端部の尖った形状により、休止時にアームが密接することが可能になり、また、床面又は他の支持表面との接触点上に張り出しやすい足の下方に位置決めされる場合などの、使用中の狭い空間へのアクセスが可能になる。アーム12、13の自由末端部は、計測基準点を構成する。
【0019】
ハウジング部品14、15はまた、デジタル計測装置30を収容する。デジタル計測装置は知られたものであるが、本発明の用途に適合されている。一例として、ある形態のデジタル計測装置30は、前部ハウジング部品15に関連付けられたデジタル目盛31、及び前述の一方のアーム12に関連付けられたアクチュエータ32を備える。2つのアーム12、13が互いに対して回転されると、すなわち、図2に示されるように広げられると、リール25が付勢力に逆らって前部ハウジング部品15に対して時計回りに回転するにつれてテープ20が繰り出され、テープ20は、2つのアーム12、13の自由端部間で概ね真っ直ぐに延在する。2つのアーム12、13が互いに対して動くことにより、アクチュエータ32がデジタル目盛31の周りを移動することになる。各アームの自由端部間の直線距離は、デジタル目盛31に沿ったアクチュエータ32の運動の単純関数であり、デジタル目盛31は、単純な長さ出力を与えるように定められている。閉位置に対する2つのアームの角度分離Xと、アーム端部からピボット軸までの既知の距離とを組み合わせることにより、この直線距離を単純なソフトウェアを使用して算出することが可能になる。
【0020】
デバイスが図5bの足11のような立体物体の周囲に置かれると、より多くのテープ20がドラム25によって繰り出されて、足の輪郭をたどる。計測基準点を構成する2つのアーム12、13の自由端部は、図5に示されるように、足11の側面の張り出しの下方の、それらの正しい位置へと移動される。アーム12、13の2つの自由端部間のテープ20の長さは、求められる「足にわたる」周囲長計測値であり、各アームの自由端部間の直線距離は、足幅として知られる。
【0021】
リール25が付勢作用に逆らって時計方向に回転することにより、テープ20のいかなる不要な弛みも取り除かれて、正確な計測が保証される。リール25の回転Yにより、供給されたテープ20の総量の計測値が与えられ、この量は、床面から床面までの足の上部をわたる距離の計測値となる。この場合にも、既知のリール寸法と合わせたデジタル計測装置30のキャリブレーションは、2つの計測基準点間のテープ20の全長に対して出力が提供されるようになされる。
【0022】
さらに、デジタル計測装置30のソフトウェアは、足幅、即ちアームの端部間の直線距離(アームの相対角変位によって計測される)と「足にわたる」計測値(リールにより供給されたテープ20の量によって計測される)とを足すことにより、合計周囲長又は周囲計測値を提供することが好ましい。「体重がかかった」状態でのこの合計周囲長計測値は、他の計測値と相まって、改善されたシュー・フィッティングのための足の幅/周囲長の確かな指標をもたらす。
【0023】
デジタル計測装置30は、本発明の範囲内で他の方法も使用可能であるが、好ましい構成では以下の形態を取ることができる。放射状に延在した一連の抵抗電気接触子が、テープ・リール25の側部上に配置され、これらの接触子は、静的PCB(プリント回路基板:Printed Circuit Board)上に配置された接触子の円形アレイに橋絡する。アーム12、13が閉じていると、接触子はゼロの読み取り値を提供するが、アームが開かれてテープ20が供給されるにつれて、リールの接触子とPCBの接触子との相対運動により、リールの回転につれて供給されたテープの長さの値が伝えられる。
【0024】
デバイス10はまた、繰り出されたテープ20の全長を表示する表示画面40、及び「保持」ボタン41を包含する。保持ボタン41は、アーム12、13がそれぞれの正しい計測位置にあるときに押される。ボタン41は、ハウジング14、15に対するリール25の運動を効果的にロックし、その結果、アームが正しく位置決めされたときに、画面40上に表示された全長を固定することができる。このことは、子供などの動きがちな人物の足の場合に有益なものとなりうる。リール25のロック作用は、リールに係合して回転を防止するボタンなどの、単純な手段によるものとすることができる。
【0025】
本計測デバイスの的確な設計は、特許請求の範囲に記載の範囲内に留まると同時に、修正を受け入れる。その最も単純な形態では、テープ20は、その上に印刷された計測値を有することができ、また、デジタル計測装置30は、省略することができる。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b