【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、歯科用構成要素を歯科用フィクスチャーに連結するとき、2つまたはそれ以上の先導するインデキシング要素(indexing element)を使用して、歯科用構成要素をフィクスチャーに対して所望の回転位置へ案内してから、1つまたはそれ以上の次の後続のインデキシング要素を係合させて最終の回転ロックを形成できるという洞察に基づく。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、歯科用構成要素が提供される。この歯科用構成要素は、顎骨内へ挿入されるように適合された歯科用フィクスチャーに歯科用構成要素を係合させるための、またはフィクスチャーのレプリカに歯科用構成要素を係合させるためのフィクスチャー係合部分を備え、フィクスチャー係合部分は、幾何学的中心軸(geometrical central)を有し、
根尖端部を有する少なくとも1つの径方向に突出する第1のインデキシング要素と、
それぞれが前記第1のインデキシング要素の根尖端部の根尖側に位置する根尖端部を有する少なくとも2つの径方向に突出する第2のインデキシング要素とを備え、
前記少なくとも1つの第1のインデキシング要素は、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素のいずれか1つから円周方向に分離され、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素は、フィクスチャー係合部分の円周に沿って非対称に分散される。
【0014】
これには、歯科用構成要素がフィクスチャーに連結されるべきものであり、したがってフィクスチャーの方へ移動されるとき、少なくとも2つの第2のインデキシング要素が第1にフィクスチャーに嵌合するという効果がある。このようにして、インデキシング要素の位置特定機能は、フィクスチャー係合部分の円周の部分のみに集中する。歯科医は、従来技術による場合のようにフィクスチャー係合部分の円周の周りのすべてのインデキシング要素が同時に連結される場合と比較して、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素がフィクスチャーの対応する受入れ部分に対して定位置に入るとき、より独特な知覚を受ける。
【0015】
第2のインデキシング要素が、フィクスチャー係合部分の円周に沿って非対称に分散されるため、望むなら、第2のインデキシング要素(複数可)は1つの正しい回転位置のみを有し、それによって歯科医が誤った回転方向で歯科用構成要素をフィクスチャーに連結することが回避される構成要素/フィクスチャーのインターフェースを設けることができる。
【0016】
前記少なくとも1つの第1のインデキシング要素が前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素のいずれか1つから円周方向に分離されることは、前記第1のインデキシング要素がフィクスチャー係合部分の円周に沿って第2のインデキシング要素のいずれとも異なる位置に位置することを意味する。言い換えれば、幾何学的中心軸から第1のインデキシング要素まで引かれる半径は、前記軸から第2のインデキシング要素まで引かれるいずれの半径とも異なる方向に、前記軸から延びる。
【0017】
前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素の根尖端部は適宜、根尖−歯冠方向で実質的に同じレベルに配置される。
【0018】
先導する機能を有する少なくとも2つの第2のインデキシング要素を有することで、安定化または平衡化効果を実現する。複数の回転方向のいずれか1つで歯科用構成要素を配置することを可能にする歯科用フィクスチャーに歯科用構成要素が連結されることを意図する場合、歯科用構成要素は、それらの回転方向のいずれか1つで連結することができる。しかし、歯科医が、単一の指定の回転方向のみで歯科用構成要素を連結することを可能にする歯科用フィクスチャーに歯科用構成要素を連結したいと望むとき、2つの先導する第2のインデキシング要素を有する利点が明らかになる。1つの先導する第2のインデキシング要素しかなかった場合、後続の第1のインデキシング要素が相手側インデキシング要素を見つけられないため、当惑した歯科医が回転方向の誤りに気付く前に、この先導する第2のインデキシング要素は、フィクスチャーの相手側の(適宜凹みを付けた)インデキシング要素のいずれか1つによって、誤って受け入れられる可能性がある。2つの先導する第2のインデキシング要素を有することによって、両方がフィクスチャーの正しいインデキシング要素と位置合わせされて初めて、嵌合が可能になる。第2のインデキシング要素の1つが、フィクスチャー内の周囲の壁部分(たとえば、シェルフ)上に載っている限り、歯科用構成要素がさらに根尖側に移動するのが防止され、したがって他方の第2のインデキシング要素がフィクスチャー内の誤った凹み内へ落ちることも防止される。
【0019】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、インデキシング要素の軸方向の延長部は、フィクスチャー係合部分の中心軸に対して垂直な共通の幾何学的平面が第1のインデキシング要素および第2のインデキシング要素に交差するような延長部である。したがって、異なる根尖位置に位置する根尖端部を有することを除いて、第1および第2のインデキシング要素は実質的に同じ構成を有することができ、これは製造の観点から有利になりうる。さらに、歯科用構成要素は1つのタイプのフィクスチャーにおいて1つの特有の回転方向のみを有するべきであるが、他のタイプのフィクスチャーにおいて他の回転方向を有することも可能であり、その場合、フィクスチャー内の相手側インデキシング要素は、歯科用構成要素の第1および第2のインデキシング要素のいずれか1つを受け入れることができる。そのような選択の自由は、第1のインデキシング要素と第2のインデキシング要素がフィクスチャー係合部分の軸方向に完全に分離された場合、より複雑になるはずである。
【0020】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記少なくとも1つの径方向に突出する第1のインデキシング要素は、少なくとも2つの径方向に突出する第1のインデキシング要素を含む。したがって、そのような場合、正しい位置を見つけるのを容易にする少なくとも2つの先導する(第2の)インデキシング要素と、フィクスチャーに対する歯科用構成要素の回転ロックを提供および/または補完する少なくとも2つの後続(第1)のインデキシング要素とが設けられる。
【0021】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記少なくとも2つの径方向に突出する第2のインデキシング要素は、前記第1のインデキシング要素の2つの間に介在する少なくとも3つの径方向に突出する第2のインデキシング要素として配置され、前記少なくとも3つの第2のインデキシング要素のそれぞれは、前記第1のインデキシング要素の根尖端部の根尖側に位置する根尖端部を有する。これにより、歯科医がフィクスチャー内の歯科用構成要素の正しい回転方向を見つけようとするときに、増大された安定性が提供される。
【0022】
したがって、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素は、たとえば3つ、4つ、またはそれ以上のインデキシング要素とすることができることを理解されたい。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記中心軸から前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素のうちの一方の中心までの半径と、前記中心軸から前記第1のインデキシング要素の中心までの半径とが、第1の角度を形成し、前記中心軸から前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素のうちの他方までの半径と、前記中心軸から前記第1のインデキシング要素の中心までの前記半径とが、第2の角度を形成し、前記第2の角度は、前記第1の角度とは異なり、また前記第1の角度の倍数であるいずれの角度とも異なる。倍数とは、数量に整数を掛けた積である。言い換えれば、φ≠nθであり、ここでθは第1の角度であり、φは第2の角度であり、nは正の整数である。
【0024】
前記第2の角度が前記第1の角度(およびそのあらゆる倍数)とは異なるため、非対称性が実現される。歯科用構成要素を完全に360°回転させることでしか、第1および第2のインデキシング要素は、周囲環境に対して同じ位置的な分散を得ることができない。これは、インデキシング要素の対称の分散とは対照的であり;たとえば、4つの対称に分散されたインデキシング要素を有する構成要素を90°回転させると、周囲環境に対して以前と同じ位置的な分散を得ることができる。この例示的な実施形態によって提供される非対称性により、第2のインデキシング要素がフィクスチャー内の誤ったインデキシング要素に捕捉されるリスクが低減される。
【0025】
少なくとも2つの第1のインデキシング要素および少なくとも2つの第2のインデキシング要素を含むインデキシング要素の非対称の分散は、少なくとも1つの例示的な実施形態で反映され、その例示的な実施形態によれば、前記2つの第2のインデキシング要素間の間隔は、前記第1のインデキシング要素のいずれか2つの間の間隔とは異なる。2つの第2のインデキシング要素は、互いに隣接する必要はない。前記2つの第2のインデキシング要素間に、1つまたはそれ以上の第1のインデキシング要素を配置することができる。また、3つ以上の第2のインデキシング要素がある場合、異なる間隔を有する1対の第2のインデキシング要素を識別できる限り、これらの第2のインデキシング要素のいくつかは、第1のインデキシング要素間の間隔と同じ距離をあけて隔置することができる。この非対称性の利点について、次に説明する。歯科用構成要素は、対応する第3および第4の相手側インデキシング要素を有する歯科用フィクスチャーに連結されるべきものであり、ここで、第3のインデキシング要素が歯科用構成要素の第1のインデキシング要素に嵌合するように指定され、第4のインデキシング要素が歯科用構成要素の第2のインデキシング要素に嵌合するように指定されるものとすると、1つの正しい回転方向だけが存在する。第2のインデキシング要素の根尖端部が先導するものとなり、最初に歯科用フィクスチャーとの接触を形成するため、前記1対の第2のインデキシング要素間の間隔が独特であることから、これらの第2のインデキシング要素が、異なる間隔で隔置された第3のインデキシング要素に不注意で嵌合される可能性はない。
【0026】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1のインデキシング要素と前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素はともに、以下の2つの分類を含む一連のインデキシング要素を形成する:
− 分類A:第1の距離未満の距離によって隣接するインデキシング要素から分離されたインデキシング要素。
− 分類B:前記第1の距離より大きい距離によって隣接するインデキシング要素から分離されたインデキシング要素。
第2のインデキシング要素の少なくとも1つは、分類Aに入る。
【0027】
たとえば、分類Bのインデキシング要素は、角度θの間隔でフィクスチャー係合部分全体にわたって分散させることができ、分類Aのインデキシング要素は、他のインデキシング要素間に介在するはずである。一例として、互いに60°の間隔で隔置された6つのインデキシング要素と、他の6つの要素の2つの間に位置する(すなわち、それらの2つのインデキシング要素から30°で隔置される)第7のインデキシング要素とを設けることができる。前記6つの規則的に分散されたインデキシング要素は分類Bに入れることができるが、それらの6つのインデキシング要素のうち、第7のインデキシング要素に隣接する2つのインデキシング要素は、分類Aに入れることもできる(第7のインデキシング要素も同様)。したがって、少なくとも余分の第7のインデキシング要素は、第1のインデキシング要素の根尖端部の根尖側に位置する根尖端部を有する前記少なくとも1つの第2のインデキシング要素の1つの形態である。しかし、相手側フィクスチャーが実質的に等しい寸法の7つの受入れ凹部を有する場合、第7のインデキシング要素は、それらの凹部のいずれか1つに誤って入る可能性がある。したがって、歯科用構成要素がフィクスチャーに嵌合できる回転方向を確実に1つだけにするには、他の6つのインデキシング要素の少なくとも1つもまた、第1のインデキシング要素の根尖端部の根尖側に位置する根尖端部を有する「第2の」インデキシング要素とするべきである。必須ではないが、第7のインデキシング要素に隣接する2つのインデキシング要素を、第1のインデキシング要素の根尖端部の根尖側に位置する根尖端部を有する「第2の」インデキシング要素とすることができると有利である。
【0028】
6つの等距離を隔てて隔置されたインデキシング要素および第7の余分のインデキシング要素の上記の例は、少なくとも以下の例示的な実施形態によって包含される。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1のインデキシング要素および前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素は合計N個のインデキシング要素になり、N−1個のインデキシング要素が、フィクスチャー係合部分の周りにわたって等距離を隔てて分散され、残りのインデキシング要素(第Nのインデキシング要素)は、前記等距離を隔てて分散されたN−1個のインデキシング要素の2つの間に介在し、この残りのインデキシング要素は、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素の1つである。前記等距離を隔てて分散されたN−1個のインデキシング要素の少なくとも1つもまた、他の等距離を隔てて分散された(第1の)インデキシング要素の根尖側に位置する根尖端部を有する第2のインデキシング要素である。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記残りのインデキシング要素に隣接するインデキシング要素の一方または両方もまた、第2のインデキシング要素である。
【0029】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、フィクスチャー係合部分の円周方向をたどって、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素は、前記第1のインデキシング要素の2つの間に介在する。したがって、少なくとも1つの幾何学的平面が、フィクスチャー係合部分の中心軸に対して垂直であり、第1のインデキシング要素ならびに第2のインデキシング要素を通って延びる。第2のインデキシング要素の歯冠方向の延長部は適宜、第1のインデキシング要素の歯冠方向の延長部と同じ軸方向のレベルとすることができる。別法として、第2のインデキシング要素の歯冠方向の延長部は、第1のインデキシング要素の歯冠方向の延長部より長くすることができ、または短くすることができる。
【0030】
第2のインデキシング要素が案内または先導する機能を実行し、後続の第1のインデキシング要素が続いて最終の回転ロック機能を実行するために、第2のインデキシング要素を2つの第1のインデキシング要素の間に介在させる必要はない。第2のインデキシング要素全体が、少なくとも1つの第1のインデキシング要素の根尖端部の根尖側に位置することができる。たとえば、第2のインデキシング要素は、フィクスチャー係合部分の根尖側の下位部分に位置する短い凸部の形態とすることができ、少なくとも1つの第1のインデキシング要素の根尖端部は、フィクスチャー係合部分の歯冠側の下位部分でその歯冠側に位置する。第2のインデキシング要素がフィクスチャー内の整合インデキシング要素に係合した後、歯科用構成要素は、フィクスチャーへの相対的な運動を継続し、最終的に少なくとも1つの第1のインデキシング要素もまた、整合インデキシング要素に係合する(先導する第2のインデキシング要素を受け入れるフィクスチャー内のインデキシング要素は、歯科用構成要素の前記運動の継続を可能にするのに十分なほど長いものとする)。したがって、上記の議論の観点から、少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、フィクスチャー係合部分の中心軸に対して垂直な少なくとも1つの幾何学的平面が、少なくとも1つの第1のインデキシング要素の根尖側で、第2のインデキシング要素の歯冠側に位置する。
【0031】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、歯科用構成要素のフィクスチャー係合部分は円柱形表面を含み、前記少なくとも1つの第1のインデキシング要素および前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素は、この円柱形表面から径方向に突出する。これは、製造の観点から有利である。しかし、インデキシング要素を他の表面からも同様に、たとえば先細りした表面から径方向に突出させることも考えられる。
【0032】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、第1のインデキシング要素の数は、第2のインデキシング要素の数より大きい。第2のインデキシング要素の数は、適宜2つまたは3つとすることができ、回転ロックを完了させる後続の第1のインデキシング要素は、強度を増大させるために、適宜より多くすることができる。これは、歯科用構成要素がドライバである場合に特に有利になり、ここで、インデキシング要素は、歯科用フィクスチャーを顎骨内へ駆動するときに歯科用フィクスチャーにトルクを伝達するように適合される。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素のうちの少なくとも1つの根尖端部は、斜面を備える。歯科用構成要素のフィクスチャー係合部分がフィクスチャー内へ挿入されたとき、歯科医は、歯科用構成要素を回転させて、歯科用構成要素のインデキシング要素をフィクスチャーの相手側インデキシング要素と位置合わせする。2つの第2のインデキシング要素を提供することで、それらのインデキシング要素の1つがフィクスチャー内の誤ったインデキシング要素に係合するリスクが少なくとも部分的に低減される。それにもかかわらず、たとえば歯科医が、歯科用構成要素を歯科用フィクスチャーに連結させようとするときに、歯科用構成要素を傾斜させた場合、一方の第2のインデキシング要素が、他方の第2のインデキシング要素の支持機能にもかかわらず、歯科用構成要素の回転時に歯科用フィクスチャー内の誤ったインデキシング要素(溝など)内に偶発的に落下することもある。そのような場合、歯科医が引き続き歯科用構成要素に回転力をかけたとき、その第2のインデキシング要素上に斜面を提供することで、その第2のインデキシング要素を一時的な誤った係合から持ち上げて取り出すのが容易になる。
【0034】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記第2のインデキシング要素はそれぞれ、前記少なくとも1つの第1のインデキシング要素の寸法と比較して、円周(横断)方向および/または径(突出)方向により小さい寸法を有する。これは、たとえば歯科用フィクスチャーが歯科用構成要素のインデキシング要素(突起)を受け入れるために等しく寸法設定された凹部を有する場合に有利である。なぜなら、そのような場合、少なくとも1つの第1のインデキシング要素より小さい寸法(たとえば、歯冠−根尖方向に対して横断方向)を有する第2のインデキシング要素は、比較的大きい遊び(この例では、横断方向に大きい遊び)と共に受入れ凹部内に受け入れられるからである。少なくとも1つの第1のインデキシング要素の根尖端部の根尖側に位置する根尖端部を有する第2のインデキシング要素は、後続の第1のインデキシング要素がフィクスチャー内の対応する凹部によって受け入れられる前に、対応する凹部によって受け入れられる。遊びを比較的大きくすることで、歯科医が第2のインデキシング要素をフィクスチャー内の対応する凹部に係合させることが容易になる。したがって、第2のインデキシング要素のみが係合されたこの段階で、フィクスチャーに対する歯科用構成要素の回転運動を小さくすることが可能である。しかし、少なくとも1つの第1のインデキシング要素が続いて対応する凹部に係合するとき、凹部内にぴったりフィットするように適宜より正確に寸法設定されるため、歯科用構成要素は、1つまたはそれ以上の第1のインデキシング要素がそれぞれの凹部に係合すると、回転ロックされる。
【0035】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記少なくとも1つの第1のインデキシング要素および前記少なくとも1つの第2のインデキシング要素は、歯冠−根尖方向に細長い延長部を有する。これにより、径方向に突出するインデキシング要素がより短い延長部を有する場合と比較して、回転ロックに追加の強度が提供される。
【0036】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、歯科用構成要素は、支台歯、支台歯のレプリカ、支台歯のブランク、特注の支台歯、スキャン支台歯、デジタル・トランスファー・コーピング、印象ピックアップ要素、ヒーリング・キャップ、およびドライバからなる群から選択される構成要素である。
【0037】
たとえば、特注の支台歯は、患者の周囲の組織および歯の輪郭に適合された形状を有することができ、その場合、歯科医が特注の支台歯を所期の回転方向に容易にフィットさせることができると有利である。
【0038】
回転方向を示すいくつかの識別特性を有し、歯科用フィクスチャーに連結されたデジタル・トランスファー・コーピングを走査することができ、次いでデジタル・ファイルが支台歯の製造業者へ送られる。このデジタル・ファイルは、識別特性の位置および向きに関する情報、したがって歯科用フィクスチャーの位置および向きに関する情報も含む。
【0039】
フィクスチャーが顎骨および口腔内の他の周囲の特徴に対して所望の向きで挿入されたかどうかを判定するための指示として、特徴的なマーキングを有するドライバを使用することができる。たとえば、フィクスチャーは、傾斜した歯冠端部を有することができる。ドライバは、特徴的なマーキングがフィクスチャーの傾斜端部の最上部に位置合わせされるように挿入されるものとすることができる。したがって、顎骨内へのフィクスチャーの回転中、歯科医は、特徴的なマーキングを見ることによって、フィクスチャーおよびその傾斜端部の回転方向が分かる。したがって、歯科医がドライバをフィクスチャーに対して所期の位置内へ容易にフィットさせることができると有利である。
【0040】
本発明の第2の態様によれば、歯科用インプラントが提供される。歯科用インプラントは、
フィクスチャー係合部分を備える歯科用構成要素であって、フィクスチャー係合部分は、
− 根尖端部を有する少なくとも1つの第1のインデキシング要素、および
− それぞれ根尖端部を有する少なくとも2つの第2のインデキシング要素を備える、歯科用構成要素と、
顎骨内へ挿入されるように適合された歯科用フィクスチャーであって、前記フィクスチャー係合部分に嵌合するように適合された構成要素係合部分を備え、構成要素係合部分は、
− 歯冠端部を有する少なくとも1つの第3のインデキシング要素、および
− それぞれ歯冠端部を有する少なくとも2つの第4のインデキシング要素を備える、歯科用フィクスチャーとを備え、
ここで、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素の根尖端部は、第1のインデキシング要素の根尖端部の根尖側に位置し、かつ/または前記少なくとも2つの第4のインデキシング要素の歯冠端部は、第3のインデキシング要素の歯冠端部の歯冠側に位置し、
前記少なくとも1つの第1のインデキシング要素は、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素のいずれか1つから円周方向に分離され、前記少なくとも1つの第3のインデキシング要素は、前記少なくとも2つの第4のインデキシング要素のいずれか1つから円周方向に分離され、
第1、第2、第3、および第4のインデキシング要素は、歯科用構成要素が歯科用フィクスチャーに対して1つの回転方向でしか嵌合できないように、それぞれフィクスチャー係合部分および構成要素係合部分の円周に沿って分散され、
第1のインデキシング要素は、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素が前記少なくとも2つの第4のインデキシング要素に嵌合した後に初めて、第3のインデキシング要素に嵌合することが可能になる。
【0041】
したがって、第2および第4のインデキシング要素は、歯科用構成要素をフィクスチャーに対して所望の回転方向へ案内する働きをする。この回転方向が見つかり、歯科用構成要素が引き続き根尖側に変位した後、第1および第3のインデキシング要素は、互いに係合して最終の回転停止を提供する。第1および第3のインデキシング要素は、歯科用構成要素と歯科用フィクスチャーとの間のわずかな回転運動のリスクを低減させるように適宜比較的密なフィットを形成するのに対して、第2のインデキシング要素と第4のインデキシング要素との間のフィットは、有利には遊びと共に提供されうる。これは、少なくとも1つの例示的な実施形態で反映され、その例示的な実施形態によれば、第1のインデキシング要素と第3の相手側インデキシング要素との間の遊び(たとえば、横方向の遊びまたは径方向の遊び)は、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素と前記少なくとも2つの第4の相手側インデキシング要素との間の遊びより小さく、それによって、第1のインデキシング要素と第3のインデキシング要素との間には、第2のインデキシング要素と第4のインデキシング要素との間のフィットと比較して、より密なフィットが提供される。
【0042】
第2のインデキシング要素と第4のインデキシング要素との間の遊びにより、そのような遊びがない場合より、第2のインデキシング要素が第4のインデキシング要素によって容易に受け入れられるため、歯科医が所望の回転方向を見つけるのが容易になる。第1のインデキシング要素と第3のインデキシング要素との間の密なフィットにより、多重工程手順全体にわたって、たとえばフィクスチャーに連結された歯科用構成要素(トランスファー・コーピングなど)を用いて印象を作製する工程、その印象に基づいてモデルを作製する工程、そのモデルに基づいて別の歯科用構成要素(支台歯など)を作製する工程、および後者の歯科用構成要素を歯科用フィクスチャーに連結させる工程において、同じ回転位置が確実に得られるようになる。起こりうる回転誤差は、各工程では小さい場合でも、最終的に大きな回転誤差をもたらすことがある。第1のインデキシング要素と第3のインデキシング要素との間の密なフィットにより、各工程における回転誤差のリスクが低減される。
【0043】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記第1および第2のインデキシング要素は、歯科用構成要素のフィクスチャー係合部分の表面から突出する径方向の突起として設けられ、前記第3および第4のインデキシング要素は、歯科用フィクスチャーの構成要素係合部分の表面内に径方向の陥没として設けられる。しかし、それを逆にすること、すなわちフィクスチャー上に突起を設け、歯科用構成要素内に陥没を設けることも考えられるはずである。第1および第3のインデキシング要素の嵌合前に第2および第4のインデキシング要素が嵌合する限り、他の混成代替案も考えられる。
【0044】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素は、フィクスチャー係合部分の円周に沿って非対称に分散され、前記少なくとも2つの第4のインデキシング要素は、構成要素係合部分の円周に沿って非対称に分散される。
【0045】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、フィクスチャー係合部分の中心軸から前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素のうちの一方の中心までの半径と、前記中心軸から前記第1のインデキシング要素の中心までの半径とが、第1の角度を形成し、前記中心軸から前記少なくとも2つの第2のインデキシング要素のうちの他方までの半径と、前記中心軸から前記第1のインデキシング要素の中心までの前記半径とが、第2の角度を形成し、前記第2の角度は、前記第1の角度とは異なり、また前記第1の角度の倍数であるいずれの角度とも異なる。
【0046】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、歯科用フィクスチャー内で、構成要素係合部分の中心軸から前記少なくとも2つの第4のインデキシング要素のうちの一方の中心までの半径と、前記中心軸から前記第3のインデキシング要素の中心までの半径とが、第1の角度を形成し、前記中心軸から前記少なくとも2つの第4のインデキシング要素のうちの他方までの半径と、前記中心軸から前記第3のインデキシング要素の中心までの前記半径とが、第2の角度を形成し、前記第2の角度は、前記第1の角度とは異なり、また前記第1の角度の倍数であるいずれの角度とも異なる。
【0047】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、歯科用構成要素は、少なくとも2つの第1のインデキシング要素を有し、歯科用フィクスチャーは、少なくとも2つの第3の相手側インデキシング要素を有する。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、2つの第2のインデキシング要素間の間隔は、前記第1のインデキシング要素のいずれか2つの間の間隔とは異なり;前記2つの第4のインデキシング要素間の間隔は、前記第3のインデキシング要素のいずれか2つの間の間隔とは異なる。2つの第2のインデキシング要素は、互いに隣接する必要はなく;2つの第4のインデキシング要素も、互いに隣接する必要はない。前記2つの第2のインデキシング要素間に、1つまたはそれ以上の第1のインデキシング要素を配置することができる。同様に、前記2つの第4のインデキシング要素間に、1つまたはそれ以上の第3のインデキシング要素を配置することができる。また、3つ以上の第2のインデキシング要素が設けられる場合、異なる間隔を有する1対の第2のインデキシング要素を識別できる限り、これらの第2のインデキシング要素のいくつかは、第1のインデキシング要素間の間隔と同じ距離をあけて隔置することができる。同様に、3つ以上の第4のインデキシング要素が設けられる場合、異なる間隔を有する1対の第4のインデキシング要素を識別できる限り、これらの第4のインデキシング要素のいくつかは、第3のインデキシング要素間の間隔と同じ距離をあけて隔置することができる。この非対称性の利点については、本発明の第1の態様の議論に関連してすでに上述した。
【0048】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、歯科用構成要素のフィクスチャー係合部分ならびに第1および第2のインデキシング要素は、第2のインデキシング要素が第4のインデキシング要素に嵌合するまで、フィクスチャーの構成要素係合部分内部で回転可能である。これにより、位置特定機能が容易になり、フィクスチャーに対して歯科用構成要素がゆがむリスクが低減される。たとえば、フィクスチャーは、歯冠端部で、壁部分によって画成された内部ソケットを有することができ、壁部分には、径方向に延びる凹部の形態の第3および第4のインデキシング要素が設けられる。歯科用構成要素ならびにその第1および第2のインデキシング要素は、ソケット内へ挿入して回転させることができる。第2のインデキシング要素は、回転中に、前記凹部を含むシェルフを適宜圧迫することができる。歯科用構成要素が回転し、第2のインデキシング要素がシェルフに沿って移動すると、第2のインデキシング要素は最終的に凹部内へ落下する。
【0049】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、本発明の第2の態様による歯科用インプラントの歯科用構成要素は、本発明の第1の態様に関連して論じた特徴を有する歯科用構成要素である。
【0050】
本発明の第3の態様によれば、顎骨内へ挿入されるように適合された歯科用フィクスチャーが提供される。歯科用フィクスチャーは、歯科用構成要素に嵌合するように適合された構成要素係合部分を備え、構成要素係合部分は、
− 歯冠端部を有する少なくとも1つの第1の径方向に突出しまたは凹みを付けるインデキシング要素と、
− それぞれ第1のインデキシング要素の歯冠端部の歯冠側に位置し、第1のインデキシング要素の歯冠端部から円周方向に分離された歯冠端部を有する少なくとも2つの第2の径方向に突出しまたは凹みを付けるインデキシング要素とを備え、ここで、前記第2のインデキシング要素は、構成要素係合部分の円周に沿って非対称に分散される。
【0051】
本発明の第3の態様による歯科用フィクスチャーは、本発明の第1および第2の態様に関連して述べた歯科用フィクスチャーの特徴のいずれか1つならびに/または以下に述べる歯科用フィクスチャーの特徴のいずれか1つを有することができる。
【0052】
上記のように、歯科用インプラントは、歯科用フィクスチャーおよび歯科用構成要素を備える。
【0053】
歯科用フィクスチャーは、歯科用プロテーゼの係留部材として使用するためのものである。この目的で、歯科用フィクスチャーは、顎骨(上顎骨または下顎骨)の骨組織内で歯科用プロテーゼが必要とされる箇所に事前に準備された貫通孔内へ挿入可能である。歯科用フィクスチャーは通常、回転させて貫通孔内へ入れられる。
【0054】
ねじ式の歯科用フィクスチャーの場合、この貫通孔は、内部ねじ山を事前に備えることができ、またはねじ山を付けないままにすることができ、その場合、たとえば1つまたはそれ以上の軸方向に延びる切断凹部、縁部、またはノッチなどをフィクスチャーのねじ山内に設けることによって、歯科用フィクスチャーはセルフタッピング能力を備える。たとえば、フィクスチャーの根尖端部部分は、3つの切断凹部など、2〜4つの切断凹部を備えることができる。切断凹部の他の数も容易に考えられる。
【0055】
歯科用構成要素は、上記で論じたように、複数の異なる構成要素のいずれか1つとすることができる。一例は、歯科用フィクスチャーを顎骨内へ挿入するドライバである。別の例は、フィクスチャーにプロテーゼ部材を連結する上部構造である。上部構造は、歯科用フィクスチャーに係合して上顎骨または下顎骨の上にある歯肉をつなぐ支台歯、スペーサ、または他の経粘膜的構成要素を備えることができる。プロテーゼ部材、たとえばクラウン、ブリッジ、または義歯は、支台歯に固定することができる。上部構造は、様々な他の形態をとることができる。たとえば、プロテーゼ部材は、歯科用フィクスチャーに直接固定することができる。
【0056】
本出願全体にわたって、「歯冠」という用語は、歯科用インプラントの先端部または後端部への方向を示すために使用される。たとえば、歯科用支台歯が歯科用フィクスチャーに連結される状況で、支台歯の歯冠方向とは、フィクスチャーから離れる方へ誘導される支台歯部分への方向である。逆に、「根尖」という用語は、構成要素の挿入端部または先端部への方向を示す。したがって、根尖と歯冠は反対の方向である。さらに、本出願全体にわたって、「軸(axial)」、「軸方向(axial direction)」、または「軸方向(axially)」という用語は、歯冠端部から根尖端部への方向を示すために使用され、または逆も同様である。「径方向(radial)」、「径方向(radial direction)」、または「径方向(radially)」という用語は、軸方向に対して垂直の方向を示す。
【0057】
上部構造をフィクスチャーに固定するために、フィクスチャー本体の根尖端部と歯冠端部との間で歯冠端部から端部表面までフィクスチャー本体内へ根尖側に、貫通していない孔またはソケットを延ばすことができる。ソケットは、歯科用構成要素をフィクスチャーへねじで連結するために、内部にねじ付きの区間を備えることができる。内部の多角形の側壁、たとえば六角形の側壁、または別法として1つもしくはそれ以上のソケットの壁からの凸部もしくはソケットの壁内の凹みなど、歯科用構成要素に対する回転ロックをソケット内に提供することができる。歯冠区間など、ソケットの一区間を、根尖端部の方へ先細りさせることができる。先細りした区間は、内部にねじ付きの区間の歯冠側に適宜配置される。
【0058】
フィクスチャーは、1段階の手順または2段階の手順で使用することができる。1段階の手順では、回復用の支台歯または一時的な支台歯をフィクスチャーに連結させて歯肉組織を形成し、回復期間後、この回復用の支台歯または一時的な支台歯は、恒久的な支台歯に置き換えられる。2段階の手順では、フィクスチャーはカバーねじを備え、歯肉組織は、フィクスチャーおよびカバーねじを覆うように縫合され、回復期間後、組織は切開され、カバーねじを取り除いた後にフィクスチャーに支台歯が連結される。
【0059】
歯科用フィクスチャーは、歯冠端部の方へ先細りする円錐形に先細りした端部部分を有することができる。この歯冠端部部分の軸方向の範囲は、フィクスチャーの全長と比較して小さく、一例として1.5%〜3.7%の範囲内など、全長の4%以下である。歯冠端部部分は適宜、ねじ付きの表面を備えなくてもよく、たとえば平滑な表面または粗面(ブラスティングした表面など)を有することができる。
【0060】
フィクスチャーは、フィクスチャーの長手方向軸に対して垂直な実質的に平坦な歯冠端部表面を有することができる。別法として、歯冠端部表面は、フィクスチャーの長手方向軸に対して傾斜した輪郭を有することができ、たとえばその結果、顎骨内に位置決めされたとき、フィクスチャーの長さは、フィクスチャーの舌側でより大きく、頬側でより短くなる。別の代替案は、鞍状または波様の歯冠端部表面である。
【0061】
歯科用フィクスチャーの長さは、臨床の状況に応じて5〜19mmの範囲内とすることができる。歯科用フィクスチャーの外径は適宜、3〜5mmなど、2〜6mmの範囲内とすることができる。
【0062】
フィクスチャーは、実質的に円柱形とすることができ、または歯冠端部から根尖端部の方へわずかに先細りさせることができる。フィクスチャーがわずかな先細りを有する場合、フィクスチャーのコアと、たとえばねじ山の頂部によって画成される外周部とは、同じ先細り角度を有することができ、または異なる先細り角度を有することができる。さらに、フィクスチャーのコアを円柱形とし、ねじ山の頂部が円錐を示すことができ、逆に、フィクスチャーのコアを先細りさせ、ねじ山の頂部が略円柱形の幾何形状を示すことができる。別法として、フィクスチャーは、1つもしくはそれ以上の円柱形部分および/または1つもしくはそれ以上の先細りした部分の組合せを備えることができる。したがって、フィクスチャーの1つまたはそれ以上の部分は、たとえば共通の仮想の円柱形表面内に位置するねじ山の頂部を有することができ、この円柱形表面は、フィクスチャーの長手方向軸に対して平行である。別法または追加として、フィクスチャーの1つまたはそれ以上の部分は、根尖方向に長手方向軸の方へ先細りしている仮想の円錐形表面内に位置するねじ山の頂部を有することができる。
【0063】
外部にねじ付きのフィクスチャーは、1つまたはそれ以上のねじ山の螺旋を備えることができる。
【0064】
「ピッチ」という用語は、ねじ山の隣接する頂部間の軸方向の距離を示すために使用される。「リード」という用語は、フィクスチャーが1回転するときに長手方向軸に対して平行に進んだ距離を示すために使用され、すなわちピッチにねじ山の螺旋の数を掛けた値に対応する。一定のピッチを有する一条ねじ山の螺旋の場合、リードはピッチに等しい;二条ねじ山の螺旋の場合、リードはピッチの2倍である。
【0065】
「マイクロスレッド」という用語は、0.2mm以下の高さを有するねじ山を示すために使用される。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、フィクスチャーは、0.05〜0.15mmなど、0.02〜0.2mmの範囲内、たとえば0.1mmの高さを有するマイクロスレッドを備える。「マクロスレッド」という用語は、0.2mmより大きい高さを有するねじ山を示すために使用される。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、フィクスチャーは、0.3mmなど、0.25〜0.35mm範囲内の高さを有するマクロスレッドを備える。
【0066】
マイクロスレッドは、マクロスレッドの歯冠側に適宜位置することができる。たとえば、マイクロスレッドは、密集した皮質骨に係合するように配置することができ、マクロスレッドは、多孔質のスポンジ状の骨/海綿質骨に係合するように配置することができる。マイクロスレッドのリードは、マクロスレッドのリードに適宜対応する。マクロスレッドのピッチは、一例として、マイクロスレッドのピッチの3倍など、2〜4倍とすることができる。マイクロスレッドを備えるフィクスチャー部分のピッチ(頂部と頂部の間隔)は、約0.10〜0.30mm、たとえば0.20〜0.24mmとすることができる。マクロスレッドを備えるフィクスチャー部分のピッチ(頂部と頂部の間隔)は、約0.30〜0.90mm、たとえば0.60〜0.72mmとすることができる。
【0067】
マイクロスレッドは、画成された向きの粗さと見なすことができる。たとえば、マイクロスレッドならびにマクロスレッド上には、ブラスティング、エッチングなどによって得られるより小さい寸法を有する無方向性の粗さを重ね合わせることができる。
【0068】
ねじ山のプロファイルは、2つのフランクと、前記2つのフランクを相互に連結する頂部と、2つの隣接するねじ山間に形成された底部とを備えることができ、前記フランクは、フィクスチャー軸に対して垂直な平面に対して鋭角vを形成し、この角度vは、フィクスチャー軸の延長線を含む平面内に位置し、前記プロファイルは、高さDをさらに有する。頂部は、湾曲させることができ、頂部半径を有することができる。適宜、10°≦v<35°の場合、頂部半径は0.4×Dより大きく、35°≦v<55°の場合、頂部半径は0.2×Dより大きい。