(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084992
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】シートとトウ繊維との間に相異なる重なりを有する掃除用品
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20170213BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
A47L13/16 C
A47L13/20 B
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-561128(P2014-561128)
(86)(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公表番号】特表2015-512692(P2015-512692A)
(43)【公表日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】US2013029738
(87)【国際公開番号】WO2013134578
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2014年9月5日
(31)【優先権主張番号】13/416,334
(32)【優先日】2012年3月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ジョン ポリシッチオ
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−050251(JP,A)
【文献】
特開2007−111297(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0131746(US,A1)
【文献】
特開2007−135666(JP,A)
【文献】
特開2007−236690(JP,A)
【文献】
特開2009−142358(JP,A)
【文献】
特開2005−245646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/00−13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望によりハンドル(35)に取り外し可能に取り付けるための、長手方向の長さを画定する長手方向軸(L)、および、それに直交する横方向軸を有する掃除用品(10)であって、
少なくとも1層のトウ繊維(14)であり、前記トウ繊維は、前記長手方向軸(L)に並置された近位端から、そこから横方向に離れた遠位端まで、横方向に外向きに延在し、前記少なくとも1層は更に、第1及び第2の対向する面を有し、かつ前記長手方向軸(L)に平行な中央背部から前記トウ繊維の前記遠位端までのトウ繊維幅を画定している、前記トウ繊維と、前記少なくとも1層のトウ繊維(14)の前記第1の面上に配置された概ね平らなシート(12)であり、前記シート(12)はシート(12)幅を有し、前記シート(12)幅は前記トウ繊維の幅よりも大部分において小さく、前記長手方向の長さの大部分に沿って、前記トウ繊維の前記遠位端が前記シート(12)の縁から相異なって張り出しており、前記トウ繊維の相異なった張り出しは、前記横方向軸に接近するほど、前記長手方向において単調に増大または減少しており、前記掃除用品は、任意選択的に、横方向に延在するギャザーストリップを備えることを特徴とする、掃除用品(10)。
【請求項2】
前記掃除用品(10)が、前記長手方向軸(L)に対して対称であることを特徴とする、請求項1に記載の掃除用品(10)。
【請求項3】
前記相異なる張り出し(DO)が、前記長手方向の長さ全体を通じて存在することを特徴とする、請求項1または2に記載の掃除用品(10)。
【請求項4】
前記掃除用品(10)が、横方向軸を有し、かつ前記横方向軸に対して対称であることを特徴とする、請求項1または2に記載の掃除用品(10)。
【請求項5】
前記概ね平らなシート(12)が、第1シート(12)を含み、更に、前記第1シート(12)に接合された第2シート(12)を含んで、それらの間に少なくとも1つの長手方向に配向されたスリーブ(30)を形成してその中にフォーク歯(36)を受容することを特徴とする、請求項1または2に記載の掃除用品(10)。
【請求項6】
さらに、前記トウ繊維の前記第2の面に接合される第3シートを含み、該第3シートは、任意選択的に、横方向に延在するギャザーストリップを備えることを特徴とする、請求項5に記載の掃除用品(10)。
【請求項7】
前記シートは、2つの対向する長手方向縁の間のシート幅を有し、該シート幅は、前記トウ繊維幅よりも大部分において小さく、前記シート幅は、前記シートの長手方向長さを通じて大部分において一定ではなく、前記長手方向縁の少なくとも1つは、その中にノッチを有し、該ノッチは、前記シートの前記長手方向縁の少なくとも1つの少なくとも半分を区切っていることを特徴とする、請求項1または2に記載の掃除用品(10)。
【請求項8】
前記長手方向軸(L)の周囲で対称である掃除用品(10)であって、前記掃除用品(10)は、横方向軸を有し、前記シート(12)の前記長手方向の縁のそれぞれは、凹状になるように切り込みが入れられていることを特徴とする、請求項7に記載の掃除用品(10)。
【請求項9】
前記切り込みが、弓形であり、前記長手方向軸(L)に接近するほど増す曲率半径を有することを特徴とする、請求項8に記載の掃除用品(10)。
【請求項10】
前記トウ繊維の遠位端が、前記シート(12)の前記長手方向縁(20)から約5〜約50mm張り出していることを特徴とする、請求項9に記載の掃除用品(10)。
【請求項11】
前記概ね平らなシート(12)が、第1シート(12)長手方向縁(20)を有する第1シート(12)を備え、前記掃除用品(10)が、更に、それぞれの第2シート(12)長手方向縁(20)を有する、前記第1シート(12)に接合された第2シート(12)を備え、前記第1シート(12)長手方向縁(20)と前記第2シート(12)長手方向縁(20)とが、前記長手方向の軸(L)から外方に一致しないように配置されることを特徴とする、請求項10に記載の掃除用品(10)。
【請求項12】
前記相異なる張り出し(DO)が前記長手方向の長さ全体を通じて存在し、前記シート(12)が更にギャザーストリップ(17)を含むことを特徴とする、請求項10に記載の掃除用品(10)。
【請求項13】
前記相異なる張り出し(DO)が前記長手方向の長さ全体を通じてランダムに存在することを特徴とする、請求項1または2に記載の掃除用品(10)。
【請求項14】
前記トウ繊維層は、複数のデシテックス値を有するトウ繊維を含むことを特徴とする、請求項13に記載の掃除用品(10)。
【請求項15】
複数のデシテックス値は、1〜30の範囲にわたることを特徴とする、請求項14に記載の掃除用品(10)。
【請求項16】
前記トウ繊維(14)層が、それぞれの第1トウ繊維層(14)長手方向長さを有する第1トウ繊維層を備え、前記掃除用品(10)が、更に、それぞれの第2トウ繊維(14)層長手方向長さを備え、前記第1トウ繊維層長手方向長さが、前記第2トウ繊維(14)層長手方向長さと異なっていることを特徴とする、請求項1または2に記載の掃除用品(10)。
【請求項17】
前記第2トウ繊維層長手方向長さは、前記第1トウ繊維層長手方向長さより小さいことを特徴とする、請求項16に記載の掃除用品(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除用品、より具体的には、トウ繊維などを含む掃除用品に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な掃除用品が、ダスティング及び軽い掃除のために開発されてきた。例えば、乾燥した状態で、又は研磨及び洗浄組成物によって濡れた状態で使用される、布ウエス及びペーパータオルが、比較的平らな表面で使用されてきた。しかしながら、布及びペーパータオルは、衛生状態(掃除中に、使用者の手が、化学薬品、汚れ、又は表面に触れることがある)、届く範囲(使用者の手をウエス又はペーパータオルとともに、届き難い場所に入れることが困難である場合がある)、及び不便さ(間隔の狭い物品の間を掃除することは、典型的に、物品の移動を必要とする)などの理由のために、問題がある。
【0003】
ウエス、及びペーパータオルの使用に伴う、これらの問題を克服するために、1906年に、Haydenに発行された、米国特許第823,725号によって例示されるように、羽毛、子羊のウール、及び合成繊維ブラシを有する様々な集塵装置が、1世紀を超える期間にわたって利用されてきた。このような集塵装置は、製造に費用がかかることがあり、そのため、洗浄及び再利用されるように設計される。再利用可能な集塵装置に伴う1つの問題は、このような集塵装置が、ほこりを良好に把持、又は捕捉しない場合があることである。汚れた再利用可能な装置は、典型的に、振盪によって、又は他の機械的攪拌によって、洗浄される。このプロセスは、洗浄プロセス中に、洗浄プロセスを中断して、及び/又は洗浄プロセスの後に、追加の工程を必要とするために、完全に満足のできるものではない。更に、装置の回復の試みは成功するとは限らず、先に収集した塵を再び付着させることになる場合がある。
【0004】
再利用可能な集塵装置によって経験される問題に対処するため、限定的な再利用性を有する、使い捨て集塵装置が開発されてきた。これらの使い捨て集塵装置は、第2010/0319152号に記載されているように、シートに取り付けられた、トウ繊維と呼ばれる、合成繊維束で作製されたブラシ部分を含む場合がある。あるいは、トウ繊維は、第4,145,787号に記載されているように、プレートに取り付けられ得る。使い捨て掃除用品は、1回の仕事(数平方メートルの表面)に使用して捨ててもよく、保存して、より多くの仕事に再び使用してから捨ててもよい。羽毛ダスター、布、ストリングモップ、ストリップモップなどを含む、従来的な掃除用品は、本発明の目的のために、使い捨てではない。
【0005】
そのような装置は、例えば、米国特許第6,813,801号、同第6,968,591号、同第6,984,615号、同第7,228,587号、同第7,231,685号、同第7,234,193号、同第7,234,914号、同第7,237,296号、同第7,237,297号、同第7,243,391号、同第7,302,729号、同第7,302,730号、及び/又は同第7,334,287(共通の関連特許出願を有する)にしたがって作製することができる。この系列の特許は、共通の特徴−概して平面の物品の両側からストリップが横方向に延在している−を有する。これらのストリップは、物品の平面から外れるようにトウ繊維の変形を促進することによって、中間のトウ繊維の表面積を増す目的を果たす。このアプローチは、ストリップのために過度の材料が使用されるという付随的問題を有する。長手方向軸から測定されたそれらのストリップの長さがトウ繊維と同じ長さを有する場合、トウ繊維が標的表面と完全に接触することをストリップが妨害する恐れがある。
【0006】
ストリップを備えた掃除用品に伴う別の問題は、そのような掃除用品が、典型的には、平らな状態で梱包されていることである。最適な性能を得るには、使用者は使用の前に掃除用品を予め毛羽立てる必要がある。使用説明書があっても、多くの使用者はこの工程を正しく行う方法を単に理解していない。一部の使用者は、使用説明書を読まずに、この工程全体を省略する。更には、製造中の不適切な切断のために、ストリップが部分的に接合されていて、毛羽立てる工程を不十分にする又はより困難にする場合がある。そのような掃除用品におけるストリップの問題は、布の両側からだけでなく前からも延在しているストリップを教示する第5,953,784号では、更に悪化している。
【0007】
この問題を克服するための1つの試みは、横方向に延在するストリップを使用しない第7,566,671号に見出される。しかし、この試みは、その掃除用具が、第6,813,801号の系列が教示するように掃除用具の両面でなく、片面でのみ掃除するという欠点を有する。
【0008】
前述の第7,566,671号の片面掃除の短所を克服する試みは、らせんダスターを教示する第7,251,851号に見出される。しかし、このアプローチは、前述の第6,813,801号の系列及び第823,725号と同様の構成から始まるので、意図された解決策を100年前にこの問題の発端となった同じアプローチに戻すことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第823,725号
【特許文献2】米国特許第2010/0319152号
【特許文献3】米国特許第4,145,787号
【特許文献4】米国特許第6,813,801号
【特許文献5】米国特許第6,968,591号
【特許文献6】米国特許第6,984,615号
【特許文献7】米国特許第7,228,587号
【特許文献8】米国特許第7,231,685号
【特許文献9】米国特許第7,234,193号
【特許文献10】米国特許第7,234,914号
【特許文献11】米国特許第7,237,296号
【特許文献12】米国特許第7,237,297号
【特許文献13】米国特許第7,243,391号
【特許文献14】米国特許第7,302,729号
【特許文献15】米国特許第7,302,730号
【特許文献16】米国特許第7,334,287号
【特許文献17】米国特許第5,953,784号
【特許文献18】米国特許第7,566,671号
【特許文献19】米国特許第7,251,851号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、ギャザーストリップを必要としない掃除用品の必要が存在する。そのような掃除用品は更に、塵を集め、保持するためのトウ繊維の有利な使用をもたらすことができ、かつ、しばしば無視されるか、又は不適切に行われる毛羽立てる工程を使用者ができるだけしなくてよいようにすること又は削除することもまた可能にし得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は掃除用品を含む。この掃除用品は、所望によりハンドルに取り外し可能に取り付け可能である。この掃除用品は、互いに面する関係でともに接合されている少なくとも1層のトウ繊維と少なくとも1枚のシートとを備えている。トウ繊維の少なくともいくつかは、シートの縁から張り出している。この重なりの量は、掃除用品の長手方向長さの少なくとも一部分の全体を通じて異なっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】先行技術による、2枚の外薄層上にストリップを有する掃除用品の概略分解斜視図である。
【
図2】長手方向軸Lの片側に凹状の切り込みを備えるシートを有し、かつ長手方向軸Lのもう一方の側に凸形状を有する、本発明による掃除用品の分割概略頂面図である。
【
図3】長手方向軸の片側に、密度が変化し、長さが単調に変化するトウ繊維層を有し、かつ長手方向軸Lのもう一方の側にランダムな形状を有する、本発明による掃除用品の分割概略頂面図である。
【
図4】長手方向軸Lの片側にスカロップを有し、長手方向軸Lのもう一方の側に直線状の面を備えた凹凸形状を有する、本発明とともに使用可能なシートの代替的実施形態の分割頂面図である。
【
図5】長手方向軸Lの片側に切り込みを有し、長手方向軸Lのもう一方の側に正弦波状の縁を有する、本発明とともに使用可能なトウ繊維層の代替的実施形態の分割頂面図である。
【
図6】本発明とともに使用可能な入れ子状の4枚の個々のシートを有する、本発明とともに使用可能なシート材の分割頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照すると、掃除用品10は概して細長く、長手方向軸Lを有することができるが、他の形も企図され、かつ実行可能である。掃除用品10は、ハンドル35に取り外し可能に取り付け可能であり、及び/又はハンドルなしに使用され得る。好適なハンドル35は、同一出願人による米国特許公開第2011/00099764号に開示されている。
【0014】
掃除用品10のz方向は、掃除用品10のハンドル35(存在する場合)に通常は最も近いシート12に垂直の方向であり、XY平面は、シート12によって画定される平面として画定され、通常はz方向に垂直である。掃除用品10は、長手方向軸L及び、それに直交する横方向軸Tを有し得る。掃除用品10、及びそのそれぞれの構成要素は、長手方向軸Lに平行な2つの長手方向縁20、及び横方向軸Tに平行な横方向縁22を有し得る。
【0015】
掃除用品10などの長さは、長手方向で測定される。掃除用品10の幅は、長さ方向に対し垂直で、シート12の面内に配置されると一致する。厚さは、z方向の寸法として定義される。図に示されるストリップの長さ及び幅は、それぞれ、横方向及び長手方向で測定される。
【0016】
掃除用品10は、向かい合わせの関係で接合されている2つ又は3つ以上の薄層を有するものと考えることができる。薄層は、トウ繊維薄層14、概して平面のシート12である中間の2薄層を備え得る。あるいは、単一のトウ繊維層14が、単一の概して平面のシート12に接合されてもよい。4層を含むトウ繊維層14が示されているが、当業者は、本発明とともに使用するために1枚〜数枚の層が実行可能であり、企図されることを理解するであろう。同様に、本発明とともに使用するために1枚、2枚又は3枚以上のシート12が実行可能であり、企図される。
【0017】
取り付けシステムは、好適でありかつ任意選択のハンドル35への掃除用品10の取り外し可能な取り付けをもたらすことができる。掃除用品10の取り付けシステム及び任意選択の相補的ハンドル35の取り付けは、接着剤接合、粘着接合、機械的係合などを含むことができる。一般的な取り付けシステムの1つは、ハンドル35の歯36が挿入され得るスリーブ30を含む。スリーブ30は外薄層12上に配置することができる。
【0018】
シート12は、外側に面する優先的掃除面、及びこれと反対側の、第2の内側に面する取り付け面を有することができる。シート12は、不織シート12を含むことができる。好適な不織布は、同一出願人による米国特許第6,797,357号、同第6,936,330号、同第D489,537号及び/又は同第D499,887号にしたがって作製されてよい。
【0019】
シート12に隣接しているのは、圧縮可能及び/又は変形可能な繊維14の第2薄層であってよい。第2薄層は、トウ繊維14を含むことができる。トウ繊維薄層14は、シート12と向かい合わせの関係で接合させることができる。トウ繊維薄層14は、掃除中に標的とする表面と直接接触するのに好適であり得る。
【0020】
トウ繊維14は、合成であってよい。本明細書で使用するとき、「束繊維」及び/又は「トウ」は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びセルロースアセテートを含むセルロース材料、並びにこれらの混合物を含む合成ポリマーを含有する製造された繊維を指し、個々の繊維は、束で製造された比較的長いストランドである。束繊維は、区別可能な端部を有し、かつ少なくとも約1cmの長さである、任意の繊維として定義され得る。本発明の掃除用品10は、任意選択の吸収性コア(図示せず)を更に含むことができる。
【0021】
シート12、繊維状の層14及び非平面構造物16を、熱結合、自溶結合、超音波結合、ヒートシーリング、接着剤及び/又は当該技術分野で既知の他の手段によって、ともに接合することができる。シート12は、向かい合わせの関係で、ともに接合された2つの層を含むことができる。シート12、繊維状の層14及び非平面構造物は、長手方向軸Lに平行な中央背部42をもたらすパターンで結合することができる。
【0022】
トウ繊維層14と概して平面のシート12との接合は、当該技術分野で公知の連続結合38及び/又はスポット結合38の任意の組み合わせを用いて行うことができる。結合38は、当該技術分野で公知でありかつ本明細書において説明される取り付けシステムのためのスリーブを作り出すために使用することができる。
【0023】
2つの層を接合する結合パターンは、本発明の掃除用品10とともに使用される場合、ハンドル35の歯36と相補的であり、かつそれらを受容することのできるスリープ30を提供するパターンで提供することができる。具体的には、結合は、歯36が、隣接する結合部38の間に作られるポケット又はスリーブ30の中に挿入され得るように、一般に長手方向に向いたパターンで提供されてもよい。
【0024】
結合パターンは、連続的に結合された又は離散的に結合された中央背部42を提供し得る。中央背部42の外側寄りで、結合パターンは、1つ以上の連続又は非連続の結合箇所を含むことができる。中央背部42の結合と、外側寄りの結合38との間の空間は、任意のハンドル35の歯36を受容するためのスリーブ30を作り出すことができる。所望により、シート12を横断方向に収縮すること/ひずませることができる。このプロセスは、シート12にしわ、すなわちひだをもたらすことができる。このしわ/ひだは、シート12の層と層との間を引き離し、所望によりスリープ30に歯36を挿入することをより容易にすることができる。
【0025】
図2を参照すると、ハンドル35への取り外し可能な取り付けのための本発明による掃除用品10は、長手方向長さを画定する長手方向軸Lを有する。ここでも、掃除用品10は、少なくとも1層のトウ繊維14を含んでいる。トウ繊維は、前記長手方向軸Lと並列した近位端から外向きに横方向に延びている。トウ繊維層14は、更に、第1及び第2の対向する面を有し、トウ繊維の幅TFWを画定する。トウ繊維の幅TFWは、長手方向軸Lから一直線に平らな横方向で測定された特定のトウ繊維の遠位端までの距離である。トウ繊維の幅TFWは、長手方向長さ全体を通じて一直線又は可変であり得る。
【0026】
掃除用品10は、トウ繊維14の少なくとも1層の第1面上に配置された概ね平らなシート12を更に備えている。シート12は、一直線の平らな横方向で測定されたシート12の幅SWを有する。シート12の幅SWは、トウ繊維の幅TFWよりも大部分において小さい。シート12の幅SWとトウ繊維の幅TFWとの間の差は、掃除用品10の長手方向長さの大部分に沿って変化している。この外形は、本明細書では、「相異なる張り出しDO」と呼ばれる。
【0027】
もちろん、そのような相異なる張り出しDOは、シート12とトウ繊維14の層との間に合致があるところの長手方向長さ全体に該当し、これらの構成要素のうち、長手方向により短い方によって支配される。「大部分において」とは、シート12の幅SWが、前記シート12長手方向長さの少なくとも50%、75%、又は100%を通じて、トウ繊維の幅TFWよりも小さいことを意味する。しかし、長手方向長さの少なくとも10、20、30又は40%を通じて相異なる張り出しDOを有する掃除用品10もまた企図される。
【0028】
もちろん、トウ繊維14の複数の層の間に挟まれた1枚以上のシート12がある場合、又はその逆の場合、各シート12/トウ繊維層14は、シート12の幅SWとトウ繊維の幅TFWとの異なる組み合わせを提供することになる。そのような組み合わせはそれぞれ、それらの間にそれぞれの相異なる張り出しDOを提供することになる。相異なる張り出しDOは、所望により、同じでも異なっていてもよい。逆に、一実施形態では、掃除用品10は長手方向軸Lに対して対称であってもよい。その場合は、シート12の縁を越えるトウ繊維の相異なる張り出しDOは、長手方向の中央線の両側で等しくなる。
【0029】
図3を参照すると、所望により、1枚及び/又はそれ以上のシート12のそれぞれの長手方向縁を切り込んで凹状にして、凹状と呼ばれるシート12を提供することができる。トウ繊維層14の幅が一定である場合は、この構成は、横方向軸Tに接近するほど比較的大きくなり、いずれかの横方向縁に接近するほど比較的小さくなる相異なる張り出しDOを提供する。この構成は、掃除用品10の中央の近くで比較的大きい相異なる張り出しDOが、掃除用品10の中央の近くにトウ繊維の比較的大きい毛羽立ちを提供し得るという利点を提供する。
【0030】
図4を参照すると、所望により、1枚以上のシート12のそれぞれの長手方向縁を凹状にし、凹状と呼ばれるシート12を提供し得る。トウ繊維層14の幅が一定である場合は、この構成は、いずれかの横方向縁に接近するほど比較的大きくなり横方向軸Tに接近するほど比較的小さくなる相異なる張り出しDOを提供する。この構成では、掃除用品10の中央の近くの比較的小さい相異なる張り出しDOは、掃除用品の横方向縁22の近くにトウ繊維の比較的大きい毛羽立ちを提供し得るという利点を提供する。
【0031】
所望により、掃除用品10は、弓形で、横方向軸Tに接近するほど増す曲率半径を有する切り込みを有することができる。この構成は、生じさせられる毛羽立ての量の、より急速な変化をもたらす。140〜200mmの範囲の長さ及び90〜130mmの範囲の横幅を有する、本明細書に記載の実施形態の非限定的な例では、相異なる張り出しDOは、長手方向縁20に沿った様々な位置で、4〜60mm、5〜50mm、又は10〜30mmの範囲であり得る。
【0032】
また別の実施形態では、掃除用品10は、第1シート12外形を有するそれぞれの第1シート12長手方向縁20を有する第1シート12を備え得る。掃除用品10は、それぞれの第2シート12長手方向縁20及びそれぞれの第2シート12外形を有する第2シート12を更に備え得る。第1シート12長手方向縁20と第2シート12長手方向縁20が長手方向軸Lから外向きに同一に配置されないように、第1シート12外形と第2シート12外形とは異なる場合がある。この構成は、各シート12に関連付けられる相異なる張り出しDOが、相異なりかつ潜在的により大きい毛羽立ちをもたらす利益を提供する。
【0033】
更に別の実施形態では、シート12長手方向縁20は鋸歯状であり得る。鋸歯状縁は、同一の、類似の、及び/又は異なるピッチ及び/又は深さであり得る。鋸歯状縁は、のこぎり歯状、正方形、正弦波形状など、及び/又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0034】
図3を参照し、別の実施形態において、1枚以上のシート12長手方向縁20は、一直線かつ平行であり得る。逆に、トウ繊維層14長手方向縁20は、前記シート12長手方向縁20から相異なって張り出すように、曲線状、切り込み形状、凹状、凸状などであり得る。この構成は、規則的な形状のシート12を使用してトウ繊維層14の幅を変化させ、相異なる張り出しDOをもたらすことができるという利益を提供する。
【0035】
トウ繊維層14は、シート12に対して、上述のように凹状であってもよく、あるいは、同じく上述のように、シート12に対して凸状であってもよい。あるいは、トウ繊維層14の幅及びそれぞれの対応する相異なる張り出しDOは、いずれかの横方向縁に接近するほど単調に増大又は単調に減少してもよい。この工程は、長手方向の位置に応じて毛羽立ちが制御され得るという利益を提供する。逆に、トウ繊維をランダムに配置して、前記相異なる張り出しDOが前記長手方向の全長を通じてランダムに存在する掃除用品10を提供することができる。
【0036】
所望により、更に別の実施形態では、本発明による掃除用品10は、複数のデシテックス値を有するトウ繊維層14を備え得る。具体的には、非限定的な例では、単一のトウ繊維層14は、複数のデシテックス値を含み得る。加えて、あるいは代わりに、各トウ繊維層14は単一のデシテックス値を含んでもよいが、異なるトウ繊維層14は相互に異なるデシテックス値を有してもよい。
【0037】
デシテックス値は、約1〜約30の範囲であってよく、デシテックス値の比は1.5:1〜5:1の範囲であってよい。所望により、より高いデシテックス値を有するトウ繊維の層を、トウ繊維の最上層の比較的近くに配置することができ、より低いデシテックス値を有するトウ繊維の層を、掃除対象表面の比較的近くに配置することができる。
【0038】
また別の実施形態では、掃除用品10は、横方向で測定されたそれぞれの第1トウ繊維層14の長手方向長さを有する第1トウ繊維層14を備え得る。この掃除用品10は、更に、それぞれの第2トウ繊維層14の長手方向長さを有する第2トウ繊維層14を備え得る。第1トウ繊維層14の長手方向長さは第2トウ繊維層14の長手方向長さと異なり得る。
【0039】
図4を参照すると、本発明による代替シート12は、複数のスカロップを含む長手方向縁20を有し得る。スカロップは、示されるように異なる深さ及び幅であってもよく、又は同一の外形であってもよい。代わりに、又は加えて、そのようなシート12は、直線の側部20、22で作られた凹形または凸形を含み得る。これらの外形はいずれも、シート12に対して、トウ繊維層14の相異なる張り出しDOを提供する。
【0040】
代わりに、又は加えて、(1つ又は複数の)シート12横方向縁22は、横方向軸Tから可変の距離であり得る。横方向軸Tから一定の距離のトウ繊維層14とともに使用する場合、この構成は、掃除用品10の近位の横方向縁22に、及び特に遠位の横方向縁22に、シート12に対するトウ繊維層14の相異なる張り出しDOを提供する。
【0041】
図5を参照すると、本発明による代替トウ繊維層14は、複数の切り込みを含む長手方向縁20を有し得る。切り込みは、示されるように異なる深さ及び幅であってもよく、又は同一の外形であってもよい。代わりに又は加えて、そのようなトウ繊維層14は、正弦波形の長手方向縁20を含み得る。これらの外形はいずれも、シート12に対して、トウ繊維層14の相異なる張り出しDOを提供する。
【0042】
代わりに、又は加えて、トウ繊維層14の横方向縁22は、横方向軸Tから可変の距離であり得る。横方向軸Tから一定の距離のシート12とともに使用する場合、この構成は、(1つ又は複数の)シート12に対するトウ繊維層14の相異なる張り出しDOを掃除用品10の近位の横方向縁及び特に遠位の横方向縁にて提供する。
【0043】
所望により、本明細書に記載の様々な掃除用品10をa,としてパッケージ化し及び販売することができる。いくつかの掃除用品10は、前述の凹状シート12を有することができ、他の掃除用品10は凸状シート12を有することができる。この構成は、異なる仕事に対する異なる掃除用品10の選択肢を使用者が有する利益を提供する。
【0044】
図6を参照すると、更なる予測されない利益が製造中に生じる。凸状及び凹状のシート12は、入れ子にして、単一の、より大きい材料片から切断され得る。個々のシート12が、より大きい材料から切断されるので、入れ子のために無駄が最小限になる。
【0045】
当業者は、上述の実施形態のハイブリッド及び組み合わせが企図され、実行可能であることを認識するであろう。例えば、本明細書に記載した任意のシート12を本明細書に記載した任意のトウ繊維層14とともに使用することができる。単一の掃除用品10は、同様の若しく異なった外形を有する複数のシート12及び/又は、同様の若しくは異なった外形を有する複数のトウ繊維層14を備え得る。そのようなシート12及びトウ繊維層14を互いに隣り合わせに配置する、散在させる、又は任意の所望の層の構成で配置することができる。
【0046】
更に、本明細書に記載の任意の実施形態は、任意選択的に、相異なる張り出しDOを有するシート12及び/若しくはトウ繊維層14、開口部を有するシート12、弾力的に収縮されたシート12、並びに/又は弾力的に収縮された直立パネルを有する掃除用品10(それぞれ、同一出願人によるP&G事例12382号、12383号、12384号、及び12385号に示されている)の任意の1つ、任意の組み合わせ、又は全てを含むことができる。そのような変化を伴った実施形態の全ては、全てが2012年3月9日に出願された、これらの4つの前述の同一出願人による特許出願に記載されている。
【0047】
任意のシート12及び/又はトウ繊維の層14を、接着剤、ろう、ニュートンオイル若しくは非ニュートンオイル、又はそれらの組み合わせで、完全に又は部分的にコーティングして、掃除を改善すること、及び吸収された塵の保持を増すことができる。所望により、掃除用品10を、任意選択的に洗浄溶液、又は例えば外観若しくは殺菌などのための表面処理などの他の目的のために使用可能な他の溶液とともに使用してもよい。洗浄溶液を掃除用品10に予め適用して、予め湿らせた掃除用品10を作り出してもよく、あるいは、別個の容器内に収容して、掃除用品10及び/又は標的表面上に投与してもよい。洗浄溶液は、大半の水、及び少なくとも約0.5、2、5若しくは10%の固体、又は少なくとも約30%若しくは50%の水性溶媒、非水性溶液、若しくはその混合物を含むことができる(全て重量による)。
【0048】
所望により、掃除用品10は、更に、2009年12月4日に出願された同一出願人による米国特許公開第2011/0131746号(A1)に開示されているように、非平面構造物を含み得る。非平面構造物は、XY平面の外の、z方向に延在し得る。
【0049】
図1を再び参照すると、掃除用品10は、所望により更に、先行技術により周知のギャザーストリップ17を備え得る。本明細書で使用するとき、ギャザーストリップ17は、物品10の長手方向中心線から横方向に外向きに延在し、(横方向に測定された)長さが(長手方向に測定された)対応する幅よりも大きいカンチレバー要素を指す。製造によって意図されるように、ギャザーストリップ17はXY面内にあるが、使用前の毛羽立て、及び/又は標的表面に対する動きによって使用中に生じる変形によって変形してXY面外に出る場合がある。ギャザーストリップ17は、上述のシート12の1つに組み込まれてもよく、又は、別個のシート12上に配置されてもよい。
【0050】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0051】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てを本明細書中に参照により組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0052】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。