特許第6084994号(P6084994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6084994無線電力受信装置、端末機、及び無線電力送信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6084994
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】無線電力受信装置、端末機、及び無線電力送信装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20170213BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   H02J50/10
   H02J7/00 301D
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-13555(P2015-13555)
(22)【出願日】2015年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-142510(P2015-142510A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2015年1月27日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0010739
(32)【優先日】2014年1月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ヒュク
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジ ヨン
【審査官】 安井 雅史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−195545(JP,A)
【文献】 特開2007−204787(JP,A)
【文献】 特開平09−308146(JP,A)
【文献】 特開2006−353094(JP,A)
【文献】 特開2011−259513(JP,A)
【文献】 特開2014−011853(JP,A)
【文献】 特開2013−201415(JP,A)
【文献】 特開2012−095456(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/096569(WO,A1)
【文献】 特開2010−028969(JP,A)
【文献】 特開2009−022122(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0052923(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/031988(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 17/00−19/18
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
50/00−50/90
H04B 5/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信装置から無線で電力を受信する無線電力受信装置であって、
前記電力を受信するコイルと、
前記無線電力送信装置のセンサによって感知される磁束密度の強さを変化させる電磁鋼板と、
前記コイル及び前記電磁鋼板の上面に配置される遮蔽部材とを含み、
前記コイルは、空いている中央領域を有し、
前記電磁鋼板は、前記コイルの前記中央領域に配置され、前記無線電力送信装置の磁石の磁場によって前記磁束密度を発生させ、
前記コイル及び前記電磁鋼板は、粘着剤を介して前記遮蔽部材の背面に付着される無線電力受信装置。
【請求項2】
前記センサによって感知される前記磁束密度の強さの閾値は、32G以上である請求項1に記載の無線電力受信装置。
【請求項3】
前記電磁鋼板は、1%乃至5%のケイ素(Si)を含有する請求項1に記載の無線電力受信装置。
【請求項4】
前記電磁鋼板の直径は、8mm乃至12mmである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線電力受信装置。
【請求項5】
据置台から無線で電力を受信する端末機であって、
前記据置台に対向して配置されるカバーと、
前記電力を受信するために、前記カバー上に配置されるコイルと、
前記据置台のセンサによって感知される磁束密度の強さを変化させる電磁鋼板と、
前記コイル及び前記電磁鋼板の上面に配置される遮蔽部材とを含み、
前記電磁鋼板は、前記コイルによって囲まれ、前記コイルの中央領域に配置され、前記据置台の磁石の磁場によって前記磁束密度を発生させ、
前記コイル及び前記電磁鋼板は、粘着剤を介して前記遮蔽部材の背面に付着される端末機。
【請求項6】
前記センサによって感知される前記磁束密度の強さの閾値は、32G以上である請求項5に記載の端末機。
【請求項7】
前記電磁鋼板は、1%乃至5%のケイ素(Si)を含有する請求項5に記載の端末機。
【請求項8】
前記カバーの厚さは、0.5mm乃至0.8mmである請求項5に記載の端末機。
【請求項9】
前記電磁鋼板の直径は、8mm乃至12mmである請求項5乃至8のいずれか一項に記載の端末機。
【請求項10】
前記コイルは、巻線コイル構造、及びリードフレームコイル構造の1つである請求項5乃至8のいずれか一項に記載の端末機。
【請求項11】
電力ソースと、
前記電力ソースから電力を受信して、交流電力を生成する交流電力生成部と、
前記交流電力生成部で生成された交流電力を、無線電力受信装置に送信する送信コイルと、
前記送信コイルの中央領域に配置された磁石と、
前記無線電力受信装置の電磁鋼板によって変化する磁石の磁束密度を検出するセンサと、
前記磁束密度が予め定められた閾値以上である場合、前記交流電力が前記無線電力受信装置に送信されるように前記送信コイルを制御する制御部とを含む無線電力送信装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記センサから検出された前記磁石と、前記電磁鋼板の磁束密度の強さのそれぞれに対応する電気信号を受信する請求項11に記載の無線電力送信装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記電気信号に応答して、スリープモードからウェイクアップモードに切り換える請求項12に記載の無線電力送信装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記電気信号に応答して、前記交流電力生成部を制御する請求項12に記載の無線電力送信装置。
【請求項15】
前記センサによって検出される前記磁束密度の強さの閾値は、32G以上である請求項11に記載の無線電力送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力伝送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線で電気エネルギーを所望する機器に伝達する無線電力送信技術(wireless power transmission、又はwireless energy transfer)は、1800年代に入って、電磁気誘導原理を用いた電気モータや変圧器が使用されており、その後には、ラジオ波やレーザのような電磁波を放射して、電気エネルギーを伝送する方法が試みている。我々がよく使っている電動歯ブラシや一部の無線カミソリも、電磁気誘導原理で充電される。電磁気誘導とは、導体の周辺で磁場を変化させたとき、電圧が誘導されて、電流が流れる現象をいう。電磁気誘導方式は、小型機器を中心に商用化が急速に進行しているが、電力の伝送距離が短いという問題があった。
【0003】
現在まで、無線方式によるエネルギー伝達方式は、電磁気誘導の他に、共振及び短波長無線周波数を用いた遠距離送信技術などがある。
【0004】
近年は、このような無線電力伝送技術のうち、共振を用いたエネルギー伝達方式が多く使用されている。
【0005】
共振を用いた無線電力伝送システムは、送信側と受信側のコイルを通じて、電力が無線で伝達されるため、ユーザは、ポータブル機器のような電子機器を容易に充電することができる。
【0006】
送信側によって感知するように、受信側に磁石が備えられる。送信側は、受信側の磁石の磁場を感知することで、受信側を充電するか否かを決める。
【0007】
しかし、従来の受信側の磁石は、希土類材質から形成され、このような希土類材質の磁石は高価であるので、製造コストが上昇するという問題がある。
【0008】
また、従来の受信側の磁石は、標準で要求する配置規格を満たしていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、コストを低減した無線電力受信装置、及び端末機を提供することである。
【0010】
また、本発明は、標準で要求する規格を満たすように配置された磁石を含む無線電力受信装置、及び端末機を提供することである。
【0011】
更に、本発明は、後面カバー(bottom cover)の厚さが厚くても、無線電力送信装置、又は据置台によって十分感知できるように、磁石の配置が最適化した無線電力受信装置、及び端末機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明において、無線電力受信装置は、電力を受信するコイルと、無線電力送信装置のセンサによって感知される磁束密度の強さを発生させる磁石とを含む。前記コイルは、空いている中央領域を有し、前記磁石は、前記コイルの前記中央領域に配置される。また、前記磁石は、電磁鋼板である。
【0013】
また、本発明において、端末機は、据置台に対向して配置されるカバーと、電力を受信するために、前記カバー上に配置されるコイルと、前記据置台のセンサによって感知される磁束密度の強さを発生させる磁石とを含む。前記磁石は、前記コイルによって囲まれ、前記コイルの中央領域に配置される。また、前記磁石は、電磁鋼板である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、下記のような効果を奏する。
【0015】
第1に、端末機に備えられる磁石として、コストの安い電磁鋼板が用いられるので、製品コストを低減することができる。
【0016】
第2に、端末機に備えられる磁石の配置を最適化することで、磁石が規格で定義している磁束密度の強さを有することができる。
【0017】
第3に、端末機に備えられる磁石の径と、後面カバーの厚さを最適化することで、据置台による端末機の近接可否に対する判断エラー可能性を最小化することができる。
【0018】
一方、その他の様々な効果は、後述する実施例による詳細な説明において、直接又は暗示的に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による無線電力伝送システムを説明するための図である。
図2】本発明による送信誘導コイルの等価回路図である。
図3】本発明による電力ソースと無線電力送信装置の等価回路図である。
図4】本発明による無線電力受信装置の等価回路図である。
図5】本発明による無線電力伝送システムを示す斜視図である。
図6図5の端末機の後面を示す斜視図である。
図7】本発明による無線電力伝送システムを示す断面図である。
図8】本発明による無線電力伝送システムに対するブロック図である。
図9】本発明による無線電力伝送システムの動作方法を説明するフローチャートである。
図10】据置台と端末機の間の距離によって、ホールセンサで検出された電圧信号を示す図である。
図11】巻線コイル構造において、第2の磁石が配置される状態を示す図である。
図12】リードフレームコイル構造において、第2の磁石が配置される状態を示す図である。
図13】リードフレームコイル構造における第2の磁石の配置による磁束密度の強さを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の説明において、各構成要素の“上又は下の”に形成されることと記載される場合、上又は下は、2つの構成要素が互いに直接接触されるか、1以上の他の構成要素が2つの構成要素の間に配置形成されることを含む。また、“上又は下の”と表現される場合、1つの構成要素を基準に、上側方向だけでなく、下側方向の意味も含む。
【0021】
図1は、本発明による無線電力伝送システムを説明するための図である。
【0022】
図1に示しているように、本発明による無線電力伝送システムは、電力ソース100と、無線電力送信装置200と、無線電力受信装置300と、負荷端400とを含む。
本発明において、電力ソース100は、無線電力送信装置200に含まれるが、これに限定されない。
【0023】
無線電力送信装置200は、送信誘導コイル210と、送信共振コイル220とを含む。
【0024】
無線電力受信装置300は、受信共振コイル310と、受信誘導コイル320と、整流部330とを含む。
【0025】
電力ソース100の両端は、送信誘導コイル210の両端と連結される。
【0026】
送信共振コイル220は、送信誘導コイル210と一定の距離を隔てて配置される。
【0027】
受信共振コイル310は、受信誘導コイル320と一定の距離を隔てて配置される。
【0028】
受信誘導コイル320の両端は、整流部330の両端と連結され、負荷端400は、整流部330の両端と連結される。また、負荷端400は、無線電力受信装置300に含まれる。
【0029】
電力ソース100で生成された電力は、無線電力送信装置200に伝達され、無線電力送信装置200に伝達された電力は、共振現象により、無線電力送信装置200と共振を行う、すなわち、共振周波数値が同じ無線電力受信装置300に伝達される。
【0030】
以下では、より具体的に、電力伝送過程について説明する。
【0031】
電力ソース100は、所定の周波数を有する交流電力を生成して、無線電力送信装置200に伝達する。
【0032】
送信誘導コイル210と送信共振コイル220とは、誘導結合されている。すなわち、送信誘導コイル210は、電力ソース100から供給された交流電力で交流電流が発生され、このような交流電流による電磁気誘導によって、物理的に離隔している送信共振コイル220にも、交流電流が誘導される。
【0033】
その後、送信共振コイル220に伝達された電力は、共振によって、無線電力送信装置200と、周波数共振方式を用いて同一の共振周波数を有する無線電力受信装置300に伝達される。
【0034】
インピーダンス整合された2つのLC回路の間は、共振によって電力が伝送される。このような共振による電力伝送は、電磁気誘導方式による電力伝送よりも遠い距離まで、更に高い伝送効率で電力伝達が可能である。
【0035】
受信共振コイル310は、送信共振コイル220から、周波数共振方式を用いて伝達された電力を受信することができる。受信された電力によって、受信共振コイル310には交流電流が流れ、受信共振コイル310に伝達された電力は、電磁気誘導によって、受信共振コイル310と誘導結合された受信誘導コイル320に伝達されることができる。受信誘導コイル320に伝達された電力は、整流部330で整流され、負荷端400に伝達される。
【0036】
本発明において、送信誘導コイル210、送信共振コイル220、受信共振コイル310、受信誘導コイル320は、スパイラル(spiral)、又はヘリカル(helical)構造のいずれかの構造を有することができるが、これに限定されない。
【0037】
送信共振コイル220と受信共振コイル310とは、共振周波数で電力が伝達されるように、共振結合される。
【0038】
送信共振コイル220と受信共振コイル310の共振結合によって、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300の間の電力伝送効率は、大いに向上される。
【0039】
以上の無線電力伝送システムにおいては、共振周波数方式による電力伝達を説明した。
【0040】
本発明は、前記のような共振周波数方式の他にも、電磁気誘導方式による電力伝達にも適用することができる。
【0041】
すなわち、本発明の実施例において、無線電力伝送システムが、電磁気誘導を基に電力伝送を行う場合、無線電力送信装置200に含まれた送信共振コイル220と、無線電力受信装置300に含まれた受信共振コイル310とは、省略することができる。
【0042】
無線電力伝送において、品質指数(Quality Factor)と結合係数(Coupling Coefficient)は、重要な意味を有する。すなわち、電力伝送効率は、品質指数及び結合係数のそれぞれと比例関係を有する。そこで、品質指数及び結合係数の少なくともいずれか1つの値が大きくなるほど、電力伝送効率が向上する。
【0043】
品質指数とは、無線電力送信装置200、又は無線電力受信装置300の付近に蓄積可能なエネルギーの指標をいう。
【0044】
品質指数は、動作周波数(w)、コイルの形状、寸法、素材などによって、変化する。品質指数は、以下の式1で示される。
【0045】
[式1]Q=w*L/R
Lは、コイルのインダクタンスであり、Rは、コイル自体で発生する電力損失量に該当する抵抗をいう。
【0046】
品質指数は、0から無限大の値を有し、品質指数が大きいほど、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300との間の電力伝送効率が向上する。
【0047】
結合係数とは、送信側コイルと受信側コイルの間の磁気的結合の程度をいい、0から1の範囲を有する。
【0048】
結合係数は、送信側コイルと受信側コイルの相対的な位置や距離などによって、変化する。
【0049】
図2は、本発明による送信誘導コイルの等価回路図である。
【0050】
図2に示しているように、送信誘導コイル210は、インダクタ(L1)と、キャパシタ(C1)とから構成され、これらによって、適切なインダクタンスとキャパシタンス値を有する回路で構成することができる。
【0051】
送信誘導コイル210は、インダクタ(L1)の両端が、キャパシタ(C1)の両端に連結された等価回路で構成される。すなわち、送信誘導コイル210は、インダクタ(L1)とキャパシタ(C1)とが並列に連結された等価回路で構成される。
【0052】
キャパシタ(C1)は、可変キャパシタであり、キャパシタ(C1)のキャパシタンスが調節されることによって、インピーダンス整合が取れる。送信共振コイル220、受信共振コイル310、受信誘導コイル320の等価回路も、図2に示しているものと同一・類似しているが、これに限定されない。
【0053】
図3は、本発明による電力ソースと無線電力送信装置の等価回路図である。
【0054】
図3に示しているように、送信誘導コイル210と、送信共振コイル220とはそれぞれ、インダクタンス値とキャパシタンス値を有するインダクタ(L1、L2)と、キャパシタ(C1、C2)とから構成される。
【0055】
図4は、本発明による無線電力受信装置の等価回路図である。
【0056】
図4に示しているように、受信共振コイル310と受信誘導コイル320とはそれぞれ、インダクタンス値とキャパシタンス値を有するインダクタ(L3、L4)と、キャパシタ(C3、C4)とから構成される。
【0057】
整流部330は、受信誘導コイル320から伝達された交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力を、負荷端400に伝達する。
【0058】
具体的に、整流部330は、示していないが、整流器と平滑回路を含むことができる。本発明において、整流器は、シリコン整流器を用い、図4に示しているように、ダイオード(D1)で等価化することができるが、これに限定されない。
【0059】
整流器は、受信誘導コイル320から伝達された交流電力を、直流電力に変換することができる。
【0060】
平滑回路は、整流器で変換された直流電力に含まれた交流成分を除去して、滑らかな直流電力を出力することができる。本発明における平滑回路は、図4に示してるように、整流キャパシタ(C5)が用いられるが、これに限定する必要はない。
【0061】
整流部330から伝達された直流電力は、直流電圧や直流電流であるが、これに限定されない。
【0062】
負荷端400は、直流電力を必要とする任意の充電池又は装置である。例えば、負荷端400は、バッテリーを意味する。
【0063】
無線電力受信装置300は、携帯電話、ノート型パソコン、マウスなど、電力が必要な電子機器に装着される。これにより、受信共振コイル310、及び受信誘導コイル320は、電子機器の形態に適した形状を有する。
【0064】
無線電力送信装置200は、無線電力受信装置300と、インバンド(In band)、又はアウトオブバンド(out of band)通信を用いて、情報を交換することができる。
【0065】
インバンド(In band)通信とは、無線電力伝送に用いられる周波数を有する信号を用いて、無線電力送信装置200と無線電力受信装置300の間の情報を交換する通信をいう。このために、無線電力受信装置300は、スイッチを更に含むことができ、スイッチの切換動作によって、無線電力送信装置200から送信される電力を受信するか、受信しないことができる。これにより、無線電力送信装置200は、無線電力送信装置200で消耗する電力量を検出することで、無線電力受信装置300に含まれたスイッチのオン・オフ信号を認識することができる。
【0066】
具体的に、無線電力受信装置300は、抵抗素子とスイッチを用いて、抵抗で吸収する電力量を変化することで、無線電力送信装置200で消耗する電力量を変更することができる。無線電力送信装置200は、消耗する電力の変化を感知して、負荷端400の状態情報を獲得することができる。スイッチと抵抗素子は、直列に連結される。本実施例における負荷端400の状態情報は、負荷端400の現在充電量、充電量推移に関する情報を含む。負荷端400は、無線電力受信装置300に含まれることができる。
【0067】
より具体的に、スイッチが開放すると、抵抗素子が吸収する電力は0となり、無線電力送信装置200で消耗する電力も、減少する。
【0068】
スイッチが短絡すると、抵抗素子が吸収する電力は0よりも大きくなり、無線電力送信装置200で消耗する電力は、増加する。無線電力受信装置において、このような動作を繰り返すと、無線電力送信装置200は、無線電力送信装置200で消耗する電力を検出することで、無線電力受信装置300とデジタル通信を行うことができる。
【0069】
無線電力送信装置200は、前記のような動作によって、負荷端400の状態情報を受信し、それに適した電力を送信することができる。
【0070】
これとは逆に、無線電力送信装置200側に抵抗素子とスイッチを備えて、無線電力送信装置200の状態情報を無線電力受信装置300に伝送することもできる。本実施例において、無線電力送信装置200の状態情報は、無線電力送信装置200が伝送可能な最大供給電力量、無線電力送信装置200が電力を提供している無線電力受信装置300の個数、及び無線電力送信装置200の可用電力量に関する情報を含む。
【0071】
次に、アウトオブバンド通信について、説明する。
【0072】
アウトオブバンド通信とは、共振周波数帯域ではない別の周波数帯域を用いて、電力伝送に必要な情報を交換する通信をいう。無線電力送信装置200及び無線電力受信装置300のそれぞれに、アウトオブバンド通信モジュールが装着されて、両者の間に電力伝送に必要な情報を交換する。アウトオブバンド通信モジュールは、電力ソース100に装着されることもできるが、これに限定されない。本実施例において、アウトオブバンド通信モジュールは、ブルートゥース(BlueTooth(登録商標))、ジグビー(Zigbee(登録商標))、無線ラン、NFC(Near Field Communication)のような近距離通信方式を使用することができるが、これに限定されない。
【0073】
図5は、本発明による無線電力伝送システムを示す斜視図である。
【0074】
図5に示しているように、本発明による無線電力伝送システムは、据置台10と、端末機20とを含む。
【0075】
据置台10は、図1に示している電力ソース、及び無線電力送信装置を含むことができる。すなわち、電力ソースと無線電力送信装置が、据置台10に内蔵される。据置台10は、上面視において、円形、楕円形、正方形、又は長方形を有するが、これに限定されない。
【0076】
据置台10の上面は、端末機20の背面と面接触する。据置台10の上面のうち、少なくとも一部領域の形状は、端末機20の背面の形状と同一であるが、これに限定されない。
【0077】
据置台10に内蔵した無線電力送信装置の送信コイル(図1の210、220)は、据置台10の上面と面対向するように配置される。送信コイル210、220の電力が均一に端末機20に伝送されるように、送信コイル210、220は、据置台10の上面と平行に配置される。
【0078】
端末機20は、充電のためのバッテリー36を含み、バッテリー36に充電された電源を用いて、所定の電子的な機能が行えるあらゆる電子機器を称する。例えば、端末機20は、スマートフォン又はタブレットPCのようなモバイル機器や、テレビ受像機、冷蔵庫、又は洗濯機のような家電機器を含むことができる。
【0079】
端末機20は、図1に示している無線電力受信装置、及び負荷端を含む。すなわち、無線電力受信装置及び負荷端は、端末機20に内蔵される。
【0080】
充電のために、端末機20が、据置台10の上面上に置かれる。端末機20が置かれると、端末機20の前面カバー22が上に向け、端末機20の後面カバー24が、据置台10の上面と接触する。そこで、据置台10から無線で電力が提供されて、負荷端に充電される。
【0081】
図6に示しているように、据置台10の上面に対応する端末機20の背面に隣接して、受信コイル32、及び磁石30が配置される。受信コイル32も、据置台10の送信コイル210、220、据置台10の上面、及び無線電力受信装置の後面カバー24と面対向するように配置される。特に、端末機20の受信コイル32が、据置台10の送信コイル210、220と平行に位置されると、据置台10の送信コイル210、220から、端末機20の受信コイル32に伝達される電力の伝達効率を、極大化することができる。
【0082】
図7を参照して、本発明による無線電力伝送システムの構造を、より詳しく説明する。
【0083】
図7は、本発明による無線電力伝送システムを示す断面図である。
【0084】
図7に示しているように、据置台10は、送信コイル14と、第1の磁石12とを含む。送信コイル14及び第1の磁石12は、据置台10の上面に隣接配置される。送信コイル14と第1の磁石12とは、同一面上に配置される。
【0085】
送信コイル14は、図1に示している送信誘導コイル及び/又は送信共振コイルである。例えば、共振方式の場合、送信誘導コイルと送信共振コイルとの両方が用いられることに対して、電磁気誘導方式の場合、送信誘導コイルだけが用いられる。
【0086】
送信コイル14は、第1の磁石12を囲むように配置される。送信コイル14は、多数の巻き回数(number of turns)を有し、隣接する送信コイル14の間は離隔することができるが、これに限定されない。送信コイル14は、仮想の水平面に平行に配置される。このような構造を有する送信コイル14の中央領域は、空いている。
【0087】
第1の磁石12は、送信コイル14の中央領域に配置される。第1の磁石12の厚さは、送信コイル14の厚さと同じであるか、これよりも大きいか小さいことがある。第1の磁石12に求められる磁束密度の強さと、第1の磁石の占有面積によって、第1の磁石12の厚さと、第1の磁石12の面積とは、変化する。
【0088】
端末機20は、遮蔽部材26と、受信コイル32と、第2の磁石30とを含む。受信コイル32及び第2の磁石30は、同一面上に配置される。
【0089】
受信コイル32は、図1に示している受信共振コイル及び/又は受信誘導コイルである。例えば、共振方式の場合、受信共振コイル及び受信誘導コイルの両方が用いられることに対して、電磁気誘導方式の場合、受信誘導コイルだけが用いられる。
【0090】
受信コイル32は、第2の磁石30を囲むように配置される。受信コイル32は、多数の巻き回数を有し、隣接する受信コイル32の間は離隔することができる。受信コイル32は、仮想の水平面に平行に配置される。このような構造を有する受信コイル32の中央領域は、空いている。
【0091】
第2の磁石30は、受信コイル32の中央領域に配置される。受信コイル32の中央領域は、送信コイル14の中央領域よりも小さいが、これに限定されない。第2の磁石30の厚さは、受信コイル32の厚さと同じであるか、これよりも大きいか小さいことがある。第2の磁石30に求められる磁束密度の強さと、第2の磁石30の占有面積とによって、第2の磁石30の厚さと、第2の磁石30の面積とは、変化する。
【0092】
第2の磁石30は、端末機20の近接・接触の可否を、据置台10によって感知するようにする。
【0093】
このような感知のために、据置台10は、ホールセンサ16を更に含む。ホールセンサ16は、据置台10の上面と第1の磁石12との間に配置されるが、これに限定されない。ホールセンサ16は、第1の磁石12よりも、据置台10の上面に隣接配置される。ホールセンサ16は、据置台10の第1の磁石12と、端末機20の第2の磁石30との間の据置台10に配置される。ホールセンサ16は、端末機20がない場合は、第1の磁石12の磁束密度の強さだけを感知する。しかし、端末機20が据置台10に近づく場合、ホールセンサ16は、第1の磁石12の磁束密度の強さだけでなく、第2の磁石30の磁束密度の強さも感知する。そこで、据置台10は、端末機20がない場合に感知される第1の磁石12の磁束密度の強さを基準に、端末機20が据置台10上に置かれた場合に感知される第1の磁石12の磁束密度の強さ、及び第2の磁石30の磁束密度の強さを感知して、その磁束密度の変化幅(α)が閾値以上である場合、端末機20が、充電のために、据置台10に置かれたことと判断して、端末機20に対する充電が行われる。
【0094】
このために、第2の磁石30は、閾値以上の磁束密度の変化幅(α)を誘発する物質からなることができる。例えば、閾値は、32Gであり、標準で要求する閾値は、40Gである。
【0095】
第2の磁石30は、電磁鋼板である。例えば、電磁鋼板は、少なくとも1%乃至5%のケイ素(Si)を含有するが、これに限定されない。標準や顧客社で要求する閾値以上の磁束密度の変化幅(α)が誘発するように、第2の磁石30のケイ素の含有量は、変化する。
【0096】
例えば、受信コイル32と第2の磁石30は、粘着剤28を用いて、遮蔽部材26の背面に取り付けられる。遮蔽部材26上には、電力ソース、交流電力生成部、及び制御部を含む電子部品が実装された印刷回路基板が配置される。
【0097】
遮蔽部材26は、コイルによって誘導された磁場を遮蔽することで、磁場が電子部品に影響しないようにして、電子部品の誤動作を防止する。
【0098】
図8は、本発明による無線電力伝送システムに対するブロック図である。
【0099】
図5乃至図8を参照すると、無線電力伝送システムは、据置台10と、端末機20とを含む。
【0100】
据置台10と端末機20の外観形状については、先に説明しているので、以下では、据置台10及び端末機20に内蔵された回路構成について、説明することにする。
【0101】
据置台10は、電力ソース18、交流電力生成部19と、制御部17と、送信コイル14と、第1の磁石12と、ホールセンサ16とを含む。
【0102】
電力ソースは、図1における電力ソースであり、送信コイル14は、図1における送信誘導コイル及び/又は送信共振コイルである。
【0103】
電力ソースは、交流電力、又は直流電力を生成する。電力ソースは、交流電力を第1の直流電力に変換し、変換された第1の直流電力を、第2の直流電力に変換することができる。
【0104】
交流電力生成部19は、制御部17の制御の下に、電力ソースの電力を交流電力に変換することができる。交流電力生成部19で変換された交流電力が、送信コイル14を通じて端末機20に送信される。
【0105】
制御部17は、ホールセンサ16から検出された磁束密度の強さ(B1、B2)の変化を基に、交流電力生成部19を制御することができる。
【0106】
図10を参照して、電圧信号検出について説明する。
【0107】
図10に示しているように、ホールセンサ16は、据置台10に含まれた第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さを検出することができる。ホールセンサ16は、端末機20が据置台10に置かれた場合、端末機20に含まれた第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さを検出することができる。図10では、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが、第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さよりも小さく示されているが、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが、第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さと同一であるか、第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さよりも大きいことがある。
【0108】
ホールセンサ16は、第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さ、及び第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さのそれぞれを電気信号に変換して、制御部17に提供することができる。例えば、電気信号は、電圧信号であるが、これに限定されない。例えば、1Gの磁束密度を、5mVの電圧信号に変換することができる。例えば、第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さが、10Gである場合、ホールセンサ16は、第1の磁石12で検出された10Gの磁束密度(B1)の強さを、50mVの電圧信号に変換し、変換された電圧信号を制御部17に提供することができる。
【0109】
制御部17は、端末機20がない場合、すなわち、ホールセンサ16によって、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが感知されない距離以上に位置しているときは、第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さに対する第1の電圧信号(S1)が検出される。
【0110】
端末機20の第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが、据置台10のホールセンサ16によって感知可能な感知可能区間(P)内に移動すると、ホールセンサ16から、第1の磁石12の磁束密度(B1)だけでなく、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが合わせられた第2の電圧信号(S2)が検出される。
【0111】
第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが感知されない距離と、感知可能区間(P)の間の境界地点を、感知不能臨界地点(Q)と称する。端末機20と据置台10との間の距離が、感知不能臨界地点(Q)よりも大きくなると、ホールセンサ16によって、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが感知されなくなる。端末機20と据置台10との間の距離が、感知不能臨界地点(Q)よりも小さくなると、すなわち、感知可能区間(P)内に収めると、ホールセンサ16によって、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが感知される。
【0112】
第2の電圧信号(S2)は、端末機20が据置台10に近づくほど、線形的に増加する。
【0113】
第2の電圧信号(S2)は、一定の地点からは飽和して、一定のレベルを有する。一定の地点から、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さが最大となる。第2の磁石30の磁束密度(B2)は、第2の磁石30から一定の距離まで最大に維持され、その距離以上からは、逐次減少する。
【0114】
そこで、端末機20が据置台10に近接して、磁束密度(B2)の強さが最大の領域に進入すると、この領域で検出されたホールセンサ16の第2の電圧信号(S2)は、更に増加することなく、一定のレベルに維持される。すなわち、端末機20が据置台10に置かれていても、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さは、最大以上に増加しないため、このような第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さと、第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さとが合わせられた第2の電圧信号(S2)は、一定のレベルに維持することができる。
【0115】
端末機20が据置台10に置かれると、すなわち、端末機20と据置台10との間の距離が、0である場合、第1の磁石12の磁束密度(B1)の強さと、第2の磁石30の磁束密度(B2)の強さに対する第2の電圧信号(S2)が、一定のレベルで検出される。このような場合、第2の電圧信号(S2)は、第1の電圧信号(S1)よりも大きい。
【0116】
第2の電圧信号(S2)と、第1の電圧信号(S1)との差は、変化幅(α)で定義される。
【0117】
例えば、このように、第2の電圧信号(S2)と第1の電圧信号(S1)の変化幅(α)が、既設定された閾値よりも大きいと、制御部17は、端末機20が据置台10に置かれたことと判断し、交流電力生成部19を制御して、交流電力が送信コイル14を通じて送信されるように制御する。
【0118】
端末機20は、受信コイル32と、整流部34と、バッテリー36と、第2の磁石30とを含む。
【0119】
受信コイル32は、図1における受信共振コイル及び/又は受信誘導コイルであり、バッテリー36は、図1における負荷端である。
【0120】
受信コイル32は、据置台10の送信コイル14から提供された交流電力を受信する。
【0121】
整流部34は、受信コイル32から提供された交流電力を平滑化し、ノイズを除去した直流電力に変換する。
【0122】
端末機20は、整流部34とバッテリー36の間に連結され、整流部34で変換された直流電力を、バッテリー36で要求する定格電力又は定格電圧に変換するDC-DC変換部(図示せず)を更に含む。
【0123】
端末機20は、インバンド通信又はアウトオブバンド通信を用いて、据置台10と通信を行うことで、据置台10に、端末機20に要求される電力の強さの増減や、端末機20の現在充電状態の情報などを提供することができる。
【0124】
図示していないが、端末機20は、受信される交流電力やバッテリー36の状態を感知して、バッテリー36に過電力が供給されないように管理する管理モジュールと、全体として制御を行う制御部とを更に含むことができる。
【0125】
図9は、本発明による無線電力伝送システムの動作方法を説明するフローチャートである。
【0126】
図8及び図9を参照すると、据置台10の制御部17は、端末機20が据置台10に置かれない場合に、何らの交流電力も放射せず、内部の必須構成要素、例えば、ホールセンサ16だけを駆動して、電流消費を最小化するスリープモード(sleep mode)として運用する。
【0127】
制御部17は、ホールセンサ16の駆動によって、ホールセンサ16から、第1の磁石12の磁束密度に対する第1の電圧信号(S1)を提供される。
【0128】
制御部17は、磁束密度の変化があるか否かを確認する。すなわち、制御部17は、ホールセンサ16から提供される第1の電圧信号(S1)よりも大きい第2の電圧信号(S2)が提供されるかを確認する。もし、端末機20が据置台10に近づくことにおいて、端末機20が近づくほど、ホールセンサ16から検出された第2の電圧信号(S2)は増加することがある。第2の電圧信号(S2)は、第1の磁石12の磁束密度の強さ(B1)だけでなく、第2の磁石30の磁束密度の強さ(B2)も反映した信号である。例えば、第2の電圧信号(S2)は、第1の磁石12の磁束密度の強さ(B1)と、第2の磁石30の磁束密度の強さ(B2)との和から変換することができるが、これに限定されない。
【0129】
第2の電圧信号(S2)は、第1の電圧信号(S1)から増加することがある。そこで、第2の電圧信号(S2)と第1の電圧信号(S1)の間の変化幅(α)は、図10に示しているように、端末機20が据置台10に近づくほど、大きくなる。
【0130】
制御部17は、第2の電圧信号(S2)と第1の電圧信号(S1)の間の変化幅(α)が、閾値以上であるか否かを確認する。
【0131】
その結果、その変化幅(α)が閾値以上の場合、制御部17は、スリープモードをウェイクアップモード(wake-up mode)に切り換える。
【0132】
ウェイクアップモードは、電力を端末機20に送信するために活性化する過程である。
【0133】
ウェイクアップモードに切り換わると、制御部17は、無線充電を行う。すなわち、制御部17の制御の下に、電力ソースから電力が提供される。交流電力生成部19は、電力ソースの電力から交流電力を生成し、生成された交流電力は、送信コイル14を通じて端末機20に送信される。
【0134】
以下では、本発明による端末機20に含まれた第2の磁石30の最適の配置設計構造について、説明することにする。
【0135】
端末機20に含まれた受信コイル32は、巻線(winding)コイル構造(図11)と、リードフレームコイル構造(図12)とに区分される。
【0136】
巻線コイル32Aとリードフレームコイル32Bとの大差は、パッドの存在有無にある。すなわち、巻線コイルは、パッドが存在しないことに対して、リードフレームコイル32Bは、パッド45、47が存在する。
【0137】
巻線コイル32Aは、一端41から開始して、既設定された巻数分だけ、逐次径が小さくなるように巻装した後、他端43が複数巻数のコイルを横切って、巻線コイル32Aの一端41の近くに引き出すことができる。
【0138】
リードフレームコイル32Bにおいて、一端41は、第1のパッド45に連結され、他端43は、第2のパッド47に連結される。リードフレームコイル32Bの一端41から開始して、既設定された巻数分だけ、逐次径が小さくなるように巻装した後、他端43に連結することができる。このような場合、他端43に連結した第2のパッド47は、複数巻数のコイル内に配置される。
【0139】
上述したように、巻線コイル32Aとリードフレームコイル32Bとは、その中央領域は、空いている空間を有する。リードフレームコイル32Bの他端43に連結された第2のパッド47は、中央領域内に配置される。
【0140】
巻線コイル32Aの中央領域の径をD3とし、リードフレームコイル32Bの中央領域の径をD4とする。
【0141】
巻線コイル32Aの中央領域には、パッドが存在しないので、第2の磁石30Aは、中央領域の径(D3)にほぼ近接した径(D1)を有する。
【0142】
これに対して、リードフレームコイル32Bの第2のパッド47が中央領域に配置されるので、第2の磁石30Bは、中央領域の径(D4)よりも小さい径(D2)を有する。
【0143】
そこで、巻線コイル32Aの中央領域に配置される第2の磁石30Aの径(D1)が、リードフレームコイル32Bの中央領域の第2の磁石30Bの径(D2)よりも大きい。
【0144】
図13は、リードフレームコイル構造における第2の磁石の配置による磁束密度の強さを示す図である。
【0145】
実験のために、下記表1のようなサンプルを用いている。第2の磁石30Bの厚さは、150mmとして固定した。
【0146】
【表1】
【0147】
ここで、可用面積とは、第2の磁石30Bが配置される面積であり、中央領域にパッドが配置されるか否かによって、変化する。リードフレーム構造では、中央領域に第2のパッド47が存在することに対して、巻線フレーム構造では、中央領域に第2のパッド47が存在しないので、リードフレーム構造における可用面積が、巻線コイル32A構造における可用面積よりも小さくなる。このような場合、同一径の第2の磁石30Bが配置される場合、可用面積対比第2の磁石30Bの面積の割合は、リードフレームコイル構造が、巻線コイル32A構造より大きくなる。
【0148】
図13において、X1〜X5は、第2の磁石30Bの径を示し、X1は、第2の磁石30Bの径が8mm、X2は、第2の磁石30Bの径が9mmである。また、X3、X4、及びX5のそれぞれは、第2の磁石30Bの径が、10mm、11mm、及び12mmである。
【0149】
横軸は、端末機20の後面カバー24の厚さを示し、縦軸は、第2の磁石30Bの磁束密度の強さ(B2)から変換した電圧値を示す。電圧値は、磁束密度の強さ(B2)に、5を乗じて算出することができる。例えば、第2の磁石30Bの磁束密度の強さ(B2)が30Gの場合、電圧値は、120mVである。
【0150】
図13におけるA1は、標準規格で要求する望ましい電圧値であって、200mVであり、A2は、標準規格で要求する推奨電圧値であって、160mVである。200mVの望ましい電圧値を得るために、第2の磁石30Bは、40Gの磁束密度の強さ(B2)を有するべきであり、160mVの推奨電圧値を得るために、第2の磁石30Bは、32Gの磁束密度の強さ(B2)を有するべきである。推奨電圧値は、端末機のような製品に適用しても、不良が生じないため、ユーザが安心して端末機を使用することができる最小値である。望ましい電圧値は、最上の品質を保証することができる最大値である。
【0151】
標準規格を満たすためには、推奨電圧値(160mV)以上となるように、第2の磁石30Bの配置構造を有する必要がある。
【0152】
図13に示しているように、後面カバー24の厚さは、0.5mm乃至0.8mmでいずれも、第2の磁石30Bの磁束密度の強さ(B2)は、160mVを超えている。
【0153】
合わせて、後面カバー24の厚さが0.5mm乃至0.7mmの場合、第2の磁石30の径が8mm乃至12mmでいずれも、第2の磁石30Bの磁束密度の強さ(B2)は、160mVを超えている。
【0154】
後面カバー24の厚さが0.8mmの場合、第2の磁石30Bの径が9mm乃至12mmでいずれも、第2の磁石30Bの磁束密度の強さ(B2)が、160mVを超えている。但し、第2の磁石30Bの径が8mmの場合、第2の磁石30Bの磁束密度の強さ(B2)は、160mV以下となっている。
【0155】
第2の磁石30Bの径が、12mm以上になると、第2の磁石30Bの磁束密度の強さ(B2)は、より大きくなる。しかし、第2の磁石30Bの径が大きくなればなるほど、電力受信効率が低下することがある。すなわち、据置台10から送信された電力が効率よく受信されることで、電力受信効率が向上する。しかし、第2の磁石30Bの径が大きくなると磁束密度は大きくなるが、このように大きくなる磁束密度は、むしろ、端末機20の受信コイル32Bによる電流生成を妨げることになり、端末機20で据置台10の電力を効率よく受信できなくなることがある。
【0156】
そこで、端末機20の電力受信効率が保障されると、第2の磁石30Bの径が12mm以上となり得る。このような場合でも、第2の磁石30Bの最大径は、可用面積によって求めた直径を超えることはできない。例えば、可用面積が130mmであるとすると、可用面積は、3.14rあるので、半径(r)は、6.43mmとなり、可用面積の径(D)は、2rであるので、12.86mmとなり得る。
【0157】
もし、端末機20の電力受信効率が保障されないと、第2の磁石30Bの径は、12mm以下に設定することが望ましい。
【0158】
一方、表2は、巻線コイル構造における第2の磁石30Aの配置規格を示している。
【0159】
【表2】
【0160】
表2に示しているように、巻線コイル構造における第2の磁石30Aの配置規格は、リードフレームコイル構造における第2の磁石30Bの配置規格と同一である。但し、前述したように、巻線コイル32Aには、パッドが存在しないので、巻線コイル32Aの中央領域にパッドがない。これによって、巻線コイル32Aの中央領域は、専ら、第2の磁石30Aのための配置空間として活用することができる。そこで、巻線コイル32Aの中央領域の全体が可用面積となる。これにより、可用面積対比第2の磁石30Aの面積割合が、巻線コイル構造がリードフレームコイル構造よりも小さい。例えば、表1に示しているように、リードフレーム構造における可用面積対比第2の磁石30Bの面積割合は、44%乃至100%であることに対して、表2に示しているように、巻線コイル構造における可用面積対比第2の磁石30Aの面積割合は、22%乃至50%である。
【0161】
表2において、巻線コイル構造における第2の磁石30Aの磁束密度の強さ(B2)に対する実験データが示されてはいないが、巻線コイル構造における第2の磁石30Aの磁束密度の強さ(B2)も、図13に示しているリードフレーム構造における第2の磁石30Bの磁束密度の強さ(B2)と類似した傾向を示していることが十分予想される。
【0162】
前述した本発明による方法は、コンピュータで実行するためのプログラムとして製作されて、コンピュータ読取り可能な記録媒体に格納することができる。コンピュータ読取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ格納装置などがあり、また、搬送波(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態として具現することも含む。
【0163】
コンピュータ読取り可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータ読取り可能なコードが格納され実行される。そして、前述した方法を具現するための機能的な(function)プログラム、コード、及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマーによって、容易に推論することができる。
【0164】
また、以上では、望ましい実施例について説明したが、本発明の技術的思想は、上述した特定の実施例に限ることなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、様々な変形実施が可能であることは言うまでもなく、このような変形実施が、本発明の技術的思想や見込から個別的に理解されてはいけない。
【符号の説明】
【0165】
10:据置台
12、30、30A、30B:磁石
14:送信コイル
16:ホールセンサ
17:制御部
19:交流電力生成部
20:端末機
22:前面カバー
24:後面カバー
26:遮蔽部材
28:粘着剤
32、32A、32B:受信コイル
34:整流部
36:バッテリー
41:一端
43:他端
45、47:パッド
100:電力ソース
200:無線電力送信装置
210:送信誘導コイル
220:送信共振コイル
300:無線電力受信装置
310:受信共振コイル
320:受信誘導コイル
330:整流部
400:負荷端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13