(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6085037
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】オンライン取引システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20170213BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20170213BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20170213BHJP
【FI】
G06Q20/40
H04M3/42 Z
G06Q20/20
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-548334(P2015-548334)
(86)(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公表番号】特表2016-507808(P2016-507808A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】EP2013075461
(87)【国際公開番号】WO2014095362
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年9月27日
(31)【優先権主張番号】102012112967.3
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515170816
【氏名又は名称】エスクーヴィン エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】グルチェンコ,ヴィクトア
【審査官】
大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−348398(JP,A)
【文献】
特開2001−243382(JP,A)
【文献】
特開2002−269350(JP,A)
【文献】
特開2009−143204(JP,A)
【文献】
特表2003−528376(JP,A)
【文献】
特表2003−521028(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/050132(WO,A2)
【文献】
国際公開第2010/129357(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
H04M 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSシステムを用いてモバイル機器を介してデジタル取引を実行する方法であって、
上記POSシステム、または顧客の上記モバイル機器により、一意の一回限りのデジタルコードであって、上記デジタル取引を特定するとともに、上記POSシステムのローカル無線ネットワークを介して上記モバイル機器と接続するために、パスワードとして1回のみ使用されることができるデジタルコードを生成するステップと、
上記モバイル機器に手動で入力できるように、上記POSシステムによる受領書に上記デジタルコードが印刷されることによって、上記デジタルコードを上記モバイル機器に手動で入力するか、または、NFC、バーコード、SMS、WiFi(登録商標)、またはBluetooth(登録商標)を介して、上記デジタルコードを上記モバイル機器に自動的に送信するステップと、
上記モバイル機器を上記POSシステムのローカル無線ネットワークと接続するステップであって、上記接続のために、上記モバイル機器のIMSI(International Mobile Subscriber, Identity)番号、IMEI(International Mobile Equipment Identity)、またはMAC(Media Access Control)アドレスが与えられ、上記ローカル無線ネットワークは、IMSI番号、IMEI、またはMACアドレスにより、接続時に上記モバイル機器を特定し、上記POSシステムへデータを送信する一方、上記モバイル機器は、上記POSシステムのネットワークのIMSI番号、IMEI、またはMACアドレスを受信する、ステップと、
上記デジタルコードとともに上記デジタル取引のデータを、上記POSシステムから上記モバイル機器の所有者の銀行へ、第1デジタルネットワーク経路を介して送信するステップであって、上記モバイル機器のIMSI、IMEI、またはMACアドレス、および上記POSシステムの上記ネットワークのIMSI、IMEI、またはMACアドレスが、上記デジタル取引のデータの一部である、ステップと、
上記デジタルコードおよび上記モバイル機器により通知されたアカウント情報、上記POSシステムの上記ネットワークのIMSI、IMEI、またはMACアドレスを、並行して上記銀行へ第2デジタルネットワーク経路を介して送信するステップであって、上記モバイル機器は、自身のIMSI、IMEI、またはMACアドレス、および、上記POSシステムの上記ネットワークのIMSI、IMEI、またはMACアドレスを、並行して上記銀行へ送信し、上記モバイル機器は、上記アカウントの情報が格納されたインターネットサービスにログインすることにより、上記銀行へ上記アカウントの情報を送信する、ステップと、
上記銀行により、上記POSシステムからの上記デジタル取引のデータと、上記モバイル機器により通知された上記アカウント情報とをマージするステップであって、上記マージが成功した場合、上記デジタル取引を決済するものであり、上記デジタル取引のための決済は、上記IMSI、IMEI、またはMACアドレスが合致した場合のみ実行されるものであり、電話会社は、上記モバイル機器の位置座標を上記POSシステムの実際の地理的位置と比較し、座標が合致した場合、上記デジタル取引は決済される、ステップと、
上記デジタル取引の処理が正常終了した後、上記デジタルコードに基づく上記ローカル無線ネットワークへのアクセスを自動的に切断するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
モバイル機器、POSシステム、および銀行システムを含むシステムであって、請求項1に記載の方法を実行する仕組みを含むことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔背景技術〕
〔1.技術分野〕
本発明は、オンライン取引システムに関する。
【0002】
〔2.関連技術の記載〕
金融取引システムは、主として現金を用いない(キャッシュレス)取引が実行される、コンピュータ支援のアプリケーションシステムである。一般に、これらのシステムは、取引が実行されるデータベースシステムに基づく。データベースが常に、取引を適切に実行するために正しい状態となっていることを確実にするための保護機能が存在する。モバイル機器による支払や金銭取引では、支払を行う団体(パーティ:party)の同一性を確立すること、および、権限がない使用を避けることが重要である。国際公開WO2008/050132A2号には、取引データがモバイル機器とPOS(point of sale)システムに並行して送信され、両方のデータのセットが一致したときのみ実行される方法が開示されている。
【0003】
国際公開WO2010/129357A2号には、モバイル端末のために、動的なカード認証を与える方法が開示されている。
【0004】
〔発明の概要〕
本発明の原理は、購買時に購買者および販売者からの情報の流れを分けることにある。それぞれのパーティは、通信チャネルを介して、支払システムに上記情報のパッケージを送信する。よって、それぞれの購買において、独立した2つの情報パッケージが支払システムに送信される。
【0005】
ここで、それぞれの情報パッケージは、必須の要素、すなわち、売上票における一意の一回限りの番号(以降、“一意の一回限り(ユニークワンタイム)のデジタルコード”または“売上票”または“一意の識別子”という)を含む。この要素のみが、支払システムまたは銀行システムが、2つの情報パッケージを識別し、それらを相互に関連付けることを可能にする。
【0006】
この手法は、POSシステムを用いた実際の取引でも、インターネット上の取引でも用いられることができる
本発明は、POSシステムを用いてモバイル端末を介してデジタル取引を実行する方法を含む。よって、上記方法は、以下のステップを含む。
【0007】
−POSシステムによって(または、顧客のモバイル機器によって)一意の一回限りのデジタルコードであって、上記取引を識別するデジタルコードを生成するステップ
−上記の一意の一回限りのデジタルコードとともに取引データを、第1デジタルネットワーク経路を介して、POSシステムのオーナーの銀行へ送信するステップ
−上記の一意の一回限りのデジタルコードおよび上記モバイル機器により発行された課金情報を、第2デジタルネットワーク経路を介して、上記銀行へ並行して送信するステップ
−銀行によって(または支払システム/取引ネットワークによって)、POSシステムからの取引データとモバイル機器によって発行された課金情報とをマージし、上記マージが成功した場合、上記取引を決済するステップ
マージは、上記コードが合致した場合、常に成功する。このように、銀行は、当該銀行でマージされた異なる経路を介して、上記取引が承認されたことを通知される。
【0008】
銀行が課金データを認識することを確実にするために、例えば、課金データは、電子メールアカウント、またはソーシャルネットワークにおけるアカウントのようなインターネットサービスに格納される。そして、このインターネットサービスにログインすることにより、モバイル機器は上記課金データおよび上記デジタルコードの送信を行うことができる。この場合、上記コードは、以下に説明するように、上記機器に手動または自動で入力することができる。ウェブ基盤のソーシャルネットワークサービスはまた、ウェブ基盤の電子メールサービス、インスタントメッセージサービス、モバイル支払(デジタルウォレット)サービス、オンラインストアである。支払システムは、VISA(登録商標)、またはマスターカード(登録商標)、または他の取引ネットワークのような従前のシステムを含む。モバイル機器は、スマートフォン、デジタルウォッチ、タブレット、デジタルブレスレット、デジタルリング、デジタルキーフォブ、またはRFIDステッカーであってもよい。
【0009】
上記の一意の識別子はまた、POS装置または売上票に示されたパターンパスワード(パターンロック)を介して入力できてもよい。音声入力もまた考えられる。POS装置に接続する間におけるNFCによる自動送信については、以下に記載する。
【0010】
さらなる実施形態では、一意の一回限りのデジタルコードは、POSシステムの無線ローカルネットワークに接続するために一度だけ用いられてもよい。このとき、接続のために、取引データに組み入れられる、モバイル機器のIMSI、IMEI、またはMACアドレスが要求される。このとき、モバイル機器は、IMSI、IMEI、またはMACアドレスを、並行して銀行に送信し、IMSI、IMEI、またはMACアドレスが合致した場合のみ取引の決済が実行される。これは、一意の一回限りのデジタルコードだけでなく、顧客のモバイル機器のアドレスも確認されることを意味する。変形した実施形態では、上記のIMSI、IMEI、またはMACアドレスは、実際のコードである。IMSI、IMEI、またはMACアドレスだけでなく、顧客のモバイル機器を示す他の一意の識別番号であってもよい。
【0011】
好ましい実施形態では、モバイル機器において手動で入力できるようにするために、上記の一意の一回限りのデジタルコードは、POSシステムの受領書に印刷されている。あるいは、上記のコードはまた、ネットワークを介してモバイル機器に送信されてもよい。この場合、上記の一意の一回限りのデジタルコードは、モバイル機器に手動の入力をせずにモバイル機器が送信できるように、POSシステムからモバイル機器へ無線接続、好ましくはNFCまたはBluetooth(登録商標)またはWLANを介して送信される。
【0012】
POSシステムのネットワークは、ネットワークに接続したときに、モバイル機器のIMSI(International Mobile Subscriber, Identity)またはIMEI(International Mobile Equipment Identity)またはMAC(Media Access Control Address)または他の一意の識別番号からモバイル機器を特定し、POSシステムに上記データを送信する。
【0013】
加えて、電話サービス事業者への問い合わせにより、モバイル機器の位置座標、および比較するためのPOSシステムの実際の地理的位置の取得が可能となり、また、もし座標が合致しなかった場合、取引を制止することができる。ゆえに、上記の座標により、上記データをマージするための判定基準をより確実にするさらなる比較が可能となり、取引を進めることが可能となる。
【0014】
取引の正常終了に続き、上記コードに基づくローカルエリアネットワークへのアクセスが自動的に切断される。この場合において、無線ローカルエリアネットワークはWiFi(登録商標)(以下、WiFiまたはWLANと記載する)である。
【0015】
さらなる実施形態において、本発明は、モバイル機器、POSシステム、および銀行システムを含むシステムを含み、前述したクレームの1または複数に基づく方法を実行する機構を特徴とする。
【0016】
加えて、インターネットに関し、本発明は、無線ローカルエリアネットワークに接続しているPOSシステムを用い、モバイル機器を介してデジタル取引を実行する方法であって、次のステップを含む方法に関する。
【0017】
−POSシステムにより一意の一回限りのデジタルコードであって、取引の開始に用いられるデジタルコードを生成するステップ
−上記の一意の一回限りのデジタルコードを生成後、上記無線ローカルエリアネットワークへのネットワークアクセスを自動的に可能にするステップ
ここで、上記無線ネットワークへのアクセスは、上記デジタルコードにより許可される
−上記デジタルコードを用いて、上記モバイル機器を上記ローカルエリアネットワークに接続し、顧客の上記モバイル機器から上記POSシステムへ情報を提供するステップ
−上記顧客の上記モバイル機器からPOSシステムが上記情報を取得後、上記POSシステムは上記取引の決済を実行するステップ。
【0018】
上記無線ネットワークは、好ましくは、ローカルPOS(販売時点情報管理システム)エリアに組み入れられたWLANネットワークである。好ましい実施形態において、上記POSシステムは、クレジットカード情報、アカウント番号、銀行分類コード等の銀行情報が格納されているという点で、上記モバイル機器の同一性の顧客アカウントへの割り当ての管理をするためにユーザアカウントを用いる。この取引データにMACアドレスを割り当てる利点は、モバイル機器の所有者にさらなるアカウントデータの送信を強いることをしないという点である。MACアドレスは、アカウントデータへの割り当てを確立するために用いられるとともに、決済を実行することができる。不正を防ぐために、また、モバイル機器の通信会社が、機器が実際に金銭レジスターのあるエリアにおいて実際に動いているか、MACアドレスが盗用されていないかを確認できるように、モバイル機器の通信会社のデータは顧客データとともに格納される。MACアドレスに加えて、以下に示すような、モバイル機器の他の識別子を用いることも可能である。代わりに用いられるモバイル機器アカウントは、モバイル機器のアプリケーションを用いて、モバイルネットワークの送信先アドレスへデータを送信する。モバイル機器のモバイルネットワークの通信会社は、モバイル機器の位置を確認するために、上記の一意の識別子とアカウントデータを再度用いることができ、モバイル機器の通信会社は決済を実行することができる。なお、電話料金を介して請求するように、モバイル機器の通信会社の課金を借り方として記載することもできる。
【0019】
好ましい実施形態において、上記の一意のデジタルコードは、上記の無線ローカルネットワークへの接続にのみ一度用いられる。これにより、一度用いられた一意のコードによりアクセスが許可されないことになる。
【0020】
上記の一意の一回限りのデジタルコードは、多数の数字および文字を含むことができる。しかし、顧客は、手動入力で、最後の4つの数のみ入力してもよい。上記の一意のコードは、ランダムに生成されてもよいし、支払われる金額、売り手情報、買い手情報、ユーザ機器の数、またはモバイル機器の他の一意の識別番号のような、取引の異なる要素によって構成されてもよい。上記の一意のコードの生成は、売り手によって一意のコードが生成され、買い手に送信されることによって実行されてもよいし、スマートフォン、モバイルウォッチ、または他のモバイル機器によって生成され、売り手に送信されることによって生成されてもよい。
【0021】
上記システムは、(購買が多数の場合でも繰り返しが起こらないことを確実にするために)公正なロングコードを生成できる。しかし、この場合、ローカルWiFi/WLANネットワークに入るための一意のコードとして、例えば、最初または最後の4つのシンボルを選択する。短縮コードが入力されるとすぐに、上記システムは、完全なオリジナルの(ロング)コードをスマートフォンに送信する。
【0022】
上記の一意の一回限りのデジタルコードは、様々な形式で送信されてもよい。上記の一意の一回限りのデジタルコードは、POSシステムによって受領書に印刷されてもよい。これにより、モバイル機器に手動で入力できる。他の実施形態では、モバイル機器のアプリケーションにより読み取ることができるバーコードとして生成される。一般に、このバーコードは、モバイル機器のカメラによって検出される。他の実施形態では、上記受領書は、Bluetooth(登録商標)、NFC、またはSMSのようなものを介してモバイル機器に送信されてもよい。モバイル機器に特定のアプリケーションがインストールされているのであれば、このコードは同様に解釈でき、モバイルネットワークにおける権限のために用いることができる。好ましくは、ユーザは、モバイルネットワークまたは無線ネットワークにアクセスする前に、入力が可能かどうかを確認すべきである。
【0023】
第1の情報の流れにおいて、ネットワークへのアクセスのためのコードが入力される。このとき、顧客はネットワークに入り、ネットワークは顧客のMACアドレスを割り当てることができる。その後、顧客はネットワークから切り離される。これに続き、上記POSシステムは、(購買者のMACアドレス、支払総計、上記の一意の一回限りのデジタルコード、販売者自身の情報を含む)情報パッケージを支払システム(例えば、銀行またはVISA等)へ送信する。
【0024】
第2の情報の流れにおいて、スマートフォンは上記の一意の一回限りのデジタルコードを上記アプリケーションのプロバイダー/ソーシャルネットワーク(例えば、フェイスブックまたはグーグルメール)へ、並行して送信する。上記アプリケーションは、上記購買者の銀行の詳細を上記情報パッケージに加え、これを上記支払システム(例えば、銀行またはVISA等)へ送信する。上記支払システムは、上記の2つの情報パッケージを比較する。販売者は、上記支払システムからコミットメントを受信する。顧客の銀行は、上記支払システムからコミットメントを受信する。
【0025】
手動でなく、コードが入力された場合、NFC技術による自動入力が可能である。
【0026】
上記モバイル/無線ネットワークへのアクセスを達成するために、上記POSシステムは、上記デジタルコードを交換するために上記モバイルネットワークのための制御システムに接続する。例えば、上記制御システムは、RADIUSプロトコルを用いて、無線(cableness)ネットワークのためのアクセスポイントを制御できる。ユーザが無線ネットワークにログインした場合、対応するリクエストが上記無線ネットワークのアクセスポイントから上記制御システムに送信されてもよい。他の技術も考えられることは明らかである。しかし、上記の一意のパスワードが効率的に用いられるために、主として、無線アクセスポイントの制御には標準的なものが用いられるべきである。ログインが実行されるとともに、必要なデータが交換されたとき、上記制御システムは、ただちにアクセスをリセットする。
【0027】
上述したように、1つの実施形態において、デジタルコードが入力され、モバイルネットワークへのログインがなされると、上記モバイル機器においてアプリケーションが実行される。取引を完了させるために、ログイン後、アカウント情報、クレジットカード情報、またはIMSI情報は、上記アプリケーションから上記モバイルネットワークへ送信される。ネットワーク上の正しい場所へ上記情報を通信するために、上記モバイル機器がログインしている間、上記モバイル機器の適切な識別データが送信されるように、(例えば、DHCPプロトコルを用いて)アドレスが送信される。これはまた、アカウント情報および、より詳細な情報を送信することを可能にする。上記モバイルネットワークにログインしている間、ネットワークアドレスは、アカウント情報、クレジットカード情報、またはIMSI情報が送信されるように、上記モバイル機器に通知される。この情報が取得されたとき、一般的に、この情報は、認可に基づいてのみ送信される。信頼できるエンティティのみこの情報を受信することを確実にするために証明および同様な詳細を要求することもまた可能である。
【0028】
代わりの実施形態において、上記モバイルネットワークの上記制御システムは、ログイン後、上記モバイル機器にてデジタル取引を実行するための情報を取得するためにネットワークを介して上記モバイル機器に注目する。その結果、上記ネットワークの制御システムは、(IMSI(International Mobile Subscriber, Identity)、IMEI(International Mobile Equipment Identity)、またはMAC(Media Access Control address)番号、または他の一意の識別番号を用いて)接続時に上記モバイル機器を特定し、POSシステムにデータを送信する。
【0029】
カンパニーとともに顧客アカウントが存在する場合、上記POSシステムは、ネットワーク識別子に関する、アカウント情報および/またはネットワークプロバイダーの情報が格納されているデータベースにアクセスするためにネットワーク識別子を用いる。
【0030】
上述したように、上記取引データおよび/またはPOSシステムによる上記識別子は、アクセスデータが、電話会社によって上記モバイル機器へ送信されることを可能にする。ここで、電話会社は上記識別子の正当性を確認する。このために、電話会社は、上記IMSI、IMEI、またはMACを確認する。好ましくは、上記電話会社は、比較のために、上記モバイル機器の位置座標およびPOSシステムの実際の地理的位置を確認する。そして、座標が合致しない場合、取引が制止されてもよいし、または対応する警告メッセージがPOSシステムに送信されてもよい。
【0031】
取引データおよび位置座標の両方が正当であることが認識できた場合、上記取引データは、銀行システムにて最終的に上記取引を実行する、対応する交換所(銀行)に送信される。
【0032】
取引の結果が成功だった後、上記コードに基づく上記ローカルエリアネットワークへのアクセスは自動的に切断される。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、WLANを用いない方法における経路を示す概略図である。
【0033】
図2は、WLANを用いる方法における経路を示す概略図である。
【0034】
図3は、WLANおよびMACアドレスを用いる方法における経路を示す概略図である。
【0035】
図4は、モバイル機器に、手動ではなく、NFCネットワークによって識別子が入力されたときの方法における経路を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明のアイデアは、購買時に購買者および販売者からの情報の流れを分けることに基づく。それぞれのパーティは、通信チャネルを介して、その情報パッケージを支払システムに送信する。よって、独立した2つの情報パッケージは、それぞれの購買とともに上記支払システムに送信される。
【0037】
この場合において、それぞれの情報パッケージは、必須の要素、すわなち、売上票における一意の一回限りの番号を含む。この要素のみが上記支払システムが2つの情報パッケージを認識し、これらを相互に関連付けることを可能にする。
【0038】
図1は、WLANを用いず、支払をインターネットで行う方法の経路を示す概略図である。
【0039】
基本要素は、購買者は支払の詳細を指定しているという点で、ソーシャルネットワーク/電子メール/メッセンジャーのユーザであるということである。
これは、購買者および販売者から、支払に関する1つの情報が送信されることを意味する。この場合、売上票の一意の一回限りの番号は、接続を容易にするために用いられる。
【0040】
図1に示すように、ステップ1Aにて以下のステップが実行される。
【0041】
オンラインハンドラ(または、択一的に購買者によって)によって、売上票の一意の一回限りの番号が生成される。
【0042】
上記オンラインハンドラは、売上票の一意の一回限りの番号を(支払額およびその銀行の詳細とともに)上記支払システムに送信する(1A)。
【0043】
これに並行して、購買者は自身のソーシャルネットワーク/電子メール/メッセンジャーにログインするか、または既にログイン済みである(1B)。
【0044】
購買者は、上記の売上票の一意の一回限りの番号を上記ソーシャルネットワーク/電子メール/メッセンジャーに送信する(1C)。上記ソーシャルネットワーク/電子メール/メッセンジャーは、この売上票の一意の一回限りの番号を、購買者の個人データとともに上記支払システムに送信する(2B)。上記支払システムは、同じ売上票の一意の一回限りの番号とともに2つの情報パッケージを受信し、処理のためにこれらを結び合わせる(2A)。そして、上記支払システムは、カード発行銀行における顧客の支払能力を確認し(3)、適切であれば、問い合わせ確認を受信する(4)。
そして、上記支払システムは、問い合わせ確認を承継銀行へ送信する(5)。その後、再び、問い合わせ確認は、デパートまたは支払のための情報が通知されたPOSシステムに送信される(6)。
【0045】
図2において、基礎要素は、購買者は、支払の詳細が伝えられているソーシャルネットワーク/電子メール/メッセンジャーのユーザであるということである。購買者および販売者からの支払の情報である1つの分けられた送信が実行される。上記売上票の一意の一回限りの番号は、2つの情報パッケージの結び付きを容易にするために用いられる。それに加え、販売者(デパート、カフェ、立体駐車場等)のWLANネットワークのMACアドレスは、2つの情報パッケージの結び付きを容易にするために用いられる。だいたい、処理の順序は
図1と同様であるが、ここでのそれぞれの情報パッケージは、販売者のWLANネットワークのためのMACアドレスを含む。
【0046】
上記売上票の一意の一回限りの番号に加え、上記MACアドレスは、上記支払システムによる2つの情報パッケージのマージに用いられてもよい。購買者は、自身のスマートフォンで販売者のWLANネットワークを探し、パスワード(上記売上票の一意の一回限りの番号)を用いてログインする。
【0047】
上記スマートフォンは、販売者のWLANネットワークのMACアドレスにおける情報を受信し、これを上記支払システムに送信する。
【0048】
上記販売者のWLANネットワークは所望の販売に関する信号を受信し、このデータを上記支払システムに送信する(1)。
【0049】
図1に対応するさらなるステップで、追加的に、WLANネットワークのMACアドレスは比較される。
【0050】
図3は、修正した形態を再び示している。再度言うが、基礎要素は、購買者は、支払の詳細が明記されているソーシャルネットワーク/電子メール/メッセンジャーのユーザであるということである。購買者および販売者の支払を示す、1つの分けられた送信が実行される。可能な限り2つの情報パッケージを結びつけるための、上記売上票の一意の一回限りの番号の使用は、販売者(デパート、カフェ、立体駐車場等)のWLANネットワークのMACアドレスの使用、および購買者の上記MACアドレスの使用とマージされる。これにより、3つのパラメータを比較することになる。
【0051】
処理の順序は、変形例1および2と同じである。しかし、ここでのそれぞれの情報パッケージは、購買者のスマートフォンのMACアドレスをも含む。
【0052】
上記売上票の一意の一回限りの番号に加え、このMACアドレスは、上記支払システムの一部におけるマージに用いられる。
【0053】
購買者は、自身のスマートフォンで販売者のWLANネットワークを探し、パスワード(上記売上票の一意の一回限りの番号)を用いてログインする。
【0054】
上記販売者のWLANネットワークは、上記購買者のスマートフォンのMACアドレスを受信し、またその逆も同様である。それぞれのパーティは完全な情報パッケージとともに契約者のMACアドレスを上記支払システムに送信する(1)(2)(3)。
【0055】
この場合において、両方のMACアドレスは、購買の経路において上記支払システムに送信される2つの情報パッケージの探索における追加の要素である。
【0056】
図2および
図3は、本発明の方法の過程を示す概略図である。第1ステップにおいて、POSシステムは、無線ローカルエリアネットワークのための一意のアクセスパスワードをとともに取引の売上伝票を生成する。上記POSシステムは、この番号をアクセス制御システムへ送信する。このアクセス制御システムは、上記モバイルローカルエリアネットワークへのアクセスに対する責任を負っている。上記モバイル機器がログインしたとき、上記POSシステムは、アクセスシステム(図示せず)からログインに対応する情報を受信する。そして、上記POSシステムは、デパートの口座がある銀行に、アカウントが、上記モバイル機器であって、顧客の口座がある、対応する銀行の詳細が記憶されているモバイル機器の識別子と関連付けられているかどうかを尋ねる。そして、承継銀行は、この問いわせを、上記ソーシャルネットワークから情報を取得している支払システム(VISA、マスターカード)に送信する。このイベントにおいて、上記モバイル機器の識別子は位置と合致する。また、この位置は、電話会社から要求されている。さらに、追加データは利用可能である。電話会社が、位置と上記モバイル機器の識別子が合致し、権限のない使用ではないと確定した場合、上記支払システムへフィードバックされる。一方、サーバシステムは、権限のない使用ではないことを確実にするために、デパートの口座がある銀行を通知する。これらの詳細が交換されたとき、上記支払システムは、発行銀行を介して上記取引を終わらせる。これが実行されたとき、上記デパートに送金額が送信される。上記POSシステムはまた、上記取引が成功に終わったことを通知される。
【0057】
図4は、上記売上票の一意の一回限りの番号が、スマートフォンとPOSシステムの間で、NFCネットワークを介して送信されることを追加で示す。これは、データを上記ソーシャルネットワークまたはネットワークサービスに送信する一方、銀行にも送信する。並行して、上記データは、デパートから銀行へ送信される。
【0058】
1つの可能な実施形態において、上記方法は以下のように実行される。
【0059】
購買者は商品(または製品、カフェにおけるサービス)を選択する。商品の購入およびその商品またはサービスに対する支払(金銭の受領者は「デパート(カフェ)と呼ばれる」)のときの動作の順序を以下記載する。デパート(カフェ)における金銭レジ/POSシステムは直接または間接にデパート(カフェ)の無線ローカルエリアネットワークと接続する。少なくとも制御システムに接続し、制御システムはモバイルネットワークへのアクセスを管理する。例えば、上記制御システムは、制御ユニットおよび標準プロトコルを介して認証のためのアクセスを指定する。
【0060】
デパート(カフェ)の従業員は、選択された商品をスキャンし、金銭レジ/POSシステム(販売者はコンピュータに置き換えることができる)により、購買の最終的な金額とともに受領証番号が生成される。この番号は、好ましくは、生成器によってランダムに生成される。
【0061】
購買において、および支払の間、一意の受領証または受領証番号が生成される。いかなる数字であってもよい(数字の並び)。
【0062】
売上の受領証の生成において、デパート(カフェ)のWLAN用の、一意のパスワード/ネットワークアクセスのためのアクセスが生成される。
a)完全に売上票の番号と一致する数字の順序
または、
b)完全に異なる番号だが、ユーザが認識できるように売上票の番号と結びついている番号。
【0063】
これは、パスワードとして、N位置コード(N-position code)であってもよい。これは便利であり、ユーザフレンドリーであり、認証に適し、素早く入力できる。
【0064】
この一意のパスワードは、外部機器による1つのネットワークへのアクセスにのみ有効である。
【0065】
顧客は、自身のスマートフォンで利用可能な無線ネットワークを確認するとともに、要求されたネットワークを選択し、上記コードを用いて有効化する。デパートまたはカフェのWLANは、機能を動作させるためのパスワードを要求する。
【0066】
顧客は、コードとして受領証のN桁の数字(N-number)を入力する。顧客によるWLANの使用および売上票番号(同時にパスワード)の入力は、顧客のアカウントから特定額を支払うための顧客の要求を確認することになる。ここで、上記アカウントは、販売者側のローカルアカウントであり、ここには、モバイル機器の一意の識別番号および銀行情報が格納されている。あるいは、ネットワーク識別子は、モバイル機器の通信会社と請求とを電話会社の請求を介して行えることを確定するために用いられてもよい。さらなる実施形態において、上記モバイル機器は、銀行情報(クレジットカード、ECカード等)を送信する。
【0067】
デパートまたはカフェのWLANへの一時的な接続は、それ自体、(売上票の)特定額を支払うことを希望することの確認とは別に、顧客へ他のネットワークの選択肢(例えば、インターネットアクセスの可能性)を与えることはない。
【0068】
デパートまたはカフェのWLANは、(IMSI(International Mobile Subscriber, Identity)番号またはIMEI(International Mobile Equipment Identity)またはMAC(Media Access Control Address)または他の一意の識別番号によって)接続時にスマートフォンを初期化し、データを支払システムへ送信する。
【0069】
上記データは、電話会社により売上票を介して送信される(この場合、電話会社は、顧客の個人特性を顧客のスマートフォンを介して認識する)。
【0070】
コメント:電話会社は、顧客のための追加の安全フィルタとして利用されることができる。実際のMACアドレスはまた(このアドレスの使用の権限が与えられていない場合において)確認される。
【0071】
電話会社が、デパートまたはカフェから、スマートフォンを通して顧客の識別子に関する問い合わせを受信した場合、スマートフォンのGPS座標をデパートまたはカフェの実際の地理的座標と比較できる。この座標が合致しない場合、取引を制止できる。
【0072】
さらなる確認のための変形例は、次の通りである。電話会社は、IMSI/IMEI/MAC番号(またはモバイル機器の他の一意の識別番号)からスマートフォンの位置を確かめることができる。そして、この位置は、デパートまたはカフェの実際の地理的位置と比較される。
【0073】
上記支払システムは、上記の問い合わせを発行者(クレジットカードまたはECカードを発行した、または顧客の口座を開設した銀行)へ送信し、顧客の支払能力に基づいて、許可または拒否を受信する。そして、デパート/カフェは、取引が実行されたかどうかを通知される。
【0074】
顧客のスマートフォンによる、デパートまたはカフェのWiFi/WLANへのアクセスは、支払が成功した後、自動的に切断される。
【0075】
なお、支払システムと販売者との間を取り次ぐ他の中継機能も可能である。例えば、ソーシャルネットワークアプリケーションは、顧客のスマートフォンにインストールされることができる。このアプリケーションは、上記支払システムへ顧客の個人特性を送信する機能を実行することができる。
【0076】
電話会社と従来からある支払システムとを直接接続するような、販売者と主銀行との間の他の接続もまた考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】WLANを用いない方法における経路を示す概略図である。
【
図2】WLANを用いる方法における経路を示す概略図である。
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図3】WLANおよびMACアドレスを用いる方法における経路を示す概略図である。
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図4】モバイル機器に、手動ではなく、NFCネットワークによって識別子が入力されたときの方法における経路を示す概略図である。