(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヘッドとシャーシとが脱着自在な車両積載車を複数台用いて、前記ヘッドが前記シャーシを切り替えながら牽引して車両を輸送する車両積載車を用いたラウンド輸送システムにおいて、
前記ヘッドが牽引する前記シャーシに前記車両を積荷する積荷場所と、前記ヘッドが牽引する前記シャーシから前記車両を荷下ろしする荷下ろし場所と、前記積荷場所と前記荷下ろし場所との間であり前記ヘッドが牽引する前記シャーシを切り替える中継場所と、を有し、前記積荷場所と前記中継場所とを結ぶ第1のループ走路と、前記中継場所と前記荷下ろし場所とを結ぶ第2のループ走路とを構成し、
前記第1のループ走路を1日に繰り返し走行する積荷専用の前記ヘッドと、前記第2のループ走路を少なくとも1日に1回転以上走行する荷下ろし専用の前記ヘッドとに前記複数台の車両積載車の前記ヘッドを振り分け、輸送スケジュール生成する管理センタを有することを特徴とする車両積載車を用いたラウンド輸送システム。
前記管理センタは、受注情報及び輸送情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記受注情報及び前記輸送情報を入力する操作部と、前記記憶部を制御し前記輸送スケジュールを生成する処理制御部と、を有し、
前記管理センタは、前記荷下ろし専用のヘッドが13時間以内に前記第2のループ走路を2回転可能な場所に前記中継場所を設定し、前記輸送スケジュールを生成することを特徴とする請求項1に記載の車両積載車を用いたラウンド輸送システム。
前記車両は前記積荷場所にて前記シャーシに積荷され、前記積荷専用のヘッドにて前記中継場所へ運ばれ、前記中継場所にて前記シャーシから荷下ろしされることなく、前記荷下ろし専用のヘッドにて前記荷下ろし場所へと運ばれた後、前記車両は前記荷下ろし場所に前記シャーシから荷下ろしされることを特徴とする請求項2に記載の車両積載車を用いたラウンド輸送システム。
前記管理センタは、前記車両の1日の輸送台数を管理し、前記荷下ろし専用のヘッドが2台以上前記中継場所にて待機しないように前記積荷専用のヘッドの台数を設定し、且つ、前記管理センタは、前記積荷専用のヘッドの台数を必要最小限の台数として設定し、前記輸送スケジュールを生成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両積載車を用いたラウンド輸送システム。
前記管理センタは、前記ヘッドの運転手の勤務状況を管理し、前記運転手が4日以上連続して前記荷下ろし専用のヘッドの運転手とならないように前記運転手を選別し、前記輸送スケジュールを生成することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の車両積載車を用いたラウンド輸送システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来における車両積載車による車両の輸送では、車両積載車のヘッドとシャーシとが、常時、連結した状態にて走行している為、ヘッドの運転手が、会社から工場に向かい、例えば、6台の車両をシャーシに積荷した後、港湾へ向かいその車両を荷下ろしし、会社に戻る1サイクルとなっている。そのため、1日の輸送台数に応じて、1人の運転手が上記1サイクルを1日に2周することで、法律にて定められた運転手の1日の拘束時間の13時間をオーバーしてしまうこともあった。この場合には、その運転手は隔日勤務となり、運転手の休日が不定期となり易く、運転手の体調管理が難しいという問題がある。
【0006】
更には、会社側としては、1日の輸送台数の計画に応じてその日に必要な最小人数の運転手を確保する必要がある。そのため、上記隔日勤務の運転手が多くなることで、会社として雇用しなければならない運転手の人数が増加し、固定費の増大へと繋がり、会社経営を圧迫する恐れがある。
【0007】
また、車両積載車の運転手は、シャーシへの車両の積荷作業やシャーシからの車両の荷下ろし作業も行うため、特殊技能が求められるが、近年、その特殊技能を有する運転手の高年齢化により、各社、運転者数を確保することが難しいという問題がある。そして、各社、限られた運転手の人数の中で、法令を順守し、効率良く車両を輸送することが求められている。特に、運転手は長距離運転となるため、上記運転手の高齢化からも運転手の体調管理や労働環境の整備は重要な問題となっている。
【0008】
また、予め、工場から会社内に輸送予定の車両をプールすることで、輸送距離を短くし、運転手の1日の拘束時間の13時間内に多くの車両を輸送する方法も考えられる。この場合、工場と会社との間にて、シャーシへの車両の積荷作業及びシャーシからの車両の荷下ろし作業を少なくとも2回行う必要がある。そして、車両がシャーシに積荷される際には、ワイヤー等の留め具を用いて車両がシャーシに固定されるため、車両に傷が付く恐れ等もあり、繰り返しのシャーシへの車両の積荷作業やシャーシからの車両の荷下ろし作業は、品質管理上好ましい対応ではない。また、ワイヤー等の留め具を用いて車両がシャーシに固定されるため、車両がシャーシに固定される時間は、品質管理上出来る限り短い方が望ましい。つまり、予め、会社内に輸送予定の車両をプールする方法は、品質管理上現実的な対応ではないという問題がある。
【0009】
更には、予め、会社内に輸送予定の車両をプールするためには、そのための敷地も必要となり、車両の盗難や車両へのいたずら等への対策を行う必要があり現実的な対応ではない。つまり、1回のシャーシへの車両の積荷作業及び1回のシャーシからの車両の荷下ろし作業にて、工場から港湾へと車両を搬送することが望ましい対応である。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ヘッドとシャーシとが脱着自在の車両積載車を用い、積荷場所と荷下ろし場所との間にシャーシを切り替える中継場所を設定することで、ヘッドとシャーシとをセパレートしたラウンド輸送を行い、運転手の労働時間を順守しつつ、効率的な車両の輸送を実現する車両積載車を用いたラウンド輸送システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、ヘッドとシャーシとが脱着自在な車両積載車を複数台用いて、前記ヘッドが前記シャーシを切り替えながら牽引して車両を輸送する車両積載車を用いたラウンド輸送システムにおいて、前記ヘッドが牽引する前記シャーシに前記車両を積荷する積荷場所と、前記ヘッドが牽引する前記シャーシから前記車両を荷下ろしする荷下ろし場所と、前記積荷場所と前記荷下ろし場所との間であり前記ヘッドが牽引する前記シャーシを切り替える中継場所と、を有し、前記積荷場所と前記中継場所とを結ぶ第1のループ走路と、前記中継場所と前記荷下ろし場所とを結ぶ第2のループ走路とを構成し、前記第1のループ走路を1日に繰り返し走行する積荷専用の前記ヘッドと、前記第2のループ走路を少なくとも1日に1回転以上走行する荷下ろし専用の前記ヘッドとに前記複数台の車両積載車の前記ヘッドを振り分け、輸送スケジュール生成する管理センタを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、前記管理センタは、受注情報及び輸送情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記受注情報及び前記輸送情報を入力する操作部と、前記記憶部を制御し前記輸送スケジュールを生成する処理制御部と、を有し、前記管理センタは、前記荷下ろし専用のヘッドが13時間以内に前記第2のループ走路を2回転可能な場所に前記中継場所を設定し、前記輸送スケジュールを生成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、前記車両は前記積荷場所にて前記シャーシに積荷され、前記積荷専用のヘッドにて前記中継場所へ運ばれ、前記中継場所にて前記シャーシから荷下ろしされることなく、前記荷下ろし専用のヘッドにて前記荷下ろし場所へと運ばれた後、前記車両は前記荷下ろし場所に前記シャーシから荷下ろしされることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、前記管理センタは、前記車両の1日の輸送台数を管理し、前記荷下ろし専用のヘッドが2台以上前記中継場所にて待機しないように前記積荷専用のヘッドの台数を設定し、且つ、前記管理センタは、前記積荷専用のヘッドの台数を必要最小限の台数として設定し、前記輸送スケジュールを生成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、前記管理センタは、前記ヘッドの運転手の勤務状況を管理し、前記運転手が4日以上連続して前記荷下ろし専用のヘッドの運転手とならないように前記運転手を選別し、前記輸送スケジュールを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムは、ヘッドとシャーシとが脱着自在な車両積載車を複数台用いた車両の輸送システムであり、中継場所と積荷場所とを結ぶ第1のループ走路と、中継場所と荷下ろし場所とを結ぶ第2のループ走路とを有している。中継場所が積荷場所と荷下ろし場所との間に設定され、中継場所にてヘッドが牽引するシャーシが切り替えられる。この輸送システムにより、ヘッドの運転手の労働時間が順守され、効率的な車両の輸送が実現される。
【0017】
また、本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、荷下ろし専用のヘッドが13時間以内にて第2のループ走路を2回転可能な位置に中継場所が設定されることで、1日の車両の輸送台数が増加され、運転手の連日勤務が可能となる。この輸送システムにより、ヘッドの運転手の労働環境を守り、人件費、燃料費、車両積載車の購入費用等の会社の必要経費を抑えながら、車両の輸送台数を増加させることができる。
【0018】
また、本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、車両は、積荷場所にてシャーシに積荷され、中継場所にて荷下ろしされることなく、荷下ろし場所へ運ばれ、荷下ろし場所にてシャーシから荷下ろしされる。この輸送システムにより、車両がシャーシに固定される時間を出来る限り短くでき、車両の品質管理上好ましい輸送が実現される。また、会社内に車両をプールする為の敷地の確保が不要となり、会社内に仮置きした車両の盗難や車両へのいたずら等への対策も不要となる。
【0019】
また、本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、中継場所にて積荷専用のヘッド及び荷下ろし専用のヘッドに対してシャーシの切り替え作業を行うが、中継場所にて荷下ろし専用のヘッドが2台以上待機せず、且つ、積荷専用のヘッドが必要最小限の台数となるように輸送スケジュールが生成される。この輸送システムにより、会社にて確保する運転手の人数の増大を防止し、会社の必要経費を抑えながら、効率的な車両の輸送が実現される。
【0020】
また、本発明の車両積載車を用いたラウンド輸送システムでは、管理センタにて運転手の勤務状況を管理しながら、第1及び第2のループ走路の運転手の振り分けを行っている。この輸送システムにより、運転手の長距離運転が連続し過ぎることが防止され、運転手の健康管理が行われることで、安全な車両積載車による運行が実現される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る車両積載車を用いたラウンド輸送システムを図面に基づき詳細に説明する。尚、一実施形態の説明の際には、同一の構成要素には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0023】
図1は、本実施形態の車両積載車2を用いたラウンド輸送システム1(以下、「輸送システム1」と呼ぶ。)の概要を説明する図である。本実施形態の輸送システム1は、例えば、国内の自動車工場にて製造された車両3を海外へ輸出するため、輸送タンカーが就航する港湾へと輸送するためのシステムである。そして、この輸送システム1には、ヘッド4とシャーシ5とが脱着自在となる車両積載車2が用いられ、管理センタ11(
図2参照)にて、ヘッド4及びその運転手が、適宜、2つのループ走路に振り分けられる。そして、ヘッド4とシャーシ5とをセパレートし、適宜、シャーシを切り替えながらラウンド輸送することで、法令を順守した、効率的な輸送システムが実現される。尚、以下の説明では、1台のシャーシ5には、最大6台の車両3が積荷出来るものとするが、特に、積荷出来る車両3の台数は限定するものではない。
【0024】
輸送システム1には、車両積載車2が立ち寄る場所として、会社や会社の営業所等であり、主に、配送伝票の受け渡し作業、車両積載車2のシャーシ5の切り替え作業や運転手の休憩を行う中継場所6と、依頼主の工場等であり、主に、シャーシ5に車両3を積荷する積荷場所7と、車両3の納入先の港湾等であり、主に、シャーシ5から車両3を荷下ろしする荷下ろし場所8とが設定されている。そして、車両積載車2が走行する走路として、中継場所6と積荷場所7とを結ぶ第1のループ走路9と、中継場所6と荷下ろし場所8とを結ぶ第2のループ走路10とが設定されている。
【0025】
1日の車両3の輸送台数に応じて準備される車両積載車2の台数は異なるが、例えば、5台の車両積載車2が準備される場合について説明する。そして、5台の車両積載車2では、各々ヘッド4A〜4Eとシャーシ5A〜5Eとが脱着自在となっている。全ての車両積載車2において、ヘッド4A〜4Eとシャーシ5A〜5Eとの連結構造は同一の構造となっており、ヘッド4A〜4Eは、各々全てのシャーシ5A〜5Eに対して連結可能となっている。尚、以下の説明では、適宜、ヘッド4は4A〜4Eを用いて説明し、シャーシ5は5A〜5Eを用いて説明する。
【0026】
詳細は後述するが、例えば、1日の車両3の輸送台数等に応じて、管理センタ11(
図2(A)参照)にて、第1のループ走路9に1台のヘッド4Aと、第2のループ走路10に4台のヘッド4B〜4Eとが振り分けられる。そして、第1のループ走路9に振り分けられたヘッド4Aは、積荷専用のヘッドとして用いられ、第2のループ走路10に振り分けられたヘッド4B〜4Eは荷下ろし専用のヘッドとして用いられる。尚、ヘッド4A〜4Eの振り分け台数は、上記場合に限定するものではなく、車両3の輸送台数等に応じて、適宜、変更は可能である。
【0027】
例えば、ある作業日において、ヘッド4Aの運転手D1(
図2(C)参照)は、第1のループ走路9に対して、中継場所6にて牽引するシャーシ5A〜5Eを切り替えながら、1日の拘束時間の13時間内において、繰り返し第1のループ走路9を運転する。具体的には、ヘッド4Aの運転手D1は、積荷場所7にて、牽引したシャーシ5A〜5Eに対して車両3を積荷し、中継場所6へと向けて走行する。その後、ヘッド4Aの運転手D1は、中継場所6にて、車両3が積荷されたシャーシ5A〜5Eを切り離し、その他のヘッド4B〜4Eが牽引してきた空の状態のシャーシ5A〜5Eを装着し、再び、積荷場所7へと向けて走行する。
【0028】
一方、ヘッド4B〜4Eの運転手D2〜D5(
図2(C)参照)は、第2のループ走路10に対して、中継場所6にて装着したシャーシ5A〜5Eを牽引しながら、1日の拘束時間の13時間内において、少なくとも1回以上第2のループ走路10を運転する。具体的には、ヘッド4B〜4Eの運転手D2〜D5は、中継場所6にて、ヘッド4Aから切り離され、車両3が積荷されたシャーシ5A〜5Eを装着し、牽引しながら、荷下ろし場所8へと向けて走行する。そして、ヘッド4B〜4Eの運転手D2〜D5は、荷下ろし場所8にて車両3をシャーシ5A〜5Bから荷下ろしした後、引き続き、空の状態のシャーシ5A〜5Eを牽引し中継場所6へと向けて走行する。ヘッド4B〜4Eの運転手D2〜D5は、中継場所6にて、牽引してきた空の状態のシャーシ5A〜5Eを切り離す。
【0029】
尚、一日の車両3の輸送台数に応じて、ヘッド4B〜4Eの運転手D2〜D5が、1日の拘束時間の13時間内において、第2のループ走路10を2回転する場合もある。この場合には、ヘッド4B〜4Eの運転手D2〜D5は、中継場所6にて、伝票整理、休憩等を行った後、再び、車両3が積荷され、ヘッド4Aから切り離されたシャーシ5A〜5Eを装着し、荷下ろし場所8へと向けて走行する。
【0030】
次に、
図2(A)は、本実施形態の車両積載車2を用いた輸送システム1の管理センタ11を説明するブロック図である。
図2(B)は、記憶部16に記憶されている受注情報のデータベースの一例を説明する図である。
図2(C)は、記憶部16に記憶されている輸送情報の運転手の勤務状況のデータベースの一例を説明する図である。
【0031】
図2(A)に示す如く、管理センタ11は、本実施形態の輸送システム1を効率的に機能させるために、受注情報及び輸送情報を管理し、輸送スケジュールを調整し、決定する場所であり、例えば、会社内に設けられている。そして、管理センタ11は、主に、操作部12と、表示部13と、出力部14と、処理制御部15と、記憶部16と、を有している。
【0032】
操作部12は、PC(personal computer)等の演算装置に接続されるキーボード等であり、受注情報及び輸送情報等の各データベースに登録する情報を入力するための入力手段である。
【0033】
表示部13は、上記演算装置に接続されるディスプレイ等であり、操作部12を介して入力された情報や輸送スケジュール、記憶部16に記憶されている各データベースの登録内容等を表示する。
【0034】
出力部14は、上記演算装置に接続されたプリンタ等であり、輸送スケジュールや記憶部16に記憶されている各データベースの登録内容等を紙面等に出力する。
【0035】
処理制御部15は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、輸送スケジュールを生成するための各種演算処理を実行する。
【0036】
記憶部16は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−only Memory)等の不揮発性メモリにて構成され、輸送スケジュールを決定するために必要な各種データや生成された輸送スケジュールデータが記憶される。そして、各種データは、例えば、受注情報データと輸送情報データである。
【0037】
図2(B)に示す如く、受注情報として、例えば、受注日、依頼主、車両3の輸送台数、作業開始日、作業終了日、作業日実数、積荷場所(出荷場所)7、荷下ろし場所(納入場所)8等が、受注No.毎に管理されている。例えば、受注No.J1では、X社から960台の車両3の輸送を受注し、作業開始日の2016年9月1日〜作業終了日の2016年9月30日までの間にて作業日実数が20日間である。そして、処理制御部15では、作業日実数の20日間に車両3を均等割りし、1日当たりの車両3の輸送台数が48台と算出する。この場合、1台のシャーシ5A〜5Eに6台の車両3を積荷し、4台のヘッド4B〜4Eにて第2のループ走路10を2回転することで対応可能であると判別する。
【0038】
次に、処理制御部15では、4台のヘッド4B〜4Eの運転手が、1日の拘束時間の13時間内において、第2のループ走路10を2回転走行可能な中継場所6を選定する。ここで、輸送情報としては、例えば、車両積載車2の台数、運転手の勤務状況、中継場所6、輸送距離、輸送経路等が記憶されている。上述したように、中継場所6として、会社の本社、会社の営業所等が複数登録されており、処理制御部15では、中継場所6、依頼主の荷下ろし場所(納入場所)8、輸送距離、輸送経路等の情報から演算処理し、上記2回転可能な中継場所6を決定する。
【0039】
図2(C)に示す如く、輸送情報として、運転手D1〜D6の勤務状況を管理し、運転手D1〜D6の労働時間を順守しつつ、効率的な車両3の輸送を実現する。尚、作業日実数とは、会社にて決定された年間の作業日カレンダーに基づくものであるが、基本的には週末の土曜日、日曜日が休日となる週休2日制である。
【0040】
具体的には、運転手D1〜D6毎に5日前までの運転状況を管理している。符号Sは、1日の拘束時間の13時間内において、第1のループ走路9を運転した事を記憶している。第1のループ走路9は、中継場所6と積荷場所7との間の運転であり、1回の運転時間は比較的に短時間であり、運転手D1〜D6への疲労負荷は小さくなる。符号Lは、1日の拘束時間の13時間内において、第2のループ走路10を運転した事を記憶している。第2のループ走路10は、中継場所6と荷下ろし場所8との間の運転であり、1回の運転時間は比較的に長時間であり、運転手D1〜D6への疲労負荷は大きくなる。符号LLは、1日の拘束時間の13時間以上運転した事を記憶している。そして、符号S、符号Lの場合には、運転手D1〜D6は連日の車両積載車2の運転が可能であるが、符号LLの場合には、運転手D1〜D6は隔日勤務となる。
【0041】
処理制御部15では、運転手D1〜D6の勤務状況を管理し、例えば、符号Lの第2のループ走路10の運転が4日以上連続しない様に、適宜、符号Sの第1のループ走路9の運転を挟むように運転手D1〜D6を選別する。運転手D1〜D6の勤務状況を管理し、出来る限り長距離運転が連続することが防止され、運転手D1〜D6の健康管理が行われることで、安全な車両積載車2の運行が実現される。特に、運転手の高齢化が進んでいる業界においては、運転手D1〜D6の体調管理や労働環境の整備は重要である。
【0042】
次に、
図3は、本実施形態の車両積載車2を用いた輸送システム1の処理制御を説明するフローチャートである。
【0043】
図3に示す如く、ステップS1において、管理センタ11の管理者が、操作部12を操作し、
図2(B)に示すように受注情報を入力すると、処理制御部15は記憶部16を制御し、入力された受注情報を記憶部16に記憶させる。
【0044】
ステップS2において、処理制御部15は記憶部16を制御し、最新の輸送情報が記憶されているかを判断する。具体的には、処理制御部15は、新規の依頼主の場合には、中継場所6、積荷場所7からの輸送距離、最適な輸送経路等が入力されているか、否かを判断する。また、処理制御部15は、前日までの運転手の勤務状況が入力されているか、否かを判断する。尚、従前から取引のある依頼主の場合には、受注情報として、新たな積荷場所(出荷場所)7、荷下ろし場所(納入場所)8が入力された場合には、新規の依頼主の場合と同様に、上記輸送情報が入力されているか、否かを判断する。また、上記輸送距離や最適な輸送経路は、処理制御部15が地図情報から、適宜、設定する場合でも良い。
【0045】
ステップS2のYESにおいて、処理制御部15が、最新の輸送情報が入力され、登録されていると判断した場合には、ステップS3へと進む。一方、ステップS2のNOにおいて、処理制御部15が、最新の輸送情報が入力されていないと判断した場合には、ステップS4へと進み、管理センタ11の管理者が、操作部12を操作し、最新の輸送情報を入力すると、処理制御部15は記憶部16を制御し、入力された最新の輸送情報を記憶部16に記憶させ、ステップS2へと戻り、再び、ステップS2の動作が繰り返される。
【0046】
ステップS3において、処理制御部15は、記憶部16を制御し、受注情報を確認し、複数の車両積載車2による輸送が必要か、否かを判断する。ステップS3のYESにおいて、
図2に示す受注No.J1の様に、輸送台数960台、作業日実数20日から、1日の最大輸送台数が48台と判断する。更に、作業期間中、車両3の積荷場所7及び荷下ろし場所8が同一であると判断し、処理制御部15は複数の車両積載車2による輸送が必要であると判断し、ステップS5へ進む。
【0047】
一方、ステップS3のNOにおいて、
図2に示す受注No.J2の様に、輸送台数5台、作業日実数1日から、1台の車両積載車2にて対応可能と判断し、処理制御部15は複数の車両積載車2による輸送が必要でないと判断し、ステップS9へと進む。
【0048】
ステップS5において、処理制御部15は記憶部16を制御し、上記作業日期間中に複数の車両積載車2及び運転手の確保は可能か、否かを判断する。具体的には、ステップS3において、1日の最大輸送台数が48台と判断し、作業日期間中に、連日、車両積載車2が5台、運転手が5名確保されることが望ましいが、その確保が可能か、否かを判断する。しかしながら、上記車両積載車2及び運転手の確保が出来ない場合でも、24時間勤務体制とし、1台の車両積載車2を2名の運転手が2交代制にて対応することも可能である。また、作業日期間中に、連日同数の車両積載車2及び運転手が確保される必要はなく、適宜、1日の輸送台数が調整され、車両積載車2及び運転手の数が調整される場合でも良い。
【0049】
ステップS5のYESにおいて、処理制御部15が、その他の受注情報等からその作業期間中における複数の車両積載車2及びその運転手の確保が可能であると判断した場合には、ステップS6へと進む。一方、ステップS5のNOにおいて、処理制御部15が、その他の受注情報等からその作業期間中における複数の車両積載車2及びその運転手の確保が不可能であると判断した場合には、ステップS9へと進む。
【0050】
ステップS6において、処理制御部15は記憶部16を制御し、積荷場所7と荷下ろし場所8との間に所望の中継場所6があるか、否かを判断する。具体的には、運転手が月曜日から金曜日までの連日勤務することで、上記作業日実数の20日にて輸送台数960台を処理することが可能となる。そして、運転手は、1日の拘束時間の13時間内において、第2のループ走路10を1日2回転する必要があるため、処理制御部15は、輸送距離、輸送経路(高速道路の使用等)等を考慮し、その輸送が可能となるエリアに中継場所6があるか、否かを判断する。
【0051】
ステップS6のYESにおいて、積荷場所7及び荷下ろし場所8に対して最適な輸送経路に使用される高速道路のIC(Interchange)等の近くに会社の営業所が登録されており、上記2回転が可能な場合には、処理制御部15は、その会社の営業所を中継場所6として設定し、ステップS7へと進む。尚、既存の依頼主であり、同じ輸送経路にて繰り返しの依頼を受注している場合には、上記最適な輸送経路に合わせて中継場所6が予め設定されている場合でも良い。
【0052】
一方、ステップS6のNOにおいて、積荷場所7及び荷下ろし場所8に対して最適な輸送経路はあるが、運転手による上記2回転が可能な場所に中継地点が登録されていない場合には、ステップS9へと進む。
【0053】
ステップS7において、中継場所6、積荷場所7及び荷下ろし場所8が設定され、処理制御部15は、受注情報及び輸送情報等から輸送スケジュールを生成する。具体的には、1日の輸送する車両3の台数に対して第2のループ走路10を走行するヘッド4の台数を決定する。次に、第2のループ走路10を上記13時間以内に2回転するヘッド4が、中継場所6にて牽引するシャーシ5を待ち過ぎることなく、効率的に走行するために、第1のループ走路9を走行するヘッド4の台数を決定する。尚、ヘッド4の運転手は、
図2(C)を用いて上述したように、運転手の勤務状況が勘案されて振り分けられる。
【0054】
上述したように、中継場所6では、運転手は、配送伝票の受け渡し作業、車両積載車2のシャーシ5切り替え作業や休憩等を行うが、それらの作業時間として1時間設定される。詳細は後述するが、使用出来る車両積載車2の台数や運転手の人数にも制限があるため、第1のループ走路9に使用される車両積載車2の台数及び運転手の人数は、上記1時間の滞在時間を実現する範囲にて必要最小限の台数及び人数として選別される。例えば、第2のループ走路10を走行するヘッド4が、第2のループ走路10を2回転する場合において、中継場所6にて2台のヘッド4が同時に待機しない様に、第1のループ走路9を走行するヘッド4の台数及びその運行状況が決定される。そして、処理制御部15は、上記第1及び第2のループ走路9、10の車両積載車2のヘッド4の台数の振り分けを行い、輸送スケジュールデータを生成し、記憶部16に記憶させ、ステップS8へと進む。
【0055】
ステップS8において、処理制御部15は、表示部13、出力部14及び記憶部16を制御し、輸送スケジュールを表示部13に表示させ、管理者が表示部13に表示された輸送スケジュールを確認し、問題なしと判断した場合には、管理者が操作部12を操作し、処理制御部15は、輸送スケジュールを出力部14から出力させ、終了する。
【0056】
尚、ステップS9において、処理制御部15が複数台の車両積載車2による繰り返しの輸送が出来ないと判断した場合には、処理制御部15は個別案件に応じた独自の輸送スケジュールデータを生成し、記憶部16に記憶させ、ステップS8へと進む。そして、上記ステップS8の作業が行われ、終了する。
【0057】
次に、
図4(A)は、第2のループ走路10における作業の概要を説明する図であり、
図4(B)は、第1のループ走路9における作業の概要を説明する図であり、
図4(C)は、
図3に示すフローチャートのステップS6にて生成される輸送スケジュールの概要を説明する図である。尚、第1及び第2のループ走路9、10及び輸送スケジュールは、
図2(B)に示す受注No.J1に基づき作成している。
【0058】
図4(A)に示す如く、1台のヘッド4の運転手が、第2のループ走路10を1回転する際に6時間を要するように、管理センタ11(
図2(A)参照)の処理制御部15(
図2(A)参照)により中継場所6が設定されている。具体的には、ヘッド4の運転手が、中継場所6にて到着し点検・点呼作業、シャーシ5の脱着作業に30分、第2のループ走路10の往復の走行に240分、荷下ろし場所8での車両3の荷下ろし作業に30分、休憩、シャーシ5の脱着作業に60分を要する。そして、同一の運転手が、第2のループ走路10を2回転目する際にも、1回転目と同様に6時間を要する。つまり、1人の運転手が、1台のヘッド4にて第2のループ走路10を2回転し、1日の拘束時間の13時間内において、12台の車両3を輸送することができる。尚、図示していない会社と中継場所6との間の往復時間は1時間以内であり、上記会社と中継場所6との間の往復時間を考慮しても、上記13時間をオーバーすることはないように設定されている。
【0059】
図4(B)に示す如く、
図4(A)にて上述したように上記中継場所6が設定されることで、1台のヘッド4の運転手が、第1のループ走路9を1回転する際に1.5時間を要する。具体的には、ヘッド4の運転手が、第1のループ走路9の往復の走行に50分、積荷場所7での車両3の積荷作業に30分、休憩、シャーシ5の脱着作業に10分を要する。つまり、1人の運転手が、1台のヘッド4にて第1のループ走路9を8回転し、30分程度休憩を行っても、1日の拘束時間の13時間内に収まる。尚、図示していない会社と中継場所6との間の往復時間は1時間以内であり、上述したように、上記13時間をオーバーすることはないように設定されている。また、上記13時間をオーバーする可能性がある場合には、1台のヘッド4に対して2人の運転手を準備し、2人の運転手が、出勤時間をずらし、適宜、交代しながら運転し対応しても良い。
【0060】
図4(C)に示す如く、1日の車両3の輸送台数が48台であり、使用可能な車両積載車2の台数が5台の場合には、4人の運転手がそれぞれ1台のヘッド4を運転し、第2のループ走路10を1日に2回転することで、1日の拘束時間の13時間内において、48台の車両3を輸送することができる。一方、1人の運転手が1台のヘッド4を運転し、第1のループ走路9を1日に8回転することで、1日の拘束時間の13時間内において、効率的に第2のループ走路10を走行するヘッド4に対して車両3が積荷されたシャーシ5を供給することができる。
【0061】
次に、
図5は、
図3及び
図4(C)にて説明した輸送スケジュールの運行ダイヤ図である。上述したように、ヘッド4A及びその運転手D1は、牽引するシャーシ5A〜5Eを切り替えながら繰り返し第1のループ走路9を走行する。そして、ヘッド4A及びその運転手D1は、1日の拘束時間の13時間内において、第1のループ走路9を1日に8回転する。尚、運転手D1は、道路の混雑状況等に応じて、適宜、中継場所6や積荷場所7にて休憩しながら走行するが、運行ダイヤ図に示す通り、特に、大きな時間的なロスも無く、効率的な運行が実現される。
【0062】
つまり、第1のループ走路9では、運転手D1が一人にて対応することで、最小限の運転手の人数にて輸送スケジュールが実現できるので、固定費を抑えながら、効率的な輸送システム1が実現される。また、会社側では、上記輸送システム1の運転手を必要最小限の人数にて対応することで、運転手をその他の受注案件の担当に配置することができ、受注拡大に伴い、会社経営も上向かせることが可能となる。
【0063】
一方、ヘッド4B〜4E及びその運転手D2〜D5は、牽引するシャーシ5A〜5Eを切り替えながら、第2のループ走路10を2回転する。運行ダイヤ図に示すように、1回転目及び2回転目がそれぞれ6時間のサイクルにて第2のループ走路10を走行する。そして、運転手D2〜D5の始業時間と終業時間をずらした運行ダイヤを組むことで、運転手D2〜D5の1日の拘束時間を13時間内に抑えながら、運転手D2〜D5は、1人当たりの12台/日の車両3の輸送が実現される。
【0064】
つまり、従前の輸送システムの様に、1人の運転手が1台のヘッド4を運転し、積荷場所7にてシャーシ5に車両3を積荷し、荷下ろし場所8にてシャーシ5から車両3を荷下ろしした後、再び、2回転目を行う場合には、1日の拘束時間の13時間をオーバーし、隔日勤務となり、運転手の連続勤務が出来なかった。しかしながら、本実施形態の輸送システム1では、運転手が第2のループ走路10を2回転しながら、連日の勤務が可能となり、必要以上に運転手を雇用することなく、車両3の輸送台数も増大でき、固定費の増加による経営圧迫を防止することができる。
【0065】
上述したように、輸送システム1では、1日の車両3の輸送台数に応じて第2のループ走路10側に配置されるヘッド4の台数が決まり、その複数のヘッド4が効率的に第2のループ走路10を走行できるように、第1のループ走路9のヘッド4の台数が決定する。このとき、積荷場所7と荷下ろし場所8との間に中継場所6が設定されるが、第2のループ走路10を走行するヘッド4が、上記13時間以内に2回転出来る場所に設定される。この輸送システム1により、人件費、燃料費、車両積載車2の購入費用等の必要経費を抑えながら、効率的な車両3の輸送が実現される。
【0066】
更には、上記中継場所6を設けることで、予め、会社内に輸送予定の車両3をプールする必要がなくなり、車両3をプールするための敷地も必要がなく、車両の盗難や車両へのいたずら等への対策を行う必要がなくなる。
【0067】
また、上述した輸送システム1では、第2のループ走路10を走行するヘッド4が、例えば、第1のループ走路9を走行するヘッド4の1サイクル時間に合わせて、順次、出発する。具体的には、最初に第1のループ走路9の中継場所6をヘッド4Aが出発した後、第2のループ走路10では、ヘッド4Bが、ヘッド4Aの1時間後に中継場所6に到着し、作業を開始する。その後、ヘッド4C〜4Eは、ヘッド4Bの到着から1時間30分の間隔にて中継場所6に到着し、作業を開始することで、中継場所6にて余分な待ち時間なく、シャーシ5を受け渡しすることができる。この輸送システム1により、中継場所6にて荷下ろし専用のヘッド4Aが2台以上待機することがなく効率的な輸送システムが実現される。また、積荷場所7にてシャーシ5に積荷された車両3は、中継場所6にて積み替えられることなく、荷下ろし場所8にてシャーシ5から荷下ろしされる。その結果、車両3はシャーシ5に積荷される際には、ワイヤー等の留め具を用いてシャーシ5に固定されるが、その固定される時間を出来る限り短くすることで、車両3に傷が付くリスクも低減され、車両3の品質管理上好ましい輸送となる。
【0068】
尚、本実施形態では、車両積載車2を5台使用し、5名の運転手により、1日に車両3を48台輸送する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。車両積載車2を5台使用し、10名の運転手により、1日に車両3を96台輸送することも出来る。この場合には、例えば、第1のループ走路9には、ヘッド4Aを1台と、その運転手として2名を配置する。一方、第2のループ走路10には、ヘッド4B〜4Eを4台と、その運転手として8名を配置する。そして、ヘッド4A〜4Eの総稼働時間を24時間とし、2交代体制にて対応する。具体的には、ヘッド4A〜4Eに対しそれぞれ2名を配置し、
図5に示す運行ダイヤ図の一人の運転手の12時間の勤務後、それぞれのヘッド4A〜4Eにおいて運転手が交代することで実現される。
【0069】
また、車両積載車2が10台準備出来る場合には、例えば、第1のループ走路9には、ヘッド4を2台と、その運転手として2名を配置する。一方、第2のループ走路10には、ヘッド4を8台と、その運転手として8名を配置する。そして、第1及び第2のループ走路9、10において、それぞれ2台のヘッド4が同時に走行することで、上記2交代制にすることなく、
図5の示した運行ダイヤにて、1日に車両3を96台輸送することも出来る。
【0070】
また、上記した本実施形態の説明では、車両3の輸送を1社の輸送会社にて受注し、その受注した1社の輸送会社が単独にて対応する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、5社の輸送会社が共同にて受注し、各輸送会社から車両積載車2を持ち寄り、上記輸送システム1により共同で対応する場合でも良い。この場合には、ヘッド4及びその運転手は各輸送会社が担当することで、人件費、燃費等は各輸送会社持ちとなることで、経費の折半等の問題も発生せず、輸送台数に応じて支払いが可能となり、経理上もメリットがある。また、中継場所6として各輸送会社やその営業所を利用することが出来るので、より最適な場所に中継場所6を設定できるというメリットもある。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
【課題】従来の輸送システムでは、ヘッドとシャーシとが、常時、連結した状態の車両積載車にて、積荷場所と荷下ろし場所とを周回しており、運転手の労働時間を順守しつつ、効率的な車両の輸送を実現し難いという課題があった。
【解決手段】本発明の車両積載車2を用いたラウンド輸送システム1では、ヘッド4A〜4Eとシャーシ5A〜5Eとが脱着自在の車両積載車2を用い、中継場所6と積荷場所7とを結ぶ第1のループ走路9と、中継場所6と荷下ろし場所8とを結ぶ第2のループ走路10とを有する。そして、中継場所6にて、車両3が積荷されたシャーシ5A〜5Eを切り替えることで、運転手の労働時間を順守しつつ、効率的な車両3の輸送を実現できる。