【実施例1】
【0015】
本発明の実施例1を説明する。
本実施例は、本発明の制御方法を、永久磁石同期モータ(以下「モータ」という。)3をPWM制御で駆動するモータ制御装置に適用し、電圧指令値に誘起電圧高次成分を加算する例を説明する。
【0016】
まず、
図1を用いて回路構成を説明する。モータ制御装置1は、直流電力を交流電力に変換する電力変換回路4と、電力変換回路4に流れる直流母線電流を検出する直流母線電流検出回路5と、直流母線電流検出回路5で検出された直流母線電流情報5Aを基にベクトル制御を行う制御装置6で構成されている。
【0017】
制御装置6は、ベクトル制御部8、誘起電圧高次成分生成部9、電圧加算部10およびPWMパルス生成部7から構成される。
【0018】
ベクトル制御部8は、直流母線電流検出回路5で検出された直流母線電流情報5Aをもとに永久磁石同期モータ3への基本波印加電圧指令8Bと永久磁石同期モータ3のモータ回転数・位相情報8Aを算出する。
【0019】
誘起電圧高次成分生成部9は、モータ回転数・位相情報8Aをもとに、永久磁石同期モータ3の誘起電圧高次成分9Aを電圧加算部10へ出力する。
【0020】
電圧加算部10は、基本波印加電圧指令8Bに誘起電圧高次成分9Aを加算して印加電圧指令10Aを出力する。
【0021】
PWMパルス生成部7は、印加電圧指令10Aとキャリア信号を基にしてPWMパルス信号7Aへ変換する。
【0022】
また、電力変換回路4は、IGBTとダイオードなどの半導体スイッチング素子から構成された電力変換主回路41と、PWMパルス生成部7からのPWMパルス信号7Aに基づいて主回路のIGBTへのゲート信号を発生するゲート・ドライバ42から構成されている。
【0023】
なお、直流母線電流検出回路5による相電流情報の取得は、一般的な方式を用いることが可能であり、検出方式を特定するものではない。また、ベクトル制御部8は非特許文献1で提案されている方式など、一般的なベクトル制御を用いることで実現可能であり、制御方式を特定するものではない。
【0024】
電流制御器によって電流波形を正弦波状に制御するベクトル制御を
図2〜
図5、
図11を用いて説明する。
【0025】
図11において、
図1と同一符号は同一の機能を有する。制御装置60では、直流母線電流情報5Aから再現した相電流情報を基にベクトル制御部8で演算を行っている。
【0026】
次に、
図2〜
図5を用いて、誘起電圧波形と電圧・電流の関係を説明する。
図2は誘起電圧波形が理想的な正弦波における固定座標系での波形を表している。
図4は誘起電圧波形が理想的な正弦波における永久磁石の磁束を基準とした回転座標系での波形を表している。
図2(a)及び
図4(a)は誘起電圧、
図2(b)及び
図4(b)は印加電圧指令、
図2(c)及び
図4(c)はモータ電流を示している。
【0027】
図3は誘起電圧波形が歪んだ場合における固定座標系での波形を表している。
図5は誘起電圧波形が歪んだ場合における固定座標系と回転座標系での波形を表している。
図3(a)及び
図5(a)は誘起電圧、
図3(b)及び
図5(b)は印加電圧指令、
図3(c)及び
図5(c)はモータ電流を示している。
【0028】
永久磁石同期モータの誘起電圧波形が理想的な正弦波状である場合、
図2(b)及び
図2(c)に示すように、固定座標系では印加電圧指令およびモータ電流は正弦波状の波形となる。また、
図4(b)及び
図4(c)に示すように、回転座標系では印加電圧指令およびモータ電流は一定の値となる。
【0029】
一方、誘起電圧波形が正弦波状から歪んだ場合、これらの歪みに起因してモータ電流波形にも歪みが生じ、振動・騒音の発生、効率の低下が発生する。
【0030】
制御装置60のベクトル制御部8は、
図3(b)及び
図5(b)に示すように、誘起電圧波形が歪んだ場合でもモータ電流が正弦波状になるように、相電流情報をフィードバックして電圧指令値を制御している。
【0031】
しかし、電流制御器の制御周期を高速化し、制御の応答性を大きくするにはマイコンの演算能力などによる限界がある。このため、誘起電圧波形の歪みが大きいモータを駆動すると、電流制御器によってモータ電流に現れる誘起電圧の歪みの影響を十分低減することができず、
図3(c)及び
図5(c)に示すように、モータ電流波形に歪みが発生する。
【0032】
次に、
図6〜
図10を用いて、誘起電圧波形の歪みに起因して生じる電流波形の歪みを抑制する制御を説明する。
【0033】
誘起電圧高次成分生成部9は、あらかじめ取得した誘起電圧波形を用いて、モータ回転数・位相情報8Aをもとに誘起電圧高次成分を生成し、誘起電圧高次成分9Aを電圧加算部10へ出力する。
【0034】
誘起電圧高次成分生成部9が出力する誘起電圧高次成分9Aは、あらかじめ実験や解析で求めた誘起電圧波形を基にテーブル化したデータを用いて生成している。ここで、モータ制御装置として駆動している場合でも、例えば、モータ空転時の端子間電圧を取得することで誘起電圧高次成分9Aの生成・補正を行うことも可能である。
【0035】
電圧加算部10は、ベクトル制御部8が出力した基本波印加電圧指令8Bと誘起電圧高次成分生成部9が出力した誘起電圧高次成分9Aを加算し、PWMパルス生成部7へ出力する。具体的には、
図12に示すように、モータ回転子の磁石磁束方向を基準とした回転座標系であるdq座標軸上において、基本波印加電圧指令8B−d、8B−qに誘起電圧高次成分9A−d、9A−qを加算することで、誘起電圧高次成分を印加電圧指令へ加算することが可能である。
【0036】
また、
図13に示すように、固定座標系の三相交流指令電圧8B−U、8B−V、8B−Wに誘起電圧高次成分9A−U、9A−V、9A−Wを加算する方式でも良い。
【0037】
ここで、
図6に誘起電圧高次成分を印加電圧に加算した場合における固定座標系での概略波形を示している。
図7に誘起電圧高次成分を印加電圧に加算した場合における回転座標系での概略波形を示している。
【0038】
図6(a)及び
図7(a)に示すように、本方式は、誘起電圧波形歪みの高次成分を誘起電圧高次成分9Aとして基本波印加電圧指令8Bに加算する。このため、
図6(b)及び
図7(b)に示すように、印加電圧指令10Aには誘起電圧高次成分9Aが印加された電圧が出力される。これにより、
図6(c)及び
図7(c)に示すように、誘起電圧波形歪みに起因する電流波形の歪みを低減することが可能となる。
【0039】
このように、誘起電圧高次成分生成部9は誘起電圧高次成分9Aを生成し、電圧加算部10は誘起電圧高次成分9Aを基本波印加電圧指令8Bへ加算する。言い換えると、電力変換回路4の出力電圧に含まれる高次成分は、モータ誘起電圧高次成分と相似な波形が出力される。従って、誘起電圧高次成分生成部9と電圧加算部10により、誘起電圧波形の歪みに起因して生じる電流波形の歪みを抑制することができる。
【0040】
なお、電流検出部に変位が加わった場合、特許文献1の技術は電流検出情報より出力電圧高次成分を生成しているため、出力電圧高次成分が変化する。一方、本実施例の技術は、電流検出部に変位が加わった場合であっても、出力電圧高次成分の変化に影響は無く、上述した通りモータ誘起電圧高次成分と相似な波形を出力することができる。
【0041】
また、電力変換回路4の出力電圧に含まれる高次成分は、モータ誘起電圧高次成分と完全に重なっている必要はなく、相似な波形であれば電流波形の歪みを低減することができる。
【0042】
また、実際には、誘起電圧高次成分9Aの全次数を基本波印加電圧指令8Bに印加することはできないため、特定の次数成分のみが含まれる波形となる。
【0043】
図8及び
図9に、誘起電圧高次成分のうち5次成分および7次成分を指令電圧に加算して実機を駆動した場合における電流波形を示す。
図8は誘起電圧高次成分を加算しない従来の制御方式における波形であり、
図9は誘起電圧高次成分を加算した本実施例の制御方式における波形である。
【0044】
図8(a)及び
図9(a)はモータ3のU相における電流を示している。
図8(b)及び
図9(b)はU相における電流波形のFFT解析結果を基本波成分を100%として示している。
【0045】
図8(a)及び
図8(b)に示すように、誘起電圧高次成分を加算しない場合、誘起電圧の歪みの影響で電流波形にも歪みが生じ、5次・7次の電流高次成分が大きく発生していることが確認できる。
【0046】
一方、
図9(a)及び
図9(b)に示すとおり、本実施例の方式により、誘起電圧高次成分を指令電圧に加算すると、モータ電流波形の歪みが抑制され、5次・7次の電流高次成分を低減できていることが確認できる。
【0047】
また、
図10に、誘起電圧高次成分を指令電圧に印加しない場合における電力変換回路とモータの損失を合わせた総合損失を100%とし、誘起電圧高次成分を指令電圧に加算した場合における総合損失を示す。
図10に示すように、誘起電圧高次成分を指令電圧に加算し、電流高次成分を抑制することで、総合損失を低減することができる。
【0048】
以上の通り、本実施例によれば、モータ電流の高次成分を抑制することが可能となる。言い換えると、モータ誘起電圧が歪んだ場合でも、モータ電流の高次成分を抑制することが可能となる。モータ電流の高次成分の抑制により、電流高次成分に起因した電力変換器の出力電力高次成分を抑制し、モータ制御装置の高効率化を実現することが可能となる。
【0049】
ここで、
図14を用いて誘起電圧高次成分9Aを基本波印加電圧指令8Bへの加算する方式の例として、運転条件によって誘起電圧高次成分9Aを切替える方式を説明する。
理想的には誘起電圧高次成分9Aとして、モータの誘起電圧に含まれるすべての高次成分を出力することで、電流高次成分を抑制することが可能となる。しかし、PWMパルス数が一定の状態でモータ回転数が高速域となると、低速域に比べ電圧・電流1周期に含まれるPWMパルス数が少ないため、誘起電圧高次成分の次数が大きい成分の出力が困難となる。
【0050】
そこで、
図14に示すとおり、モータ3の回転数によって誘起電圧高次成分生成部9から次数が大きい成分の出力を停止する。ここでは、モータ3の回転数に応じて、誘起電圧3・5・7・9・11・13次成分の出力を切替えている。
【0051】
図14(c)に示すように、モータ3の回転数を加速させて回転数N1以上となった場合、次数の大きい9・11・13次成分の振幅値を0として、誘起電圧高次成分生成部9からの出力を停止する。
【0052】
さらに、
図14(b)に示すように、モータ回転数がN2以上となった場合、5次・7次成分の振幅値を0として、誘起電圧高次成分生成部9からの出力を停止する。
【0053】
言い換えると、回転数N2以下では、誘起電圧高次成分生成部9からの出力される誘起電圧高次成分は3・5・7・9・11・13次の成分を含む。回転数N1〜N2では、誘起電圧高次成分生成部9からの出力される誘起電圧高次成分は3・5・7次の成分を含む。回転数N2以上では、誘起電圧高次成分生成部9からの出力される誘起電圧高次成分は3次成分を含む。
【0054】
なお、切替え時の電流・回転数・トルクの変動を抑制するため、
図15(b)に示すように、誘起電圧高次成分の振幅値を回転数N4から回転数N5まで一定の割合で変化させる方式でも良い。
【0055】
また、切替えをさらにスムーズにするため、
図15(c)に示すように、誘起電圧高次成分の振幅値を回転数N4から回転数N5まで曲線のように割合を変えながら変化させる方式でも良い。
【0056】
さらに、振幅値の切替えは、モータ3の出力トルクや直流母線電流情報5Aを用いて行う方式でも良い。
【0057】
このように、モータ回転数が高速域の場合は、低速域に比べ電圧・電流1周期に含まれるPWMパルス数が少ない。そのため、1周期に含まれるPWMパルス数が多い次数の低い誘起電圧高次成分を指令電圧へ加算することで、高次成分を出力できなくなり、逆に電流波形が歪んでしまう事態を防止することができる。
【0058】
一方、モータ回転数が低速域の場合は、1周期に含まれるPWMパルス数が多い次数の低い誘起電圧高次成分についても指令電圧へ加算することで、電流波形の歪みを抑制することができる。
【0059】
なお、本実施例では
図14に示すように3段階の切替えについて説明したが、これに限られるものではない。
【0060】
次に、
図17、
図18を用いて、本実施例のモータ制御装置1を空調機100の圧縮機駆動に適用した例を説明する。
【0061】
図17に示すように、本実施例の空調機100は、外気と熱交換を行う室外機101、室内と熱交換を行う室内機102、両者をつなぐ配管103から構成される。室外機101は、冷媒を圧縮する圧縮機104と、それを駆動する圧縮機駆動モータ105と、それを制御するモータ制御装置1と、圧縮冷媒を用いて外気と熱交換する熱交換機107から構成される。また、室内機102は、室内と熱交換を行う熱交換機108と、室内に送風する送風機109から構成される。
【0062】
ここで、
図18を用いて、圧縮機駆動モータ105の効率と直流電圧・印加電圧指令について説明する。
図18(a)は、横軸は圧縮機駆動モータ105の回転数を示し、縦軸は圧縮機駆動モータ105の効率を示す。
図18(b)は、横軸は圧縮機駆動モータ105の回転数を示し、縦軸は電力変換回路4に供給される直流電圧と印加電圧指令の振幅値を示す。
【0063】
直流電圧一定でPWM制御を用いる場合、
図18(b)に示すように、回転数N9以上では印加電圧指令の振幅値が直流電圧を上回る電圧飽和領域となる。電圧飽和領域では、印加電圧指令振幅値が飽和して制御できなくなるため、電力変換回路4から所望の誘起電圧高次成分9Aを出力することができなくなる。
【0064】
従って、誘起電圧高次成分の加算による影響を無くすため、誘起電圧高次成分生成部9からの出力を停止し、通常のPWM制御へ切替えて駆動を行う。
【0065】
このように、電力変換回路4の電力高次成分を低減することで、
図18(a)の一点破線に示すように、効率がピークとなる回転数N9より低速回転の領域において、効率の向上を図ることが可能となる。従来のモータ制御装置と同じ電力変換回路の構成で電力変換回路の電力高次成分を減らすことができるため、部品の追加を行うことなく、空調機の高効率化を行うことが可能となる。
【実施例3】
【0073】
図19、
図20を用いて、直流電圧昇圧装置107を実施例3の空調機100の構成に適用した実施例3を説明する。
【0074】
図19に示すように、本実施例は、モータ駆動装置106に直流電圧昇圧装置107を接続する構成である。なお、その他の構成は、実施例1の空調機100と同じであるため、説明を省略する。
【0075】
ここで、
図20を用いて、本実施例の圧縮機駆動モータ105の効率と直流電圧・印加電圧指令について説明する。
図20(a)は圧縮機駆動モータ105の効率を示している。
図20(b)は直流電圧と印加電圧指令の振幅値を示している。
【0076】
実施例1で説明したとおり、印加電圧指令の振幅値が直流電圧を上回る電圧飽和領域では、印加電圧指令振幅値を制御することができなくなり、電力変換回路4から所望の誘起電圧高次成分9Aを出力することができなくなる。
【0077】
そこで、本実施例の構成では、
図20(b)に示すように、電圧飽和領域が開始する回転数N9以上で直流電圧昇圧装置107によりモータ駆動装置106へ供給する直流電圧の昇圧を行う。これにより、回転数N9以上でも印加電圧指令振幅値が制御可能となり、電力変換回路4から所望の誘起電圧高次成分9Aを出力することが可能となる。
【0078】
実施例3の構成によれば、実施例1で誘起電圧高次成分生成部9からの出力を停止していた回転数N9以上の領域でも、誘起電圧高次成分9Aの出力を行うことで、誘起電圧歪みに起因して発生するモータ電流の高次成分を抑制することができる。従って、モータ駆動装置106の損失を低減し、空調機の高効率化を行うことが可能となる。
【0079】
なお、本発明は実施例1〜実施例3に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれている。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0080】
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【0081】
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0082】
また、各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。
【0083】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0084】
以上説明したとおり、本発明のモータ駆動装置は、永久磁石モータに電力を供給する電力変換器と、電力変換器の出力電圧を制御する制御装置と、永久磁石モータの誘起電圧の高次成分を制御装置の電圧指令値に加算する電圧加算部と、を備え、永久磁石モータの回転数が高いほど、制御装置の電圧指令値に加算される誘起電圧の高次成分の次数が少ない。本発明によれば、高次成分を出力できなくなり、逆に電流波形が歪んでしまう事態を防止することができる。
【0085】
また、本発明のモータ制御装置は、永久磁石モータに電力を供給する電力変換器と、電力変換器の出力電圧を制御する制御装置と、誘起電圧の高次成分を制御装置の電圧指令値に加算する電圧加算部と、を備え、永久磁石モータの回転数が高いほど、永久磁石モータのPWM周波数が高い。本発明によれば、回転数の増加による電流1周期に含まれるPWMパルス数の減少を抑制することにより、高次成分の出力が可能となる。
【0086】
また、本発明のモータ制御装置は、直流電源の直流電圧を昇圧する昇圧回路、を備え、出力電圧の振幅値が直流電圧より高いときは、昇圧回路が直流電圧を出力電圧の振幅値以上に昇圧する。
【0087】
また、本発明のモータ制御装置は、永久磁石モータの回転数、永久磁石モータの出力トルク又は電力変換器の直流母線電流に応じて、誘起電圧の高次成分データから誘起電圧の高次成分を生成する誘起電圧高次成分生成部、を備え、誘起電圧の高次成分を制御装置の電圧指令値に加算する。本発明によれば、簡易な構成で誘起電圧の歪みに起因する電流波形の歪みを抑制することができる。
【0088】
また、本発明の空気調和機は、制御装置によって制御される永久磁石モータを有する圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備える。