(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明の照明装置の代表例として液晶表示装置のバックライトなどに適する面光源装置について説明する。これらの面光源装置は、液晶パネルなどの表示部材と組み合わせることで、表示装置として使用されうる。
【0015】
(実施の形態1)
[面光源装置および発光装置の構成]
図1および
図2は、本発明の実施の形態1の面光源装置300の構成を示す図である。
図1Aは、面光源装置300の平面図であり、
図1Bは、面光源装置300の正面図である。
図2Aは、
図1Bに示されるA−A線の断面図であり、
図2Bは、
図1Aに示されるB−B線の部分拡大断面図である。
【0016】
図1および
図2に示されるように、実施の形態1の面光源装置300は、筐体310、2枚の基板320、複数の発光装置200、および被照射部材としての発光面部材330を有する。
【0017】
筐体310は、その内部に基板320および複数の発光装置200を収容するための、直方体状の箱である。筐体310は、天板311と、天板311と対向する底板312と、天板311および底板312を繋ぐ4つの側壁313〜316とから構成される。天板311の発光面となる領域には、発光面部材330により塞がれた長方形状の開口部が形成されている(
図2B参照)。また、底板312の内面は、発光装置200から出射された光を発光面部材330に向けて拡散反射させる拡散反射面312aとして機能する。筐体310は、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)などの樹脂や、ステンレス鋼やアルミニウムなどの金属などから構成される。
【0018】
2つの基板320は、複数の発光装置200を所定の間隔で配置するための矩形状の平板である。2つの基板320は、互いに対向する2つの側壁313,315にそれぞれ固定されている(
図2A参照)。
【0019】
複数の発光装置200は、2枚の基板320のそれぞれの上に所定の間隔で一列に配置されている(
図2A参照)。複数の発光装置200は、それぞれ発光素子210および光束制御部材100を有している(
図2B参照)。
【0020】
発光素子210は、面光源装置300(および発光装置200)の光源であり、基板320の上に固定されている。発光素子210は、例えば白色発光ダイオードなどの発光ダイオード(LED)である。
【0021】
光束制御部材100は、発光素子210から出射された光の配光を制御する。光束制御部材100は、その中心軸CAが発光素子210の光軸LAに合致するように、発光素子210の上に配置されている(
図2B参照)。ここで「発光素子の光軸」とは、発光素子210からの立体的な出射光束の中心の光線を意味する。また、光束制御部材100の発光素子210に対向する側を「裏側」といい、発光素子210に対向せず、裏側の反対側を「表側」という。さらに、全反射面120の中心軸を「光束制御部材の中心軸」と定義する。
【0022】
光束制御部材100は、基板320上の適切な位置に位置決めされる。また、詳細は後述するが、光束制御部材100には、光束制御部材100に入射した光の一部を外部に出射する一対の板状部161を有する第2出射部160が、全反射面120から突出して形成されている(
図3B参照)。そして、一対の板状部161は、光束制御部材100の中心軸CAを中心として周方向に互いに180度離間して配置されている。
【0023】
光束制御部材100は、一体成形により形成されている。光束制御部材100の素材は、所望の波長の光を通過させ得るものであれば特に限定されない。たとえば、光束制御部材100の素材は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂(EP)などの光透過性樹脂、またはガラスである。
【0024】
本発明の面光源装置300は、光束制御部材100の構成に主たる特徴を有する。そこで、光束制御部材100については、別途詳細に説明する。
【0025】
発光面部材330は、光拡散性を有する板状の部材であり、筐体310の天板311に形成された開口部を塞ぐように配置されている。発光面部材330は、発光装置200からの出射光を照射される被照射部材であり、発光面部材330の内面(底板312と対向する面)は、発光装置200からの出射光を照射される被照射面となる。発光面部材330は、光束制御部材100からの出射光および拡散反射面312aからの反射光を拡散させつつ透過させる。通常、発光面部材330は、液晶パネルなどとほぼ同じ大きさである。たとえば、発光面部材330は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、スチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂(MS)などの光透過性樹脂により形成される。光拡散性を付与するため、発光面部材330の表面に微細な凹凸が形成されているか、または発光面部材330の内部にビーズなどの光拡散子が分散している。
【0026】
本実施の形態の面光源装置300では、複数の発光装置200は、それぞれ、発光素子210の光軸LAが発光面部材330に対して略平行になるように配置されている。すなわち、複数の発光装置200は、それぞれ、発光装置200から出射された光の発光素子210の光軸LAに対する出射角度が大きいほど発光面部材330への入射角度が小さくなるように配置されている。各発光素子210から出射された光の一部は、光束制御部材100により各発光素子210の光軸LA方向に集光される(狭角配光化される)。また、複数の発光装置200は、それぞれ、光束制御部材100の中心軸CAに直交し、かつ一対の板状部161の内部を通る直線と発光面部材330とが略平行になるように配置されている。後述するように、光束制御部材100に入射した光の一部は、第2出射部160から発光装置200の配列方向に出射される。光束制御部材100から出射された光は、直接または拡散反射面312aで拡散反射されて、発光面部材330の内面に略均一に到達する。発光面部材330の内面に到達した光は、発光面部材330によりさらに拡散されつつ発光面部材330を透過する。その結果、本発明の面光源装置300では、発光面(発光面部材330の外面)の明るさが均一化される(輝度ムラが小さい)。
【0027】
[光束制御部材の構成]
次に、本実施の形態の光束制御部材100の構成について説明する。
【0028】
図3および
図4は、本発明の実施の形態1の光束制御部材100の構成を示す図である。
図3Aは、実施の形態1の光束制御部材100の平面図であり、
図3Bは、実施の形態1の光束制御部材100の側面図であり、
図3Cおよび
図4Aは、実施の形態1の光束制御部材100の底面図である。
図4Bは、
図4Aに示されるC−C線の断面図であり、
図4Cは、
図4Aに示されるD−D線の断面図である。
【0029】
図3および
図4に示されるように、光束制御部材100は、入射部110、全反射面120、第1出射部130、フランジ140、ホルダー150および第2出射部160を有する。
【0030】
入射部110は、光束制御部材100の裏側(発光素子210側)に中心軸CAと交わるように形成された凹部113の内面である(
図4Bおよび
図4C参照)。入射部110は、中心軸CAを中心とする回転対称面である。入射部110は、凹部113の天面を構成する内天面111と、凹部113の側面を構成するテーパー状の内側面112とを含む。
【0031】
全反射面120は、入射部110から入射した光の一部を第1出射部130(表側)に向けて反射させる。全反射面120は、光束制御部材100の底部の外縁から第1出射面130の外縁(より正確には、フランジ140の内縁)に延びる面であり(
図4B参照)、全反射面120からは、第2出射部160が突出している(後述)。全反射面120は、基本的には中心軸CAを取り囲むように形成された回転対称面であるが、第2出射部160が突出している領域には全反射面120は存在しない。全反射面120の直径は、入射部110側(裏側)から第1出射部130側(表側)に向けて漸増している。全反射面120を構成する母線(中心軸CAを含む断面図における全反射面120)は、外側(中心軸CAから離れる側)に凸の円弧状曲線である(
図4B参照)。
【0032】
第1出射部130は、光束制御部材100において入射部110の反対側(表側)に位置する面であり、中心軸CAと交わるように形成されている。第1出射部130は、入射部110から入射した光の一部および全反射面120で反射した光を外部に出射する。本実施の形態の光束制御部材100では、第1出射部130は、中心軸CAを中心とする回転対称面であり、中心軸CAとの交点が裏側からの高さが最も高い点となっている(
図3B、
図4Bおよび
図4C参照)。第1出射部130を構成する母線(中心軸CAを含む断面図における第1出射部130)は、表側に凸の円弧状曲線である。
【0033】
フランジ140は、全反射面120および第1出射部130の外縁から第1出射部130の径方向(中心軸CAに直交する方向)に延在するように形成された円環状の部材である(
図3A参照)。本実施の形態の光束制御部材100では、フランジ140を介して、入射部110、全反射面120および第1出射部130を含む光束制御部材本体とホルダー150が接合されている(
図4B参照)。
【0034】
ホルダー150は、光束制御部材本体を支持するとともに、基板320に対して光束制御部材本体を位置決めする。ホルダー150は、略円筒形状の部材であり、順テーパー状に形成されている。ホルダー150の上端部には、フランジ140が接合されている。
【0035】
第2出射部160は、入射部110から入射した光の一部を外部に出射させる。より具体的には、第2出射部160は、入射部110から入射した光のうち、発光素子210の光軸LAに対して大きな角度の光の一部を、全反射面120で反射させずに、発光素子210の光軸LAに対して大きな角度のままホルダー150を介して外部に出射させる。第2出射部160は、全反射面120から径方向に延在する1または2以上の板状部161を有する。本実施の形態では、第2出射部160は、一対の板状部161を有する。一対の板状部161は、中心軸CAを含む断面において、全反射面120とホルダー150との間の領域を埋めるように配置されている(
図4C参照)。また、一対の板状部161の下端は、凹部113の開口部と同じ高さ(中心軸CAに直交する方向)に形成されている。一方の板状部161と、他方の板状部161は、中心軸CAを中心として周方向に180度離間して配置されている。すなわち、一対の板状部161は、中心軸CAを挟んで同一平面状に配置されている。これにより、一対の板状部161は、全反射面120を、板状部161の厚み分だけ離間するように二分している。
【0036】
[光束制御部材の配光特性]
本実施の形態の光束制御部材100を用いた面光源装置300の発光面部材330上における明るさの分布についてシミュレーションを行った。
図1および
図2に示されるように、光束制御部材100を有する発光装置200が互いに対向する2つの側壁313,315にそれぞれ4つずつ固定された面光源装置300(以下「本実施の形態の面光源装置」という)を用いて、発光面部材330から0.5mm離して配置された測定面の照度を測定した。測定面は、発光面部材330を透過した光によって照らされることを想定した仮想面であり、シミュレーションによって得られる照度分布は、発光面部材330上の輝度分布と同等である。また、このシミュレーションでは、一対の板状部161が発光面部材330と平行になるように発光装置200(光束制御部材100)を配置した。また、比較のため、本実施の形態の光束制御部材100の代わりに第2出射部160を有しない光束制御部材を有する面光源装置(以下「比較例の面光源装置」という)についても、同様のシミュレーションを行った。
【0037】
図5Aは、
図2AにおけるQ−Q線上における照度分布を示したグラフであり、
図5Bは、
図5Aの照度分布において、最大値を1として規格化したグラフであり、
図5Cは、
図2AにおけるR−R線上における照度分布を示したグラフであり、
図5Dは、
図5Cの照度分布において、最大値を1として規格化したグラフである。これらのグラフにおいて、黒線は、本実施の形態の面光源装置300の結果を示し、灰色線は、比較例の面光源装置の結果を示す。
【0038】
図5Aに示されるように、本実施の形態の面光源装置300では、比較例の面光源装置より、光源間における中心部分の照度が低下した(
図5A矢印参照)。また、
図5Bに示されるように、本実施の形態の面光源装置300では、比較例の面光源装置より、光源間かつ光源近傍の領域の照度が上昇した(
図5B矢印参照)。これは、入射部110から光束制御部材100内に入射した光が、第1出射部130だけでなく、第2出射部160(一対の板状部161)を介して発光素子210の配列方向に出射されたことによるものと考えられる。また、
図5Bおよび
図5Dに示されるように、本実施の形態の面光源装置300では、比較例の面光源装置より、照度のコントラストが弱くなった(輝度ムラが小さくなった)。
【0039】
[効果]
以上のように、本実施の形態の光束制御部材100を有する発光装置200は、第1出射部130のみならず、第2出射部160からも横方向に光を出射する。このため、本実施の形態の面光源装置300では、発光面部材330の発光装置200間の領域に暗部が生じにくい。したがって、面光源装置300は、輝度ムラが少ない。
【0040】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の面光源装置および発光装置は、実施の形態1の光束制御部材100の代わりに実施の形態2の光束制御部材500を有する点において、実施の形態1の面光源装置300および発光装置200と異なる。そこで、本実施の形態では、実施の形態2の光束制御部材500についてのみ説明する。なお、実施の形態2の光束制御部材500は、第1出射部530の形状のみが実施の形態1の光束制御部材100と異なる。そこで、実施の形態1の光束制御部材100と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
[光束制御部材の構成]
図6は、実施の形態2の光束制御部材500の構成を示した図である。
図6Aは、実施の形態2の光束制御部材500の平面図であり、
図6Bは、実施の形態2の光束制御部材500の左側面図であり、
図6Cは、実施の形態2の光束制御部材500の右側面図である。これらの図において、光束制御部材500の中心軸の方向をz軸方向とし、z軸に直交し、かつ互いに直交する2つの方向をx軸方向およびy軸方向とする。光束制御部材500は、yz平面が発光面部材330と略平行になるように配置される。
【0042】
図6に示されるように、実施の形態2の光束制御部材500は、入射部110、全反射面120、第1出射部530、フランジ140およびホルダー150を有する。なお、
図6では、入射部110および全反射面120は、ホルダー150に囲まれているため見えない。
【0043】
実施の形態2の光束制御部材500では、第1出射部530の形状が、中心軸CAを通り、かつyz平面に平行な面を境界に異なっており、第1出射部530は、第1出射面531と、第2出射面532とを有する。第1出射面531は、中心軸CAを中心とする回転対称面の一部であり、中心軸CAとの交点が裏側からの高さが最も高い点となっている(
図6B参照)。第1出射面531を構成する母線(中心軸CAを含む断面図における第1出射面531)は、表側に凸の円弧状曲線である。第2出射面532は、x軸方向には曲率を有するが、y軸方向には曲率を有しない略シリンドリカル形状をしている(
図6C参照)。したがって、第2出射面532は、x軸方向には光を集光するが、y軸方向には光を拡げて出射する。光束制御部材500は、yz平面が発光面部材330と略平行になるように、かつ第2出射面532が発光面部材330側となるように配置される。
【0044】
[効果]
本実施の形態の光束制御部材500は、実施の形態1の光束制御部材100と同様の効果に加え、第1出射面531ではx軸方向およびy軸方向に光を集光し、第2出射面532ではx軸方向にのみ光を集光し、y軸方向に光を拡げることができる。したがって、光束制御部材500を含む面光源装置では、発光面の2つの光束制御部材500間の領域における暗部の発生を抑制しつつ、遠方にも光を到達させて、発光面の輝度ムラをより低減させることができる。
【0045】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の面光源装置および発光装置は、実施の形態1の光束制御部材100の代わりに実施の形態3の光束制御部材600を有する点において、実施の形態1の面光源装置300および発光装置200と異なる。そこで、本実施の形態では、実施の形態3の光束制御部材600についてのみ説明する。なお、実施の形態3の光束制御部材600は、第2出射部660の形状のみが実施の形態1の光束制御部材100と異なる。そこで、実施の形態1の光束制御部材100と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
[光束制御部材の構成]
図7Aは、実施の形態3の光束制御部材600の底面図であり、
図7Bは、
図7Aに示されるE−E線の断面図であり、
図7Cは、
図7Aに示されるF−F線の断面図である。
【0047】
図7に示されるように、実施の形態3の光束制御部材600は、入射部110、全反射面120、第1出射部130、フランジ140、ホルダー150および第2出射部660を有する。
【0048】
実施の形態3の光束制御部材600では、第2出射部660は、全反射面120から径方向に延在した一対の板状部661を有する。一対の板状部661は、中心軸CAを含む断面において、全反射面120とホルダー150との間の領域を埋めるように配置されている(
図7C参照)。また、一対の板状部661の下端は、凹部113の開口部と同じ高さに形成されている。一方の板状部661と、他方の板状部661は、中心軸CAを中心として周方向に互いに180度離間して配置されている。一対の板状部661は、中心軸CAに直交する断面において、中心軸CAから外縁部に向かって、徐々に板厚が厚くなるように形成されている。
【0049】
[効果]
本実施の形態の光束制御部材600は、実施の形態1の光束制御部材100と同様の効果を有する。また、光束制御部材600の裏面からの高さによって第2出射部660を突出させる全反射面120上の領域の幅が変化するように、板状部661を形成することで、発光面の2つの光束制御部材600間の領域における暗部の発生を制御するための光と遠方に到達させるための光との配分を適宜調整することができる。
【0050】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の面光源装置および発光装置は、実施の形態1の光束制御部材100の代わりに実施の形態4の光束制御部材700を有する点において、実施の形態1の面光源装置300および発光装置200と異なる。そこで、本実施の形態では、実施の形態4の光束制御部材700についてのみ説明する。なお、実施の形態4の光束制御部材700は、ホルダー150の有無および第2出射部760の形状のみが実施の形態2の光束制御部材500と異なる。そこで、実施の形態2の光束制御部材500と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
[光束制御部材の構成]
図8および
図9は、実施の形態4の光束制御部材700の構成を示した図である。
図8Aは、実施の形態4の光束制御部材700の平面図であり、
図8Bは、実施の形態4の光束制御部材700の正面図であり、
図8Cは、実施の形態4の光束制御部材700の左側面図であり、
図8Dは、実施の形態4の光束制御部材700の右側面図である。
図9Aは、実施の形態4の光束制御部材700の底面図であり、
図9Bは、
図9Aに示されるG−G線の断面図であり、
図9Cは、
図9Aに示されるH−H線の断面図である。
【0052】
図8および
図9に示されるように、実施の形態4の光束制御部材700は、入射部110、全反射面120、第1出射部530および第2出射部760を有する。
【0053】
実施の形態4の光束制御部材700では、第2出射部760は、全反射面120から径方向に延在した一対の板状部761を有する。一対の板状部761は、中心軸CAを中心として180度離間して配置されている。また、一対の板状部761の外縁部は、フランジ140の側面まで達している。
【0054】
[効果]
本実施の形態の光束制御部材700は、実施の形態1の光束制御部材100と同様の効果に加え、ホルダー150を形成しないため、より低コストで製造されうる。
【0055】
また、本実施の形態の光束制御部材700では、ホルダー150を形成しないため、フランジ140を薄くすることができる。すなわち、ホルダー150を有する実施の形態1の光束制御部材100を一体成形する場合は、ホルダー150に樹脂を供給するためにフランジ140をある程度厚くすることが必要であるが、ホルダー150を有しない本実施の形態の光束制御部材700では、ホルダー150に樹脂を供給しないため、フランジ140を薄くすることができる。したがって、
図10(平面図)、
図10B(正面図)、
図10C(左側面図)、および
図10D(右側面図)に示されるように、本実施の形態の光束制御部材700Aでは、フランジ140Aを薄くしてもよい。このようにすることで、全反射面120をより大きくして、光をより遠方へ照射できるようになる。
【0056】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5の面光源装置および発光装置は、実施の形態1の光束制御部材100の代わりに実施の形態5の光束制御部材800を有する点において、実施の形態1の面光源装置300および発光装置200と異なる。そこで、本実施の形態では、実施の形態5の光束制御部材800についてのみ説明する。なお、実施の形態5の光束制御部材800は、第2出射部860の形状および/または位置のみが実施の形態2の光束制御部材500と異なる。そこで、実施の形態2の光束制御部材500と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0057】
[光束制御部材の構成]
図11は、実施の形態5の光束制御部材800の構成を示した図である。
図11Aは、実施の形態5の光束制御部材800の底面図であり、
図11Bは、
図11Aに示されるI−I線の断面図であり、
図11Cは、
図11Aに示されるJ−J線の断面図である。
【0058】
図11に示されるように、実施の形態5の光束制御部材800は、入射部110、全反射面120、第1出射部530、ホルダー150および第2出射部860を有する。
【0059】
実施の形態5の光束制御部材800では、第2出射部860は、全反射面120から径方向に延在した一対の板状部861を有する。一対の板状部861は、中心軸CAを含む断面において、全反射面120とホルダー150との間の領域を埋めるように配置されている(
図11C参照)。また、一対の板状部861の下端は、中心軸CAを含む断面において、全反射面120の半分の高さ(内天面111と同じ高さ)である。また、一方の板状部861と、他方の板状部861は、中心軸CAを中心として周方向に互いに180度離間して配置されている。
【0060】
また、第2出射部860の形状および位置は、
図11に示される態様に限定されない。たとえば、
図12A(底面図)、
図12B(K−K線の断面図)および
図12C(L−L線の断面図)に示されるように、実施の形態5の光束制御部材800Aでは、第2出射部860Aは、入射部110の近傍のみに形成されていてもよい。この例では、第2出射部860Aは、一対の板状部861Aを有している。一対の板状部861Aの下端は、凹部113の開口部と同じ高さに形成され、一対の板状部861Aの上端部は、中心軸CAを含む断面において、全反射面120の半分の高さまで達している。
【0061】
[効果]
本実施の形態の光束制御部材800,800Aは、実施の形態1の光束制御部材100と同様の効果を有する。また、第2出射部860を突出させる位置、および第2出射部860と全反射面120との接続領域の形状によって、発光面の2つの光束制御部材800間の領域における暗部の発生を制御するための光と遠方に到達させるための光との配分を適宜調整することができる。
【0062】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6の面光源装置および発光装置は、実施の形態1の光束制御部材100の代わりに実施の形態6の光束制御部材900を有する点において、実施の形態1の面光源装置300および発光装置200と異なる。そこで、本実施の形態では、実施の形態6の光束制御部材900についてのみ説明する。なお、実施の形態6の光束制御部材900は、フランジ940およびホルダー950の形状のみが実施の形態2の光束制御部材500と異なる。そこで、実施の形態2の光束制御部材500と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
[光束制御部材の構成]
図13は、実施の形態6の光束制御部材900の構成を示した図である。
図13Aは、実施の形態6の光束制御部材900の底面図であり、
図13Bは、
図13Aに示されるM−M線の断面図であり、
図13Cは、
図13Aに示されるN−N線の断面図である。
【0064】
図13に示されるように、実施の形態6の光束制御部材900は、入射部110、全反射面120、第1出射部530、フランジ940、ホルダー950および第2出射部160を有する。
【0065】
実施の形態6の光束制御部材900におけるフランジ940およびホルダー950の側面には、一対の凸条部941が形成されている。一対の凸条部941は、中心軸CAを中心として周方向に180度離間して配置されている。また、一対の凸条部941は、中心軸CAからの一対の板状部161の延在方向と同じ方向に配置されている。一対の凸条部941は、中心軸CAに直交する断面形状が半円状に形成されており、板状部161内を伝播してきた光を集光しつつ外部に出射させる。
【0066】
[効果]
本実施の形態の光束制御部材900は、実施の形態1の光束制御部材100と同様の効果を有する。また、一対の板状部161と、断面形状が半円状の一対の凸条部941が同一方向に配置されているため、一対の板状部161内を伝播してきた光を集光しつつ外部に出射させることができる。
【0067】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7の面光源装置および発光装置は、実施の形態1の光束制御部材100の代わりに実施の形態7の光束制御部材1000を有する点において、実施の形態1の面光源装置300および発光装置200と異なる。そこで、本実施の形態では、実施の形態7の光束制御部材1000についてのみ説明する。
【0068】
[光束制御部材の構成]
図14および
図15は、実施の形態7の光束制御部材1000の構成を示した図である。
図14Aは、実施の形態7の光束制御部材1000の平面図であり、
図14Bは、実施の形態7の光束制御部材1000の左側面図であり、
図14Cは、実施の形態7の光束制御部材1000の右側面図である。
図15Aは、実施の形態7の光束制御部材1000の底面図であり、
図15Bは、
図15Aに示されるO−O線の断面図であり、
図15Cは、
図15Aに示されるP−P線の断面図である。これらの図において、光束制御部材1000の中心軸の方向をz軸方向とし、z軸に直交し、かつ互いに直交する2つの方向をx軸方向およびy軸方向とする。光束制御部材1000は、yz平面が発光面部材330と略平行になるように配置される。
【0069】
図14および
図15に示されるように、実施の形態7の光束制御部材1000は、入射部110、全反射面120、第1出射部1030、フランジ1040、ホルダー1050および第2出射部860を有する。実施の形態7の光束制御部材1000は、第1出射部1030、フランジ1040およびホルダー1050の形状が実施の形態1の光束制御部材100と異なる。そこで、
図14および
図15を参照して、第1出射部1030、フランジ1040およびホルダー1050の形状について説明する。なお、実施の形態1の光束制御部材100と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0070】
実施の形態7の光束制御部材1000では、第1出射部1030は、第1出射面531および第2出射面1032を有する。第2出射面1032は、鞍のような形状をしており、x軸方向およびy軸方向のそれぞれについて曲率を有している。x軸方向の曲率中心は、第2出射面1032よりも下側にあり、y軸方向の曲率中心は、第2出射面1032よりも上側にある。
【0071】
また、実施の形態7の光束制御部材1000では、フランジ1040およびホルダー1050の側面に、一対の凹条部1052が形成されている。一対の凹条部1052は、中心軸CAを中心として周方向に180度離間して配置されている。また、一対の凹条部1052は、中心軸CAからの一対の板状部161の延在方向と同じ方向に配置されている。一対の凹条部1052は、一方の面がxz平面に対して所定の角度で傾くように形成されており、板状部161内を伝播してきた光を所定の方向に屈折させつつ外部に出射させる。
【0072】
なお、凹条部1052の形状は、
図14および
図15に示される態様に限定されない。たとえば、
図16A(平面図)および16B(底面図)に示されるように、実施の形態7の光束制御部材1000Aでは、凹条部1052Aは、中心軸CAに直交する断面形状が半円状であってもよい。この場合、板状部161内を伝播してきた光は、凹条部1052において広げられつつ外部に出射される。
【0073】
また、
図16C(平面図)および16D(底面図)に示されるように、実施の形態7の光束制御部材1000Bでは、凹条部1052Bは、中心軸CAに直交する断面形状が三角形状であってもよい。この場合、板状部161内を伝播してきた光は、凹条部1052のいずれかの面で反射されて、ホルダー150の側面から外部に出射される。
【0074】
[効果]
本実施の形態の光束制御部材1000,1000A,1000Bは、実施の形態1の光束制御部材100と同様の効果に加え、一対の板状部161内を伝播してきた光を特定の方向に配光しつつ外部に出射させることができる。
【0075】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8の面光源装置および発光装置は、実施の形態1の光束制御部材100の代わりに実施の形態8の光束制御部材1100を有する点において、実施の形態1の面光源装置300および発光装置200と異なる。そこで、本実施の形態では、実施の形態8の光束制御部材1100についてのみ説明する。なお、実施の形態8の光束制御部材1100は、フランジ1140の形状および第2出射部160の位置のみが実施の形態7の光束制御部材1000と異なる。そこで、実施の形態7の光束制御部材1000と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0076】
[光束制御部材の構成]
図17は、実施の形態8の光束制御部材1100の構成を示す図である。
図17Aは、実施の形態8の光束制御部材1100の平面図であり、
図17Bは、実施の形態8の光束制御部材1100の底面図である。
【0077】
図17に示されるように、実施の形態8の光束制御部材1100は、入射部110、全反射面120、第1出射部1030、フランジ1140、ホルダー150および第2出射部160を有する。
【0078】
実施の形態8の光束制御部材1100では、フランジ1140は、平面視した場合、略円形に形成されている。また、第2出射部160は、一対の板状部161を有する。一方の板状部161と、他方の板状部161は、中心軸CAを中心として周方向に150度離間して配置されている(
図17B参照)。
【0079】
なお、板状部161の位置および数は、
図17に示される態様に限定されない。たとえば、
図18A(底面図)に示されるように、実施の形態8の光束制御部材1100Aでは、一方の板状部161と、他方の板状部161は、中心軸CAを中心として周方向に120度離間して配置されていてもよい。また、
図18B(底面図)に示されるように、実施の形態8の光束制御部材1100Bでは、一方の板状部161と、他方の板状部161は、中心軸CAを中心として周方向に60度離間して配置されていてもよい。また、
図18C(底面図)に示されるように、実施の形態8の光束制御部材1100Cでは、一方の板状部161と、他方の板状部161は、重なっていてもよい。すなわち、第2出射部160は、単一の板状部161を有していてもよい。
【0080】
[効果]
本実施の形態の光束制御部材1100,1100A,1100B,1100Cは、実施の形態1の光束制御部材100と同様の効果を有する。
【0081】
なお、上記各実施の形態では、底板312の内面全面が拡散反射面312aである面光源装置について説明したが、
図19A(断面図)に示されるように、底板312の内面312aのうち光束制御部材近傍の領域に正反射面312bを形成してもよい。
【0082】
また、上記各実施の形態では、天板311の開口部を通過した光が発光面部材330に直接到達する面光源装置について説明したが、
図19B(断面図)に示されるように、発光面部材330の内面の上にプリズムシート340を配置してもよい。プリズムシート340には、断面三角形状の複数の凸条が、発光面部材330と対向し、かつ発光素子210の光軸LA方向に沿って形成されている。プリズムシート340の凸条は、全反射プリズムとして機能し、到達した光を底板312側に反射することで、光束制御部材から出射された光をより遠方に導く。
【0083】
さらに、
図19C(断面図)に示されるように、正反射面312bおよびプリズムシート340を配置してもよい。
【0084】
前述した各実施の形態では、発光素子210の光軸LAと略平行に配置された被照射部材(発光面部材330)を光が透過する照明装置(面光源装置300)について説明した。このような照明装置は、液晶表示装置のバックライトや、シーリングライト、内照式看板などとして好適である。一方、本発明の照明装置では、被照射部材は光を透過させなくてもよい。たとえば、
図20に示されるように、光を透過させない被照射部材(例えば、壁面や、絵または文字が記載された看板など)に対して光を照射してもよい。
図20に示される例では、発光素子210の光軸LAが被照射部材350の被照射面と鋭角に交わるように、発光装置200は配置されている。この場合、第2出射部160を含む平面と被照射部材350の被照射面が鋭角に交わるように光束制御部材100を配置することで、第2出射部160から出射された光を発光装置200間の暗部となりやすい領域を有効に照らす光に変えることができる。このような照明装置は、壁面照明や、外照式看板などとして好適である。