(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態のガスメータを、
図1〜
図10を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態のガスメータの斜視図であって、(a)は、上口金タイプのガスメータの図であり、(b)は、下口金タイプのガスメータの図である。
図2は、
図1(a)のガスメータの分解立体図である。
図3(a)は、
図1のガスメータが備える流路部材の一方向側からの斜視図であり、
図3(b)は、流路部材の一方向と反対の他方向側からの斜視図である。
図4は、
図1のガスメータが備える正面ケースの背面側からの斜視図である。
図5は、
図1のガスメータが備える背面ケースの正面側からの斜視図である。
図6は、通気孔キャップの組付けを説明する部分断面図である。
図7は、
図1(a)のA−A線に沿って切断した状態のガスメータの正面側からの斜視図である。
図8(a)は、
図1(a)のガスメータの背面下側からの斜視図であり、
図8(b)は、
図1(b)のガスメータの背面上側からの斜視図である。
図9(a)は、
図1(a)のガスメータにおいて背面ケースの周壁部外側面に突部が設けられていない構成のものの背面下側からの斜視図であり、
図9(b)は、
図1(b)のガスメータにおいて背面ケースの周壁部外側面に突部が設けられていない構成のものの背面上側からの斜視図である。なお、以下の説明における「上下左右」の概念は、各図における上下左右に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。
【0011】
図1、
図2に示すように、本実施形態のガスメータ(図中、符号1で示す)は、流路部材10と、外装部材20と、基板部60と、を備えている。
【0012】
流路部材10は、
図3(a)、(b)に示すように、管路部11と、遮断弁18と、流速センサ(図示なし)を備えている。管路部11は、アルミダイカスト製の管路部本体12と、管路部本体12の一端に設けられたグロメットからなるガス流入部13と、管路部本体12の他端に設けられたグロメットからなるガス流出部14と、を備えている。ガス流入部13とガス流出部14とは、それぞれ同一方向(図中上方)に向けて設けられている。これにより、管路部11は、全体として略U字管形状に形成されている。また、図示しない圧力センサは、例えば、一端部がガス雰囲気中に位置し他端部が大気中に位置するように取り付けられている。
【0013】
遮断弁18は、管路部本体12のガス流入部13寄りの箇所に設けられている。遮断弁18は、通常時は弁開状態にあり、後述する基板部60からの弁閉要求信号を受信すると弁閉状態に移行し、管路部本体12を塞いでその内を流れるガスを遮断する。
【0014】
図示しない流速センサは、管路部本体12における遮断弁18の下流側に設けられており、例えば、超音波などを用いて管路部本体12を流れるガスの流速を検出する超音波センサなどが用いられている。流速センサは、検出した流速に応じた信号を後述する基板部60に出力して、基板部60はこの信号に基づいて、管路部本体12を流れるガスの流量等を検出し、表示部62に表示する。
【0015】
管路部本体12には、ねじ穴加工やフライス加工等を行う自動加工機によってワークの位置出しを行うために用いられる加工基準部としての複数の加工基準穴15が設けられている。管路部本体12の一方向側(
図3(a)の紙面手前方向、
図3(b)の紙面奥方向))に設けられた加工基準穴15はその開口を当該一方向に向け、管路部本体12の一方向と反対側の他方向側(
図3(a)の紙面奥方向、
図3(b)の紙面手前方向)に設けられた加工基準穴15はその開口を当該他方向に向けている。管路部本体12の一方向側に設けられた加工基準穴15と、管路部本体12の他方向側に設けられた加工基準穴15とは対をなしており、対となる2つの加工基準穴15は、一方向(及び他方向)に並ぶように設けられている。
【0016】
また、管路部本体12には、後述する基板部60が取り付けられて当該基板部60を保持する通常取付部16及び反転取付部17が設けられている。本実施形態において、管路部本体12の一方向側に通常取付部16が設けられ、他方向側に反転取付部17が設けられている。通常取付部16及び反転取付部17のうち、流路部材10が後述する背面ケース40に収容されたときに正面側に配置された一方に、後述する基板部60がねじによって取り付けられる。
【0017】
外装部材20は、それぞれ合成樹脂製の正面ケース30と、背面ケース40と、を備え、該背面ケースには合成樹脂製の端子台カバー50が取り付けられている。
【0018】
正面ケース30は、前壁部31と、前壁部31の周縁から立設された周壁部32と、を有する、背面側が開口された箱状に形成されている。前壁部31中央には、後述する基板部60に設けられた表示部62を視認可能に露出するための表示開口部33aが設けられている。また、前壁部31における表示開口部33aの近傍には、後述する基板部60に設けられた操作ボタン63を操作可能にするためのボタン開口部33bが設けられている。ボタン開口部33bの内側にはゴム製のボタンカバー63aが配設されている。前壁部31における表示開口部33aの下方には、背面側に凹んで形成された端子台収容部34が設けられている。端子台収容部34内には、基板部60に設けられた端子台64が背面側から挿入されて突出される端子台開口部35が設けられている。
【0019】
前壁部内側面31aには、背面方向(
図4紙面手前方向)に突出して形成された位置決め部としての複数の正面側位置決めボス36が設けられている。これら複数の正面側位置決めボス36は、流路部材10を外装部材20内に収容したときに、各正面側位置決めボス36の先端がそれぞれに対応する流路部材10の各加工基準穴15に嵌合するように、配置されている。本実施形態において、正面側位置決めボス36は、前壁部内側面31aの上下方向の中央を通る線について対称に2つずつ配置され、計4つ設けられている。
【0020】
周壁部32における一の壁部分としての上部分32aの背面側縁部には、流路部材10のガス流入部13及びガス流出部14に対応して、それらの形状に沿う半円状の第1前切欠部37a及び第1前切欠部38aが形成されている。また、周壁部32における他の壁部分としての下部分32bの背面側縁部には、流路部材10のガス流入部13及びガス流出部14に対応して、第1前切欠部37a及び第1前切欠部38aと同一の半円状の第2前切欠部37b及び第2前切欠部38bが形成されている。
【0021】
背面ケース40は、後壁部41と、後壁部41の周縁から立設された周壁部42と、を有する、正面側が開口された箱状に形成されている。
【0022】
後壁部内側面41aには、正面方向(
図5紙面手前方向)に突出して形成された位置決め部としての複数の背面側位置決めボス46が設けられている。これら複数の背面側位置決めボス46は、流路部材10を外装部材20内に収容したときに、各背面側位置決めボス46の先端がそれぞれに対応する流路部材10の各加工基準穴15に嵌合するように配置されている。本実施形態において、背面側位置決めボス46は、後壁部内側面41aの上下方向の中央を通る線について対称に2つずつ配置され、計4つ設けられている。
【0023】
周壁部42における一の壁部分としての上部分42aの正面側縁部には、流路部材10のガス流入部13及びガス流出部14に対応して、それらの形状に沿う半円状の後切欠部47及び後切欠部48が形成されている。また、周壁部42における他の壁部分としての下部分42bの外側面には、第1前切欠部37a、38a及び第2前切欠部37b、38bと嵌合可能に形成された(ここでは、切欠部によって画定される空間と同一形状であって、切欠部に隙間無く嵌り正面ケース30の周壁部32と面一になる形状)の突部45a及び突部45bが設けられている。
【0024】
また、背面ケース40の上面、下面、左側面及び右側面には、それぞれ、メータ内から外部へ貫通する貫通孔70a、70b、70c及び70dが形成されている。
【0025】
正面ケース30と背面ケース40とは、正面ケース30の周壁部32の内側に背面ケース40の周壁部42の一部を挿入することにより、嵌合可能に形成されている。つまり、正面ケース30と背面ケース40とは互いに合体可能に形成されている。また、背面ケース40の周壁部42の外側面に一体に係止爪部49が設けられ、正面ケース30の周壁部32の内側面に一体に係止爪部49に係止される係止爪受部39が設けられている。係止爪部49を係止爪受部39に係止させることにより互いを固定するスナップフィット構造によって正面ケース30と背面ケース40とが一体に保持されている。
【0026】
正面ケース30と背面ケース40とが一体にされても、正面ケース30の周壁部32と波面ケース40の周壁部42が重なり合う箇所では、周壁部32と周壁部42の間に隙間がある。
【0027】
また、正面ケース30と背面ケースの組付け時、上面に位置する通気孔には、キャップが組み付けられる。すなわち、
図6に示すように、背面ケースにおける、上面に位置する通気孔70aにキャップ80が組付けられ、次に、正面ケース30が背面ケース40に組み付けられる。このとき、キャップ80は、背面ケースの貫通孔70aを塞ぎ、正面ケースの周壁部32の上部分32aで外れないようにカバーされる。
【0028】
また、
図7に示すように、正面ケース30と背面ケース40とが一体にされると、これらに収容された流路部材10は、複数の加工基準穴15に正面側位置決めボス36及び背面側位置決めボス46が嵌合されて、正面側及び背面側から挟み込まれた形となる。
図6は、
図1(a)に示す上口金タイプの構成であるが、
図1(b)に示す下口金タイプの構成でも同様である。このように流路部材10の正面側及び背面側に複数の加工基準穴15を設け、これら複数の加工基準穴15に正面側位置決めボス36及び背面側位置決めボス46を嵌合させて、正面側及び背面側から挟み込む構造とすることで、ガスメータを手で掴んで運搬したりしたときに、想定外の外力がガスメータ1に加わった場合でも変形することなく、金属製の流路部材10と合成樹脂製の外装部材20とを確実に固定することできる。
【0029】
正面ケース30は、(1)その上部分32aに背面ケース40の上部分42aが対応し、その下部分32bに背面ケース40の下部分42bが対応する位置関係で背面ケース40に嵌合可能とされており、また、(2)その上部分32aに背面ケース40の下部分42bが対応し、その下部分32bに背面ケース40の上部分42aが対応する位置関係で背面ケース40に嵌合可能とされている。
【0030】
上記(1)の場合、
図1(a)に示すように、正面ケース30と背面ケース40とが嵌合されて外装部材20として一体になると、第1前切欠部37aと後切欠部47とによって流路部材10のガス流入部13が挿通される第1管路端挿通開口としての流入部開口27aが形成され、第1前切欠部38aと後切欠部48とによって流路部材10のガス流出部14が挿通される第1管路端挿通開口としての流出部開口28aが形成される。また、
図8(a)に示すように、第2前切欠部37bと突部45aとが嵌合して切り欠きが埋められ、第2前切欠部38bと突部45bとが嵌合して切り欠きが埋められる。
【0031】
上記(2)の場合、
図1(b)に示すように、正面ケース30と背面ケース40とが嵌合されて外装部材20として一体になると、第2前切欠部37bと後切欠部48とによって流路部材10のガス流入部13が挿通される第2管路端挿通開口としての流入部開口27bが形成され、第2前切欠部38bと後切欠部47とによって流路部材10のガス流出部14が挿通される第2管路端挿通開口としての流出部開口28bが形成される。また、
図8(b)に示すように、第1前切欠部37aと突部45bとが嵌合して切り欠きが埋められ、第1前切欠部38aと突部45aとが嵌合して切り欠きが埋められる。
【0032】
本実施形態では、背面ケース40の周壁部42の外側面に第1前切欠部37a、38a及び第2前切欠部37b、38bと嵌合可能に形成された突部45a、45bが設けられていることにより、第1前切欠部37a、38a及び第2前切欠部37b、38bのうち、ガス流入部13及びガス流出部14が挿通される開口を形成しない未使用の切り欠きを埋めている。これにより、
図9(a)、(b)に示す未使用の切り欠きを突部によって埋めない構成において生じる外装部材20の段差を解消して、美観を向上できる。
【0033】
端子台カバー50は、閉状態のとき、正面ケース30における端子台収容部34及びその周囲を覆い、開状態のとき端子台収容部34が露出するように、開閉可能に正面ケース30に取り付けられている。
【0034】
基板部60は、ガスメータ1の制御を司るマイクロコンピュータなどの各種電子部品が実装された基板本体61を備えている。また、基板部60は、それぞれ基板本体61の正面側に取り付けられた、各種情報を表示する液晶ディスプレイ装置からなる表示部62と、押下操作が入力される復帰ボタンなどの操作ボタン63と、各種信号が入出力される端子を備えた端子台64と、を備えている。
【0035】
基板本体61は、その縁部からねじ留め部61aが突出して設けられており、ねじによって流路部材10の通常取付部16又は反転取付部17に、正面ケース30と上下同じ向きに取り付けられる。表示部62は、正面ケース30の表示開口部33aを通じて視認可能に配置されている。操作ボタン63は、正面ケース30のボタン開口部33bに設けられたボタンカバー63aを通じて押下操作可能に配置されている。端子台64は、正面ケース30の端子台開口部35に挿通されて前壁部31の正面側に突出するように配置されている。
【0036】
次に、上口金タイプのガスメータ1及び下口金タイプのガスメータ1Aの組み立て手順について、
図10、
図11を参照して説明する。
【0037】
図10は、
図1(a)のガスメータの組み立て手順を説明する図であって、(a)は、通常状態の流路部材を収容した正向き状態の背面ケースの正面図であり、(b)は、流路部材に基板部を取り付けた状態の正面図であり、(c)は、正面ケースを背面ケースに取り付け、正面ケースに端子台カバーを取り付けた完成状態の正面図である。
図11は、
図1(b)のガスメータの組み立て手順を説明する図であって、(a)は、反転状態の流路部材を収容した背面ケースの正面図であり、(b)は、(a)に対して上下逆さまの逆向き状態の背面ケースの正面図であり、(c)は、流路部材に基板部を取り付けた状態の正面図であり、(d)は、正面ケースを背面ケースに取り付け、正面ケースに端子台カバーを取り付けた完成状態の正面図である。
【0038】
(A:上口金タイプのガスメータの組み立て)
(1)まず、
図10(a)に示すように、背面ケース40を、その開口を正面側に向けた状態で、上部分42aを上方に配置し且つ下部分42bを下方に配置する。そして、流路部材10を、ガス流入部13及びガス流出部14が上方に向き且つ正面側から見たときにガス流入部13が左側、ガス流出部14が右側になる状態(通常状態)で、背面ケース40に収容する。このときの背面ケース40を正向き状態とする。この状態において、流路部材10の通常取付部16が正面側に向けられている。
【0039】
(2)次に、
図10(b)に示すように、表示部62が正面側を向くようにして、基板本体61のねじ留め部61aを流路部材10の通常取付部16にねじで固定する。これにより、次工程で背面ケース40に取り付けられる正面ケース30と上下同じ向きになるように、基板部60が流路部材10に取り付けられる。
【0040】
(3)そして、
図10(c)に示すように、正面ケース30の上部分32aと背面ケース40の上部分42aとが接合し、正面ケース30の下部分32bと背面ケース40の下部分42bとが接合するようにして、正面ケース30の周壁部42と背面ケース40の周壁部とを嵌合して、正面ケース30を正向き状態の背面ケース40に取り付ける。このとき、上面(ガス流入部13及びガス流出部14が配される第1面)に位置する通気孔を構成する貫通穴70aには、
図6で説明した通気孔キャップ80が組み付けられている。この状態において、流路部材10の加工基準穴15に正面側位置決めボス36及び背面側位置決めボス46が嵌合して、流路部材10が、正面ケース30と背面ケース40とに狭持される。また、正面ケース30と背面ケース40とに設けられた係止爪部49と係止爪受部39とが互いに係止して、正面ケース30と背面ケース40とが一体に保持される。さらに、表示部62が、表示開口部33aから視認可能に露出され、操作ボタン63が、ボタン開口部33bから操作可能にされ、端子台64が、端子台開口部35に背面側から挿通され正面側に突出して位置づけられる。最後に、端子台カバー50を正面ケース30に開閉可能に取り付けて、ガスメータ1が完成する。
【0041】
(B:下口金タイプのガスメータの組み立て)
(1)まず、
図11(a)に示すように、背面ケース40を、その開口を正面側に向けた状態で、上部分42aを上方に配置し且つ下部分42bを下方に配置する。そして、流路部材10を、ガス流入部13及びガス流出部14が上方に向き且つ正面側から見たときにガス流入部13が右側、ガス流出部14が左側になる状態(反転状態)で、背面ケース40に収容する。この状態において、流路部材10の反転取付部17が正面側に向けられている。
【0042】
(2)次に、
図11(b)に示すように、開口を正面側に向けたまま、ガス流入部13及びガス流出部14が下方に向くように、背面ケース40を回転させる。このときの背面ケース40を逆向き状態とする。
【0043】
(3)そして、
図11(c)に示すように、表示部62が正面側を向くようにして、基板本体61のねじ留め部61aを流路部材10の反転取付部17にねじで固定する。これにより、次工程で背面ケース40に取り付けられる正面ケース30と上下同じ向きになるように、基板部60が流路部材10に取り付けられる。
【0044】
(4)それから、
図11(d)に示すように、正面ケース30の上部分32aと背面ケース40の下部分42bとが接合し、正面ケース30の下部分32bと背面ケース40の上部分42aとが接合するようにして、正面ケース30の周壁部42と背面ケース40の周壁部とを嵌合して、正面ケース30を逆向き状態の背面ケース40に取り付ける。このとき、上面(第1面に対向する第2面)に位置する通気孔を構成する貫通穴70bには、
図6で説明した通気孔キャップ80が組み付けられている。この状態において、流路部材10の加工基準穴15に正面側位置決めボス36及び背面側位置決めボス46が嵌合して、流路部材10が、正面ケース30と背面ケース40とに狭持される。また、正面ケース30と背面ケース40とに設けられた係止爪部49と係止爪受部39とが互いに係止して、正面ケース30と背面ケース40とが一体に保持される。さらに、表示部62が、表示開口部33aから視認可能に露出され、操作ボタン63が、ボタン開口部33bから操作可能にされ、端子台64が、端子台開口部35に背面側から挿通され正面側に突出して位置づけられる。最後に、端子台カバー50を正面ケース30に開閉可能に取り付けて、ガスメータ1Aが完成する。
【0045】
本実施形態のガスメータ1、1Aは、一端に設けられたガス流入部13及び他端に設けられたガス流出部14が同一方向に向けられた管路部11を備えた流路部材10と、ガス流入部13及びガス流出部14を外部に突出させた状態で流路部材10を収容する、正面側が開口された箱形の背面ケース40と、背面ケース40の開口を塞ぐように当該背面ケース40に取り付けられる正面ケース30と、を備え、背面ケース40が、正面側から見たときにガス流入部13とガス流出部14とが所定の順序で横方向に並ぶ通常状態の流路部材10、及び、通常状態に対してガス流入部13とガス流出部14との位置を反転させた反転状態の流路部材10を収容可能に構成され、正面ケース30が、その向きを変えることなく、開口を正面側に向けかつ通常状態で収容された流路部材10のガス流入部13及びガス流出部14を上方向に向けた正向き状態の背面ケース40、及び、開口を正面側に向けかつ反転状態で収容された流路部材10のガス流入部13及びガス流出部14を下方向に向けた逆向き状態の背面ケース40、に取付可能に構成されている。
【0046】
また、正面ケース30に設けられた表示開口部33aを通じて視認される表示部62が設けられた基板部60を備え、流路部材10に、背面ケース40が正向き状態のときに、表示部62が正面ケース30と同じ向きで表示開口部33aから視認可能となるように基板部60を保持する通常取付部16と、背面ケース40が逆向き状態のときに、表示部62が正面ケース30と同じ向きで表示開口部33aから視認可能となるように基板部60を保持する反転取付部17と、が設けられている。
【0047】
また、正面ケース30が、前壁部31と前壁部31の周縁から立設された周壁部32とを備え、背面ケース40が、後壁部41と後壁部41の周縁から立設された周壁部42とを備え、正面ケース30の周壁部32がその内側に背面ケース40の周壁部42が嵌合されることにより正面ケース30が背面ケース40に取り付けられるように構成され、正面ケース30の周壁部32における上部分32aに、ガス流入部13及びガス流出部14に対応して形成された第1前切欠部37a、38aが設けられ、正面ケース30の周壁部32における下部分32bに、ガス流入部13及びガス流出部14に対応して形成された第1前切欠部37a、38aと同一形状の第2前切欠部37b、38bが設けられ、背面ケース40の周壁部42における上部分42aにガス流入部13及びガス流出部14に対応して形成された後切欠部47、48が設けられ、背面ケース40の周壁部42における下部分42bの外側面に第1前切欠部37a、38b及び第2前切欠部37b、38bと嵌合可能に形成された突部45a、45bが設けられ、正面ケース30が正向き状態の背面ケース40に取り付けられたとき、第1前切欠部37a、38aと後切欠部47、48とによってガス流入部13及びガス流出部14が挿通される流入部開口27a及び流出部開口28aが形成されるとともに、第2前切欠部37b、38bと突部45a、45bとが嵌合され、正面ケース30が逆向き状態の背面ケース40に取り付けられたとき、第2前切欠部37b、38bと後切欠部47、48とによってガス流入部13及びガス流出部14が挿通される流入部開口27b及び流出部開口28bが形成されるとともに、第1前切欠部37a、38aと突部45a、45bとが嵌合されるように構成されている。
【0048】
以上より、本実施形態によれば、背面ケース40が、正面側から見たときにガス流入部13とガス流出部14とが所定の順序で横方向に並ぶ通常状態の流路部材10、及び、通常状態に対してガス流入部13とガス流出部14との位置を反転させた反転状態の流路部材10を収容可能に構成されている。そして、正面ケース30が、その向きを変えることなく、開口を正面側に向けかつ通常状態で収容された流路部材10のガス流入部13及びガス流出部14を上方向に向けた正向き状態の背面ケース40、及び、開口を正面側に向けかつ反転状態で収容された流路部材10のガス流入部13及びガス流出部14を下方向に向けた逆向き状態の背面ケース40、に取付可能に構成されている。これにより、流路部材10を通常状態で収容した正向き状態の背面ケース40に正面ケース30を取り付けることで、上口金タイプのガスメータ1を構成することができ、または、流路部材10を反転状態で収容した逆向き状態の背面ケース40に正面ケース30を取り付けることで、下口金タイプのガスメータ1Aを構成することができる。そのため、流路部材10、正面ケース30及び背面ケース40という主要部品を共通に用いて、上口金タイプ及び下口金タイプのガスメータを構成することができる。
【0049】
また、正面ケース30に設けられた表示開口部33aを通じて視認される表示部62が設けられた基板部60を備え、流路部材10に、背面ケース40が正向き状態のときに、表示部62が正面ケース30と同じ向きで表示開口部33aから視認可能となるように基板部60を保持する通常取付部16と、背面ケース40が逆向き状態のときに、表示部62が正面ケース30と同じ向きで表示開口部33aから視認可能となるように基板部60を保持する反転取付部17と、が設けられている。これにより、上口金タイプのガスメータ1及び下口金タイプのガスメータ1Aを構成した場合でも、流路部材10に取り付けられる表示部62が、上下逆さまとなることなく正面ケース30と同じ向きになるように配置することができる。
【0050】
また、正面ケース30が正向き状態の背面ケース40に取り付けられたとき、第1前切欠部37a、38aと後切欠部47、48とによって流入部開口27a及び流出部開口28aが形成されるとともに、開口を形成しない第2前切欠部37b、38bに突部45a、45bが嵌合して切り欠きを埋める。また、正面ケース30が逆向き状態の背面ケース40に取り付けられたとき、第2前切欠部37b、38bと後切欠部47、48とによって流入部開口27b及び流出部開口28bが形成されるとともに、開口を形成しない第1前切欠部37a,38aに突部45a、45bが嵌合して切り欠きを埋める。これにより、正面ケース30に設けられた開口を形成しない未使用の前切欠部が突部によって埋められて外装部材20の段差が解消されるので、美観を向上することができる。
【0051】
また、背面ケース40及び正面ケース30からなる外装部品20でメーター筐体が構成され、その上面、下面、左側面及び右側面の位置に通気孔が形成され、さらに、上面に位置する前記通気孔が通気孔キャップ80で塞がれているので、周壁部32と周壁部42間の隙間を介して左側面及び/または右側面の通気孔から大気を取り込み、圧力センサの設置場所を大気圧に保持し、さらに、メーター底面の下部通気孔から、内部に溜まった水を排水することができる。上面の通気孔は、通気孔キャップでふさがれているので、ここから水がメーター筐体内に浸入することはない。また、上口金タイプのメーターと下口金タイプのメーターを、共通の外装部品で作製できる。
【0052】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0053】
例えば、実施形態では、背面ケース40に形成した貫通孔で、通気孔が構成されるようにしているが、これに限らず、正面ケース30に通気孔に相当する貫通孔を設けてもよい。また、上下左右の4つの通気孔のうちのいくつかを一方のケースに形成し、残りを他方のケースに形成してもよい。
【0054】
また、通気孔キャップでふさがれている通気孔以外の通気孔の全てに防虫キャップを取り付けてもよい。