(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、例えば、商品として陳列されるものが比較的重量のある飲料入りボトルである場合には、
図3に示すように、下段のトレー14´,15´に収容されて露出する複数配列されたボトルwの上に、更に上段のトレー14,15が載置され、上段のトレー14,15は下段のトレー14´,15´上のボトルwによって支えられた状態となる。このため、上段のトレー14,15はその載置状態が不安定であり、上段のトレー14,15の載置位置にずれが生じていたり、上段のトレー14,15上のボトルwが減って荷重が偏ると、横方向に並べた2つのトレー14,15間の間隙sが大きく開いて一層不安定となる。
【0007】
また、上記のようにして包装箱を破断して形成されるトレーはその上縁に切断端縁が露出する。この切断端縁は、破断用テープによる引き裂き痕や切り取りジッパーの切断痕であるため外観が良いものではなく、段ボールのライナ剥離を伴っている場合には更に外観が悪化することにより、トレー上に載せて陳列している商品の美観を損なう不都合がある。
【0008】
上記の点に鑑み、本発明は、横方向に並べた2つのトレーを連結してトレー上の商品を安定して陳列することができ、しかも、トレーの上縁が露出することによる美観の低下を防止することができるトレー用連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、互いに横側壁を当接させて横方向に並べた2つのトレーに装着することにより両トレーを連結するトレー用連結具であって、両トレーの前側壁を
横方向に全て覆う覆板部と、該覆板部の裏面に設けられ、両トレーの前側壁の上縁を跨いで両前側壁に掛止する掛止片とを備え、前記掛止片は、両前側壁に掛止したときに両トレーの互いに当接する横側壁同士を当接状態で挟持する挟持部を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のトレー用連結具によれば、覆板部の裏面に設けた掛止片を両トレーの前側壁に掛止する。このとき、覆板部が両トレーの前側壁を共に覆うことにより互いに隣り合う前側壁間の間隙が覆板部により覆い隠されて前方から見えなくなり、横方向に2つ並べたトレーに一体感が得られてトレーの外観が良好となる。
【0011】
また、前記掛止片を両前側壁に掛止したとき、前記挟持部が両トレーの互いに当接する横側壁同士を当接状態で挟持する。これにより、2つのトレーが一体に連結された状態となり、両トレーの離間方向への不用意な動きが防止されて、安定性を向上させることができる。
【0012】
更に、前記掛止片は、両トレーの前側壁の上縁を跨いで両前側壁に掛止するので、両トレーの前側壁の上縁の露出を少なくすることができるので、トレーの上縁が露出することによる美観の低下を防止することができる。
【0013】
また、本発明のトレー用連結具において、前記覆板部は、前面となる前面パネルと該前面パネルに空隙を存して対向する裏面パネルとを備え、少なくとも前記前面パネルは、前方に突出するように湾曲しており、前記掛止片は、前記裏面パネルに設けられていることを特徴とする。これによれば、覆板部の形状が立体的になり、高い美観が得られると共にトレーに取り付けた際の視認性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明のトレー用連結具において、前記掛止片は互いに隣接する一対の舌片により構成され、両舌片間に間隔を設けてこの間隔部分を前記挟持部としたことを特徴とする。これによれば、覆板部の裏面に2つの舌片を所定の間隔を存して設けるだけで前記挟持部を形成することができるので、構造簡単として製造容易なトレー用連結具を提供することができる。
【0015】
また、本発明のトレー用連結具において、前記掛止片は、前記覆板部の上縁よりも下方位置に設けられていることを特徴とする。これによれば、両トレーの前側壁に前記掛止片を掛止させたとき、前側壁の上縁よりも高い位置まで覆板部の上端部が張り出し、覆板部の上端部の裏面側に前側壁の上縁が隠れるので、トレーの上縁が露出することによる美観の低下を一層確実に防止することができる。
【0016】
また、本発明のトレー用連結具においては、前記覆板部の少なくとも前面に表示部を設けたことを特徴とする。これによれば、2つのトレーの前側壁を共に覆う覆板部に設けた表示部に商品案内やイラスト等を表示することができ、意匠性の向上や販売促進効果の向上を図ることができる。
【0017】
また、本発明のトレー用連結具において、前記覆板部の横方向の端縁には、該覆板部の裏面側に折り返し可能な折返可能片が連結されていることを特徴とする。これによれば、覆板部の横方向に折返可能片が延びている状態で、前側壁の長さが長いトレーに対応させることができ、折返可能片を覆板部の裏面側に折り返して前側壁の長さが短いトレーに対応させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1実施形態のトレー用連結具1は、
図1(a)に示すように、横長の覆板部2を備え、覆板部2の少なくとも前面は、文字やイラスト等によるPOP表示3を施すための表示部4となっている。また、
図1(b)に示すように、覆板部2の裏面側には、一対の舌片5a,5bが設けられている。両舌片5a,5bは、一対で掛止片5を構成している。両舌片5a,5b間には間隔が設けられており、この間隔部分によって挟持部6が形成される。
【0020】
第1実施形態のトレー用連結具1は、
図2に示すように、大略矩形状に打ち抜かれた薄板材7から組み立てられる。薄板材7は、板紙又は折り曲げ可能な合成樹脂板により形成され、前面パネル8と、前面パネル8の下縁に折目線aを介して連接された裏面パネル9と、裏面パネル9の下縁に折目線bを介して連接された接着板部10とを備えている。
【0021】
前面パネル8の両側縁には夫々折目線cを介して側部連結板11が連接されている。側部連結板11の外側端縁には、夫々凸部12が形成されている。裏面パネル9の外側端部には、各凸部12が係合する係合孔13が形成されている。
【0022】
また、裏面パネル9には一対の舌片5a,5bがその上縁に沿った折目線d,eを介して遊離自在に形成されている。舌片5a,5bの上縁に沿った折目線d,eは、前面パネル8と裏面パネル9との境界の折目線aと距離を存して平行に設けられている。
【0023】
図2に示す状態からトレー用連結具1を組み立てるときには、先ず、折目線bを介して接着板部10を折り曲げて裏面パネル9の内面に重合させる。次いで、折目線aを介して裏面パネル9を折り曲げて前面パネル8の内面に重合させる。このとき、前面パネル8と裏面パネル9との間に介在される接着板部10は、接着剤等を塗布して前面パネル8の内面に接着する。
【0024】
この状態で前面パネル8と裏面パネル9とは扁平であるが、続いて、前面パネル8と裏面パネル9との間を広げて筒状とする。これによって、前面パネル8が前方に張り出すように湾曲した形状となる。次いで、側部連結板11を折り曲げて、前面パネル8と裏面パネル9とからなる筒状の両端を閉塞する。
【0025】
そして、側部連結板11の各凸部12を、夫々対応する係合孔13に係合させる。こうして、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、前面パネル8と裏面パネル9とで覆板部2が形成され、裏面パネル9から舌片5a,5bを遊離させて掛止片5が形成される。
【0026】
次に、上記構成のトレー用連結具1の使用方法について説明する。
図3はトレー用連結具1を装着しない状態で、商品である飲料入りボトルwを店頭で陳列した状態を示している。
図3に示したトレー14,15,14´,15´は、包装箱の胴部を切断して上半部(図示しない)を除去することによって形成される。各トレー14,15,14´,15´は、ボトルwの上半部を露出させた状態で収容している。そして、飲料入りボトルwを陳列するとき、横並びのトレー14´,15´に収容されているボトルwの上に、ボトルwが収容されたトレー14,15を載置して、複数段に積み上げられる。このため、上段のトレー14,15は不安定な状態であり、2つのトレー14,15間に間隙sが生じ易い。また、各トレー14,15,14´,15´は、上半部を切断したときの切断端縁が上縁に形成されるので、外観上好ましくない。
【0027】
トレー14,15にトレー用連結具1を装着すると、
図4に示すように、2つのトレー14,15の前側壁16,17(本実施形態においては段ボール箱のフラップにより構成されている)が共に覆板部2に覆われる。このとき、
図5及び
図6に示すように、トレー用連結具1は、両舌片5a,5bによる掛止片5が両トレー14,15の前側壁16,17の上縁を跨いで両前側壁16,17に掛止され、同時に、両トレー14,15の横側壁18,19が両舌片5a,5b間に形成された挟持部6により当接状態で挟持される。
【0028】
これにより、両トレー14,15は互いに密着した状態でトレー用連結具1により連結され、安定性が向上する。また、
図4及び
図6に示すように、両トレー14,15の前側壁16,17の上縁がトレー用連結具1の覆板部2に隠され、例えば、両トレー14,15の前側壁16,17の上縁に、包装箱を上下に切断したことによる切断端縁が形成されていても、この切断端縁が覆板部2によって隠されるので外観低下が防止される。
【0029】
更に、
図2に示すように、舌片5a,5bの上縁に沿った折目線d,eと、前面パネル8と裏面パネル9との境界の折目線aとの間に間隔を設けたことにより、トレー用連結具1を形成したときに、
図1(b)に示すように、両舌片5a,5bによる掛止片5が、覆板部2の上縁よりも下方に位置する。これにより、両トレー14,15を連結した状態のトレー用連結具1は、
図6に示すように、前側壁16(17)の上縁よりも高い位置まで覆板部2の上端部が張り出すので、前側壁16(17)の上縁が一層見え難くなり、上述の切断端縁が露出することによる外観低下を確実に防止することができる。
【0030】
更に、
図1(a)及び
図4に示すように、覆板部2の外面に表示部4を設けて文字やイラスト等のPOP表示3が施せるので、意匠性や販売促進効果が向上する。しかも、前面パネル8が湾曲していることにより立体的な外観が得られ、視認性も高い。
【0031】
なお、第1実施形態においては、
図4に示すように、両トレー14,15の前側壁16,17の略上半部を覆い隠す大きさの覆板部2を備えるものを示したが、図示しないが、両トレー14,15の前側壁16,17の全部を覆い隠す大きさの覆板部2を設けてもよい。これによれば、両トレー14,15の一体感を向上させることができる。
【0032】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態のトレー用連結具20は、
図7(a)に示すように、横長の覆板部21を備え、覆板部21の少なくとも前面は、文字やイラスト等によるPOP表示3を施すための表示部22となっている。また、
図7(b)に示すように、覆板部21の裏面側には、一対の舌片23a,23bが設けられている。両舌片23a,23bは、一対で掛止片23を構成している。両舌片23a,23b間には間隔が設けられており、この間隔部分によって挟持部24が形成される。
【0033】
第2実施形態のトレー用連結具20は、
図8に示すように、板紙又は折り曲げ可能な合成樹脂板により形成された薄板材25から組み立てられる。薄板材25は、
図8に示すように、前面パネル26と、前面パネル26の下縁に折目線fを介して連接された帯状の上面連結部27と、上面連結部27の下縁に折目線gを介して連接された裏面パネル28と、裏面パネル28の下縁に折目線hを介して連接された帯状の下面連結部29と、下面連結部29の下縁に折目線iを介して連接された接着板部30とを備えている。なお、
図8における裏面パネル28の下縁は、
図7(b)に示す組立時に上縁となる。
【0034】
前面パネル26の両側縁には夫々湾曲する折目線j,kを介して拡張片31(本発明における折返可能片)が連接されている。
【0035】
拡張片31の下半部(組立後は上半部になる)には、その下縁から上方に延びる(組立後は上縁から下方に延びる)切れ目32が形成されており、切れ目32の上端(組立後は下端になる)から拡張片31の側縁に向って延びる折目線mが形成さている。
【0036】
裏面パネル28の両側縁には夫々湾曲する折目線nを介して側部連結板33が連接されている。上面連結部27の夫々の両側縁、及び、下面連結部29の夫々の両側縁には小片34が連接されている。
【0037】
また、裏面パネル28には、一対の舌片23a,23bがその上縁に沿った折目線p,qを介して遊離自在に形成されている。
【0038】
図8に示す状態からトレー用連結具20を組み立てるときには、先ず、裏面パネル28と下面連結部29との境界の折目線hに沿って下面連結部29を折り曲げ、下面連結部29と接着板部30とを裏面パネル28の内面に重合させる。次いで、前面パネル26と上面連結部27との境界の折目線fを介して前面パネル26を折り曲げ、裏面パネル28の内面に重合させる。このとき、前面パネル26と裏面パネル28との間に介在される接着板部30は、接着剤等が塗布されることにより前面パネル26の内面に接着される。
【0039】
そして、前面パネル26と裏面パネル28との間に上面連結部27が設けられており、裏面パネル28と接着板部30との間に下面連結部29が設けられていることにより、上述したトレー用連結具20の組立作業に際しては、紙箱を製造する際に用いられるサックマシーン(自動の糊貼り製函装置)を使用することができ、製造に際して極めて有利である。
【0040】
この段階では前面パネル26と裏面パネル28とは扁平であるが、続いて、前面パネル26と裏面パネル28との間を広げるようにして角筒状とし、側部連結板33を折目線nに沿って前面パネル26に向って折り曲げる。このとき、側部連結板33が角筒状の端部を閉塞するが、折目線nと側部連結板33の端縁とが湾曲していることにより、前面パネル26と裏面パネル28とが湾曲形状に変形した状態となる。
【0041】
こうして、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、前面パネル26と裏面パネル28とで覆板部21が形成され、裏面パネル28から舌片23a,23bを遊離させて掛止片23が形成される。
【0042】
覆板部21は、拡張片31を備えることによって、図示しないが、トレーを横方向に2つ並べたとき、両トレーの長辺側が前側壁とされている場合と、両トレーの短辺側が前側壁とされている場合との何れであっても、確実に両トレーの前側壁の上縁の切断端縁を隠すことができる。
【0043】
しかも、トレーの短辺側が前側壁とされている場合には、覆板部21の長さをそれに合わせて短縮させることができる。即ち、先ず、
図9(a)に示すように、拡張片31を折目線j,kに沿って裏面方向に折り返す。これにより、横方向への余分な張り出しを防止することができる。
【0044】
折り返した拡張片31は、
図9(b)に示すように、拡張片31の上半部の一部を折目線mに沿って折り返して上下方向幅を小さくすることで、両舌片23a,23bを遊離させたときに形成される裏面パネル28の開口に挿入して係止することができる。
【0045】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本発明の第3実施形態のトレー用連結具35は、
図10(a)に示すように、一枚の板材からなる横長の覆板部36を備え、覆板部36の外面には、文字やイラスト等のPOP表示3が施される表示部37が設けられている。
【0046】
また、
図10(b)に示すように、覆板部36の裏面側には、一対の舌状部材38a,38b(舌片)が間隔を開けて設けられている。各舌状部材38a,38bは、その上縁に連接された接着片39a,39bを備え、接着片39a,39bを接着剤等を介して覆板部36の上縁よりも下方位置の覆板部36の裏面に貼り付けられている。両舌状部材38a,38bは掛止片38を構成しており、両舌状部材38a,38b間に設けられた間隔部分により挟持部39が形成される。
【0047】
このように構成された第3実施形態のトレー用連結具35においても、第1実施形態のトレー用連結具1と同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、第3実施形態においては、別体の舌状部材38a,38bからなる掛止片38に替えて、
図11にその変形例を示すように、単一の接着片40で一体に連結された2つの舌片41a,41bによる掛止片41を覆板部36の裏面側に設けてもよい。この場合には、両舌片41a,41b間に形成されている凹状の切欠きが挟持部42として機能する。こうすることにより、部品点数を少なくして掛止片41を構成することができる。
【0049】
また、図示しないが、第3実施形態のトレー用連結具35においても、第2実施形態のトレー用連結具20の前面パネル26に設けた拡張片31と同様の効果を得るために、覆板部36の横方向の端縁に覆板部36の裏面側に折り返し可能な折返可能片を連結してもよい。