(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6085397
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】自動充填ライン用バイオニック袋開封装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/30 20060101AFI20170213BHJP
【FI】
B65B43/30 A
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-557176(P2016-557176)
(86)(22)【出願日】2014年11月5日
(65)【公表番号】特表2016-539877(P2016-539877A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】CN2014090336
(87)【国際公開番号】WO2016070358
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2016年1月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】515358997
【氏名又は名称】安徽永成▲電▼子▲機▼械技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】傅正兵
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼心全
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼▲衛▼▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】徐京城
【審査官】
藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−082487(JP,A)
【文献】
特開平10−053221(JP,A)
【文献】
特開平06−122421(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104058133(CN,A)
【文献】
中国実用新案第203094534(CN,U)
【文献】
中国特許出願公開第102180277(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填ラインに取り付けられ、かつ充填袋に対して左右対称的に設置されたブラケットを含み、前記対称的に設置されたブラケットのそれぞれが、タイバーに連動して水平方向に相対移動することができるものである、自動充填ライン用バイオニック袋開封装置において、
前記ブラケットの挟持部の先端には充填袋向きに袋押し板が設けられ、
前記袋押し板の水平する上部と下部には横一列の挟持孔が設置され、
前記袋押し板の後部にあるブラケットには、それぞれ前記2列の挟持孔に対応する上下2列の挟持部が設置され、1つの挟持部駆動装置で2列の挟持部の開閉を駆動し、挟持部の先端は上下2列の挟持孔から進退することを特徴とする自動充填ライン用バイオニック袋開封装置。
【請求項2】
前記挟持部駆動装置が挟持部を連結する原動挟持アームと、従動挟持アームと、駆動アームによって連動される揺動アームとを含むものであり、
前記揺動アームの一端が第一回転軸に固定的に接続されるものであり、
前記第一回転軸は揺動アームの揺動に連動して回転し、第一回転軸に固定的に取り付けられている一列の挟持アームが原動挟持アームとして機能し、
前記第一回転軸には原動ギアが設けられており、第一回転軸と平行に第二回転軸が設けられ、
前記第二回動軸に固定的に取り付けられている一列の挟持アームが従動挟持アームとして機能し、
前記第二回転軸には前記原動ギアに対応して従動ギアが設けられ、原動ギアと従動ギアは相互に噛み合い、駆動アームに連動されて揺動アームが第一回転軸で回転され、
前記第一回転軸の原動ギアに連動して従動ギアが回転し、従動ギアに連動して第二回転軸が回転し、第一回転軸と第二回転軸の回転により、原動挟持アームと従動挟持アームが開閉することを特徴とする請求項1に記載の自動充填ライン用バイオニック袋開封装置。
【請求項3】
前記駆動アームは、エアシリンダの押しアーム、ハイドロシリンダーの押しアーム、又はモータに連動される押圧アームに連結されることを特徴とする請求項2に記載の自動充填ライン用バイオニック袋開封装置。
【請求項4】
前記一側のブラケットの袋押し板の両側に、充填袋向きにそれぞれ補助吸盤が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動充填ライン用バイオニック袋開封装置。
【請求項5】
前記補助吸盤の吸盤面が袋押し板の平面を押し込むものであることを特徴とする請求項4に記載の自動充填ライン用バイオニック袋開封装置。
【請求項6】
前記補助吸盤の吸盤面は、2mm〜4mmの深さで袋押し板の平面を押し込むものであることを特徴とする請求項5に記載の自動充填ライン用バイオニック袋開封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動充填ライン用バイオニック袋開封装置に関し、吸盤または空気で開けない材料包装袋のバイオニック袋開封装置である。
【背景技術】
【0002】
現在、科学の進展や技術の進歩により、大型粒子または粉体など材料包装企業(例えば、米、小麦粉、飼料、化学肥料等)は、自動化生産ラインを採用し、全自動計量包装設備を充分に使用する。現在、全自動計量包装設備の材料袋の供給と袋口の開きは、いずれも吸盤を用いて掴みと吸着を完成する。しかし、これらの粒子または粉体の包装袋はPP(ポリプロピレン)編組袋を採用するが、このような編組袋は約2ミリメートル程度の編組ストリップを縦横で編成したもので、通気性が非常に高い。したがって、全自動計量包装設備を使用する時、吸盤で開封することができず、編組袋の両面ともコーティングすることで通気問題を解決しなければならないが、編組袋をコーティングすることにより、生産効率が低下し、かつ企業のコストは上昇するため、多くの企業はこのような全自動計量包装設備を普及することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】(特になし)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、自動充填ラインにおけるバイオニック袋(biomimetic bag)の装置を提供するものであり、すなわち、袋の密封性が悪く、通気性が高いために、コーティングにより生産コストが大幅に増加するといった問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決手段は、自動充填ライン用バイオニック袋開封装置(挟持部駆動装置)であって、充填ラインに取り付けられ、かつ充填袋に対して左右対称的に設置されたブラケットを含み、前記対称的に設置されたブラケットそれぞれはタイバー(pull rod)に連動して水平方向に相対移動することができ、そのうち、前記ブラケットの挟持部の先端には充填袋向きに袋押し板が設けられ、袋押し板に水平な上部と下部には横一列の挟持孔が設置され、袋押し板後部にあるブラケットには、それぞれ前記2列の挟持孔に対応する上下2列の挟持部が設置され、1つの挟持部駆動装置で2列の挟持部の開閉を駆動し、挟持部の先端は上下2列の挟持孔から進退する。
【0006】
さらなら解決手段は、前記挟持部駆動装置は挟持部を連結する原動挟持アームと従動挟持アーム、及び駆動アームによって連動される揺動アームを含み、前記揺動アームの一端は第一回転軸に固定的に接続され、前記第一回転軸は揺動アームの揺動に連動して回転し、第一回転軸に固定的に取り付けられている一列の挟持アームが原動挟持アームとして機能し、第一回転軸には原動ギアが設けられており、第一回転軸と平行に第二回転軸が設けられ、第二回動軸に固定的に取り付けられている一列の挟持アームが従動挟持アームとして機能し、第二回転軸に前記原動ギアに対応して従動ギアが設けられ、原動ギアと従動ギアは相互に噛み合い、駆動アームに連動して揺動アームは第一回転軸を駆動して回転させ、第一回転軸の原動ギアに連動して従動ギアが回転し、従動ギアに連動して第二回転軸が回転し、第一回転軸と第二回転軸の回転により、原動挟持アームと従動挟持アームが開閉する。
【0007】
さらなる解決手段は、前記駆動アームは、エアシリンダの押しアーム或いはハイドロシリンダーの押しアーム、又はモータに連動される押圧アームに連結される。
【0008】
さらなる解決手段は、前記一側のブラケットの袋押し板の両側には、それぞれ充填袋向きに補助吸盤が設置されている。
【0009】
さらなる解決手段は、前記補助吸盤の吸盤面は、袋押し板の平面を押し込む。
【0010】
さらなる解決手段は、前記補助吸盤の吸盤面は、袋押し板の平面を押し込む深さが2mmから4mmである。
【0011】
本発明は、全自動計量包装設備における編組袋が自動的に開口するという問題を解決し、被膜のない編組袋、被膜が半分の編組袋および被膜が完全な編組袋いずれも生産でき、本発明の挟持部は人間の指爪を模倣して編組袋を掴み、かつ袋の口を開き、袋の充填が終わった後、袋の口を閉めて次のプロセスのために準備しておき、取り付けと調整がしやすい構造になっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図2は本発明の構造の内部模式図であり、
図1の一側の平面図である。
【
図3】
図3は本発明の袋押し板側の構造模式図である。
【
図4】
図4は本発明の挟持部が開いた時の模式図であり、
図2のA−Aの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1から
図5まで示すように、自動充填ライン用バイオニック袋開封装置は、充填ラインに取り付けられ充填袋1に対して左右対称に設置されるブラケット2を含む。前記対称に設置されたブラケットのそれぞれはタイバーに連動して水平方向に相対移動することができ、そのうち、前記ブラケットの挟持部の先端には充填袋向きに袋押し板201が設けられ、袋押し板の水平面の上部と下部には横一列の挟持孔202と203が設置される。前記挟持孔は細長状孔であり、孔と孔との水平距離は3cm〜5cmであり、幅は1cm〜2cmである。また、袋押し板後部にあるブラケットには、それぞれ前記2列の挟持孔に対応する上下2列の挟持部が設置され、1つの挟持部駆動装置により2列の挟持部の開閉が駆動され、挟持部の先端は上下2列の挟持孔から進退し、挟持部の先端が挟持部から出る距離はちょうど編組袋を掴める距離である。
【0014】
実施例において、前記挟持部駆動装置は、挟持部を連結する原動挟持アーム3、従動挟持アーム4、及び駆動アーム5によって連動される揺動アーム6を含む。揺動アーム6の一端は第一回転軸7に固定的に接続され、前記第一回転軸7は揺動アーム6の揺動に連動して回転し、第一回転軸7に固定的に取り付けられている一列の挟持アームが原動挟持アーム3として機能する。第一回転軸には原動ギア8が設けられており、第一回転軸と平行に第二回転軸9が設けられ、第二回動軸9に固定的に取り付けられている一列の挟持アームが従動挟持アーム4として機能する。第二回転軸には前記原動ギアに対応して従動ギア10が設けられ、原動ギアと従動ギアは相互に噛み合い、駆動アームに連動されて揺動アームは第一回転軸を駆動して回転させ、第一回転軸の原動ギアに連動して従動ギアが回転し、従動ギアに連動して第二回転軸が回転し、第一回転軸と第二回転軸の回転により、原動挟持アームと従動挟持アームが開閉する。
【0015】
前記駆動アームは、エアシリンダの押しアーム、ハイドロシリンダーの押しアーム、又はモータに連動される押圧アーム11に連結される。本実施例ではエアシリンダの押しアームを使用した。揺動アームは円弧状に揺動するため、エアシリンダはヒンジ方法でブラケット2に固定的に接続され、エアシリンダの押しアームが揺動アームを駆動して円弧状に揺動させる時、エアシリンダもそれに連れて運動することにより引っ掛からない。
【0016】
実施例において、前記一側のブラケット2の袋押し板の両側には、それぞれ充填袋向きに補助吸盤が設置されており、前記補助吸盤の吸盤面は袋押し板の平面を押し込む。
【0017】
最も好ましい形態としては、前記補助吸盤の吸盤面が袋押し板の平面を押し込む深さは2mmから4mmである。
【0018】
設備が動作する時、編組袋が開封装置の挟持部の先端に近い場合、補助吸盤が編組袋を袋押し板へ瞬間的に引き寄せるとともに、シリンダブラケットモジュールに取り付けたシリンダモジュール(フレッティング旋回モータで代替してもよい)が動作し始め、エアシリンダの収縮に連動して原動挟持部も時計回り方向へ移動し、原動ギアと従動挟持部は原動軸に連動して回転し、原動ギアと従動ギアが噛み合うため、従動ギアは反時計回り方向へ移動し、従動軸は従動ギアの回転に連動して回転する。従動挟持部は従動軸に連動することにより、挟持部は袋押し板の内側から外側へ移動して材料の編組袋を挟む。続いて、
図5の矢印のように、反対側への動きで材料の編組袋の開封動作を完成する。
【0019】
編組袋を開けた後、材料の充填を行い、充填が完了した後に開封装置のエアシリンダモジュールにおけるエアシリンダの突出に連動して原動挟持部が反時計回り方向へ移動し、原動軸は原動挟持部の移動に連動して回転し、原動ギアと従動挟持部は原動軸に連動して回転し、原動ギアと従動ギアが噛み合うため、従動ギアは時計回り方向へ移動し、従動軸は従動ギアの回転に連動して回転する。従動挟持部は従動軸に連動することにより、挟持部は袋押し板の外側から内側(
図4のように)へ移動して材料の編組袋を離し、袋押し板の材料をブロックする編組袋の兆銘織りストリップはすべて挟持部から離れて、充填動作を完成する。
【符号の説明】
【0020】
1 充填袋
2 ブラケット
3 原動挟持アーム
4 従動挟持アーム
5 駆動アーム
6 揺動アーム
7 第一回転軸
8 原動ギア
9 第二回転軸
10 従動ギア
11 押しアーム
201 袋押し板
202 挟持孔
203 挟持孔