特許第6085422号(P6085422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6085422
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】貼付装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/26 20060101AFI20170213BHJP
   B65C 1/02 20060101ALI20170213BHJP
   B65C 9/30 20060101ALI20170213BHJP
【FI】
   G11B7/26 531
   B65C1/02
   B65C9/30
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-107785(P2012-107785)
(22)【出願日】2012年5月9日
(65)【公開番号】特開2013-235635(P2013-235635A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【審査官】 川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−032853(JP,A)
【文献】 特開2010−111430(JP,A)
【文献】 特開2007−258210(JP,A)
【文献】 特開2007−149315(JP,A)
【文献】 特開2003−257898(JP,A)
【文献】 特開2003−157588(JP,A)
【文献】 特開平10−112494(JP,A)
【文献】 特開2009−045698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 7/26
G11B 23/00 − 23/50
H01L 21/68 − 21/687
B65C 1/00 − 11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体を支持する支持手段と、
接着シートを被着体の被貼付面に対向する状態で供給する供給手段と、
前記接着シートを前記被貼付面に押圧して貼付する押圧手段とを具備し、
前記押圧手段は、前記接着シートを押圧する押圧部材を備え、
前記押圧部材と前記支持手段とを前記被貼付面の領域内で前記被貼付面に沿って相対的に旋回可能に構成され
前記押圧手段は、前記押圧部材と前記支持手段との旋回時において、前記押圧部材の内周側の押圧力および外周側の押圧力の強さをそれぞれ調整可能な内外周押圧力調整手段を備えていることを特徴とする貼付装置。
【請求項2】
被着体を支持する支持手段と、
接着シートを被着体の被貼付面に対向する状態で供給する供給手段と、
前記接着シートを前記被貼付面に押圧して貼付する押圧手段とを具備し、
前記押圧手段は、前記接着シートを押圧する押圧部材を備え、
前記押圧部材と前記支持手段とを前記被貼付面の領域内で前記被貼付面に沿って相対的に旋回可能に構成され、
前記押圧手段は、転動可能な円錐形または截頭円錐形の押圧ローラにより構成されていることを特徴とする貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着シートを被着体の被貼付面に貼付する貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円盤状のディスク基板に接着シートを貼付する装置として、円筒状のロールを使う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置では、シートをディスク基板に貼付する際、接着シートを有するシートをディスク基板上に供給し、この状態でディスク基板の表面に沿って、一端側から他端側に向けて一直線状に円筒状のロールを移動させて順次押圧して貼付している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−157588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、ディスク基板上の一端側から他端側に向けて一方向にロールを移動してシートを貼付するので、円盤状のディスク基板に貼付するような場合には、貼付開始時および終了時と、ディスク中央部分とでは、押圧する幅が異なるため、単位面積あたりの押圧力が異なり、均一な貼付できなくなるおそれがある。
また、貼付する面積が広い被着体の場合には、軸方向の長さが長いロールを用いる必要があり、装置が大型化するとともに、ロールの中央部が撓むことで均一な貼付ができなくなるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、接着シートを被貼付面に均一に貼付することが容易にできる貼付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、本発明の貼付装置では、被着体を支持する支持手段と、接着シートを被着体の被貼付面に対向する状態で供給する供給手段と、前記接着シートを前記被貼付面に押圧して貼付する押圧手段とを具備し、前記押圧手段は、前記接着シートを押圧する押圧部材を備え、前記押圧部材と前記支持手段とを前記被貼付面の領域内で前記被貼付面に沿って相対的に旋回可能に構成され、前記押圧手段は、前記押圧部材と前記支持手段との旋回時において、前記押圧部材の内周側の押圧力および外周側の押圧力の強さをそれぞれ調整可能な内外周押圧力調整手段を備えている、という構成を採用している。
また、本発明の他の貼付装置では、被着体を支持する支持手段と、接着シートを被着体の被貼付面に対向する状態で供給する供給手段と、前記接着シートを前記被貼付面に押圧して貼付する押圧手段とを具備し、前記押圧手段は、前記接着シートを押圧する押圧部材を備え、前記押圧部材と前記支持手段とを前記被貼付面の領域内で前記被貼付面に沿って相対的に旋回可能に構成され、前記押圧手段は、転動可能な円錐形または截頭円錐形の押圧ローラにより構成されている、という構成を採用している。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、押圧部材と支持手段とを被貼付面の領域内で被貼付面に沿って相対的に旋回させるので、ロールを移動してシートを貼付する従来例のように、貼付開始時および終了時とディスク中央部分とで、押圧する幅が異なることがなくなるため、単位面積あたりの押圧力が異なることなく、均一な貼付できる。
また、貼付する面積が広い被着体の場合でも、ロールを移動してシートを貼付する従来例と対比して装置が大型化することを防止することができるとともに、ロールの中央部が撓むことで均一な貼付ができなくなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る貼付装置の一実施形態を示す側面図。
図2図1の貼付装置の動作説明図。
図3図1の貼付装置の概略平面図。
図4図1のA−A断面図。
図5】本発明に係る貼付装置における押圧部材の変形例を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る貼付装置を図1ないし図4に基づいて説明する。
なお、本実施形態において基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て図1を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、前が紙面に直交する手前方向、後が紙面に直交する奥方向とする。
【0013】
[貼付装置の構成]
図1において、貼付装置1は、被着体としての板状部材11の被貼付面11Aに、接着シートASを貼付する装置である。
ここで、接着シートASは、基材シートBSと、この基材シートBSの一面(下面)に設けられた接着剤層ADとからなり、貼付面(接着剤層ADの下面)の反対側(上側)が帯状の剥離シートRLに疑似接着や濡れ性によって所定間隔で仮着されて原反RSを構成している。
【0014】
貼付装置1は、板状部材11を支持する支持手段2と、接着シートASを板状部材11の被貼付面11Aに対向する状態で供給する供給手段3と、接着シートASを被貼付面11Aに押圧して貼付する押圧手段4とを備えている。
【0015】
支持手段2は、駆動機器としての直動モータ21と、この直動モータ21のスライダ22に取り付けられて板状部材11を支持する支持部材23とを備えている。支持部材23の上面は、図示しないコンプレッサや真空エジェクタなどの吸引手段に接続された複数の吸気口が形成され、板状部材11を吸着保持可能な載置面23Aとされる。
【0016】
供給手段3は、原反RSを支持する支持軸31と、ガイドローラ33と、駆動機器としての回動モータ34Cによって駆動される駆動ローラ34Aと、駆動ローラ34Aとの間に原反RSを挟み込むピンチローラ34Bと、剥離シートRLを接着シートASから剥離する剥離手段35と、駆動機器としての回動モータ36Cによって駆動される駆動ローラ36Aと、駆動ローラ36Aとの間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ36Bと、ガイドローラ37と、駆動機器としての回動モータ32Aによって駆動され剥離シートRLを巻き取る巻取軸32とを備えている。
剥離手段35は、駆動機器としての直動モータ35Aと、直動モータ35Aのスライダ35Bに取り付けられた移動フレーム35Cと、移動フレーム35Cに取り付けられ、駆動機器としての回動モータ35Dによって駆動される駆動ローラ35Eと、駆動ローラ35Eとの間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ35Fと、を備えている。
【0017】
押圧手段4は、駆動機器としての直動モータ41と、直動モータ41の出力軸41Aに取り付けられた駆動機器としての回動モータ42と、回動モータ42の出力軸42Aに取り付けられた保持手段43と、保持手段43に配設され、接着シートASを板状部材11に押圧する押圧部材としての押圧ローラ44と、押圧ローラ44により接着シートASを押圧する押圧力の大きさを調整する押圧力調整手段45とを備えている。
【0018】
保持手段43は、図3に示すように、平面視略円形に設けられ、その下面は、図示しないコンプレッサや真空エジェクタ等の吸引手段に接続された複数の吸気口43A(図4参照)が形成され、原反RSを吸着保持可能に設けられている。
また、保持手段43には、平面視で中心位置から外縁に向かって拡開した略扇状に設けられるとともに、図4に示すように、正面視で下面側から上面側に向かって拡開した形状に設けられた切欠43Bが設けられ、この切欠43Bの下面側は、略長方形状の貫通孔43B1とされる。
【0019】
押圧ローラ44は、略円錐形状に設けられ、その下端部が保持手段43の貫通孔43B1から突出可能に配置され、ローラ支持軸44Aに回転自在に支持されている。なお、押圧ローラ44は、金属や樹脂などで構成してもよいし、円錐面にゴムや樹脂などの弾性部材を被覆してもよい。
【0020】
押圧力調整手段45は、切欠43Bの外方位置において保持手段43の外周部に固定された側面視略L字状のブラケット45Bと、ブラケット45Bの立ち上がり壁に設けられ、押圧ローラ44を上下方向に移動させて当該押圧ローラ44の全体の押圧力を調整可能な駆動機器であって全体押圧力調整手段として直動モータ46Aと、直動モータ46Aのスライダ46Bに取り付けられたブラケット46Dに揺動可能に取り付けられるとともに、押圧ローラ44の内周側および外周側、すなわち、円錐の先端側および基端側の押圧力を調整可能な駆動機器であって内外周押圧力調整手段としての直動モータ47Aと、直動モータ47Aの出力軸47Bに揺動可能に取り付けられるとともに、ローラ支持軸44Aの段部44Bに取り付けられたブラケット47Cと、スライダ46Bに取り付けられたブラケット46Cに支持されるとともに、ローラ支持軸44Aを揺動可能に支持する支持軸45Aとを備えている。
【0021】
[貼付装置の動作]
次に、貼付装置1により接着シートASを板状部材11に貼付する工程について説明する。
まず、図1に示すように供給手段3に原反RSを通紙しておく。
図示しないロボットアームなどの搬送手段により、支持部材23の載置面23A上に板状部材11が供給されると、支持手段2が図示しない吸引手段を駆動し、板状部材11を吸着保持した後、直動モータ21を駆動し、図1に示すように、板状部材11を保持手段43の下方所定位置に移動させる。
【0022】
次に、供給手段3が回動モータ35Dの駆動を停止(ロック)した状態で、直動モータ35A、回動モータ34C、36Cおよび32Aを駆動し、図1中二点鎖線で示される位置にある駆動ローラ35Eおよびピンチローラ35Fを同図中実線で示す位置に移動させ、未使用の原反RSを板状部材11上に繰り出す。その後、押圧手段4が図示しない吸引手段を駆動しつつ直動モータ41を駆動し、保持手段43を下降させて原反RSを複数の吸気口43Aで吸着保持し、図2中右半分に示すように、接着シートASと板状部材11との間隔が所定間隔(例えば2mm)となったことが図示しない光センサなどの位置検知手段によって検知されると、直動モータ41の駆動を停止する。
【0023】
次に、押圧力調整手段45が直動モータ46Aを駆動し、あらかじめ設定された押圧力で押圧ローラ44を下降させ、貫通孔43B1から当該押圧ローラ44の下部を突出させて接着シートASを板状部材11に押圧する。このとき、押圧力調整手段45が直動モータ47Aを駆動し、押圧ローラ44の先端側と基端側とのそれぞれの押圧力の強さが所定の強さとなるように調整する。なお、直動モータ47Aによる押圧力の強さは、直動モータ46Aの押圧力に左右されるので、押圧力調整手段45は、各直動モータ47A、46Aをトータル的に制御して、押圧ローラ44の先端側と基端側との押圧力の強さ所定の強さとなるように調整する。
【0024】
そして、押圧手段4が回動モータ42を駆動し、保持手段43を回転させることで、押圧ローラ44を被貼付面11Aの領域内で被貼付面11Aに沿って相対的に旋回させ、接着シートASを板状部材11に押圧して貼付していき、保持手段43が1回転(360度回転)した時点で押圧手段4が図示しない吸引手段と回動モータ42の駆動を停止する(図2中左半分参照)。
【0025】
次に、押圧手段4が直動モータ41を駆動し、保持手段43を図1で示す位置まで上昇させた後、供給手段3が直動モータ35Aと回動モータ35Dとを駆動し、駆動ローラ35Eおよびピンチローラ35Fを右側へ移動させる。これにより、駆動ローラ35Eが接着シートASを板状部材11の被貼付面11Aに押さえ付けながら回転し、剥離シートRLを接着シートASから剥離する。
その後、接着シートASが貼付された板状部材11は、図示しない搬送手段によって次の工程に搬送され、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0026】
以上のような本実施形態によれば、押圧ローラ44を被貼付面11Aの領域内で被貼付面11Aに沿って旋回させるので、押圧ローラ44が大型化することを防止できる。また、例えば、半導体ウェハなどの被貼付面11Aが広い板状部材11に接着シートASを貼付する場合でも、押圧ローラ44が小型であることから、押圧ローラ44が撓んだりすることがなく、押圧ローラ44全体の押圧力を均一とすることが容易にできる。
【0027】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0028】
例えば、押圧部材として、円筒形状や截頭円錐形の押圧ローラ44としてもよい。
また、押圧部材は、押圧ローラ44を用いる場合に限らず、例えば、図5(A)に示すように、押圧ブラシ61を用いたり、板状のゴム材や軟質プラスチックなどからなる押圧ブレード71を用いたり、押圧ブラシ61と押圧ブレード71との双方を有したものを用いたりしてもよい。すなわち、図7(A)に示す実施形態では、保持手段43の切欠43Bは、保持手段43を上下に貫通する貫通孔43B1のみの形状とされ、この貫通孔43B1の上部中央には、貫通孔43B1を幅方向に連結架橋する架橋部62が設けられている。そして、上記実施形態における全体押圧力調整手段46に代えて、架橋部62に設けられた駆動機器としての直動モータ63を用いている。この直動モータ63の出力軸63Aには、貫通孔43B1の長手方向に沿った棒状部材64が設けられている。そして、棒状部材64の長手方向の両端部には、上記実施形態の内外周押圧力調整手段47に相当する駆動機器としての直動モータ65および駆動機器としての直動モータ66がそれぞれ設けられている。これら、直動モータ65の出力軸65Aおよび直動モータ66の出力軸66Aの先端間に、前述の押圧ブラシ61や押圧ブレード71が連結されている。
この図5(A)に示す実施形態では、直動モータ63により押圧ブラシ61や押圧ブレード71を全体的に上下動させ、全体的な押圧力の強さが調整可能となっている。また、直動モータ65および直動モータ66のそれぞれを適宜に駆動することにより、押圧ブラシ61や押圧ブレード71における内周側や外周側の押圧力の強さが変更可能となっている。この場合も、押圧力調整手段は、各直動モータ63、65、66をトータル的に制御して、押圧ブラシ61や押圧ブレード71の内周側と外周側との押圧力の強さ所定の強さとなるように調整する。
【0029】
なお、押圧ブラシ61および押圧ブレード71の双方を備えた構成としては、例えば、押圧ブラシ61および押圧ブレード71を保持手段43に並べて設けたり、保持手段43の周方向に沿って、等間隔に交互に設けたりしてもよい。
また、保持手段43の径方向に沿って、押圧ブラシ61と押圧ブレード71とを設けた構成としてもよい。例えば、板状部材11として半導体ウェハを用い、この半導体ウェハに接着シートASを貼付する場合、半導体ウェハを切削する際の切削水が外周側から浸水しないように、接着シートASの外周側の密着度合いを強くするために、外周側を押圧ブレード71とし、内周側を押圧ブラシ61としてもよい。さらには、あらかじめ押圧ブラシ61の毛の長さが異なるように形成して異なる押圧力で押圧できる構成としたり、押圧ブラシ61の毛を異なる材質で形成して毛の剛性が異なることにより、押圧力の強さが異なるように形成したりしたものでもよい。
同様に、板状の押圧ブレード71を用いる場合でも、全体的に同材質にて形成する場合に限らず、例えば部分的に硬さの異なるゴムや樹脂などを用いて形成して押圧力の強さが異なるように形成するなどしてもよい。
【0030】
さらに、本発明の押圧部材としては、例えば図5(B)に示すように、大気やガスなどの気体を噴出して原反RSを押圧することで、接着シートASを板状部材11の被貼付面11Aに貼付する構成としてもよい。
すなわち、図5(B)に示す実施形態は、保持手段43の貫通孔43B1に気体噴出部材8が装着された構成とされている。気体噴出部材8の下面には、気体を噴出する複数の噴出口81が長手方向に沿って一列、もしくは、複数列、開口形成されている。
そして、噴出口81から気体を噴出しつつ保持手段43を回転させることで、気体噴出部材8から噴出される気体により、原反RSを板状部材11へ押し付けつつ気体噴出部材8自身が旋回し、接着シートASが板状部材11に貼付される。
【0031】
また、図5(B)に示す実施形態において、押圧力を調整するために、図5(C)に示すように、噴出口81の開口面積を調整する押圧力調整手段9を設けてもよい。すなわち、この押圧力調整手段9は、保持手段43の下面に沿った平面を有する長手板状のシャッタ91と、シャッタ91を保持手段43の下面に沿って移動させる直動モータ92および直動モータ93とを備えて構成されている。
そして、図5(C)に示す実施形態では、内周側直動モータ92および外周側直動モータ93により、シャッタ91を気体噴出部材8の下面に進退するように移動させることで、噴出口81の開口度合いを調整し、気体の噴出量を制御し、押圧力の強さを調整可能に構成されている。
具体的には、図5(C)に二点鎖線で示すように、気体噴出部材8の旋回方向における外周側に位置する噴出口81に対し、内周側に位置する噴出口81の開口領域を小さくするように、シャッタ91を斜めに移動させることで、内周側の押圧力が弱くなり、外周側の押圧力が強くなる状態が得られる。また、内周側および外周側の噴出口81が同様な開口領域となるように、シャッタ91を移動させることで、全体的な押圧力の強弱を調整できる。
【0032】
そして、前記実施形態では、板状部材11に接着シートASを貼付する構成を例示したが、被着体としては、板状部材11に限らず、球状や角柱状、錐体など、いずれの形状とすることができる。すなわち、本発明は、被着体の被貼付面に沿って押圧部材を旋回させることで、本発明の効果を奏することができる。
また、基材シートBSの一面に接着シートASを有した接着シートASを貼付した後、基材シートBSを基層剥離手段5により剥離する構成を例示したが、例えば、剥離シートRLに接着シートASが直接設けられた原反RSを繰り出して、接着シートASを貼付する構成としてもよい。さらに、接着シートASとして例えば感熱接着性の接着シートを用い、当該接着シートASを保持手段43で保持し、加熱手段を備えた支持部材23で支持した被着体に加熱することで貼付する構成としてもよい。この場合、供給手段としては、例えばロボットアームなどにより保持手段43の下面に接着シートASを供給するなど、被着体の被貼付面に対向する状態に供給可能な従来公知の供給方法を用いればよい。
【0033】
さらに、被着体を支持する構成としては、例えば板状部材11の周縁を支持するなど、従来公知の支持方法を適用できる。
また、押圧ローラ44を保持手段43とは別体に構成し、押圧ローラ44を直接旋回させてもよい。さらに、旋回としては、例えば渦巻き状に移動させるなど、押圧開始位置と押圧終了位置とが異なるように押圧部材を旋回させてもよい。
また、押圧部材側を固定した状態とし、支持手段2および供給手段3を旋回させたり、押圧手段4と支持手段2および供給手段3との両方を旋回させたりする構成としてもよい。
【0034】
さらに、全体押圧力調整手段と内外周押圧力調整手段とのいずれか一方のみとしてもよい。また、全体押圧力調整手段と内外周押圧力調整手段とは、前記構成に限らず、押圧部材の押圧力を変更可能な構成であれば、どのような構成としてもよい。そして、押圧力調整手段45を設けなくてもよい。
また、帯状の接着シートASを板状部材11に貼付した後、当該接着シートASを所定形状に切断する切断手段を採用してもよい。
【0035】
また、本発明における被着体および接着シートASの種別や材質などは、特に限定されず、例えば、接着シートASは、基材シートBSと接着剤層ADとの間に中間層を有するものや、基材シートBSの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートBSを接着剤層ADから剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、このような両面接着シートとしては、単層または複層の中間層を有するものや、中間層のない単層または複層のものであってよい。さらに、被着体が適宜な物品(例えば、食品や樹脂容器など)であって、接着シートASがラベルであってもよく、被着体が半導体ウェハであって、接着シートASが保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムなどであってもよい。この際、半導体ウェハは、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等が例示でき、このような半導体ウェハに貼付する接着シートASは、それらに限らず、任意のシート、フィルム、テープなど、任意の用途、形状の接着シートなどが適用できる。さらに、被着体が光ディスクの基板であって、接着シートSが記録層を構成する樹脂層を有したものであってもよい。以上のように、被着体としては、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板など、その他の板状部材のみならず、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。
【0036】
また、上記各実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボットなどの電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータなどを採用することができる上、それらを直接的または間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0037】
1……貼付装置
2……支持手段
3……供給手段
4……押圧手段
8……気体噴出部材
11……板状部材(被着体)
11A…被貼付面
43……保持手段
44……押圧ローラ(押圧部材)
46A…直動モータ(全体押圧力調整手段)
47A…直動モータ(内外周押圧力調整手段)
61……押圧ブラシ(押圧部材)
63……直動モータ(全体押圧力調整手段)
65……直動モータ(内外周押圧力調整手段)
66……直動モータ(内外周押圧力調整手段)
71……押圧ブレード(押圧部材)
AS……接着シート
図1
図2
図3
図4
図5