(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6085448
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】コンテンツ画像表示装置、コンテンツ画像表示方法及びコンテンツ画像表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0483 20130101AFI20170213BHJP
【FI】
G06F3/0483
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-231763(P2012-231763)
(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-85703(P2014-85703A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 勇
(72)【発明者】
【氏名】大津谷 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】仲 裕介
(72)【発明者】
【氏名】服部 剛
(72)【発明者】
【氏名】山根 聡
【審査官】
菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−064910(JP,A)
【文献】
特開2009−282433(JP,A)
【文献】
特開2004−021757(JP,A)
【文献】
特開平03−103983(JP,A)
【文献】
特開平04−052973(JP,A)
【文献】
特開2004−348755(JP,A)
【文献】
特開2012−043078(JP,A)
【文献】
特開2001−265481(JP,A)
【文献】
高野健太郎 他,"ページめくりの操作性に着目した電子書籍端末の評価",ヒューマンインタフェース学会論文誌,2012年12月31日,Vol.14,No.1,No.89-100
【文献】
菊地純一 他,"電子書籍端末のインターフェース評価",日本人間工学会第53回大会講演集,2012年 6月 9日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048−3/0489,3/14−3/153,
15/00,17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段からコンテンツデータを取得し、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示するコンテンツ画像表示手段と、
前記表示されたコンテンツ画像の全体の前面に被覆用の被覆オブジェクトを表示し、前記被覆オブジェクトの表示中に次のコンテンツ画像を生成し、メモリにおいて前記表示されたコンテンツ画像の全体を前記次のコンテンツ画像に入れ替えて、前記被覆オブジェクトを非表示するコンテンツ画像入替手段と、
を有することを特徴とするコンテンツ画像表示装置。
【請求項2】
前記コンテンツ画像入替手段は、
前記画面をスライドする操作の方向に合わせて、前記被覆オブジェクトをスライドインして表示することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ画像表示装置。
【請求項3】
前記コンテンツ画像入替手段は、
前記スライドインする方向と同じ方向に前記被覆オブジェクトをスライドアウトすることを特徴とする請求項2記載のコンテンツ画像表示装置。
【請求項4】
前記被覆オブジェクトは、
半透明を含む有色の有色画面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンテンツ画像表示装置。
【請求項5】
前記有色画面の色は、
画面に表示中のコンテンツ画像の背景色に合うように調整されることを特徴とする請求項4記載のコンテンツ画像表示装置。
【請求項6】
前記コンテンツデータは、
横書き若しくは縦書きの文書又は画像で構成された電子書籍であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンテンツ画像表示装置。
【請求項7】
前記コンテンツ画像入替手段は、
前記電子書籍のページをめくる際にコンテンツ画像を入れ替えることを特徴とする請求項6記載のコンテンツ画像表示装置。
【請求項8】
前記記憶手段は通信ネットワーク上に配置され、
前記コンテンツ画像表示手段は、
当該記憶手段から前記コンテンツデータを取得しながら前記閲覧される範囲のコンテンツ画像を前記画面に表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコンテンツ画像表示装置。
【請求項9】
コンピュータにより、
記憶手段からコンテンツデータを取得し、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示するステップと、
前記表示されたコンテンツ画像の全体の前面に被覆用の被覆オブジェクトを表示し、前記被覆オブジェクトの表示中に次のコンテンツ画像を生成し、メモリにおいて前記表示されたコンテンツ画像の全体を前記次のコンテンツ画像に入れ替えて、前記被覆オブジェクトを非表示するステップと、
を有することを特徴とするコンテンツ画像表示方法。
【請求項10】
コンピュータに、
記憶手段からコンテンツデータを取得し、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示する処理と、
前記表示されたコンテンツ画像の全体の前面に被覆用の被覆オブジェクトを表示し、前記被覆オブジェクトの表示中に次のコンテンツ画像を生成し、メモリにおいて前記表示されたコンテンツ画像の全体を前記次のコンテンツ画像に入れ替えて、前記被覆オブジェクトを非表示する処理と、
を実行させることを特徴とするコンテンツ画像表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ画像を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、文書を画像化した文書画像を表示可能な文書画像表示装置がある。その表示エリアは画面の大きさに限られるため、画面に表示された文書画像の表示ページをユーザの操作に応じてスクロールし又は切り替えることが可能となっている(
図4、非特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“電子書籍の「ページをめくるという時代錯誤」”、Zerobase Journal、[online]、[平成24年10月9日検索]、<URL: http://zerobase.jp/blog/2010/06/post_84.html>
【非特許文献2】“iPad向け読書ビューアのインターフェイスを比較する(前編)”、PC Watch、[online]、[平成24年10月9日検索]、<URL:http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20100729_383964.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在閲覧中の表示ページを画面に描画するだけでなく、その前後のページを画面外や閲覧中の表示ページの下に予め描画しておくため、その予め用意されたページ分についてメモリを使用してしまう。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、コンテンツ画像の表示に係るメモリ使用量を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のコンテンツ画像表示装置は、記憶手段からコンテンツデータを取得し、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示するコンテンツ画像表示手段と、前記表示されたコンテンツ画像の
全体の前面に被覆用の被覆オブジェクトを表示し、前記被覆オブジェクトの表示中に
次のコンテンツ画像を生成し、メモリにおいて前記表示されたコンテンツ画像の全体を前記次のコンテンツ画像に入れ替えて、前記被覆オブジェクトを非表示するコンテンツ画像入替手段と、を有することを要旨とする。
【0007】
本発明によれば、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示し、被覆オブジェクトの表示中に次のコンテンツ画像に入れ替えるため、コンテンツ画像の入れ替え処理に係る視覚的なフィードバックを担保しつつ、コンテンツ画像の表示に係るメモリ使用量を低減できる。
【0008】
請求項2記載のコンテンツ画像表示装置は、請求項1記載のコンテンツ画像表示装置において、前記コンテンツ画像入替手段は、前記画面をスライドする操作の方向に合わせて、前記被覆オブジェクトをスライドインして表示することを要旨とする。
【0009】
本発明によれば、画面をスライドする操作の方向に合わせて、被覆オブジェクトをスライドインして表示するため、ユーザの操作に対するコンテンツ画像のめくり感やめくり方向といった感覚的・視覚的なフィードバックを担保できる。
【0010】
請求項3記載のコンテンツ画像表示装置は、請求項2記載のコンテンツ画像表示装置において、前記コンテンツ画像入替手段は、前記スライドインする方向と同じ方向に前記被覆オブジェクトをスライドアウトすることを要旨とする。
【0011】
本発明によれば、上記スライドインする方向と同じ方向に被覆オブジェクトをスライドアウトするため、ユーザの操作に対するコンテンツ画像のめくり感やめくり方向といった感覚的・視覚的なフィードバックをより確実に担保できる。
【0014】
請求項
4記載のコンテンツ画像表示装置は、請求項1乃至
3のいずれかに記載のコンテンツ画像表示装置において、前記被覆オブジェクトは、半透明を含む有色の有色画面であることを要旨とする。
【0015】
本発明によれば、被覆オブジェクトが有色であるため、無色透明である場合よりもコンテンツ画像のめくり感をより適切に表現できる。また、被覆オブジェクトが1オブジェクトの画面であるため、多数又は複雑なオブジェクトで構成される場合のあるコンテンツ画像よりもその表示処理やスライド処理に係るメモリ使用量や処理コストを低減できる。
【0016】
請求項
5記載のコンテンツ画像表示装置は、請求項
4記載のコンテンツ画像表示装置において、前記有色画面の色は、
画面に表示中のコンテンツ画像の背景色に合うように調整されることを要旨とする。
【0017】
本発明によれば、有色画面の色がコンテンツ画像の背景色に合うように調整されるため、コンテンツ画像をめくる際の違和感を低減し、その際に生じる視覚的なストレスを低減できる。
【0018】
請求項
6記載のコンテンツ画像表示装置は、請求項1乃至
5のいずれかに記載のコンテンツ画像表示装置において、前記コンテンツデータは、横書き若しくは縦書きの文書又は画像で構成された電子書籍であることを要旨とする。
【0019】
本発明によれば、コンテンツデータが横書き若しくは縦書きの文書又は画像で構成された電子書籍であるため、右開きの小説や左開きの文献、更には画像集である図鑑等にも対応できる。
【0020】
請求項
7記載のコンテンツ画像表示装置は、請求項
6記載のコンテンツ画像表示装置において、前記コンテンツ画像入替手段は、前記電子書籍のページをめくる際にコンテンツ画像を入れ替えることを要旨とする。
【0021】
本発明によれば、電子書籍のページをめくる際にコンテンツ画像を入れ替えるため、コンテンツ画像の入れ替え処理に係る視覚的なフィードバックをより適切に担保できる。
【0022】
請求項
8記載のコンテンツ画像表示装置は、請求項1乃至
7のいずれかに記載のコンテンツ画像表示装置において、前記記憶手段は通信ネットワーク上に配置され、前記コンテンツ画像表示手段は、当該記憶手段から前記コンテンツデータを取得しながら前記
閲覧される範囲のコンテンツ画像を前記画面に表示することを要旨とする。
【0023】
本発明によれば、通信ネットワーク上に配置された記憶手段からコンテンツデータを取得しながらコンテンツ画像を画面に表示するため、ストリーミングにも対応できる。
【0024】
請求項
9記載のコンテンツ画像表示方法は、コンピュータにより、記憶手段からコンテンツデータを取得し、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示するステップと、前記表示されたコンテンツ画像の
全体の前面に被覆用の被覆オブジェクトを表示し、前記被覆オブジェクトの表示中に
次のコンテンツ画像を生成し、メモリにおいて前記表示されたコンテンツ画像の全体を前記次のコンテンツ画像に入れ替えて、前記被覆オブジェクトを非表示するステップと、を有することを要旨とする。
【0025】
本発明によれば、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示し、被覆オブジェクトの表示中に次のコンテンツ画像に入れ替えるため、コンテンツ画像の入れ替え処理に係る視覚的なフィードバックを担保しつつ、コンテンツ画像の表示に係るメモリ使用量を低減できる。
【0026】
請求項
10記載のコンテンツ画像表示プログラムは、コンピュータに、記憶手段からコンテンツデータを取得し、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示する処理と、前記表示されたコンテンツ画像の
全体の前面に被覆用の被覆オブジェクトを表示し、前記被覆オブジェクトの表示中に
次のコンテンツ画像を生成し、メモリにおいて前記表示されたコンテンツ画像の全体を前記次のコンテンツ画像に入れ替えて、前記被覆オブジェクトを非表示する処理と、を実行させることを要旨とする。
【0027】
本発明によれば、閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示し、被覆オブジェクトの表示中に次のコンテンツ画像に入れ替えるため、コンテンツ画像の入れ替え処理に係る視覚的なフィードバックを担保しつつ、コンテンツ画像の表示に係るメモリ使用量を低減できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、コンテンツ画像の表示に係るメモリ使用量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】コンテンツ画像表示装置の機能ブロック構成を示す図である。
【
図2】コンテンツ画像表示装置の動作フローを示す図である。
【
図4】従来のページ遷移の動作イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、画面上で閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを画面に表示しておき、ページ遷移の際に次のページのコンテンツ画像に入れ替えることを特徴とし、それによりコンテンツ画像の表示に係るメモリ使用量を低減している。
【0031】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
【0032】
最初に、
図1を参照しながら、本実施の形態に係るコンテンツ画像表示装置1の機能について説明する。このコンテンツ画像表示装置1は、タッチパネルを有する電子書籍端末等の携帯端末内で動作し、表示対象であるコンテンツデータを記憶しておくデータ記憶部11と、そのコンテンツデータを画像化したコンテンツ画像を画面に表示するページ表示部12とで主に構成される。
【0033】
ページ表示部12は、複数の機能部により構成されている。具体的には、画面上で閲覧される範囲のコンテンツ画像のみを生成して画面に表示するレンダリング部12aと、ユーザによる画面への操作入力を受け付ける操作受付部12bと、コンテンツ画像を覆い隠す被覆オブジェクトを画面に表示・非表示するマスク制御部12cとで構成されている。
【0034】
このような機能を有するコンテンツ画像表示装置1は、メモリやCPUを備えたコンピュータで実現可能である。また、それら機能は、各機能を実現するようにプログラミングされたプログラムによって実行される。
【0035】
次に、
図2及び
図3を参照しながら、コンテンツ画像表示装置1で行う書籍画像の表示動作について説明する。尚、以下では、コンテンツデータの例として電子書籍を用いた場合について説明する。
【0036】
最初に、レンダリング部12aが、データ記憶部11から電子書籍を読み出して(ステップS101)、その電子書籍内の文字や画像を編集して画面上で閲覧される範囲の書籍画像のみを生成し、画面に表示する(ステップS102)。
【0037】
例えば、複数列・複数行に渡る縦書き小説や横書き文献等の文書書物の場合、画面サイズや指定範囲内に収まるように文字や図表の配列を並べ直すレイアウト処理を行うことにより、1ページ分のみの書籍画像を生成する。画像オブジェクトが画面サイズに収まらない場合は、そのオブジェクトを画面に収まるように縮小した後にレイアウト処理を行う。
【0038】
次に、操作受付部12bは、ユーザによる画面への操作入力を受け付けて(ステップS103)、その受け付けた操作がページをスライドさせるめくり操作か否かを判定する(ステップS104)。
【0039】
尚、めくり操作とは携帯端末の画面に接触したユーザの指等を少しだけスライドさせるフリック操作であり、現在表示中のページを次のページに遷移する際にユーザによって行われる操作である。めくり操作やめくり方向を検出する回路や機能としては、電子書籍端末等に具備されている既存のものを利用できる。
【0040】
次に、ステップS104の判定結果、ユーザの操作がめくり操作であった場合、マスク制御部12cは、
図3(a)に示すように、画面やページよりも大きい被覆オブジェクト3をめくり操作のめくり方向(画面をスライドする操作の方向)に合わせてスライドインさせる(ステップS105)。これにより、現在表示中の書籍画像のページの前面に被覆オブジェクトが表示される。
【0041】
例えば、表示対象が右開きの電子書籍であって次のページに進む場合には、左から右方向へのめくり方向に合わせて白色の画面をスライドさせる。これにより、ページのめくり感を表現しつつ、更にどちらの方向にページをめくっているかを容易に把握させることが可能になる。
【0042】
次に、レンダリング部12aは、画面全体が被覆オブジェクトで覆い隠されている間に、ステップS102と同様の手法で次のページの書籍画像を生成し(ステップS106)、
図3(b)に示すように現在表示中のページを次のページに入れ替える(ステップS107)。
【0043】
具体的には、現在表示しているページの書籍画像を削除し、次のページの書籍画像を被覆オブジェクトの背面に描画することにより、隣接する2つのページ間での書籍画像の入れ替えを行う。
【0044】
最後に、マスク制御部12cは、ページの入れ替えが終了した後に、
図3(c)に示すように、画面上で前面に表示されている被覆オブジェクトを上記めくり方向と同じ方向にスライドアウトさせる(ステップS108)。これにより、被覆オブジェクトが非表示され、背面に描画されている次のページの書籍画像が画面に表示される。
【0045】
以降、ステップS108の後はステップS103に戻り、ステップS103〜ステップS108を繰り返す。また、ステップS104の判定結果、ユーザの操作がめくり操作以外であった場合にはステップS103に戻り、めくり操作と判定されるまでステップS103〜ステップS104を繰り返す。
【0046】
尚、ステップS106では、被覆オブジェクトの表示中に書籍画像を生成する場合について説明したが、その書籍画像を予めページ毎に生成しておき、被覆オブジェクトが表示されている間にメモリから読み出して利用するようにしてもよい。
【0047】
以上より、本実施の形態によれば、閲覧される範囲の書籍画像のみを画面に表示し、被覆オブジェクトの表示中に次の書籍画像に入れ替えるので、1ページ分のメモリのみを使用してページを遷移できることから、書籍画像の入れ替え処理に係る視覚的なフィードバックを担保しつつ、書籍画像の表示に係るメモリ使用量を低減できる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、画面をスライドする操作の方向に合わせて、被覆オブジェクトをスライドインして表示するので、ユーザの操作に対する書籍画像のめくり感やめくり方向といった感覚的・視覚的なフィードバックを担保できる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、上記スライドインする方向と同じ方向に被覆オブジェクトをスライドアウトするので、ユーザの操作に対する書籍画像のめくり感やめくり方向といった感覚的・視覚的なフィードバックをより確実に担保できる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、被覆オブジェクトの表示中に次の書籍画像を生成して入れ替えるので、次の書籍画像を予め生成しておく必要がないことから、書籍画像の表示に係るメモリ使用量をより低減できる。
【0051】
また、本実施の形態では、被覆オブジェクトとして白色の画面を用いているので、無色透明である場合よりも書籍画像のめくり感をより適切に表現できる。また、被覆オブジェクトとして1オブジェクトの画面を用いているので、個々の文字をそれぞれ画像化して組み合わせることによって生成されるような、多数又は複雑なオブジェクトで構成される場合のある書籍画像のページよりも、ページの表示処理やスライド処理に係るメモリ使用量や処理コストを低減できる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、コンテンツデータが横書き若しくは縦書きの文書又は画像で構成された電子書籍であるので、右開きの小説や左開きの文献、更には画像集である図鑑等にも対応できる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、電子書籍のページをめくる際に書籍画像を入れ替えるので、書籍画像の入れ替え処理に係る視覚的なフィードバックをより適切に担保できる。
【0054】
引き続き、本実施の形態の変形例について説明する。被覆オブジェクトをスライドインして表示し、スライドアウトして非表示させるのに代えて、被覆オブジェクトをスライドさせることなく単純に表示・非表示させるようにしてもよい。この場合であっても、メモリ使用量の低減効果を得ることができる。
【0055】
また、スライドインする方向と同じ方向にスライドアウトするのに代えて、スライドインする方向とは異なる方向にスライドアウトさせるようにしてもよい。すなわち、被覆オブジェクトを非表示にする具体的方法については、任意の方法を用いることができる。
【0056】
また、被覆オブジェクトを左から右方向にスライドさせるのに代えて、右から左方向、上から下方向、下から上方向にスライドさせるようにしてもよい。
【0057】
また、ユーザのめくり操作に応じてページを遷移させるのに代えて、携帯端末の画面やページを遷移させるページ遷移ボタンへの単なるタッチ操作によりページを遷移させるようにしてもよい。更に、無操作による自動でのページ遷移も考えられ、その場合にはタッチパネルを有さない携帯端末内で動作可能である。
【0058】
また、上記操作のうち複数の操作をページめくり操作として割り当て、いずれか1つの操作が行われたときにページを遷移させるようにしてもよい。
【0059】
また、白色画面の被覆オブジェクトに代えて、半透明を含む単色又は複数色からなる有色画面を用いてもよい。例えば、ページ画面の大きさに相当する部分のみを白色とし、それを超える部分を外側に向かって漸次透明化させた画面が考えられる。
【0060】
尚、ページ遷移は数ミリ秒で行われるので、被覆オブジェクトの形状や大きさは見た目分からないことから、任意の形状や任意の大きさの被覆オブジェクトを用いることが可能である。
【0061】
また、情報処理技術分野という特性上、パラメータによって色を指定できることから、その有色画面の色を書籍画像の背景色に合うように調整するようにしてもよい。例えば、白色の背景上に黒色の文字が記載されている場合、被覆オブジェクトの色を白色にすることにより、書籍画像の背景色と被覆オブジェクトの色が同一色になることから、書籍画像のページをめくる際の違和感を低減し、その際に生じる視覚的なストレスを低減できる。また、そのように同一色でなくても、同系色(半透明を含む)であっても同様の効果を得ることができる。
【0062】
尚、同一又は同系の色を書籍画像から取得する方法については、任意の方法を利用できる。例えば、書籍画像の背景部分の輝度値を計算してその平均値を取得する方法等がある。
【0063】
また、同系色以外の色を指定する方法も考えられる。例えば、黒色を指定することにより、ページをめくる際に画面をブラックアウトさせ、その後に次のページを表示することができる。同様に、同系色で背景より暗めの色を指定すれば、ブラックアウト時と同様の効果を得ながら視覚的なストレスをより少なく抑えることが期待できる。
【0064】
最後に、コンテンツ画像表示装置1の内部に記憶された電子書籍を使用するのに代えて、インターネット等の通信ネットワーク上に配置されたコンテンツ画像記憶装置内の電子書籍を使用してもよい。これにより、ストリーミングにも対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0065】
1…コンテンツ画像表示装置
11…データ記憶部
12…ページ表示部
12a…レンダリング部(コンテンツ画像表示手段、コンテンツ画像入替手段)
12b…操作受付部
12c…マスク制御部(コンテンツ画像入替手段)
3…被覆オブジェクト
S101〜S108…ステップ