特許第6085621号(P6085621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6085621生体信号制御されるメカニズムのためのモジュール式ユーザ交換可能アクセサリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6085621
(24)【登録日】2017年2月3日
(45)【発行日】2017年2月22日
(54)【発明の名称】生体信号制御されるメカニズムのためのモジュール式ユーザ交換可能アクセサリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20170213BHJP
【FI】
   A61B5/16
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-560930(P2014-560930)
(86)(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公表番号】特表2015-515292(P2015-515292A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】US2013026655
(87)【国際公開番号】WO2013133962
(87)【国際公開日】20130912
【審査請求日】2014年10月7日
(31)【優先権主張番号】61/607,955
(32)【優先日】2012年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/768,139
(32)【優先日】2013年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511064915
【氏名又は名称】ニューロスキー・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】NEUROSKY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ザビエ
(72)【発明者】
【氏名】チュアーン・チュヨン−イ
(72)【発明者】
【氏名】リー・クーヒョン
【審査官】 佐藤 高之
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3120498(JP,U)
【文献】 特開2006−320621(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/001512(WO,A1)
【文献】 特開2001−246580(JP,A)
【文献】 特開2004−157941(JP,A)
【文献】 特開2000−218065(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/072137(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/082565(WO,A1)
【文献】 特開2005−046305(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3153409(JP,U)
【文献】 国際公開第2007/109745(WO,A2)
【文献】 国際公開第2008/091323(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0036790(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02198810(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0106881(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0001318(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0024287(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0002178(US,A1)
【文献】 国際公開第98/021939(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0167371(US,A1)
【文献】 米国特許第03747128(US,A)
【文献】 米国特許第07604987(US,B2)
【文献】 国際公開第2010/147913(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0217816(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0107454(US,A1)
【文献】 米国特許第06321110(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0093129(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリのためのシステムであって、
生体信号を検出するためのバイオセンサであって、ヘッドセットに接続されている、バイオセンサと、
アクセサリ取り付けポイントを備え、前記ヘッドセットに取りつけ可能であるフィードバックメカニズムであって、制御信号の受信に応じて、観察可能なフィードバックを実行するように構成され、生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリが、前記アクセサリ取り付けポイントにしっかりと付くように構成された前記フィードバックメカニズムと、
生体信号処理ユニットのプロセッサであって、
前記バイオセンサを用いて検出された生体信号を受信し、
前記検出された生体信号に応じて、前記フィードバックメカニズムに前記制御信号を送信するよう構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を供給するよう構成されたメモリと、を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
サーボモータを含むモータハウジングを備える、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
サーボモータを含むモータハウジングを備え、前記サーボモータは、処理された生体信号を解釈するために前記制御信号を受信する、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
サーボモータを含むモータハウジングを備え、前記サーボモータは、処理された生体信号を解釈するために前記制御信号を受信し、0度から110度までの円弧状に1つの軸を中心に回転する、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
サーボモータを含むモータハウジングを備え、前記サーボモータは、処理された生体信号を解釈するために前記制御信号を受信し、ユーザの決定された心理状態に対応する動きで反応する、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記生体信号は、EEG信号を含み、
前記EEG信号は、ユーザの心理状態を決定するために処理される、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記観察可能なフィードバックは、美的なフィードバックである、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリは、動物の耳に似せた形状である、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、脳波(EEG)センサを備える、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、EEGセンサを備え、前記EEGセンサは、ステンレス鋼製のパッシブ乾式バイオセンサを含む、システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、EEGセンサを備え、前記EEGセンサは、ユーザの額上のFP1位置からEEGデータを収集するステンレス鋼製のパッシブ乾式バイオセンサを含む、システム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、眼電図(EOG)センサを備える、システム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、心電図(ECG)センサを備える、システム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、筋電図(EMG)センサを備える、システム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、電気皮膚反応(GSR)センサを備える、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、音声および/または身体運動を検出するための1または複数のセンサを備える、システム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムであって、前記バイオセンサは、体温を検出するための1または複数のセンサを備える、システム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムであって、前記生体信号は、EEG信号を含み、前記EEG信号は、ユーザが集中状態にあるかリラックス状態にあるかを判定するために処理される、システム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、
機能とスタイルの少なくとも一方が互いに異なる複数組の前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリを含み、
前記アクセサリ取り付けポイントは、前記複数組の前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリのうちの一組の前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリを、他の前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリと交換可能に取りつけられるように構成されている、システム。
【請求項20】
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリの制御方法であって、
ヘッドセットに接続されているバイオセンサを用いて生体信号を検出する工程
前記検出された生体信号に応じて、フィードバックメカニズムに制御信号を送信する工程と、
アクセサリ取り付けポイントを備えた前記フィードバックメカニズムであって、前記ヘッドセットに取りつけ可能であり、生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリが、前記アクセサリ取り付けポイントにしっかりと付く前記フィードバックメカニズムに、前記制御信号の受信に応じて、前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリを動作させる工程と、
を備える、方法。
【請求項21】
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリのためのシステムであって、
プロセッサであって、
バイオセンサから生体信号を受信し、
前記受信された生体信号に応じて、アクセサリ取り付けポイントを備えたフィードバックメカニズムに制御信号を送信し、生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリは、アクセサリ取り付けポイントを備えた前記フィードバックメカニズムにしっかりと付き、前記制御信号は、前記フィードバックメカニズムに、処理された生体信号の解釈のための観測可能なフィードバックを実行させるよう構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を供給するよう構成されたメモリと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[他の出願の相互参照]
本願は、2012年3月7日出願の米国仮特許出願第61/607,955号(代理人整理番号NEURP017+)「MODULAR USER−EXCHANGEABLE ACCESSORY FOR BIO−SIGNAL CONTROLLED MECHANISM」の優先権を主張する。この出願は、参照により全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサ(例えば、バイオセンサチップ)が存在し、様々な製品カテゴリで生体信号機能を可能にするために用いることができる。例えば、かかるバイオセンサ技術を用いるための消費者製品が開発されている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
以下の詳細な説明と添付の図面において、本発明の様々な実施形態を開示する。
【0004】
図A】いくつかの実施形態に従って、生体信号データが取得され、フィードバックメカニズムによって解釈され、モジュール式アクセサリによって修飾される様子と、アクセサリが取り付けられる様子とを示す概略図。
【0005】
図1】いくつかの実施形態に従って、EEGセンサを用いて、ユーザが、ユーザの心理状態の随意調節を通して装飾的な猫耳の動きを制御することを可能にするシステムの全体設計を示す図。
【0006】
図2】いくつかの実施形態に従って、生体信号データを動きで解釈するフィードバックメカニズムおよびアクセサリを示す図。
【0007】
図3】いくつかの実施形態に従って、生体信号データを光で解釈するフィードバックメカニズムおよびアクセサリを示す図。
【0008】
図4】いくつかの実施形態に従って、生体信号装置と電気接続し、自身の電気的および物理的設計に基づいて生体信号データを解釈するフィードバックメカニズムおよびアクセサリを示す図。
【0009】
図5】いくつかの実施形態に従って、バイオセンサを含むモジュール式アクセサリと組み合わせたフィードバックメカニズムを示す図。
【0010】
図6】いくつかの実施形態に従って、バイオセンサ装置から物理的に離れたフィードバックメカニズムおよびアクセサリを示す図。
【0011】
図7】いくつかの実施形態に従って、EMGまたはビデオセンサでユーザの顔の表情を検出する、ならびに/もしくは、EMGまたは加速度計で身体運動を検出するシステムを示す図。
【0012】
図8】いくつかの実施形態に従って、音声認識を用いて、ユーザ着脱可能なアクセサリのフィードバック挙動を修飾するシステムを示す図。
【0013】
図9】いくつかの実施形態に従って、バイオセンサ装置なしに生体信号情報の表示を模倣するフィードバックメカニズムを備えたシステムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、処理、装置、システム、物質の組成、コンピュータ読み取り可能な格納媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品、および/または、プロセッサ(プロセッサに接続されたメモリに格納および/またはそのメモリによって提供される命令を実行するよう構成されたプロセッサ)を含め、様々な形態で実施されうる。本明細書では、これらの実施例または本発明が取りうる任意の他の形態を、技術と呼ぶ。一般に、開示された処理の工程の順序は、本発明の範囲内で変更されてもよい。特に言及しない限り、タスクを実行するよう構成されるものとして記載されたプロセッサまたはメモリなどの構成要素は、ある時間にタスクを実行するよう一時的に構成された一般的な構成要素として、または、タスクを実行するよう製造された特定の構成要素として実装されてよい。本明細書で用いられているように、「プロセッサ」という用語は、1または複数のデバイス、回路、および/または、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するよう構成された処理コアを指すものとする。
【0015】
以下では、本発明の原理を示す図面を参照しつつ、本発明の1または複数の実施形態の詳細な説明を行う。本発明は、かかる実施形態に関連して説明されているが、どの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、多くの代替物、変形物、および、等価物を含む。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細事項が記載されている。これらの詳細事項は、例示を目的としたものであり、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも特許請求の範囲に従って実施可能である。簡単のために、本発明に関連する技術分野で周知の技術事項については、本発明が必要以上にわかりにくくならないように、詳細には説明していない。
【0016】
いくつかの実施形態において、バイオセンサおよびフィードバックメカニズムが開示されている。例えば、物理的なフィードバックメカニズムの動作を駆動できるバイオセンサ技術を利用すると共に、ユーザインターフェース、娯楽的な価値、行動訓練、および/または、その他の利益も提供できる様々な製品が提供されている。
【0017】
特に、ユーザが、生体信号フィードバックに応答して制御または操作されうる可動要素を製品用に設計された別のアクセサリと交換する、もしくは、有意義に生体信号の相互作用体験を変更することを可能にするためのソリューションが求められている。したがって、生体信号制御されるメカニズムのためのモジュール式ユーザ交換可能アクセサリを、いくつかの実施形態に従って開示する。
【0018】
例えば、生体信号フィードバックメカニズムの単純および簡単なユーザカスタマイズを容易にするソリューションで、生体信号データの幅広い利用法および個々のユーザの工業製品の好みに対応することにより、生体信号フィードバックメカニズムを用いた様々な製品の物理インターフェースの柔軟性および多用途性を大いに強化できる。
【0019】
いくつかの実施形態において、バイオセンサ装置は、血液オキシメトリ、心電図(ECG)、脳波(EEG)、筋電図(EMG)、眼電図(EOG)、電気皮膚反応(GSR)などの様々なタイプの電気生体信号を検出できるセンサ、および、温度センサ(例えば、皮膚温または体温を測定するためのセンサ)を含む。例えば、かかる信号は、直接利用されてもよいし、バイオフィードバックで用いられる前に、心拍数、脳波、筋活動、視標追跡、および/または、その他の社会生理学的状態などの測定値にさらに処理されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、バイオセンサ装置は、加速度計を用いた身体運動、画像センサまたはEMGセンサを用いた顔の表情、および/または、画像センサを用いたジェスチャ認識など、動きの生体信号を捕らえることができるセンサを含む。例えば、これらの信号は、直接的に利用されてもよいし、生体信号フィードバックで用いられる前に、頭の方向、感情の状態、グループ内での序列、または、その他の社会生理学的状態などの測定値にさらに処理されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、バイオセンサ装置は、心音、足音、鼓腸、声、および/または、音声センサを通した身体運動のノイズなどの音声生体信号を捕らえることができるセンサを含む。例えば、これらの信号は、直接的に利用されてもよいし、生体信号フィードバックで用いられる前に、認識された単語、アクセント、流暢さ、感情の状態、および/または、その他の社会生理学的状態などの測定値にさらに処理されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、社会生理学的情報は、動き、音声、光、振動、および/または、その他のフィードバックメカニズムなど、他者および/またはユーザが直接観察できる形態で表示される。例えば、機能的および/または美的な目的で観察者にとってのフィードバックの見え方を修飾するために、着脱可能または交換可能な表示アクセサリをフィードバックメカニズムに取り付けることができる。ユーザは、フィードバックメカニズムもバイオセンサ装置も分解することなしに、容易に修飾アクセサリを着脱できる。いくつかの実施形態において、4つの主要な構成要素を含む生体信号制御されたメカニズムのためのモジュール式ユーザ交換可能アクセサリが開示されている。いくつかの実施形態において、生体信号制御されたメカニズムのためのモジュール式ユーザ交換可能アクセサリは、以下の主要な構成要素を備える:1または複数のバイオセンサ、生体信号処理ユニット、アクセサリ取り付けポイントを備えたフィードバックメカニズム、および、フィードバックメカニズムにしっかりと付くように設計されたモジュール式アクセサリ。例えば、バイオセンサおよび生体信号ユニットは、製品の構造内に一体化されてもよいし、アクセサリ上に配置されてもよい。本明細書に記載の様々な実施形態に照らせば、様々な他の構成が、当業者にとって明らかになる。
【0023】
バイオセンシング装置は、ユーザからの生体信号を検知するために、ユーザの近くまたはユーザに接触して配置または装着されうる。その後、ユーザは、バイオセンシング装置と相互作用する。ユーザがバイオセンサとどのように接触するのか、および、接触するか否かは、具体的なセンサ構成、および、収集されるデータの種類に依存する。例えば、EEGデータを収集するユーザは、いくつかの乾式センサを頭部に取り付ける必要がありえ、また、ECGデータを収集するには、ユーザは、容量センサ(例えば、非接触センサ)を胸部に押しつける必要がありうる。生体信号情報が取得された後、その情報は、フィードバックメカニズムを用いて、例えば、動き、音声、光、振動、または、その他の観察可能なフィードバックとして表示または表現されうる。このフィードバックは、バイオセンシング製品および/またはアクセサリの特徴でありうる。例えば、アクセサリは、フィードバックが機能的および/または美的にどのように提示されるのかを修飾しうる。
【0024】
図Aは、システムの全体設計を示す。ユーザ(101)が、頭部またはその他の身体部位からECG、EEG、EMG、および/または、EOGデータを収集するバイオセンサ装置(102)を装着している。生体信号データは、メカニズム(103)によって観察可能なフィードバックの形態に解釈される。メカニズムに取り付けまたは相互作用するよう設計されたアクセサリ(104)が、機能的または純粋に美的に生体信号表現の提示に影響を与える。異なる機能、効果、または、スタイルを備えた様々なアクセサリ(105)が、同じ取り付け方式に適用されてよい。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置およびフィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。
【0025】
図1は、いくつかの実施形態に従って、EEGセンサを用いて、ユーザが、ユーザの心理状態の随意調節を通して装飾的な猫耳の動きを制御することを可能にするシステムの全体設計を示す。いくつかの実施形態において、装置は、ユーザの心理状態の無意識の変化にも反応する。ユーザ(101)は、額上のFP1位置からEEGデータを収集するステンレス鋼製のパッシブ乾式バイオセンサ(102)を備えたヘッドセットを装着している。EEGデータは、ヘッドセット内のバイオセンサモジュールおよびモータ制御モジュールによって解釈され、それらのモジュールは、2つのサーボモータ(103)の動きを駆動する。サーボモータは、0度から110度までの円弧状に1つの軸を中心に回転する。EEGアルゴリズムによって決定されたユーザの心理状態により、サーボモータが円弧に沿ってどの位置(105、106)に移動するのかが決まる。例えば、EEGアルゴリズムは、ユーザが、主観的に集中した状態にあるのか、主観的にリラックスした状態にあるのかを判定するために利用できる。サーボモータは、モータ制御モジュール上に予めプログラムされたファームウェアによって規定された特定の動きで、これらの心理状態に反応する。猫耳に似せて形作られ、サーボモータハウジングに取り付けられるよう設計されたアクセサリ(104)は、EEG信号の提示およびモータの動きに美的な影響を与える。
【0026】
いくつかの実施形態において、耳アクセサリ(107)は、摩擦嵌めでモータアセンブリに取り付けられる。この耳は、モータアセンブリの凸形状と対応するよう形成された空洞を持つ発泡体で構成される。2つの材料間の表面摩擦により、ユーザが、確実な取り付けおよび簡単な取り外しを行うことが可能にある。例えば、犬の耳、角、触覚、翼、象の耳、他の動物の付属器官、漫画のキャラクタの特徴、または、スポーツチームのマークなど、異なる機能、効果、または、スタイルを備えた様々なアクセサリ(108)が、同じ取り付け方式に適用されてよい。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置およびフィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。血液オキシメトリ、ECG、EEG、EMG、EOG、および/または、GSRなどの生体信号を特徴とする別の実施形態も、本明細書に記載の様々な実施形態に照らして当業者にとって明らかになるように、同様の技術を利用できる。
【0027】
図2は、いくつかの実施形態に従って、モータの動きを用いて、生体信号データを観察可能なフィードバックに解釈するシステムを示す。図に示すように、ユーザ(201)が、頭部またはその他の身体の部位からECG、EEG、EMG、および/または、EOGデータを収集するバイオセンサ装置(202)を装着している。生体信号データは、モータ(203)によって動きに解釈される。モータハウジングに取り付けられるよう設計されたアクセサリ(204)は、ユーザによって決定された使用期間中、例えば、摩擦嵌め、機械的留め具、および/または、その他の確実な取り付け方法で固定される。アクセサリは、装飾的なアクセサリであり、モータで簡単に動かされてもよいし、モータの機械的エネルギを利用して別の機能を実行する独自のメカニズムを備えてもよい。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置およびフィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。
【0028】
図3は、いくつかの実施形態に従って、光または光のネットワークを用いて、生体信号データを観察可能なフィードバックに解釈するシステムを示す。ユーザ(301)が、頭部またはその他の身体部位からECG、EEG、EMG、および/または、EOGデータを収集するバイオセンサ装置(302)を装着している。生体信号データは、光(303)によって明るさまたは色の変化に解釈される。光ハウジングに取り付けられるよう設計されたアクセサリ(304)は、ユーザによって決定された使用期間中、摩擦嵌め、機械的留め具、および/または、その他の確実な取り付け方法で固定される。アクセサリは、装飾的なアクセサリであり、単に、光をフィルタリング、拡散、または、方向付けるものであってもよいし、光の特徴(例えば、明るさ、色、方向、拡散など)をさらに修正する独自のメカニズムを備えてもよい。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置およびフィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。
【0029】
図4は、いくつかの実施形態に従って、生体信号データを様々な形態の観察可能なフィードバックに解釈する様々なアクセサリと通信するために物理的な電気接続(403)を利用するシステムを示す。ユーザ(401)が、頭部またはその他の身体部位からECG、EEG、EMG、および/または、EOGデータを収集するバイオセンサ装置(402)を装着している。生体信号データは、デジタル情報に解釈され、その後、適切なアクセサリによって解釈されうる。物理的な電気接続に取り付けられるよう設計されたアクセサリは、ユーザによって決定された使用期間中、摩擦嵌め、機械的留め具、および/または、その他の確実な取り付け方法で固定される。アクセサリは、バイオセンサ装置と電気接続し、受信した生体信号データをアクセサリのデザインによって決まるフィードバック応答に解釈する。404で示すように、生体信号データを音声または音楽に解釈するハードウェアを備えるアクセサリが図示されている。405で示すように、生体信号データを光に解釈するハードウェアを備えるアクセサリが図示されている。406で示すように、生体信号データを動きの効果に解釈するハードウェアを備えるアクセサリが図示されている。407で示すように、生体信号データを、LCD、電子ペーパー、または、同様のスクリーン技術によってデータの象徴的な表現に解釈するハードウェアを備えるアクセサリが図示されている。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置およびフィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。
【0030】
図5は、いくつかの実施形態に従って、バイオセンサ(505)を含むアクセサリに物理的取り付けポイント(504)を提供するシステムを示す。ユーザ(501)が、頭部またはその他の身体の部位からECG、EEG、EMG、および/または、EOGデータを収集するバイオセンサ装置(505)を装着している。生体信号データは、光、音声、および/または、動きなどの観察可能なフィードバック(503)に解釈される。例えば、バイオセンサアタッチメントは、ユーザの生体信号またはその他の対象(502)を検出するために用いることができる。フィードバックメカニズム(503)は、バイオセンサ(505)が検出した生体信号データを解釈する。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置およびフィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。
【0031】
いくつかの実施形態において、例えば、異なる生体信号(例えば、EMG、EOG、EEG、ECG、および/または、GSR)を検出できる複数のセンサ、または、異なる方法でそれらの生体信号を検出できる複数のセンサに、複数の取り付けポイントが提供されてもよい。例えば、これらのセンサはすべて、1または複数のユーザの生体信号を検出できる。また、複数のフィードバックメカニズムが存在してもよく、それらは、フィードバックメカニズムの電子アルゴリズムまたは物理的設計によって決定されたように、各センサからのデータまたは複数のセンサからのデータの組み合わせを見せる。1または複数のユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。
【0032】
図6は、いくつかの実施形態に従って、フィードバックメカニズム(604)を利用すると共に生体信号装置およびセンサから物理的に離れたシステムを示す。ユーザ(601)が、頭部またはその他の身体部位からECG、EEG、EMG、および/または、EOGデータを収集するバイオセンサ装置(602)を装着している。生体信号データは、無線伝送(603)を通して、フィードバックメカニズム604に直接通信されるか、または、インターネットなどの仲介ソースを介してフィードバックメカニズムに通信される。図に示すように、ここに示したフィードバックメカニズム(604)は、加熱素子を備える。熱強度が、ユーザの生体信号データによって制御される。加熱素子ハウジングに取り付けられるよう設計され、熱に敏感な香りを含むアクセサリ(606)は、ユーザによって決定された使用期間中、熱を伝達する摩擦嵌め、機械的留め具、および/または、その他の確実な取り付け方法(605)で固定される。アクセサリは、ユーザの生体信号データによって駆動された熱に反応し、フィードバックメカニズムによって放出される香りとしてデータを解釈する。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置は、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。
【0033】
いくつかの実施形態において、光、音声、動き、および/または、その他の観察可能なフィードバックに生体信号情報を解釈する様々なフィードバックメカニズムが提供される。生体信号フィードバックは、モジュール式アクセサリによって修飾され、アクセサリは、最小の努力または技能でユーザによって容易に着脱される。
【0034】
図7は、いくつかの実施形態に従って、EMGまたはビデオセンサ(703)でユーザの顔の表情(701)を検出する、ならびに/もしくは、EMGまたは加速度計(702)(705)で身体運動を検出するシステムを示す。図に示すように、ユーザにより取り外し可能なアクセサリ(704)は、フィードバックメカニズムに取り付けられ、フィードバックメカニズムは、動き、光、振動、および/または、その他の観察可能なフィードバックの形態で、ユーザの表情および身体運動に反応する。異なる顔の表情および/または身体運動が、アクセサリ位置(704)と(706)との対比で図示された異なる反応を引き起こす。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置およびフィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部および手首に図示されているが、これらの位置に限定されない。
【0035】
図8は、いくつかの実施形態に従って、音声認識を用いて、ユーザ着脱可能なアクセサリ(803)のフィードバック挙動を修飾するシステムを示す。ユーザ(801)が、音声マイク(802)を備えた音声認識装置を装着している。803で示すように、音声データを、LCD、電子ペーパー、および/または、同様のスクリーン技術によってユーザの会話のアクセントに応じた象徴的な表現に解釈するハードウェアを備えるアクセサリが図示されている。例えば、日本語のアクセントの検出が、日本国旗(803)の表示を引き起こし、米国アクセントの検出が、米国旗(804)の表示を引き起こしうる。
【0036】
いくつかの実施形態において、音声データを、物理的な動き、光、振動、および/または、その他の観察可能なフィードバックとして表示する様々な他のフィードバックメカニズムを提供することが可能である。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。バイオセンサ装置およびフィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。
【0037】
図9は、いくつかの実施形態に従って、バイオセンサ装置なしに生体信号情報の表示を模倣するフィードバックメカニズムを備えたシステムを示す。ユーザ(101)は、生体信号データを収集しないが、機能しないバイオセンサの装飾的な模倣物を特徴としうる装置(102)を装着している。生体信号データは、メカニズム(103)によって観察可能なフィードバックに処理されない。フィードバックメカニズムは、予めプログラムされた挙動パターンまたはランダムな順番の挙動に基づいて、動き、光、音声、および/または、その他のフィードバックを表示する。いくつかの実施形態において、フィードバックは、カメラ、加速度計、IRセンサ、音声マイク、別のデバイスとの通信(例えば、無線または有線)、もしくは、GPSユニットなど、生体信号以外のソースによってトリガされうる。メカニズムに取り付けまたは相互作用するよう設計されたアクセサリ(104)が、機能的または美的に観察可能なフィードバックの提示に影響を与える。異なる機能、効果、または、スタイルを備えた様々なアクセサリ(105)が、同じ取り付け方式に適用されてよい。ユーザは、最小の努力または技能でアクセサリを着脱できる。フィードバックメカニズムは、概念を明確に示すために人間の頭部に図示されているが、この位置に限定されない。
【0038】
上述の実施形態は、理解しやすいようにいくぶん詳しく説明されているが、本発明は、提供された詳細事項に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法が存在する。開示された実施形態は、例示であり、限定を意図するものではない。

本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。

適用例1:
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリのためのシステムであって、
生体信号を検出するためのバイオセンサと、
プロセッサであって、
前記バイオセンサを用いて検出された生体信号を受信し、
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリに制御信号を送信するよう構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を供給するよう構成されたメモリと、を備える、システム。

適用例2:
適用例1のシステムであって、さらに、
サーボモータを含むモータハウジングを備える、システム。

適用例3:
適用例1のシステムであって、さらに、
サーボモータを含むモータハウジングを備え、前記サーボモータは、処理された生体信号を解釈するために前記制御信号を受信する、システム。

適用例4:
適用例1のシステムであって、さらに、
サーボモータを含むモータハウジングを備え、前記サーボモータは、処理された生体信号を解釈するために前記制御信号を受信し、0度から110度までの円弧状に1つの軸を中心に回転する、システム。

適用例5:
適用例1のシステムであって、さらに、
サーボモータを含むモータハウジングを備え、前記サーボモータは、処理された生体信号を解釈するために前記制御信号を受信し、ユーザの決定された心理状態に対応する動きで反応する、システム。

適用例6:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、ヘッドセットに接続されている、システム。

適用例7:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、ヘッドセットに接続され、前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリは、前記ヘッドセットに取り付け可能である、システム。

適用例8:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、ヘッドセットに接続され、前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリは、前記ヘッドセットに取り付け可能であり、動物の耳に似せた形状である、システム。

適用例9:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、脳波(EEG)センサを備える、システム。

適用例10:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、EEGセンサを備え、前記EEGセンサは、ステンレス鋼製のパッシブ乾式バイオセンサを含む、システム。

適用例11:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、EEGセンサを備え、前記EEGセンサは、額上のFP1位置からEEGデータを収集するステンレス鋼製のパッシブ乾式バイオセンサを含む、システム。

適用例12:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、眼電図(EOG)センサを備える、システム。

適用例13:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、心電図(ECG)センサを備える、システム。

適用例14:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、筋電図(EMG)センサを備える、システム。

適用例15:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、電気皮膚反応(GSR)センサを備える、システム。

適用例16:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、音声および/または身体運動を検出するための1または複数のセンサを備える、システム。

適用例17:
適用例1のシステムであって、前記バイオセンサは、体温を検出するための1または複数のセンサを備える、システム。

適用例18:
適用例1のシステムであって、前記生体信号は、EEG信号を含み、前記EEG信号は、ユーザが集中状態にあるかリラックス状態にあるかを判定するために処理される、システム。

適用例19:
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリのための方法であって、
バイオセンサを用いて生体信号を検出する工程と、
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリに制御信号を送信する工程と、
を備え、
前記モジュール式ユーザ交換可能アクセサリは、ヘッドセットに取り付け可能である、方法。

適用例20:
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリのためのシステムであって、
プロセッサであって、
バイオセンサから生体信号を受信し、
生体信号制御されるメカニズム用のモジュール式ユーザ交換可能アクセサリに制御信号を送信するよう構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに接続され、前記プロセッサに命令を供給するよう構成されたメモリと、
を備える、システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図A