(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部抽選処理を含む遊技に係る制御を実行するメイン基板と、前記メイン基板からコマンドを受けて演出に関する処理を実行するサブ基板と、前記演出を行うためのデバイスと、前記サブ基板からのコマンドに基づき前記デバイスを制御するデバイス制御基板とを備える遊技機において、
前記コマンドは、前記デバイス制御基板を制御するためのコマンド本体と当該コマンドの予め定められたカテゴリを示すカテゴリ識別情報とを含むものであり、
前記カテゴリは前記コマンドの機能に対応してグループ分けされたものであり、前記コマンドのうち同種の機能のものは同じカテゴリにまとめられて同じ前記カテゴリ識別情報が付与されており、
前記サブ基板は、
前記コマンド及び前記カテゴリ識別情報を生成するコマンド生成部と、
前記デバイス制御基板へ送信する前記コマンド及び前記カテゴリ識別情報を保存するバッファと、
前記バッファに保存されている前記コマンドの前記カテゴリ識別情報(以下「保存コマンドカテゴリ識別情報」と記す)を取得するコマンド検索部と、
前記コマンド生成部により生成された前記コマンドの前記カテゴリ識別情報(以下「生成コマンドカテゴリ識別情報」と記す)を取得し、前記コマンド検索部により取得された前記保存コマンドカテゴリ識別情報と比較するカテゴリ比較部と、
前記生成コマンドカテゴリ識別情報と同じカテゴリの前記保存コマンドカテゴリ識別情報に係る前記コマンドを所定数前記バッファから削除するコマンド削除部と、
前記コマンド生成部により生成された前記コマンド及び前記カテゴリ識別情報を前記バッファに保存するコマンド登録部とを備え、
前記バッファにおいて、前記コマンドは前記デバイス制御基板への送信順に記憶され、
前記コマンド登録部は、前記コマンド生成部により生成された前記コマンド及び前記カテゴリ識別情報を、送信の順番を乱さないように削除された前記コマンドと同じ位置に保存する、ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の実施の形態1.
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、
図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0016】
図1及び
図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、
図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、
図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0017】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
【0018】
スロットマシン本体120の内部には、
図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
【0019】
前記前扉130の裏面には、
図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0020】
また、メダルセレクタ1の下側には、
図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0021】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
【0022】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0023】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0024】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0025】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(デバイス制御基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。なお、以下の説明では、便宜上、液晶制御基板200とその他の周辺基板を区別して説明を行う。
【0026】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0027】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0028】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0029】
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0030】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0031】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0032】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0033】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0034】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0035】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0036】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0037】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0038】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0039】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0040】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0041】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0042】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0043】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0044】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0045】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0046】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0047】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0048】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0049】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0050】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0051】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0052】
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0053】
次に、遊技機における遊技処理について
図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
【0054】
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、
図4の処理が開始される。
【0055】
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
【0056】
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
【0057】
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
【0058】
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
【0059】
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
【0060】
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
【0061】
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
【0062】
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0063】
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
【0064】
図5は、サブ基板20とその周辺基板(デバイス制御基板)の接続の説明図である。
図3に示すように、サブ基板20には、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202が接続されている。これらは、サブ基板20の周辺基板と言うべきものである。
【0065】
これら複数の周辺基板は、
図5のように接続されている。すなわち、複数の周辺基板が共通のバスに接続され、当該バスを通じてサブ基板20と通信を行う。当該バスを流れる信号は、パラレル信号(例えば8ビットの線で信号を伝送するもの)あるいはシリアル信号(例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)のようにデータ線とクロック線の2本の線で信号を伝送するもの)である。なお、
図5の例ではサブ基板20から出た信号がサブ基板20に戻っているが、これは一例であり、一般的なバス構造のように接続端の反対側の端が開放されていてもよい。
【0066】
サブ基板20から周辺基板へは、アドレスを指定してデータを送る。例えば、周辺基板としての液晶制御基板200へデータを送る場合は、液晶制御基板200に予め対応づけられているアドレスを指定してデータをバスに流す。液晶制御基板200は、アドレスにより自分宛のデータであることを認識すると、アドレスに引き続くデータをラッチに取り込む。取り込んだデータに従って所定の動作を行う。取り込んだデータが、液晶制御基板200で取得したあるいは取得可能なデータをサブ基板20へ送信するコマンドであれば、当該データをサブ基板20へ送信する(所定のデータ受信後は、予め定められたデータを常にサブ基板20へ送信するようにすることもできる)。
【0067】
図6は、サブ基板20のブロック図を示す。同図は、サブ基板20のコマンド送信機能、すなわち、コマンドを生成し、生成したコマンドを送信用のバッファに登録し、バッファ内のコマンドを送信する、という機能についてのブロック図である。
【0068】
20aは、メイン基板10からのコマンドに基づき所定の演出を行うためのコマンドを生成する(具体的にはコマンドをROMから読み出す)コマンド生成部である。
【0069】
コマンド生成部20aで生成するコマンドは、
図5の液晶制御基板200やその他の周辺基板205(デバイス制御基板)を制御するためのコマンド本体(従来のコマンドそのものに相当)と当該コマンドのカテゴリを示すカテゴリ識別情報とを含むものである。その一例を
図7に示す。
【0070】
本発明の実施の形態に係るコマンドは、第1の部分(左半分、前半部分)と第2の部分(右半分、後半部分)にわかれ、これらが一体となってひとつのコマンドを構成している。第1の部分(
図7の0001,0002,0003)がカテゴリ識別情報に相当し、第2の部分(XXXX)がコマンド本体に相当する。第2の部分(XXXX)は液晶制御基板200の表示内容を指定するなどのデバイス制御基板の制御内容を示すものである。
図7では全てXXXXとなっているが、これは任意のコマンドがここに入るという意味であり、実際にはそれぞれ異なるコマンドが入る。後半部分(XXXX)の内容は従来と同じものである。
【0071】
第1の部分はそれぞれカテゴリを示す。カテゴリとは、複数のコマンドそれぞれに対して予め定められている識別情報である。以下の説明では0001,0002,0003という3つのカテゴリ(第1カテゴリ、第2カテゴリ、第3カテゴリ)がコマンドごとに予め指定されているものとする。なお、3種類のカテゴリ数は例示であり、カテゴリは、2種類、4種類、5種類、・・・のように任意の数を設定することができる。
【0072】
特定のコマンドにどのカテゴリを割り当てるかは任意である。その例を挙げる。
【0073】
コマンド生成部20aが生成する画像関係のコマンドにはさまざま種類のものがある。例えば、キャラクタの画像を変更するなど既に生成・表示されている画面の一部を変更するコマンドA、全く別の画面に変更するために画面全体を新たに生成するコマンドB、デフォルトの画面に設定するコマンドCなどがある。画面の一部を変更するコマンドのカテゴリを0001、画面全体を新たに生成するコマンドのカテゴリを0002、デフォルトの画面に設定するコマンドのカテゴリを0003とすれば、コマンドA,B,Cのカテゴリはそれぞれ0001,0002,0003となる。
【0074】
このようにコマンドの機能に着目してコマンドをグループ分けし、それぞれにカテゴリを定めることができる。これにより、後述の処理により同じカテゴリのコマンドを削除しても、演出に与える影響を軽減することができる。すなわち、カテゴリ=0001は画面の一部を変更するにすぎないから、コマンド削除により当該変更の態様が異なるようになったとしても遊技者にそれほど違和感を生じない(例えば、画面上にキャラクタXが表示されるか、キャラクタYが表示されるかの違いであれば許容できると考えられる)。また、カテゴリ=0002についても画面の全部を変更するから、遊技者は画面表示自体に違和感を持つことはない(画面全面変更後の画面Xと画面Yそれぞれが正しい画面である)。この点はカテゴリ=0003についても同様である。
【0075】
なお、同様の機能のコマンドについて融合してひとつのまとまりとし、これにカテゴリを割り当てるようにしてもよい。上記例では、コマンドBのグループとコマンドCのグループをひとつにまとめてカテゴリ=0002とすることができる。コマンドBとコマンドCはいずれも全画面を更新するものであるから、このようなことが可能である。
【0076】
あるいは反対に、機能の細部の違いに着目して、カテゴリを細分化するようにしてもよい。例えば、画面の一部を変更するコマンドAについて、その変更の位置の違い(例えば画面の左側か右側か)や差し込む画像の種類(例えばキャラクタXかキャラクタYか)に応じてカテゴリを0001aと0001bに分けるようにできる。
【0077】
本発明の実施の形態に係る処理を行うに際してカテゴリの数を少なくすれば、バッファに格納するコマンドの数が少なくて済み、バッファのオーバーフローを確実に防止できるとともに、多数のコマンドを送信することによる演出の質の低下をより効果的に防止することができる。反面、カテゴリ数の減少によりきめ細やかな演出が難しくなる。演出の質を重視する場合には、許容される範囲内においてカテゴリ数を増やすことが好ましいと考えられる。
【0078】
20cは、バッファに登録されたコマンドを
図5の液晶制御基板200やその他の周辺基板202へ送信するコマンド送信部20cである。コマンド送信自体は、従来の遊技機の場合と同じなので、その説明は省略する。
【0079】
20bは、コマンド生成部20aで生成されたコマンドを送信用のバッファに登録する送信コマンド設定部である。
【0080】
図8は、発明の実施の形態に係る送信コマンド設定部20bのブロック図を示す。同図の装置は、具体的には、サブ基板20に設けられたCPUがメモリ(ROM)に予め記憶されたプログラムを実行することで実現される。
【0081】
2001は、コマンド生成部20aで生成したコマンドを受けるコマンド受信部である。
【0082】
2002は、液晶制御基板200やその他の周辺基板205など(以下「デバイス制御基板」)へ送信するコマンドを一時的に保存するバッファである。
【0083】
2003は、バッファ2002にコマンドがひとつでも保存されているときに、当該保存されているコマンドのカテゴリ識別情報(以下「保存コマンドカテゴリ識別情報」)を取得するコマンド検索部である。
【0084】
2004は、コマンド受信部2001で受けたコマンドのカテゴリ識別情報(以下「生成コマンドカテゴリ識別情報」)を取得し、コマンド検索部2003により取得された保存コマンドカテゴリ識別情報と比較するカテゴリ比較部である。
【0085】
2005は、コマンド検索部2004の比較の結果を受けて、生成コマンドカテゴリ識別情報と同じカテゴリ識別情報に係るコマンドをバッファ2002から削除するコマンド削除部である。
【0086】
2006は、コマンド受信部2001で受けたコマンドをバッファ2002に保存するコマンド登録部である。
【0087】
図10は、送信コマンド設定部20bの動作説明図であって、バッファ2002の内容を示すものである。同図は、バッファにコマンド(ア)乃至(ウ)が順番にスタックされている状態を示している。上から順番にコマンドは送信される(すなわち、(ア)(イ)(ウ)の順番で送信される)。同図は、全カテゴリ数が3であり、3個のコマンドが送信されずにバッファ2002に存在している状態を示す。(ア)が最も以前にバッファ2002にスタックされたコマンドであって最初に(次回の送信機会において)送信されるコマンドである。スタックされた順番は、例えば(ア)(イ)(ウ)である(なお、スタックの順番はこれに限定されない)。
【0088】
図11及び
図13は、バッファ2002のコマンド削除の説明図である。
図11及び
図13は
図10とほぼ同じであるが、コマンド本体のXXXXを便宜上AAAAとしている。このようにしたのは追加されるコマンドのBBBBと区別するためにすぎない。(エ)が新しく生成され、バッファ2002にコマンド0x0002BBBBが追加されることを示している。発明の実施の形態に係る処理を行ううえで、XXXX、AAAA、BBBBの間に実質的な違いはない。
【0089】
図12及び
図14は、コマンド削除後のバッファ2002の内容の一例を示す。
【0090】
図9は、発明の実施の形態に係る送信コマンド設定部20bの処理フローチャートである。
【0091】
次に、
図9のフローチャートに従って動作について説明する。
【0092】
S10:送信するコマンドを受ける。
コマンド生成部20aからコマンドを受ける。
【0093】
S11:バッファ2002に未送信コマンドがあるかどうか調べる。
コマンド検索部2003がバッファ2002を検索してコマンドを探す。バッファ2002内のコマンドは未送信コマンドである。
図10の例では(ア)乃至(ウ)の3つの未送信コマンドが存在する。
【0094】
未送信コマンドがあれば(YES)、S12以降の処理を行う。無ければ(NO)、S16の処理を行う。
【0095】
S12:バッファ2002の未送信コマンドのカテゴリを確認する。
コマンド検索部2003がバッファ2002を検索して各コマンドのカテゴリを取得する。
図10の例では、(ア)乃至(ウ)について、それぞれのカテゴリは0001,0002,0003である。
【0096】
S13:未送信コマンドのカテゴリを受信したコマンドのカテゴリと比較する。
カテゴリ比較部2004が、S10で受信したコマンドのカテゴリを、S12で取得したカテゴリと比較する。
図11及び
図13の例では、(イ)のカテゴリは0002であるから、新しく生成されたコマンドである(エ)に一致する。
【0097】
S14:カテゴリ比較部2004が、未送信コマンドのうちで、新しく生成され受信したコマンドのカテゴリと同じものがあるかどうか判断する。
【0098】
図11及び
図13の例では、(イ)が該当し(YES)、S15に進む。
【0099】
S15:コマンド削除部2005が、新しく生成され受信したコマンドのカテゴリと同じカテゴリのコマンドを削除する。
図11及び
図13の例では、(イ)を削除する。なお、(イ)に相当するコマンドが複数あるときは全て削除する。
【0100】
あるいは、所定数のXをパラメータとして、合計X個のコマンドを削除するようにしてもよい。例えばX=4であれば、先頭から4個までのコマンド(今回受信したコマンドを含まず、コマンド数が4個未満であれば全て)を削除する、あるいは、最後から数えて4個までのコマンド(今回受信したコマンドを含まず、4個未満しかない場合には全て)を削除する、あるいは、先頭から2個のコマンド及び、最後から数えて2個のコマンド(今回受信したコマンドを含まず、合計で4個未満しかない場合には全て)を削除する。
【0101】
S16:受信したコマンドを送信するコマンドとしてバッファ2002に登録する。
このときの登録のやり方には2通りある。
【0102】
(1)バッファ2002の最後に追加する。バッファ2002として先入れ先だしメモリ(FIFO)を使用することが多いが、この場合最後に追加するのは通常のやり方である。この場合、追加されたコマンドの送信の順番は最後になる。
図11はこの(1)の例を示す。すると、
図12に示すように(ア)(ウ)(エ)の順番でコマンドが並ぶ。カテゴリの順番は0001,0003,0002であって、コマンド削除前とは変化する。カテゴリの定め方は任意であるが、例えば前述のように同種の機能のものが同じカテゴリにまとめられることが多いと考えられる。この点を考慮すると、(1)のやり方は簡単であるという長所があるものの、機能の果たされる順番が乱れる場合がある。例えば、カテゴリ=0001が画像の部分的な変更であり、0002が全画面の書き換えであり、0003がデフォルト画面の表示である場合、
図9の処理前は、画像の部分変更、全画面の書き換え、デフォルト画面の表示であったのに、この(1)のやり方によれば、その処理後は画像の部分変更、デフォルト画面の表示、全画面の書き換えというように順番が入れ替わってしまう。この結果、
図9の処理の前後で演出の効果が異なるようになるおそれがある。しかし、演出の具体的内容によっては問題とならないこともあるので、この(1)のやり方を採用すべきかどうかはケースバイケースである(この点についてはさらに後述する)。
【0103】
(2)削除したコマンドの位置に新しく生成されたコマンドを書き込む。言い換えれば、同じカテゴリのコマンドに新しく生成されたコマンドを上書きする(置き換える)。このようにすれば上記(1)の不具合は生じない。演出の効果を維持するという意味では、この(2)のやり方でコマンド追加を行うことが好ましいことがあると考えられる。
図13はこの(2)の例を示す。すると、
図14に示すように(ア)(エ)(ウ)の順番でコマンドが並び、カテゴリの順番は0001,0002,0003であって、コマンド削除前と変わらない。しかし、この(2)のやり方を採用すべきかどうかはケースバイケースである(この点については次の例2で述べる)。
【0104】
上記(1)と(2)のメリットとデメリットについて、具体例に基づきさらに説明を加える。
【0105】
(例1)現在の画面が昼間の背景であり、このときにコマンド1(昼の背景の画面を鳩が横切る。種別はコマンドA、カテゴリは0001)、コマンド2(夜の背景になる。種別はコマンドB、カテゴリは0002)、という順番でコマンドが登録されており、コマンド1、2の順番でコマンドが送出されることにより、昼間に鳩が飛んだ後に夜になるという順番で表現される場合を考える。このときに新たにコマンド3(フクロウが飛んできて木の上に止まる。種別はコマンド1と同じコマンドA、カテゴリは0001)が登録されることによってコマンド1が削除対象とされる場合には、上記(1)のやり方が、削除前と後いずれでも時系列上不自然となることが無く(上記(1)によれば夜行性のフクロウは夜になってから飛び、夜になる前に飛ぶことがなく違和感が生じない)、好適となる。
【0106】
演出のストーリーが自然な流れであり、そのバリエーションが若干変化するに過ぎないような場合は上記(1)のやり方をするのが好適となる。ただし、夜行性のフクロウが昼間飛ぶというような違和感のある演出表現がされたときにはボーナスやARTの期待度が高まるような、違和感を効果的に利用する使い方をする場合には、コマンド1(鳩が画面を横切る。種別はコマンドA、カテゴリは0001)の位置に新たなコマンド3(フクロウが飛んできて木の上に止まる。種別はコマンド1と同じコマンドA、カテゴリは0001)を上書きするという上記(2)のやり方をするのが好適となる。
【0107】
(例2)現在の画面が昼間の背景である場合において、コマンド1(黒い服のキャラクタXが画面を横切る。キャラクタXは、コマンドによって黒い服(コマンド1)か黄色い服(コマンド3)のいずれかであるが、コマンド1では黒い服とする。種別はコマンドA、カテゴリは0001)、コマンド2(夜の背景になる。種別はコマンドB、カテゴリは0002)、という順番でコマンドが登録されており、コマンド1,2の順番でコマンドが送出されることにより、昼間に黒い服のキャラクタXが横切った後に夜になるという順番で表現され、昼間にキャラクタXが画面を横切ることによって、ボーナスやAT等に当選していることの期待度が高いことを示すような場合(服の色はほぼ無関係とする)を考える。このときに新たにコマンド3(黄色い服のキャラクタXが画面を横切るコマンド。種別はコマンド1と同じコマンドA、カテゴリは0001)が登録されることによってコマンド1が削除対象とされる場合には、上記(2)のやり方が、削除前と後でほぼ同じ意味の演出表現をすることができ、不自然となることが無く、好適となる。
【0108】
逆に、基本的に昼間には画面全体が明るいために、黒い服のキャラクタXを通過させるのに対し、夜は画面全体が暗いことによって黄色い服のキャラクタXを通過させることを意図している場合には、上記(1)のやり方が好適となる。
【0109】
ただし、画面表示のパターンを増やしたい場合(キャラクタXが昼間に通っても夜に通ってもボーナスやAT等の当選の期待度の報知等に使用せず、黄色の服のキャラクタXが昼間に通ったり、黒い服のキャラクタXが夜間に通ったりすることについて問題が無いとするような場合)には、上記(1)のやり方が好適となる。
【0110】
以上の処理により、バッファに同一のカテゴリのコマンドが2つ以上登録されることがなくなり、バッファの容量を超えることがない。蓄積されるコマンドの最大数はカテゴリの数であり、この数だけのメモリ容量を用意すれば足りる。バッファオーバーフローは生じないから、その処理を行う必要がなくなる。また、必要性の高いコマンドを早く送信することができ、演出の質が向上する。
【0111】
発明の実施の形態によれば、画面のちらつきなどを抑止し、演出の質の低下を防止するとともに、バッファのオーバーフローを避けることができる。
【0112】
なお、参考までに、コマンドを削除しない場合について説明する。
スロットマシンの回胴の停止操作などのタイミング(速度)は、人それぞれ異なるため、操作が早い場合などは、コマンドが多数待機することがある。このような場合、非常に短い間隔でコマンドが送信されることがあり、この結果、受けたデバイス制御基板においてコマンドが短時間で実行され、演出が頻繁に切り替わることがある。このような演出に遊技者の目がついていけず、目で追えないような状況になる。見た目にもちらついたような印象を与えることになる。
【0113】
また、バッファのオーバーフローが生じ得るし、これが生じないようにメモリ容量を大きくするとコストが増加するというデメリットが生じる。
【0114】
これに対し、発明の実施の形態によれば、上記のような不都合な状況は生じない。
【0115】
以上の説明は、便宜上、液晶表示装置を例に取るものであったが、これ以外のデバイスに対するコマンドについても適用可能である。例えば、アーチランプ130について、左側(上下左右前後は遊技者が正対したときの方向を言うこととする)のランプと中央(上部)のランプと右側のランプの3つのエリアがそれぞれ別のコマンドで動作する場合において、左側のランプのカテゴリに属するコマンド、中央のランプのカテゴリに属するコマンド、右側のランプのカテゴリに属するコマンド、というよう区分することができ、これに本発明の実施の形態を適用することができる。また、スピーカについても、その配置に応じて左上、右上、左下、右下の4つのカテゴリに分け、これに本発明の実施の形態を適用することができる。
【0116】
以上の説明において、遊技機としてもっぱらスロットマシンを例にとったが、本発明の実施の形態はこれに限定されず、パチンコ機などの他の遊技機にも適用することができる。
【0117】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。