(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る空調機システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
図1に示すように、本発明に係る空調機システム10は、ネットワークに接続された複数の端末機器(室内機、室外機)と、中継器と、これらを制御管理する最上位のホストコンピュータHOST(管理装置)とを有している。各端末機器、中継器およびホストコンピュータHOSTにはネットワーク上のアドレスが付与してあり、
図1の左上側のエリアを例にとると、ホストコンピュータHOSTには♯0000が、室外機には♯3000が、中継器には♯2000がアドレスとして付与してある。また、ネットワークはセグメント単位で区分けされ、ホストコンピュータHOSTから数えて幾つ目の機器であるかを把握できるようにしてある。なお、本実施例では端末機器が室内機または室外機で構成される場合を例にとり説明するが、端末機器がこれら以外の機器を含む構成であっても構わない。
【0017】
ホストコンピュータHOSTは、端末機器および中継器のネットワークにおける接続関係を示す応答データを返信させることを要求する要求データを同報通信で中継器および端末機器に送信する一方、受信した応答データに基づいてネットワークトポロジ解析を実行する機能を有している。
【0018】
ここで、要求データは、
図1の左下部分に例示されているように、トポロジ解析コマンドと応答条件とを含んでおり、コマンドと応答条件の内容は予め指定可能となっている。なお
図1の例では、トポロジ解析コマンドの内容として、後述する中継器段数の値を99に指定し、応答条件の内容として基準応答時間(各接続機器または中継器が要求データを受信してから応答データを送信するまでの時間)を10秒に指定したものが例示されている。
【0019】
この要求データは、中継器通過段数と最終通過中継器アドレスとをさらに含んでいる。ここで、中継器通過段数とは、中継器または端末機器によって受信されるまでに通過した中継器の数を示している。また、最終通過中継器アドレスとは、最後に通過した中継器のネットワークにおけるアドレスを示している。中継器通過段数と最終通過中継器アドレスは中継器を未通過の状態では、データが無い空白の状態となっている(
図1の左下部分を参照)。
【0020】
中継器は、要求データを中継する度に、受信した要求データ内の中継器通過段数および最終通過中継器アドレスを更新し、更新した要求データを送信する一方で、応答データをホストコンピュータHOSTに返信する。例えば、
図1の中央下部分に示されるように、要求データにおける中継器通過段数および最終通過中継器アドレスは、中継器を通過するごとに更新されていく。
【0021】
端末機器(室内機、室外機)は、要求データを受信した際に、ネットワークにおける自己のアドレスを示す自機アドレスと、受信した要求データ内の中継器通過段数および最終通過中継器アドレスとを応答データに格納し、格納した応答データをホストコンピュータHOSTに返信するものである。
【0022】
ここで、例えば
図1の室内機♯1111からの応答データは、トポロジ解析レスポンスと、自機アドレス(♯1111)と、機器種別(室内機)と、中継器通過段数(3)と、最終通過中継器アドレス(♯1110)とを含んでいる。
【0023】
次に、要求データおよび応答データのフォーマット例について
図2〜
図4を参照しながら説明する。
【0024】
要求データは、
図2に示すように、トポロジ解析コマンドのデータ(ヘッダ)と、対象指定のデータと、応答条件のデータと、位置情報のデータとからなり、これらのデータは所望のデータを指定可能である。
【0025】
対象指定のデータは、例えば
図4に示すテーブルの内容のもので構成される。例えば対象指定のデータとして1番を指定すると、
図4のテーブルの対象指定1の列のうち1行目に対応する「中継器段数指定」が探索方法として選択される。この場合、操作者が要求データを作成する際に指定すべきパラメータは、対象指定2の列にある「中継器段数指示数」となる。また、例えば2番を指定すると、対象指定1の列のうち2行目に対応する「中継器指定」が探索方法として選択され、指定すべきパラメータは「中継器指定アドレス」となる。同様に、3番を指定すると「中継器相対段数指定」が探索方法として選択され、この場合、段数をカウントする起点(探索の起点)となる中継器(基準中継器)のアドレスを示す「基準中継器アドレス」と「中継器相対通過指示数」とを指定する必要がある。また、4番を指定すると探索方法として「個体指定」が選択され、この場合「機器アドレス」を指定する必要がある。
【0026】
要求データにおける応答条件のデータとしては、例えば基準応答時間がある。また、位置情報のデータとしては、中継器通過段数、最終通過中継器アドレス、中継器相対通過段数がある。ここで、中継器相対通過段数については上記の対象指定のデータで3番(
図4を参照)を選択した場合にのみ有効となるパラメータである。なお、この中継器相対通過段数は、基準中継器を未通過の場合には空白であり、基準中継器の場合には0、基準中継器から下位層の場合には基準中継器をゼロとして数えた中継器通過段数となる。
【0027】
応答データは、
図3に示すように、トポロジ解析レスポンスのデータ(ヘッダ)と、応答情報のデータと、応答位置情報のデータとからなる。トポロジ解析レスポンスのデータは要求データのヘッダである。応答情報データは、自機アドレスと機種種別(例えば、1:室内機、2:室外機、3:中継器)とを含んで構成される。応答位置情報のデータは、要求データ内の位置情報のデータに含まれる中継器通過段数および最終通過中継器アドレスを含んで構成される。
【0028】
次に、空調機システムの各構成機器の機能概要について
図5〜
図7を参照しながら説明する。
【0029】
図5に示すように、ホストコンピュータHOSTは、キーボードからなる入力部12、制御部14、記憶部16、通信部18、表示部20とを含んで構成される。入力部12は要求データを構成するトポロジ解析コマンドの条件や数値を入力するためのものであり、サービスマンにより入力操作される。
【0030】
制御部14はCPUを有しており、入力操作に対応する要求データを作成する一方で、要求データおよび応答データを通信部18を介して送受信可能であり、受信した応答データに基づいてネットワークトポロジ解析を実行する機能を有している。記憶部16は、受信した応答データやトポロジ解析テーブルを格納するためのものであり、ハードディスクやメモリから構成される。制御部14は応答データが揃った時点で記憶部16に格納された応答データに基づいてネットワークトポロジ解析を実行し、その結果であるトポロジ解析テーブルを表示部20に表示するとともに、記憶部16に格納する。
【0031】
なお、
図5で説明したホストコンピュータHOSTによるネットワークトポロジ解析を実行する機能は、例えば空調機システムの導入や運用時にサービスマンが使うサービスツール(アプリケーションプログラム)を備えたパーソナルコンピュータにより構成することができる。
【0032】
図6に示すように、中継器Rは、制御部22と記憶部24と二つの送受信部26A、26Bとを有し、一方の送受信部26A(または26B)で受信したデータを他方の送受信部26B(または26A)から送信することでデータを中継するものである。中継器Rを通過する受信データはトポロジ解析コマンドのデータか否か(例えば通常の空調制御データ)に係らず一時的に記憶部24のバッファ(ラインAバッファまたはラインBバッファ)に格納され、送信先の通信ライン(通信ラインAまたは通信ラインB)に他の機器からのデータがない時(空き時間)に送信される。
【0033】
一方、中継器Rを通過するデータがトポロジ解析コマンドのデータ(要求データ)の場合には、中継器Rは以下の2つの動作を実行する。
【0034】
1)中継器Rの記憶部24に予め格納してある自機アドレスおよび自機の機器種別(すなわち中継器)を、トポロジ解析コマンドに対応する応答データとしてホストコンピュータHOSTに返信する。より具体的には、中継器Rの制御部22は、例えば送受信部26Aから受信した中継データを記憶部24内のラインAバッファに一時的に格納する(
図6の破線経路を参照)。そして、このバッファから読み出した中継データが要求データである場合には、制御部22は、記憶部24に格納してある自機アドレスおよび機器種別を、予め準備してある応答データフォーマット内に書き込むことで応答データを作成し、この応答データを送受信部26Aから通信ラインAを経由してホストコンピュータHOSTに返信する。
【0035】
2)中継するトポロジ解析コマンドの中継器通過段数の更新と最終通過中継器アドレス(自機アドレス)の書き込みを行う。より具体的には、中継器Rの制御部22は、例えば送受信部26Aから受信した中継データを記憶部24内のラインAバッファに一時的に格納する(
図6の破線経路を参照)。そして、このバッファから読み出した中継データが要求データである場合には、制御部22は、この要求データの位置情報エリア内の中継器通過段数をインクリメントするとともに、最終通過中継器アドレスを自機アドレスに更新し、更新した要求データを送受信部26Bから送信する(
図6の破線経路を参照)。
【0036】
図7に示すように、端末機器NODE(室内機、室外機)は、制御部28と記憶部30と送受信部32とを有し、送受信部32を介して定期的に端末機器NODEの状態を示すデータを上位層へ送信している。また、送受信部32がトポロジ解析コマンド以外のデータ(例えば通常の空調制御データ)を受信した場合には、端末機器NODEの制御部28はデータに指示された制御を実行するようになっている。
【0037】
一方、端末機器NODEの送受信部32がトポロジ解析コマンドのデータ(要求データ)を受信した場合には、制御部28は、受信した要求データ内に含まれる中継器通過段数および最終通過中継器アドレスを記憶部30に格納する一方で、この要求データに基づいて応答データを作成して送受信部32から送信する。ここで、応答データは、記憶部30に予め格納してある自機アドレスおよび自機の機器種別(すなわち室内機または室外機)と、受信した要求データ内の中継器通過段数および最終通過中継器アドレスとを含んで構成される。
【0038】
ここで、本発明では、従来のネットワークトポロジ解析の際に使用されている全機器を一斉に探索する機能に加えて、操作者が探索したい範囲だけを部分的に探索する機能を具備することができる。この機能の種類としては、中継器段数指定と、中継器指定と、中継器相対段数指定と、個体指定の4種類がある。それぞれの特徴について以下に詳述する。
【0039】
(中継器段数指定)
中継器段数指定は、ホストコンピュータHOSTから操作者が指定した階層段数までの機器を探索範囲とするものである。この場合、要求データは、ホストコンピュータHOSTから下位層において通過できる中継器の上限数として指定される中継器段数(中継器段数指示数)を要求データ内にさらに含むように構成される。中継器は、ホストコンピュータHOSTから下位層に対して要求データを中継する。なお、中継器段数として極端に大きな数値を指定すれば、従来の全機器一斉探索機能と同様な機能となる。ここで、中継器が中継するか否かを判断して段数指定が行われる。具体的には、中継器は入力された要求データ内の中継器段数と中継器通過段数を比較し、中継器段数>中継器通過段数の場合は応答データを上位層に返信し、中継を行う。それ以外の場合は中継器は要求データの中継のみを行う。一方、要求データを受信した端末機器は中継器段数>中継器通過段数の場合かを判断し、前記式が成立した場合は基準応答時間内に応答データを返信し、成立しない場合は要求データを無視し何もしない。この中継器段数指定の機能によれば、最上位層から指定段数の下位層を探索できるためシステム全体の形態を把握しやすくなる。ネットワークがバス型で接続されている場合は効率的な応答データの収集が可能である。
【0040】
(中継器指定)
中継器指定は、指定された中継器の1段下層のセグメントに接続された機器を探索するものである。つまり、指定した中継器に直接接続している機器のみを探索する。この場合、要求データは、指定した中継器のアドレスを要求データ内にさらに含むように構成される。ホストコンピュータHOSTは、指定したアドレスの中継器に要求データを送信する。指定されたアドレスの中継器は要求データを中継する。この場合、中継器および各端末機器は、要求データ内の最終通過中継器アドレスが指定した中継器のアドレスに一致するときだけ応答データを返信し、それ以外の場合は要求データの中継のみを行う。一方、要求データを受信した端末機器は指定した中継器のアドレスと最終通過中継器アドレスが一致したときには基準応答時間内に応答データを返信し、一致しない場合は要求データを無視し何もしない。この中継器指定の機能によれば、バス型、ツリー型などさまざまなネットワーク構成でも柔軟に応答データの収集が可能である。また、局所的な装置の設置、または、機器の交換、追加など、工事により影響が及ぶ範囲が予め判明している場合には、この判明している限られた範囲(例えば工事対象セグメント内)のみを探索するように中継器を指定すれば、探索時間が短時間で済む。
【0041】
(中継器相対段数指定)
中継器相対段数指定は、指定された中継器から指定段数分だけ下位層に接続された機器を探索するものである。つまり、ある中継器から段数Nまでを探索範囲に設定するというような指定をし、その範囲にある機器を探索する。この場合、要求データは、指定した中継器のアドレス(基準中継器アドレス)と、このアドレスの中継器(基準中継器)から下位層において通過できる中継器の上限数として指定される中継器相対段数(中継器相対通過指示数)と、基準中継器から下位層の中継器または端末機器によって受信されるまでに通過した中継器の相対的な数を示す中継器相対通過段数とを要求データ内にさらに含むように構成される。ここで中継器相対通過指示数をNとすると、基準中継器アドレスと中継器のアドレスとが一致した中継器を起点としてN段下層までにある中継器機器及び端末機器から応答データの返信が行われる。前記以外の場合は、中継器は要求データの中継のみを行い、端末機器は要求信号を無視し何もしない。中継を行う段数のカウントには中継器相対通過段数が使われる。この中継器相対段数指定の機能によれば、指定された中継器の下位層から指定段数分の下位層を探索できるため、上記の中継器段数指定の機能と組み合わせてネットワーク内の機器を分割して探索できる。また、ネットワーク内の任意の枝よりも先(下位層)を全て探索することが容易であり、ネットワークを分割して探索できるためネットワークトポロジ解析が効率的に行える。
【0042】
(個体指定)
個体指定は、指定されたアドレスをもつ機器(室内機、室外機、中継器)を探索するものである。この場合、要求データは、個体指定アドレスを要求データ内にさらに含むように構成される。ホストコンピュータHOSTから下位層に対して要求データを送信し、下位層の機器はこの要求データ内に含まれる機器のアドレス(個体指定アドレス)と自己のアドレスとを比較し、アドレスが一致した機器のみが応答データを返信する。この個体指定の機能によれば、指定された機器のみを探索するので、ネットワークに含まれる機器数が少ない場合には効率がよい。
【0043】
次に、本発明に係る空調機システムの通信処理手順について
図8を参照しながら説明する。
【0044】
図8に示すように、まず、操作者によるネットワークトポロジ解析指示が入力されるとHOST♯0000からトポロジ解析コマンド(要求データ)が次のセグメントに対して送信される。この場合、要求データ内の位置情報に含まれる中継器通過段数および最終通過中継器アドレスは空白のまま送信される。
【0045】
次のセグメントの中継器♯1000は、要求データ内の位置情報に含まれる中継器通過段数をインクリメントするとともに自機アドレスを最終通過中継器アドレスに書き込むことで要求データを更新し、この更新した要求データを次のセグメントに対して送信する一方で、トポロジ解析レスポンス(応答データ)をHOST♯0000に返信する。この場合の応答データ内の自機アドレスは♯1000となり、機種種別は中継器となる。また、応答データのフォーマット内の応答位置情報の中継器通過段数と最終通過中継器アドレスは共に空白である。
【0046】
ここで
図8の例では、次のセグメントの室内機♯1300および♯1400は中継器♯1000に対して一段下層のセグメントに接続されているものとし、それぞれ中継器♯1000からの要求データを受信し、受信した要求データに基づいてトポロジ解析レスポンス(応答データ)を作成して上層の中継器(♯1000)に向け基準応答時間内に返信を行う。中継器(#1000)はこの応答データをHOST♯0000へ中継する。この応答データは中継器通過段数(1)および最終通過中継器アドレス(♯1000)とそれぞれの自機アドレス(♯1300または♯1400)と機種種別(室内機)とから構成されている。HOST♯0000は、予め定められた情報収集時間内に、所定の応答データを受信する。
【0047】
次に、空調機システムの各構成機器における処理手順について
図9〜
図11を参照しながら説明する。
【0048】
まず、ホストコンピュータHOSTにおける処理手順について説明する。
図9のフローチャートに示すように、まず、キーボードを介して対象指定の内容を指示入力する(ステップS101)。この場合、
図4に例示したような探索方法とパラメータとを指定する。続いて、指定された探索方法に対応した通信フォーマットに、指定されたパラメータを書き込んで要求データを作成し、同報送信を実行する(ステップS102)。
【0049】
ここで、所定の情報収集時間を経過したか否かを判定し(ステップS103)、情報収集時間を経過するまでは各機器からの応答データを受信し、トポロジ解析テーブルに中継器通過段数に対応して記憶する(ステップS104)。一方、情報収集時間を経過した場合には、トポロジ解析テーブルのデータを中継器通過段数ごとに機器種別データに基づいて並び替え、中継器通過段数が1段以上の項目について最終通過中継器アドレスが同じ受信データを集約し(ステップS105)、トポロジ解析テーブルに基づいて解析結果を表示する(ステップS106)。
【0050】
次に、中継器における処理手順について説明する。
図10のフローチャートに示すように、まず、受信データにトポロジ解析コマンドが含まれるか否かを判定し(ステップS201)、トポロジ解析コマンドが含まれない場合にはそのまま受信データを中継する(ステップS217)。一方、トポロジ解析コマンドが含まれる場合には、要求データを受信したと判断できるので、この要求データ内の対象指定の内容が「個体指定」(ステップS202)、「中継器指定」(ステップS203)、「中継器段数指定」(ステップS204)、「中継器相対段数指定」(ステップS205)のいずれであるかについて判定する。
【0051】
この判定の結果、対象指定の内容が「個体指定」の場合には(ステップS202でYes)、個体指定のパラメータである指定アドレス=自機アドレスのときに限り(ステップS206でYes)、応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し(ステップS215)、それ以外の場合には要求データ内の中継器通過段数を+1し最終通過中継器アドレスを更新して(ステップS216)、受信データを中継する(ステップS217)。
【0052】
また、対象指定の内容が「中継器指定」の場合には(ステップS203でYes)、最終通過中継器アドレス=中継器指定アドレスのときに限り(ステップS207でYes)、応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し(ステップS215)、それ以外の場合には要求データ内の中継器通過段数を+1し最終通過中継器アドレスを更新して(ステップS216)、受信データを中継する(ステップS217)。
【0053】
また、対象指定の内容が「中継器段数指定」の場合には(ステップS204でYes)、中継器段数指示数≧中継器通過段数のときに限り(ステップS208でYes)、応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し(ステップS215)、それ以外の場合には要求データ内の中継器通過段数を+1し最終通過中継器アドレスを更新して(ステップS216)、受信データを中継する(ステップS217)。
【0054】
また、対象指定の内容が「中継器相対段数指定」の場合には(ステップS205でYes)、基準中継器アドレス=自機アドレスのときに限り(ステップS209でYes)、中継器相対通過段数を“0”に更新して(ステップS212)、要求データ内の中継器通過段数を+1し最終通過中継器アドレスを自己のアドレスに更新して(ステップS216)、受信データを中継する(ステップS217)。
【0055】
一方、基準中継器アドレス=自機アドレスではない場合には(ステップS209でNo)、中継器相対通過段数=“空白”のときに限り(ステップS210でYes)、要求データ内の中継器通過段数を+1し最終通過中継器アドレスを更新して(ステップS216)、受信データを中継する(ステップS217)。
【0056】
他方、中継器相対通過段数=“空白”ではないときには(ステップS210でNo)、中継器相対通過段数≧中継器相対通過指示数のときに限り(ステップS211でYes)、中継器相対通過段数を+1し更新して(ステップS214)、要求データ内の中継器通過段数を+1し最終通過中継器アドレスを更新して(ステップS216)、受信データを中継する(ステップS217)。
【0057】
一方、中継器相対通過段数≧中継器相対通過指示数ではないときには(ステップS211でNo)、中継器相対通過段数を+1し更新して(ステップS213)、応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し(ステップS215)、要求データ内の中継器通過段数を+1し最終通過中継器アドレスを更新して(ステップS216)、受信データを中継する(ステップS217)。
【0058】
なお、要求データ内の対象指定の内容が「個体指定」(ステップS202)、「中継器指定」(ステップS203)、「中継器段数指定」(ステップS204)、「中継器相対段数指定」(ステップS205)のいずれでもない場合には(ステップS205でNo)、応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し(ステップS215)、要求データ内の中継器通過段数を+1し最終通過中継器アドレスを更新して(ステップS216)、受信データを中継する(ステップS217)。
【0059】
次に、端末機器(室内機、室外機)における処理手順について説明する。
図11のフローチャートに示すように、まず、受信データにトポロジ解析コマンドが含まれるか否かを判定し(ステップS301)、トポロジ解析コマンドが含まれない場合には受信データの指示に従った空調運転を実行する(ステップS307)。一方、トポロジ解析コマンドが含まれる場合には、要求データを受信したと判断できるので、この要求データ内の対象指定の内容が「個体指定」(ステップS302)、「中継器相対段数指定」(ステップS303)、「中継器段数指定」(ステップS304)、「中継器指定」(ステップS305)のいずれであるかについて判定する。
【0060】
この判定の結果、対象指定の内容が「個体指定」の場合には(ステップS302でYes)、個体指定のパラメータである指定アドレス=自機アドレスのときに限り、応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し、それ以外は無視する(ステップS308)。
【0061】
また、対象指定の内容が「中継器相対段数指定」の場合には(ステップS303でYes)、要求データ内の位置情報の中継器相対通過段数≠“空白”、かつ、中継器相対通過指示数≧中継器相対通過段数の場合にのみ応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し、それ以外は無視する(ステップS309)。
【0062】
また、対象指定の内容が「中継器段数指定」の場合には(ステップS304でYes)、中継器段数指示数≧中継器通過段数の場合にのみ応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し、それ以外は無視する(ステップS310)。
【0063】
また、対象指定の内容が「中継器指定」の場合には(ステップS305でYes)、中継器指定アドレス=最終通過中継器アドレスの場合にのみ応答データを要求データ内の基準応答時間の範囲内でランダムにディレーした後に送信し、それ以外は無視する(ステップS306)。
【0064】
次に、本発明により得られるトポロジ解析テーブルについて
図12を参照しながら説明する。
【0065】
上述したように、ホストコンピュータHOSTの制御部14は応答データが揃った時点で記憶部16に格納された応答データに基づいてネットワークトポロジ解析を実行し、その結果であるトポロジ解析テーブルを表示部20に表示するとともに、記憶部16に格納する。ここで、表示されるトポロジ解析テーブルを例示したものが
図12である。なお、
図12中の「通過段数」は中継器通過段数を、「最終通過」は最終通過中継器アドレスをそれぞれ示している。テーブル内の太線で囲まれた部分がセグメントに対応する。
【0066】
次に、応答データに基づいてこのトポロジ解析テーブルを作成する方法について説明する。
【0067】
まず、応答データに含まれる機種種別と自機アドレスと中継器通過段数と最終通過中継器アドレスとの各データを組にして、中継器通過段数に基づいて振り分ける。次に、機器種別データに基づいて各中継器段数ごとに並び替える。最後に、中継器通過段数が1段以上の項目について、最終通過中継器アドレスが同じデータを集約させる。このようにすることで、
図12に示すようなトポロジ解析テーブルが得られる。