(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インダクタを有するとともに、前記インダクタに流れる入力電流を繰り返しオン・オフして前記インダクタのエネルギーの蓄積と放出を繰り返すことによって、入力電力を出力電力に変換するスイッチング電源回路と、
負荷に接続され、前記負荷の電路を開閉する第一スイッチング素子と、
前記負荷及び第一スイッチング素子と並列に接続される出力キャパシタと、
前記インダクタと前記出力キャパシタとの間に設けられ、前記負荷を前記インダクタに導通させるとともに基準電位部を前記インダクタから遮断した第一選択状態と、前記負荷を前記インダクタから遮断するとともに前記基準電位部を前記インダクタに導通させた第二選択状態とに切り換わる選択スイッチと、
前記第一スイッチング素子の開閉を交互に行うとともに、前記インダクタに流れる入力電流の繰り返しのオン・オフによる前記スイッチング電源回路の作動と前記スイッチング電源回路の停止とを交互に行い、前記第一スイッチング素子を閉じる期間に前記スイッチング電源回路を作動させるタイミング制御部と、
前記選択スイッチを前記第一選択状態と前記第二選択状態に交互に切り換える制御部と、を備え、
前記タイミング制御部が前記第一スイッチング素子を閉じる前に、前記制御部が前記選択スイッチを前記第二選択状態にする、
ことを特徴とする駆動装置。
前記タイミング制御部が前記スイッチング電源回路の作動を開始する時に同期して、前記制御部が前記選択スイッチを前記第二選択状態から前記第一選択状態に切り換える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
前記制御部が、前記タイミング制御部によって前記第一スイッチング素子が開かれた時の前記インダクタの電流及び入力電圧を検出し、その入力電圧の検出値と前記インダクタの電流の検出値と前記インダクタのインダクタンスとに基づいて決められた期間だけ前記選択スイッチを前記第二選択状態にする、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の駆動装置。
前記選択スイッチが、前記インダクタと前記基準電位部との間に設けられた第二スイッチング素子と、前記第二スイッチングに接続されたアノード及び前記負荷に接続されたカソードを有する整流素子と、を有し、
前記制御部が、前記第二スイッチング素子をオンすることによって前記選択スイッチを前記第二選択状態にし、前記第二スイッチング素子をオフすることによって前記選択スイッチを前記第一選択状態にする、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の駆動装置。
前記選択スイッチが、前記インダクタと前記基準電位部との間に設けられる第二スイッチング素子と、前記第二スイッチング素子と前記負荷との間に設けられ、前記第二スイッチング素子のオンである場合にオフになり、前記第二スイッチング素子のオフである場合にオンになる第三スイッチング素子と、を有し、
前記制御部が、前記第二スイッチング素子をオンするとともに前記第三スイッチング素子をオフすることによって前記選択スイッチを前記第二選択状態にし、前記第二スイッチング素子をオフするとともに前記第三スイッチング素子をオンすることによって前記選択スイッチを前記第一選択状態にする、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
〔第1の実施の形態〕
図1は発光装置1の回路図である。
図2は発光装置1の各部の信号を表したタイミングチャートである。
【0012】
この発光装置1は間欠的に発光するものである。つまり、この発光装置1は点滅装置である。
【0013】
この発光装置1は発光素子2及び駆動装置(駆動回路)10を備える。
発光素子2は発光ダイオード、有機EL素子、半導体レーザーその他の半導体発光素子である。
駆動装置10は発光素子2を間欠的に駆動する。つまり、駆動装置10は発光素子2を高速点滅させる。発光素子2の点滅周期は、その点滅を肉眼で識別できないほど短い。
図1に示す電圧Vout2が駆動装置10の出力電圧であり、電流Iout2が駆動装置10の出力電流であり、電圧Vout2及び電流Iout2が発光素子2に印加されることによって、発光素子2が駆動される。
【0014】
駆動装置10はタイミング制御部11、制御部12、スイッチング電源回路13、選択スイッチ14、出力キャパシタ15、第一スイッチング素子16及び抵抗器19等を有する。
【0015】
スイッチング電源回路13の出力が抵抗器19を介して選択スイッチ14に接続され、抵抗器19及び選択スイッチ14がスイッチング電源回路13の出力と発光素子2との間に設けられている。発光素子2と第一スイッチング素子16が直列接続され、この発光素子2が第一スイッチング素子16を介してグランド17に接続されている。出力キャパシタ15が、発光素子2と第一スイッチング素子16の直列部に対して並列接続されている。グランド17は基準電位部である。
【0016】
(スイッチング電源回路13及び抵抗器19)
スイッチング電源回路13は入力電力を出力電力に変換する。つまり、スイッチング電源回路13は、直流の入力電圧Vin・入力電流Iinを直流の出力電圧Vout1・出力電流Iout1に変換するDCDCコンバータである。
【0017】
スイッチング電源回路13は定電流電源回路である。つまり、スイッチング電源回路13は、出力電圧Vout1に関わらず出力電流Iout1を一定に保つように出力電流Iout1を制御する。好ましくは、スイッチング電源回路13は、出力電流Iout1を帰還して、それに基づき出力電流Iout1を一定に維持するように制御する。
【0018】
スイッチング電源回路13は、例えば、昇圧型スイッチングレギュレータ、降圧型スイッチングレギュレータ、昇降圧型スイッチングレギュレータ、絶縁型スイッチングレギュレータ、非絶縁型スイッチングレギュレータその他のスイッチングレギュレータである。つまり、スイッチング電源回路13は、チョッパ用スイッチング素子13a及びインダクタ13cを有し、チョッパ用スイッチング素子13aを交互にオン・オフすることによってインダクタ13cに流れる入力電流iを交互にオン・オフ(チョップ)し、これにより入力電圧Vin・入力電流Iinを出力電圧Vout1・出力電流Iout1に変換する。
【0019】
スイッチング電源回路13の好適な具体例としてスイッチング電源回路13が降圧型のスイッチングレギュレータである場合について説明する。スイッチング電源回路13は、チョッパ用スイッチング素子(PWM制御用スイッチング素子)13a及びインダクタ13cに加えて、環流ダイオード(flywheel diode)13b及びスイッチング電源制御部13eを更に有する。
【0020】
チョッパ用スイッチング素子13aはNチャネル型の電界効果トランジスタである。チョッパ用スイッチング素子13aのドレインがスイッチング電源回路13の入力に接続され、そのドレインが入力電圧Vin・入力電流Iinの直流電源に接続されている。チョッパ用スイッチング素子13aのソースが環流ダイオード13bのカソードに接続されている。環流ダイオード13bのアノードがグランド17に接続されている。
【0021】
チョッパ用スイッチング素子13aのソース及び環流ダイオード13bのカソードがインダクタ13cの一端に接続され、インダクタ13cの他端が抵抗器19の一端に接続されている。このインダクタ13cの他端がスイッチング電源回路13の出力である。
【0022】
抵抗器19はスイッチング電源回路13の出力電流Iout1を検出するものである。つまり、出力電流Iout1が抵抗器19の電圧に変換され、出力電流Iout1を表す信号(抵抗器19の電圧)がスイッチング電源制御部13eに入力される。抵抗器19とインダクタ13cが直列接続されているから、抵抗器19によって検出される出力電流Iout1がインダクタ13cの電流に等しい。なお、抵抗器19が後述の整流素子14bのカソード及び出力キャパシタ15と、発光素子2との間に設けられ、電流Iout2を表す信号(抵抗器19の電圧)がスイッチング電源制御部13eに入力されてもよい。この場合、インダクタ13cが整流素子14bのアノード及び後述の第二スイッチング素子14aのドレインに直接接続される。
【0023】
チョッパ用スイッチング素子13aのゲートがORゲート18の出力に接続され、ORゲート18の第一入力がスイッチング電源制御部13eに接続されている。スイッチング電源制御部13eが信号Cを出力する。後述するORゲート18の第二入力(タイミング信号B)がローレベルであれば、その信号CがORゲート18を介してチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに入力される。そのため、チョッパ用スイッチング素子13aはスイッチング電源制御部13eによって出力された信号Cに基づいてオン・オフされ、スイッチング電源回路13の入力からの電流iがチョッパ用スイッチング素子13aによってオン・オフ(チョップ)される。チョッパ用スイッチング素子13aがオン状態であると、電流がスイッチング電源回路13の入力からチョッパ用スイッチング素子13a及びインダクタ13cを経由してスイッチング電源回路13の出力へ流れ、その電流によってインダクタ13cにエネルギーが蓄えられる。その後、チョッパ用スイッチング素子13aがオフ状態になると、インダクタ13cが誘導起電力を発生させて環流ダイオード13bが導通し、グランド17から環流ダイオード13b及びインダクタ13cを経由して出力へ流れる電流が発生し、インダクタ13cに蓄えられたエネルギーが放出される。これにより、入力電圧Vin・入力電流Iinが出力電圧Vout1・出力電流Iout1に変換される。更に、チョッパ用スイッチング素子13aによって電流iがオン・オフされても、インダクタ13cによって出力電流Iout1が平滑化される。
【0024】
スイッチング電源制御部13eはPWM(pulse width modulation)コントローラであり、信号CはPWM信号である。つまり、スイッチング電源制御部13eは、抵抗器19によって検出された出力電流Iout1(抵抗器19の電圧)と所定の目標値(以下、定電流目標値という。)とに基づいてデューティ比を逐次変化させ、そのデューティ比のPWM信号Cを生成して、そのPWM信号CをORゲート18を介してチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに出力する。これにより、スイッチング電源制御部13eは、出力電流Iout1を定電流目標値に近似させて出力電流Iout1を定電流目標値に維持するような定電流制御を行う。
【0025】
(選択スイッチ14)
選択スイッチ14は、インダクタ13cを含むスイッチング電源回路13と出力キャパシタ15の間に設けられる。
選択スイッチ14は、第二スイッチング素子14aがオフとなる第一選択状態と第二スイッチング素子14aがオンとなる第二選択状態に切り換わる。選択スイッチ14が第一選択状態であると、選択スイッチ14が発光素子2及び出力キャパシタ15を選択スイッチ14内の後述の整流素子14bを介してインダクタ13c(スイッチング電源回路13の出力)に導通させるとともに、グランド17をインダクタ13cから遮断する。選択スイッチ14が第二選択状態であると、選択スイッチ14が整流素子14bの整流作用により発光素子2及び出力キャパシタ15をインダクタ13cから遮断するとともに、インダクタ13cをグランド17に導通させる。
【0026】
選択スイッチ14の好適な構成について詳しく説明する。
選択スイッチ14は第二スイッチング素子14a及び整流素子(逆流防止ダイオード)14bを有する。第二スイッチング素子14aはNチャネル型の電界効果トランジスタである。第二スイッチング素子14aのドレインが抵抗器19を介してインダクタ13cに接続され、第二スイッチング素子14aのソースがグランド17に接続され、第二スイッチング素子14aのゲートが制御部12に接続されている。整流素子14bのアノードが第二スイッチング素子14aのドレインに接続されている。整流素子14bのアノードが抵抗器19を介してインダクタ13cに接続されている。整流素子14bのカソードが発光素子2のアノードに接続されている。
【0027】
第二スイッチング素子14aは制御部12のタイミング信号Bによってオン・オフされる。第二スイッチング素子14aがオフであると、選択スイッチ14が第一選択状態であることになる。つまり、第二スイッチング素子14aがオフであると、整流素子14bのアノードがグランド17から遮断されるから、整流素子14bを介して発光素子2側に電流が流れる。一方、第二スイッチング素子14aがオンであると、選択スイッチ14が第二選択状態であることになる。つまり、第二スイッチング素子14aがオンであると、整流素子14bのアノードがグランド17に導通するから、整流素子14bの整流作用によって、出力キャパシタ15、発光素子2側にスイッチング電源回路13の電流が流れない。
【0028】
(出力キャパシタ15及び第一スイッチング素子16)
出力キャパシタ15の一方の電極が整流素子14bのカソード及び発光素子2のアノードに接続され、出力キャパシタ15の他方の電極がグランド17に接続されている。選択スイッチ14によってインダクタ13cが発光素子2のアノードに導通している場合、チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフ切換時における出力キャパシタ15の充電・放電作用によって、スイッチング電源回路13の出力電圧Vout1及び発光素子2の電圧Vout2が平滑化される。
また、上述したように選択スイッチ14が第二選択状態であり、且つ第一スイッチング素子16がオフの時に、整流素子14bの整流作用及び第一スイッチング素子16の遮断作用によって閉じ込められた電荷が出力キャパシタ15に蓄えられるので、その出力キャパシタ15は第一スイッチング素子16のオフ直前の電圧を保持する役割を有する。
【0029】
第一スイッチング素子16はNチャネル型の電界効果トランジスタである。第一スイッチング素子16のドレインが発光素子2のカソードに接続され、第一スイッチング素子16のソースがグランド17に接続され、第一スイッチング素子16のゲートがタイミング制御部11に接続されている。第一スイッチング素子16は発光素子2の電路を開閉する。つまり、第一スイッチング素子16がオン状態であれば、発光素子2の電路が第一スイッチング素子16によって閉じられてその電路が導通状態であり、第一スイッチング素子16がオフ状態であれば、発光素子2の電路が第一スイッチング素子16によって開かれてその電路が遮断状態である。
【0030】
(タイミング制御部11)
タイミング制御部11は、例えば、周期一定のタイミング信号Aを生成し、そのタイミング信号Aをスイッチング電源回路13(特にスイッチング電源制御部13e)に出力する。タイミング制御部11は、タイミング信号Aによりスイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eの作動(enable)と停止(disable)を交互に行う。以下、タイミング信号Aがハイレベルである期間を期間P1といい、タイミング信号Aがローレベルである期間を期間P2という。
【0031】
期間P1においてスイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eが作動され、スイッチング電源制御部13eが出力信号Cを振動させる。そのため、後述するORゲート18の第二入力(タイミング信号B)がローレベルであれば、チョッパ用スイッチング素子13aがオン・オフされるので、入力電圧Vin・入力電流Iinが出力電圧Vout1・出力電流Iout1に変換される。一方、期間P2においてスイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eが停止され、スイッチング電源制御部13eの出力信号Cが振動せずにローレベルで一定となる。そのため、チョッパ用スイッチング素子13aがオフ状態に保たれる。
【0032】
タイミング制御部11は第一スイッチング素子16を開くことと第一スイッチング素子16を閉じることを交互に行う。つまり、タイミング制御部11はタイミング信号Aを第一スイッチング素子16のゲートに出力することによって第一スイッチング素子16をオン・オフする。従って、スイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eの作動に同期して、第一スイッチング素子16が発光素子2の電路を閉じる。また、スイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eの停止に同期して、第一スイッチング素子16が発光素子2の電路を開く。
【0033】
例えば、タイミング制御部11が点滅タイミングコントローラであり、タイミング信号Aが点滅制御信号であり、タイミング信号Aのパルス幅(期間P1の長さ)がタイミング制御部11によって制御されることによって、第一スイッチング素子16のオン−デューティ比が制御される。タイミング信号Aの周期が信号Cの周期よりも長く、信号Cがタイミング信号Aよりも高速で振動する。
【0034】
(制御部12及びORゲート18)
制御部12は、タイミング信号Bを第二スイッチング素子14aのゲートに出力する。制御部12はマイコンであり、制御部12に内蔵されたプログラムがタイミング信号Bの生成機能等を制御部12に実現させる。
【0035】
タイミング信号Bは周期的なパルス信号である。タイミング信号Bがローレベルであれば、第二スイッチング素子14aがオフであり、選択スイッチ14が第一選択状態(インダクタ13cに発光素子2を導通させた状態)である。タイミング信号Bがハイレベルであれば、第二スイッチング素子14aがオンであり、選択スイッチ14が第二選択状態(インダクタ13cから発光素子2を遮断した状態)である。以下、タイミング信号Bがハイレベルである期間を期間P4という。
【0036】
制御部12が出力するタイミング信号Bは、ORゲート18の第二入力にも入力される。ORゲート18は、信号Cとタイミング信号Bの論理和を表す信号をチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに出力する。従って、ORゲート18に入力されるタイミング信号Bをハイレベルにすれば、制御部12がタイミング制御部11及びスイッチング電源制御部13eから独立してチョッパ用スイッチング素子13aを強制的にオンにできる。つまり、制御部12は選択スイッチ14を第二選択状態にするのに同期してチョッパ用スイッチング素子13aをオンにし、選択スイッチ14を第一選択状態にするのに同期してチョッパ用スイッチング素子13aのオンオフ制御を信号Cに基づくように制御する。
【0037】
タイミング制御部11によって出力されるタイミング信号Aが制御部12にも入力され、制御部12がタイミング信号Aに基づきタイミング信号Bを生成する。タイミング信号Bの周期はタイミング信号Aの周期に等しく、タイミング信号Bがハイレベルである期間P4はタイミング信号Aがローレベルである期間P2よりも短い。
【0038】
制御部12がタイミング信号Aの立ち上がりを検出すると、その時に制御部12がタイミング信号Bを立ち下げる。そのため、タイミング信号Aの立ち上がり時に同期してタイミング信号Bが立ち下がり、選択スイッチ14が第一選択状態になり、チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフが信号Cに基づいて制御される。
【0039】
制御部12がタイミング信号Aの立ち上がりを検出すると、その時から所定期間(タイミング信号Aの周期と期間P4との差)経過後に制御部12がタイミング信号Bを立ち上げる。そのため、タイミング信号Aの立ち下がり後であってタイミング信号Aの立ち上がり前にタイミング信号Bが立ち上り、選択スイッチ14が第二選択状態になり、チョッパ用スイッチング素子13aがオンになる。以下、タイミング信号Aが立ち下がった時からタイミング信号Bが立ち上がった時までの期間を期間P3という。期間P3の終了時は期間P4の開始時でもある。
【0040】
ここでは、期間P4の長さは定数であり、期間P4の長さが予め制御部12のプログラムにプログラミングされている。つまり、期間P4の長さは、スイッチング電源回路13の回路特性等を考慮して実験・設計計算によって予め求められたものである。一例を挙げると、期間P4の長さは、定電流目標値とインダクタ13cのインダクタンスとの積を入力電圧Vinで除して得られた値(又はその値を補正した補正値)である。ここで、入力電圧Vinは、実験・設計計算等によって予め算出されたものである。定電流目標値は、スイッチング電源制御部13eによって出力電流Iout1が定電流制御される際の目標値である。なお、期間P4の長さである定数が複数あって、それら複数の定数が制御部12に予め記憶され、制御部12が各種条件に基づいてそれら複数の定数の中から1つの定数を選択してもよい。そうすれば、各種条件に応じて臨機応変に対応することができる。
【0041】
(発光装置1の動作及び各部の電流・電圧)
タイミング制御部11が期間P1の開始時にタイミング信号Aを立ち上げると、第一スイッチング素子16が発光素子2の電路を閉じ、スイッチング電源回路13及びそのスイッチング電源制御部13eの作動が開始する。また、制御部12はタイミング信号Aの立ち上がりに同期してタイミング信号Bを立ち下げる。
【0042】
タイミング信号Aがハイレベルである期間P1の間中、スイッチング電源制御部13eがPWM制御によって信号Cを振動させる。この時、ORゲート18に入力されるタイミング信号Bがローレベルであるから、スイッチング電源制御部13eによって出力された信号CがORゲート18を介してチョッパ用スイッチング素子13aに入力される。信号Cによってチョッパ用スイッチング素子13aが入力からインダクタ13cに流れる電流iを繰り返しオン・オフし、それによりインダクタ13cのエネルギーが繰り返し蓄積・放出され、これにより入力電圧Vin・入力電流Iinが出力電圧Vout1・出力電流Iout1に変換される。スイッチング電源回路13の出力電流Iout1は、その脈動成分を考慮しなければ、スイッチング電源制御部13eの帰還制御・PWM制御によって一定の定電流目標値に保たれる。
【0043】
期間P1の間中、タイミング信号Bがローレベルである。そのため、第二スイッチング素子14aがオフ状態であり、選択スイッチ14が第一選択状態であり、スイッチング電源回路13の出力が発光素子2のアノードに導通される。また、その期間P1の間中、タイミング信号Aがハイレベルであり、発光素子2の電路が第一スイッチング素子16によって閉じられている。そのため電流Iout2が発光素子2に流れ、発光素子2が点灯する。発光素子2の電流Iout2はほぼ一定であり、発光素子2の発光強度がほぼ一定である。
【0044】
期間P1の終了時においてタイミング制御部11がタイミング信号Aを立ち下げて、第一スイッチング素子16がオフ状態になる。この時、発光素子2の電路が第一スイッチング素子16によって開かれて、発光素子2の電流がすぐに立ち下がって発光素子2がすぐに消灯する。
【0045】
第一スイッチング素子16がオンからオフに切り換わる時(タイミング信号Aの立ち下がり時)に同期して、スイッチング電源制御部13eが停止され、スイッチング電源制御部13eの出力信号Cの振動が停止する。この時、タイミング信号Bもローレベルであるから、チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフの繰り返しが終了し、チョッパ用スイッチング素子13aがオフ状態になる。よって、スイッチング電源回路13が停止し、インダクタ13cの電流が立ち下がる。この時、整流素子14bと発光素子2の間の配線の寄生キャパシタ及び出力キャパシタ15の電荷が第一スイッチング素子16のオフ及び整流素子14bの整流作用によって保存される。
【0046】
タイミング信号Aが立ち下がった時からタイミング信号Bが立ち上がる時までの期間P3の間中、第一スイッチング素子16等によって保存される電荷によって第一スイッチング素子16がオンのときに発光素子2にかかることになる電圧Vout2が保持され、その電圧Vout2が殆ど低下しない。その期間P3の間中、発光素子2に電流が流れないので、発光素子2が消灯している。
【0047】
タイミング信号Aの立ち上がり時から所定期間(タイミング信号Aの周期と期間P4との差)が経過すると期間P3が終了して、制御部12が期間P3の終了時にタイミング信号Bを立ち上げる。そうすると、第二スイッチング素子14aがオフからオンに切り換わり、選択スイッチ14が第一選択状態から第二選択状態に切り換わるので、発光素子2のアノードが整流素子14bの整流作用によってスイッチング電源回路13の出力から遮断される。更に、チョッパ用スイッチング素子13aがオフからオンに切り換わる。そのため、電流がスイッチング電源回路13の入力からチョッパ用スイッチング素子13a、インダクタ13c、抵抗器19及び第二スイッチング素子14aを経由してグランド17へ流れる。
【0048】
タイミング信号Bがハイレベルである期間P4の間中、インダクタ13cの電流が上昇し、エネルギーがインダクタ13cに蓄えられる。期間P4の長さがスイッチング電源回路13の回路特性等を考慮して実験・設計計算によって予め求められたものであるから、期間P4の終了時のインダクタ13cの電流が定電流目標値にほぼ等しくなる。また、その期間P4では、発光素子2のアノードが選択スイッチ14の整流素子14bによってスイッチング電源回路13の出力から遮断されており、第一スイッチング素子16が開いているから、第一スイッチング素子16がオフされ、出力キャパシタ15等によって保存された電荷によって第一スイッチング素子16がオンのときに発光素子2にかかることになる電圧Vout2が保持される。その期間P4の間中、発光素子2に電流が流れないので、発光素子2が消灯している。
【0049】
タイミング信号Bの立ち上がり時から期間P4が経過すると、期間P1が開始して、タイミング制御部11が期間P1の開始時にタイミング信号Aを立ち上げ、それに同期して制御部12がタイミング信号Bを立ち下げる。そのため、チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフの繰り返しが開始され、スイッチング電源回路13の作動が開始されるとともに、第二スイッチング素子14aがオンからオフに切り換わり、選択スイッチ14が第二選択状態から第一選択状態に切り換わる。また、第一スイッチング素子16がオフからオンに切り換わる。
【0050】
第一スイッチング素子16がオンのときに発光素子2にかかることになる電圧Vout2が期間P3及び期間P4の間中、保持されているので、スイッチング電源回路13の作動開始と同時に又はその後すぐに発光素子2の電圧Vout2が定常状態になる。更に、期間P4の間にインダクタ13cの電流が上昇するので、スイッチング電源回路13の作動開始と同時に又はその後すぐにスイッチング電源回路13の出力電流Iout1すなわち発光素子2の電流Iout2が一定の定電流目標値に至る。つまり、スイッチング電源回路13の作動開始におけるインダクタ13cの誘導作用による電流変化の抑制が現れない。よって、スイッチング電源回路13の作動開始と同時に又はその後すぐに発光素子2が目的の強度で発光する。
【0051】
したがって、本実施形態によれば、期間P1の開始時において発光素子2の電流Iout2が高速に立ち上がるので、発光素子2をより高速に点灯させることができる。
また、ダイオードである整流素子14bを用いたので、簡易な構成で高速なスイッチングを行うことができる。
また、第一スイッチング素子16が発光素子2の電路を開く時とスイッチング電源回路13が停止する時が同期しているので、スイッチング電源回路13の作動のための電力を抑制することができる。
また、ORゲート18を利用することによって、期間P1中のPWM制御に用いるチョッパ用スイッチング素子13aを期間P4の間中にオンにすることができる。期間P4の間中にスイッチング電源回路13のチョッパ用スイッチング素子13aをオンにすることによって、入力からインダクタ13cへの電流経路を形成する。よって、入力からインダクタ13cまでの電流経路形成用のスイッチング素子を別途設けずとも済み、駆動装置10のコストアップを抑えることができ、駆動装置10が複雑な構成になることを抑えることができる。
【0052】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態と第1の実施の形態との間で互いに対応する部分は以下の説明を除いて同一であり、以下では第2の実施の形態と第1の実施の形態の相違点について説明する。なお、第1の実施の形態と第2の実施の形態との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。
【0053】
上述の第1の実施の形態では、タイミング信号Bがハイレベルである期間P4(
図2参照)の長さが定数であり、その期間P4の長さが制御部12に予めプログラミングされている。それに対して、第2の実施の形態では、期間P4の長さが変数であり、その期間P4の長さが入力電圧Vin及びインダクタ13cの電流に基づいて決定される。
【0054】
具体的には、
図3に示すように、入力電圧Vinが制御部12に入力され、制御部12が入力電圧Vinを監視する。また、インダクタ13cの電流が制御部12に入力され、制御部12がインダクタ13cの電流を監視する。制御部12には、インダクタ13cのインダクタンスが記憶されている。
【0055】
制御部12がタイミング信号Aの1周期毎に次のような処理を行う。まず、制御部12が期間P1の開始時(
図2参照)にタイミング信号Aの立ち上がりを検出すると、制御部12がその時から計時を開始するとともに、タイミング信号Bを立ち下げる。その後、制御部12が期間P1の終了時にタイミング信号Aの立ち下がりを検出したら、制御部12がその時のインダクタ13cの電流を検出して記憶するとともに、その時の入力電圧Vinを検出して記憶する。そして、制御部12が、インダクタ13cの電流及び入力電圧Vinの検出値から期間P4の長さを算出する。具体的には、制御部12は、インダクタ13cの電流の検出値とインダクタ13cのインダクタンスとの積を入力電圧Vinの検出値で除して得られた値(又はその値を補正した補正値)を算出する。その求めた値が期間P4の長さである。そして、制御部12が求めた期間P4の長さをタイミング信号Aの周期から減算して、差を求める。その後、タイミング信号Aの計時開始時からの計時時間が求めた差に至ったら、制御部12がタイミング信号Bを立ち上げる。その後、制御部12がタイミング信号Aの立ち上がりを検出したら、制御部12が先に記憶した出力電流Iout1・入力電圧Vinの検出値及び求めた差をリセットし、計時時間もリセットした上で再び計時を開始する。
【0056】
本実施形態によれば、期間P4の長さがインダクタ13cの電流及び入力電圧Vinの検出値に基づいて決定されるので、期間P1の開始時のインダクタ13cの電流レベルが期間P1の終了時のインダクタ13cの電流レベルにより正確に近似する。よって、期間P1の開始時において発光素子2の電流Iout2が高速に定常状態になり、発光素子2をより高速に点灯させることができる。
【0057】
なお、抵抗器19が整流素子14bのカソード及び出力キャパシタ15と、発光素子2との間に設けられ、電流Iout2を表す信号がスイッチング電源制御部13eに入力される場合には、別途抵抗器をインダクタ13cと整流素子14bのアノードとの間に設け、その抵抗器で検出されたインダクタ13cの電流(その抵抗器の電圧)が制御部12に入力されるようにする。但し、
図3に示すように抵抗器19がインダクタ13cと整流素子14bのアノードとの間に設けられていると、スイッチング電源制御部13eに帰還される出力電流検出の用途と、制御部12に入力されるインダクタ電流検出の用途とに抵抗器19を兼用することができるので、駆動装置10の回路構成をシンプルにすることができる。
【0058】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態と第1の実施の形態との間で互いに対応する部分は以下の説明を除いて同一であり、以下では第3の実施の形態と第1の実施の形態の相違点について説明する。なお、第3の実施の形態と第2の実施の形態との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。
【0059】
図4は第3の実施の形態に係る発光装置1の回路図である。
図5は発光装置1の各部の信号を表したタイミングチャートである。
【0060】
第3実施形態と第1実施形態との間で相違する点は以下にある。
(1) 第1実施形態では、スイッチング電源回路13の好適な具体例として降圧型のスイッチングレギュレータを挙げて説明した(
図1参照)。それに対して、第3実施形態では、スイッチング電源回路13が昇圧型のスイッチングレギュレータである(
図4参照)。
【0061】
(2) 第3実施形態は、第1実施形態におけるORゲート18の代わりにANDゲート20及びインバータ21が設けられ、タイミング信号Bがハイレベルである期間P4の間にチョッパ用スイッチング素子13aがオフ状態になるものである。
【0062】
(3) 第1実施形態では、出力電流Iout1がスイッチング電源制御部13eに帰還され、出力電流Iout1が一定に維持されるようにスイッチング電源制御部13eによって定電流制御及びPWM制御される。それに対して、第3実施形態では、
図4に示すように、発光素子2に印加される電流Iout2がスイッチング電源制御部13eに帰還され、その電流Iout2が一定に維持されるようにスイッチング電源制御部13eによって定電流制御及びPWM制御される。
【0063】
(4) 第1実施形態と第3実施形態の何れの場合でも、期間P4の長さが定数であり、期間P4の長さが予め制御部12のプログラムにプログラミングされている。但し、第1実施形態と第3実施形態は、期間P4の長さの好適な例が相違する。つまり、第3実施形態では、期間P4の長さは、インダクタ13cの目標インダクタ電流値とインダクタンスとの積を入力電圧Vinで除して得られた値(又はその値を補正した補正値)である。目標インダクタ電流値は定電流目標値から換算されたものである。つまり、目標インダクタ電流値は、定電流目標値と出力電圧Vout2との積を入力電圧Vinで除して得られた値(又はその値を補正した補正値)である。ここで、入力電圧Vin及び出力電圧Vout2は、実験・設計計算等によって予め算出されたもの又は設定値である。定電流目標値は、スイッチング電源制御部13eによって電流Iout2が所定の目標値に定電流制御される際のその目標値である。なお、期間P4の長さである定数が複数あり、それら複数の定数が制御部12に予め記憶され、制御部12が各種条件に基づいてそれら複数の定数の中から1つの定数を選択してもよい。そうすれば、各種条件に応じて臨機応変に対応することができる。
【0064】
上述の(1)〜(3)について以下に詳細に説明する。
【0065】
ANDゲート20の第一入力がスイッチング電源制御部13eに接続され、スイッチング電源制御部13eによって出力された信号CがANDゲート20の第一入力に入力される。ANDゲート20の第二入力がインバータ21の出力に接続され、そのインバータ21の入力が制御部12に接続されている。制御部12によって出力された信号Bがインバータ21によって反転され、信号Bの反転信号がANDゲート20の第二入力に入力される。ANDゲート20の出力がチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに接続されている。ANDゲート20は、タイミング信号Bの反転信号と信号Cとの論理積を表す信号をチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに出力する。
【0066】
インダクタ13cの一端がスイッチング電源回路13の入力に接続され、その一端は入力電圧Vin・入力電流Iinの直流電源に接続されている。インダクタ13cの他端が環流ダイオード13bを介して選択スイッチ14に接続されている。つまり、インダクタ13cの他端が環流ダイオード13bのアノードに接続され、環流ダイオード13bのカソードが整流素子14bのアノード及び第二スイッチング素子14aのドレインに接続されている。環流ダイオード13bのカソードがスイッチング電源回路13の出力である。
【0067】
チョッパ用スイッチング素子13aのドレインがインダクタ13cの他端及び環流ダイオード13bのアノードに接続されている。チョッパ用スイッチング素子13aのソースがグランド17に接続されている。
【0068】
抵抗器19が整流素子14bのカソード及び出力キャパシタ15と、発光素子2との間に設けられ、発光素子2の電流Iout2を表す信号(抵抗器19の電圧)がスイッチング電源制御部13eに入力される。
【0069】
続いて、発光装置1の動作及び各部の電流・電圧について説明する。
タイミング信号Aがタイミング制御部11によって立ち上げられると、タイミング信号Bが制御部12によって立ち下げられる。その時(期間P1の開始時)には、発光素子2の電路が第一スイッチング素子16によって閉じられ、スイッチング電源回路13及びそのスイッチング電源制御部13eの作動が開始し、第二スイッチング素子14aがオン状態からオフ状態に切り換わり、選択スイッチ14が第二選択状態から第一選択状態に切り換わる。第二スイッチング素子14aがオフであると、発光素子2のアノード及び出力キャパシタ15が整流素子14b及び環流ダイオード13bを介してインダクタ13cに導通される。
【0070】
その後の期間P1の間中、タイミング信号Bの反転信号(ハイレベル)がANDゲート20に入力されるので、スイッチング電源制御部13eによって出力されたPWM信号CがANDゲート20を介してチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに入力される。PWM信号Cによってチョッパ用スイッチング素子13aがオン・オフを繰り返し、入力からインダクタ13cを経由してグランド17に流れる電流iがチョッパ用スイッチング素子13aによってオン・オフ(チョップ)される。この際、チョッパ用スイッチング素子13aがオン状態になると、スイッチング電源回路13の入力からインダクタ13c及びチョッパ用スイッチング素子13aを経由してグランド17へ電流が流れ、インダクタ13cにエネルギーが蓄積される、このとき、スイッチング電源回路の出力側には電流が供給されないが、それまで出力キャパシタ15に蓄積されていた電荷によって出力キャパシタ15から抵抗器19を経由して発光素子2へ電流が流れる。次に、チョッパ用スイッチング素子13aがオフ状態になると、スイッチング電源回路13の入力からインダクタ13c、環流ダイオード13b、整流素子14bを経由して出力コンデンサ15を充電する電流、さらに抵抗器19を経由して発光素子2へ電流が流れて、インダクタ13cのエネルギーが放出され、出力キャパシタ15に電荷が蓄積される。この繰り返しにより、入力電圧Vinが出力電圧Vout1に変換されて更に発光素子2の電圧Vout2に変換され、入力電流Iinが出力電流Iout1に変換されて更に発光素子2の電流Iout2に変換される。
【0071】
ここで、抵抗器19によって検出された電流Iout2(抵抗器19の電圧)と定電流目標値とに基づいてPWM信号Cのデューティ比がスイッチング電源制御部13eによって制御される。これにより、電流Iout2が定電流目標値に近似してその定電流目標値に維持されるように制御される。
【0072】
期間P1の終了時にタイミング信号Aがタイミング制御部11によって立ち下げられる。その時に、第一スイッチング素子16がオフ状態になって、発光素子2が消灯する。その後の期間P3及び期間P4の間でも、第一スイッチング素子16のオフ状態が継続され、発光素子2の消灯が継続する。
【0073】
期間P1の終了時にタイミング信号Aが立ち下がることによって、スイッチング電源制御部13eが停止され、スイッチング電源制御部13eの出力信号Cの振動が停止する。そのため、チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフの繰り返しが終了し、インダクタ13cの電流が立ち下がる。その後の期間P3の間でも、チョッパ用スイッチング素子13aのオフ状態が継続される。
【0074】
期間P1の終了時に第一スイッチング素子16がオフ状態になることによって、整流素子14bと発光素子2の間の配線の寄生キャパシタ及び出力キャパシタ15に蓄積された電荷が保持される。その後の期間P3及び期間P4の間でも、出力キャパシタ15の電荷が保持され、駆動装置10の出力電圧Vout2が殆ど低下しない。
【0075】
タイミング信号Aの立ち上がり時から所定期間が経過した時(期間P3の終了時であって、期間P4の開始時)には、タイミング信号Bが立ち上がる。そうすると、第二スイッチング素子14aがオフからオンに切り換わり、選択スイッチ14が第一選択状態から第二選択状態に切り換わるので、発光素子2のアノード及び出力キャパシタ15が整流素子14bの整流作用によってインダクタ13cから遮断される。そのため、電流がスイッチング電源回路13の入力からインダクタ13c、環流ダイオード13b、及び第二スイッチング素子14aを経由してグランド17へ流れる。
【0076】
また、期間P3の終了時には、タイミング信号Bの反転信号がローレベルとなってANDゲート20に入力されるので、制御部12がタイミング制御部11及びスイッチング電源制御部13eから独立してチョッパ用スイッチング素子13aを強制的にオフにできる。つまり、制御部12は選択スイッチ14を第一選択状態から第二選択状態に切り換えるのに同期してチョッパ用スイッチング素子13aをオフに制御する。但し、期間P3の間中もチョッパ用スイッチング素子13aがオフであるので、期間P3及び期間P4の間中、チョッパ用スイッチング素子13aのオフ状態が継続される。
【0077】
その後の期間P4の間にインダクタ13cの電流が上昇し、エネルギーがインダクタ13cに蓄えられる。期間P4の長さがスイッチング電源回路13の回路特性等を考慮して実験・設計計算によって予め求められたものであるから、期間P4の終了時のインダクタ13cの電流が所定の目標インダクタ電流値にほぼ等しくなる。
【0078】
その後の期間P1の開始時(期間P4の終了時)には、タイミング信号Aが立ち上がり、タイミング信号Bが立ち下がり、タイミング信号Bの反転信号が立ち上がる。そのため、チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフの繰り返しが開始され、スイッチング電源回路13の作動が開始されるとともに、第二スイッチング素子14aがオンからオフに切り換わり、選択スイッチ14が第二選択状態から第一選択状態に切り換わる。また、第一スイッチング素子16がオフからオンに切り換わる。
【0079】
期間P3及び期間P4の間中、出力キャパシタ15に電荷が保持されているから、スイッチング電源回路13の作動開始と同時に又はその後すぐに発光素子2の電圧Vout2が定常状態になる。更に、期間P4の間にインダクタ13cの電流が上昇するので、スイッチング電源回路13の作動開始と同時に又はその後すぐにスイッチング電源回路13の出力電流Iout1が目標インダクタ電流値に至り、発光素子2の電流Iout2が一定の定電流目標値に至る。つまり、スイッチング電源回路13の作動開始におけるインダクタ13cの誘導作用による電流変化の抑制が現れない。よって、スイッチング電源回路13の作動開始と同時に又はその後すぐに発光素子2が目的の強度で発光する。
【0080】
以上のような本実施の形態によれば、期間P1の開始時において発光素子2の電流Iout2が高速に立ち上がるので、発光素子2をより高速に点灯させることができる。
【0081】
なお、ANDゲート20及びインバータ21を設けず、スイッチング電源制御部13eの出力信号Cをチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに入力するようにしてもよい。
【0082】
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態と第3の実施の形態との間で互いに対応する部分は以下の説明を除いて同一であり、以下では第4の実施の形態と第3の実施の形態の相違点について説明する。なお、第4の実施の形態と第3の実施の形態との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。
【0083】
図6は第4の実施の形態に係る発光装置1の回路図である。
図7は発光装置1の各部の信号を表したタイミングチャートである。
【0084】
第4実施形態と第3実施形態との間で相違する点は以下にある。
(1) 第3実施形態は、選択スイッチ14がスイッチング電源回路13の出力に接続され、選択スイッチ14が環流ダイオード13bを介してインダクタ13cに接続されているものである(
図4参照)。それに対して、第4実施形態は、チョッパ用スイッチング素子13a及び環流ダイオード13bの組み合わせが選択スイッチ14を兼ねており、その選択スイッチ14がインダクタ13cと出力キャパシタ15との間に設けられたものである。つまり、チョッパ用スイッチング素子13aは、入力電流をオン・オフする働きのみならず、第3実施形態における選択スイッチ14の第二スイッチング素子14aと同等の働きもする。また、環流ダイオード13bは、チョッパ用スイッチング素子13aによって入力電流がオン・オフされている際にチョッパ用スイッチング素子13aがオフになるときに電流経路を確保する環流ダイオードとしての働きのみならず、第3実施形態における選択スイッチ14の整流素子14bと同等の働きもする。この環流ダイオード13bのカソードが出力キャパシタ15及び抵抗器19に接続されている。このように、チョッパ用スイッチング素子13a及び環流ダイオード13bの組み合わせが選択スイッチ14の機能も兼ねているので、第3実施形態における第二スイッチング素子14a及び整流素子14bが設けずに済む。よって、駆動装置10のコストアップを抑えることができ、駆動装置10が複雑な構成になることを抑えることができる。
【0085】
(2) 第4実施形態は、第3実施形態におけるANDゲート20及びインバータ21の代わりにORゲート22が設けられ、タイミング信号Bがハイレベルである期間P4の間中にチョッパ用スイッチング素子13aがオン状態になるというものである。また、スイッチング電源制御部13eによって出力された信号CがORゲート22の第一入力に入力され、制御部12によって出力された信号BがORゲート22の第二入力に入力される。ORゲート22は信号Cと信号Bの論理和を表す信号をチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに出力する。
【0086】
続いて、発光装置1の動作について説明する。
期間P1の開始時には、タイミング信号Aが立ち上がり、タイミング信号Bが立ち下がる。その時には、発光素子2の電路が第一スイッチング素子16によって閉じられ、スイッチング電源回路13及びそのスイッチング電源制御部13eの作動が開始する。また、ローレベルのタイミング信号BがORゲート22に入力されるので、タイミング信号Bに基づいてチョッパ用スイッチング素子13aがオン状態からオフ状態に切り換わり、選択スイッチ14が第二選択状態から第一選択状態に切り換わり、インダクタ13cが環流ダイオード13bを介して出力キャパシタ15及び発光素子2に導通される。ところが、その後の期間P1の間では、スイッチング電源制御部13eによって出力されたPWM信号CがORゲート22に入力されるので、チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフがタイミング信号Bよりも優先的にPWM信号Cに基づくようになり、PWM信号Cによってチョッパ用スイッチング素子13aがオン・オフを繰り返す。チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフの繰り返しによって、インダクタ13cのエネルギーの蓄積・放出が繰り返される。これにより、入力電圧Vinが出力電圧Vout1に変換されて更に発光素子2の電圧Vout2に変換され、入力電流Iinが出力電流Iout1に変換されて更に発光素子2の電流Iout2に変換される。
【0087】
期間P1の終了時にタイミング信号Aが立ち下がることによって、第一スイッチング素子16がオフ状態になって、発光素子2が消灯する。その後の期間P3及び期間P4の間中、第一スイッチング素子16のオフ状態及び発光素子2の消灯状態が継続され、これにより、出力キャパシタ15の電荷が保持され、駆動装置10の出力電圧Vout2が保持され、その電圧Vout2が殆ど低下しない。
【0088】
また、期間P1の終了時に、スイッチング電源制御部13eが停止され、スイッチング電源制御部13eの出力信号Cの振動が停止する。その後の期間P3の間でも、ORゲート22に入力される信号B及び信号Cが共にローレベルであるから、チョッパ用スイッチング素子13aがオン・オフの繰り返しを行わずにオフ状態を保って、選択スイッチ14が第一選択状態を保ち、出力キャパシタ15及び発光素子2のアノードがインダクタ13cに導通している。
【0089】
期間P3の終了時にタイミング信号Bが立ち上がって、選択スイッチ14は第二選択状態になり、チョッパ用スイッチング素子13aがオフからオンに切り換わる。これによってインダクタ13cの他端(インダクタ13cと環流ダイオード13bのアノードとの接続点)はグランド17の電位となるが、発光素子2のアノード及び出力キャパシタ15が環流ダイオード13bの整流作用によってインダクタ13cから遮断されるため影響を受けることはない。そして、電流がスイッチング電源回路13の入力からインダクタ13c及びチョッパ用スイッチング素子13aを経由してグランド17へ流れる。その後の期間P4の間にインダクタ13cの電流が上昇し、エネルギーがインダクタ13cに蓄えられる。期間P4の長さがスイッチング電源回路13の回路特性等を考慮して実験・設計計算によって予め求められたものであるから、期間P4の終了時のインダクタ13cの電流が所定の目標インダクタ電流値にほぼ等しくなる。
【0090】
その後の期間P1の開始時には、選択スイッチ14が第二選択状態から第一選択状態に切り換って、スイッチング電源回路13の作動が開始され、チョッパ用スイッチング素子13aのオン・オフの繰り返しが開始され、第一スイッチング素子16がオフからオンに切り換わる。期間P1の開始前に出力キャパシタ15に電荷が保持されているとともに、インダクタ13cの電流が上昇しているので、スイッチング電源回路13の作動開始と同時に又はその後すぐに発光素子2の電圧Vout2が定常状態になるとともに、発光素子2の電流Iout2が一定の定電流目標値に至る。よって、本実施形態によれば、発光素子2をより高速に点灯させることができる。
【0091】
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態と第3の実施の形態との間で互いに対応する部分は以下の説明を除いて同一であり、以下では第5の実施の形態と第3の実施の形態の相違点について説明する。なお、第5の実施の形態と第3の実施の形態との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。
【0092】
上述の第3の実施の形態では、タイミング信号Bがハイレベルである期間P4(
図5参照)の長さが定数であり、その期間P4の長さが制御部12に予めプログラミングされている。それに対して、第5の実施の形態では、期間P4の長さが変数であり、その期間P4の長さが入力電圧Vin及びインダクタ13cの電流に基づいて決定される。
【0093】
具体的には、
図8に示すように、入力電圧Vinが制御部12に入力され、制御部12が入力電圧Vinを監視する。スイッチング電源回路13の入力とチョッパ用スイッチング素子13aとの間には抵抗器23及びインダクタ13cが直列接続されており、インダクタ13cの電流が抵抗器23によって検出される。インダクタ13cの電流が制御部12に入力され、制御部12がインダクタ13cの電流を監視する。制御部12には、インダクタ13cのインダクタンスが記憶されている。
【0094】
制御部12がタイミング信号Aの1周期毎に次のような処理を行う。まず、制御部12がタイミング信号Aの立ち上がりを検出すると、制御部12がその時から計時を開始するとともに、タイミング信号Bを立ち下げる。その後、制御部12がタイミング信号Aの立ち下がりを検出したら、制御部12がその時のインダクタ13cの電流を検出して記憶するとともに、その時の入力電圧Vinを検出して記憶する。そして、制御部12が、インダクタ13cの電流及び入力電圧Vinの検出値から期間P4の長さを算出する。具体的には、制御部12は、インダクタ13cの電流の検出値とインダクタ13cのインダクタンスとの積を入力電圧Vinの検出値で除して得られた値(又はその値を補正した補正値)を算出する。その求めた値が期間P4の長さである。そして、制御部12が求めた期間P4をタイミング信号Aの周期から減算して、差を求める。その後、タイミング信号Aの計時開始時からの計時時間が求めた差に至ったら、制御部12がタイミング信号Bを立ち上げる。その後、制御部12がタイミング信号Aの立ち上がりを検出したら、制御部12が先に記憶したインダクタ電流・入力電圧Vinの検出値及び求めた差をリセットし、計時時間もリセットした上で再び計時を開始する。
【0095】
本実施形態によれば、期間P4の長さがインダクタ13cの電流及び入力電圧Vinの検出値に基づいて決定されるので、期間P1の開始時のインダクタ13cの電流レベルが期間P1の終了時のインダクタ13cの電流レベルにより正確に近似する。よって、期間P1の開始時において発光素子2の電流Iout2が高速に定常状態になり、発光素子2をより高速に点灯させることができる。
【0096】
なお、第5実施形態と第3実施形態の相違点を第4実施形態に適用してもよい(
図9参照)。つまり、チョッパ用スイッチング素子13a及び環流ダイオード13bの組み合わせが選択スイッチ14を兼ねた場合でも(第3の実施の形態の説明参照)、上述のように制御部12がインダクタ13cの電流及び入力電圧Vinの検出値から期間P4の長さを算出して、タイミング信号Bの立ち上がりタイミングを制御してもよい。
なお、昇圧型のスイッチングレギュレータの場合、目標Iout2に基づくVout2をフィードバックして、期間P4の長さを決めるようにしてもよい。
【0097】
〔第6の実施の形態〕
第6の実施の形態と第1の実施の形態との間で互いに対応する部分は以下の説明を除いて同一であり、以下では第6の実施の形態と第1の実施の形態の相違点について説明する。なお、第1の実施の形態と第6の実施の形態との間で互いに対応する部分には同一の符号を付す。
【0098】
上述の第1の実施の形態では、タイミング制御部11がタイミング信号Aをスイッチング電源制御部13eに出力する。それに対して第6の実施の形態では、
図10及び
図11に示すようにタイミング制御部11がタイミング信号Dをスイッチング電源制御部13eに出力する。
【0099】
具体的には、タイミング制御部11は、タイミング信号Aの立ち上がり時に同期してタイミング信号Dを立ち上げる。また、タイミング制御部11は、タイミング信号Aの立ち下がり時から遅れてタイミング信号Dを立ち下げる。タイミング信号Dの立ち下がり時は、タイミング信号Aの立ち下がり後であってタイミング信号Bの立ち上がり前である。
【0100】
よって、タイミング制御部11は、第一スイッチング素子16を閉じる時に同期してスイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eの作動を開始する。更に、タイミング制御部11は、第一スイッチング素子16を開く時から遅れてスイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eを停止させる。
【0101】
ここで、期間P1では発光素子2が点灯しており、発光素子2の自己発熱によって発光素子2の温度が漸増する。期間P2では発光素子2が消灯しており、発光素子2の自然放熱によって発光素子2の温度が漸減する。期間P1では発光素子2の電流Iout2がほぼ一定であり、発光素子2の電圧Vout2が僅かながら漸減する。これは、発光素子2を一定電流で駆動すると、発光素子2の駆動電圧が発光素子2の温度に依存して、発光素子2の温度が高くなるにつれて発光素子2の駆動電圧が低くなるためである。しかし、次のP2期間では、発光素子2が消灯し温度が下がるため、駆動電圧は再び漸増し、次のP1期間の最初では、発光素子2の駆動に必要な電圧は高くなる。従って、期間P1の終了時の発光素子2の電圧Vout2は期間P1の初期の発光素子2の電圧Vout2よりも低い。本発明では、P1終了時の電圧を出力キャパシタ15に保持し、次のP1開始時にその電圧により、発光素子2の電圧をすぐに定常状態にするのに使うため、上記漸減分の電圧が不足することになってしまう。
【0102】
ところが、本実施形態では、期間P1の終了後もスイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eの作動が継続するので、期間P1における発光素子2の電圧Vout2の減少分を補うことができる。つまり、第一スイッチング素子16によって発光素子2の電路が開かれた時(タイミング信号Aの立ち下がり時及び期間P1の終了時)からスイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eの作動が停止する時(タイミング信号Dの立ち下がり時)までの期間P5では、スイッチング電源回路13の出力から発光素子2までの配線の寄生キャパシタ及び出力キャパシタ15に電荷がチャージされて、発光素子2の電圧Vout2が漸増する。よって、期間P1における発熱による発光素子2の電圧の減少分を補うことができる。なお、タイミング信号Aの立ち下がりによって第一スイッチング素子16が発光素子2の電路を閉じるから、タイミング信号Aの立ち下がり後にスイッチング電源回路13及びスイッチング電源制御部13eの作動が継続しても、発光素子2には電流が流れない。
【0103】
本実施形態よれば、期間P1における発熱による発光素子2の電圧Vout2の減少分が期間P5において補われるから、発光素子2をより高速に点滅させることができる。
【0104】
期間P5は定数又は変数である。期間P5が定数である場合、期間P5は予めタイミング制御部11にプログラミングされている。定数である期間P5は、スイッチング電源回路13等の回路特性、発光素子2の電圧−温度特性、タイミング信号Aの周期、タイミング信号Aのオン−デューティ比及び出力キャパシタ15の自然放電特性等を考慮して実験・設計計算によって求められたものである。
【0105】
期間P5が変数である場合、期間P5がスイッチング電源回路13の出力電圧Vout1に基づいて決定される。具体的には、スイッチング電源回路13の出力電圧Vout1がタイミング制御部11に帰還されて、タイミング信号Aの立ち下がり後にタイミング制御部11がスイッチング電源回路13の出力電圧Vout1を監視して出力電圧Vout1を比較値と比較する。この際に第一スイッチング素子16がオフ状態であるから出力電圧Vout1が漸増する。そして、スイッチング電源回路13の出力電圧Vout1が比較値を超えたことをタイミング制御部11が検出したら、その時にタイミング制御部11がタイミング信号Dを立ち下げる。
【0106】
出力電圧Vout1と比較される比較値は定数又は変数である。比較値が定数である場合、その比較値がタイミング制御部11に予めプログラミングされている。この場合、比較値は、スイッチング電源回路13等の回路特性、発光素子2の電圧−温度特性、タイミング信号Aの周期、タイミング信号Aのオン−デューティ比及び出力キャパシタ15の自然放電特性等を考慮して実験・設計計算によって求められたものである。
【0107】
一方、比較値が変数である場合、その比較値はスイッチング電源回路13の出力電圧Vout1及び出力電流Iout1に基づいて決定される。具体的には、スイッチング電源回路13の出力電圧Vout1及び出力電流Iout1がタイミング制御部11に帰還されて、タイミング信号Aの立ち上がり後にタイミング制御部11がスイッチング電源回路13の出力電圧Vout1及び出力電流Iout1を監視する。そして、タイミング制御部11は、その出力電流Iout1が所定のレベルに達した時の出力電圧Vout1の値(又はその値を高く若しくは低く補正した補正値)に比較値を決定する。ここでいう所定のレベルとは、スイッチング電源制御部13eによってスイッチング電源回路13の出力電流Iout1が定電流目標値に維持するように制御する際のその定電流目標値に等しい。
比較値が決定されたら、上述のようにタイミング信号Aの立ち下がり後にスイッチング電源回路13の出力電圧Vout1がその比較値を超えたら、タイミング制御部11がタイミング信号Dを立ち下げるとともに、その比較値をリセットする。なお、比較値の決定及びリセットはタイミング信号Aの1周期毎に行われ、スイッチング電源回路13の出力電圧Vout1と比較値の比較もタイミング信号Aの1周期毎に行われる。
【0108】
期間P5が変数である場合、発光素子2の電圧Vout2,電流Iout2がタイミング制御部11に帰還されて、期間P5が発光素子2の電圧Vout2,電流Iout2に基づいて決定されてもよい。その場合、期間P5がスイッチング電源回路13の出力電圧Vout1,出力電流Iout1に基づいて定められることの説明中の「スイッチング電源回路13の出力電圧Vout1」を「発光素子2の電圧Vout2」に、「スイッチング電源回路13の出力電流Iout1」を「発光素子2の電流Iout2」に読み替える。
【0109】
なお、第2の実施の形態のように期間P4を入力電圧Vin及びスイッチング電源回路13の出力電流Iout1に基づいて決定されることをこの第6の実施の形態に適用してもよい。
また、第3実施形態のように昇圧型のスイッチング電源回路13、ANDゲート20及びインバータ21を用いた場合でも、第6実施形態のようにタイミング制御部11がタイミング信号Dをスイッチング電源制御部13eに出力してもよい。
また、第4実施形態のように昇圧型のスイッチング電源回路13及びORゲート22を用いて、チョッパ用スイッチング素子13a及び環流ダイオード13bの組み合わせが選択スイッチ14を兼ねた場合でも、第6実施形態のようにタイミング制御部11がタイミング信号Dをスイッチング電源制御部13eに出力してもよい。
また、第5実施形態のように昇圧型のスイッチング電源回路13を用いて、制御部12がインダクタ13cの電流及び入力電圧Vinの検出値から期間P4の長さを算出した場合でも(
図8又は
図9を参考)、第6実施形態のようにタイミング制御部11がタイミング信号Dをスイッチング電源制御部13eに出力してもよい。
つまり、第6実施形態の特徴部分を第1〜第5の何れの実施形態にも組み合わせてもよい。
【0110】
〔第1〜第6の実施の形態の変形例〕
本発明を適用可能な実施形態は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、幾つかの変形例について説明する。以下に説明する変形例は、変更個所を除いて上述した実施形態と同様である。また、以下に説明する各変形例を可能な限り組み合わせてもよい。
【0111】
(1) 制御部12が論理回路であってもよい。
【0112】
(2) 駆動装置10によって駆動される負荷の一例として発光素子2を例に挙げたが、発光素子2以外の負荷をオン・オフするために駆動装置10を用いてもよい。
【0113】
(3) 第一スイッチング素子16がPチャネル型の電界効果トランジスタでもよい。その場合に、タイミング信号Aが反転されて第一スイッチング素子16のゲートに入力される。
【0114】
(4) チョッパ用スイッチング素子13aがPチャネル型の電界効果トランジスタでもよい。その場合に、ORゲート18、ANDゲート20及びORゲート22の出力信号が反転されてチョッパ用スイッチング素子13aのゲートに入力される。
【0115】
(5) 第二スイッチング素子14aがPチャネル型の電界効果トランジスタでもよい。その場合に、タイミング信号Bが反転されて第二スイッチング素子14aのゲートに入力される。
【0116】
(6)
図12は、第1実施形態の発光装置1の整流素子14b(
図1参照)をスイッチング素子14c(以下、第三スイッチング素子14cという。)に代えた変形例を示す。第三スイッチング素子14cは電界効果トランジスタである。第三スイッチング素子14cのソースとドレインのうち一方が抵抗器19を介してスイッチング電源回路13の出力(インダクタ13c)に接続され、他方が発光素子2のアノードに接続される。
図12に示すように第三スイッチング素子14cがPチャネル型の電界効果トランジスタであれば、タイミング信号Bが反転されずに第三スイッチング素子14cのゲートに入力される。第三スイッチング素子14cがNチャネル型の電界効果トランジスタであれば、タイミング信号Bが反転されて第三スイッチング素子14cのゲートに入力される。従って、第二スイッチング素子14aがオン状態であると、第三スイッチング素子14cがオフ状態であり、第二スイッチング素子14aがオフ状態であると、第三スイッチング素子14cがオン状態である。なお、第2、第3及び第5の実施の形態における整流素子14bを第三スイッチング素子14cに代えてもよい。
【0117】
(7) スイッチング電源回路13が定電圧電源回路であってもよい。つまり、スイッチング電源回路13は、出力電流Iout1(出力電流Iout2)に関わらず出力電圧Vout1(又は電圧Vout2)を一定に保つように出力電圧Vout1(又は電圧Vout2)を制御する。好ましくは、スイッチング電源回路13のスイッチング電源制御部13eが出力電圧Vout1(又は電圧Vout2)を帰還して、それに基づいたデューティ比のPWM信号Cを生成することによって、出力電圧Vout1(又は電圧Vout2)を一定に維持するように制御する。
【0118】
(8) 制御部12がマイコンである場合、制御部12がプログラムによってタイミング制御部11と同等の機能を実現してもよい。
【0119】
(9) 制御部12がマイコンである場合、制御部12がプログラムによってスイッチング電源制御部13eと同等の機能を実現してもよい。その場合、スイッチング電源制御部13eを省略することができ、制御部12のスイッチング電源制御部13eと同等に機能する部分がスイッチング電源回路13の一部となる。
【0120】
(10) 制御部12がタイミング信号Aの立ち上がり時の前にタイミング信号Bを立ち下げる、言い換えると、タイミング制御部11がタイミング信号Bの立ち下がり時から僅かに遅れてタイミング信号Aを立ち上げてもよい。その場合、タイミング信号Bの立ち下がり後にインダクタ13cの電流が僅かに減少するが、タイミング信号Bの立ち下がり後すぐにタイミング信号Aが立ち上がるので、タイミング信号Aの立ち上がり時にはインダクタ13cの電流がゼロに至っていない。よって、インダクタ13cの電流がゼロから立ち上がる場合に比べて、タイミング信号Aの立ち上がり時(期間P1の開始時)において発光素子2の電流Iout2が高速に立ち上がる。
【0121】
〔第7の実施の形態〕
図13を参照して、第1〜第6の何れかの実施形態の発光装置1を備える投影装置について説明する。
図13は、投影装置の光学ユニットを示した平面図である。
【0122】
図13に示すように、投影装置は、表示素子30、時分割光発生装置40、光源側光学系50及び投影光学系60等を備える。
【0123】
時分割光発生装置40は、赤色光、緑色光及び青色光を時分割で出射するものである。時分割光発生装置40は、第一光源41、光源装置42、第二光源43及び光学系44を有する。
【0124】
光源装置42は、緑色光を発生させるものである。具体的には、光源装置42は、励起光を発して、その励起光を緑色光に変換するものである。光源装置42は、複数の励起光光源42a、複数のコリメートレンズ42b、レンズ群42c、レンズ群42d、蛍光体ホイール42e及びスピンドルモーター42fを有する。
【0125】
複数の励起光光源42aは、二次元アレイ状に配列されている。これら励起光光源42aは、レーザー励起光を発するレーザーダイオードである。励起光光源42aから発するレーザー励起光の波長帯域は、青色帯域又は紫外線帯域であるが、特に限定するものではない。ここで、時分割光発生装置40は、励起光光源42a用の駆動装置10を有する。つまり、発光素子2が励起光光源42aに相当し、駆動装置10によって励起光光源42aが点滅する。
【0126】
コリメートレンズ42bが励起光光源42aにそれぞれ対向配置され、各励起光光源42aから発したレーザー励起光がコリメートレンズ42bによってコリメートされる。レンズ群42c及びレンズ群42dは、同一光軸上に配置されている。レンズ群42c及びレンズ群42dは、コリメートレンズ42bによってコリメートされたレーザー励起光の光束群を一つに纏めて、集光させる。
【0127】
蛍光体ホイール42eは、複数の励起光光源42aが二次元アレイ状に配列された面に対向配置されている。レンズ群42c及びレンズ群42dが蛍光体ホイール42eと励起光光源42aとの間に配置されており、レンズ群42c及びレンズ群42dの光軸が蛍光体ホイール42eに直交する。レンズ群42c及びレンズ群42dによって集光されたレーザー励起光は蛍光体ホイール42eに照射される。蛍光体ホイール42eは、レーザー励起光によって励起されて緑色光を発する緑色蛍光体等からなり、レーザー励起光を緑色光に変換するものである。蛍光体ホイール42eがスピンドルモーター42fに連結され、蛍光体ホイール42eがスピンドルモーター42fによって回転される。
【0128】
第一光源41は、赤色光を発生させる赤色発光ダイオードである。第二光源43は、青色光を発生させる青色発光ダイオードである。ここで、時分割光発生装置40は、第一光源41用の駆動装置10と、第二光源43用の駆動装置10とを更に有する。第一光源41用の駆動装置10における期間P1と、励起光光源42a用の駆動装置10における期間P1と、第二光源43用の駆動装置10における期間P1とが互いにずれている。従って、赤色光、緑色光(緑色光は励起光により発生する。)及び青色光が時分割で発生する。例えば、第一光源41用の駆動装置10における期間P1、励起光光源42a用の駆動装置10における期間P1と、第二光源43用の駆動装置10における期間P1とが1フレーム期間内に順次1回ずつ訪れると、1フレーム期間内に赤色光、緑色光及び青色光が順次1回ずつ発する。赤色光、緑色光及び青色光のうち少なくとも一色以上の光が1フレーム期間内に複数回発するものとしてもよい。
【0129】
第一光源41は、第一光源41の光軸がレンズ群42c,42dの光軸と平行となるように配置されている。第二光源43は、第二光源43の光軸がレンズ群42c,42dの光軸及び第一光源41の光軸に直交するように配置されている。
【0130】
光学系44は、第一光源41から発した赤色光の光軸、光源装置42から発した緑色光の光軸及び第二光源43から発した青色光の光軸を一つに重ねて、これらの赤色光、緑色光及び青色光を出射する。光学系44は、レンズ群44a、レンズ44b、レンズ群44c、第一ダイクロイックミラー44d及び第二ダイクロイックミラー44eを有する。
【0131】
レンズ群44aは、第二光源43に対向する。レンズ群44a及びレンズ44bは、これらの光軸が一直線状になるように配列されている。レンズ群44a及びレンズ44bは、それらの光軸がレンズ群42cとレンズ群42dの間でレンズ群42c及びレンズ群42dの光軸に対して直交するように配置されている。
【0132】
第一ダイクロイックミラー44dは、レンズ群44aとレンズ44bとの間に配置されているとともに、レンズ群42cとレンズ群42dとの間に配置されている。第一ダイクロイックミラー44dは、レンズ群42c,42dの光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ群44a及びレンズ44bの光軸に対して45°で斜交する。第一ダイクロイックミラー44dは、励起光光源42aから発する波長帯域の励起光(例えば、青色の励起光)を蛍光体ホイール42eに向けて透過させるととともに、第二光源43から発する青色波長帯域の光を第二ダイクロイックミラー44eに向けて透過させる。また、第一ダイクロイックミラー44dは、蛍光体ホイール42eから発する緑色波長帯域の光を第二ダイクロイックミラー44eに向けて反射させる。
【0133】
レンズ群44cは、第一光源41に対向する。レンズ群44cは、その光軸がレンズ44bに関して第二光源43及び第一ダイクロイックミラー44dの反対側でレンズ群44a及びレンズ44bの光軸に対して直交するように配置されている。
【0134】
第二ダイクロイックミラー44eは、レンズ群44cに関して第一光源41の反対側に配置されているとともに、レンズ44bに関して第一ダイクロイックミラー44dの反対側に配置されている。第二ダイクロイックミラー44eは、レンズ群44cの光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ群44a及びレンズ44bの光軸に対して45°で斜交する。第二ダイクロイックミラー44eは、第一ダイクロイックミラー44dからの青色及び緑色の波長帯域の光を光源側光学系50に向けて透過させるとともに、第一光源41から発する赤色の波長帯域の光を光源側光学系50に向けて反射させる。
【0135】
時分割光発生装置40は、赤色光、緑色光及び青色光を時分割で発するものであれば、以上に説明した構成以外の構成のものでもよい。
例えば、蛍光体ホイール42eと、レンズ群42dの光軸が交差する個所に緑色発光ダイオードを配置し、その緑色発光ダイオードを上述の何れかの実施形態の駆動装置10によって点滅させてもよい。その場合、励起光光源42a、レンズ群42c、蛍光体ホイール42e及びスピンドルモーター42fを省略する。
また、蛍光体ホイール42eが緑色蛍光体と光拡散透過部を有し、蛍光体ホイール42eが回転することによって緑色蛍光体と光拡散透過部が交互にレンズ群42dの光軸を通過してもよい。この場合、励起光光源42aが青色レーザーダイオードであり、第二光源43を省略し、蛍光体ホイール42eの光拡散透過部を透過した青色光が図示しない反射光学系によって第二光源43の光学系と同様の方向からレンズ群44aに導かれるようにし、励起光光源42aと第一光源41が交互に発光する。
【0136】
光源側光学系50は、時分割光発生装置40から出射された赤色光、緑色光及び青色光を表示素子30に投射する。光源側光学系50は、レンズ51、反射ミラー52、レンズ53、導光装置54、レンズ55、光軸変換ミラー56、集光レンズ群57、照射ミラー58及び照射レンズ59を有する。
【0137】
レンズ51は、第二ダイクロイックミラー44eに関してレンズ44bの反対側に配置されている。レンズ51は、その光軸がレンズ44b及びレンズ群44aの光軸と重なるように配置されている。
【0138】
レンズ53、導光装置54及びレンズ55は、これらの光軸が一直線状になるように配置されている。レンズ53、導光装置54及びレンズ55の光軸はレンズ51、レンズ44b及びレンズ群44aの光軸に直交する。
【0139】
反射ミラー52は、レンズ53の光軸とレンズ51の光軸が交差する個所に配置されている。反射ミラー52は、レンズ51,44b及びレンズ群44aの光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ53、導光装置54及びレンズ55の光軸に対して45°で斜交する。時分割光発生装置40によって発生された赤色光、緑色光及び青色光はレンズ51及びレンズ53によって集光されつつ、反射ミラー52によって導光装置54に向けて反射される。
【0140】
導光装置54は、ライトトンネル又はライトロッドである。導光装置54は、時分割光発生装置40から出射された赤色光、緑色光及び青色光を側面で複数回反射又は全反射させることで、赤色光、緑色光及び青色光を均一な強度分布の光束にする。レンズ55は、導光装置54によって導光された赤色光、緑色光及び青色光を光軸変換ミラー56に向けて投射するとともに、集光する。光軸変換ミラー56は、レンズ55によって投射された赤色光、緑色光及び青色光を集光レンズ群57に向けて反射させる。集光レンズ群57は、光軸変換ミラー56によって反射された赤色光、緑色光及び青色光を照射ミラー58に向けて投射するとともに、集光する。照射ミラー58は、集光レンズ群57によって投射された光を表示素子30に向けて反射させる。照射レンズ59は、照射ミラー58によって反射された光を表示素子30へ投射する。
【0141】
表示素子30は、空間光変調器であり、光源側光学系50によって照射された赤色光、緑色光及び青色光を各画素毎(各空間光変調素子毎)で変調することによって画像を形成する。具体的には、表示素子30は、二次元アレイ状に配列された複数の可動マイクロミラー等を有するデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)であり、可動マイクロミラーが画素としての空間光変調素子に相当する。表示素子30はドライバによって駆動される。つまり、赤色光が表示素子30に照射されている時に、表示素子30の各可動マイクロミラーが制御(例えば、PWM制御)されることで、赤色光が後述の投影光学系60に向けて反射される時間比(デューティー比)が可動マイクロミラー毎に制御される。これにより、表示素子30によって赤色の画像が形成される。緑色光や青色光が表示素子30に照射されている際も、同様である。
【0142】
なお、表示素子30が反射型の空間光変調器ではなく、透過型の空間光変調器(例えば、液晶シャッターアレイパネル:いわゆる液晶表示器)であってもよい。表示素子30が透過型の空間光変調器である場合、光源側光学系50の光学設計を変更し、光源側光学系50によって照射される赤色光、緑色光及び青色光の光軸が後述の投影光学系60の光軸に重なるようにして、投影光学系60と光源側光学系50との間に表示素子30を配置する。
【0143】
投影光学系60は表示素子30に正対するように設けられ、投影光学系60の光軸が前後に延びて表示素子30に交差(具体的には、直交)する。投影光学系60は、表示素子30によって反射された光を前方に投射することによって、表示素子30によって形成された画像をスクリーンに投影する。この投影光学系60は、可動レンズ群61及び固定レンズ群62等を備える。投影光学系60は、可動レンズ群61の移動によって、焦点距離が変更可能であるとともに、フォーカシングが可能である。
【0144】
なお、
図13に示す投影装置の光学系をリアプロジェクション表示装置に適用してもよい。
【0145】
本発明は上記実施形態及び変形例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の要部を変更しない範囲で適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。また、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
インダクタを有するとともに、前記インダクタに流れる入力電流を繰り返しオン・オフして前記インダクタのエネルギーの蓄積と放出を繰り返すことによって、入力電力を出力電力に変換するスイッチング電源回路と、
負荷に接続され、前記負荷の電路を開閉する第一スイッチング素子と、
前記負荷及び第一スイッチング素子と並列に接続される出力キャパシタと、
前記インダクタと前記出力キャパシタとの間に設けられ、前記負荷を前記インダクタに導通させるとともに基準電位部を前記インダクタから遮断した第一選択状態と、前記負荷を前記インダクタから遮断するとともに前記基準電位部を前記インダクタに導通させた第二選択状態とに切り換わる選択スイッチと、
前記第一スイッチング素子の開閉を交互に行うとともに、前記インダクタに流れる入力電流の繰り返しのオン・オフによる前記スイッチング電源回路の作動と前記スイッチング電源回路の停止とを交互に行い、前記第一スイッチング素子を閉じる期間に前記スイッチング電源回路を作動させるタイミング制御部と、
前記選択スイッチを前記第一選択状態と前記第二選択状態に交互に切り換える制御部と、を備え、
前記タイミング制御部が前記第一スイッチング素子を閉じる前に、前記制御部が前記選択スイッチを前記第二選択状態にする、
ことを特徴とする駆動装置。
<請求項2>
前記タイミング制御部が前第一スイッチング素子を閉じる時に同期して、前記制御部が前記選択スイッチを前記第二選択状態から前記第一選択状態に切り換える、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
<請求項3>
前記タイミング制御部が前記スイッチング電源回路の作動を開始する時に同期して、前記制御部が前記選択スイッチを前記第二選択状態から前記第一選択状態に切り換える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
<請求項4>
前記スイッチング電源回路がその出力電流を所定の目標値に維持するように定電流制御し、
前記選択スイッチを前記第二選択状態にする期間の長さが、前記所定の目標値と前記インダクタのインダクタンスと前記スイッチング電源回路の入力電圧とに基づいて決められる、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の駆動装置。
<請求項5>
前記制御部が、前記タイミング制御部によって前記第一スイッチング素子が開かれた時の前記インダクタの電流及び入力電圧を検出し、その入力電圧の検出値と前記インダクタの電流の検出値と前記インダクタのインダクタンスとに基づいて決められた期間だけ前記選択スイッチを前記第二選択状態にする、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の駆動装置。
<請求項6>
前記選択スイッチが、前記インダクタと前記基準電位部との間に設けられた第二スイッチング素子と、前記第二スイッチング素子に接続されたアノード及び前記発光素子に接続されたカソードを有する整流素子と、を有し、
前記制御部が、前記第二スイッチング素子をオンすることによって前記選択スイッチを前記第二選択状態にし、前記第二スイッチング素子をオフすることによって前記選択スイッチを前記第一選択状態にする、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の駆動装置。
<請求項7>
前記スイッチング電源回路が昇圧型のスイッチングレギュレータであり、
前記第一スイッチング素子が前記タイミング制御部によって閉じられる期間に、前記制御部によって前記第二スイッチング素子がオフされることよりも優先的に前記スイッチング電源回路が前記第二スイッチング素子を繰り返しオン・オフすることによって入力電力を出力電力に変換する、
ことを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
<請求項8>
前記選択スイッチが、前記インダクタと前記基準電位部との間に設けられる第二スイッチング素子と、前記第二スイッチング素子と前記発光素子との間に設けられ、前記第二スイッチング素子のオンである場合にオフになり、前記第二スイッチング素子のオフである場合にオンになる第三スイッチング素子と、を有し、
前記制御部が、前記第二スイッチング素子をオンするとともに前記第三スイッチング素子をオフすることによって前記選択スイッチを前記第二選択状態にし、前記第二スイッチング素子をオフするとともに前記第三スイッチング素子をオンすることによって前記選択スイッチを前記第一選択状態にする、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の駆動装置。
<請求項9>
前記スイッチング電源回路が降圧型のスイッチングレギュレータであり、
前記スイッチング電源回路が、入力と前記インダクタとの間に設けられたチョッパ用スイッチング素子と、前記基準電位部に接続されたアノード及び前記インダクタに接続されたカソードを有した環流ダイオードと、を有する、
ことを特徴とする請求項1から6、8の何れか一項に記載の駆動装置。
<請求項10>
前記制御部が、前記選択スイッチを前記第二選択状態にするのに同期して前記チョッパ用スイッチング素子をオンにする、
ことを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
<請求項11>
前記スイッチング電源回路が昇圧型のスイッチングレギュレータであり、
前記スイッチング電源回路がチョッパ用スイッチング素子及び環流ダイオードを有し、
前記選択スイッチが前記環流ダイオードを介して前記インダクタに接続され、
前記インダクタが入力に接続され、
前記チョッパ用スイッチング素子が前記インダクタと前記基準電位部との間に設けられ、
前記環流ダイオードのアノードが前記インダクタに接続され、前記環流ダイオードのカソードが前記選択スイッチに接続された、
ことを特徴とする請求項1から6、8の何れか一項に記載の駆動装置。
<請求項12>
前記タイミング制御部は前記第一スイッチング素子を開く時に同期して、前記スイッチング電源回路を停止させる、
ことを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の駆動装置。
<請求項13>
前記タイミング制御部は前記第一スイッチング素子を開く時から遅れて、前記スイッチング電源回路を停止させる、
ことを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の駆動装置。
<請求項14>
負荷に接続され、前記負荷の電路を開閉する第一スイッチング素子と、
前記負荷及び前記第一スイッチング素子と並列に接続される出力キャパシタと、
入力に接続されるインダクタと、前記インダクタに接続されたアノード及び前記出力キャパシタに接続されたアノードを有する整流素子と、前記インダクタと基準電位部との間に設けられる第二スイッチング素子と、を有し、前記第二スイッチング素子を繰り返しオン・オフすることによって前記インダクタに流れる入力電流を繰り返しオン・オフして、前記インダクタのエネルギーの蓄積と放出を繰り返すことによって入力電力を出力電力に変換する昇圧型スイッチング電源回路と、
前記第一スイッチング素子の開閉を交互に行うとともに、前記第二スイッチング素子の繰り返しのオン・オフによる前記スイッチング電源回路の作動と前記スイッチング電源回路の停止とを交互に行い、前記第一スイッチング素子を閉じる期間に前記スイッチング電源回路を作動させるタイミング制御部と、
前記第二スイッチング素子を交互にオン・オフする制御部と、を備え、
前記制御部が前記第二スイッチング素子をオフにする期間に、前記制御部が前記第二スイッチング素子をオフすることよりも優先的に前記スイッチング電源回路部が前記第二スイッチング素子を繰り返しオン・オフし、
前記タイミング制御部が前記第一スイッチング素子を閉じる前に、前記制御部が前記第二スイッチング素子をオンにする、
ことを特徴とする駆動装置。
<請求項15>
請求項1から14の何れか一項に記載の駆動装置と、
前記負荷としての発光素子と、を備える、
ことを特徴とする発光装置。
<請求項16>
請求項15に記載の発光装置を備える、
ことを特徴とする投影装置。